いち
P(事務所に余裕が出来て、竜宮小町に続くアイドルを、と他の子たちの活動を本格的に開始しようと考えた)
P(今のところ、千早・春香・貴音・雪歩の四人には、今後の方針を話すことが出来た)
P(自分で提案しといて辛い道のりだとは思うが、彼女たちもまた俺の予想以上に強い人間のようだ。十分なやる気を見せてくれた)
P(さて、次は―――)
ガシッ
P「んぐうぅっ!?」ギリギリ……
真美「んっふっふ~、兄ちゃーん、ゆきぴょんとのお話、もう終わりだよね~?」グリグリ
P「んちょ……ギブ!ギブギブギブ!」パンパン
貴音(完全に入っておりますね)
春香(首に……ね)
雪歩(苦しそうですぅ……)
真美「はいほーい、離したげる♪」パッ
P「ああもう……。待たせて悪かったよ、真美」ゲホッ
真美「ほんとだよ~!……さ、早く、早く聞かせて」
真美「真美は、どんなアイドルになればいいの~?」
P「ハー、ハー…………えー、真美自身は、どういうアイドルになりたい?」
真美「んっとね~、……とりあえず、早く亜美に追いつきたい!」
真美「亜美みたいにぃ、歌って踊れる、ちょーかっちょい~アイドルになりたいなっ」
P(…………)
P「……じゃあ、アイドルになりたい理由は?」
真美「えぇ?……そりゃあ、面白そうだったからだよ~」
真美「そんで亜美と、『二人で』売れっ子アイドルになろうね、って約束してたの」
P「……なるほどな」
真美「だからさ~、亜美ばっかりテレビに出てて、見てるとウズウズしちゃうんだよ~」
真美「早く一緒の番組とか出られるようになりたいよ~、兄ちゃーん!」
P「お、落ち着け。ちゃんと真美のために考えてきてあるから」
真美「ええ~、どんなの、どんなのっ!?」
P「えーとだな……お前には、雑誌の仕事を受けてもらう」
真美「雑誌の?……取材か何か?」
P「いや、写真撮ってもらう方。……つまりモデル活動を最初は進めて欲しい」
真美「モデルか~、それも面白そうだね」
真美「真美のかっちょかわい~い写真も、撮ってもらえそうだしね」ンッフッフー
P「ちょっと待ってろよ…………」ガサゴソ
P「真美がモデルとして活動していくにあたって、傾向を調べたい」
P「あまりにも真美のイメージに合わないのは、流石に除いといた」ヨッ、…ト
P「…………この中から、気に入ったのを選んでくれ」ドサッ
春香「うわ!これ……全部、ファッション誌ですか?」
P「ああ、真美に水着グラビアはちょっとなあ。女性ファッション誌が良いだろう」
雪歩「ふわあぁ……表紙が、綺麗な人ばっかりですぅ……」
春香「えーと……『Seventeen』『Popteen』『CUTiE』『ピチレモン』『nicola』『ニコプチ』……」
貴音(ふぁっしょん雑誌とは、こんなにもたくさんあったのですか……)
春香「見たことないのも入ってるなあ……ニコプチ?」
P「そりゃそうだ。真美に合わせた小中学生対象の雑誌も入ってるからな」
貴音「……あなた様、こちらの『びび(ViVi)』や『のんーの(non-no)』は、逆に真美には早すぎるのでは?」
P「(のんーの……)ああそういうのはあくまで参考資料だから、そんなに深く考えなくてもいいぞ」
真美「おーおー、色々あるものだねぇ~」パラパラ
P「……真美の年齢を考えると、ピチレモンか、ニコプチが妥当だろう」
P「こういう雑誌のモデルには二種類ある。プロのモデルと、もう一つ」
P「素人オーディションやスカウトで雑誌に載り、その後芸能事務所に入る『読者モデル』がそうだ。縮めて『読モ』だ」
P「真美はもう765プロ所属だから、プロとしてこちらから出版社に売り込むのが基本だな」
雪歩「……プロデューサー、この表紙に乗ってる『益若つばさ』さんは、どっちなんですか?」
P「益若つばさ、は読者モデル出身だ。今や『一般人代表』である分、読モの方がより身近で、読者から注目されやすい」
P「『新垣結衣』も読モ出身だな。男性からの支持もスゴイが、女性誌出身だから女性からの支持も厚い」
P「……と言っても、プロのモデル出身者にも『蒼井優』や『長澤まさみ』がいる」
貴音(お二人とも、今は女優の道へ行っておられますね……)
P「読モは『同じ学校のオシャレな先輩』で、プロが『憧れのお姉さま』って感じになるのかな」
真美「真美が『憧れのお姉さま』か~、いいねいいねぇ♪」
P「女性誌のモデルをきっかけにブレイクして、芸能界で活躍することも十分に可能なんだ」
P「……そうだなぁ、女性スタッフも多いし、雪歩にもこっちあたりの仕事は回してみるか」
雪歩「が、頑張りますぅ……」
P「……で、実は俺が、既に真美の写真を送っている出版社もある……どこも反応は上々だ」
P(…………)
P(このまま……上手く行ってくれれば……)
P「……でだ、雑誌の専属モデルになれれば、仕事としてはかなりの収穫だし、その経験を活かしてステップアップも狙える」
P「モデル活動はもちろん、それこそ歌手やったり、ドラマやバラエティに出たりとか」
春香「読者モデル出身の人、今はよくテレビに出てますもんねー」
P「そうだな。春香にも言った『こうなりたい』って思わせる仕事でもあるから、『アイドル』の要素もちゃんと必要なんだ」
P「そういう資質は真美は十分に持ってる。明るくて可愛くて元気、貴音とは別の意味で、空気を自分のものに出来る人間だ」
真美「♪」ンッフッフー
P「それに真美には、中学生の女の子らしい、ポップで可愛い服が似合うだろう」
P「雑誌に載れば、同年代くらいの女の子たちから本当に『憧れのお姉さま』扱いされるかもな」
真美「えーなになに~?真美ってば超売れっ子の素質ありありじゃ~ん!?」
P(……大丈夫……か……?)
