まどか「ほむらちゃんのおバカ!だいっ嫌い!」(188)

ほむら「えへへ、今日はまどかとおでかけよ」

ほむら「そして…ふふっ」

ほむら「もしかしたら、面白いまどかの表情が見られるかもしれないわ」クスッ

ほむら「…まあ、直ぐにバレるとは思うけど」

ほむら「正直に話すのは照れるし…もしダメだったとしても、今日なら…」

ほむら「だから、思いきって言うわ…」

ほむら「そして、まどかと…!」

ほむら「ふふっ」

ほむら「……!」

ほむら(来る!)

まどか「だーれだ?」

ほむら「うーん…誰かしら?」

まどか「えへへ、ヒントほしい?」

ほむら「ええ、お願いするわ」

まどか「えっとね?ほむらちゃんとおでかけするのを楽しみにしてた女の子だよっ!」

ほむら「うん、誰だかわかったわ」

まどか「じゃあ当ててみて?」

ほむら「まどか!」

まどか「正解だよ、ほむらちゃん!」

ほむら「ふふ、やった」

まどか「てぃひひ!」

ほむら「おはよう、まどか」

まどか「うん、おはよっ」

まどか「ねぇ、今日は何処に行くのかな?」

ほむら「……実はね、今日は大切な話があるのよ」

まどか「大切な話?うん、いいよ」

ほむら「……実は私、まどかのことが…」

まどか「!」

まどか(もしかしてこれって…!)

ほむら「あなたのことがね?」

まどか「うん!」

ほむら「……だ、大嫌いなのよ」

まどか「うんっ!わたし………」

ほむら「………」

まどか「…え」

まどか「えっ?」

ほむら「き、今日だから言うわ。私、ずっと前からあなたのことが、だ…大嫌いだったのよ」

まどか「ほむら…ちゃん…?」

ほむら「できれば、何時、どんなところでも…あなたの側にいたくないわ」

ほむら「私は…あなたが嫌い、だから…」

まどか「………」

ほむら「…」クルッ

ほむら(…もちろん嘘よ?今日はエイプリルフールだもの)

ほむら(本当の私の気持ちはこれの逆だわ)

ほむら(私はまどかが好き…!)

ほむら(…でも、本当のことを言うのは恥ずかしいわ)

ほむら(それに……もし、ふられたとしたら…)

ほむら(……だけど、この言い方なら恥ずかしくないわ)

ほむら(私の気持ちを、まどかが見抜いてくれれば)

ほむら(きっとこうなるはず…!)

まどか『…もう、嘘でしょ?』

ほむら『ふふっ、やっぱりバレたわね』

まどか『えへへ、だって今日はエイプリルフールだもんね』

ほむら『ええ、そうよ』

ほむら『それに、あなたが嫌いだなんて絶対にありえないわ』

まどか『てぃひひ、よかった』

ほむら『まどか…!』

まどか『…なら、本当のほむらちゃんの気持ちは逆なのかな?』

ほむら『…うん!』

まどか『ほむらちゃん…!』

ほむら『まどかっ…!』

まどか『ほむらちゃん、実はね?わたしも大切な話があるんだ』

まどか『わたし、ほむらちゃんのことが…!』

ほむら(そして、私とまどかは…!)

ほむら(ここまで上手くいくとは限らないけど…もしかすれば、きっと…!)

ほむら(もし、ダメだったとしても…その時は嘘で通るはずよ)

ほむら(さあ、まどか…あなたはどう来るの?)

