P「最強のアイドルは誰だ!スポーツマンNo1決定戦」(710)

765プロと876プロのアイドルが筋肉サバイバルバトルに参加した様です。

リトライ。最初から始める。
前回見て下さっていた方、落としてしまいスミマセンでした。
今度は完結出来る様頑張ります。

古館「本日このコロッセオに集結したのは15人の獣達…」

古館「普段はアイドルとして、多くの観客に笑顔を振舞う彼女達も、今日に限っては笑顔は一切ありません」

古館「皆一様に口を真一文字に結んで、己の正面を見つめています…」

古館「数々の男達、そして女達の汗が染み込んでいるこのコロッセオで」

古館「今日は一体どんな歴史が産まれるのか…」

古館「最強のアイドルは誰だ!壮絶筋肉バトル!!スポーツマンNo1決定戦!アイドルサバイバルバトル!!」

真・響・愛「オーーー!!!」

他「お、おー………」

ナレ「3月29日、この日幕張メッセに集結したアイドルは15名」

天海春香(17)アイドル ゼッケン18番
如月千早(16)アイドル ゼッケン72番
星井美希(15)アイドル ゼッケン3番
菊地真 (17)アイドル ゼッケン10番
萩原雪歩(17)アイドル ゼッケン9番
水瀬伊織(15)アイドル ゼッケン1番
高槻やよい(14)アイドル ゼッケン13番
三浦あずさ(21)アイドル ゼッケン5番
双海亜美(13)アイドル ゼッケン11番
双子真美(13)アイドル ゼッケン22番
四条貴音(18)アイドル ゼッケン21番
我那覇響(16)アイドル ゼッケン2番
日高愛(13)アイドル ゼッケン8番
秋月涼(15)アイドル ゼッケン7番
水谷絵理(15)アイドル ゼッケン6番

ナレ「765プロから所属している全アイドルである12名が、876プロからは新人の3名が集った」

ナレ「今回初の試みである、女性アイドル限定のスポーツマンNo1決定戦」

ナレ「当然、出場選手は全員が初出場。この15人が8種目を行い総合No1が決定する」

ナレ「出場選手に意気込みを聞いた」

真「目標…ですか?優勝です。全種目1位での完全優勝」

真「子供の頃から大好きで、出るのが夢だった…いや、出る為にアイドルになった様なものですから」

真「今日はその想いを競技にぶつけたいと思います」キリッ

春香「そうですね。強敵が沢山居るので、どこまで出来るか分かりませんけど」

春香「自分の持ち味は出していきたいと思います。ガンバルぞーっ!」てへっ☆

伊織「意気込み?無いわよそんなの。何で私がここに居るのって感じだわ」

伊織「アホの張り切りに巻き込まれてケガしない様に、テキトーに流すだけよ」サラッ

雪歩「こ、こここ怖いですぅ…。なんで私、こんなトコに居るんでしょうかぁ…」おどおど

やよい「うっうー!今日は運動会ですよね?いっしょーけんめいがんばりまーす!」

あずさ「運動は得意では無いですけど、皆に負けない様に全力を尽くしますね」

亜美「これは神々の与えた試練なのか…ww」

真美「筋肉の獣達がこじあける真実の扉を…ww」

美希「んー?まぁテキトーにやって楽しむだけなの。結果は後から付いてくるって思うな」

千早「…この仕事も歌に繋がるとPが仰っていたので……頑張ります」

貴音「争いは愚かな事ですが、争う事で見えるものもある…それを見つけようと思います」

響「……………意気込み?悪い、集中したいんだ」

響「一つだけ言うなら、優勝の座は必ず奪る。それだけさー」スタスタ

涼「え、えーとこんな番組にぼ…わ、私達が呼ばれて光栄というか…」

愛「覇気が足りないですよ涼さん!先輩達には悪いですが、出るからには絶対イチバン取ります!」フンス

絵理「…帰って良いですか?いえ、本当に…真剣に…マジで」ずーん

~あの階段とかあるとこ~

伊織「ホント、何で私達こんな事やってんのかしら…」はぁ

雪歩「本当だよね…真ちゃんと響ちゃんだけ出れば良かったのに…」

伊織「それよ。本来は各事務所から筋肉自慢が集結してやるハズだったのに」

伊織「他の良識のある事務所は『アホか』で一蹴したから、人が足りなくなって」

伊織「ウチから全員出る事になったんじゃない…あのアホPは何でも仕事受けて…」

春香「Pさんがこの番組大好きらしいから、テンション上がって何でもOKって言っちゃったらしいんだよねー」

伊織「まったく、良い迷惑だわ」やれやれ

春香「まぁ私はPさんが好きな番組で頑張ればアピールになると思うから、結構乗り気なんだけどねw」

やよい「伊織ちゃんはどうしてこのお仕事嫌がってるの?運動会なら前にもやったよ?」

伊織「この番組はアレとは種類が似てるようで違うのよ」

伊織「昨日過去のDVDを見たけど、これは笑いとか可愛いとかは一切必要無くて、大真面目にバカな事をやる系の番組なのよ」

やよい「大真面目にバカな事を…」

亜美「シリアスな笑いってやつだね!」

伊織「あそこで入念にストレッチしてるバカ二人にはお似合いかもしれないけどね」

真「………………」グッグッ

響「……………」タタタッピョンピョン

千早「凄い気迫ね…真と我那覇さん」

雪歩「うぅっ…今日真ちゃんが凄くピリピリしてて、話しかけられなかったよ……」

亜美「響んに至っては、いつもみたく抱きつきにいったら」

真美「マジなトーンで「悪いけど今日は止めてくれ」だもんね。迫力にビビっちゃったよ→」

涼「皆さん、おはようございます!」

春香「あ、876プロの皆じゃない。今日はお手柔らかにねーw」

涼「ハハハ、もちろ…

愛「甘いですよ涼さん!春香さん、今日は敵同士です!精一杯正々堂々戦いましょうね!」

愛「優勝トロフィーは必ず876プロが持ちかえりますから!それではっ!」クルッ スタスタ

絵理「あ、ま、待って愛ちゃん…あ、あの、無理しないようにしましょうね?」スタスタ

伊織「健闘と無事を祈ってるわー」ヒラヒラ

第1種目 BEACH FLAGS

ナレ「この競技は、うつ伏せの状態から笛の音と同時に起き上がり」

ナレ「反転して18メートル先にあるフラッグを奪い合う競技である」

ナレ「まず、一回戦は二つのブロックに分けて行われる」

ナレ「Aブロックには8名が入り、ここから3人が脱落する」

春香「で、このボールを引いてポジションが決まるって訳だね」

やよい「どこに入るかは大事ですね。速い人に挟まれなければ私でも…」

美希「ホンキで走るのは疲れるから、楽に流せる所が良いなー」

Aブロック抽選結果(旗は良い感じの位置にバランス良くあります)
春香 真 あずさ 愛 貴音 美希 やよい 雪歩 

春香「」

亜美「ありゃーはるるん運が無いね→w」

真美「端なだけでも損なのに、隣がまこちんってww」

響(真とは分かれたか…一回戦の内に潰しておくのもちょっと考えたけどな)

貴音「一回戦では勝てば5ぽいんとという話ですからね。取りこぼし無くいきたいものです」

古館「さぁいよいよ第一種目が始まるという訳ですが、解説のお二人はどう見られますか?」

池谷「んーでもまだ一回戦やからね。普通に足の速い子が勝つと思うよ」

ケイン「シュウチュウリョク、それが勝負のキーになると思いマス」

審判「ヘッダーーーン!!!」

古館「さぁ審判の声が掛かりました」

??「………」バッ!

審判「!ピピピピーーーッ!」

古館「おっと、これは?」

池谷「フライングやね。左端の子」

古館「おっと左端の天海選手がフライングです。これは気が急き過ぎたか?」

池谷「ルールでは2回目のフライングは誰がしても、やった選手が失格やからね」

池谷「それを見越してプレッシャーを掛けにいったとしたら…」

ビーチフラッグの終わりまではサクサクいくので、支援して頂けると助かります。
さるさんが怖いので…

律子「――って言ってますけど」

P「単にテレビに写りにいっただけだろうな。あの貪欲な姿勢は流石春香だ」

P「まぁでも、その目的も無いじゃ無いかもしれない。正攻法では真に勝てないのは承知だろうしな」

律子「なるほど…」

P「ていうか律子、律子は何で出なかったんだ?枠はまだ空いてるって話だったのに」

律子「いやいや引退してる身ですし。それに…私が出たら番組になりませんから」ゴゴゴ

P「―――っ!」ゾクッ

春香「えへへっごめんなさーい☆」コツン

シーン

春香「あ、あれ……?」

伊織(春香、普通のバラエティーならそれでいいけど、この番組はそういうのじゃないのよ…)

真「……………」チッ

春香「舌打ちしなかった今!?」

審判「ヘッダーーーン!」

審判「………ピーーーッ!!!」

バッ! 

古館「さぁ号令を聞いて飛び出して行ったぁ!」

ダダダダダダッ! 

古館「菊地速い!菊地速い!おっと天海はどこに向かっている?」

ザザーッ!!!

古館「菊地圧倒的速さで旗を奪取したぁ!立ったまま!飛び込む必要無しといった所か
!」

P「お、今回はキレイなスタートだったな」

律子「旗を取れなかったのは、あずささんと…やよいと雪歩ですね」

春香「やった!計算通りっ!」

雪歩「うぅ…まさか春香ちゃんが突っ込んで来るなんてぇ…」

古館「今リプレイが出ましたね」

古館「スタートは三浦が出遅れたものの、ほぼ横一線といった所。しかしすぐに左二列目の菊地が抜け出し」

古館「そのまま左端の旗を競り合う事なく余裕のゲット」

古館「中央の3つの旗は、日高、四条、星井が幸運にもそれぞれ別の旗を狙う事で」

古館「こちらも競り合う事無く取りました」

ケイン「日高サンの飛び込みはオモイキリが良くてイイですね」

古館「問題は右端の旗、萩原と高槻の競り合いになるかと思いきや」

古館「左端に居た天海が大きく横断して追いつき、直前で抜いて競り勝ちましたね」

池谷「判断の速さが良かったね。一歩目で既にそっちに向かって走り出していた」

池谷「勿論距離損はかなりあったけど、右端の二人なら追い抜ける自信があったんやろね」

真(春香…身体能力自体は大した事は無いけど、やはり油断の出来ない相手だ)

Bブロック抽選結果
絵理 響 涼 亜美 伊織 真美 千早

千早「ゲロゲロキッチンの時を思い出すわね」

春香「Bブロックも3人脱落だっけ?ちょっと不公平な気もするね」

美希「そだねー。あ、響が876の二人に挟まれてるの」

貴音「挟まれているというより、あの二人が響の射程圏内に入っているという表現の方が近いかもしれませんね」

やよい「伊織ちゃん頑張ってー!」

審判「ヘッダーーン!」

審判「………ピーーーッ!!!」

響「はっ!」バッ! ダダダダダッ!!!

古館「っ!これは何というスピードだ!まさに弾丸の様に飛び出して行ったぁ!」

涼「!?くっゴメン!絵理ちゃん!」ククッ

ザザザーーーッ!

P「流石は響って所だな。人間離れした反射神経だ」

律子「アイドルやってるのが勿体無い位ですね。えーと落したのは…水谷さん、真美、亜美か」

古館「リプレイ見てみましょう」

古館「速かったのはまたも、左から二番目の位置にいた我那覇」

古館「圧倒的な反応で、一歩目で既に他者を置き去りにして、そのまま真ん中の旗を一本攫っていきました」

春香「響、あえて端の旗じゃなくて涼ちゃんの旗を取りに行ったね」

真「ライバルは早めに潰しておこうって事なんだろうね。その思惑は外れたみたいだけど」

美希「まぁこの本数なら、他の旗でカバーするのは難しく無いの」

春香「で、亜美は伊織に、真美は千早ちゃんにそれぞれ競り負けたと」

美希「デコちゃんはともかく、千早さんはワリと圧勝だったけどね」

涼「ゴメンね、絵理ちゃん。横取りしたみたいになって…」

絵理「ううん。良いの、私の犠牲で涼さんが勝ち上がれるなら、それが理想だったから…」

涼「絵理ちゃん…。私、頑張るよ!」

亜美「ちぇー。伊織ん、この番組にやる気無いみたいな事言ってたじゃ→ん」

伊織「やる気は無いけど、竜宮小町リーダーとして亜美に負ける訳にはいかないわよ」サラッ

真美「うわー二人揃って一回戦負けなんて→」ガックシ

千早「ごめんね、真美。真美の分まで次も頑張るわ」

二回戦(9人→5人)
抽選結果
千早 美希 響 貴音 愛 春香 涼 真 伊織

春香(よし、今回はまだマシな位置に入ってる)

涼(響さんの次は真さんの隣か…)

美希「千早さん、勝負なの!」

千早「えぇ、正々堂々戦いましょう、美希」

伊織(…今回は足掻くだけ無駄ね。ずっと寝てようかしら…)

愛「春香さん!私全力で突っ走りますね!!」

春香「う、うん。だからそんな大きい声でなくても聞こえるよ愛ちゃん」 キーン

響「貴音、自分は手を抜くつもりは無いからな?」

貴音「無論です。全力で戦うからこそ価値があるというもの」

審判「ヘッダーン!……」

真「…………」ヒュウウウ

涼(な、何てプレッシャーだ、響さんと比べればまだ戦えると思ってたけどこれは…)

審判「ピーーッ!」

ダダダダダダッ!!

美希「千早さん!負けないのっ!」ダダダッ!

千早「私もよっ!」ダダダッ!

涼(ちぃっやっぱり真さんのダッシュ力はハンパじゃない!ここはまた狙いを変え…

??「涼クン。パッドズレてるよ」ボソッ

涼「えぇっ!?」あたふた

ザザザーッ!

古館「飛び込んで行ったぁ!誰が次のステージへの片道切符を手に入れたのか!」

春香「ぺっぺっ。うう~口の中に発泡スチロールが入っちゃったよ」 ゲット

千早「あら、春香も取ったのね。お互いおめでとう」 ゲット

響「悪いな、貴音。自分はこんなとこで躓く訳にはいかないんだ」 ゲット

貴音「勝者が居れば敗者も居るのが勝負というもの。仕方が無い事です」 ロスト

愛「や、やりました!二回戦突破しましたよ涼さん!絵理さん!」 ゲット

涼「う、うん。ごめんね、こんな不甲斐ない結果で」 ロスト

絵理「愛ちゃんに876の未来を託すよ。頑張ってね」

P「残ったのは真に響に日高さんに千早に春香、か」

P「春香が秋月さん…って、律子の従妹だったっけ?」

律子「えぇ従弟です。紛らわしいので涼で良いですよ」

P「じゃあ、涼さんに勝つとは思わなかったな。何か妙な減速があった様に見えたが…」

美希「むーっ!悔しいのーっ!ほんとにあとちょっとだったのに!」

千早「ふふふ、少しだけ私の方に運があったみたいね」

春香(ていうか、空気抵抗の差じゃないかな)

三回戦抽選

真「1番です」

千早「4番ですね」

愛「3番ですっ!!」

春香「5番ですっ!」

亜美「!そうなると残ったのは…」

響「…2番だ」

涼「三回戦にしてこの二人が並んだ…これは波乱の予感がするね」

古館「さぁビーチフラッグス3回戦。5名から生き残るのは3名になります!」

池谷「この辺の駆け引きが難しいんよなぁ」

ケイン「ボクもこのあたりでマケテしまう事が多かったデスね」

三回戦(5人→3人)
抽選結果
真 響 愛 千早 春香

真「…………」

真(スタートが大事だ。スタートで差を付けられなければ勝てる…)

響「…………」

響(真か…ここで潰せれば、後が楽になるだろうな)

愛「お、お二人からとてもピリピリした空気を感じます!これがアイドルの真剣勝負なんですね…!」

春香「いやいやwここまでガチなのはアイドルのする事じゃないと思うよw」

春香「あ、そうだ。千早ちゃん」

千早「何?春香」

春香「あんまり頭からダイブしない方が良いよ?胸が削れちゃうかもしれないしw」

千早「な、何馬鹿な事言ってるのよ!」

審判「ヘッダーーーン!」

審判「………」

真「………」ピクッ

真(しまっ!)

審判「ピーーーッ!!!」

響「もらったぞ!」ダダダッ!

古館「出足が速かったのはやはり我那覇!一瞬でトップスピードに乗った!」

千早「くっ!」タタタッ!

春香(よし、千早ちゃんは動揺してスタートが遅れた!これならイケ――ってええっ!?)

ザザザーーーッ! ??「へぶっ!」

古館「おぉーっと!これは大きな衝突があった!衝撃に耐えて旗を手中に収めたのは誰だっ!?」

愛「み、見失っちゃいました!どこっ?旗っ!」ガサガサ

千早「くっ、多分この辺りに…」 ガサゴソ

古館「!まだ勝負は決していない!三本目の旗が地中に眠っている、どちらが先に見つけるのか!」

愛「こ、これですかっ!」

千早「ひゃっ!ひ、日高さんそれは私の足よっ」

愛「じゃ、じゃあこの辺っ!あ、あった!ありました!」

古館「最後の旗を掴んだのは日高!準決勝にギリギリ指を掛けました!」

雪歩「は、春香ちゃん大丈夫かな…」

美希「1メートル位ふっとばされてたの」

春香「」ぐてー

真「ご、ごめんね春香。ボクもスタートが遅れて必死だったから…」

古館「リプレイが出ます」

古館「まず、菊地が笛が鳴る前にフライングにはならない程度、僅かに反応してしまいスタートが遅れ」

古館「一方、最高のスタートを切った我那覇が左端の旗を攫う」

古館「それを見た菊地は左端を諦め、天海の狙う右端の旗に獲物を変更」

古館「自慢の脚力で出遅れを追い上げ、スライディングの際に天海をはじき飛ばした形ですね」

池谷「真ん中の旗は8番の子しか狙ってなかったけど、何故か掴み損ねてたねw」

池谷「そこを出遅れてた72番の子が追いついて、堀り合いになったと」

雪歩(あぁいう勝負なら私、勝てると思うのにな…)

ケイン「目をつぶってトンデましたカラネ、ショーエイさんを思い出しマス」

春香「うぅ…酷い目にあったよ」フラフラ

伊織「お疲れー。真に体当たりされるとか、芸人根性半端無いわねw」

春香「されたくてされた訳じゃないよ…」

千早「結局残ったのは、真と我那覇さんと日高さんね」

雪歩「あの二人はともかく、愛ちゃんが残ったのは意外だね」

真美「そーかな。たしかに残ったのは運もあるとは思うけど、愛ぴょんけっこ→足速いよ」

亜美「足が速いっていうか突進力がある感じだよね→w」

響「真、無様な走りだったな。どうにか生き残るあたりは流石だけど」フフン

真「うぐ…つ、次は上手く修正するさ」

響「どーだかな。この分じゃ第一種目は自分が余裕で奪れそうだぞ。決勝が楽しみさー」

真「決勝?決勝まで響は残れないよ。次でボクが潰してみせる!」

準決勝(3人→2人)
響 愛 真

愛(あわわ…とんでも無いお二人に挟まれてしまいました…)

涼「うーん、真さんと響さんが並んで居れば潰し合いが期待出来たけど、あれじゃ厳しいかな」

絵理「愛ちゃん、無事に帰って来てね…」

審判「ヘッダーーーン!」

審判「………ピーーーッ!」

響「………うわっ!」サッ

真「!おっと!」サッ

古館「おーっとこれはどうした事だ!両端の選手二名が二人共対角線上の旗を狙っている!」

ザザザーーーッ!!!

