ハルヒ「牙狼?」 (47)

キョン「ああ」

ハルヒ「特撮物ねぇ」

キョン「面白いぞ。お前も長門からDVDBOXを貸してもらえ」

ハルヒ「いいわよそんな子供じゃあるまいし。じゃあ今日の部活は解散!」

下校時


ハルヒ「でもキョンも子供ね。高校生にもなって特撮ものにはまるなん・・・?」
    (うわっ、最悪。家までの道にパチンコ家が出来てる。なんか変なにおいがするし、おっさんがいるしで最悪なのよね。パチンコ屋って)

その時ハルヒの見た看板には牙狼の大きな看板が

ハルヒ(へぇ~、牙狼ってパチンコになってるんだ。確かパチンコって人気のあるアニメとか漫画とかもテーマにしてるのよね。意外と人気があるのかしら)

土曜日

ハルヒはちょっとした興味から牙狼を見てみようと思ったが、部活中に牙狼をディスったことで長門の怒りをかい、借りることが出来なかった。

ハルヒ「なによ!そんなにユキもそんなに怒らなくたっていいのに!」
    (そういえば・・・パチンコって確かいろんな映像とかが見れるのよね。確か)

ハルヒ「・・・・」

ハルヒ「ちょっとだけ見に行ってみようかしら」

※パチンコは18歳以上から


ハルヒは表面的にパチンコを嫌っていたが、多くの人がはまって社会問題にもなっているほど射幸心をあおるものに潜在的に興味をもっていたのである。

最初にハルヒはまずパチンコについて図書館のインターネット端末で調べることにした。
最近のパチンコ遊戯とは

お金と銀色の球とを交換し、球を打ち出す。
大当たりすると大当たりようの演出が見れて、球がいっぱい出てくる。
球をいろんな商品と交換できる。(お金含む)


おおざっぱにこんな感じである。

球がヘソと呼ばれるところに入ると抽選が行われ、当たりはずれを判別してくれるのだが
当たる確率が1/100~1/400といろいろあり、大当たりしにくいものほどたくさん球が出てきてお金が増える。
大当たりしやすいものは球があんまり出てこない。


この程度の認識でハルヒは最近できたパチンコ屋に行ってみることにした。
お年玉貯金の2万円をに財布に入れて。

ハルヒ(あいかわらずすごい煙草の匂い!それに何この大きな音!頭がわれそう!)


店に入ったハルヒを待ち受けていたのはまずものすごい煙草の匂い。
そして騒音であった。

煙草はともかくとして、大きな音と派手な光で人間の判断力を著しく奪っているのだ。

ハルヒ(ええっと、牙狼、牙狼っと。あった)

ライトがフルのただの確率調整版で失望した。

500までハマってもっと失望した。

ハルヒ(1/399.6・・・マックスタイプってやつね)

ハルヒは恐る恐る一万円を投入し、貸球ボタンを押した。
すると500円と引き換えに125個の銀色の球が出てきた。


ハルヒ(これで、ハンドルを少し回す・・・と)

銀色の球はほとんどヘソに入らずこぼれていく。
この店はオープンしたてでおおよそ125個につき、9個~10個程度入るようだ。

>>11
大当たり計16回引いて4万勝ったわ。やっぱり牙狼は最高やで!

ハルヒ(何これ・・・全然楽しくない)

ハルヒを待ち受けていたのは、ただただ球がヘソに入るたびに変な男たちがコメントを言いながら、数字がはずれていくだけという退屈な時間だった。
1000円がなくなったときハルヒは思った。帰ろうと。

ここで帰ることが出来た人間は幸いにもパチンコにはまることなくつまらないものという認識で一生を有意義に過ごせたことだろう。

球がヘソに入るたびに画面に△印が出てきて、△印一回につき、一回なんらかの演出をする。

ただ、それも短いもので、アニメがらのキャラクターが出てきてはしゃべって消えていくだけだった。

ハルヒは最後の球を打ち出し、席を立とうとした。

するとその時、最後の保留に空から大きな金色の剣が降ってきて△にささったのである。
後に知ることだが、降ってきた剣は牙狼斬馬剣といい、それだけで超激アツである。

※激アツとはパチンコ用語で大当たりになる可能性が高いこと
 何故か当たりそうな感じを熱いと言う。

ハルヒ(そういえば、牙狼がなんなのか全然わかんなかったな。せめてこの変な△がなくなるまでは見て帰ろう)