ほむら「まどか…」クルッ

ほむら「…!?」

まどか「………」ポロポロ

ほむら「ま、まどか?あなた、泣いて…?」

まどか「ひどいよ…」

ほむら「まどか…?」

まどか「ぐすっ…ひどいよぉ…」

まどか「ほむらちゃん…どうして…どうしてぇ…っ…」

ほむら「あっ、いや…これ…は…」

まどか「今日は…ほむらちゃんとおでかけできるから…楽しみに…してたのにっ…」

まどか「こんなのってないよぉ…あんまりだよ……」

ほむら「ま、まどか!実は今の話は…!」

まどか「……もういい」

ほむら「えっ…?」

まどか「もういいよ…あなたはわたしが…だ、大嫌い…なんでしょ?」

ほむら「いえ!だから今のは…!」

まどか「…ごめんね、わたしの顔も見たくないよね」

まどか「声も聞きたくないよね…っ!」

ほむら「まどか…?」

まどか「……バカ」

ほむら「っ!」

まどか「ほむらちゃんのおバカ!だいっ嫌い!」

ほむら「……!!!」

まどか「うぅぅっ…ごめんなさいっ!」タタッ

ほむら「まど…か…?」

ほむら「そんな……?」

ほむら「嘘よ…嘘よね…?何で…どうしてこんな…?」

ほむら「…私…なんてことを…」

ほむら「嘘なのに…エイプリルフールなのに…これじゃ本当にバカじゃない…」

ほむら「バカ…バカっ…!どうして私はあんなこと言ったのよ…っ!」

ほむら「まどかにフラれるのが怖くて…あんな都合の良い考えなんてするから…こんなことに…」

ほむら「…私って、ほんとバカ……」

さやか「くしゅんっ!」

さやか「んー…風邪引いちゃったのかな?」

さやか「それとも、あたしの噂でもー?」

さやか「いやー、人気者は大変だわー」

さやか「えへへ、なんてね」

さやか「…ん?ほむらじゃん…あんなとこで何してるんだろ?」

ほむら「まどかぁ…」ピッピッ

さやか「ほーむら、なにやってんの?」

ほむら「さやか…?」

さやか「え?そうだけど?」

ほむら「さやか…どうしよう…どうしよう…!」

さやか「わわっ?なになに?」

ほむら「まどかが…!まどかがぁっ…!」

さやか「え?まどかがどうかしたの?」

ほむら「まどかに嫌いって言っちゃって…」

さやか「えぇっ?」

ほむら「でも嘘なのよ!本当は好きなのに…!」

さやか「う、うん」

ほむら「好きなのに電話も繋がらなくて…私どうすれば…」

ほむら「さやかぁ…」

さやか「…え、えーと…とりあえず落ち着きなって」

数分後

さやか「はぁ?あんたバカじゃないの?」

ほむら「うぅ…」

さやか「って言うか今さら告白ぅ?付き合ってなかったの?」

ほむら「え?そ、そんな…まどかと私はまだ…」

さやか「えぇ…?あたしはてっきり…まぁいいわ」

ほむら「…?」

さやか「うーん…告白するのが恥ずかしいのはよく分かるよ?」

さやか「でもさ、だからって嫌いはないでしょ、嫌いは!」

ほむら「だ、だって…今日はエイプリルフールだから…」

さやか「…エイプリルフールだって気づかなかったのは、まどかが悪いかも知れないけどさ」

さやか「だからって言って良い嘘と悪い嘘があるでしょ!」

ほむら「っ…」

さやか「それに、あんたの考え通りにまどかが本当の気持ちに気付くとも言い切れないんだからさ」

さやか「ほんと、都合よく考えすぎだよ?」

ほむら「私は…まどかに…」

さやか「…完全にほむらのミスだよ」

さやか「あんた意外なところで抜けてるよね…」

さやか「ワルプルギスとか言う魔女倒した後から、だんだん変わっていったもんねぇ」

ほむら「それは…」

さやか「…まあ、平和になって気が抜けたのはわかるけどさ」

さやか「大好きなまどかにあれは不味いよ、マジで」

ほむら「まどか…」

さやか「はぁ…実際、まどかは真に受けちゃったんだよ?」

さやか「まどかが、だいっ嫌いなんて言うなんて…よっぽどショックだったんじゃないかな」

ほむら「まどかぁ…」

さやか「んでもって、着信拒否…か」

さやか「こりゃ相当きてるね…正直不味いよ?」

ほむら「さやか…私、どうすれば…」

さやか「…ま、友達が困ってるのを無視するなんてできないからね」

さやか「文句はここで終わり!」

さやか「ここは、このさやかちゃんに任せなさい!」

ほむら「さやか…!」

さやか「早い話が、まどかにさっきのはエイプリルフールの嘘だって分かって貰えればいいんでしょ?」

ほむら「…ええ」

さやか「だったら、あたしがまどかに説明してあげるからさ」

さやか「その後はちゃんとまどかに謝りなよ?」

ほむら「…わかってるわ」

さやか「あたしも一緒に謝ってあげるから」

ほむら「ありがとう…!」

さやか「別に良いよ、そのくらい…で、誤解が解けたならさ」

さやか「その時はちゃんと告白しなよ?」

ほむら「………ええ」

さやか「うん、それでよし!」

さやか「んじゃ待ってて?電話してみるわ」ピッピッ

ほむら「ありがとう」

さやか「だから良いってば………あれ?」

さやか「…おかしいなぁ、あたしでも電話に出てくれないなんて……」

ほむら「えっ?」

さやか「……まどか、ふて寝でもしてるのかな?」

さやか「メールはしてみた?」

ほむら「ええ、でも…」

さやか「なるほどねぇ…まいったなぁ」

ほむら「まどか…」

さやか「んー…まどかん家行ってみる?」

ほむら「…ええ、そうね」

数十分後

ほむら「まどかぁ…」

さやか「えぇ?家に帰ってないだなんて…」

さやか「何処にいるんだろ…変なことに巻き込まれてなきゃいいんだけど…」

ほむら「私があんな事言わなければ…」

さやか「今はまどかを探すことだけを考えようよ」

ほむら「…うん」

さやか「でもなぁ…あんしん家にも来てないみたいだし、仁美も知らないようだし…」

さやか「他にまどかの行きそうな場所って…」

~♪

ほむら「!で、電話よ!」

さやか「えっ?まどかから?」

ほむら「もしもし、まどか?」

ほむら「…え?あぁ、あなたね…」

さやか「誰から?」

ほむら「巴マミよ」

さやか「なんだ、マミさんかぁ…」

マミ『…何か私の扱いがわるいような……』

ほむら「気のせいよ、で?何の用かしら?私は今急いでいるのよ」

マミ『実はね、鹿目さんのことでちょっと…』

ほむら「!?まどか?まどかを見かけたの?」

マミ『ええ、今私の家にいるわ』

ほむら「わかったわ!今すぐ向かうから…!」

マミ『待って?暁美さんと会いたくないらしいのよ…』

ほむら「……!」

マミ『何があったかは話してくれないの…でも、暁美さんに関係があるのは間違いないわ』

ほむら「…私は、まどかに……」

マミ『…ううん、私に話さなくてもいいわ』

ほむら「……」

マミ『…なんとなく、予想はつくもの』

ほむら「マミ…」

マミ『……暁美さん、あなたの本当の…本当の気持ちを正直に、ちゃんと鹿目さんに言う覚悟ができたら…』

マミ『……その時は、暁美さん…鹿目さんに会いに来て』

ほむら「…!」

マミ『それまでは私が鹿目さんを慰めておくわ…!』

ほむら「…わかったわ」

マミ『……そう、なら待っているわね』

ほむら「ええ、知らせてくれてありがとう」

マミ『ううん…がんばって…ね。それじゃまた…後で会いましょう』

ほむら「ええ、さようなら」ピッ

さやか「まどかはマミさんの家にいるの?」

ほむら「…そうみたいね」

さやか「そっか、マミさんになら任せても大丈夫そうだし、良かった」

さやか「で、どうすんの?もうマミさん家行く感じ?」

ほむら「…ええ」

さやか「ちゃんとまどかに謝れる?」

ほむら「大丈夫よ」

さやか「ちゃんとまどかに告白できる?」

ほむら「それは…」

さやか「ダメなんだ?」

ほむら「……何て言えば良いのか分からないのよ」

さやか「…まぁ、告白が難しいのはわかるよ」

さやか「……でもさ、やっぱ好きって素直に言うのが…一番なんじゃないかな」