P「…………真美の目から見て、自分に合ってそうな雑誌はあったか?」
真美「うーん……やっぱり兄ちゃんの言ってたピチレモンかニコプチが合ってるかなあ~」
真美「真美の普段の服と一番近いし、雑誌に載ってる持ってない服とか、着てみたいよ」
真美「……でもさぁ兄ちゃーん、…………モデルのお仕事も面白そうだけどぉ、歌は?」
真美「アイドルみたいなぁ、ぷりちーな歌はいつ出すの?」
真美「ほら、千早お姉ちゃんの時に聞いた『スタ→トスタ→』とかさ!」
P(…………)
真美「やっぱり真美としては、歌って踊れるアイドルの方がいいよぉ~」
真美「亜美が竜宮小町で、歌でもダンスでも活躍してるんだからさぁ」
真美「こっちも対抗してさっ、かっこい~ダンスとか、かわい~ステージ衣装とかやらせてよぉ~」
P(…………やる、しかないのか……)
P(…………)
P(…………覚悟を決めるか……)
P「……真美」
真美「なーに?」
P「真美の活動についてなんだが……」
P「……真美ひとりでの活動では、……しばらく『アイドル』はやらせないつもりだ」
真美「…………」
真美「…………え?」
春香(プロデューサーさん……!?)
貴音(…………)
雪歩(え、何で……!?)
真美「や、やだなあ兄ちゃん、冗談きついよぉ~……」
P「……すまん。…………本当だ」
真美「………………」
P「………………」
真美「………………」
真美「…………どうしてっ!?」ガタッ
雪歩「!」ビクッ
真美「ど、どうして真美は、歌を歌っちゃ、いけないっていうのさぁー!」
P「…………すまん」
真美「……そんな…………どうして…………」
真美「…………なん……せっかく……真美も……亜美、みたい、に……」ジワァ
真美「……う、うぅ………………」ポロポロ
春香「ぷ、プロデューサーさん、説明してくださいよ!」
雪歩「そ、そうですよぉ。私だって、このままじゃ納得行きません」
貴音「………………」
P「…………泣きながらでもいい。真美、理由を知りたいか?」
真美「……」コクコク
P「……もう聞きたくない、と思ったら、その時点で手を挙げてくれ」
真美「……」コクコク
P「俺の話を聞いて、それでも納得がいかないなら……真美の意思が最優先だ。方針を完全に変えよう、いいな?」
真美「……」コクコク
P「…………」
P「お前一人で歌を歌わせない理由……それは、竜宮小町にある」
貴音(………………)
真美「……どおして……?」
P「全ては……今の時期まで本格的に真美のプロデュースが出来なかった……俺が悪い」
P「他の人たちは誰も悪くない。もちろん真美も。だから、俺だけを恨んでくれ」
P「……竜宮小町が765プロで生まれ、みんなが活動するよりも先に、ブレイクした」
P「リーダーでしっかり者の伊織、大人で柔らかな雰囲気をもったあずささん、そして元気いっぱいでお調子者の亜美」
真美「うん…………」ヒック
P「知名度も上がり人気も出て、テレビで見る機会も多くなった」
P「そしてお茶の間に、竜宮小町の元気娘『双海亜美』、というキャラクターが浸透してきた」
P「…………真美がこの状況で単に『アイドル』として出ていっても、失敗する危険性が高い」
真美「……どーゆーこと……なの……?」
P「お前と亜美はよく似てる。それはまあ、双子だから当たり前だ」
P「でももちろん、真美と亜美でも違うところはある」
P「例えば、真美の方が『お姉さん』で、責任感が強い。我慢強くて『大人』だ」
真美「……」
P「亜美は亜美で、自由奔放で元気いっぱい」
P「真美と比べると『子供』だけど、それが元気の源となって、みんなを一緒に明るくする」
P「どっちが良いとか悪いとかじゃない。ていうかどっちも良いんだ、それは個性なんだから」
P「だけど……初めて真美を見た人たちは、そんな違いにまで気づいてはくれない」
春香(…………!)
