勇者「ちょーだい」
僧侶「天に召してください」
勇者「そんなこと言わずに」
僧侶「いやです」
勇者「魔王との決戦に向けているだろ、最強装備が」
僧侶「……」
勇者「おねがいだ。今、穿いてるやつでいいから」
僧侶「いやです」
勇者「おねがい!」
僧侶「いやですってば」
勇者「頼むよ。パンツだけでいいんだ」
僧侶「もう、やめてください」
勇者「どうしてもだめか?」
僧侶「ダメです」
勇者「じゃあ、洗濯したやつでもいい。少し劣るけど」
僧侶「やめてください」
勇者「なんでだ!!」
僧侶「というか、私のパンツが最強の兜って誰から聞いたんですか」
勇者「風の噂で」
僧侶「……」
勇者「どうしてもか?」
僧侶「そもそも、パンツは布です。鋼ですらありません」
勇者「神の加護が付与されてるんじゃないの?」
僧侶「されてません」
勇者「えー?証拠は?」
僧侶「証拠って……」
勇者「確認するからちょっと見せて」
僧侶「しょうがな……って、だめです」
勇者「ちっ」
僧侶「……」
勇者「あー、じゃあ、魔王にやられるなー」
僧侶「勇者様なら大丈夫です」
勇者「いーや、だめだな。精霊の加護がある僧侶のショーツじゃないと絶対に死ぬ。確実にやられる」
僧侶「そんなわけないでしょう」
勇者「俺が死んだら、世界は闇につつまれて、世界中の人が悲しみにくれる暇もなく絶望を味わうんだろうな」
僧侶「ないです。今の装備で戦えます」
勇者「そもそも、僧侶はどうしてそんな断定口調なんだ?」
僧侶「私の下着は普通の下着です。なんの効力もありません」
勇者「本当か?」
僧侶「はい」
勇者「かぶったことあるのか?ちゃんと効力がないか調べたことは?」
僧侶「いや、それはないですけど」
勇者「じゃあ、試してみないと分からないよな」
僧侶「ですから、試さなくてもわかります」
勇者「……僧侶は商人みたいに道具の鑑定はできないよな?」
僧侶「そ、そうですけど」
勇者「旅の途中でもあったよな。意味の分からない道具って」
僧侶「……」
勇者「ただの剣だと思ってたやつが、炎だせたり氷だせたり」
僧侶「それは……」
勇者「盾でも癒しの効果があるやつもあった」
僧侶「そうですね」
勇者「なら、僧侶の下着にも不可思議な能力が付与されている可能性もあるよな」
僧侶「え……それは……」
勇者「な、かぶってみないとわかんないって」
僧侶「でも、わ、私のは……その、バ、バーゲンで買った……安物……ですし……」
勇者「知らないのか?僧侶っていう神聖な存在が穿き続けると、特殊効果がつくって」
僧侶「え!?」
勇者「聖なる力が下着にドンドン溜まっていき、そして魔を打ち破るほどの力を得る」
僧侶「そ、そんな話、聞いたことが……」
勇者「なくて当然だ。なんせ伝説の武具なんだから」
僧侶「わ、わたしの下着が……」
勇者「ちょっと、見せてくれないか?見るだけだから」
僧侶「で、でも……」
勇者「もし力が備わってたら、それは僧侶が神に認められている証にもなるぞ?」
僧侶「……」
勇者「頼む!」
僧侶「……あの……その……」モジモジ
勇者「なんだ?」
僧侶「せ、洗濯した分……でも、いいでしょうか……?」
勇者「今、見につけてるのが一番なんだけど」
僧侶「さ、さすがにそれは……」
勇者「じゃあ、洗濯したやつでいいよ。とりあえず見せて」
僧侶「わ、わかり、ました……」
勇者(ちょろいぜ……)
僧侶(シミとかついてないやつにしなきゃ……)トテトテ