ほむら「素直に…」

さやか「うん…ま、あたしも人に言える立場じゃないけどさ」

さやか「やっぱそれが一番だと思うんだよね」

ほむら「……そうね、それが一番良いわ」

ほむら「嘘でも、遠回りでもなく、素直に好きって行ってみせる!」

さやか「うん、その意気よ!」

ほむら「まどか…!」

さやか「じゃ、もうマミさん家に行こっか!」

ほむら「ええ!」

マミホーム

まどか「マミさん…やっぱり…わたしっ…!」

マミ「ううん、これでいいのよ」

まどか「でもっ…ほむらちゃんに悪いよ…」

まどか「わたし、謝らなきゃ…」

マミ「素直になれない暁美さんには、こうするのが一番だと思うわ」

まどか「そうなのかな…」

マミ「実際、私の予想通りだったでしょ?」

まどか「それは…だけど…ほむらちゃん、泣きそうだったから…」

マミ「ふふっ、電話の様子だと大丈夫みたいよ?」

まどか「…ほむらちゃん」

マミ「それよりも、今のうちに練習しましょう?私が相手になるから」

まどか「えっ?でも…」

マミ「予行練習よ、たぶん暁美さんはすぐに来るわ」

マミ「だから今のうちに…ね?」

まどか「………」

マミ「…うふふっ」

さやか「そろそろ着くね」

ほむら「ええ…」

さやか「あーあ、結局あたし何もしてないじゃん」

ほむら「いいえ、助かったわ」

さやか「そお?なら良いんだけど…」

ほむら「…初めから私がまどかに素直になっていれば良かっただけの話よ」

さやか「あはは…まぁそれはねぇ」

さやか「ま、ほむらがまどかのこと好きなのはみんな知ってるんだから」

ほむら「え」

さやか「別に恥ずかしがらなくってもね」

ほむら「ちょ…ちょっと待って?それは本当?」

さやか「ん?何が?」

ほむら「その…私がまどかのことを…す、好きだって…」

さやか「あぁ…うん、知ってたけど?」

ほむら「何時から…?」

さやか「結構前からかな?普通に見てればまどかが好きってわかるよ?」

ほむら「……」

さやか「って言うか、あたしはてっきり付き合ってるのかと思ってたし」

さやか「あんたらは『おでかけ』って言ってるけど、どう見ても『デート』だからね?」

ほむら「そ、そうかしら…?」

さやか「うん、だからさっきもあんたの話聞いて驚いたね」

さやか「ほむらがバカっぽいのにも驚いたけど、それ以上にまだ付き合ってなかったのかよ!ってね」

ほむら「それは…もし告白して、まどかにフラれたりでもしたら…」

さやか「だーかーら!誰が見てもあんた達は付き合ってるようにしか見えないんだってば!」

ほむら「……」

さやか「まどかもまどかだよねぇ…告白できないなら、あたしに相談してくれれば良かったのに」

さやか「ま、今から告白すりゃ良いんだからさ!頑張りなよ」

さやか「100%OKだと思うよ?フラれたら…うーん、まぁあり得ないっしょ」

ほむら「そうかしら…?」

さやか「うん、間違いないね」

ほむら「さやか…でもっ…」

さやか「大丈夫だって!ほら、もう着くよ」

ほむら「私は……」

さやか「………あんた、昔の方がカッコ良かったよ?」

ほむら「え…」

さやか「今のほむらは後ろ向きに考えすぎ…昔は何があっても諦めずに頑張ってたんでしょ?」

ほむら「それは…まどかと約束したから…」

さやか「んで、その約束を守ってまどかを救ったんだよね?」

ほむら「ええ…」

さやか「そんなことができたのは、ほむらくらいよ?」

さやか「そんな凄いことが出来たのに、なんで好きな子に告白できないのさ?」

ほむら「…」

さやか「告白は勇気がいるよ…すっごく…でも告白できるならしなきゃ!」

さやか「……あたしは…まぁ、あれだったけどさ…」

さやか「でも!あんたは凄いんだから、胸を張ってさ!」

さやか「…ないけど」ボソッ

ほむら「…!」ホムッ

ほむら「べ、別にいいじゃないの!」

さやか「あはは!ごめんごめん」

さやか「とーにーかーく!あんたは自分に胸を張っていいんだよ」

さやか「だから今みたいにうじうじしなくてさ、思いきっていこうよ!」

ほむら「思いきって…」

さやか「うん、絶対大丈夫だから!」

さやか「まどかに好きってはっきり言うんだよ!」

ほむら「……ええ、そうね。わかったわ」

ほむら「私…ちゃんとまどかに告白する」

ほむら「まどかに好きだって…ずっと好きだったって告白してみせる!」

さやか「よーし、オッケー!その調子よ!」

ほむら「まどか…!」

さやか「うん、じゃ行こっか」

ほむら「ええ!」

マミホーム

まどか「マミさん、わたし…」

マミ「…ちょっと待ってて?直ぐに戻ってくるから」スタスタ

まどか「マミさん…?」

マミ「えっと…ドアにこれを…」カキカキ

マミ「……うん、これでオッケーね」

マミ「暁美さん…来るのかしら…?」

マミ「来なきゃいいのにな…」ボソッ

マミ「……ううん!何言ってるのかしら…私…」

マミ「…!彼処にいるのは暁美さんと…美樹さんね」

マミ「やっぱり来たわね…」

マミ「…となると、あと数分でくるわね」

マミ「………」

マミ「…本当はしたくなかったけど…でも……私だって…」

マミ「2人には悪い気けど…」

マミ「少しくらい、私にチャンスがあってもいいでしょ…?」

マミ「……ごめんなさい」

マミ「私は…」

マミ「…っ……」

さやか「ん?」

ほむら「どうしたの?」

さやか「いや…今マミさんがこっちを見ていたような…」

さやか「でも今はいないし、見間違えかな…?」

ほむら「そう…」

さやか「まっ、いっか…よし、行くよ」

ほむら「ええ」

ほむら「まどか…!」

マミホーム

マミ「ふふっ」

まどか「あ、あの…何がそんなに面白いんですか?」

マミ「ううん、ちょっとね」

まどか「……ほむらちゃん」

マミ「さて、そろそろね」

マミ「鹿目さん、私が合図をしたら練習開始よ」

まどか「えっと…今すぐはダメなのかな…?」

マミ「ええ、タイミングが重要なのよ」

まどか「…?」

マミ(………バカ)

マミホーム前

さやか「ついたね」

ほむら「…まどか」

さやか「ん?紙だ…何か書いてある…なになに?」

さやか「暁美さんへ、チャイムを鳴らさずにゆっくり入ってきてね」

さやか「…?なにこの意味ありげな文」

ほむら「マミ…?」

さやか「よくわかんないけど、何かあるのかな?サプライズとか」

さやか「とりあえず勝手にお邪魔しちゃおっか」

ほむら「え、ええ…」

1. 初恋ばれんたいん スペシャル
2. エーベルージュ
3. センチメンタルグラフティ2
4. Canvas 百合奈・瑠璃子先輩のSS
5. ファーランド サーガ1、2
6. MinDeaD BlooD
7. WAR OF GENESIS シヴァンシミター、クリムゾンクルセイド
SS誰か書いてくれたらそれはとってもうれしいなって

マミ「あなた誰なの?」
QB「確かに “この僕” は、三時間ほど前まで君のそばにいたのとは別の個体だよそちらは暁美ほむらに撃ち殺された」
まどか「わたしの願いでマミさんのそばにいた子を蘇生すれば、ほむらちゃんのこと許してあげられませんか?」
こんな感じの旧QB蘇生キュゥマミ魔法少女全員生存ワルプルギス撃破誰か書いてくれたらそれはとってもうれしいなって
マミ「今日も紅茶が美味しいわ」

マミホーム

マミ「…!」

マミ(来たわね)

マミ「鹿目さん、さっき教えた台詞を大きく…ね」

まどか「は、はい」

さやか「ほむら、ドア開けるよ…準備はいい?」

ほむら「…ええ」

さやか「よし…」

ガチャッ

まどか「わ、わたし…!ずっと前からあなたのことが好きだったの!」

さやか「え?」

ほむら「…!?」

マミ「ふふっ…!」

まどか「だから…わたしと付き合ってください!」

さやか「な…!?」

さやか(まどかがマミさんに…告白…?)

