聖夜に彼女が言ったその一言は、僕の忘れていた記憶を呼び起こした
「別に思い出したから言ったとか、お別れだからとかじゃないんだよ」
「ずっと昔、まだ私達が幼かった頃の約束」
「それが今日だったんだよ」
僕は妙に頭が冴えていて、彼女の言葉を黙って聞いていた
取り乱したり、からかったりなんてするはずがない
だって、これはただ僕が忘れていただけなんだから
僕らが出会ったのは……
確か小学校入学前、いつも遊びに行っていた公園だった
どちらがともなく会話を始めたわけではない
けれど、僕と彼女はそれから毎日そこで遊んでいた
「おっきなおしろ、つくろ」
「おーっきなやつ」
そうだ、こんな会話をしていた
他愛もない、よくあるような……
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