僧侶「えーと……えーと……」ゴソゴソ
僧侶「これは少し伸びてるし……これは、汚れがとれてないし……」
僧侶「冒険しているし綺麗なショーツなんて……」オロオロ
戦士「あれ?なにやってんの?」
僧侶「あ……えと……綺麗な下着を探していて」
戦士「なに、汚れちゃったの?あたしの貸そうか?」
僧侶「い、いや、自分のでないと意味がないので」
戦士「ふーん」
僧侶「はぁ……でも、ないなぁ……」ゴソゴソ
僧侶「これ……?いや……プリントパンツだし恥ずかしい……」
僧侶「今、穿いてるのは……」モゾモゾ
僧侶「あ……一番綺麗……」
戦士「何のために下着をさがしてるの?」
僧侶「じ、実は……」
戦士「―――最強の装備?!」
僧侶「はい」
戦士「へえ……知らなかった」
僧侶「私もです」
戦士「よっし!!あたしがかぶってみるよ」
僧侶「え!?」
戦士「勇者のやつが装備できるなら、あたしでも余裕だろ」
僧侶「な、なるほど……」
戦士「パンツ、貸して」
僧侶「ちょっと待ってください……今、脱ぎます……」モゾモゾ
戦士「なんで?!!」
僧侶「綺麗なヤツがこれしかなくて」
戦士「新しいの買っておけばいいのに」
僧侶「でも、長く穿いていた下着しか駄目みたいで」
戦士「そうか……」
僧侶「では……」スルスル
僧侶「……ど、ど、どうぞ……」スッ
戦士「う、うん……」
戦士(生あったけぇ……)
僧侶「……」モジモジ
戦士「よし。かぶるぜ」
僧侶「お、おお、お願いします……」モジモジ
戦士「……」ググッ
僧侶「……」
戦士「どうだ?」
僧侶「すごく……危ない人にみえます」
戦士「そうか」
僧侶「それで装備してみてどうでしょうか?」
戦士「うーん……特になにも感じないな」
僧侶「やはり嘘なのでしょうか?」
戦士「いや、もしかしたら勇者だけにしか効力が発揮しないのかもしれない」
僧侶「と、なると……」
戦士「これを勇者に渡してみるしかないな」
僧侶「……」
戦士「んじゃいくか」
僧侶「ま、まってください!!」
戦士「なんだ?」
僧侶「今は感じないだけで戦いになれば別かもしれません」
戦士「おー。なるほどな」
僧侶「勇者様に渡す前に本当に神聖な力があるのか確かめたいのです」
戦士「どして?」
僧侶「勇者様をただの変態にしたくはありません」
戦士「そうだな。下着をかぶって戦うとかないよな」
僧侶「はい。風評もあるでしょうし、そもそもそんな下らない噂が原因で勇者様の尊厳を傷つけるわけには」
戦士「よっし。じゃ、ちょっと戦いにいくか」
僧侶「はい」
ザワザワ
「なんだ、あの人」
「パンツかぶってるぜ」
戦士「ひとめひくなー」
僧侶「は、はずしてください!!」
戦士「でも、兜だろ?」
僧侶「いやいや!!」
戦士「そっか。素顔がばれたらまずいな」
僧侶「そうです」
戦士「じゃあ……こうして……顔にかぶるようにしたら、鉄仮面みたいなるな」キリッ
ザワザワ……
戦士「いくぜー」
僧侶「やめてください!!」
兵士「まて」
戦士「ん?」
兵士「お前、なんだそれは?」
戦士「なにが?」
兵士「何がじゃない。顔につけているものだ」
戦士「最強の装備だ」
兵士「……その後ろで涙を浮かべている者の下着ではないのか?」
戦士「え?」
僧侶「はずして……」ウルウル
戦士「そうだけど?」
兵士「ちょっとこい」グイッ
戦士「わわ!!なんだよ?!」
僧侶「あぁ……」オロオロ
あれ?
僧侶ぱんつ脱いだ後、新しいの穿いたか?