古館「そしてダイブッ!ほとんど同時かっ!?日高、懸命に飛ぶもそこに既に旗は無しっ!」

古館「いやぁ驚きました。セオリーでは端の選手は自分の前の旗を狙い」

古館「中央の選手がどちらを狙うか決めるというものでしたが、菊地・我那覇両名共自分から離れた旗を取りに行きましたね!」

池谷「明らかに互いを意識してますねぇ。どっちもここで潰したろうと思って」

池谷「相手と競りにいったけど、その結果、狙い旗が外れたという事ですね」

古館「日高も悪いスタートではありませんでしたが、それを圧倒して十字架を描いた二名のアイドル」

古館「果たして決勝はどんな結末になるのでしょうか!」

愛「うぅ…ごめんなさい、全然駄目でした…」

涼「気にしないで、誰がやってもあれは無理だったよ。あの二人は化け物だから」

絵理「準決勝まで残っただけでも、大健闘だと思う…」

春香「さてさて決勝だけど、どっちが勝つと思う?」

亜美「やっぱり響んじゃない?まこちんはスタートにムラがあるし」

真美「でもさっきの旗を取るタイミングはほぼ同時だったよ?リーチはまこちんの方が長いし」

美希「スライディング勝負になれば、響が春香みたいに吹っ飛ばされるかもしれないの」

貴音「全く予想が出来ませんね。楽しみです」

決勝戦(2人→1人)
真 響

古館「さぁいよいよビーチフラッグス決勝戦!」

古館「片や765プロ所属!沖縄が産んだ野性派アイドル我那覇響!」

響「…………」ペコリ

古館「片や765プロ所属!空手黒帯!アクション俳優もこなす菊地真!」

真「…………」ペコリ

春香「…アイドルなんだから、笑顔で手の一つ位振らなきゃ駄目って思うのは、私がおかしいのかな?」

伊織「…まぁ、それ位はしろとは確かに思うわね。この番組といえど」

古館「さぁ両者…所定の位置に付いて下さい」

響「…………」スッ

真「…………」スッ

やよい「す、凄い緊張感です。私まで緊張しちゃいます…!」

美希「あの形相をテレビに映して良いのかな…?」

審判「ヘッダーーン!」

   シーン

審判「ピーーーーッ!!!」

響「はぁっ!」バッ

先に動き出したのは、やはり響。
その研ぎ澄まされた集中力と動物的な反射神経で、笛の音から0コンマ数秒程の遅れもなく筋肉を稼働させる。

真「今だっ!!」

しかしこの決勝に限っては真と大きな差は付かなかった。
正攻法では分が悪いと見た真は、フライング上等で決め打ち気味に飛び出し、それが功を奏した。
肉眼で見る分には殆ど差が無く、響と真が一歩目を踏み出す。

響「ちぃっ!」ダダダダダッ!!!!

真「うおおおおぉっ!」ダダダダダダッ!!!!!

単純な短距離の走力では僅かに真が上。
この時点で軍配は真に上がる事が確定したかと思えた。

しかし

響「舐めんじゃないさー!!!」ヒュバッ!!

その距離的不利を一気に塗り替えんと、響が飛ぶ。
今迄よりかなり早いタイミングで、響が空中を滑降する。超低空ヘッドスライディング。

真「だあああああっ!」ドンッ!

響が己を追い抜こうとする直前で、真も体を前傾して足の力を爆発させる。
両者、必死に手を伸ばす。結果、猛スピードで二人は発泡スチロールに飛び込み
まるで爆風の様に周囲にそれを撒き散らせた。

古館「これはさながら二つのトマホーク!さぁ弾幕が晴れます!果たしてどちらの砲弾が獲物を撃墜したのかっ!」

発泡スチロールの海から、一人は落胆と共に沈み、一人は歓喜と共に浮き上がる。
浮き上がって見えたのは―――

響「~~~!獲ったぞーーー!!!!!」 グッ!

満面の笑みで、左手の赤い旗を突き上げる響の姿だった。

古館「その手に栄冠という名のフラッグを掴んだのは、我那覇響ー!!!」

ワアアアアーーーッ! オメデトウヒビキー! マコトモスゴカッタヨー! 

真「くっそぉーーー!せっかくヤマが当たったのに!」ボフッ!ボフッ!

響「フフフ、良い勝負だったぞ、真。でも自分の勝ちだ!」ぺかー

春香「いやーちょっと次元が違う勝負だったね。今迄のは何だったのか…」

やよい「お二人共凄いですっ!」

P「響が勝ったか。タイミングは真が僅かに速かった様な気もしたが…」

律子「響の方が弾道が低かった分、旗の下の部分をしっかり掴んでましたからね」

律子「旗に先に触れたのはたしかに真でしたが、勢いで持って行かれた感じですね」

P「なるほどな。まぁ何にせよ名勝負だった。おめでとう、響」パチパチパチ


第一種目 BEACH FLAGS No1我那覇響

第一種目終了時の獲得ポイント

1位我那覇響 100p
2位菊地 真 70p
3位日高 愛 50p
4位天海春香 30p
4位如月千早 30p
2回戦敗退者 5p
1回戦敗退者 0p

第二種目 MONSTER BOX

ナレ「巨大な跳び箱モンスターボックスに挑んでもらう」

ナレ「12段以降、同じ高さの失敗は一度のみ許される。跳び箱に手以外の部分が付くと赤旗が上がる」

涼「うわーやっぱり近くで見ると凄い威圧感だね」

絵理「練習用の10段でこれだもんね…正気の沙汰じゃない…」

愛「うわー!おっきい!これを跳べたら凄く気持ち良さそうですね!」

亜美「さ→て、この番組の代名詞みたいな競技が来たね」

真美「世界記録は池谷さんの23段だっけ?じゃあ24段狙っちゃうよ→」

伊織「それが出来たらアイドル辞めてオリンピック目指すべきね」

古館「さぁ今回のモンスターボックスは、アイドル編と言う事で8段からのスタートになります!」

池谷「うわーひっくいなぁwあんなモン、バク宙でも跳びこせそうやw」

ケイン「ボク達はソウデスケド、女性の皆サンですからネ。8ダンもカンタンでは無いかもしれマセン」

池谷「そうやなぁ。さっきの上位二人は期待できそうやけどね」

・8段

春香「天海春香!いっきまーす!」

ダダダダッ! ダンッ タンッ

春香「やった!」スタッ

古館「今回のモンスターボックスの封を切ったのは暫定4位ゼッケン18番の天海!見事なジャンプでした」

やよい「春香さん凄いですっ!」

春香「ありがとーwロイター板のバネが思った以上に強いから、結構いけそうだよ」

やよい「そうですかーうっうー!私も一回位は成功してみたいです!」

伊織「…にしても、普通のジャンプだったわね」

春香「普通じゃないジャンプってどんなのよw」

真「行きます!」 ダダダダダッ! ダンッ! タンックルクルクルッ スタッ

古館「な、なんと!菊地選手、手をついてから二回転を決めて来た!」

響「そんなの甘いさー!」 ダダダダダダッ! ダンッ! クルクルクルッ スタッ

古館「なんとぉー!我那覇選手は手も必要無し!前宙返り2回転で着地しました!」

春香「」

伊織「あんなの」

あずさ「凄いわね~真ちゃんに響ちゃん。私は8段も越えられるか自信無いわ~」

千早「この競技もあの二人の一騎打ちになりそうね…」

古館「星井選手、これも高い!軽々越えてきました」

愛「いっきますよー!とぉっ!」 タンッ! ズテッゴロゴロゴロ

涼「あ、愛ちゃん大丈夫!?」

愛「へ、平気です…」 8段クリア

やよい「い、行きます!」タタタタッ タンッ ペタン

やよい「あぅ…だ、駄目でした。……って!た、高いです!怖いです誰か助けて下さいー!」ナミダメ

千早「高槻さん!私の胸に飛び込んで!受け止めるから」

春香「いや、それじゃあやよいが怪我するかもしれないから、ここはあずささんが!」

あずさ「わ、私?」

亜美「いやはるるん!それはそれで跳ね返って危ないかもしれないから、ここは伊織んに!」

伊織「な、なんで私なのよ///!」

千早「……春香、ドウイウイミカシラ?」

※結局貴音に降ろして貰いました

そんな感じで競技は進み

春香「よーし11段!いきますよー!」 ダダダダッ! ガッ

春香「あれ?」 ドンガラガッシャーーーン!!!!!

やよい「は、春香さーん!」

古館「なんと天海!ロイター板の手前で躓いて顔面から突っ込んだー!これは大丈夫でしょうか!?」

池谷「ロイター板に躓くならまだ分かるけど、なんで手前で…」

真美「いやー流石はるるん期待を裏切らないねw」

亜美「体を張る事を全く厭わないアイドルって凄いよねw」

千早「……………ふぅー」

千早「はっ!」ダダダダッ! タンッ!

千早「くっ!」 スタッ

美希「千早さん凄いの!11段クリアなの!」

響「良いジャンプでは無かったけど、うまく体を反らして接触を逃れたな」

貴音「ほう…跳び箱というものも奥が深いものですね」

真「11段ですか?パスでお願いします」

古館「菊地選手はパス!この程度は楽勝という事なのでしょう!」

貴音「真はまたぱすですか。8段以降は一度も跳んでませんね」

雪歩「古館さんの言う通り、真ちゃんにとっては跳ぶまでも無いんですよ!」

響(真……?)

雪歩「あ、これで11段は皆終わりみたいですね」

12段挑戦者()内はゼッケン番号
如月千早(72)
星井美希(3)
菊地真(10)
我那覇響(2)
日高愛(8)
秋月涼(7)

春香「12段以降は試技が2回になる一種の節目だけど、残ったのは6人かぁ」(11段失敗)

伊織「まぁそれなりに順当な面子なんじゃない?結局一騎討ちにはなるだろうけど」(10段失敗)

雪歩「真ちゃん頑張ってー!」(9段失敗)

絵理「愛ちゃんに涼さん、怪我しない様に気を付けてね」(9段失敗)

・12段

星井「星井美希!いっくのー!」 ダダダダッ! タンッ! スタッ

古館「星井選手12段クリア!これも余裕を残した跳躍でした」

ケイン「どんどんジャンプのシセイが良くなってマスネ、星井サンは」

池谷「センスを感じるねぇ。誰の指導も無しに理想的な跳躍をどんどん掴んでいっとる」

池谷「これはひょっとするかもしれませんね」

古館「世界記録保持者の池谷さんのこの言葉!星井選手、どこまで記録を伸ばすのか!」

千早「凄いじゃない、美希。まだ随分余裕が見えたわよ?」

美希「ありがとうなの千早さん!うん。ミキ、跳び箱は好きなの」

美希「手をついた瞬間のふわっとした感じと、広がる視界がサイコーなの!まだまだイけるって思うな!」

美希「さっきは負けちゃったけど、この競技で取りかえすからね!千早さん!」

千早「フフッじゃあ私も一段でも多く跳ばないといけないわね」

その言葉通り、次の千早は12段を辛くもクリア。
響、涼も余裕を残してクリアし、次の挑戦者は日高愛。

愛「どりゃあああー!!!」 タンッ ゴロゴロゴローッ!

古館「……今白旗が上がりました!日高選手も12段を一発クリアー!」

春香「…美希の綺麗なジャンプとは対照的だね」

伊織「我流の粗削りも良いトコって感じよね」

伊織「めちゃくちゃ前傾姿勢になって、手を着く位置もかなり前で…なんであれで越えられるのかしら」

響「体が軽いからなー。あのワケ分かんない突進力で、無理矢理体を前に飛ばしてるんだろうな」

響「まぁ、流石にもう一段二段が限界だろうけど」

春香「うーん。愛ちゃん、予想以上に侮れない相手だ…」

雪歩「あ、次は真ちゃんだよ!」

伊織「ここは跳ぶのね。あ、12段は強制だったかしら」

真「…………」 ダダダダダッ! ダンッ! タンッ スタッ

春香「余裕のクリアー。さっすがー」

亜美「んーでもミキミキの方が余裕無かった?」

真美「力を温存するなんて、まこちんも頭を使う様になったんだねぇw」

響「…………」

・14段

千早「くっ!」 ガガッ!

古館「如月選手、2回目の試技も失敗!跳び箱に激突してしまいました」

愛「とりゃあああーっ!」 ガッ ゴロゴロゴローーーッ!

古館「遂に赤旗が上がった!日高選手も14段失敗!」

愛「うぅ…お尻うっちゃいました…」

涼「よく頑張ったよ、愛ちゃん。後は私に任せて!」

涼「はぁっ!」 タンッ! スタッ

古館「少しバランスを崩しましたがクリアー!秋月選手は14段クリアーです!」

P「凄いな、涼さん」

律子「私の従弟ですから、あれ位はやってくれないと」

P「これで残ってるのは、美希、響、真、涼さんの4人か」

P「響と美希はさっきクリアしてたけど…真はどこに行った?」

律子「さっきパスだって言ってましたよ」

P「またか。必要最低限しか跳ばないなんて、真らしくないな」

律子(………恐らくは)

~医務室~

医者「…菊地さん。まだ続けるって言うの?医者としては勧められないな」

真「お願いします先生。ボクはここで響に差を付けられたくは無いんです!」

真「響は強い…一種目でそれが十分分かりました。だからもうボクには一種目だって休む余裕は無いんです」

医者「…モンスターボックスは一番足に響く競技、ここで無理をすれば後の競技に支障をきたすわよ?」

医者「いえ、場合によってはドクターストップも…

真「それだけは止めて下さい!ボクは…今日この日の為に、為だけに…頑張ってきたんです!」

真「ここで戦えないなら…死んだ方がマシだ!」

医者「菊地さん……ならせめて、テーピングを。痛み止めは副作用だってあるんだから…」

真「それは駄目です。皆に心配は掛けたく無いし…何より、響がボクに遠慮をしてしまう。響は、優しいですから…」

ガチャッ

響「そんな体で無理される方が心配さー」

真「!?ひ、響!」

響「全く、そんな事だろうと思ったぞ」

真「………気付いてたのか?」

響「バレバレさー自分を誰だと思ってるんだ?菊地真のライバル、我那覇響だぞ?」

響「真の体調位…一目見れば分かるぞ。その足に爆弾を抱えてるって事もな」

すみません、だいぶ眠いので一旦寝ます。
起きたら再開しますので、出来たら保守宜しくお願いします。
10時までには戻るかと思うので…。

戻りました。保守ありがとうございます。
ちょっと諸事情で度々席外すかもしれませんが、再開しますね。

真「ははっ参ったね。まぁ、そりゃあそうか。ボクは演技がヘタだもんなぁ」

響「…いつからなんだ?まさか、さっきのビーチフラッグの時に…」

真「いや、そうじゃないよ。兆候は昨日からあったんだ」

真「今日が楽しみ過ぎてね。ちょっとトレーニングが過ぎたみたいで……ピリっと」

真「起きたら何ともなかったからイケると思ったんだけど、8段の時の着地でまたぶり返しちゃってね。マヌケな話だよ…」ハハハ

医者「丁度良かったわ。貴方が我那覇さんよね?貴方から菊地さんを説得して貰えないかしら?」

医者「怪我人から勝っても、貴方も嬉しくは無いでしょう?」

医者「菊地さんだって、遠慮して手加減をする貴方とは戦いたくないでしょうし」

真「…………」

響「………真、自分は手加減は苦手だ」

響「卓球でも、力を抜いてドロップショットを打たなくちゃいけない時でも」

響「ついつい力が入ってアウトにしちゃう事もしょっちゅうだったさー」

医者「?何を言って…

響「だから、真の怪我を知った自分は、手加減をしようとして」

響「うっかり『いつも以上の力を出すかもしれない』けど、ゴメンな」ギラッ

真「―――っ!……あぁ!」ギラッ

医者「な…何を言って!菊地さんはもう跳べる体じゃ…」

響「跳べるさ。自分の知ってる真はそんなやわじゃない。そうだろ?」

真「…あぁ。アドレナリンが暴れ出して、痛みなんてどこかに消えちゃったよ。痛み止めはこれで必要無いね」

響「よし、じゃあ後はテーピングさ」

響「自分もしょっちゅう足つったりしてたから、マッサージとテーピングにはちょっと自信あるぞ」

真「だからいいよテーピングなんて…」

響「いいからテーピングさ!」

医者「ちょ、ちょっと待ちなさい!菊地さん、二度と踊れない体になったらどうするの!?」

真「…その時はその時ですよ。たしかにそうなったら、ボクは後悔するかもしれない」

医者「だ、だったら…」

真「ただ、『後悔』っていうのは『後』でするものです」

真「ボクは……今!悔やみたくない!!!」ドン!

医者(―――っ!なんて…気迫っ!)

響「…聞いたろ?先生。コイツは馬鹿なのさ」

響「口で言ったって止まりやしない。…大丈夫、ホントにヤバいと思ったら自分が止めるから」

響「真の終わりは…自分が決めるさー」

真「そういう事です。それじゃあ、ありがとうございました。先生」

真「出来の悪い患者で、スミマセン」ニコッ

響「よし、テーピング終わったぞ。戻るぞ、真」スタッ

医者「―――待って」

真「え?」

響「まだ何かあるのか?」

医者「貴方達の覚悟は受け取ったわ。それについては私は何も言うつもりは無い」

医者「代わりに―――これをあげる」ヒュッ

真「おっと」パシッ

医者「それは私の家系に代々伝わる、秘伝の薬」

医者「どんな怪我も直ぐに治してしまうと言われる、万能薬よ」

響「そ、そんなものがあるなら最初から――

医者「ただし。この薬には同時に強い毒性があってね。常人ならその毒にやられて――死に至る」

真「!死……ですか」

医者「健全な魂と強靭な肉体を持つ者にしか渡してはならないと言われているわ」

医者「…私の診断では、菊地さんは合格よ」

真「先生………」

医者「私を殺人者にしたくなかったら、残りの競技、死ぬ気で気合い入れて頑張って来なさい」

医者「そして全部終わったら、ここに帰って来る事。命さえあれば…治してみせるから」

真「先生………ハイ!ボクは絶対生きて帰っ―――

伊織「コントが長いっ!!!!!!!!!!」

真「い、伊織?」

伊織「アンタ達いつまでしょーもないコントやってんのよ!皆待ってんのよ!?」

伊織「仕方ないから先に美希と涼が上の段やって、美希なんかさっき17段跳んだんだからね!」

響「じゅ、じゅうなな!?凄いな美希…」

伊織「何でこの伊織ちゃんがアンタ達の捜索に借り出されなきゃいけないのよ!」

伊織「やっと見つけたと思ったら、延々エスカレートするコントやってるし!どっから死が出て来たのよ!」

医者「てへっ」コツン

伊織「てへっじゃない!アンタが悪ノリしなきゃここまではならなかったわよ!」

伊織「ぜーぜー……」

真「ゴ、ゴメン伊織。最初は真面目だったんだけど、段々楽しくなってきちゃって」

伊織「もういいわよ!」フンッ

伊織「………で、実際足の方は大丈夫なの?」

真「うん。響のテーピングのお陰でなんとかなりそうだよ」

医者「元々大事を取ってただけで、大した怪我でもなかったしね」

響「うんまぁそんな気はしてたぞ」

伊織「…………」ブチッ

伊織「だったらさっさと戻りなさいっ!!!」

~コロッセオ~

亜美「あ→やーっと戻って来た!」

真美「まこちんに響ん遅すぎだよー!もうミキミキと涼おねーちゃんの試技終わっちゃったよ→!」

美希「…なんかミキ、すっごく頑張ったのにそこがカットされたみたいな、変な気分なの…」(記録17段)

涼「あはは…何かそれ分かります」(記録15段)

春香「凄く感動的な感じだったのにねwあの美希があんなに必死に…!って」

千早「あと少しのズレに悩む美希に、池谷さんが手を差し伸べたシーンは良かったわね」

古館「あぁ、やっと帰って来られましたか!」

古館「菊地選手に我那覇選手!何段に挑戦しますか?出て行かれた15段から?」

真「んーどうする?響」

響「今積まれてるのは何段なんだ?」

美希「え?18段なの。さっきミキが失敗して…」

春香「もうちょっとだったんだよー惜しかったよね」

真「…じゃあ、それで良いです」ニヤッ

響「自分もだ」ニヤッ

古館「!それはまさか、いきなりこの18段に挑戦するという事ですか!?」

真「随分待たせてしまったみたいですからね」グッグッ

響「チマチマやるのも性に合わないから丁度良いさー」グッグッ

古館「…分かりました!それでは挑戦して頂きましょう、18段!女子の世界記録です!」

雪歩「さ、流石に無茶じゃないかな?いきなり18段なんて…」

貴音「いえ、でもあの二人なら…或いは」

やよい「な、何だかすっごい事が起りそうな気がします!」

響「じゃあ自分からいくぞー!」 ダダダダダッ! ダンッ! ガガッ!(激突)