雪歩(そ、そんな……)
真美「…………」ギュッ
P「『双海真美』として一人で舞台に立ち、アイドルの地位を確立するのは、今の段階では難しすぎる」
P「一人のアイドル『双海真美』ではない、『双海亜美の双子の姉』としか見てくれない人がほとんどだからだ」
真美「……ヒグッ、……そん、なぁ……」
P「『双海亜美』のイメージからの脱却は、竜宮小町が人気の今は限りなく難しい」
P「……実際に、売れっ子の片方に続いて、兄弟・姉妹のもう一人が芸能界デビューした、という前例はある」
P「『安倍なつみ』という、全盛期の『モーニング娘。』を支えたアイドルがいる」
P「それに続く形で、妹の『安倍麻美』がデビューした。……残念ながら、彼女は姉を超えるほどの活躍は出来なかった」
雪歩「…………どうして、ですか……?」
P「……姉の影響力が、それだけ強すぎたんだ。彼女の後ろには、いつでも『安倍なつみ』の影が付き纏ってしまっていた」
P「例え片方の人気に便乗したわけじゃなくても……後からデビューするということは、それだけで『二番煎じ』の烙印を押される」
P「そして先にデビューした方のイメージから脱却できなければ……」
P「竜宮が活躍している以上、二番煎じ扱いのアイドル『双海真美』に……居場所は無い」
真美「…………」ヒック
春香(真美、しっかり……!真美……)サスサス
P「……かといって、イメージ脱却のためにアイドルとしての個性を付けすぎると、それもそれで亜美と比較されてしまう」
P「亜美がああやって『正面から』アイドル活動をしている以上、変化球で攻めれば『姉はイロモノ』で終わる」
P「そうなると、今度は亜美のイメージにも悪影響が出る。お互いのイメージ崩壊の後、共倒れになる危険性がある」
真美「……うん…………」ズズッ
P「……お茶の間だけじゃない。多分テレビ局も、スポンサーも、『双海亜美の姉』としてしか見てくれないし、使ってくれない」
『竜宮小町を呼びたかったけど、都合がつかないから真美を呼ぶ』
P「……例えば、そういう使われ方だ」
P「どんなに頑張っても、『双海亜美の姉』のポジションからは、抜け出せない可能性のほうが高い」
春香「……っプロデューサーさん止めてください!」
春香「いくらなんでも、そんな言い方って……そんなのってあんまりじゃ……」
P「…………」
P「…………俺は、真美が手を挙げるまで、話は止めない」
真美「…………」
P「……続けて、いいんだな?」
真美「…………」コク
P「…………(真美……)」
P「……双子、いや兄弟・姉妹で一緒に活動する芸能人自体は多い」
P「ただ、そうやって活動するとなると、基本的には『二人で一人』という扱いになってしまう」
P「昔の『マナカナ』とかな。あの二人は正に『双子アイドル』の代表格と言える存在だ」
P「『兄弟・姉妹』を売りにした芸能人は、お互いが別々の番組に出ることもあるが、ほとんどは二人で行動だろう」
P「お互いのキャラクターの違いが世間に浸透していない段階では、一人だけを番組に呼んでも観客や視聴者の受けもイマイチだからな」
P「何より、『双子である』『兄弟・姉妹である』ことの面白さ、アピールポイントが完全に無くなるからだ」
P「だから兄弟・姉妹で活躍するタレントは、別々の分野で活動をしたり、血縁事実を極力隠したりして、お互いの差別化を図る」
P「または先にデビューした方を上回るほどの、圧倒的な実力で世間を黙らせる」
P「……もしくは開き直って、『兄弟・姉妹』であることを最大限利用して、活動してきたんだ」
真美「…………」
P「マナカナに関しては、最近は一人ずつでの活動も多くなってきた」
P「でもそれは、それだけの長い期間、双子アイドルとして芸能界で活動して、それだけの地位を得てきたからなんだ」
P「多くのファンがついて、『マナ』と『カナ』にそれぞれ需要が生まれた結果だ」
P「もし真美が今、一人で活動してしまったら……さっき言ったような『一人だけ来ても……』の状況に陥りやすい」
P「なぜなら亜美は、『竜宮小町の一員』という部分にアピールポイントがあるから」
P「もちろん、先にデビューしたからというのもあるが……そんな単純な話でもない」
P「亜美は芸能界で、『双子アイドル』じゃない居場所、アイドルグループ『竜宮小町』という居場所を得たんだ」
P「人気グループの一員として、一人で番組に出ても何も問題ない」
P「…………そして真美には、芸能界において亜美を超えられる居場所、実力…………それがまだない」
真美「…………グスッ…………」ヒック
P「亜美と真美を二人で売り出せなかったのは、お前たちの方針を考えすぎて、もたもたしていた俺の責任だ」
P「律子を悪く言う気は全くないし、むしろ竜宮小町は素晴らしいユニットだから、俺がとやかく言える立場じゃない」
P「……仮に俺が律子と協力して、真美と亜美の双子ユニットで、一緒の番組にたくさん出られるように、調整したとしよう」
P「でもそうやって、いつでも二人で一緒に活動しようとすると、亜美は竜宮小町の活動に支障が出る」
P「竜宮が無くなるならそれはそれで別の話だが、そんな不吉は話はこっちもしたくない」
P「かと言って真美だけで売りだそうとしても、売れっ子『双海亜美』のイメージに引っ張られて、真美の持ち味は発揮できない」
真美「…………う、うぅ……」ポタポタ
P(真美……)
P「……ただ、もし真美がモデルよりも、どうしても今すぐアイドルがやりたいなら……ああは言ったが、俺だって全力で支援する」
P「できるだけ、亜美との差別化を図れるよう努力するし、その時は積極的に売り出していこう」
P「……でも、竜宮も同時に活動しているから、『双海亜美』が世間に浸透していくのは止められない」
P「だから、もしアイドル活動をしたいなら、今言ったようなことが起きるかもしれない……と、覚悟しておいて欲しい」
P「……ひとまずそれが、今、お前をただの『アイドル』として売り出したくない理由だ」
雪歩(真美ちゃん…………)
春香(……ひどいよ、そんなの…………)
貴音「…………」
貴音「あなた様」
P「なんだ」
貴音「あなた様は、いけずです」
真美「……?」グスッ