さやか(えっ?なんで?)

さやか「なんでっ!?」

ほむら「ま…どか……?」

まどか「えっ?あっ?ほ、ほむらちゃん?」

さやか「まどかっ!これはどういう…?」

まどか「ち、違うの!今のは…」

ほむら「まどか…」

マミ「………」

マミ「ありがとう…!鹿目さん!」ニコッ

まどか「えっ?」

マミ「私も、鹿目さん…あなたのことが好きだったの!」

まどか「えぇっ?」

さやか「うそっ!?」

ほむら「あ…」

マミ「鹿目さん…」

まどか「あ、あのっ…?」

マミ「鹿目さん、これから私と2人で…」ダキッ

まどか「あ…?」

ほむら「…!」

ほむら(まどか…?)

マミ「鹿目さん…!」

まどか「や、やめてっ!」ドンッ

マミ「きゃっ?」

さやか「マミさんっ…まどか?」

まどか「わ、わたし…マミさんのこと好きだけど…」

マミ「…っ……」

ほむら「…!」

まどか「で、でもっ!その好きは違うの!えっと…その…」

まどか「マミさんは先輩として尊敬してるし…」

まどか「お友だちとしても大好きだけど!」

まどか「でもっ…でも、その好きは違うの…」

マミ「………」

さやか「…マミさん」

ほむら「まどか…」

まどか「わたしが好きなのは…」クルッ

ほむら「まどか…」

まどか「わたしが好きな人は…ほむらちゃん」

ほむら「!」

まどか「あなただから…!」

ほむら「まどか…!」

さやか「…まどか」

マミ「………」

マミ(はぁ…)

まどか「ほむらちゃん…さっきはごめんなさい…」

まどか「実は…あれは演技だったの」

ほむら「えっ?」

マミ「あ……」

まどか「ほむらちゃんが嘘でわたしにあんなこと言ってたのは分かってたんだ…」

ほむら「そう…だったの…?」

まどか「うん…」

さやか「じゃあ何であんなことを?」

マミ「……私がそうさせたのよ」

ほむら「な…?」

さやか「マミさんが…?なんでっ?」

まどか「……」

マミ「実はね、前から鹿目さんに相談されたたのよ」

マミ「暁美さんに告白したいのに、告白する勇気がないって…」

ほむら「!…まどか…」

まどか「…えへへ……」

マミ「そして、4月1日に…今日、告白すると約束したの」

マミ「ただ、条件を付けてね…」

さやか「条件?」

マミ「…ええ、暁美さんが鹿目さんに嘘をついたら、私のプランを使うってね」

ほむら「…!」

マミ「そして、実際に暁美さんは鹿目さんに嘘をついた…嫌いだと言ったわ」

マミ「鹿目さんが嫌いだって…!」

ほむら「っ…」

マミ「……私は、暁美さんがそのようなことを言った場合、鹿目さんに人芝居うってもらおうと思ったのよ」

マミ「そして鹿目さんは迫真の演技をしてくれたみたいね」

ほむら「そうだったの…?」

まどか「ごめんなさい…」

さやか「でも何でそんなことを?」

マミ「演技で落として、告白で上げるプランよ」

さやか「いや、だから!どうしてそんなことする必要があったの?」

マミ「……その方が面白そうでしょう?」

さやか「面白そうって…そんな!」

マミ「結果…私の予定通りになったわ」

マミ「鹿目さんは……私の告白を断って、暁美さんを選んだわ」

マミ「それでいいじゃない」

さやか「マミさん…」

さやか(私の告白…?)

まどか「ほむらちゃん…!」

ほむら「まどか…!」

マミ「はぁ…うふふ」

マミ「暁美さん、私たちの演技はどうだったかしら?」

ほむら「……本当に演技なのよね?」

まどか「もちろんだよっ!」

マミ「………そうよ」

マミ(あはは………)

ほむら「良かった…本当に良かった…!」

ほむら「私、マミにまどかを取られちゃうんじゃないかって…」

マミ「……!」

ほむら「すごく怖かった…」

まどか「ほむらちゃん…」

マミ「……でも、鹿目さんは迷わずあなたを選んだでしょう?」

ほむら「ええ…!」

マミ「………」

マミ「よかったわね、おめでとう!」ニコッ

まどか「えへへ…!」

ほむら「ありがとう、マミ…!」

さやか「………」

さやか(マミさん…)