響「あ、あれー………?い、意外と高いんだなー…」

皆「…………………………」

真「まったく、締まらないなぁ響。ボクのお手本を見てなよ!」ダダダダダッ! ダンッ! ペタン(乗り上げ)

真「あ…あれぇー……?ちょ、ちょっと練習が足りなかったかな…?」

皆「…………………………」

※そして二回目も両者失敗しました。


第二種目 MONSTER BOX  No1星井美希(17段)

美希「……びっくりする位、達成感の無い一位なの……」ずーん

※ちなみに真の記録は12段、響の記録は14段となりました。

現在の獲得ポイント
1位我那覇響 160p
2位菊地 真 110p
2位日高 愛 110p
4位星井美希 105p
5位如月千早 80p
6位秋月 涼 75p
(以下略)

第三種目 QUICK MUSCLE

ナレ「3分間の腹筋の回数を競う競技。アゴでボタンを押す事でカウントする」

ナレ「3秒以上背中を競技台に付けていた者、競技台から落ちた者は失格とする」

伊織「…酷いどっちらけを見たわ」

亜美「なんかもう番組終わっちゃうレベルのあれだったよね→」

真美「編集する人大変だよね。前代未聞だよ→」

響「だ、だからゴメンって言ってるだろ!スタッフさんにもさっきPと一緒に謝りに行ったし!」

真「うぅ…Pのゲンコツ痛かった…」

美希「ハニー、ワリとマジで怒ってたの」

春香「Pさんは真剣にこの番組見てるんだもんねw」

春香「でも本当モンスターボックスは色々盛り沢山だったもんねー」

春香「Pさんがこの競技に時間取られ過ぎて、他の競技がナレーションベースになりがちって嘆いてたのも」

春香「なんとなく分かる気がするねw」

千早「まぁ過ぎた事は仕方ないわ。切り替えていきましょう」

やよい「次は腹筋ですかぁ…うぅ、あまり得意じゃないです…」

伊織「…今迄の競技はまぁ良いとして、アイドルが腹筋勝負ってどうなの?」

伊織「そりゃアイドルは体力勝負だけど、グラビアの仕事とかもあるんだから腹筋があり過ぎたら駄目でしょ」

春香「まぁそこをツッコんだらキリ無いと思うよwだから他の事務所は断ったんだろうしw」

真美「ていうか何で腕立てじゃなくて腹筋なんだろうね?」

亜美「んーオトナノジジョーなのかな?」

古館「この競技は5人一組で一斉に行われ、グループ分けはこれまでの順位に準じて行われます」

古館「このアイドルサバイバルバトルでは、4種目目の終了時点で下位にいる5名が脱落となります」

古館「つまり今から行う下位グループの5名はレッドゾーンに居るという事になります!」

古館「残りの2競技でその危険区域から脱する事が出来るのかぁ!」

下位グループ5名
やよい・雪歩・あずさ・絵理・亜美

亜美「あちゃ→やばいね、やよいっち」

やよい「でも下位は結構ダンゴ状態みたいだから、ここで上位に入れれば残れるんじゃないかなぁ?」

亜美「そっか!んっふっふーんwどうにか5人を蹴落としてみせるからね→」

絵理「あ、あと二種目…それで終われる…」ほっ

あずさ「あらあら~今日は全然良い所が無いから、一つ位良い成績を残したいわね~」

亜美「いやいや→wビーチもモンスターも走る系の競技だから、視聴者の兄ちゃんの目は釘付けだったよ→w」

亜美「競技時間は少ないだけに、全部使われるかもねw」

審判「それでは位置について下さい!」

雪歩「うぅっ緊張するよぉ…」

やよい「腹筋するだけなんですから、リラックスしていきましょう雪歩さん!」

審判「レディー………スタート!」

古館「さぁ始まりました!3分間の腹筋地獄。3分後アイドル達の表情はどのようなものに変わっているのか!」

美希「…あふぅ。でも絵としてはすっごく地味だね、この競技」

響「まぁ腹筋してるだけだからなぁ。高いレベルなら駆け引きとかが無くも無いんだろうけど」

響「やよい達だと、まず3分間耐えられるかって事になりそうさー」

響の予想は正しく、1分を過ぎた時点で絵理が早々と脱落。記録無しに終わる。
やよい、雪歩、あずさも1分を越えたあたりでペースがガクっと落ち、亜美一人が気を吐く展開に。
しかしその亜美も2分を過ぎると表情に陰りが見え、残り30秒の時には残る全員が生き残りに必死になっていた。

やよい「も、もう駄目です……」ぷるぷる

雪歩「わ、私も…も…げんか…」

真「諦めちゃ駄目だよ雪歩!完走する事に意義があるんだ!」

伊織「アンタにしては良い事言うじゃない。やよいー!あと20秒よ!根性見せなさい!」

千早「高槻さん頑張ってー!」

亜美「こ、このぉ……」ぷるぷる

真美「亜美!後3回で60回だよ!いけるいける→!」

あずさ「せ、せめて脱落だけは…」ぷるぷる

春香「あずささーん!今カメラ向いてますよ!頑張ってー!」

ワイワイガヤガヤ ガンバレー アトチョットダー!

審判「ピーーーーッ!!!」

4人「」バタッ!

記録
やよい31回 雪歩27回 あずさ38回 絵理 記録無し 亜美60回

てすと

あ、さるさん解除されました。再開します。

千早「高槻さんっ頑張った!よく頑張ったわ!ハイ、タオル」

伊織「ま、記録は置いといて、完走した事は立派ね。ドリンク居る?」

やよい「あはは…ありがとうございます」ぜぇぜぇ

絵理「…ご、ごめんね…わ、私なりに頑張ったんだけど……」ぜーぜー

愛「うんうん分かってますよ!絵理さんこういうの一番苦手ですもんね!」

涼「今はゆっくり休みなよ。氷要る?」

亜美「頑張った……亜美は頑張ったよー……」ぴくぴく

真美「見届けたよ亜美!次は真美が頑張るからね!」

雪歩「まこ…ちゃ……私、もうゴールして良いよね……?」

真「雪歩ぉ!気をしっかり持って!多分そっちはいっちゃ駄目だ!」

あずさ「……な、なんとか意地は見せられたかしら…?」

春香「勿論ですよ!そんなハンデを背負っていながら凄いです!」

美希「凄い映像だったの…。これ放送して良いのかな?」

古館「次は中位グループです。上位を脅かすか下位に落ちるか、それを決める結果はここで出るでしょう!」

中位グループ5名
涼・春香・貴音・伊織・真美

伊織「あら、さっき2位だったのに涼もここに入るのね」

涼「ビーチフラッグは2回戦負けでしたからね。現在第6位です」

春香「私もここでポイントを獲っておかないと最後まで残れるか怪しいからね。本気でいくよー!」

真美「少なくとも亜美の記録は抜かないとね!」

貴音「敵は自分自身。限界のその先に挑んでみたいものですね」

審判「それでは位置について下さい」

響「うーん……」

美希「どうしたの?響」

響「いや、この回こそあんまり注目するポイントが無いなぁって思っただけさ」

真「あー何となく分かるよ。中位の人は春香を筆頭に良くも悪くも無い運動能力だから、特に何が起こるって事もなさそうなんだよね」

響の予想はまたも正しく、中位の5名は脱落の危機に陥る者は居ないが
かといって特に物凄い数字を出す者も居らず、淡々としたペースで各々数を刻んだ感じだった。
強いて言えば、タッチが弱く、十度程カウントされなかった春香が
機械の整備不良を訴え抗議したが、取り合って貰えなかった位で中位グループの腹筋は終了した。

記録
涼98回 春香62回 伊織64回 貴音75回 真美61回

伊織「…何か一応頑張ったのに、物凄く損した気がするのは気のせいかしら…」ぜぇぜぇ

やよい「伊織ちゃん凄い!暫定3位だよ!」

伊織「ありがと、やよい。でも暫定3位って言っても後に残ってるのがねぇ…」

真美「ふぃーギリギリだった。ペース配分を考えるのも難しいもんだね→」

亜美「ぶ→。亜美だって後にやらせてくれれば、真美の記録を越えるの目標に出来たのにな」

愛「涼さん凄いです!ぶっち切りで暫定1位ですよ!」

絵理「うん、本当に凄いと思う」

涼「ありがとう。腹筋は根性だからね、ここでは負けられないなって思ってたよ」

涼「ただ…」チラッ

響「…………」ピョンピョン

真「…………」ヒュウウウ ハアァァ

涼「あの二人が残ってる以上、どうなるか分からないけどね」

古館「さぁ最終組は勿論上位グループ!」

古館「1位の我那覇選手がここも勝って独走態勢を築くのか、それとも他の選手がそれを阻止するのか」

古館「3分間の耐久レース、いよいよスタートします!」

池谷「またあの二人の対決になるんかな?」

ケイン「ボクと池谷もコノキョウギデハよくキソイあってマシタネ」

池谷「俺はパワーが無いからなぁ。ここで稼いどかんと優勝はきつかったんや」

上位グループ 5名
響・真・美希・愛・千早

伊織「ま、結局ここもあのアホ二人の一騎打ちになるんでしょうね」チュー(ドリンク)

雪歩「さっきの跳び箱も、なんだかんだ言って二回目はかなり惜しかったもんね」

雪歩「多分ちゃんと段階を踏んで、美希ちゃんのジャンプを参考にしたりしてたら跳べてたよ」

貴音「身体能力は頭三つ程抜けている事は間違い無いでしょうね」

真美「ん→でも涼お姉ちゃんの98回って結構な高記録だよ?いくらまこちんと響んでも越えれるかな」

あずさ「真ちゃんは空手をやってるから、こういう筋トレ的な事は慣れているだろうし、ちょっと有利かしら?」

亜美「いやいや響んも普段着てるへそ出しルックから見るに、相当ウエストは引き締まっておりますからなぁ」

春香「………ぷっあははははははっ」

真美「?はるるん、何で笑ってんの?」

春香「ふふふw皆何をズレた事言ってるのかなーってw」

春香「おかしくて思わず吹き出しちゃったよ」

やよい「どういう事ですか?春香さん」

春香「腕立てなら分かんないけど、腹筋だよ?それなら……」


春香「―――千早ちゃんに勝てる人が居る訳無いじゃない」ニヤッ

千早「…………」グッグッ(屈伸)

真(このグループ、最も警戒すべきは響じゃない。それは…)

響(このグループの要注意人物、それはダントツで…)

真・響(千早!!!)

真(あの驚異的な声量は、たゆまぬ努力から成った割れた腹筋が源になっている)

真(1種目目はともかく、2種目目も響はなんだかんだで3位に入ったけど、ボクは6位…)

真(正直腹筋はそんなに得意でも無いけど、ここで何としても挽回しないとね!)

響(別に腹筋に自信が無い訳じゃないけど、千早はかなりそれに特化した体を作ってるからな)

響(普通にやってたら分が悪いのは確かだぞ)

響(でも自分には策がある!)

響(それは、千早を徹底的にマークする事!)

響(この競技で一番のポイントはペース配分。飛ばし過ぎてガス欠になるなんてのは最悪だ)

響(しかし千早に付いていけばそれは無い!真面目な千早な事だ。きっと最後まで終始同じペースで数を刻むだろう)

響(なら自分は、それに何とか付いて行って、最後の5秒だけスパートをかければ千早の上に行ける!)

響(フフフ、これなら自分はペース配分に頭を使わなくて良い分、ちょっと体力を温存出来るし)

響(最悪付いていけなくても、追いすがっていけば2位は堅いさー)

響(持久走でも、なんだかんだいって速い人に付いて行った方が最終的なタイムは良くなる事が多いしな)

響「自分の作戦はカンペキさ…」ボソッ

美希「?何か言った?響」

響「な、何でもないさー」

千早「……………」

競技者の位置
真 愛 美希 響 千早

響(この位置取りも上手くいったさー。どこを取るかは早いもの勝ちだったけど)

響(千早ならやよいの使ってた台に行くだろうから、先にその隣を抑えられた)

響(そして千早は端だから、自分の作戦が使えるのは自分だけ!)

審判「それでは位置に付いて」

響(もう勝ったも同然だぞ!)

春香「…………」ニヤニヤ

伊織「何気持ち悪い顔してるのよ、春香」

春香「アイドルの笑顔を気持ち悪いとか言わない」

伊織「いやアイドルとは思えない黒い笑顔だったけど…そうえば響もさっきそんな顔してたわね」

春香「そう、それだよ」

伊織「それってどれよ?」

春香「いやぁ響も運が無いなーって思ってさ。千早ちゃんの隣に寝るなんて」

伊織(?どこでするかなんて関係無いと思うけど…)

古館「それでは上位グループ5名のクイックマッスルが始まります!」

審判「レディー………スタート!」

この時、響は大まかに頭上にある電光掲示板が3分後に示す数を予想していた。
現在のトップは秋月涼の98回。それを越すのが最低ライン。
しかしトップを確実に取りに来るだろう千早は、響と真の脅威も考えに入れて
プラス20回。120回位はやって来ると響は考える。3秒に2回のペース。
それは響の思う自身の限界と大凡一致しており、厳しい戦いになると覚悟を決めて開始の声を待った。

しかし、現実は響の予想を嘲笑う事になる。

千早「ふっ!ふっ!ふっ!ふっ!」ガシャガシャガシャガシャッ!

響(なっ!?)

予想外の事。それは千早のスタートダッシュ。
予想を遥かに上回るペースで数を刻む千早に、響は面食らい心に動揺が走る。

昼食食べて来ます。

響「くっ!」ガシャガシャガシャガシャッ!

しかし身体能力は随一の響。
いかに速いとはいえ、千早のペースに追い付けないという事は無い。
出遅れを取り戻そうとペースを上げ、すぐに千早の回数と肩を並べる。
そして、その際にこれまでのカウント数が目に入る。カウント数は15。
そして経過した時間は……10秒。

古館「これは開始早々物凄いデッドヒートだぁ!如月選手と我那覇選手!並んだ二選手が一歩も譲らない!」

我那覇(じょ、冗談じゃないぞ!10秒で15回って事は、えーと…2秒で3回ペース!)

我那覇(こ、こんなのをずっと続けてたら200回を越えるぞ!?何考えてんだ千早!)ガシャガシャガシャガシャッ!

やよい「ち、千早さん凄いです!物凄いスピードですよ!」

真美「それに付いて行ってる響んも凄いよね→」

伊織「…たしかに凄いけど、あれじゃ絶対最後までもたないわよ」

伊織「自分の限界を見失ったオーバーペース。気負い過ぎたのかしら?」

春香「…………」ニヤニヤ

審判「30秒経過!」

古館「30秒の時点でもう二人は50回に到達しようとしています!このままのペースで最後までやり抜けるのか!?」

響(そんなの無理に決まってるぞ!)

響(これは千早の暴走。得意種目だからって気負ってトバし過ぎたんだ)

響(こんなのどこかで大失速するに決まってる、ヘタしたら脱落さー!)

響(線路の先が無い列車に乗り続ける訳にはいかない。ここで自分は降ろさせて貰うぞ!)スッ

古館「おーっとここで我那覇選手が大きくペースダウン!流石にオーバーペースだったのかぁ!」

響(それは千早も同じさー。最後でガス欠になった所を一気に追い抜かせて貰うぞ)

響(全く、千早がこんなミスをするなんて。買い被ってたせいで作戦が台無しさー)ガシャ…ガシャ

響(もう千早の事は無視!真の数字を上回る事に集中するぞ!)

やよい「あぁ響さんのペースが落ちました!限界なんでしょうか…?」

伊織「違うわね。あえてペースを落としたのよ」

伊織「あのペースを続けてたら遠く無い未来、確実に自滅する。そう読んだんでしょうね」

伊織「ま、響にしては賢い判断だわ。千早の暴走に付き合って共倒れなんて馬鹿らしいもの」

春香(…果たして、本当にそうなのかなw?)

審判「1分30秒経過―!」

真美「まこちんが60回、ミキミキと愛ぴょんが40回か」

伊織「千早、意外と頑張るわね。1分持たずにガス欠になると思ってたけど」

伊織「最初のペースをずっと維持してるわ」

春香「最初のペースを維持?あはは、伊織は完全に千早ちゃんの作戦にハマってるねw」

伊織「む、何言ってんのよ。現に千早はずっと同じペースで……!!」

春香「気付いた?」

伊織「そ、そんな…一体、いつから……?」

亜美「なになに?どーいう事?」

春香「見てみなよ亜美。千早ちゃんの今の回数」

響「…………」ガシャ…ガシャ…ガシャ

響(ふー今大体80回位か?一時はどうなるかと思ったけど、何とか目安の120回には届きそうさ)

響(…そうえば、千早まだ残ってるんだな。てっきり半分過ぎる頃にはヘロヘロになってると思ったけど)

響(ま、どうせじきに脱落するんだから関係無いけど、もう150回近くいってるのかな?)チラッ

響(な!?)

伊織「驚いたわね。てっきりずっと同じペースを維持してると思ったのに」

伊織「千早の100秒を越えた時点での回数―――95回」

亜美「ど、どういう事?千早お姉ちゃんは30秒で50回越えてたんだよ?」

真美「それでペースが落ちて無いなら、150回近くはいってないとおかしいじゃん!」

春香「ペースが落ちて無いなら、ね」

やよい「ど、どういう事ですか?春香さん」

春香「千早ちゃんはペースを落としてたよ。正確には、落とし続けてた」

春香「少しずつ、ゆっくりとだったから、普通に見てる分には気付かないのも仕方ないけどね」

春香「中には途中までしか体を上げないで、やってるフリをしてる時もあったし」

春香「見て、今の千早ちゃんのペースは真よりも少し遅い程度。2秒に1回程に落ちてる」

真美「ほ、ほんとだ…全然気が付かなかった…」

伊織「…いつから?いつから千早はそれを実行してたの?」

春香「35秒頃、正確に言うなら『響がペースを落とした時』からかな」

伊織「―――っ!なるほど、ね」

亜美「なになに!?伊織ん一人で納得しないでよ!」

伊織「簡単に言えば千早は響をハメたのよ。最初はとんでも無いオーバーペースで響を釣りだして」

伊織「響がそのペースから離脱してからは、逆にペースを落とし出した」

伊織「それの目的は、自身の体力の温存は勿論だけど」

伊織「真の狙いは『響のペースを落とす事』」

やよい「響さんのペースを……?」

春香「そうそう。千早ちゃんは暴走してる、千早ちゃんに付いて行っちゃ駄目だと思ってる響は」

春香「横の千早ちゃんのペースよりも、大きく落そうとする」

春香「そう…必要以上に、ね」

亜美「な、なるほど……」

春香「もっと言えば、結構最初のハイペースの時って響のはカウントされてないのもあったんだよね」

春香「あれだけのスピードで、毎回確実にボタンを押すのは結構難しい」

春香「千早ちゃんは堅実に全部押してたけど、焦った響は何度か押し逃した」

春香「響は今82回ってなってるけど、ホントはもう90回越えてるんじゃないかな?」

春香(そして、この事実を知った響は……)

響(千早が95回!?どういう事だ!?これじゃあ最後までやり切られるぞ!)

響(こ、この状況……まさか!)チラッ

千早「………ふふっ」ニヤリ

響(千早ああああーーーっ!自分を騙してたのかぁーー!!!)

響「うおおおーーっ!」ガシャガシャガシャガシャッ!

古館「おっと!ここで我那覇選手が再びペースアップ!」

古館「残り50秒!ラストスパートには少し遠過ぎるが大丈夫なのか!?」

響(くそお!くそお!自分の作戦はカンペキだったのに、それを逆手に取られるなんて!)

響(許さないぞ千早!こうなったら地力で何とかしてやる!)ガシャガシャガシャガシャッ!