兵士「なんでそんなものを顔につけている?」
戦士「だから、最強の装備なんだって」
兵士「お前、変態か?」
戦士「いや。違うけど」
兵士「とりあえず、牢屋に入ってもらうから」
戦士「なんでだよ!?」
兵士「あたりまえだろ?!」
戦士「今から、この防具の性能を試しにいくところなんだ」
兵士「それはパンツだ」
戦士「じゃあ、僧侶に聞いてみろ!!これはちゃんと許可をとって装備してるんだ!!」
兵士「……そういうことは部屋の中でやれ。往来でするな」
戦士「えー?」
女兵士「本当にあれは奪われた物ではないのですね?」
僧侶「はい」
女兵士「失礼ですが……今、下着は?」
僧侶「え、もちろ―――」スッ
女兵士「!?」
僧侶「はいてない!?」
僧侶「すいません!!お見苦しいところを!!」
女兵士「……もし乱暴をされたのであれば正直に言ってください」
僧侶「あ。えっと……違うんです」
女兵士「でも、いま……下着は……」
僧侶「ちょっと穿き忘れただけです……本当です……」アセアセ
女兵士「……」
僧侶「うぅ……」モジモジ
兵士「とりあえず入ってろ」
戦士「なんで兜を装備しただけで犯罪者なんだ……」ブツブツ
兵士「兜じゃない。それは下着だ」
戦士「だーかーらー、これは特別なんだって」
兵士「もういい」
ガチャン
戦士「こらー!!あけろー!!」
戦士「ちくしょう……」
戦士「この下着、呪われてるんじゃないのか……?」
戦士「やっぱり勇者しかだめなのかよ……」
勇者「……誰も帰ってこないな」
勇者「ったく、下着選びにどれだけの時間が……」
ガチャ
勇者「お」
賢者「勇者様」
勇者「よー。どこ行ってたんだ?」
賢者「少し町を散歩していました」
勇者「なんかあったか?」
賢者「それが……僧侶さんが変態さんと一緒に兵士に連れられていくのを目撃しました」
勇者「どういうことだ!?」
賢者「わかりません。今から僧侶さんを迎えにいきませんか?」
勇者「そうだな。なんかあったのかもしれないし、いくか」
僧侶「はぁ……」
女兵士「では、仲間だと言い張るのですね?」
僧侶「はい。大事な仲間です」
女兵士「うーむ……」
僧侶「信じてください!!おねがいします!!」
女兵士「しかしですね」
ガチャ
兵士「すいません。お知り合いという方がお見えになってます」
僧侶「え?」
勇者「おーい。なにがあったー?」
僧侶「勇者様!!!」
勇者「なにがあったんだ?」
僧侶「そ、それが―――」
戦士「暇だなー」
ガチャ
戦士「ん?」
勇者「お前!!なにやってんだ!!」
戦士「おー、たすけてー」
勇者「馬鹿か!!人前で恥ずかしいことをするな!!お前は勇者の仲間なんだぞ!!」
戦士「いや、この兜の効力を……」
勇者「それは人間の前で被ったら呪われるほど神聖な兜なんだよ!!」
戦士「なにぃ!?!?」
勇者「はやくとれ!!」
戦士「ご、ごめん……そんなことって知らなくて……」ウルウル
勇者「はやくとれって」
戦士「ごめん……ごめん……」ウルウル
兵士「ちゃんと指導してくださいね」
勇者「すいませんでした」
戦士「でした」
勇者「馬鹿やろう」
戦士「ごめんて……」
勇者「……」
戦士「どしたの?」
勇者「これ、僧侶のなんだよな?」
戦士「うん」
勇者「よし。街の外にいく」
戦士「あ、効力ためすんだな?!あたしもいくー!!」
賢者「勇者様、帰ってきませんね」
僧侶「そうですね」
賢者「……」
僧侶「どうします?」
賢者「仕方ない。探しにいきましょう」
僧侶「ですね」
賢者「……それにしても、どうしてパンツが最強装備なのですか?」
僧侶「神の加護がつくそうです」
賢者「では、私のも……?」
僧侶「……」
賢者「……」
勇者「この辺でいいな」
戦士「どうなるんだ?」
勇者「……」スーハースーハー
戦士「……なんで匂いを嗅ぐんだ?」
勇者「これをしないと呪われる」
戦士「まじか?!」
勇者「さ、いくか……よっと」ググッ
戦士「どうだ?」
勇者「ああ。パワーが漲ってくる」