貴音「今のお話から考えるに、『完全な差別化を図れるから』という理由で『もでる』の仕事をしろ、と言いたいのでしょう?」
P「(……?)まあ、一応……そう、だよ……?」
真美「……にーちゃん、どういうこと…………?」ヒック
P「……亜美はアイドルとして活動はしているが、竜宮でのグラビア撮影以外で、モデルの仕事はほとんどしてない」
P「まあ、そもそも亜美はモデルの専属契約なんて結べないほど忙しいみたいだが……」
P「だからこそ、亜美のイメージの全くない土壌……『ファッション誌』で、真美を育てようと思ったんだ」
P「違う分野で成功を収められれば、例え双子でそっくりでも、みんなに認識できる明確な違いが生まれるからな」
P「『アイドル双海亜美』と『ファッションモデル双海真美』って感じで」
春香(あ、なるほど……)
雪歩(言葉だけでも、全然イメージが違いますぅ……)
P「こうなるとファン層も全く変わってくるから、お互いの活動に支障が出ることも少ない」
亜美真美いっしょにプロデュースした場合のシナリオ起こさないとならないのか・・・
双子+αプロデュースで亜美、真美2パターン+他キャラの専用リアクション
通常の単体プロデュース亜美真美2パターンと考えると
「別ユニットにまとめてはぶっときゃ楽じゃね?、他の面倒な奴と一緒に」
となるのは自明の理か・・・亜美が選ばれたのは1で表に出てたからだろう
「そうすりゃあ、双子でも全然違うんだ、って世間に思わせられるから、改めてアイドルとして活動させられる」
P「それだと『双海亜美の姉』とは考えられなくなる。一人の立派な、元モデルの現アイドル『双海真美』になれる」
貴音「……ええ、そういうことなのだとは思っていました」
貴音「しかし……あなた様には、それと同時に一つの考えがある……そうではないですか?」
P「!」ピクッ
真美「……にーちゃん、ほんと?……考えって、なに…………?」ヒック
P「え、えっと……だな……(貴音……本当に気づいてるのか……?)」
貴音「あなた様が先ほど真美に提案した、即席のアイドルへの道。……確かに不安要素が大きく、危険だと思われます」
貴音「しかし、あなた様の言動の節々から、感じられるのです……」
貴音「真美に、本来の希望の形ではなくても、すぐに『アイドル』をやらせられる……」
貴音「そして、前述の不安要素を取り除けるのではないか、というあなた様のそんな考えが」
P「た、貴音…………お前……なんでそこまで気づけるんだよ……?」
春香「……え、本当なんですか!?」
雪歩「プロデューサー!?」
真美「…………え……」
真美「え……え、え、……うえぇーーーー!!?」
真美「にーちゃん……に、兄ちゃん!本当なの!?どうなの、教えてよぉ!?」ユッサユッサ
ユッサユッサユッサユッサ
P「うぇーーー!く、苦しい、苦しい、ギブ!ギブギブギブギブ!」
貴音(大いに揺れてますね……)
春香(プロデューサーさんがね……)
雪歩(……どういうことなんだろう?)
真美「は、はい……止めたよ兄ちゃん」
真美「どう……なの……?本当にアイドル、出来るの……?」
春香「モデルの仕事は、その場合どうなるんですか?」
雪歩「そ、それに……今は亜美ちゃんのイメージに引っ張られるから厳しいって……」
P「ゼーッ、ゼーッ、……貴音が言ったように、真美の本来の希望の形ではない」
P「ただ、曲は出せるし、アイドルとして活動できる」
P「……何より、モデル活動と並行してできる」
真美「ほ、ほんとに……ほんとにほんとなの、兄ちゃん!?」
反応を先読みしていやがる!
貴音「……あなた様は、あえて最後までその事を仰ろうとしなかった」
貴音「もちろん何か理由が有るのでしょうが、だからと言って真美をあそこまで追い込まずともよかったでしょう」
貴音「だからあなた様は……本当にいけずです」
P「…………すまん、本当にすまん、真美……」
P「こんなやり方、良くないと言われるとわかっていたが……真美を……試したかったんだ」
真美「試す……?」
P「…………」
P「俺の、真美をアイドルにするプランは、確かにある」
P「今すぐに、というわけじゃない。ただ、モデルで成功を収めてから、よりは早く」
P「このプランなら、亜美との差別化も図りやすい」
真美「……じゃあ、なんでもっと早く言ってくれなかったの…………?」
P「真美が、『強い』かどうか……それを知りたかった」
貴音「……成程」
真美「強い、かどうか…………」
P「俺のこの計画に一番必要だったのは、真美が『強い人間』であるかどうか」
P「苦しい時、辛い時にじっと我慢して、耐えることが出来るか……それを見極めたかった」
P「だから敢えて、きつい言葉を選んで、真美の様子を見た。……真美を試したんだ」
P「……よく最後まで手を挙げずに、じっと我慢して俺の話を聞いててくれたな?……偉いぞ」
真美「そ、そんなこと……ない、よ……」
P「いや、真美は強い……やっぱり俺の目に狂いはなかった。……そう思わせてくれた」
P「本当にありがとう……そして、ごめんな」ナデナデ
真美「あぅ、うぅ……あり、がとう…………兄ちゃん……///」カアァ
P「俺の考えた解決策…………」
P「お前をアイドルにする……それも、『ユニット』として!」
P「それが、不安要素を取り除ける方法だと、俺は考えた」
春香(ユニット……!)
貴音(ゆにっと、ですか)
雪歩「プロデューサー、だ、誰とですか!?」
真美「兄ちゃん、真美にも教えて?…………誰と、誰とユニットを組めばいいの!?」
俺「!」 ガタッ
P「それはだな……」
ガチャ
やよい「うっうー!ただいま帰りましたー!」ガルーン
やよい「すいません、おそくなっちゃって。じつはー、近所のスーパーで……」ガサガサ
やよい「あの……もやしが…………えーと…………」ガサガサ
やよい「……あの、みなさん……どうしたんですか……?」
春香「……」
雪歩「……」
貴音「……」
真美「……」
P「……やよいだ」
やよい編へ続く
俺「…」
>97
誰が言ったんです?ゲームの主人公はP(♂)なんですけど・・・
無理してアイマスに関わらなくても良いんですよ?