千早「……………」

真美「おぉ!響ん凄い追い上げ!これは逆転あるんじゃない?」

伊織「千早の策に気付いたみたいね。その時点で14回差。逆転出来ない回数差じゃないわね」

春香(…残り、35秒)

審判「2分30秒経過―!」

やよい「残り30秒です!」

亜美「響んと千早お姉ちゃんの差は3回…2回…1回…追いついた!そして抜いた!」

響(ぐっ…さ、流石にキツいさー。お、追い抜いた事だし、ここは一旦ペースを落として)

響(残り8…いや、5秒でラストスパートをかけて千早をまくる!)スッ

春香(!響がペースを落とした)

古館「如月選手と我那覇選手!激しいデッドヒートが繰り広げられている!どこにそんな力が残っていたのか!」

真美「残り10秒!響ん130回、千早お姉ちゃんがまた逆転して131回!」

亜美「うわー!凄い勝負だよ!」

伊織(これは……千早、見誤ったんじゃない?響の火事場の馬鹿力を)

伊織(この時点でこの差…響がスパートをかければ喰われるわよ?)

響(千早とは1回差…これならいけるぞ!)

響(さぁ、自分の腹筋!最後の力を振り絞ってくれ!)

電光板の示す残り時間は、6から5に移ろうとしていた。
ここで響は背中を一度台に付け、勢いをつけて上体を持ち上げようと腹筋に力を込める。

響「ふんっ!」グッ!

響「え……?」

―――しかし、それから響の顎がボタンに触れる事は無かった。
それどころか…

審判「ピーーーーッ!」

古館「ここで腹筋地獄の終了を示すホイッスルが鳴り響いた!」

古館「人間メトロノームとなった三分間!意識が果たしてあったのでし……なにぃ!!」

ケイン「コレハ……!」

伊織「な!」

貴音「なんと……!」


古館「赤旗だ!赤旗が上がっている!3分間が終わる直前に失格となったのは…我那覇選手!!!」

響「そ、そんな………」ボーゼン

逆転を目指し力を込めたが、無情にも響の体はピクリとも動かなかった。
ラスト5秒。逆転の為に残した時間を、響は全て競技台に背中を付けたまま費やし
その結果、終了のホイッスルが鳴り響く直前、失格が宣告された。

記録
真118回 愛77回 美希66回 響 記録無し 千早133回

古館「こ、これは何という悲劇的な幕切れか!130回を越えていた我那覇選手!まさかの失格!二人目の記録無しとなりました!」

伊織「…まさか、こんな事になるとはね。流石に予想出来なかったわ…」

春香「そうだろうねえ。千早ちゃんも驚いてるんじゃないかな?」

春香「―――『まさかこんなに上手くいくとは』って」

伊織「!どういう意味?」

春香「カラクリは、響が千早ちゃんの罠に気付いた後の事」

春香「あの時響は怒って、千早ちゃんを抜きにかかったよね?」

春香「あの時の千早ちゃんはかなりペースを落としていたから、響はすぐに抜けると思っていたんだと思う」

春香「追いついた、或いは追い抜いたら、またペースを落としてラストの体力を残そうと思ってたんだろうね」

春香「でも千早ちゃんは響が気付いた事に気付いた瞬間、『ペースを上げていた』」

伊織「っ!なるほど…それで響はまた釣られて、オーバーペースで抜いてしまった」

伊織「その結果、最後に残すハズの体力を使い切ってしまった…」

春香「そう、それが千早ちゃんの第二の策だったんだよ」

春香「まだそこからペースを維持していれば、全く動かなくなるって事は無かったと思うけど」

春香「響は射程圏内に居る千早ちゃんを見て、ラスト5秒で確実に抜けると判断して……気を抜いた」

春香「体はここまでの乱ペースで、とっくに悲鳴を上げていたのに」

伊織「緊張の糸が切れた事で、ギリギリ保っていた体力の線が切れた結果が…これという訳ね」

伊織「参ったわ。まさかラストで喰われる圏内に居た事も作戦の内だったなんてね」

やよい(伊織ちゃんと春香さんが話してる事、難しくて全然分からないです…)

春香「まぁ長々と説明したけどさ」

春香「実際のトコ、勝つだけなら千早ちゃんはこんなめんどくさい事する必要無かったんだよね」

春香「私はたまに泊まりに行った時に、筋トレに付き合う事もあるから知ってるけど」

春香「千早ちゃんなら3分あれば180回は楽にクリア出来るんだよ」

真美「ひゃ、ひゃくはちじゅう!?」

やよい「た、たしかに千早さん、今も全然涼しい顔してますね…」

春香「最初の超ハイペースを最後まで続ける事も、ひょっとしたら出来るんじゃないかな?」

春香「でもそれをしなかった理由は勿論…

伊織「響を潰す為、でしょ?」

春香「うん。自分がトップに立つ為には、この一番の得意種目でただ勝つだけじゃ足りないって」

春香「千早ちゃんは思ったんだろうね。そしてそうなると標的にしたいのは、ダントツトップの響」

春香「響が千早ちゃんを意識してる事は、表情からバレバレだったから、その時にこの策を思いついたんだろうねー」

伊織「策士でも策に溺れる事があるんだから、響なら言うまでも無しって感じね」

春香「響は千早ちゃんなら丁度良いメトロノームになると思ってたんだろうけど、甘かったね」

春香「普通ならここまでペースをいじってると、自分への負担も大きいだろうけど」

春香「ペースっていうのは、言わばリズムだから千早ちゃんにとっては、自分のスピードをコントロールする事なんて何でも無い」

春香「リズムと腹筋。これで千早ちゃんに勝負を挑むのは、いくら響でも無謀だったって事だね」

響「……………」ぽけー

千早「ご、ごめんなさい我那覇さん。こんな、騙す様な事をしてしまって…」

響「…いいさ。勝負だからな。まんまとやられた自分が馬鹿だったって事だ」

響「むしろ千早がこんなに真剣に勝負に取り組んでくれた事が、自分は凄く嬉しいぞ」ニカッ

千早「我那覇さん…」

響「あーあ、自分が馬鹿だって事なんて十分分かってたハズなのになぁ」

響「でもな、自分はこの結果に満足もしてるんだぞ?」

千早「え?」

響「自分は自分の限界は120回位だろうって思ってた、でも記録にはならなかったとはいえ」

響「130回もする事が出来た。これは、千早と勝負してたから出た力だと思う」

響「今は力全部出し切って、からっぽで、何だか良い気分さー」

千早「ふふふ、私も一人でやっている時とは違って……上手く言葉に出来ないけど、楽しかったわ」

響「今はまだ全然敵わなかったけど、今度また勝負しようさー!次は自分が勝つ!」スッ(手を差し出す)

千早「えぇ、楽しみにしてるわ、我那覇さん」ギュッ


第三種目 QUICK MUSCLE  No1如月千早(133回)

第三種目終了時の獲得ポイント

1位如月千早 180p
1位菊地 真 180p
3位我那覇響 160p
4位日高 愛 135p
5位星井美希 125p
5位秋月 涼 125p
(以下略)

ワクチン?いいえ今風に言うならキングアナコンダです。
ちょっとここで長い休憩取らせて下さい。
夕飯を食べたあたりで再開します。20時位になるかと。
その時間で展開とか色々考えるので。ここまで1種目の尺が長過ぎるのは自分でも痛感してるので、後半はコンパクトにいきます。
ちなみに第4種目はTHIRTY。



春香の響呼び捨ては仕様?

戻りました。保守ありがとうございました。
>>225
え?春香って響って呼んで無かったっけと思って確認したら、響ちゃんだったんですね。
でも響の方が個人的にしっくりくるので、そのままいきますw

第四種目 THIRTY

ナレ「1から30までの数字を1人ずつ順番にコールして、同じ数字を二度言ったら失格の頭脳系競技」

ナレ「コール出来る数字は1-30の中の1つか2つの連続した数」

ナレ「全ての数字がコールされた場合、最後の数字をコールした者が勝者となる」

P「いや~まさか個人競技のクイックマッスルで、あんなに熱いバトルが見れるなんてなw」

P「個人競技も『勝負』って事を、分かり易く見せてくれたよ」

律子「たしかに面白い心理戦でしたね。心理戦というか、一方的に響がハメられてただけですけど」

P「しかしこれで千早がトップか…話を受けた時は響と真の圧勝になって」

P「面白味に欠けるんじゃないかと思ったけど、杞憂だったかな?」

律子「あの二人は確かに能力は高いけどバカですからね。対策を打てば対抗は出来ますよ」

律子「それに、この第4種目みたいな競技もありますしね」

亜美「これが四競技目だから、これが終わった時の下位5名は脱落になるんだっけ?」

やよい「そうだね。うぅ~ここで勝たないと私は絶対敗退だよ~」

春香「今のトップは、千早ちゃんと真だったっけ?」

真「うん、ボクは一位こそ取れて無いけど、二位が二つあったからね」

雪歩「安定感は真ちゃんが一番だね」

春香「あ、クイックマッスルは真が二番だったんだ」

真「そうだよ!なんか皆全然こっちに注目して無かったけど…」

真美「まぁまこちんは無心で普通に腹筋してただけだもんね→w」

伊織「まぁどっちもアホとはいえ、響の方が多少小ズルいトコがあるから」

伊織「それが全力バカの真からしたら、功を奏した形になったわね」サラッ

真「…それ、褒めて無いよね?」

伊織「無いわよ。何で褒めてると思ったのよ」

真「伊織ぃー!!」ぷんすか

絵理「愛ちゃんが4位で涼さんが5位…二人共凄いね」

絵理「私はここで敗退しちゃうけど、草場の陰で二人の事応援してるから…」

愛「そんなの駄目ですよ!絵理さんも一緒に最後まで残りましょう!」

涼「そうだよ、3人揃って876だってゼッケンを決める時に言ったじゃない」

絵理「で、でも私なんて既に速効性の筋肉痛だし、残れる訳…というか残りたくな…

愛「大丈夫です!次のサーティは頭脳系競技って聞きました!」

愛「絵理さんなら楽勝ですよ!あ、でも私と当たる時はお手柔らかにお願いしますね!」

涼「そうらしいね。ここで1位になれば11位以下って事は無いと思う。頑張ってみない?絵理ちゃん」

愛・涼「…………」じっ…

絵理「う、うぅ…そ、それじゃあ…頑張る?」

愛「やったあ!」ダキッ

絵理「あ、愛ちゃん苦し…」

絵理(ま、まぁ全力で頑張って、その結果負ければ良いよね…)

絵理(私なんてここまでで5pしか取って無いし、大丈夫のハズ…)

・グループ決め

春香「今回はランダムに決めた4つのグループで一回戦を行うらしいよ。で、2人が通過だって」

雪歩「それだと、1つ3人のグループが出来るよね?そこに入れればラッキーだね」

伊織「そしてその組に真が居れば、もう残りの2人は通過決定ね。羨ましいわ」

真「どういう意味だっ!」ぷんすか

やよい「伊織ちゃんとは同じ組に入りたくないなぁ…」

伊織「!?ど、どういう意味よやよい!」ズキッ

やよい「だって伊織ちゃんは賢いから、絶対私負けちゃうよ…」

伊織「あ、あぁなんだそういう事…」ほっ

伊織「そんな事無いわよ。私はあんまりこういうゲームみたいなのは得意じゃないし」

伊織「やよいも変なミスさえしなければ、十分勝機はあるわ」

やよい「そうかなぁ…」

伊織「そうだ、こういう記憶法があるのよ。えっとね…」

抽選結果
Aグループ 真・伊織・絵理・美希
Bグループ 響・愛・涼・やよい
Cグループ 春香・千早・亜美・真美
Dグループ 貴音・雪歩・あずさ

伊織「あ、ラッキー」

真「誰の名前を見て言ってるのかな…?」

春香「千早ちゃん一緒だね、よろしくっ」

千早「…出来れば春香とは別の組が良かったわ。場を荒らしそうだし」

春香「ふふふwどーかな?」

亜美(ここで挽回しないと厳しいってのに、クセの強い二人とぶつかったなぁ)

真美(亜美ともう一人倒さなきゃ駄目なのに…強敵だな→)ポリポリ

雪歩(あ、私3人グループだ。対戦相手も四条さんにあずささん…これなら頑張れば…!)

愛「涼さん!同じグループですね!よろしくお願いします!」

涼「う、うん。うっかりミスの無い様にね?慎重にいこう」

響(どうも自分を真レベルの馬鹿だと思ってる人が多い様に感じる…)

響(ここでそんな事は無いんだって事を証明してみせるぞ!)

・一回戦 Aグループ

伊織(この競技はあの暑苦しい実況が無いのね。別にどうでもいいけど)

真(なんとしても伊織に勝つ!そして思いっきり馬鹿にしてやる!)

絵理(伊織さんと星井さんのいるグループ…これなら負けても仕方ないよね?)

美希(あふぅ。いっぱい運動したから眠くなっちゃったの)

コール順 
真→伊織→美希→絵理

プワアアーーーッ!

真「あ、今のがゲーム開始の合図ですよね?じゃあ1・2!」

伊織(1・2ね。…まぁ流石にこんなのにハマるって事は無いでしょうけど)

伊織「5」

美希「あふぅ…29・30なの」

真「え!そんな先を!?」

絵理(…伊織さんの狙い、ひょっとして…)

絵理「え、えーと、3でお願いします」

真「またボクの番だね」

真「4・5!」

ブブブーーー! 菊地選手アウトー!

真「えぇっ!?」

伊織「チョロ過ぎてアンタの今後が心配になるわ…」

美希「真クンに三つも前に言った数字を覚えておけというのは酷なの、デコちゃん」

絵理(まさかこんなにキレイにハマるなんて…まぁ、愛ちゃんもハマりそうだけど)

真「うぐぐ……」

真が大方の予想を裏切らず早々に消えたが、もう1人の脱落者はなかなか決まらなかった。
2巡目、3巡目、4巡目、5巡目、6巡目と全員淀みなく回答を続け
迎えた7巡目。

伊織(まさかここまで縺れるとはね…なかなかやるじゃない、絵理)

伊織(残ってるのは後7つ…大丈夫、把握してる)

伊織「9」

美希「んーもういい加減分かんないの。眠いし…えーと、じゃあ23なの」

伊織(22と24がアウトなのに…ホント変な運を持ってるからやりにくいわ)

絵理(…これで後5つ。ここは…)

絵理「17・18」

伊織「!」

愛「す、凄いです絵理さん!この終盤で連続した数字を言うなんて!凄い勇気です!」

涼「うん、流石は絵理ちゃんだ。そしてこれで、連続した数字が無くなったね」

愛「へ?どういう事ですか?」

涼「この競技は『連続した数字』じゃないと2つコールが出来ないんだ」

涼「例えば6と8が空いていても、7が既にコール済みだと、6・7とは言えない」

愛「な、なるほど!あ!と、という事は…!」

伊織(…参ったわね。流石に全数字がコールされた場合の事までは考えて無かったわ)

伊織(いや、考えてはいたけど大丈夫だと油断していた。まさかここで『私を潰す様に』調整されるなんて…)

伊織「はぁ……25」

やよい「伊織ちゃん凄い!後3つしか残って無かったのに!」

春香「たしかに凄いけど…これは」

伊織(次でこのゆとりがミスらなければ…)

美希「ん~~あ、今真美のゼッケンが目に入ったから、11なの!」

伊織(私の負け、ね)

絵理「ス、スミマセン伊織さん。…4です」

プワアアアーッ!

やよい「わあっ!これでもう全部数字埋まっちゃいました!」

真美「4ってまこちんが言わなかったっけ?」

亜美「ミスった時に言った数字はカウントされないみたいだねー」

千早「一回戦とは思えないハイレベルだったわね」

やよい「こ、これってどうなるんですか?」

千早「ルールによると、二人が通過する場合は、最後の数字をコールした回答者の次の回答者が脱落」

千早「今回の場合だと、水瀬さんね」

やよい「えええっ!うぅー…伊織ちゃんが可哀想です…」

スタッフ「ルールに従い、脱落するのは水瀬伊織選手です!」

伊織「あーあ、記録上は私と真が同じ成績っていうのは納得いかないわね」

真「うるさいなぁ…」ずーん

絵理「あ、あの伊織さん、スミマセンでした…」

伊織「ホントよ。あのまま1個ずつコールしていたら、落ちるのは美希だったのに」

伊織「この伊織ちゃんをピンポイントで潰しに来るとは、良い度胸してるじゃない…」ゴゴゴ

絵理「ひぅっ……」びくびく

伊織「なんてね、冗談よ。絵理にここで潰しておかないとって思われたのなら、光栄な話だわ」

伊織「二回戦も頑張ってね」

絵理「は、はい」

絵理(本当は得体の知れない美希さんの方が、私を倒してくれそうだから残したんだけど)

絵理(そんな事は言えないよね…)

愛「絵理さんっお疲れ様です!」

涼「一回戦突破おめでとう。圧巻の勝利だったね」

絵理「あ、ありがとう…?う、運が良かっただけだけどね」

愛「またまたー謙遜しないで下さいよっ!私も絵理さんと当たるまで勝ち続けますからね!」

絵理(愛ちゃんとは当たりたくないな…あっさり勝てちゃいそうだから)

・一回戦 Bグループ

響「えー………8?」

ブブブー!我那覇選手アウトー!

愛「ふふふ響さん、それは最初に私が言った数字ですよ!」

響「ぐわー!そうだったー!」

愛「次は私の番ですね!2です!」

ブブブー!日高選手アウトー!

愛「えぇっ!?」

涼「愛ちゃん、それは響さんが最初に言った数字…」

やよい「やりました!伊織ちゃんありがとう!」ぺかー

伊織「おめでとう、やよい」パチパチパチ

伊織(数字をスーパーで売ってる物に当て嵌める、お買い物暗記法。上手くいったみたいね)

・Cグループ

プワアアアーッ

亜美「7!」

真美「2!」

春香「9!いひゃひゃひゃっ何でわひゃしだけつねるの千早ひゃんっ!」

千早「…………」ギュギュギューッ

~5巡目~

春香「よーし…17!」

亜美「ぐわぁ…またそんな中途半端なトコに…」

真美「も→はるるんそういうの止めてよ→!」

春香「あははwそういうゲームだから仕方ないでしょ?」

千早(こうなるから嫌だったのよね…)

亜美「くうぅ………24!」

ブブブー!双海亜美選手アウトー!

真美「ここを越えれば………12でどうだ→!」

ブブブー!双海真美選手アウトー!

春香「亜美は真美の言った数字、真美は亜美の言った数字だったねw」

亜美真美「ちくしょ→!!!」

・Dグループ

あずさ「う~ん……16はどうですか?」

ブブブー!三浦選手アウトー!

あずさ「あらあら~負けちゃいました~」

雪歩「あずささん、私、二回戦も頑張ります!」

貴音「私もです。あずさの分も戦って参ります」

あずさ「うふふ、頑張ってね二人共」

春香「これで二回戦に進出する8人が決まったね」

二回戦進出者
絵理・美希・やよい・涼・春香・千早・雪歩・貴音

二回戦は各グループの通過者1名ずつ選出し、4人グループが2つ作られた。
抽選の結果
Aグループ
絵理・やよい・千早・雪歩
Bグループ
美希・涼・春香・貴音

そして一回戦同様、上位2名が進出というルールで行われ

・Aグループ

やよい(うぅー…しいたけが残ってるのは分かってるけど)

やよい(しいたけって何番だったっけ…)

やよい「うぅー……じゅうよんです」

ブブブー!高槻選手アウトー!

雪歩(ま、まだ残ってるの…?え、えーと………)

雪歩「き、9ですか?」

ブブブー!萩原選手アウトー!

千早「ふぅ……」ほっ

絵理(ま、また勝っちゃった……)

・Bグループ

涼(ぐ…お、覚えにくい……春香さんと星井さんがめちゃくちゃにコールするから)

涼(まだ4巡目なのに、運に頼るしかなくなっちゃった…)

涼「えーい!19!」

ブブブー!秋月選手アウトー!

貴音(…まだ参は残っているでしょうか?拾壱も空いていた様な…)

貴音「……拾壱はいかがでしょう?」

ブブブー!四条選手アウトー!