マミ「うふふ、ほら!次は暁美さんの番よ?」

マミ「早く鹿目さんに告白しなきゃね!」

ほむら「…そうね」

ほむら「まどか」

まどか「ほむらちゃん」

ほむら「もう嘘はつかない、私の本当の気持ちをあなたに伝えるわ」

まどか「うん…!」

ほむら「まどか…私は、ずっと前からあなたのことが…」

ほむら「まどかが好きだった!」

ほむら「ずっと告白しようと思っていたけど…フラれるのが怖くて言えなかったわ…」

ほむら「でも!もう自分に嘘はつかない…自分から逃げない!」

ほむら「私はまどかが好き…だから…!」

ほむら「まどか、私と付き合ってください!」

まどか「うんっ!」

まどか「こんなわたしで良ければ…ずっと…!」

ほむら「まどかぁ!」

まどか「ほむらちゃんっ!」

さやか「まどか…!ほむら…!」

マミ「………ふふふっ」

さやか「…マミさん?」

マミ「…おめでとう!これで二人はカップルね!」パチパチ

マミ「私、2人を応援しているわ!幸せにね!」

まどか「はいっ!」

ほむら「ええ!」

マミ「ふふっ、ならこんな所にいないで…デートよ!」

マミ「恋人同士、楽しくしなくっちゃ!」

さやか「……」

まどか「そうだね…そうだよね!」

まどか「ほむらちゃん!これからデートしようよ!」

ほむら「うん!」

マミ「ほらっ、早くいってらっしゃい?」

まどか「マミさん、今までありがとうございました!」

まどか「おかげで、ほむらちゃんと…えへへっ!」

マミ「……ふふっ」

ほむら「さやかもありがとう…!」

さやか「うん、今度こそ正真正銘のデートだもんね」

さやか「楽しんできなよ」

ほむら「ええ!」

まどか「あっ、さやかちゃん…電話に出られなくてごめんね?」

さやか「ううん、いいよ」

マミ「私が出ないように言ったから…」

さやか「…そっか」

まどか「行こうよ、ほむらちゃんっ!」

ほむら「うんっ!」

マミ「いってらっしゃい!幸せにね!」

まどか「はーい!」

ほむら「さやか、マミ、本当にありがとう」

さやか「いいっていいって!いってらっしゃーい!」

ほむら「ええ!」

まどか「いってきまーす!」

さやか「まどか、ほむら、良かったね…!」

マミ「………」

さやか「マミさん…?」

マミ「はぁ…ふふ、演技するのは疲れるわね」

さやか「……」

マミ「でも、何も押し退けなくてもいいじゃない…少し傷ついちゃったな」

さやか「マミさん、本当は…」

マミ「あーあ、鹿目さんも暁美さんも、最初から素直に好きだと言えば良かったのにね」

マミ「それならこんなことしなくてすんだのに…ふふっ」

さやか「……マミさん、今日のは本当に演技だったの?」

マミ「えっ?」

さやか「本当は…まどかのことが好きだったんじゃ…」

マミ「………」

さやか「マミさんっ…!」

マミ「うふふっ、そんな…あり得ないわ」

マミ「だって、誰が見てもあの2人は相思相愛よ?」

マミ「仮に好きだったとしても…実らないわ」

さやか「マミさん…嘘でしょ?」

マミ「……なにが?」

さやか「本当はまどかが好きなんでしょ?」

マミ「ううん、違うわ」

さやか「でも…じゃあ何であんなことを?」

さやか「何で、わざとまどかがマミさんに告白してるように見せかけたの?」

マミ「………」

さやか「何でそれを、ほむらに見せつけたわけ?」

マミ「…今日はエイプリルフールよ」

マミ「あれは嘘、演技だったのよ」

さやか「嘘だ…!」

マミ「……嘘じゃないわ、私は2人を応援しているもの」

さやか「なら、最初から素直に告白するように応援すればよかったはずだよ!」

マミ「……」

さやか「マミさん…エイプリルフールでもついて良い嘘と悪い嘘があるよ」

マミ「だから…嘘じゃ…」

さやか「マミさんっ!」

マミ「もう……なによ…」

さやか「嘘なら…嘘ならなんで泣いてるんですか?」

マミ「えっ…」ポロポロ

さやか「マミさん…ほむらが告白した時からずっと涙目だったんだよ…?」

さやか「マミさん…演技下手だよ…わかるもん…」

マミ「私は……」

さやか「…あたし何かで良ければ話、聞きますから」

さやか「だからマミさん…嘘つかないでよ」

マミ「美樹さん…」

さやか「ね?」

マミ「うぅぅっ…」

マミ「本当は…私…暁美さんに嫉妬していたの…」

さやか「……」

マミ「暁美さんが羨ましかった…だって…鹿目さんと…」

マミ「……何時から鹿目さんを好きになったのか、自分でもわからないわ」

マミ「気が付いたら、意識するようになっていたの…」

マミ「いつも、鹿目さんの優しさに助けられてたからなのかな…」

マミ「あんなに誰かに優しくされたのは久しぶりで…だから、私…」

マミ「でも、実らないって…暁美さんに敵わないって分かってたから…」

マミ「だって2人は相思相愛なのよ?無理じゃない…」

さやか「マミさん…」

マミ「だけど2人は相思相愛なのに…なかなか告白しないで…」

マミ「相思相愛なのに、何時までも…!」

マミ「……しかも、鹿目さんは私に相談してきたのよ?」

さやか「…」

マミ「鹿目さんが私を頼ってくれるのは…嬉しかったわ」

マミ「でも…私は鹿目さんが好きなの!好きになってしまったの!」

さやか「………」

言葉を重ねても分かりあえないこと~

マミ「私は…どうすれば良いか…悩んだわ」

マミ「そして、やっぱり応援するって決めたの…」

マミ「……でも」

マミ「もし…暁美さんが鹿目さんに告白する勇気がないのなら…」

マミ「素直に好きだと言う勇気がないのなら…少しだけ、私にチャンスがあるのかもしれないって…」

マミ「そう…思ってしまったの…」

さやか「…だから、あんなことを?」

マミ「…ええ、暁美さんが初めから素直に告白していれば諦めたわ」

マミ「でもそうはならなかった…」

マミ「…私は鹿目さんに暁美さんを傷つける演技をするように頼んだわ」

さやか「………」

マミ「でも、鹿目さんは嫌がったわ、暁美さんにそんなこと言えないって…」

マミ「そんな鹿目さんに、私は…こうすれば必ず上手くいくって…」

マミ「だから鹿目さんは演技を…」

マミ「…これは2人の為じゃなくて、私の都合がよくなるものなのにね」

マミ「暁美さんが傷付いて鹿目さんを諦めたらな…なんてね」

さやか「…!」

マミ「そして、暁美さんが諦めなくても、目の前で告白すれば…もしかしたら…」

マミ「…最低だな、私……」

マミ「最低だよ…なんでこんなことしたのかな……」

さやか「…マミさん」

マミ「鹿目さんも暁美さんも…大切な…とっても大切なお友だちなのに…!」

マミ「どうして私は…うぅぅっ…」

さやか「……」ギュッ

マミ「美樹さん…私っ…私ぃ…っ!」

さやか「……わかるよ、あたしにも…マミさんの気持ち」

マミ「美樹さんっ…」

さやか「あたしにも…好きな人がいたから…」

さやか「…結局、自分に素直になれきれなくてダメだったけどさ」

さやか「ほむらには偉そうなこと言ったけど、あたし…全然ダメだよ」

マミ「……美樹さん」

さやか「それにあの2人は…すっごくお似合いだし…任せられるから」

さやか「だから…!あたしは応援してるんだ!」

さやか「それに…ほむらにあたしと同じ思いさせたくなかったから…」

さやか「だから、あたしは…」

さやか「……マミさんもあたしと同じだよ」

マミ「……」

さやか「でもだからって…あれは卑怯だと思う」

マミ「そう…よね…」

さやか「もっと、正面からぶつかれば…!でも、それができないから辛いんだよね…」

マミ「………」

マミ「応援…か……」

マミ「私にそんな資格……」

さやか「マミさん…」

マミ「……ごめんなさい、少し1人にしてもらってもいいかしら?」

さやか「…はい」

マミ「……」

さやか「…あ、あたし!何か飲み物買ってきます!」

マミ「うん……」

さやか「また戻ってくるから…!」

マミ「……わかったわ」

数十分後

さやか「マミさん…大丈夫かな…」

さやか「思い詰めてなければいいけど…」

チョンチョン

さやか「ん?」

杏子「だーれだっ!」

さやか「わわっ?」

杏子「当ててみやがれー」

さやか「あはは、杏子でしょ?」

杏子「へへっ、せーかい!」

さやか「杏子…」

さやか(杏子もだいぶ丸くなったよね…)