戦士「すげぇ……。じゃあ、魔物と戦ってみるか?」
勇者「そうだな。やってみよう」
魔物「ガルルルル……!!!!」
勇者「きたっ!!」
魔物「ガァァァァ!!!!!」
勇者「おりゃぁぁぁ!!!!」ズバッ
魔物「ギィィ……!!」
戦士「おぉ!!」
勇者「やはり神の加護だな。この力は」
戦士「いつもとあんまり変わらないけど、でも、強いことには変わりなさそうだな」
勇者「ああ。今なら魔王を倒せそうだ」
戦士「……」
戦士(あたしも欲しい……僧侶の下着……)
僧侶「これ……一番、綺麗なやつなんですが……」
賢者「構いません」
僧侶「では……よいしょ」
賢者「……どうでしょうか?」
僧侶「やはりちょっと危ない人ですね」
賢者「では貴女にも私の下着を……」ゴソゴソ
僧侶「……」
賢者「どうぞ」スッ
僧侶「は、はい……」グッ
賢者「ふむ」
僧侶「……」
賢者「……」
>>65
勇者「さ、いくか……よっと」ググッ
勇者「パワーが漲ってくる」
ググッは何を意味するのか
僧侶「やはり効力があるのでしょうか?」
賢者「分かりません」
僧侶「うーん……」
賢者「……勇者様は使い古されているほうがいいといったのですよね?」
僧侶「はい」
賢者「なら……これからしばらく同じ下着を身につけておくのはどうでしょう?」
僧侶「え?」
賢者「すごい力が付加する可能性もあります」
僧侶「でも、どれくらいの期間ですか?」
賢者「一週間」
僧侶「そ、そんなに!?ふ、不潔では……?」
賢者「やってみましょう。もし勇者様の話が本当なら、魔王との決戦の前に人数分生成して望めば戦いが楽になるかもしれません」
僧侶「……」
賢者もアホの子だったwwwww
勇者「ただいまー」
僧侶「おかえりなさい」
賢者「勇者様。お話が」
勇者「なんだ?」
賢者「最強の兜についてですが」
勇者「な、なんだよ?」
賢者「私と僧侶様でなんとかご用意します」
勇者「え?」
僧侶「わ、私は……その……反対したんですけど……」
勇者「お前も……くれるのか?」
賢者「最強の防具ということなら」
戦士「あたしにもかっ!?」
賢者「はい」
戦士「やったー!!」
勇者(これは予想外だが……ふふ……)
勇者「じゃあ、さっそく」
賢者「駄目です」
勇者「え?」
賢者「パンツは魔王との決戦直前にお渡しします」
勇者「なんだと!?」
戦士「どうして?」
賢者「穿き潰したほうがいいと、勇者様が仰られたので」
勇者「まぁ……」
賢者「では、そのように」
戦士「でも、確かに直前のほうがいいな。魔王に情報を与えない意味でも」
賢者「はい」
僧侶「うぅ……」モジモジ
勇者(魔王戦までお預けだと……)
10分まっt
賢者「では、今日から始めますね」
勇者「あ、ああ」
僧侶「はぁ……不潔……」
戦士「でもさ。僧侶と賢者のだから2つしかできないよな?」
賢者「そうですね」
戦士「あと二つはどうすんの?」
賢者「戦士様にも協力していただきましょう」
戦士「え?あたし?」
賢者「一応、私たちでなんとか用意するつもりですが、紛失してしまう場合も考えられるので」
戦士「でも、あたしでいいのか?」
勇者「え?」
賢者「構わないでしょう。我々は勇者の一団。四人とも神のご加護をうけています。ですね?」
勇者「あ、ああ……そうだな」
賢者「ほら」
戦士「あたしでも最強の兜がつくれるのか……よっしゃー!!やるぞー!!」
翌朝
勇者「じゃあ、魔王の城にむけて出発するか」
賢者「はい」
僧侶「わかりました」
戦士「ふんふーん」
賢者「僧侶様、下着は?」
僧侶「も、もちろん変えてませんよぉ」
賢者「よろしい」
戦士「いやぁーなんかうれしいなぁ。自分の力で最強の防具がつくれるなんてなー」
賢者「ええ、全くです」
勇者「……」
勇者(一週間か……どんなパンツに仕上がるんだ……)
魔物「ガルルル!!」
戦士「おらぁー!!!」ザンッ
賢者「はっ!」ゴォォォ
魔物「ガァァ―――」
僧侶「はぁ……疲れた……」
戦士「いやーいい汗かいたぁ!」
