美希「デスノートを拾ったの!」 (72)

リューク「なんだ、まだ使ってないのか」

美希「うん……多分」

リューク「多分?」

美希「ううん。何でもないの。きっと」

リューク「? 何かよく分からんが……まだ使ってないんだったら、一回くらい使ってみたらどうだ?」

美希「うーん。じゃあ >>5 の名前を書いてみるの」

でこちゃん

美希「……水瀬伊織、っと」

リューク「誰だそいつ?」

美希「アイドルの友達なの」

リューク「ククッ。いきなり友達を殺すとか、正気か?」

美希「でこちゃ……ううん、伊織はね」

リューク「ん?」

美希「伊織は……きっとこの方が幸せになれるの」

リューク「ほう」

美希「伊織の家は、すっごくお金持ちでね」

リューク「ああ」

美希「お父さんもお兄さんも、すっごく出来が良くて……伊織はよく、バカにされてたんだって」

リューク「へぇ」

美希「それで、そんなお父さんやお兄さん達を見返したくて、伊織はアイドルになったの」

リューク「なるほどな」

美希「でも、アイドルになっただけじゃ、まだ全然、お父さん達から認めてもらえなくて……」

リューク「…………」

美希「だから伊織、目指す以上はトップアイドル! って言って、毎日毎日頑張ってたの」

リューク「それは大変だな」

美希「だから楽にさせてあげたの」

リューク「…………」

美希「もう頑張らなくてもいいんだよ、って。他の誰も認めてくれなくても、ミキが認めてあげるから、って」

リューク「…………」

美希「伊織にね、そう言ってあげたかったの」

リューク「……そうか」

美希「ミキ的には、伊織はきっと天国で、今よりずっと幸せになれるって思うな! あはっ☆」

リューク(……まあ、天国も地獄も無いんだけどな)

~翌日~

美希「あんな壮大なお葬式、ミキ初めてだったの」

リューク「何百人いたんだろうな」

美希「あんなにうるさくされちゃ、伊織も結構迷惑だったんじゃないかな」

リューク「…………」

美希「事務所の皆も来てなかったし、ちょっと気疲れしちゃったの」

リューク「今からどこ行くんだ?」

美希「事務所だよ。今日はレッスンの日なの。あふぅ」

リューク「仲間が死んだってのにレッスンか……アイドルも大変だな」

~事務所~

美希「おはようございますなのー!」

P「……美希……」

小鳥「……美希ちゃん……」

美希「あれ? プロデューサーと小鳥だけ? 他の皆は?」

P「……今日は皆、休みだ」

美希「え? だって今日はレッスン……」

P「……美希……」

小鳥「……そう……そうね、今日はレッスンの日だったわね……」

美希「?」

P「……美希。今日はお前も休みだ。早く帰って休め」

美希「えっ。どうしたのプロデューサー。いつもミキがレッスンサボろうとしたら怒るのに」

P「……今日はいいんだ。早く帰れ」

美希「まあ、そこまで言うんなら帰るけど……じゃあね、プロデューサー、小鳥」バタン

P「…………」

小鳥「…………」

P「……美希のやつ……」

小鳥「……ええ、まだ現実を受け入れることができていないんだわ……」

P「……無理もないですよ。俺だって未だに信じられなくて……」

小鳥「そうですよね……なんで伊織ちゃんが……こんな、急、に……」

P「音無さん」

小鳥「う……う……うわあああああああっ!!」

P「……伊織っ……!」

~一週間後~

美希「伊織が天に召されてから、事務所がお休み状態のままなの」

美希「プロデューサーや小鳥は事務仕事してるけど、あんまり身が入ってないカンジだし」

美希「……はぁ。退屈だから、誰かの家に遊びに行こうかな」

美希「よし! >>30 の家に行ってみるの!」

千早

美希「よし! 千早さんの家に行ってみるの!」


~一時間後~


美希「ちーはーやーさん! あーそーぼ!」ガンガン

千早「……美希……?」ガチャッ

美希「わっ! 千早さんどうしたの、すごいクマなの」

千早「……最近、ほとんど寝てないから……」

美希「それは良くないの。寝不足は美容の敵だって思うな」

千早「…………」

美希「? どうしたの?」

千早「いえ……美希は、その……」

美希「?」

千早「……いえ、いいわ。……どうぞ。何も無いけど……」

美希「おかまいなくなの!」

千早「…………」

美希「千早さんの部屋って、ほとんど物が無いんだね」

千早「……ええ……」

美希「ふーん。ミキ的には、もっとオシャレな感じにしてもいいって思うな」

千早「……そうね……」

美希「…………」

千早「…………」

美希(なんか退屈なの)

千早(プロデューサーから聞いてはいたけど……美希、まだ水瀬さんのこと……)

美希(あ、そうだ。この退屈気分を晴らすために……)

美希(リューク。ちょっとどっか行っててほしいの)