さやか「ふふっ」

杏子「何かあった?しょぼくれちゃってさ」

さやか「あたしは大丈夫だよ、ただ…」

杏子「ただ?」

さやか「マミさんがちょっと…ね」

杏子「マミが…?」

さやか「………」

杏子「…よく分かんないけどさ」

杏子「こう言う時は甘いもん食うに限るな!」

さやか「杏子…」

杏子「今からマミん家行くんだよね?」

さやか「うん」

杏子「だったらあたしもついて行くぜ!」

杏子「マミにこれ食わせてやるよ!」

杏子「あたしのをさ!」ブチッ

さやか「は?」

ほむら「なん……だと?」

マミホーム

マミ「はぁ……」

マミ「鹿目さん…今ごろ暁美さんと2人で…」

マミ「…ふふ、楽しいんだろうなぁ」

マミ「……これで良かったのよ」

マミ「私なんかが暁美さんに敵うわけないもの…」

マミ「私がバカだっただけよ…」

杏子「しょぼくれてんじゃねーぞ」

マミ「えっ?」

杏子「よぉ」

マミ「さ、佐倉さん…?」

杏子「なーにクヨクヨしてんだよ?らしくもねぇ」

マミ「………」

杏子「…ま、だいたいのことはさやかに聞いたんだけどさ」

マミ「そう…ならわかるでしょ?今は1人でいたいの」

杏子「ふーん?1人でねぇ?」

マミ「……なに?」

杏子「あたしはマミの側にいたいんだよね」

マミ「えっ…?」

杏子「……ほんとは1人でいたくないんじゃないの?」

マミ「……!」

杏子「ほんとは寂しいんだろ?今のあたしなら分かるぜ」

マミ「私は…」

杏子「あたしはさ、恋とかよくわかんねーけど…でも、1人が辛いのはわかるよ」

杏子「ひとりぼっちは寂しいもんな…」

マミ「佐倉さん…」

杏子「…ずっと1人でいた、あたしを救ってくれたのはさ」

杏子「マミ…あんただ」

杏子「あんたがいたから、あたしは自分に素直になれたんだよね」

マミ「……」

杏子「最初は馴れ合うつもりなんてなかったさ、でも…ほんとはあたし…」

杏子「愛と勇気が勝つストーリー…それを頭のどこかで信じてたんだ」

杏子「それを思い出させてくれたのは…マミ、あんたとさやかなんだ」

マミ「…それは……」

杏子「だから今は吹っ切れたよ、ほんとは寂しかったんだ」

杏子「あたしは今…毎日が楽しいんだ」

杏子「学校には行ってないし、魔女狩りしてんのは変わらないけどさ」

杏子「マミやさやかが…友だちがいてくれるのが嬉しいんだよ」

杏子「で、今その友だちが泣いてるんだ…ほってけないじゃん」

マミ「佐倉さん…」

マミ「私…!」グゥー

杏子「ん」

マミ「あっ…///」

杏子「あははっ!」

マミ「うぅ…///」

杏子「その様子じゃ何も食ってないんじゃないの?」

マミ「う、うん…」

杏子「ほら、さっきゲーセンで根こそぎゲットして来たんだ」

杏子「食うかい?」

マミ「…ありがとう」

さやか「お菓子はご飯の後だよ」

マミ「美樹さん…?」

さやか「マミさんに黙ってキッチンつかっちゃいましたー!」

さやか「とりあえずお昼にしようよ!」

数十分後

マミ「美樹さん、佐倉さん、ごちそうさまでした」

マミ「私なんかのために、ありがとう…」

さやか「いいですよ、礼なんて。簡単なものだし」

杏子「少しは元気でた?」

マミ「ええ…」

さやか「マミさん…大丈夫?」

マミ「……初めからわかっていたことよ、鹿目さんのことは諦めるわ」

マミ「2人に謝らなきゃ…」

さやか「マミさん…」

マミ「…私、バカだから…あんなことしちゃって…」

杏子「…」

マミ「なんで…あんなことしたのかな…わかっていたことなのに…」

さやか「……でも、マミさんは…」

マミ「ふふっ…私、先輩失格ね」

マミ「ううん、お友だち失格よ…」

さやか「マミさん…」

杏子「そんなことねーと思うけどなぁ」

マミ「…佐倉さん、私は鹿目さんと暁美さんに酷いことをしたのよ?」

杏子「まどかに好きって言ったんだっけ?」

マミ「…ええ…ただ、鹿目さんは演技だと思っているみたいだけど…」

杏子「でもマミはまどかに好きって言えたんだろ?」

マミ「それは…一応そうだけど…」

杏子「まぁ、やり方はよくなかったかもねぇ」

マミ「…うん」

杏子「でもさ、好きってちゃんと言えなかったのは、まどかとほむらの事を考えてでしょ?」

マミ「えっ?」

杏子「たしかに卑怯だったかも知れないけどさ、別にいいじゃん」

さやか「…」

マミ「よくないわ!だって私は…」

杏子「ほんとに卑怯な奴なら、もっと別のことしてまどかを手に入れるぜ?」

マミ「…?」

杏子「まどかの手足を使えなくしてさ、マミがいなきゃ生きられないようにするとか」

マミ「なっ…!そんなことできるわけないじゃない!」

杏子「だろ?だからマミはそこまで卑怯じゃないってことさ」

マミ「で、でもっ…」

杏子「それにマミはさ、2人の為に身を引いたんじゃないの?」

マミ「えっ?でも…私は結局…鹿目さんに告白…」

杏子「あんなの告白になんないっつーの」

マミ「なんで…?」

杏子「だって、まどかに伝わってないじゃん」

マミ「……それは、私が演技だったって逃げ道を作ったからよ」

杏子「ふーん?逃げ道を…ねぇ」

マミ「暁美さんに敵うわけないって解ってたから…でも、少しはチャンスが欲しかったから…」

マミ「だから私は…」

さやか「…」

杏子「…ほんとにそう?」

マミ「…そうよ、ただ諦めきれなかっただけ」

マミ「私が最低だっただけよ…」

さやか「マミさん…」

杏子「じゃあもし、まどかがマミの告白にオッケーしたらどうするつもりだったのさ?」

マミ「えっ?」

杏子「ほむらを差し置いて、まどかを手に入れるのか?」

マミ「そんな…そんなことできるわけないじゃない!」

マミ「鹿目さんと暁美さんは相思相愛よ…?」

マミ「暁美さんから鹿目さんを奪うなんて…もし出来たとしても、出来ないわ!」

杏子「だよねぇ?んじゃ結局身を引いてるじゃん」

マミ「えっ?」