勇者「少し休むか」
賢者「ええ」
僧侶(下着が汗でぐっしょり……)
戦士「あ、あたしトイレー」トコトコ
賢者「……」
勇者(汗をすごく吸い込んでそうだな……戦士とか……)
数日後
僧侶「あの、あの……」
賢者「はい?」
僧侶「すごく気持ち悪くなってきました……」
賢者「もう少しの辛抱ですから」
僧侶「でもぉ……」
戦士「あ……」
勇者「どうした?」
戦士「やべー……」
勇者「え?」
賢者「戦士様……?」
戦士「ま、いっか」
僧侶「え……なにがですか?」
戦士「きにすんな」
数日後
賢者「完成ですね」
僧侶「……」
戦士「すっげーにおうな!!」
勇者「……」
賢者「では、しめやかに魔王の城へ」
戦士「あれ?でも、まだあたしも含めて3つだけだぞ?いいの?」
賢者「構いません。ここで時間を浪費するほうが危険です」
僧侶「それはそうですけど……」
賢者「行きましょう」
勇者「……」
勇者(僧侶のなら大丈夫……きっと……)
魔王の城
勇者「この先にいるのか……」
賢者「では、僧侶様」
僧侶「は、はい……」
賢者「脱いでください」
僧侶「はい……んしょ……」スルスル
勇者「……」
僧侶「……えと……どうぞ……」スッ
勇者「……」
賢者「どうぞ」
戦士「あたしもぬぐかぁー」スポーン
賢者「!?」
戦士「ちょっと血なまぐさいけど我慢してー」
勇者「お前……!?」
賢者「勇者様、誰の兜を装備しますか?」
勇者「えと……」
僧侶「わ、私のを……」
戦士「あたしのもかぶってくれー」
賢者「折角ですし、三人の兜をつけてみましょうか」
勇者「ちょっとまて!!兜はひとつまでだろ!?」
賢者「布ですしいけますよ」
僧侶「かぶってください」
戦士「この前、ちょっとミスって付け忘れてて、真っ赤に染まったけど、いけるだろ」
勇者「やめろ……だいたいどうやってかぶればいいんだよ!!」
賢者「そうですね。ひとつは普通にかぶり、一つは後頭部、もう一つは顔面を守るようにつけましょう」
勇者「なに……!?」
賢者「神のご加護があるんですよね?」
勇者「あ、いや……」
賢者「折角、ここまで我慢したのですから、是非ともつけてください」
勇者「だけど……」
賢者「私たちは大丈夫です。それなりの装備がありますから」
僧侶「私たちが死んでも、勇者様が生き残れば問題ありませんから」
戦士「おう!」
勇者「いや……」
賢者「では、私のパンツを被ってもらいましょう」スッ
勇者「うっ?!」
賢者「色々と蒸れて香ばしくなっていますが、まだ綺麗なほうです」
勇者「やめ……」
賢者「よいしょ」グッ
勇者「うわぁ……生々しい……温かさが……」
僧侶「で、では……私のは……」モジモジ
賢者「後頭部にでもつけておきましょう。後頭部は人体にとって急所になりえる場所です。最強の兜で覆いましょう」
僧侶「わ、わかりました」
勇者「ひぃ……」
僧侶「よっと……」グッ
勇者「……」
賢者「では、最後に」
戦士「あたしだな!!」
勇者「それはまずい……」
戦士「いけるって、ちょっと血なまぐさいだけで」
勇者「それがやばいんだろ!?」
賢者「では、つけましょう」
勇者「やめろ!!」
戦士「まぁまぁ」ガシッ
勇者「!?」
僧侶「つけましょう」
賢者「戦士様。お願いします」
戦士「おーす」
勇者「うわ―――」
お客様の中に、装備後を描ける方は!?
ギィィィ……
魔王「ふふ……ついにきた―――ん!?」
勇者「……」フラフラ
魔王「え……なに、怖い」
戦士「どうだー!!びびったかー!!」
賢者「究極の防具を装備した勇者様です」
僧侶「……股がスースーする……」モジモジ
魔王「な、なんだ……その……面妖な姿は……?」
勇者「……」フラフラ
魔王「まぁ、よい……。我にはどんな小細工もきかん」
賢者「やってみないとわかりません!!」
戦士「いっくぜー!!」
僧侶「……」モジモジ
勇者「うぇ……」
魔王「こいっ!!!」
魔王は様子を見ている(3人ともノーパン・・・だと!?)