女しか出ない作品は他にもありますから、よそに行けよそに
キリがいいのでいったん休憩
しばらくしたら再開します……
納得できないひとはゴメンネ。俺の頭脳ではこれが限界なんだ
リアル寄りのアイマス考察見たかったんで大いに支援
今回も読みごたえがあるね
支援
ほ
金曜の夜だし
真美さんは天使http://i.imgur.com/55S0K.jpg
>>121
眩しすぎて目がつぶれた
sageてしまって本当に申し訳ない
30分くらいから投下しめす
はじまるまで黙ってまってるよ
よ
>>121
完全に脱衣トランプのシチュだろこれ…
春香「やよいちゃん、かあ……」
雪歩「何となくわかる気もします……」
貴音「ふむ……」
真美「やよいっち、と…………」
やよい「…………え、え、え?」
やよい「な、なんなんですかー!?そんなにわたしをジロジロみて、みなさんどうしたんですかー!?」アタフタ
やよい「はわっ、ひょ、ひょっとして、わたしの顔に、なにかついてましたか?」ペタペタ
P「……やよい、ちょっと話ししても、いいか?」
やよい「(ペタペタ)……?はいプロデューサー。わたしに話って、なんですか?」
やよい「あ……。……あ、あの、遅くなったのはごめんなさい!」
やよい「じつは近所のスーパーで、セールをやってて……」
P「ああ、いやいや、その話は雪歩から聞いた。……お前の芸能活動について、だ」
やよい「…………げーのー活動?」
>>133
天才か
P「えーとな……」カクカクシカジカ
やよい「……じゃあ、わたしもアイドルになれるんですねー!?」
やよい「うっうー!とってもうれしいですー!」
P「ああ、だから今から、やよいの活動方針について話そう」
やよい「はーい!」
雪歩「プロデューサー、ま、真美ちゃんは……?」
真美「…………」
P「……真美個人での活動についての計画は、さっき言ったとおりだ」
P「やよい個人での話が終わったら、……改めて『二人の』話をしよう」
P「お前の結論は、全部が終わってから聞かせてくれ……ダメならダメで、まったく構わないから」
P「最終的にどうしたいかは、お前の判断だ。俺はどんな結果だろうと、全力でサポートすることを約束する」
P「……俺だけの考えに縛られるな。考えを決めるのは、真美自身なんだ」
真美「う、うん……。……わかったよ、兄ちゃん」コクリ
やよい「……プロデューサー?」
P「いや、こっちの話だ……」
P「で、やよいは、どんなアイドルになりたいと思ってる?」
やよい「どんなアイドル……えーと……」
やよい「どんな、っていうのはまだ……ちゃんとは決まってないです」
やよい「わたしとしては、家族のみんなに、もっと楽させてあげたいかなーって」
やよい「もうちょっと、みんなにもいいものを食べさせてあげたいかなーって……」
やよい「……だから、いっぱいいっぱいテレビにでれるような、売れっ子さんになりたいです!」
P「……わかった(不憫な……)」
P「やよいは、テレビで活躍したい、と」
やよい「はい!そうです!」
P「えーとな、アイドルでお金を稼ぐ方法は、別にテレビだけじゃない」
P「真美には『モデル』を提案したんだが、それだって売れっ子になればお金持ちだ」
やよい「はわっ、そうなんですか!?……あうぅ~、わたしがモデルさんですかー……」
P「あ、いや……やよいは別にモデルに拘らなくていい」
P「テレビに限らず、芸能活動をもっと広い目で見てほしいだけだ」
P「……で、やよいは、『ジュニアアイドル』として売り出すつもりだ」
やよい「ジュニア……アイドル……?」
真美「…………」
P「普通のアイドル活動とはまた違う。でもテレビを中心に仕事ができる」
P「……テレビの世界は、ドラマの『子役』もそうだが、絶えず『子供』を欲している」
P「子供ならではの若さや元気さで画面が華やかになるし、子供目線で番組を作るときに、視聴者の代わりになる人物が必要だからだ」
やよい「は、はい……」
P「……ちょっと固く言い過ぎたか?やよいにも、例えば春香にも、それぞれの魅力があるってことだ」
やよい「あ、それならわかります!」
P「ふふ……『子供』の良さを発揮しながらテレビで活躍する。それが『ジュニアアイドル』」
P「と言っても、ターゲットにする年齢も売り方も、ジュニアアイドルごとに違う」
P「やよいの場合は、同年代、もしくはやよいよりも年下の子、もっと言うならその子たちの親」
P「そういったファンを獲得できるような活動をしたい」
P「子供たちからだけじゃなく、親からも『わが子のように可愛い』と思わせるような……な」
P「……それで、やよいにはざっくりと『朝・昼の番組』を中心に出てもらおうと思う」
春香「朝と昼……」
雪歩「え、えと、どういうのですかぁ……?」
真美(…………やよいっち……)
P「そうだな、夕方の番組で悪いんだが、本当なら『天才てれびくん』みたいなのが一番理想的だ」
春香「……『天てれ』か~」
やよい「え、て、天才てれびくんですか!?長介たちと一緒に、よく見てます!」
P「これに出るジュニアアイドル『てれび戦士』は、必ず小学校2年生から中学校2年生までの年齢」
P「NHKの子供番組『天てれ』の、視聴者たる子供たちの代表として出演してる」
P「過去には『ウエンツ瑛士』や『生田斗真』も在籍していた。子役タレントの養成所みたいなもんだ」
P「番組内でゲーム、歌、企画……『子供』として、テレビを通して色々な活動をやらせてもらえる」
P「俺の考える『ジュニアアイドル』の、活動の基礎が詰まった番組だ」