杏子「マミはまどかが好きだけど、素直に告白できなかった」

杏子「それは2人の為に身を引いたから、これでいいじゃん」

さやか「うーん……」

マミ「…それは、私に都合よく考えすぎたわ」

マミ「私が最低なのは何も変わらないわよ」

杏子「…はぁ、難しく考えすぎだっての」

杏子「じゃあさ、マミが最低ならそれで終わり?」

マミ「えっ?」

杏子「マミは今何がしたいんだよ?自分を最低にして終わりとか言わないよねぇ?」

マミ「それは…」

杏子「まどかとほむらは結果的に上手く言ったんだろ?」

さやか「うん…」

杏子「それは、マミが頑張ったからじゃないの?」

マミ「え?」

杏子「だってさ、マミが2人をくっつけたんじゃん」

マミ「いや…」

杏子「マミが今日の作戦しなかったらさ、もしかしたら上手く行かなかったかもしれないんだ」

さやか「…たしかに、ほむらの思い通りに行くとは思えなかったけど……」

杏子「ああ、もしかしたら上手く行かなかったかもしれないけどさ」

杏子「そうならなかったかも知れないわけじゃん」

杏子「でも、マミの作戦で2人は上手くいったんだ…これは嘘じゃないだろ?」

マミ「でも…やっぱり、私は…」

杏子「マミが2人をくっつけたんだ、それでいいじゃんか」

杏子「そりゃ、余計なことしたかもしんねーけど」

杏子「結果オーライってやつ?それで良いんだって」

マミ「……よくないわよ」

杏子「じゃあどうしたいのさ?」

マミ「………」

杏子「過ぎたことイチイチ気にしてんじゃねーよ」

杏子「次のこと考えるべきじゃん」

マミ「次のことを…?」

杏子「マミは2人に謝りたいんだろ?で、謝った後どうすんのさ?」

マミ「えっと…応援…はできないわね」

マミ「だって私にそんな資格ないもの…」

杏子「…やっぱりねぇ、それがダメなんだって」

さやか「…杏子はどう思うの?」

杏子「え?あたしなら応援するに決まってんじゃん」

さやか「いや、杏子の立場とマミさんの立場とじゃ話が違ってくるし…」

杏子「何で?マミが2人をくっつけたんだろ、応援できないわけないじゃん」

マミ「…でも」

杏子「でもじゃねーってば!実際そうなってんだし、2人はマミに感謝してたんだろ?」

マミ「それは私の本心を知らなかったから…」

杏子「知られてないから大丈夫じゃん」

マミ「そう言う問題じゃないわ…!」

杏子「うーん…話が進まないじゃんかよ…」

さやか「………」

杏子「さやかはどう思う?これじゃきりがないぜ」

さやか「…2人の言い分はわかるよ」

さやか「でも……杏子は何がしたいの?よくわかんないよ」

杏子「えっ?あたしは最初からマミを慰めたいだけだけど…」

杏子「うーん…やっぱあたし、そう言うの苦手なのか…」

杏子「……あたしはさ、何て言うか…マミが可哀想なんだよ」

マミ「えっ?」

杏子「だってさ、ほむらもマミも、まどかを好きになったんだろ?」

さやか「うん…」

杏子「ほむらはさやかやマミが応援したし、まどかもほむらが好きだった」

杏子「…でも、マミは誰も応援してくれないし、ほむらを応援しなきゃいけなかったんだ」

杏子「これじゃあマミが可哀想じゃんか…」

マミ「…私……」

杏子「最後に我慢できないで、本音を出しちまったかもしんねーけど…仕方ないじゃん」

杏子「マミだって、ほむらと同じようにまどかに告白しても良かったんだ」

杏子「なのに、まどかとほむらは幸せで…マミだけ辛い思いしてんのがさ…」

マミ「…っ……」

杏子「…今だって、泣き出しそうじゃん」

さやか「マミさん…」

杏子「…マミ、泣くのはカッコ悪いことじゃないぜ?」

杏子「泣きたいときには思いっきり泣きなよ…マミは我慢しすぎなんだ」

マミ「佐倉…さん…」

マミ「佐倉さん…佐倉さぁんっ…!」

杏子「マミ…」

マミ「私…ずっと辛かった…私だって誰かに相談したかった…!」

マミ「でも…誰にも言えなかったのよ…みんな鹿目さんと暁美さんを応援するに決まってたから…」

さやか「………」

マミ「誰にも言えなかったのに…なのに、だから…!私は2人を応援するしかなかったの…」

マミ「どうすればよかったのよ?わかんないよ…」

杏子「マミ…辛かったよな…」

杏子「だからさ、今は思いっきり泣いてもいいんだぜ?」

杏子「後のことはそれから考えればいいんだよ」

杏子「マミ、自分を攻めるのは止めよう…なっ?」

マミ「佐倉さん…うぅぅっ…」

マミ「うわぁぁぁぁっ…」

マミ「すぅ…すぅ…」

さやか「マミさん、眠っちゃったね…」

杏子「ああ…仕方ないよ」

さやか「うん…」

杏子「あたしさ、マミはがんばったと思うよ、ほんとに…」

杏子「誰にも言えないよな…だって相手はまどかとほむらなんだもんな」

さやか「……うん、あたしも完全に2人のことしか考えてなかったから…」

杏子「…さやか、このこと2人に話すか?」

さやか「…たぶん、まどかとほむらの事だから気まずくなって……」

杏子「…ああ、あたしもそう思う」

さやか「……内緒にする?」

杏子「…うん、今すぐ言うべきじゃないよ」

杏子「これはあたし達3人の内緒だな」

さやか「…そうだね」

杏子「もちろん、ずっと内緒にはできないよ…」

杏子「…でも、いつ話すかは…マミ自身が決めることだな」

さやか「うん…そうよね」

マミ「すぅ…すぅ…」

さやか「マミさんの寝顔見てると…やっぱまだ中学生なんだなってわかるよね」

杏子「…マミだってまだ15歳だもんな、なのに1人でさ…」

マミ「思いでの1つや2つ欲しいよな…」

さやか「…マミさんが起きたらさ、3人でパーッと遊ぼうよ!」

さやか「あたし達でマミさんの思いで作ろう!」

杏子「…ああ!」

マミ「ん…」

さやか「あっ、おはよーございますっ!」

杏子「おはよ」

マミ「んっ…?あっ、ご、ごめんなさい!」

マミ「2人がいるのに眠っちゃって…それに」