春香「ふぅーーっ危なかったー!もう覚えてなかったよ~」

美希「ミキもなの。今日はツいてるって思うな」

涼(…多分、この二人の言葉は嘘じゃない。春香さんは自分が踏む事を厭わずに地雷を埋めてるし)

涼(星井さんは後半は天性の勘だけで当たりを引いてる…。Aグループの通過者とは対照的だな)

愛「いよいよ決勝戦ですね!絵理さん頑張って下さい!絶対勝てますっ!!」

絵理「う、うん。愛ちゃんもうちょっと声を落としてくれる?」キーン

絵理(こ、困った…ベスト4に残っちゃうなんて…)

絵理(3位でも50p入るから、ここで敗退するには4位になるしか無い…)

絵理(こ、こうなったらわざと間違えて…)

涼「もう876で残ってるのは絵理ちゃんだけだもんね。情けないけど…」

涼「でも、絵理ちゃんなら出来るよ!876プロ初の種目別No1!」

絵理「っ!!」

絵理(そうだ…私は何を考えてたんだろう。あの日、皆で誓った。トップアイドルになろうって…)

絵理(これの一番になる事が、アイドルとして何の意味があるのかは分からないけど…)

絵理(それでも、目の前にアイドルの中でナンバーワンになるチャンスがあるんだ)

絵理(それなら…逃げない!)

絵理「……うん。私、頑張るね。見てて、二人共」

涼「!うんっ頑張って絵理ちゃん!」ニコッ

愛「リラックスしていきましょーっ!!」

・決勝戦

コール順
絵理→春香→千早→美希

春香「奇しくも一回戦のAグループとCグループの人が残ったね」

千早「仕方ないけど、春香とは当たりたく無かったわね…」

美希「あふぅ。こんなの、誰が相手かなんて全然カンケー無いって思うな」

絵理「…………」

プワアアアーッ

絵理「23」

春香「!」

愛「い、いきなり随分中途半端な数字に行きましたね」

涼「…なるほど、これは牽制だよ、愛ちゃん」

愛「牽制?」

涼「春香さんみたいなタイプは、自分のペースでやられると手に負えないけど」

涼「受けに回せば意外と脆かったりする。春香さんが場を荒らす前にこっちから先制すれば」

涼「春香さんは精神的にやりにくくなるハズだよ」

愛「な、なるほど…」

春香「…1・2」

絵理の奇襲で幕を開けた決勝戦。
しかし4人共、ここまで勝ち残っただけあってそれでミスをする者は居らず
全員がノータイムで数字をコールし続け、6巡目。残り6個の時点になっても誰も脱落して居なかった。

絵理(流石に皆さん手ごわい…でも、見えて来た事もある)

絵理「13」

美希「!む…」

春香「21でどうだっ!」

千早「29」

美希(うーん…次13って言おうと思ってたのにな)

美希(どっちにしろもう分かって無かったんだから一緒だけど…)

美希「うーん、じゃあ23なの」

ブブブー!星井選手アウトー!

愛「やった!絵理さんが星井さんに勝ちました!」

涼「これも絵理ちゃんの計算の内なのかな…」

愛「え?どういう事ですか?」

涼「決勝の直前に、絵理ちゃんに聞かれたんだ。星井さんの二回戦でのコールを」

涼「二回戦は同時進行だったからね。特に後半のものが大事って言ってた」

涼「オカルトみたいな話だけど、絵理ちゃんは今迄の試合で見抜いたのかもしれない」

涼「一見ランダムに見える、星井さんのコールの法則を」

涼「そして次に言う数字を先回りして消して、星井さんのリズムを狂わせた」

愛「ええええぇっ!そ、そんな事出来るんですか?」

涼「分からない…というか無理だとは思うけど、事実として絵理ちゃんは星井さんに自分の言った数字を言わせた」

涼「これが絵理ちゃんの本気なのかもしれないね…」

絵理(ふぅ…上手くいった。乱数を計算するのは大変だったけど…とにかくこれで後2人)

絵理(残ってる数字は後4つ…順当にいけば私が勝つ。でも…)

絵理「22」

春香「7!」

千早「くっ…」

千早(後残ってる数字…2は間違い無いけど、後一つは何だったかしら…)

千早(たしか……5?確証は無いけど…というかそれなら2を言えば良い話なのだけど)

春香「…………」ニヤニヤ

千早(隣の春香のあの顔がムカツクっ……!)イラァァァッ

千早(ここは、自分を信じて…)

千早「5!」

ブブブー!如月選手アウトー!

千早「くっ……」

愛「や、やった!これで残るのは春香さんだけです!」

涼「…まずいね」

愛「?何がまずいんですか?これで春香さんがミスすれば絵理さんの優勝ですよ!」

涼「それは間違って無いんだけど、出来ればさっき千早さんには正解して欲しかった」

涼「そうなってれば、次に絵理ちゃんが最後の数字を言って優勝が決まってた」

愛「あぁっ!もう残りの数字は2つだけ!これじゃあ絵理さんが次正解しても、その次に春香さんが当てれば…」

涼「そう、絵理ちゃんの負けだ」

涼「こういうのを春香さんが外す気がしない…よりによって一番厄介な人との一騎討ちになっちゃったね…」

愛「絵理さん…」

修正
>>278 ラスト
春香「…1」

致命傷のミスですね。スミマセン。

絵理(仕方が無い事だけど、こうなっちゃったか…)

絵理(いや、今の千早さんのミスは春香さんが誘導したみたいな雰囲気だったから)

絵理(これはある意味必然…だったのかもしれないけど)

絵理(どうする…?残りの数字は2と6)

絵理(どっちも春香さんがまだ覚えて居ればお手上げだけど、仮に片方しか覚えて無いのなら…勝機はある)

絵理(どっち?どっちを選ぶべき…?)

絵理(…………!)

愛(絵理さん…!)グッ(手を組む)

涼(絵理ちゃん…!)グッ(手を組む)

絵理「……決めました」

絵理「2です!」

春香「……………」

愛「…………」ドキドキ

涼「…………」ドキドキ

春香「…………くはぁ」

春香「参ったなぁ、もうそれしか覚えて無かったのにw」

春香「でも、負けを認めはしないよ。大体の目星は付いてるし。そうだね……」

春香「………8っ!!!」

ブブブー!天海選手アウトー!

愛・涼「やったあああああああっ!!!!!」

プワアアアーッ

春香「うわぁーここで外しちゃったかぁ」

春香「まぁでも、全力を出し切ったから満足だよ。おめでとう、絵理ちゃん」

絵理「は、はい!ありがとうございま――

愛「絵理さああああんっ!!!」ダダダダッ ダキィッ!!!

絵理「!?がふっ!」

バッターーーン!!!

愛「凄いですっ優勝ですよ優勝!絵理さんがイチバンですっ!」ゆさゆさ

絵理「」フラフラ

涼「あ、愛ちゃん!絵理ちゃんが死んじゃうから止めてあげて!」

愛「ご、ごめんなさい絵理さん!つ、つい興奮して…」

絵理「だ、大丈夫。平気…?ちょっと目の前がクラクラするけど…」

涼「あはは…でもホントに凄いよ絵理ちゃん!あの3人を相手に勝つなんて!」

愛「そうですよ!神の技としか言い様が無いです!どんな頭してるんですか絵理さんは!」

絵理「あはは…私は運動とかはあまり得意じゃないから、これ位は、ね」

絵理「これで他の人に100pはあげなかったから、少しは二人の総合No1に協力出来たかな?」

愛「絵理さん…そんな事まで考えて…」じわっ

涼「絵理ちゃん…。うん、この頑張りに報いる様に、私、後半はより一層頑張るよ!」

涼「そうえば、最後は何で2を選んだの?」

愛「あ、それあたしも聞こうと思ってました」

絵理「…どっちにしようか悩んでいる時に、愛ちゃんと涼さんが祈ってる姿が目に入って」

絵理「その時にきているゼッケンの、8と7が目に入ったの」

絵理「それを見たら、一番最後のコールは、私が自分の口で6って言いたいなって思って…」

愛「おぉ…それ、凄く素敵な理由だと思います!」

絵理「えへへ…と言っても、春香さんがミスした時点で競技は終わりだから」

絵理「言う機会は無かったんだけどね」

涼「だったら、今言っちゃおうよ。愛ちゃんから順番に、ね」ニコッ

愛「!分かりました。8!」

涼「7!」

絵理「6っ!」

あははははははっ!

 
第四種目 THIRTY  No1水谷絵理

サーティ編終わり。4種目からはコンパクトにいくとか言ったのは誰だー?
まぁ876勢を沢山書けたので、後悔はしてないです。
休憩がてらに風呂入って来ます。第5種目何にしようかな…

第四種目終了時の獲得ポイント

1位如月千早 230p
2位菊地 真 180p
3位我那覇響 160p
4位星井美希 155p
5位日高 愛 135p
5位秋月 涼 135p
7位天海春香 125p
8位水谷絵理 105p
9位四条貴音  50p
10位水瀬伊織 25p

ナレ「この時点で総合獲得ポイントの下位5名は脱落となる」(あのBGM)

11位双海亜美 20p
11位双子真美 20p

亜美「ホントにちょ→悔しいよー!絶対リベンジしたい!」

真美「真美達はちょっと運が悪かっただけだかんね!ホントなら残ってたよ!」

13位萩原雪歩 18p

雪歩「悔しいですね…やっぱり。もっと体力をつけなきゃって思います」

14位高槻やよい 13p

やよい「うぅ~もっと競技に参加したかったです。大きくなって体力が付いたらまた出てみたいです!」

15位三浦あずさ 8p

あずさ「最年長なのに最下位ですからね~情けない限りです。この悔しさをこれからのお仕事に生かしていきたいですね」

ナレ「力無きものは生き残れない」

ナレ「それがコロッセオの非情な掟」

ギィィィィーバッタン!!!

P「ま、俺達の居る観客席に来るだけなんだけどな」

律子「全く、脱落した5人が皆765プロとは情けないわね」

亜美「出てるの殆どそうなんだから仕方無いじゃんw」

真美「後はここから見てるだけか→伊織んとか殆どポイント変わらないんだから」

真美「おまけで出してくれても良いのに~」

P「それ言い出したらキリ無いだろ。大人しくここで見とけ」

律子「それに7種目が終わったら、上位6名に絞られるしね」

やよい「6番までですかーそれはかなり厳しい戦いになりそうですね」

第五種目 POWER FORCE

ナレ「二人が背中にロープが繋げられている服を着て、スタートの合図と同時に」

ナレ「180度違う方向に向かって走り出す。自分の走った方向の先にあるボタンを押した者が勝者となる」

伊織「何だか随分数が減った気もするわね」

春香「皆観客席に移動しただけだけどね」

真「それにしてもよく伊織残れたね。これといって良い成績残して無いでしょ?」

伊織「別に残りたかった訳でも無いけどね。まぁ、脱落した子が居る以上は真面目にやるわよ」

伊織「そうえば真、この第5種目のコツって知ってる?」

真「え?なになに?」

絵理「うーん、脱落しちゃった人達を見ると」

絵理「さっきの競技だけで生き残った私が、申し訳無く思えてくるね…」

愛「負い目を感じる必要なんて無いですよ絵理さん!脳だって筋肉の内です!」

絵理「そ、そうなのかな…?」

涼「そうだよ。まだこうやって3人揃って競技に参加出来る事が、私は嬉しいな」

絵理「…うん。それは私も、嬉しい。やっぱりちょっと怖いけど…」

絵理(まぁでも、今迄の競技だって半分は個人種目だったし、ぶつかり合うとかそういう痛い系のは無いんだよね?)

絵理(それなら少し安心…)

愛「あ、次の競技は、一対一の対戦もので、お互いが背中につけたロープで引っ張り合うらしいですよ」

絵理「」ダラダラダラ

春香「そして今回も組み合わせ抽選っ!」

美希「あ、今回はトーナメント表の形なの」

貴音「これまで以上に抽選が大きく結果を左右するという事ですね」

千早「10人だから、5-5で山が分かれて、2つシードが出来るわね」

真「シードって言うのかな?こういうの。勝ったらシードと当たるトコに入る4人が微妙に損だね」

春香(とりあえず、真とは別の山に入る事を切に希望。出来れば響とも)

・抽選中

響「お、Aの1番って書いてあるぞ。これがシードか?」

千早「私はAの4番ね」

美希「!奇遇だね、千早さん。ミキはAの5番なの」

千早「そう、美希が…。相手に取って不足無しね」

涼「私はBの5番。シードって書いてあるね」

愛「あっ絵理さんAの3番じゃないですか!あたしAの2番なんですよ!一回戦で当たりますね!」

絵理「お、御手柔らかに…ね?」ガクブル

愛「はい!全力でいきます!」

春香「私はBの4番相手は貴音さん、か」

伊織「…ボール取る前に全部埋まっちゃってるわね」

伊織(残ってるのはBの1と2。そしてまだ引いてないのは…)

真「よろしくね、伊織」ニヤッ

古館「パワーだけでは足りない、スピードだけでも足りない」

古館「必要なのはパワーとスピードの融合!あの赤く光るボタンに手を掛けて、野性の雄叫びをあげるのは誰になるのか!」

古館「Aの山の一回戦は、現在暫定5位の日高選手と、暫定8位の水谷選手の対戦」

古館「互いに876プロの同門対決という訳ですが、二人の胸中にはどんな想いが去来してるのでありましょうか!」

愛(スタートダッシュが大事ですね!スタートが!)フンス

絵理(怖い怖い怖い怖い帰りたい帰りたい帰りたい帰りたい…)ガクガク

審判「位置に付いて!……レディ」

審判「ピーーーッ!!!!」

愛「おおおおおおっ!」ダダダダッ!

絵理「ひいいいいぃっ!」タタタタッ

    ガッ!(ロープが伸びきる音)

絵理「ごふっ」

愛「とりゃああああーーー!!!」ダダダダダッ!

絵理「ひゃああああっ!!!」ズルズルズルズルー!

愛「とぉっ!」バンッ!

プワアアアーッ(勝利を示すブザー)

古館「瞬殺!低い姿勢で飛び出した日高選手!その勢いを全く殺す事なく勝利を手中に収めました!」

ケイン「ウン、やはり彼女のダッシュはイイですね。ヒカルものを感じマス」

池谷「うーんwあぁいう光景を見ると、やっぱ同情の気持ちが湧くなぁ」

池谷「俺もパワー系の人とやる時は、絶対あんな感じになってたもんw」

古館「池谷さんはスピードと跳躍に特化していますからね」

池谷「ケインはズルいよなー両方兼ねてるんやから。そりゃ勝つわ」

ケイン「何デスカズルいってwそれにこのキョウギは上手くやればパワーで劣っていても勝てマスヨ」

亜美「あんな事言ってるけど、どーなの兄ちゃん?」

P「まぁ理論上は可能だよ。めちゃくちゃ速く走ればロープが伸びきる前にボタンを押す事も出来る訳だし」

P「俺としては、小兵がそうやって大柄な相手を倒すのが、この競技の醍醐味だと思ってるしな」

やよい「ケインさんと池谷さんの関係って、真さんと響さんにちょっと似てませんか?」

雪歩「スピード特化の響ちゃんと、パワー&スピードの真ちゃんって事?」

やよい「そうです!お二人共ジャンプ力もあるし、ピッタリかなーって」

律子「んー否定はしないけど、ケインさんってかなり頭良いのよ?サーティで何度も上位入ってるし」

真美「ぷふふwたしかにそれはまこちんとの大きな違いですなぁw」

絵理「うぅ…ムチうちになったかも…」ボロッ

愛「ご、ごめんなさい絵理さん!あたし、必死だったので…」ナミダメ

絵理「あ、謝らないで愛ちゃん。ちょっと横になってれば治ると思うから…」

古館「さぁ続いてはAの山もう一つの一回戦」

古館「現在暫定1位!如月選手と暫定4位の星井選手の対戦です」

美希「千早さん。ミキ、今日はとっても楽しいの」

美希「だって尊敬する千早さんと、こんなに正面から勝負出来る機会なんて、なかなか無いから」ギラッ

千早「ふふふ。私も楽しいわ、美希」

千早「私は参加した以上、総合優勝を目指しているの。ここで貴方を倒してそれに一歩近づかせてもらうわね」ギラッ

亜美「おぉ~なんかギラギラピリピリした空気を感じますなぁ」

P「お互いに認め合ってる関係の二人だからな。こんな事とはいえ、勝負出来るのが楽しいんだろう」

亜美「千早お姉ちゃんに500円!」

真美「じゃあミキミキに1000円!」

律子「賭けるなっ!」ゴツン

審判「位置に付いて!レディー………」

審判「ピーーーッ!!!」

美希「はあっ!」ダダダダダッ!

千早「ふっ!」ダダダダダッ!

      ガッ!

春香「丁度真ん中の位置でロープが伸びきった!」

伊織「ダッシュ力は互角って訳ね」

響「ビーチフラッグの時は千早の勝ちだったよな?今回はどうなるか…」

スミマセン、だいぶ眠いので寝ます。
起きたら再開…出来るかちょっと分かりませんが、出来るだけやってみます。

戻りました。保守ありがとうございます。
ちょっと諸事情でまとまった時間が取れるのが夜になるので
どこまでいけるか分りませんが、今書けるだけ書きますね。

春香「最初のダッシュで決着がつかなかった場合は…」

真「地面にへばりついて引っ張り合う、持久戦だね」

美希「負けないのーっ!」グググッ

千早「はああっ!」グググッ

伊織「ほふく前進の姿勢で、顔を真っ赤にしての引っ張り合い」

伊織「どっちかといえばスマートなイメージのあの二人には、レアな映像ね」

春香「まぁ千早ちゃんは意外とこういう熱い勝負みたいなのは好きなんだけどね」

春香「美希がマジなのは、相手が千早ちゃんだからだろうけど」

真「春香はこの勝負、どう見る?」

春香「んー難しいね。どっちにも勝つ要素はあるし」

春香「ホントの意味での持久戦なら、スタミナのある千早ちゃんだろうけど…」

美希「たああああっ!」グッグッ!

千早「くっ………」ズル…ズル…

美希「も、もうちょっと……ていっ!」 タンッ

プワアアアーッ

美希「やったのー!!!」

千早「…完敗ね」ふぅ

真「おぉ、美希が勝った」

春香「やっぱりか。この競技で大事なのは背筋だからね。千早ちゃんも鍛えて無いって事は無いだろうけど」

春香「腹筋と比べれば、全然だろうしね」

伊織「でも、美希だって別に背筋鍛えてる訳じゃないでしょ?」

春香「うん。まぁだから後は単純に体重だろうね。持つ者と持たざる者の差というか…」

春香「千早ちゃんの体は無駄が一切無いっていうか、必要なものまで無い感じだからねw」けらけら

千早「何を笑っているのかしら?」ガシッ

春香「あ…いつの間に帰って来…みぎゃあああっ!頭を握らないでぇっ!」

美希「次は真クンとデコちゃんの試合だっけ?真クン、手加減してあげなよ?」

真「あははは、分かってるよ美希」

真(日頃の恨みを込めて、本気でぶっ飛ばす!)メラメラ

春香「伊織ー大丈夫なの?棄権した方が良いと思うけど…骨折れちゃうかもよ?」

伊織「ま、こうなる事もあるかと思って一応対策は打っておいたから」

伊織「ただ座してやられるつもりも無いわよ」サラッ

やよい「伊織ちゃん大丈夫かな…?」

亜美「伊織んがこれから辿るであろう運命を考えると」

真美「さっきで脱落しといて良かったと思わないでも無いねw」

審判「位置に付いて」

伊織(抽選の前に私がこのアホに言った事)

~回想~

伊織「知ってる?この競技は相手より出遅れてスタートした方が有利なのよ」

真「えっ?スタートダッシュが大事なんじゃないの?出遅れたらそのままボタン押されちゃうじゃん」

伊織「勿論ボタンは押されない程度の出遅れよ」

伊織「相手がトップスピードに乗っている時に、こっちがスタートしたらどうなると思う?」

真「どうなるって…?」

伊織「カウンターになるのよ。相手のスピードをそのままこっちの攻撃力に転換できるの。二倍の威力って訳ね」

伊織「あ、その為には出来るだけ体を起こして走った方が良いわ。原理はまぁ、なんか色々あるんだけど」

真「カウンター……!」キラキラキラ

真「でも伊織、どうしてこんな事を教えてくれるんだい?ボクと当たるかもしれないのに」

伊織「べっつにー。体力バカのアンタが体力で負けたらシャレにならないと思って同情してあげただけよ。にひひっw」スタスタ

真「伊織…」じーん

伊織(流石全力バカ、楽勝で騙されてくれたわ。にひひっw)

真「まさか一回戦で当たるなんてね。悪いけど伊織、手加減はしないよ」

伊織「あーあこんな事になるなら教えなきゃ良かったわ」

伊織「ま、正々堂々といきましょうか、真」

審判「レディー………」

審判「ピーーーッ!」

伊織「はっ!」ダダダダダッ!