P「……が、残念なことに、やよいは今14歳だから、出ることはできない」
やよい「あうぅ~、残念ですー……」
P「まあ、あの番組が全てじゃない。他にもやよいの出れる番組はたくさんある」
P「例えば朝や夕方のニュース番組の1コーナーで、料理を作らせてもらったり」
P「朝やお昼の『情報番組』で、アシスタントとして使ってもらったりな」
P「ただ、流石にやよいくらいの年齢だと、学業にも専念してほしい」
P「そういう番組は基本的に生放送だ。週に……多くても2回まで、あとは土日に収録できる番組を考えよう」
やよい「あの……そういう活動じゃないと、だめなんですかぁ?」
P「そうだなあ、その方がいい。……嫌か?」
やよい「べつにイヤじゃないんですけど、……なんでですかぁ?」
P「……俺は今のやよいに一番合ってるのは、『天才てれびくん』のような番組だと言った」
やよい「はい」
P「……やよいの魅力は、その『純粋さ』にある」
やよい「?」キョトン
P「やよい……『子供扱い』されるのは、嫌か?」
やよい「え……?えーと、わたしももう中学2年だし、あんまりされたくはないかなーって」
P「そうか……」
P「じゃあ、最初に断りを入れておくが、俺が言う『子供』は、春香や雪歩の年齢ぐらいの子も含む」
P「少なくとも18を超えてなきゃ、世間的には『子供』なんだ。20で正真正銘、ようやく『大人』」
P「そう思って、聞いていてくれ」
やよい「……?はい、わかりましたー」
P「……やよいの長所と、短所を考えてみよう」
P「やよいはいつでも頑張り屋さんで、苦しいことにも決して負けない。面倒見もとてもいい」
P「それだけじゃない。生活の中で培った、料理や節約の技術もかなりのものだ」
P「その歳でこんな立派な成長を遂げる……やよいは『しっかり屋さん』としか言い様がないな」
やよい「え、えへへ……そうですかぁ…………?///」カアァ
P「……でも、年相応のあどけなさや可愛らしさを残している」
P「やよいはいつでも笑顔、素直で元気があって、まるで太陽のように明るい」
P「人を元気にする……というよりは、『人を笑顔にする』力を持っているな」
P「でもその明るさが、先のことまでは見えずに思わぬ失敗をする原因になる」
P「……だから、しっかりしているようにも見えて、どこか抜けている」
やよい「あう~……」ショボン
P「でもだからこそ、やよいを見て、大人たちは『見守ってあげたい』と思うようになる」
やよい「……わたしを……?」
P「……やよいは、行動の節々に『大人』な面が見える」
P「でも、まだまだ知らないことがたくさんあるし、感情を隠さずに、素直に表に出すことも多い」
P「それに、時には中学生らしく、わがまま言ったり、間違いをしたりする」
P「そういう意味では、やよいはまだまだ『子供』」
P「でも、テレビの世界もお茶の間も、大人はそういう『子供』を欲している」
P「……やよいのような『子供』から、『子供らしい』笑顔をもらいたいから」
P「だから年齢よりも背伸びしたような、ませた子役タレントは、成長の過程で伸び悩むことが多い」
P「『ジュニアアイドル』が喫煙や飲酒をして、それが原因で芸能界を引退したり」
P「『天才子役』としてちやほやされたのに、生意気言い放題で干されて、数年後には見かけなくなったり」
のヮの(どっちとも何人か思い浮かぶような……)
P「……やよいの魅力は『純粋さ』。どういうことか」
P「それは、やよいが全く大人びようとしていない、背伸びもしていない」
P「素直で純粋な『子供』でありながら、それでいて『大人』として物事を考えることが、出来るからなんだ」
やよい「そう、なんですかぁ……?///」テレテレ
P「……だから、ありのままの『子供』でいる、『大人』なやよいを見て、人々は応援したくなる」
P「やよいの『健気さ』に、大人は弱いんだ。……そして、そんなやよいが虜にするのは大人だけじゃない」
P「やよいより下の子供たちからすれば、やよいは『頼れるお姉さん』」
P「同年代の子たちからは『素直で元気な、友達みたいな存在』」
P「そしてちょっと年上の子たちからは、『たまに失敗しちゃう可愛い妹』」
P「そういう思われることだろう。男の子だけじゃなく、女の子からも」
やよい「……♪///」
春香(やよい、顔が緩みっぱなしだよ……)
P「……そんなやよいをアイドルとして活かすには、普段の『高槻やよい』を出せる場所が必要だ」
P「無理に役を演じようとしたりすると、今のやよいの魅力が薄れてしまう」
貴音(…………ふむ)
P「……そういう意味で、天才てれびくんのような番組を推していたんだ」
P「年下の子たちに対して、リーダーシップを発揮できる『大人』の面」
P「でも司会の大人たちと一緒に活動することで見える、『子供』の面」
P「普段のやよいの良さが最大限に活かされて、かつテレビに慣れていくことが出来る」
P「結局天てれは無理なんだが、料理番組・情報番組でも同様に、どちらの面も出せる」
P「なんなら、やよいは子供の面倒見もいいし、『子供向け番組』を中心に出てもいいくらいだ」
やよい「…………」
P「どうだろう。まだ目標が決まってないなら、1年かけてこういう活動をしてみるのも、悪くないと思うが」
やよい「え、と……」
やよい「……プロデューサー、まだはなし聞いたばっかりで、よくわかんないかもですけど……」
やよい「でも、わたしテレビで、いっぱいいっぱいがんばりたいです!」
やよい「なんか、そういう気分になってきました!」