魔王は様子を見ている(見え・・・)
魔王は様子を(ry
勇者「」バタッ
僧侶「勇者様!?」
勇者「……」
僧侶「勇者様!!しっかり!!」ユサユサ
戦士「どうした!?」
僧侶「まさか……呪い……?」
戦士「そんな馬鹿な!?」
魔王「お、おい……大丈夫か?」
賢者「やりますね。まさか、威圧だけで勇者様を気絶させるとは」
魔王「え?」
戦士「おまえかぁー!!」
僧侶「勇者さまー!!!」ユサユサ
魔王「いや……我、なにもしてないけど……」
賢者「……勇者様……」スッ
僧侶「まさか勇者様から戦えなくなるなんて……」
戦士「くそぉ……!!」
魔王「ま、まぁ、よい。こちらにしても好都合だ」
賢者「……」ブンブン
魔王「ん?」
賢者「戦士の下着ー」ブンッ
魔王「え?」
ベチャ
魔王「……」
戦士「お、おい!!魔王に防具を投げてどうするんだ!!!」
僧侶「そ、そうですよ!!」
賢者「まぁまぁ。うまく顔にヒットしましたから、大丈夫です」
戦士「ほんとか……?」
魔王「……」プルプル
魔王「こ、これは……」プルプル
魔王「……がふっ!?」
僧侶「!?」
戦士「どうなってんだ!?」
賢者「神の加護が付与された神聖な物。邪の者が触れれば浄化される。当然のことです」
戦士「あたしのパンツ……すげーな……」ゴクリッ
魔王「くそ!!」ポイッ
魔王「ふざけおって……!!!」
僧侶「あぁ……でも、倒すまではいきません……」
賢者「では……僧侶の下着ー」ポイッ
魔王「やめろぉ!!」ペシン
賢者「……」
魔王「許さん!!ひねりつぶしてくれるわぁ!!!」
戦士「きた!!」
賢者「……私がなんとかします。みなさんは時間稼ぎを」
⌒ ヾ 、ミ川川川彡
r/ ̄ ̄ ̄ ̄ヽ、 ヽ ミ 彡
/. ノ( (゚ッ)/  ̄ ̄~ヽ ヾ 三 こ 駄 三
/ ⌒ ト、.,.. \丶。 三 ら め 三
彳、_ | ∴\ ヽ 三. え だ 三
| ) r‐ / ノ( \\ |∴ 三 る 三
| ⌒|⌒ ヽ ヽ | 。o 三. ん ま 三
ノ( / | | / 三. だ だ 三,.
.⌒ / ヽ|/゙U 三 吐 三
/ u 三. く 三
三 な 三
彡 ミ
彡川川川ミ.
戦士「おりゃー!!」
魔王「ぬえぇい!!!」
僧侶「やぁー!!」
賢者「……」トコトコ
賢者「よいしょ」スッ
賢者「くさ……」
賢者「では……」タタタッ
魔王「ふん!!」グワッ
戦士「ぐぁ!?」
僧侶「きゃぁ!?」
魔王「ふははは!!!弱いな!!!」
賢者「―――くらえ!!!」ガバッ
魔王「!?!?!?」
賢者「最強の兜の匂い……どうですか?」
魔王「オォォ……ォォォォ……」プルプル
,, -―-、
/ ヽ
/ ̄ ̄/ /i⌒ヽ、| オエーー!!!!
/ (゜)/ / /
/ ト、.,../ ,ー-、
=彳 \\‘゚。、` ヽ。、o
/ \\゚。、。、o
/ /⌒ ヽ ヽU o
│ │ U :l
|:!
U
魔王「く……我は……」フラフラ
賢者「えい」ポコッ
魔王「……」ズゥゥゥン
魔王「うろろっ……!!!オロロッ!!!!」ビチャビチャ
魔王「ふぅ……ぅ……」
魔王「……」
戦士「どうなった……?」
賢者「魂が神の浄化に耐えられなかったのでしょう」
僧侶「ということは……」
賢者「私たちの勝ちです」
戦士「よっしゃー!!!!」
賢者「では、祖国へ報告しにいきましょう」
戦士「おう!!」
僧侶「勇者様おきてください」ユサユサ
勇者「うぅ……」
王「おお!!勇者よ!!見事な働きであった!!」
勇者「……」
王「褒美をとらせよう!!」
賢者「ありがとうございます」
王「して、あの魔王をどのようにして倒したのだ?」
戦士「聖なる力ですよ」
王「ほう?武器か?」
賢者「いえ。防具です」
王「それはすばらしいな」
賢者「しかも、大量に作れます」
王「なに?!それはいい!!是非ともこの国の特産品に加えたい!!」
勇者「え」
賢者「しかし……」
戦士「あたしはいいぜ!!」
王「では、早速準備にとりかかろう!!」
旅人「こうして勇者の生まれ育った王国には不思議な特産品が生まれたんだ」
「へー、それってどんな?」
旅人「これだ」
「下着?!」
旅人「匂いをかいでみな」
「……うっ?!なんだ、この……なんだぁ?!」
旅人「500でどうだ?」
「いるか!!」
旅人「……」
旅人「……だよな」
旅人「こんな血なまぐさい下着……だれが買うんだ……王様のバカ野郎……」トボトボ
旅人「冒険してたときが懐かしい……」
おしまい。
このSSまとめへのコメント
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