真「…………」ピタッ

亜美「おぉ!伊織ん速い!低い姿勢でのカンペキなスタート!」

雪歩「ま、真ちゃん何で動かないの?」

伊織(よし、勝った!このままボタンを触っても良いし)

伊織(ギリギリ真が対抗してきても、ここまでの勢いと体勢の差があれば)

伊織(3倍の筋力差があってもはね返す事は不可能!)ダダダッ!

伊織「よし、あとちょっ…」バッ

伊織がボタンに手を伸ばす。距離は残り約30cm。
勝利を確信するに何の不都合も無い状況…普通なら。

伊織「――――っ!」ゾクリ

しかし対戦相手は菊地真。
伊織はボタンが手に触れようとする瞬間、ロープの繋がった背中に圧倒的な圧力を感じた。
その圧力は雄弁に物語る。曰く―――

『たったの3倍で良いのか?』

伊織「きゃあああああっ!!!」ブワアッ!

比喩では無く、伊織が後ろへ飛ぶ。否、飛ばされる。
それを成したのは、勿論反対側に居る一人のアイドル。

ドスンッ

伊織「かはっ!」

プワアアアーッ

伊織の背中がマットに着いたのと、真の勝利を示すブザーが鳴り響いたのは、ほぼ同時の事だった。

やよい「い、伊織ちゃーん!!!」

伊織「」ピク…ピク

真「ふぅ~思ったより反動があったな、やるじゃないか伊織。でもボクの勝ちだ!」ニカッ

春香「……………」アゼン

千早「考えられる最大限不利な状況から、圧勝したわね…」

春香「バケモノだ…バケモノが居る。絶対当たる事になっても棄権しよう」

涼「体幹の強さが尋常じゃないね…しっかり立ったままであの威力って…」

愛「ロープが伸びきった瞬間も、身じろぎ一つしてなかったですね!流石です!」

古館「いやぁ物凄い勝負でしたね!」

池谷「小柄な子が相手とはいえ、人間ってあんなに飛ぶんやな…」

ケイン「ちょっとショウブしてみたくなりマスネ」うずうず

池谷「あれを見ると、菊地選手に勝つとすればスタートダッシュで圧倒するしか無いやろうね」

池谷「あの子はスピードも相当あるから難しいとは思うけど、仮に出来るとするならば…」

響「…………」

伊織「うぅ…酷い目にあったわ」ヨロヨロ

美希「お疲れ様なの、デコちゃん。ホントに」

伊織「衝撃吸収のプロテクター付けてなきゃ死んでたわよ…」

伊織「あのアホに対抗しようと考えたのがそもそも間違いだったわ…」

千早「あれを見てしまうと、ここからは消化試合としか言えないかもしれないわね」ニガワライ

プワアアアーッ

美希「あ、春香が貴音に負けたの」

千早「この競技は策の弄しようがあまり無いからね」

千早「さっきの試合を見て心が折れてたのもあるだろうけど」

一回戦四試合が終わり、勝ったのは愛、美希、真、貴音の4名。
続いて二回戦二試合が行われる。

涼「次は響さんが相手か、厳しい相手だけど愛ちゃんなら勝てるよ。頑張ってね」

絵理「応援してる…」ぐてー

愛「ハイッ!キンセイをあげて見せますっ!」

涼「それを言うなら金星(きんぼし)だよ愛ちゃん…」

響(何だかんだで自分は、ここ2種目獲得ポイント無しで総合3位まで落ちてる)

響(ここは取りこぼす訳にはいかないぞ)グッグッ

春香「これは意外と面白い勝負になるかもね」

千早「そう?我那覇さんの圧勝になると思っていたけど…」

春香「その可能性も大きいんだけど、でも愛ちゃんは真を除けば唯一の、響とスピード勝負が出来る子だと思う」

春香「ビーチフラッグの時も負けは負けだったけど、そんなには差が無かったし、あれは起き上がるまでの速さもあるしね」

春香「小柄なのも姿勢が低いって事になるから、効果的に働くハズだよ」

伊織「まぁ響も小柄だけどね」

春香「豆タンクとも呼ばれるあの突進力がどこまで通用するか…楽しみだね」

響「………ヒュウウウ」ギラギラ

愛(せ、背中越しに気迫が伝わって来ます!物凄い集中力です!)

愛(でも負けませんよ!私は絵理さんを倒しちゃったんだから!)

古館「ビーチフラッグスでの1位と3位の対戦です、両名ともここまで素晴らしい脚力を見せております」

古館「これは好勝負が期待できそうです」

池谷「さーて、どうなるやろうなぁ」

審判「位置に付いて、レディー………」

審判「ピーーーーッ!」

響「覇ぁっ!」 シュバババババッ! ダンッ!

プワアアアアーッ

春香「フ、フラグをへし折った…」

愛「え…お、終わりですかっ!?私の負けですか!?」

美希「フライングギリギリの飛び出しから、一瞬でトップスピードに乗って、そこからヘッドスライディングで押したの…」

千早「ロープがたわんだままの決着…そんな事可能だったのね…」

伊織「…とんでも無いわね、響も。真とは違う意味で」

春香「い、いやー…私はてっきり愛ちゃんが粘って逆転勝ちすると思ったんだけどな…」

春香「響の執念を甘く見てたって事なのかな?」

愛「うぅ…何もできなかったです」ショボン

響「悪いな、愛。パワー勝負で勝てる自信は無かったからさ」

古館「あ、圧巻の試合でしたね、池谷さん」

池谷「そうですね…これは痛快な試合が見れるかもしれませんねぇ」

真(…面白い)

涼(これで残ったのは僕だけか…。真さんに勝てるとは思えないけど)

涼(貴音さんに勝って三位決定戦で三位を狙うぞ!)

二回戦第二試合は、暫定9位の貴音と暫定5位の涼。
下馬評では、今大会の参加選手の中で一番身長の高い貴音有利の声が多かったが
涼の『事情』を知ってる者は、涼の勝利は堅いと予想していた。
しかし

プワアアアーッ

貴音「…………わたくしの勝ちですね」

涼「はぁっはぁっ…く、くそう…」

40秒に及ぶ持久戦の末、勝ったのは貴音だった。

律子「なーにをやってんのよアイツは。情けないわねぇ」

亜美「なんかお姫ちん怖くない?表情が硬いっていうか」

真美「うんうん。何か機嫌が悪いみたいな感じだよね→」

伊織(…もしかして)

この結果ベスト4が決定した。残ったのは、響、美希、真、貴音の4名。
続いて行われた準決勝第一試合。響vs美希。

美希「先手必勝なの!」

先の試合を見た美希は、スタート勝負になると判断して
集中力を高め、ほぼ最高のタイミングでスタートを切った。
その結果、今回は響はロープがたわんだ内に決着を付ける事は出来なかった。

    ガッ!

美希「うわっ!」ヨロッ

響「…………」 タンッ

プワアアアアーッ

しかしそれでも勝ったのは響だった。

春香「ま、そりゃそうといえばそりゃそうなんだよね」

春香「スピードのある人はパワーが無いみたいな風潮があるけど」

春香「あれだけのスピードなら、それはそのままパワーに変換される」

伊織「80キロのボールと150キロのボール。どっちが当たった時に痛いかって事ね」

そんな大方の予想を裏切らず、我那覇響が決勝進出。
もう片方の山からは、当然真が上がって来て、ビーチフラッグスの再戦になると誰もが何の疑念も持たずに思っていた。

真「フフフ、いやぁ決勝が楽しみで仕方無いね。ボクのカウンターで吹っ飛ばしてみせるよ」

貴音「……………」

しかし、準決勝第二試合が始まってから、3分後。
誰もが驚愕の表情を浮かべる中、赤いボタンをその手に掛けたのは

―――貴音だった。

春香「し、信じられない。ま、真が負け…」

真「ぐぅっ……うおおおおーーーーっ!!!」グイッ!!!

貴音「!」グンッ

雪歩「真ちゃんが引き戻した!」

亜美「これは超絶大逆転があるか→っ!?」

P「…………いや」

真「ぐっ…………」バタッ

P「燃え尽きる前の、最後の輝きだったな」

貴音「…お見事でした、真」 タンッ

プワアアアーッ

一度手を掛けたそれを、今度はしっかりと押して準決勝第二試合は決着した。

古館「と、とんでも無い事が起きたぁ!何という大波乱!暫定9位の四条選手がジャイアントキリングを成し遂げたーっ!」

ワアアアアアーッ ざわざわざわ… どよどよどよ…

菊地真の敗退。
この事実に、コロッセオ中に歓声とどよめきが鳴り響く。

美希「…………」ぽかーん

伊織「美希の唖然とした表情っていうのも、かなり貴重ね」

春香「いやいや、この結果に驚かない人も居ないでしょ…」

春香「響ならまぁ、全く対抗出来ないって訳じゃ無いからまだ分かるけど」

春香「まさか真が…絶対優勝すると思ってたのに」

千早「全部の力を使いきっての、持久戦での敗北…。今も自分で立てない程に消耗してるわ」

古館「まさかこれ程の名勝負になるとは思いませんでしたね…」

池谷「そうですね。僕もてっきり我那覇選手と菊地選手の決勝になると…」

池谷「実はそれで、我那覇選手が勝つのを期待していたんですけど」

池谷「まさかこんな大番狂わせがあるとは…」

ケイン「四条サンから、凄いキハクを感じマシタネ」

ケイン「飢えたウルフの様な…シュウネンのショウリといった所デショウカ」

古館「リプレイが出ます」

古館「菊地選手はまたも一回戦同様、出遅れてのスタートになりました」

池谷「出遅れというか、相手のスタートを待ってる感じに見えるんよなぁ」

池谷「何の意味があるのかは全然分からんけど」

池谷「結果論になるけど、ここでフルスピードで飛び出しておけば結果は変わってたと思うよ」

池谷「四条選手はスタートはあまり良く無いし」

古館「そして、またも相手がボタンを押す寸前でのスタート」

古館「それによって四条選手は引っ張られ、一回戦の再現になるかと思われました」

古館「しかし、今度は逆に菊地選手がボタンを押す直前で、四条選手が踏み留まり」

古館「そこから実に3分に及ぶ持久戦が展開されました」

古館「一進一体の攻防が続き、1分半の時点で菊地選手がボタンまで50cmの所まで来たので」

古館「そこで決まるかと思われましたが、そこからじりじりと四条選手が引き戻して」

古館「徐々に、徐々に赤いボタンへと近づいて、最後菊地選手が意地を見せるも」

古館「既に体力は限界を迎えていた…という試合展開でした」

ケイン「このキョウギの歴史にノコル試合だったとオモイマス」

池谷「いやホンマそうやね。なんか観客席に泣いてる人も居るしw」

古館「さぁこの結果、決勝の組み合わせは」

古館「現在暫定3位の我那覇選手対暫定9位の四条選手となりました!」

伊織「いやまぁでも、まさかホントに勝つとは思わなかったわ」

春香「?どういう事?ホントにって」

千早「水瀬さんは知ってるの?四条さんが勝った理由を」

伊織「ふふん。この競技に必要な要素って何か分かる?」

春香「え?えーと、まぁ細かいテクニックとかを抜きにすれば」

春香「スピードとパワー、あとスタミナじゃない?」

伊織「そうね。でも貴音は、その全ての要素で真より劣ってるわ。勝ってるのは体重位」

春香「まぁそりゃあ…」

伊織「その不利を、貴音はたった一つの武器でひっくり返したのよ」

伊織「それは、執念。絶対にあのボタンを押してやるって言うね」

春香「…なんで?そんなに貴音さん、この番組にガチだったっけ?」

伊織「種明かしすると、お腹空いてるのよ、貴音」

千早「お腹…?」

伊織「今日は軽く朝食べたっきりで、ずっと運動のし通しだったしね」

伊織「食いしん坊の貴音しては、もう大分キてるんじゃないかしら?」

伊織「そのストレスを競技にぶつけたのが、一回戦二回戦の勝因ね」

春香「…まぁたしかに、貴音さんの食欲は食いしん坊とかそういうレベルじゃないけど…」

伊織「そこに気が付いた私は、真との試合の前に貴音に言ったのよ」

千早「何て言ったの?水瀬さん」

伊織「『決勝でボタンを押せば、上からラーメンが降って来るらしいわよ』って。にひひっw」

春香「あぁ……なるほど」

美希「それを聞いたら、ナットクって感じかな。むしろよく真クンあれだけ粘ったものなの」

千早「そ、そんな冗談みたいな理由で…」

伊織「私もまさか信じるとは思わなかったけど、そんな事を信じる程にキてるって事なんでしょうね」

春香「…そっか、だから貴音さんは、持久戦に勝ったんだ」

春香「普通は長時間引っ張り合えば、力は落ちて行くけど」

春香「消耗すれば消耗する程、お腹は空いていく…それはつまり、執念が強まるっていう事。それによる逆転勝ち」

伊織「言うならば腹の虫の加護って所ね。いや~飢餓感って恐ろしいわねぇw」

響「…まさか貴音と決勝で闘う事になるなんてな」グッグッ

響「まぁいいさ。相手が誰であれ瞬殺で蹴散らすだけだぞ」

本来は決勝戦の前に3位決定戦が行われる予定だったが
真の消耗が激しいという事で、先に決勝戦が行われる事となった。

春香「さて、いよいよ決勝という訳だけど、これはどうなると思う」

美希「どうなるって、これに勝てばラーメン降って来ると思ってるんでしょ?」

美希「それならさっき以上の力出して、貴音が勝つに決まってるの」

伊織「いや…流石の貴音もさっきの激戦で体はかなり傷んでるでしょうからね」

伊織「空腹は強まっていても…体が付いていけるかどうか」

春香「なるほど、真との合わせ技で響が貴音さんを倒すって展開?」

千早「私はポイントはスタートだと思うわ」

千早「日高さん戦と同じ瞬殺を我那覇さんが出来れば、勝機はある。四条さんはスタートは良くないしね」

伊織「たしかに執念が一番活かされるのは持久戦だものね。短期決戦なら或いは…」

春香「響の動きが止まる前に、ボタンが押されているか否かの勝負って訳だねw」

響「貴音、貴音とこんな形で戦う日が来るとはな」

貴音「……………」ゴゴゴゴゴ

響(―――っ!なんて気迫…。喋る体力すら惜しいって感じか)

響(これは、自分も超本気でいかないと勝てそうに無いさー)

響「審判、脱いでもいいか?」

審判「えぇっ!?」

響「靴を」

審判「あ、く、靴ですか。どうぞ…」

美希「響が裸足になったの」

伊織「あれが本気モードって事なのかしら」

古館「コンセントレーション…両者集中力を高めております」

審判「位置について!レディー………」

審判「ピーーーーーッ!!!」

キィィィィン

響(審判が笛を口に含んだ。…息を吸い込む。笛が鳴るまであと1.3秒…0.8…0.21…0.008…)

極限まで高まった響の集中力が、開始の合図をゼロコンマ単位で認識する。
筋肉にはすぐに爆発出来る様に力溜め終わっている。
今の響ならば、3メートルの距離からライフル弾を避ける事すら可能だろう。

審判「ピーーーーッ!」

そして響が、笛が鳴る瞬間。それと全くの『同時』にスタートを切る。ズレは刹那も無い完璧の上に完璧なスタート。
その快挙を『狙い通りに』響はやってのけた。

響「…………」シュババババババッ!!!!!

そして雷鳴の様な速度で響の筋肉が、体を前へと運ばせる。
まさに電光石火。肉眼では捉える事が困難な速度で、動く。
現に、その様子を見ていた観客の大多数は、響が動いたと思った時、既に響はボタンまで半分の位置まで来ていた。

響「覇あああっ!!」ヒュバッ!!!

そしてその勢いを微塵も殺さず、むしろ増して、響が飛ぶ。
超低空飛行の滑空。
指先をいっぱいに伸ばして、赤いボタンを押さんと全神経をそこに集中させた。

そして、響の指先が赤いボタンに確かに触れた。後はほんの少しの力を込めて、それを押すのみ。

貴音「はああっ!!!!!」グッ!

―――ピタリ

響「…………ちっ」

しかし後たったそれだけの事を、貴音は許さなかった。
響の、スピードという名のパワーを一身に受けて、耐えた。
響の体が静止し、そしてそれだけでは終わらず、直ぐに響を自分の側に引き戻す。

伸びきったゴムが元に戻ろうとする様に、元居た位置にどんどん戻される自分の体を感じながら
響は薄い笑みを浮かべていた。

掴みかけた、否、一度掴んだ栄光はするりと逃げて
数秒後、貴音の雄叫びがブザーの音と重なって、響の耳に届いていた。

プワアアアーッ

古館「コングラッチュレーショーン!!!勝ったのは四条貴音選手!」

古館「音速の電撃戦を見事に逆転勝ちで制しました!!!」

愛「うわぁー凄いっ本当に凄いです!響さんも貴音さんも!」

絵理「うん…凄過ぎてちょっと引いてるのは私だけじゃないのかな…?」

涼「?貴音さん、何で上を見上げてあたふたしてるんだろう」

貴音「らぁめんは!らぁめんはどこから落ちてくるのです!」グゥゥゥゥゥ

伊織「貴音、お疲れ様。凄かったわね」

貴音「伊織っ!!!らぁめんは!らぁめんはどうなったのですか!」ガシィッ!

伊織「ひぃっ!う、上からだと危ないから、そ、そこの机に用意してあるわよ…」

貴音「分かりました!」ダダダダダダッ!

伊織(く、喰われるかと思った……)ぞおおっ

美希「デコちゃん、ホントに用意しておいたんだ」

伊織「食い殺されかねないからね…急遽30人前作らせたわ。足りるか分からないけど…」ガクガク

春香「伊織、まだ足震えてるよw?」

伊織「何で一個の種目で二度も命の危険を感じなきゃいけないのよ…」

春香「二回目のは自業自得だけどねwいやーそれにしても凄い勝負だったね」

美希「響もお疲れ様、なの」

響「うー…全力を出し切ったのにまた負けたぞ…自分今日こんな役回りばっかりだ」

春香「そう言うワリに、満足気な顔してるけどね」

響「…ま、貴音が相手だったからな」

その後、美希と真の三位決定戦が行われ、回復した真がカウンターで美希を倒し、三位となった。

春香「結局最後までそれで通したね…」

アナウンサー「四条さん、勝利者インタビューを…」

貴音「…………」ムシャムシャムシャムシャ! ズルズルズルズルズルー! ゴクゴクゴクゴク!