P「……今言ったような番組のオーディション、積極的に受けてみるか?」
やよい「はい!」
春香「おお~」
雪歩「よかったね、やよいちゃん」
やよい「……はい!わたし、がんばっちゃいます~」
P「……ある程度やよいが世間に認知されてきたら、CMのオファーも来ることだろう」
P「やよいの個性はテレビ界にとって貴重だ。スポンサー受けもいいはずだから」
P「CMの仕事も取っていきたいが、それでもいいかな?」
やよい「はい、プロデューサー!……えーと、『雪国もやし』のCMとか、でたいかなーって」
春香「……やよいには運命的なCMだよねぇ……」
P「…………」
P「……やよい、ここからは、真美にも話に参加してもらう」
真美「!!」ピクッ
やよい「真美がどうしたんですか?」
P「実はな……やよいの『ジュニアアイドル』としての活動は、朝・昼の番組以外にも考えているんだ」
P「それが……真美との、『ジュニアアイドルデュオ』のユニット活動だ」
真美「…………」
やよい「真美と、ふたりで活動するんですか?」
P「ああ、そういうことになる」
P「真美と一緒に活動することについては、やよいはどうだ?」
やよい「わたしはいいと思いますよ!……ね、真美!」
真美「あ……う、うん……」
P「……真美は?」
真美「……別に……いいと、思うよ……」
やよい「じゃあ、真美もいっしょの番組にでるんですね?」
P「いや、出ない」
やよい「……?どういうことですかー?」
P「真美はモデルとして雑誌で、やよいはジュニアアイドルとしてテレビで、それぞれ個別に活動してほしい」
P「だが、それとは別に、二人で曲を出して、歌って活動して欲しい」
やよい「……どーして、べつべつのお仕事をしながら、なんですかー?」
真美「うん、兄ちゃん……真美にも……教えてよ」
P「……二人はまだまだ若い。その身体には、将来に向けての可能性がたくさん詰まっている状態だ」
P「だから、それぞれに別々の活動を提案はした」
P「だが、二人に将来芽生えるであろう『アイドルの才能』を磨くために、今のうちから準備したい」
P「二人で一緒の芸能活動をさせないのは、真美には……前向きな理由としては、モデルの経験を積んで欲しいから」
真美「…………」ギュッ
P「モデルってのは息の長い仕事だぞ?10代、20代、30代、それぞれに雑誌があって、その数だけモデルの需要もある」
P「10代の雑誌のモデルを卒業すれば、20代のへとシフトしていける。オシャレさに磨きをかけた上で、な」
P「そしてやよいに関しては、モデルよりもジュニアアイドルとしての活躍が期待できるから」
P「……二人の方針は今言った通りで、個別ではアイドル歌手活動は計画していない」
P「だけど、二人とも今のうちから基本的な『アイドル』の経験をしておいた方が良い」
P「ならどうするか……変則的に、二人でユニットを組むのが最善の手だと、考えたんだ」
やよい「そうなんですかー、なるほどです」フムフム
真美「…………」
P「…………」
P「……真美」
真美「な、なに……?」
P「お前一人でアイドル活動をさせたくない理由は、さっき言った」
P「だがやよいとユニットを組むと、さっき言った不安要素は解消される」
真美「なんでさ……」
P「亜美が『竜宮小町の一員』という居場所を得た。真美には特定の居場所が無いと言った」
P「……なら、真美にも同様に居場所を作ってしまえばいい」
雪歩「それが、ユニットなんですか?」
P「ああそうだ。ソロだと、亜美との差別化は図りにくい。……でも、ユニットだとそうじゃない」
P「やよいと二人で……一方は雑誌で活躍する『現役ジュニアモデル』、一方はテレビで活躍する『現役ジュニアアイドル』」
P「まだ『子供』の二人だが、だからこそ二人になると、より個性が出る」
P「竜宮にはあずささんや伊織もいるから、曲や活動は『大人向け』、『男性向け』のものも多い」
P「でも、二人の活動は違う。どちらも同年代の子たち、もしくは二人の親くらいの年齢の人たちに、向けたものだ」
P「ファン層が違う分、活動もイメージも、竜宮小町に引っ張られることはない」
P「……やよいという強烈な個性が混ざることで、真美に纏わり付く『竜宮の双海亜美』のイメージが薄まる」
P「真美ひとりだと、真美自身も観客も、どうしても『双海亜美』を意識してしまう」
P「だけど二人になれば、『竜宮』と『真美やよいユニット』の違いが明白に現れる」
真美「…………」
P「亜美にはない、『現役モデル』というアドバンテージが、竜宮とは違うファン層を獲得する力になるんだ」
P「……さっき『真美の方向性が変になると、逆に亜美のイメージもそっちに引っ張られる』って言ったよな」
P「モデル活動で増えるだろう、同世代・年下のファンに向けたこのアイドル活動は、本来ならそれにあたる」
P「これも、二人で活動していればだいぶ中和される」
P「真美のモデル活動とやよいの個性が、このアイドル方針に説得力を生み出すからだ」
P「だから、こちらのイメージが竜宮にまで影響を及ぼすことも少ない」
P「……わかってもらえたか?」
真美「…………」
真美「…………うん、だいたいはね」
真美「……にーちゃん、一つ、教えてよ」
P「何を?」
真美「……どうしてそれで、真美が強くなきゃいけなかったの?」
P「……さっきの話か」
P「…………」
P「……二人で活動する場合、今言ったように『子供向け』として売り出したい」
ガチャガチャ
貴音(千早の時に使用した「らじかせ」ですか……?)
