夏海「に、兄ちゃんには砂を被せただけだしぃー」
夏海「そ、それに、口と鼻はギリギリ出してたしー……」
夏海「だ、だから、夏海ちゃん悪くないし……」
夏海「兄ちゃんの自殺か、子供の仕業か、波の仕業だから、だから……」
夏海「だからほら、ほんとに、夏海ちゃん悪くないしぃー……」
夏海「あ、あたしは知らないっ!」
小鞠「夏海ー」
夏海「な、なに!? どうした姉ちゃん!」ビクッ
小鞠「アンタがどうした。少しで良いから宿題やっときなよー、夏休み最後に手伝わされるのはもうごめんだからね」
夏海「う、うんわかった! やるやる超やる!」
小鞠「ホントにわかってる?」
夏海「これ以上ないくらいわかったって! 大丈夫だから!」
小鞠「それなら良いけどさ」
夏海「……ふぅー、良かった、あぶねー」
小鞠「あれ、そういえばお兄ちゃんまだ帰ってないね」
夏海「!」
小鞠「?」
夏海「……」
小鞠「……ま、いっか」
夏海「……」
夏海「ど、どうしよう、兄ちゃん帰らないからばれちゃうよ!」
夏海「兄ちゃんが帰らなくて、警察に連絡して、死体が見付かって……」
夏海「う、ウチがやった証拠なんて、ない、はず」
夏海「そ、そもそも夏海ちゃん悪くないしぃー」
夏海「こ、こんな田舎にくる警察なんて大したことないだろうし」
夏海「だ、大丈夫、死体は見つからないし、見付かっても証拠はない、証拠があっても住所なんてばれないし」
夏海「……夏海ちゃんは悪くない、うん、悪くない」
夏海「悪く、ない……っ!」
夏海「な、夏海ちゃん別に、悪くないし!」
夏海「風呂上がりにちょっと裸で歩き回ったっていいじゃん!だから手を離してよ卓にぃ!」
夏海「夜って、こんなに長かったっけ」
夏海「いつもならすぐ寝てすぐ朝なのにな」
夏海「虫の鳴き声がうるさいし」
夏海「まるで、ウチを責めてるみたいに鳴いてる……」
夏海「……うるさい」
夏海「ああもう! うるさいうるさいうるさい!」
夏海「鳴くのやめてよ! うるさいうるさいうるさい!」
夏海「うぅ、うるさいし……寝れないし……」
夏海「耳、塞ごう……」
夏海「……結局、朝まで耳塞いでただけだった」
夏海「はぁ、とりあえず、朝ごはん食べよ……」
夏海「……」
夏海「あ、ご飯出来てる……いただきます」
夏海「……味、わからないや」
夏海「食べなくて良いかな……ごちそうさま」
夏海「……母ちゃーん、ウチ今日は朝ご飯いらないからー」
夏海「きっと聞こえたよね、部屋戻ろ……」
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