アナウンサー「あ、あのー…?」


第五種目 POWER FORCE No1四条貴音

という訳で小ネタと悪ノリの結晶のパワーフォース編でした。
コンパクト?何それ?
誰を勝たせるかで、寝てる間も悩んでましたが、こういう結果に。まぁ良かったかなと今は思います。
予定までの時間がヤバいので、ここで一旦切ります。
再開出来るのが少なくとも22時以降になるので、残して頂ければ嬉しいですが
落ちていれば立てるので、無理の無い程度にお願いします。

おぉ残ってた。
遅くなってスミマセン、保守ありがとうございました。
眠くなるまで頑張りますね。

第五種目終了時の獲得ポイント

1位如月千早 230p
1位菊地 真 230p
1位我那覇響 230p
4位星井美希 185p
5位四条貴音 150p
6位日高 愛 140p
7位秋月 涼 135p
8位天海春香 125p
9位水谷絵理 105p
10位水瀬伊織 25p

第六種目 WORK OUT GUYS

ナレ「この競技は三つの関門をクリアするタイムで競うタイムトライアルである」

ナレ「競技には、二人ずつ挑戦する」

春香「うわー上位が3人並んだね」

伊織「凄いダンゴ状態ね。美希も全然トップを狙える位置だし」

真「後3種目か。最後の競技までに出来るだけリードを作っておきたいね」

響「それは自分も同じさー」

絵理「ま、またパワー系の種目…」

涼「今度のは個人競技みたいだから大丈夫じゃないかな?」

愛「そろそろあたしもNo1を取ってみたいです!頑張っていきましょう!」

二人が同時に挑戦するタイムトライアル。
その挑戦順は、総合ランキングの下位から始まる事になっており
暫定10位の水瀬伊織と、暫定9位の水谷絵理がまずスタート位置に立った。

絵理「伊織さん、よろしくお願いします…」

伊織「よろしく…って、大丈夫なの絵理?大分やつれてるみたいだけど…」

絵理「あはは…もう全身が筋肉痛で」ヨロッ

伊織「…お互い、場違いな所に残っちゃってるわよねぇ」

審判「位置について!用意…ピーーーッ!」

三つの関門からなるWORK OUT GUYS。
第一の関門は10cmの丸太切り。
両者スタート時に万能のこを渡されており、それを使って切断すればクリアとなる。

伊織「…今迄に輪をかけて、アイドルがする事じゃないわよねこれ…」ギコギコギコ

絵理「て、手が痛いです…」ギコ…ギコ

伊織、絵理両名共、殆ど人生で初めて残ったノコギリに苦戦するも
基本的に器用な二人は、やっていく内にコツを掴み、開始40秒の時点で伊織は丸太を切断した。

伊織「お先に失礼するわね。頑張って、絵理」タタタッ

絵理「は、はい…もう腕がプルプルいってるんですけど…」

愛「絵理さーん!ガッ!と引いてガッ!っと押せば良いんですよー!」

伊織「結構時間かかっちゃったわね。相場が分からないけど…」

伊織「えーと、次の関門はこれか」

第2の関門は、一つ5キロのミルク缶を二つ運ぶミルク缶運び。
30メートル先の置き場まで運ぶ(段差あり)

伊織「よいしょっと!ぐ…おっもいわね……」フラフラ

伊織「結構大きいし…何で2個同時に運ばなきゃいけないのよ…」フラフラ

二つで自分の体重の約4分の1に相当するミルク缶に、伊織はかなり苦戦するも
40秒をかけてどうにか気合いで置き場まで運んだ。

伊織「ふぬぬぬっ!」ガコッ!

そして70cmの高さの置き場まで持ち上げて、そこに置く。
伊織が二つめのミルク缶を持ちあげている時に、絵理がようやく丸太切りを終えた。

絵理「…………」ぜぇぜぇ

愛「絵理さん頑張れー!後2つですよー!」

伊織「だぁっ!」ガコッ

伊織「や、やっと終わった…ほんと何でこの伊織ちゃんがこんな事…」

伊織「アイドルがやるんだから、ちょっとは気を利かせなさいよね…」ぜぇぜぇ

二連続の腕への負担がかかる関門に、体力を奪われた所で迎える最終関門。それは

『軽自動車20メートル引き』

伊織「……………」

伊織「…あ、このロープに繋がってる服を着て、それで全身で引っ張るのね」

伊織「せーのっふぬぬぬぬっ………!」

自動車「……………」ピタッ

伊織「出来るかあっ!!!」バンッ!(服叩きつけ)

春香「これはキレて良いねww」

その後、伊織は一応時間まで自動車引きに挑戦したが
結局自動車はピクリとも動かず、3分までにゴールできなければ失格というルールに従い
伊織、絵理両名とも記録無しとなった。
※ちなみに絵理は2分40秒の時点で最終関門に到達し、最終関門を見た瞬間倒れた。

伊織「無理よ無理!出来る訳無いでしょあんなの!何でアイドルが体一つで自動車を引っ張んなきゃいけないのよ!」ぷんすか

春香「まぁ確かにそれは正論だねw」

美希「出来なくても困る事は一生無いって思うな」

千早「これ真以外で出来る人居るのかしら…?」

絵理「…………」ぜぇはーぜぇはー

愛「絵理さん大丈夫ですか!?氷要りますか!?」

涼「愛ちゃん、とどめになりかねないから近くで大きい声出すのは止めてあげてね」

涼「しかし、たしかにここに来て過酷な競技が来たなぁ」

愛「そうですね、ここまでの競技の疲れもありますから、大変そうです」

涼(だけど、だからこそ勝機がある、か)

スタッフが企画倒れを心配する中で行われた、暫定8位の春香と暫定7位の涼の挑戦。
涼はかなりのハイペースで丸太切りを終え、ミルク缶運びを終えた時点でのタイムは48秒だった。

春香「うひゃー涼ちゃん速いなぁ」

涼(よし、ここまでは上手くいった。残るは…)

古館「さぁ秋月選手!約1tの自動車!これを前に進める事が出来るのか!」

池谷「いや~こう見るといつも無茶な事してるなって思うなぁw」

ケイン「僕タチは3tのトラックですケドね」

涼「だあああああっ!!!」ぐぐぐっ!

愛「涼さん頑張れー!!絶対動きます!!」

古館「さぁ前輪が前へと回転するのか…」

……………ゴロッ

愛「!動きました!動きましたよ涼さん!!」

春香「うわっホントに!?」タタタッ

涼「うおおおおっ!」ズッズッ

パーーン!プシュウウウウー(煙)

古館「今ゴール!秋月選手、1分39秒というタイムでゴールしました!これは好タイムです!」

涼「はぁっ!はぁっ……や、やった…」バタッ

愛「涼さんお疲れ様ですっ!自動車を引っ張るなんて凄いです!私感動しちゃいました!」

涼「あはは、ここまであまり良いとこを見せれてなかったからね…」

愛「よーし!次はあたしです!あたしも気合いで頑張りますねっ!」

一方、1分8秒の時点で自動車引きに達した春香だったが

春香「ふぬぬぬぬっ!……はぁはぁ……ふぬぬぬぬっ!」

どうにも動かず、誰もが諦めていた2分51秒の時点で

……………ゴロッ

美希「あ、動いたの」

春香「おりゃあああっ!」ズッ

やっと前輪が動きを見せたが、流石にそこからは間に合わず
2メートル程進んだ時点でタイムアップとなった。

千早「何とも春香らしいわね…」

美希「もうこうなると、タイムどうこうって言うより」

美希「完走できるかどうかって感じだよね」

千早「そうね。正直自信は無いけど、秋月さんが動かした以上不可能ではないハズだわ」

続いて行われたのは、暫定6位の日高愛と暫定5位の四条貴音の挑戦。

伊織「さっきの貴音なら楽に引けたでしょうけど、今はお腹いっぱいだから厳しいでしょうね」

春香「お腹いっぱいだから厳しいっていうのも、おかしな話だけどねw」

愛と貴音の挑戦は、終始愛がリードする展開となった。

愛「たああああっ!」ギコギコギコッ!ゴトッ

ロスも多いがダイナミックなノコギリ捌きで、涼のタイムに僅か2秒遅れて第一関門をクリア
次のミルク缶運びも勢いでこなして、56秒というタイムで最終関門に到達。

愛「よーし、いっきますよー!おりゃあああーーーっ!!!」

そしてラストの自動車引き。最初の10秒は全く動かず駄目かと思われたが
愛が体勢を低く変えた瞬間

………ゴロッ

涼「動いた!いけるよ愛ちゃん!」

愛「だああああああーっ!!!」

古館「雄叫びをあげながら日高選手、一歩一歩前へと進んでおります!この小さな体のどこにそんな力が眠っていたのか!」

春香「ホントだよねw」

美希「流石豆タンクって感じなの」

パーーン!プシュウウウー

古館「今ゴール!タイムは1分52秒!秋月選手に次ぐ暫定2位となります!」

愛「や、やりましたぁ…」バタッ

涼「頑張ったね、愛ちゃん」

一方パワーフォースNo1の貴音は、ノコギリに手こずったのが響いて2分21秒というタイムでのゴール。暫定3位となった。

貴音「ふぅっまたお腹が空いてしまいましたね」

春香「もっと空いてれば2分は切れただろうにねー」

伊織「ま、それでもゴールするあたりは流石ね」

続いての挑戦者は暫定4位の美希と暫定1位の響(1位3人でのじゃんけんの結果先にする事になった)

響「ノコギリを握るのは久し振りさー!」ギコギコギコッ!ゴトッ

昔イカダを作った経験のあるという響が、今迄で一番のタイムで丸太切りを終え
すぐにコツを掴んだ美希がそれを7秒程遅れて追う展開となった。
ミルク缶運びに多少苦戦するも、両名共1分を切って最終関門に到達。

響「ぐぐぐぐっ…!」

美希「き、きついの……」

しかしこの二人も例に漏れず自動車引きに大苦戦し、響が2分8秒。美希は残り2メートルという所で惜しくもタイムアップとなった。

春香「あーもうちょっとだったのに、惜しかったね美希」

伊織「動かしただけでも立派だと思うわ」

愛「涼さん!後2名の時点になってもまだ涼さんが暫定1位ですよ!」

涼「うん、私もちょっとドキドキしてるけど、まだ分からないよ」

涼「…一番の要注意人物が、最後に控えてるからね」

古館「さぁワークアウトガイズも残す所は2名のみとなりました!」

古館「両者とも暫定1位!如月選手と菊地選手の挑戦です!」

千早(秋月さんのタイムが1分39秒。それを抜く気持ちでやらないとね)

真「やっとボクの番だね。楽しみだなぁ」うずうず

審判「位置について!用意………ピーーーッ!」

真「いっくぞぉー!」ギコギコギコギコッ!!!

古館「!これは速いぞ!菊地選手の丸太がみるみるうちに刃が通っていっています!」

池谷「うぉっあれケイン並に速いんちゃう?」

ケイン「ソウかもしれないデスネ…ただ速いだけでなく、コウリツテキニノコギリを使ってマス」

真「へへっ空手の山籠りで散々やったからね!ほらっ」ゴトッ!

千早「も、もう終わったの!?」ギコギコ

古館「菊池選手僅か11秒で丸太を切断し終えた!これは驚異的なペースです!」

※ちなみにこれまでの最速は響の23秒

真「次はミルク缶だね!よいしょっと!」グッ ダダダダッ!

春香「…10キロのミルク缶を重さなんて無いみたいに持つね…」

真「あらよっとぉ!」ガコッ!

伊織「そして二個同時に上にあげて台に乗せたわよ…」

古館「これは何というスピードだぁ!菊地選手僅か25秒で最終関門に到達しました!」

美希「…これまでの最速が涼ちゃんの48秒だったよね?」

春香「千早ちゃん別に遅くないのに、めちゃくちゃ遅く見えるのが可哀想だね」

真「おらあああーっ!」ぐぐぐっ

ゴロゴロゴロゴロッ!

愛「ふ、普通に歩いてる位の速さで引いてますよ!」

涼「もしかしたら勝てるかもとか思ってたのが恥ずかしいね……」

パーン!プシュウウウー

古館「ゴール!!!圧倒的勝利!!菊地選手、44秒13という驚異的タイムを叩きだしましたっ!」

真「やーりぃーっ!!!」グッ(ガッツポーズ)

※ちなみに千早は2分15秒でゴールしました。


第六種目 WORK OUT GUYS No1菊地真

ふぅ、ワークアウトガイズはかなり好きな競技なので入れてみましたが
文字で表現するのは難しかったですね。
お風呂入って来ます。何とか朝までに終えられるかな。

第五種目終了時の獲得ポイント

1位菊地 真 330p
2位我那覇響 260p
3位如月千早 250p
4位秋月 涼 205p
5位日高 愛 190p
6位星井美希 185p
7位四条貴音 160p
8位天海春香 125p
9位水谷絵理 105p
10位水瀬伊織 25p

>>552
訂正。第六種目終了時の

第七種目 TAIL IMPOSSIBLE

ナレ「一周200メートルのトラック4周を1ラウンドとして、各ラウンドの下位が脱落していく」

ナレ「最終ラウンドの1位がNo1となる。各ラウンド間のインターバルは先頭走者のゴールから90秒間」

春香「お~ついに真が単独トップに立ったね」

真「へへへ、何気に初めてのNo1だったからね。凄く嬉しいよ!」

美希「そうえば、今迄同じ人がNo1とった事無いの」

春香「あ、たしかに。意外と言えば意外だね、それ」

伊織「この競技が終わって、下位の4名が脱落だったっけ?」

千早「そうね。上位の6名だけが最終種目に残れると聞いたわ」

伊織「ふーそれじゃあこれでやっと終われるのね。長かったわ…」

伊織「周りが宇宙人ばかりの運動会に出てる気分だったわよ。人間代表が私で」

真「誰が宇宙人だっ!」

春香「6位っていうと、今は美希だっけ?」

美希「うん。185pって書いてあったの」

春香(美希との差は60p…何としてもここで上位に入って、最後の種目まで残らないと!テレビに映らないとね!)

絵理「つ、次は持久走…?なんで後半に入ってからキツいのばかり…」ずーん

絵理「……でも、私はこれで最後だもんね。私、頑張る…」ヨロッ

涼「う、うん。後は私と愛ちゃんに任せて」

愛「絵理さんも一緒にって言いたいですけど、順位以前にドクターストップがかかっちゃいそうですもんね…」

愛「絵理さんの分まで残り2種目頑張ります!」

亜美「次はテールインポッシブルか→」

真美「あれただ走るだけだから地味でつまんないよね→」

P「俺は好きだけどな。シンプルだからこそ、紛れが起こらず体力と根性の勝負が楽しめるし」

P「ペース配分の駆け引きもある。それに、あまり体力に自信の無い選手が」

P「それでもポイントをもぎとろうと、何ラウンド目かを必死で走ってギリギリ残って」

P「次のラウンドでボロ負けしてる姿とか、何か胸にクるものがある」

律子「なかなか渋い趣味ですね」

P「ま、特に今回は脱落が掛ってもいるしな。面白いドラマがあるかもしれないぞ?」

古館「第1ラウンドは、10名から7名へ。三名が脱落となります」

涼「三名か。ここは残らないとね」グッグッ(屈伸)

愛「目標は最終ラウンドですよ涼さん!いや、目標はNo1です!」ピョンピョン

響「持久走はあまり自信無いなぁ。これまでの疲れもあるし」

真「ボクもだね。でも、苦手な種目で勝ってこそ意味があるとも思うよ」

美希「あふぅ。たしかにそれは良い事だけど、長く走るのは嫌いなの…」

千早「?春香、随分気合いが入ってるわね」

春香「脱落が懸かってるからね、ここは真面目にいくよ~」グッグッ(足を揉む)

審判「第1ラウンド始めます。位置について…用意」

パーン!!!(銃声)

P「第1ラウンドがスタートしたか。まぁ4周目までは様子見みたいなものだけど、誰が先頭に立つかな?」

やよい「あ、伊織ちゃんが先頭を走ってます!」

亜美「ホントだ。意外だね、伊織んが自分から前に出るなんて」

あずさ「伊織ちゃ~ん頑張れ~」

律子「伊織の意地なのかもしれないわね。ここまで結果が残せて無い事への」

律子「竜宮小町のリーダーとして、最後に良いトコを見せないとって感じかしら?」

亜美「何気に伊織ん文句を言いながらも、全部の競技でいっしょーけんめいだったもんね」

亜美「頑張れー!伊織んーっ!」

千早(勝負は4周目とはいえ、その時を前の方で迎えて損は無い)

千早(勿論無駄に体力を使っては駄目だけど、基本的にはトップグループに入っておきたいわね)タッタッタッ

春香(絵理ちゃんが早々に集団から離脱して、脱落者一名は決定)

春香(あとは貴音さんが少し遅れ気味か…)タッタッタ

涼(響さんと真さんが下位グループの位置に居るのは意外だな)

涼(体力の温存なのか…?とりあえず、もう少し前に行っておくか)タタタッ

それぞれの思惑と共に、レースは展開されて行く。

カランカラーン

そして、4周目を告げる鐘の音が鳴った。

4周目。脱落者を決める周に入った事で、全員のペースが目に見えて上がる。
3周目の時点で脱落圏内に居た美希と貴音がペースを上げるも、それから逃げる様にその前に居る者もペースを上げるので
差はなかなか縮まらない。

美希「むー…皆急にペース上げ過ぎなの」タタタタッ!

貴音「たしかにこれを捕まえるのは少々難しいですね」タタタタッ!

結局二人はゴールの5メートル手前になってもその差を埋める事は出来ず

伊織、千早、涼、愛、春香、響、真の順でゴールに入り、絵理、美希、貴音の三名が脱落となった。

伊織「ぜーぜー…たった90秒じゃ足りないわよ…」スーハー(酸素ボンベ)

春香「…………」スーハー

千早(あの春香が無駄口を叩かないなんて…ホントに本気なのね)ゴクゴク(ポカリ)

愛「はーはー…け、結構キツいですね。800メートルって」スーハー

涼「たしかにね。ペースを守って走らないと持たなそうだ」

響「ふーなんとか残ったさー」

真「…………」スーハー

スミマセン、べらぼうに眠いので寝ます…。
起きたらラストまでノンストップでいきますのでご容赦を…。
多分10時位から再開します。

ふと思ったんですが、一般人でも頑張ったら軽自動車引っ張れるのかな…?

審判「位置に付いて!用意………」

バーン!

7名から5名へ。2名が脱落する第2ラウンド。
このラウンドは上位グループと下位グループがはっきりと分かれる展開となった。

千早(…やっぱり、全体的にペースが落ちてるわね)タッタッタ

涼(流石千早さん。ずっと同じペースで走り続けている)

涼(クイックマッスルのでの事もあるから、意識し過ぎても駄目だけど)

涼(最終ラウンドまでは、付いて行くので問題無いハズ)タッタッタ

上位で走るのは、千早、涼の二人。
3周目が終わる時点で後ろの走者に50メートル程の差を付けての走りだった。

春香(脱落を争う美希と貴音さんが第1ラウンドで落ちてくれたのは僥倖だったね)

春香(スタミナ切れというより、ペース配分のミスって感じだったから尚更。これなら、いけるかもしれない)タッタッタ

それに続くのは春香。
彼女はこのラウンドで唯一一人で走っており、上位と下位の丁度中間の位置。
中位グループといった位置をキープしていた。

そして残りの4人が下位グループ。
スタートから微妙な順位の入れ替わりはあるものの、ずっと集団のままで4人は走っていた。

伊織「はぁっはぁっ……」タッタッタ

伊織(実質、このラウンドの脱落争いはこの4人に絞られた)

伊織(4人中2位以上に入れば通過…ちっキッツイわねえ!)タッタッタ

愛(くっキ、キツイですけど、何とかここは通過しないと…!)タッタッタ

響(よし、展開としては悪くない…最後の直線でかわす)タッタッタ

真(さて、どうしようか…)タッタッタ

カランカランカラーン

そして再び4周目の鐘が鳴った。

前を走っていた千早と涼、少し遅れて春香は競り合う事無くゴールし通過。
残る切符は二枚となった。
下位グループの4人は4周目に入っても、集団がバラける事は無く(ペースは上がったが)
このままラストでの競り合いになると思われた残り80メートルの時点。

伊織「はあっ!」ダダダダダッ!

伊織が集団から抜け出す。ほぼ全力疾走のスピードだった。

やよい「伊織ちゃんがスパートを掛けました!」

亜美「ちょっと速く無い?最後まで持つのかな…?」

律子「ギリギリ…でしょうね。でもあれは、次で残る事を全く考えていない」

律子「玉砕覚悟のバンザイアタック」

律子「他の3人が次のラウンドの事を考えているなら、決まるかもしれないわ」

他の3人にとっては不意を突かれた形の伊織のアタック。
動揺が走るが、すぐにこれを許してはまずいと後を追った。

愛「ま、負けませんっ!!」ダダダッ!

伊織同様、次では残れないと感じていた愛が、残る力を全て振り絞って伊織を追う。
しかし出足は鈍い。ここまで全ての競技に全力で挑んだ反動が、この13歳の少女を襲っていた。

響(…愛は限界だな。となると相手は伊織と真)

響(ちっ残り20メートル位からのスプリント戦になれば勝てると思ってたけど、ここからだと…)ダダダッ!