P「例えば、こんな歌を歌ったりな」ポチッ
~♪~
春香「ああ……『子供向け』って感じですね」
雪歩「『おはよう朝ごはん』……ですかぁ」
真美「…………」
P「真美、こういう歌を歌うことに、抵抗はないか?」
真美「……あんまり、ないよ」
P「やよいはどうだ?」
やよい「~♪~♪……いい歌だとおもいます」
P「……おそらくは、こういう歌を歌って、活動していくことになる」
P「でも……真美が最初考えていた『アイドル』は、こういうことじゃない」
真美「…………」
P「竜宮小町のような、カッコいいダンス、曲、そういうのをイメージしていた」
P「でもそういうアイドル活動では、竜宮との違いが出ないから意味がない」
P「竜宮がその路線を走ってファンを増やす間、真美は、こういう子供向けの歌を歌って活動することになる」
P「自分が本来やりたかったこととは、違うことをしなければならない……」
やよい「ま、真美はそうなの……?」
真美「…………」
P「……本当に、どうしてもやりたくないなら、やらなくていい」
P「でも、俺はさっき真美を試した。そして真美は『強い』ことがわかった」
P「……もし俺の方針を呑むのなら、という前提で話をすると……真美は最初はモデル活動をする」
P「それと並行して、やよいとデュオを組む」
P「亜美とテレビ番組で共演できるかもしれないが、『二人きりで』じゃない」
P「そして真美が成長したら、将来的には『双海真美』として、やりたいことをやらせてあげたい」
P「……やよいにも言えることだが、『ジュニアアイドル』も『ジュニアモデル』もゴールじゃない、通過点だ」
P「その後、芸能界で地位を確立していくために、通り過ぎる……な」
やよい「そうなんですか……?」
P「ああ、だからやよいも、食うのに困らないくらいには稼げるようにするが、大量に仕事を持っては来ない」
P「今の時期は、どんなに人気が出たとしても、あくまで『経験を積む』段階だ」
P「ジュニアアイドルを卒業して、本物の『アイドル』になるか、どういう道に進むか……それはその時に決める」
P「……お前たちは絶えず『成長』していく、可能性の塊だ」ワシッ
ナデナデ
真美「ひゃっ///」
やよい「あうっ///」
P「どういう大人になるか、何が似合うようになるのかなんて、今はまだわからない……」
P「それまでの間……真美にもやよいにも、成長した時にきちんとプロデュースできるように、経験を積んでもらいたい」
P「自分の意思に沿わないことで、抵抗もあるかもしれない……だけど、真美は強い」
P「元々、さっき真美が手を挙げていたら、この提案はしないつもりだった」
P「やよいとは別々に、なんとかしてでも真美の希望通りのアイドルとして、売り出すつもりだった……」
P「でも真美は耐えた……お前は凄い奴だ。このくらいの理想とのズレは、乗り越えてくれると信じてる」
真美「…………う……」
やよい「真美…………?」
真美「グスッ……う……うぅ……ヒック…………」ポロポロ
雪歩「ま、真美ちゃん、どうしたの……?」
真美「…………ずるいよ…………ずるいよ、にーちゃん……」グスッ
真美「真美……そんな強くないよ…………」
真美「……でも……そんな風に言われたら……真美、頑張っちゃうしかないじゃん……」
真美「頑張ろうって気に、なっちゃうじゃん…………やめてよ、にーちゃん……」ヒック
P「……真美…………」
真美「……やよいっちと一緒に頑張って、モデルも頑張れば……亜美と一緒に、テレビに出れるんだよね……?」
P「……ああ、絶対だ。出れなかったら、俺の首をやる」
P「……方針と合った曲だ、『スタ→トスタ→』も歌わせてやる」
P「真美ひとりでも、竜宮にいる亜美にも、歌えない曲だ。お前とやよいの二人だから、歌える」
真美「……にーちゃんの首なんて、いらないよぅ…………えへへ……」
真美「…………」スッ
真美「でも…………指切り……して……?」ニコッ
P「…………ああ!」
真美編・やよい編 おわり
書き溜め分終了になります
長々とお付き合いいただきありがとうございました。
支援・保守、感謝いたします。……次回もよろしければ是非。
残りの真・響・美希に関してはノンストップで行きたいので、
また書き溜めて、しばらくしてから投下します。今回はこれで終わりということで。
真美とやよいは結構迷ったんで、他の選択肢もあったかもね
個人的には、ここら辺が落としどころじゃないかなーと。
もう落しちゃっていいよ~。お疲れ様でした
……なぜあずささんも、いおりんも、亜美も、りっちゃんも、プロデュースできないんだ!
逆に春香は千早響にしかちゃんをつけないのに、「千早ちゃん」の印象が強すぎて
それに引っ張られて年下にちゃんづけになっちゃう感じ
響の「ちゃん」はPS版設定の「よその子」を引きずってるだけに思えるけど
「同学年」にちゃん付けって解釈は出来るかもしれない
原作で竜宮小町がヒットした理由を>1の解釈で読んでみたい
どうにも「話の都合」が前面に出すぎてる印象が強いんだよなぁ
何か納得できる「こじつけ」が欲しい
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