陽乃「いやあ、幽体離脱するとは思わなかったなあ」 (17)

陽乃「戻れるのかな、これ。まあいっか」

陽乃「……とりあれず雪乃ちゃんでも脅かしに行ってみよ。霊感なさそうだけど」

陽乃「ぷかぷか浮いてたらあっという間だね」

雪乃「……」

陽乃「ひゃっはろー!」

雪乃「……」

陽乃「やっぱり気づかないか」

陽乃「さわるのも無理かな」ズズ

陽乃「あれ?中に入れる」

雪乃「ぁ……な、なに……これ」

陽乃「ふーん、なんか面白そう。お邪魔しまーす」ズズズ


雪乃「あはは、ほんとに雪乃ちゃんに入れちゃった」

雪乃「へー、ふーん。体が軽いなあ」

雪乃「これ、雪乃ちゃんの意識どうなってるんだろ。ま、気にしてもしょうがないか」

雪乃「さーて、なにしようかなー」フフフ

比企谷「……お前、そういう凶悪そうな笑い方似合うな」

雪乃「あれ、比企谷君。いつからいたの?」

比企谷「ついさっきだよ」

雪乃「あらそう。そんなところに突っ立っていないで、早く入ったらどうかしら。いえ、入って、寒いから」

雪乃「それとも、そこで立っていたいのなら、バケツを用意するべきだと思うのだけれど」

比企谷「へいへい。入りますよ」

雪乃(うん、ばれる様子はない)

雪乃「由比ヶ浜さんは?」

比企谷「遅れてくるんだろ。クラスで話してたし」

雪乃「そう」ピッ

雪乃(今日は部活は休みにします、と。送信)

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