愛から少し遅れ、残り60メートルのあたりで響も動く。この時点で伊織との差は8メートル程。

真「あーあ楽には残らせて貰えないねっ!」ダダダッ

そして最後に真も動いた。
残り50メートルのスプリント戦が始まる。

伊織「はぁっ!はぁっ!」ダダダッ!

伊織(呼吸が荒い…胸が苦しい、視界がぼやける。なんで私、こんなに必死に走ってるのかしら)

伊織(これで仮にトップになった所で、次に残れる訳でも無いのに…)

やよい「伊織ちゃん頑張れーっ!!!」

亜美「伊織んファイト→!」

あずさ「もうちょっとでゴールよ~!」

伊織「……なんてね」

伊織「理由なんて、これで十分よ!」ダダダダッ!

伊織、ゴール直前での再加速。
これにより、迫る3人を引き離し、4位でゴールラインを通過した。

響(!伊織がまた加速した…これじゃ届かない、残る椅子は後1つ)ダダダッ

残り10メートルの時点。響、真、愛の三人はほぼ横一線だった。
響が限界だと睨んだ愛も、持ち前のど根性で粘り、この時点まで付いてきていた。

愛「はあっ!はあっ!」ダダダッ!

どころか、ここに来て愛が体2つ分程のリードを取る。

響(ぐ、愛も次で残る事は考えていないって事か。くそっ自分も体力温存なんて考えてられないぞ)ダダダダッ!

このままではヤバいと思った響も、残しておくつもりだった体力を使ってラストスパートを掛けた。

古館「さぁ激しい脱落争い!水瀬選手は決まりか?後一つの切符を掴むのは誰だ!」

響「だあっ!!!」ぐっ!

真美「おぉっ愛ぴょんと響んが並んでゴールしたよ!どっちの勝ち?」

律子「僅かに響…ね。最後胸を張ってゴールしたのが効いたわ」

律子の言葉通り、後でスローで確認した結果、響の5位通過が決まった。

第二ラウンドは千早、涼、春香、伊織、響が通過。愛、真が脱落という結果になった。

響(ふ~ギリギリだったぞ)ぜぇぜぇ

愛「あぅ…負けちゃいました」ぜーはー

真「く~ちょっと届かなかったか…」ぜぇぜぇ

絵理「お…疲れ様……愛ちゃ……」ぜーぜー

涼「絵理ちゃんも完走お疲れ様。ハイ、二人共酸素ボンベ」

愛「ありがとうございます、涼さん…残りのラウンド頑張って下さい!」

涼「うん、任せて」

春香「…………」スーハー

残るは半分となった第3ラウンド。
このラウンドも下位2名が脱落となり、残った3名が最終ラウンドに残る事となる。

審判「位置について!用意………」

パーン!

春香「…………」ダダダダッ!

第3ラウンドの先頭を取りに行ったのは、春香。
自分がペースを握るつもりだった千早が意外に思う中、春香はどんどんペースを上げ後続との差を離しにかかった。

真美「おぉ、はるるん飛ばすね~」

あずさ「何か考えがあるのかしら?」

亜美「伊織んは流石に早々に離されちゃったか。お疲れ伊織んっ!」

雪歩(真ちゃん、どうかしたのかな…?)

涼(2名の脱落。それはさっきと変わらないけど、人数が減ると難易度は格段に上がるね)

涼(伊織さんは限界みたいだから、春香さん、千早さん、響さんの誰か一人に勝てば良い)

涼(それなら春香さんかなって思ってたけど、まさかこんな逃げに打ってでるなんて)タッタッタ

響(ホントにあのペースを続けられるのか?とりあえずは涼と千早に付いていくけど…)タッタッタ

春香「はぁっはあっ…」ダダダダッ!

千早「…………」タッタッタ

春香(分かってる。普通にやればここで落ちるのは伊織と私)

春香(ここまでで走った距離、1.6キロ。インターバルは体力回復に努めたけど)

春香(流石にそれだけじゃ、失った体力は半分も戻らない)

春香(集団に付いて行って、最後の直線勝負になったらスピードのキレじゃ敵わない)

春香(なら、出来るだけリードを作って、最後バテバテになってもその貯金で逃げ切る!)ダダダッ!

律子(―――っていうのが春香の考えだろうけど、果たしてそう上手くいくかしら?)

第3ラウンドの展開は、大逃げの春香。それを3人が追うという形になった。

一時は30メートル程の差を付けて独走する春香。
しかし三周目に入ったあたりで、そのスピードにも陰りが見え徐々に差を詰められる。

カランカランカラーン

四周目に入った時にはその差は15メートル程にまで縮まっていた。

春香「くっ……」タッタッタ

響(やっぱり無茶なペースだったんだな。明らかに動きが鈍ってるぞ春香)

涼(…よし、これならかわせる)ダッ!

四周目が半分を過ぎたあたりで、涼が春香を抜きにかかった。
春香の作った貯金はどんどん減り、春香はあっさりとかわされた。

春香「…はぁっはぁっ」タッタッタ

あ、やっと繋がった。
回線が凄く調子悪いので、一旦ここで切らせて下さい。
最後まで書き溜めてから、夜に再開する事にします。
何度も長時間の保守をさせてしまい、申し訳ありません。

戻りました。保守ありがとうございました。
現在最終種目の中盤書いてます、書きながら投下していきますね。

涼(…何だ?思った以上にあっさりとかわせたな)

涼(それに、春香さん。ぼくが抜きに行く瞬間…笑ってた?)

先頭に立った涼がそんな違和感を感じている事を知らず、あっさりと抜かれた春香を見て響は思う

響(やっぱり春香は完全にガス欠。これは普通に走っても追いつけるな)タッタッタ

春香と響の差は現在約8メートルで残りは80メートル。
これだけあれば、楽勝だと。

響(自分も大分体力は消耗してるしな。省エネでいけるならその方が良い)スッ(ペースダウン)

千早「…………」ダッ!

ここで響の少し前を走っていた千早も春香を捉えにかかる。
そして、涼同様にあっさりと春香をかわして、二番手に上がった。

千早「私は騙されないわよ」ボソッ タタタッ

春香「…………」ニヤッ タッタッタ

亜美「あ、千早お姉ちゃんも前に出た!」

真美「ここまでずっと同じペースで走ってたのにね→」

律子「そりゃまぁ、千早は気付くわよね」

やよい「?どういう事ですか?」

律子「見てれば分かるわ、春香の仕掛けた罠が。千早は気付いてるみたいだけどね」

>>650
訂正
律子「見てれば分かるわ、春香の仕掛けた罠が」

響(?千早も随分早く仕掛けたな。別に通過出来れば良いんだから)

響(最後の直線でかわせば十分なのに)タッタッタ

古館「さぁ第3ラウンドも残すは最終コーナーと直線だけ!」

古館「現在脱落線上で争っているのは天海選手と我那覇選手!」

古館「天海選手は総合ランキング6位に入れるか否かもかかっておりますが、逃げ切れるのでしょうか!」

響(そうか、春香はここで勝たないと…。でも、そんな事は関係無い)

響(自分だって一番を目指してるんだ。余裕なんか無い。悪いな、春香)ダッ!

やよい「響さんがペースを上げました!」

亜美「はるるんとの差は5メートル位しか無い。これははるるん万事休す→!」

響が前の二人同様一瞬で抜いてやろうと思い、春香を抜きにかかる。
―――しかし

響「………な!?」ダダダッ!

春香「たあああっ!」ダダダッ!

雪歩「差が…縮まって無い?」

亜美「はるるんのペースも上がってる!まだ力が残ってたの!?」

千早(…やっぱり、ね)

P「…死んだふり、か。流石春香、とんだタヌキだな」

やよい「ど、どういう事です?春香さんはもう限界だったんじゃ…」

律子「そう思わされてたのなら春香の思うつぼよ、やよい」

やよい「で、でも涼さんと千早さんにはあっさりと抜かされてましたし…」

律子「そうね。春香はあっという間に差を詰められて、一瞬で抜かれた」

律子「あの時…『あまりにあっさり過ぎる』と思わなかった?」

やよい「!ま、まさか春香さん…」

律子「そう、あの時春香は抜かれるのを拒むのでは無く、自分から抜かれに行った」

律子「あの時だけ、自らペースを落とす事で」

亜美「で、でもそれに何の意味があるの?自分から順位を落としちゃったら…」

律子「効果ならさっきやよいが言った通りよ」

律子「あれを見れば『もう春香は限界だ。抜こうとすればいつでも抜ける』と思わざるを得ない」

律子「そう…後ろに居た響もね」

真美「そ、そっか!はるるんは仕向けたんだ!響んが、最後の最後まで自分を抜きに来ない様に!」

亜美「最終ラウンドに向けて体力を温存したい響んは、出来るだけギリギリで抜こうとする…」

亜美「その気になればいつでも抜けるって思ってるから!」

やよい「でも、春香さんは実はまだスタミナを残していたんですね」

P「正確には、ペースを落とす事で回復させたんだろうな」

P「響に早い段階で仕掛けられていたらすぐに露呈する策…たいした勝負師だよ」

響「春香あああっ!自分を騙したなっ!」ダダダダッ!

春香「騙される方が悪いんだよっ!」ダダダダッ!

P(だが、単純な走力では勿論響が上。残り10メートル、逃げ切れるかどうかは根性勝負になる!)わくわく

古館「さぁ命懸けの鬼ごっこだ!逃げる天海!追う我那覇!先にゴールラインを踏むのはどっ…

ガッ

春香「きゃあっ!!」ズテッ!

響「え………?」タッタッタ ゴール

皆「…………………」

古館「……こ、これは何という幕切れか!天海選手ゴール1メートル手前で転倒!無念の脱落となってしまいましたぁ!」

春香「あいたたたた…そんなぁ~」

P「…………プロだなぁ、アイツ」

律子「これはこれで流石春香、ですね」

その後に行われた最終ラウンドでは、千早がスタートから安定したハイペースを維持し
涼がそれを必死に追うも、5メートル程の差を付けられて二着。
第三ラウンドで気勢が削がれた響は、大きく離されての三着となった。


第七種目 TAIL IMPOSSIBLE No1如月千早

てすと

第七種目終了時の獲得ポイント

1位如月千早 350p
2位菊地 真 340p
3位我那覇響 310p
4位秋月 涼 275p
5位日高 愛 200p
6位星井美希 185p

ナレ「そしてここで総合獲得ポイントランキング下位4名の選手が脱落となる」(あのBGM)

7位四条貴音 160p

貴音「全力は尽くしましたので、悔いはありません。残った皆がわたくしより強かったという事です」

8位天海春香 155p

春香「ホンットーに悔しいです!もうちょっとだったのにな~天海春香!次はトップを狙いますねw!」ニコッ☆

9位水谷絵理 105p

絵理「ぜぇ………ぜぇ……あ、アイドルになって…一番頑張ったと思います…」ボロッ

10位水瀬伊織 55p

伊織「人間代表として頑張りました。今日はゆっくり休みたいです」

ナレ「コロッセオの最終関門の壁。それは高く、険しい」

ギィィィーバタン!

P「で、お前達3人もここに来たか」

真美「お姫ちん、はるるん、伊織んお疲れ→」

春香「プロデューサーさん!私頑張りましたよね?」

P「ん?あぁ………うん」

春香「な、何ですかその歯切れの悪い感じ!」

伊織「絶対アンタあれわざとだったでしょ…どーせ3位でも美希に10p届かないから、それならって感じで」

春香「そ、そんな事ナイヨー」

尾崎「お疲れ様、絵理…って、ホントに疲れてるみたいね。大丈夫?」

絵理「あ、尾崎さん…見ててくれたんですか」

尾崎「えぇ、すごく頑張ってたじゃない。絵理にあんな一面があるなんてって驚いちゃったわ」

絵理「あはは…全然駄目駄目でしたけどね。二人の足を引っ張っちゃったかも…」

尾崎「そんな事言ったら、こっちを見てるあの二人に怒られちゃうわよ?」

絵理「え…?」

愛・涼「……………」グッ!(拳を突き出す)

尾崎「あの二人は、貴方の頑張りに報いる為にも頑張るって言ってるわ」

尾崎「絵理は876唯一のNo1も取ったんだから、胸を張ってなさい」

絵理「……今日は何度も死ぬかと思いましたけど…頑張って、良かったです」ニコッ

最終種目 SHOT-GUN-TOUCH

ナレ「この競技は9メートルから15メートルまでの距離からボタンを押し」

ナレ「10メートル上から降って来るバレーボールにダイビングしてタッチする。地面に触れる前に触れればクリア」

最終種目 SHOT-GUN-TOUCH

ナレ「この競技は9メートルから15メートルまでの距離からボタンを押し」

ナレ「10メートル上から降って来るバレーボールにダイビングしてタッチする。地面に触れる前に触れればクリア」

ナレ「申告距離は自己申告で試技は3回。ポイントは距離の長さに応じて与えられる」

ナレ「ここで、優勝賞品の紹介が行う」(あのBGM)

ナレ「6位の賞品は賞金10万円と○○ツアーズからの提供の温泉旅行券、5位は~

やよい「えー!この番組賞品が出るんですかぁ!?」

伊織「これだけ体張って、優勝賞品が200万と日産の車っていうのもしょぼい気もするけどね」

亜美「いやいやwじゅーぶん嬉しいでしょw」

真美「2位の車はあの軽自動車だって。伊織ん2位に入ってればいつでも練習出来る様になったのにw」

伊織「二度とやらないわよあんな事!」

伊織「普段トラックでやってるから、軽自動車ならいけるっしょっていうスタッフのテキトーな判断が腹立つわ…!」

真「さーて、とうとう最終種目だね」

響「…真、今迄どこに行ってたんだ?さっきの第二ラウンドが終わってから姿を見なかったけど」

真「ん?ちょっとトイレに行ってただけだよ」

響「…………そうか。なら、良いんだ」

響(あの時は自分の事で精一杯で流してたけど、今思えば真が第二ラウンドなんかで落ちるのはおかしい)

響(確かに真は自分と同じで、瞬発力タイプだからスタミナはそれほどある訳じゃないけど)

響(それでも一般人に遅れを取る真じゃない。最後10メートルも真はスパートをかけなかった)

響(それが意味するのは…)

真「…………」グッグッグッ(足を揉む)

響(言わないし言えないんだな?なら、聞けないし聞かないぞ?)

響「真、これが最後だ。お互い全力を尽くそう」

真「あぁ。言われるまでも無いよ。決着だ、響」

美希「…相変わらずあの二人の周りだけ、ヘンな空気が流れてるの」

千早「ふふふ、まぁ番組に真面目に取り組むのは良い事よ」

美希「でも千早さんはやっぱり凄いの!二種目も一番を取って、今も暫定1位なんて!」

千早「競技との相性が良かっただけよ。我那覇さんと真が消耗してたのもあるしね」

千早「でも、ここまで来た以上は負けたくないわ。総合No1、獲ってみせる」

愛「いよいよ最後ですね、涼さん!」

涼「うん、新人アイドルの私達が、ここまで残れた事を嬉しく思うよ」

愛「絵理さんの分まで、876魂を見せつけてやりましょうね!」

涼「狙うは総合ナンバーワン!だね」

古館「さて本日は長く熱い一日でしたが、とうとう最終種目となりました」

古館「最終種目はお馴染みショットガンタッチ。数々の逆転とドラマを産んで来たこの競技で」

古館「果たしてどんな一ページがコロッセオに新たに刻まれるのでしょうか」

池谷「いや~アイドルだけでやるって聞いた時は、低レベルなお遊びみたいな感じになると思ってたんやけど」

池谷「それは失礼な話でしたね。ヘタしたら俺達以上に真剣に取り組んでて、頭が下がりますわ」

ケイン「ソウデスネ。脱落したミナサンからも、ヒッシさが伝わって来マシタ」

ケイン「ドンナジャンルでもプロのカタは、プロという事デスネ」

古館「さぁ最初に挑戦するのは暫定6位の星井選手!モンスターボックスでは素晴らしいバネを見せてくれましたが」

古館「このショットガンタッチではどうなのか?申告距離は…11メートル!」

※距離の申告は紙に書いて、試技前に全員が箱の中に入れておく

P「11メートルというと、63pか。結構な勝負に来たな美希」

亜美「今回は申告制なんだね」

真美「プロスポーツマンの時は、モンスターボックスみたいに」

真美「皆が同じ距離を挑戦して、失敗したら脱落で、どんどん距離が伸びて行く感じだもんね」

P「あぁ。でも俺はこっちの方式の方が好きだな。競技者同士の駆け引きも楽しめるし」

P「申告距離で、どんな作戦でいくのかも見えるしな」

春香「そりゃあ自分のギリギリの距離を三回するのがベストですけど」

春香「それでミスったらポイント無しですもんね」

P「難しい距離を成功させて、後続にプレッシャーを与えるなんて要素もあるしな」

真美「そういう意味ではこのミキミキの選択はどっちなんだろうね。冒険か堅実か」

伊織「色んな意味で、この美希の試技が基準になるわね」

美希「ふううっ……行くの!」

ダッ!バンッ! ダダダダダダダダッ!

美希「はぁっ!」 バッ!バンッ 

古館「白旗!星井選手11メートルを見事決めました!」

美希「やったの!」

暫定6位→暫定5位星井美希 248p

春香「掌でしっかり受けたね」

伊織「でもまぁ結構ギリギリ。こういう線を見極めるのは上手いわねぇ美希」

P「自分の限界がどこかを見極めるのも、この競技の大事な要素だからな」

続いての挑戦者は暫定5位の日高愛。申告距離は11メートル10センチ」

涼(分かんないから、絵理ちゃんの番号のポイントの距離にするって言ってたけど)

涼(そこまで悪くは無い選択のハズ…決めちゃえ愛ちゃん!)

愛「ふぅー……たああああっ!」

ダッ!バンッ! ダダダダダダダッ!

愛「あああああっ!!!」

バッ! チッ

古館「指先に掠っている!日高選手11メートル10センチをクリアー!」

愛「やりましたぁっ!」ピョンッ

暫定6位→暫定5位日高愛266p

涼(両手を前に出して、ボールを全く見ないでの飛び込み…リスキーだし効率は悪いかもだけど)

涼(それが愛ちゃんらしい、か)

次に挑戦した涼は、同じく11メートル10センチを申告。

涼「らあああっ!」 カッ

指先でしっかりボールを捉えて成功。66ポイントを加算した。

暫定4位→暫定2位秋月涼 341p

P「涼さんもここで優勝争いに割って入って来たか」

亜美「涼お姉ちゃんって地味に好成績残してたもんね→」

真美「なんか地味な印象はぬぐえないけどねw」

春香「さぁ次はこの種目No1大本命の響だね」

伊織「ここまでは皆11メートル付近。どこまで攻めるのかしら」

古館「我那覇選手、一回目の試技の申告距離は…12メートル!」

亜美「12ってw1メートルも上いったよww」

春香「まぁ、響なら決めちゃいそうだけどね。今迄の競技の中でも一番得意そうだし」

貴音「しかし、いかに響といえど、ここまでの疲労が無いハズはありませんからね」

貴音「簡単に決めるという事も…また無いと思います」

古館「12メートル。成功すれば93ポイントが入ります。しかしこの距離は一流アスリートでも簡単ではありません」

響「…………はっ!」ヒュバッ!バンッ! ダダダダダダダッ!

響「…………」ヒュバッ!ボムッ!

古館「ボ、ボールを上へ跳ねあげたー!我那覇選手!まるでバレーのレシーブの様に見事に跳ね上げました!」

響「…よし」

暫定4位→暫定1位我那覇響 403p

春香「…今、手がグーだったよ」

伊織「とんでも無いとしか言い様が無いわね…」

古館「申告距離は…11メートル50センチ!」

春香「あれ?真にしては控えめだね」

伊織「まぁ…これで控えめって言うのもどうかと思うけど、響のを見ちゃうとね」

雪歩「…やっぱり、真ちゃん足の調子が悪いんじゃないのかな…」

春香「え?」

伊織「あぁ、あれ結局大した事無かったみたいよ。現にここまであんだけ元気に飛び跳ねてたじゃない」

雪歩「でも、足の運びに違和感があるし…さっきの持久走で痛みがぶり返したのかも…」

伊織「…………」

回線不良が尋常じゃない…試しに再起動かけてきます。

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