リューク(? 何で急に)

美希(いいから。リュークがここにいたら色々と面倒なの)

リューク(……分かったよ。壁抜けたとこにいるからな)スッ

美希(よしなの)

千早「……美希? どうかした?」

美希「ううん。何でもないの」

千早「?」

美希「ね、千早さん。この紙に、誰か好きな人の名前を書いてほしいな」スッ

千早「? 何これ? ノートから切り取ったページ?」

美希「うん。おまじないでね。ここに名前を書いた人が幸せになれるっていうやつなの」

千早「……何でいきなり、こんな……」

美希「いいから、ね。お願いなの」

千早「急に言われても……」

美希「千早さん!」

千早「……分かったわ」

千早(美希……やっぱりまだ、水瀬さんが亡くなったという現実を受け入れられていないのね……)

千早(……ここはとりあえず、 >>40 の名前でも書いておこうかしら)

千種

千早(やっぱり一番幸せになってほしいのは……母さんね)カキカキ

美希「あはっ☆ 千早さんはやっぱり親コーコーなの!」

千早「……別に、そんなことはないわ」

美希「ケンソンしなくてもいいの。ミキにはわかるの!」

千早「……美希……」

美希「よし! これで千早さんのお母さんも幸せになったことだし、ミキは帰るね!」

千早「え、ええ、そうね……」

美希「じゃあまた明日、事務所でね! 千早さん!」バタン

千早「…………」

千早「……何かしら、何か、胸騒ぎがする……」

~翌日・事務所~

美希「千早さんのお母さんが亡くなったって、プロデューサーから連絡があったけど」

美希「やっぱり誰も来てないの」

美希「あふぅ」

美希「退屈なの……」

リューク「なあミキ」

美希「ん?」

リューク「昨日お前、千早にノート触らせただろ」

美希「うん。切り取ったページだけどね」

リューク「それでも、あいつは俺の姿を認知できるようになってるぞ」

美希「そんなのなんとかなるって思うな」

リューク「じゃあ俺がその都度隠れたりするのか?」

美希「うん」

リューク「…………」

美希「ん? 電話……千早さんからなの」ピッ

美希「もしもし千早さん? この度はご愁傷……え?」

美希「うん……うん……分かったの」ピッ

リューク「どうした?」

美希「なんかね、千早さんがミキに話あるみたい」

リューク(そりゃそうだろうな)

美希「そういうわけだから、ミキが戻るまで、リュークはこのへんにいてほしいの」

リューク「まあいいけど」

~一時間後~

美希「話って何なの? 千早さん」

千早「…………」

美希「? 千早さん?」

千早「美希……あなた、何を隠してるの?」

美希「え?」

千早「先週水瀬さんが亡くなって、今度は私の母……」

美希「…………」

千早「死因はいずれも心臓麻痺」

美希「…………」

千早「特に、私の母に関しては……昨日、私が、あなたから差し出された紙に名前を書いた直後に亡くなった」

美希「…………」

千早「こんなの……ただの偶然とは思えない。美希。お願いだから本当のことを教えて頂戴」

美希「…………」

如月千早、食器洗い洗剤のCMに出演

P&G社の主力商品、食器洗い洗剤 『ジョイ』の冬の新CMで“まな板”役を務めるのは、
『石原の情婦』、『勘違いハゲ』等の愛称で知られる765プロ所属のアイドル、如月千早(72)だ。
撮影現場に到着するなり『ジョイ』のイメージキャラクターである『ジョイくん』に対し、
「うちの事務所にもいるが兄弟タレントは所詮イロモノ、大成できない」「子供タレントは将来落ちぶれる運命、浪川のようにな」
などと罵倒しながら強姦し絶頂射精、 持ち前の萎びた喘ぎ声を見せつけた。
やりたい放題の如月千早であったが、そこへ現れたのはトゥリアビータ所属のアイドルマスター如月千早。
ゼノ千早のB89/W55/H82の均整の取れた肉体を見た765如月は謎の頭痛に襲われ発声能力を喪失しノックアウト、
その隙に本CMの主役である麻生久美子の手によりキッチンの調理台に運ばれた765如月は、胸板の上で生肉を食べやすい大きさにカットされる芸を披露、
その後シンクにぶち込まれると、生肉の破片がこびり付いた胸板の傷に『ジョイ』を塗りこまれ激痛により失禁。悶絶の末、無事死亡が確認された。
これに対し大正義やよいおりの一 角、高槻やよい氏は
「千早さんとのハイタッチは道化の材料にされているようで嫌だった」
「あのレベルの歌唱力で歌姫キャラを気取っていいのか」
「いなくなって初めて千早さんの存在のクソさみたいなものに気づくんじゃないですか」
と、言葉少なに故人を悼んだ。
なお、来年1月公開の劇場版には間に合う模様

真と響が無事でよかった

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