マミ「ひ、膝枕なんてさせちゃって…!」

杏子「あはは、いいよ。あたしの膝くらい何時でも貸すぜ?」

マミ「…ありがとう、佐倉さん」

杏子「ふふっ、で?少しは楽になれた?」

マミ「…うん、本音を話せて良かったわ」

杏子「そっか、良かった」

さやか「マミさん、これから3人で遊ぼうよ!」

さやか「時間はまだいっぱいあるし!」

マミ「……でも、いいのかしら?」

マミ「鹿目さんと暁美さんに謝らなきゃ…」

杏子「その事だけどさ、今は忘れようぜ?」

マミ「な…?できないわ!」

さやか「マミさんの気持ちはわかるけど…でも、今は忘れて楽しもうよ」

さやか「マミさんにだって、今を楽しむ権利はあるんだからさ!」

マミ「でも…」

杏子「今はこれでいいんだよ」

マミ「本当に…?」

杏子「ああ、嘘じゃないよ」

杏子「それに、あたしは嘘が嫌いだからな!」

杏子「だから、自分の気持ちに嘘つかないで正直に話したマミは好きだぜ」

マミ「佐倉さん…」

さやか「2人に謝るのはまた今度にで大丈夫だよ」

さやか「マミさん…あたしもマミさんが好きだな!」

マミ「美樹さん…」

さやか「マミさんは最低なんかじゃないよ、ただ少し…ちょっとだけ良くなかったかもしれないだけ」

さやか「でも、やっぱりマミさんは大好きな先輩、友だちだよ!」

マミ「美樹さんっ…」

杏子「マミ、辛いことがあったら何時でもあたしに話してよ」

杏子「マミはひとりぼっちじゃないんだぜ」

マミ「佐倉さん…ありがとうっ…!」

さやか「あたしもいるよっ!」

マミ「美樹さんも…本当にありがとう…!」

マミ「ぐすっ…えへへ、やっぱり私ダメな子だ」

マミ「こんなにも近くに大切なお友だちがいるのに、1人だって思っちゃったなんてね…」

マミ「……ねえ、私のわがまま…聞いてくれる」

杏子「ああ、何でもいいなよ」

さやか「さやかちゃん、張り切っちゃいますからねー!」

マミ「ふふっ、ありがとう…」

マミ「あのね?永遠じゃなくてもいい…一瞬でいいから」

マミ「今はそばにいてほしいの…!」

杏子「いいよ、一緒にいてやるよ」

マミ「佐倉さん…!」

さやか「一瞬でいいから?けしからぁん!」

さやか「あたしなんかで良ければ、ずっと一緒にいますよ!」

マミ「美樹さん…!」

杏子「あたしもだ、だってあたしはマミが好きだからね」

マミ「えっ?」

杏子「好きに違いなんてないよ、好きなもんは好きだもんな」

杏子「あたしはたい焼きも団子もポッキーも好きだ」

杏子「そして、マミもさやかも大好きなんだぜ!」

マミ「佐倉さんっ…!」

杏子「えへへっ!」

さやか「あたしも、マミさんと杏子が大好きだよ!」

さやか「2人とも最高の友だちだからね!」

マミ「美樹さんっ…!」

さやか「あ、もちろん。まどかとほむらも大好きだよ!」

さやか「みんな大切な友だちだからね…!」

杏子「ああ、あたしもだよ」

マミ「……私も、暁美さんも鹿目さんも好きよ」

マミ「これは今でも変わらないわ」

さやか「マミさん…!」

マミ「……決めたわ、私は最後まで2人を応援する」

マミ「2人が幸せになるのなら、私はなんだってするわ…!」

杏子「…そっか、それがマミの答えなんだな」

マミ「ええ…!」

杏子「うん、ならそれが正解さ」

杏子「自分に嘘をつくのは間違いかもしれねぇ…でも、それが本心ならそれが正解だよ」

杏子「嘘なんてつくもんじゃないぜ、何時だって自分に正直にいればいいんだ」

マミ「…うん」

杏子「へへっ!それじゃ、今から3人で遊ぶとするかー!」

さやか「うん!あたし達だって、まどかとほむらに負けてらんないんだから!」

杏子「ほらっ、行こうぜ」タタッ

さやか「あっ、まってよー!」タタッ

マミ「佐倉さん、美樹さん…本当にありがとう」

マミ「私は…もう大丈夫よ」

杏子「マミー!」

さやか「早く行こー!」

マミ「だって、私の好きなお友だちが…私を待っていてくれるから」

マミ「私はひとりぼっちじゃないから…!」

マミ「……暁美さん、私…負けないわ」

マミ「あなたに負けないくらい幸せになってみせる」

マミ「そして鹿目さんを大切にしてね…」

マミ「…いつか謝らなきゃいけないけど…今はまだ…」

マミ「でも、本当に応援しているから…」

マミ「2人とも、幸せにね…!」

杏子「マミー!」

さやか「はーやーくー!」

マミ「うふふっ、今行くわ!」

まどか「えへへ、面白い映画だったね」

ほむら「うん」

まどか「…わたし、ほむらちゃんに告白できて本当に良かったって思ってるんだ」

ほむら「まどか…」

まどか「だってね?本当にほむらちゃんが大好きなんだもん!」

ほむら「ふふっ。私もよ、まどか」

まどか「てぃひひ!」

ほむら「さやかやマミに感謝しなきゃね」

ほむら「…彼女達がいなければ、きっと…」

まどか「…うん、そうだね」

まどか「みんなに応援してもらえるなんて…わたし達は本当に幸せだよ」

ほむら「ええ、だから…もっと幸せになりましょう!」

まどか「うんっ!」

ほむら「まどか、目を瞑ってくれる?」

まどか「…!」

まどか「うん、ほっぺに…かな?」

ほむら「…ええ」

まどか「…うん、わかったよ。閉じるね」トジッ

ほむら「……嘘よ」

まどか「えっ?」

チュッ

まどか「あっ///」

ほむら「…えへへ、唇にしちゃった///」

まどか「も、もぉ///」

ほむら「ふふっ、今日はエイプリルフールだから///」

まどか「ほむらちゃんのおバカ///だーい好きっ///」

チュッ

おわり

まどか「ほむらちゃんはもう見滝原に帰ってこないんだ・・・」

ほむら「ただいま、まどか!」

まどか「!! ほむらちゃんなんて嫌い!二度会いたくない!」ウワァーン

ほむら「よしよし」ポンポン


こんなの期待してた

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