そう思ってハルヒは席を立つ準備をしながら、画面を見ていた。
前に3つあった△もすぐなくなり最後はあの剣のささった△を残すのみになった。

ハルヒ(他の△と違うってことは、何かしら意味があるんじゃないかしら・・・)


そう思ったハルヒの目に映ったのは8の数字が左右そろってリーチになるところだった。
そして音楽が代わり真ん中の数字が流れる。

ハルヒ(あぁ、これさっき見たやつだわ。どうせ5とか6がきてはずれね)

とくに何もなく終わろうとしたそのとき、席を立とうとしたハルヒの目に映ったのは、画面いっぱい習字のような字体で書かれた継続!の二文字。

ハルヒ(ん?終わらないの?)

まんなかに7がきて左下から円盤のようなものが出てきて回転し、牙狼らしき金色の戦士が画面に向かって飛んできてこちらにむかってパンチした。
それと同時に赤い牙狼が画面いっぱいに映る。

ハルヒ(なんかいままでと違う??)

牙狼とハルヒのクロススレかと思いきやパチンコスレかよ

さらにもう一度まったく同じ演出を繰り返し、さらにもう一度左右に8がそろう。

そして、この特撮の主人公らしき男が剣を振り上げ何かポージングをはじめた。
そして画面にはコンロを押せ!との文字が出ている。

牙狼の台の左下には大きなコンロが付いており、ハルヒは恐る恐るそれを押してみた。

>>21
ハルヒパチンコになるらしいよ


けたたましい音をたてて金色のライオンのような顔が画面いっぱいに降りてきた。
ハルヒは思わず驚いてコンロから手を離した。

ハルヒ(もしかして当たった?のかしら)

http://www.youtube.com/watch?v=G6icYsBSpp4
参考動画はこれの1分10秒頃から

画面には大きな金色の怪物が出てきて

牙狼の仲間?っぽい奴からこいつはとんでもない奴がきたもんだ!との声が。
牙狼の称号にかけて奴をとめる!

ハルヒ(なるほど。こいつを倒せば大当たりってわけね!)

ハルヒには疑似連の意味も激アツ保留の意味もわからなかったが、とりあえず怪物と戦って倒せば当たりそうというわかりやすさに少し興奮してきたようだった)

空を飛んで大きな金色の怪物と戦う牙狼


先ほどの仲間が叫ぶ

コウガ!遠慮は不要だ!全力でいけぇ!

ハルヒ(主人公の名前はコウガっていうのね!頑張れコウガ!)

すると怪物が吐いた光線弾にぶつかり悶絶しながらあっさり空から落ちる牙狼

ハルヒ(なんだ・・・つまんないの。やっぱりパチンコって面白くないわね)

すると落ちながら謎の怪物の後押しを受け、牙狼が復活し、大きな剣を持って牙狼が叫ぶ!

受けろ!我が金色の一閃!

そして画面いっぱいに虹色の雷とともに超イデアを撃破せよ!の文字が!

ハルヒ(この怪物は超イデアっていうのね!いけ!牙狼!超イデアを倒せ!)

なんというパチンカススレ
ハルヒがパチ化とかいつからある話よ

そして超イデアとぶつかる牙狼。画面には先ほどの押せ!の文字が。

今度はハルヒはしっかりコンロを手に握って押し込んだ。

神々しい音楽とともに降りてくる大きなライオンの顔。牙狼は超イデアを倒したのである。
そしてなんやかんやあって銀色の球がたくさん出てきてあっというまにハルヒの持っていた箱をいっぱいにした。

>>28
来年サンキョーから出るよ、確かもう確定してる。


ハルヒは何もわからないまま、画面の指示にしたがって右打ちし、コンロを繰り返し押し込み、その振動が癖になるころ10:50分となり閉店になった。

ハルヒが後ろにつみあげた箱数は莫大なもので、その銀色の球数は8万発にものぼった。
実に現金に換算すると32万円であった。

親に友達の家に泊まると言ってて良かった。
ハルヒは心からそう思った。タバコ臭い服。もうこれは買い直さないととれないだろう。
でもパチンコ屋に来るように捨ててもいい服を着てきたし、それにもっといい服が買える。

それにしても牙狼ってかっこよかったなぁ。ユキに謝らないと。
そう思いながらハルヒはスーパー銭湯に行き、漫画喫茶で一晩過ごした。

ハルヒがパチンコになるって何年も前からあるな

牙狼って原作は昭和の作品なの?

それからというもの、ハルヒは毎日学校から帰る前にいらないジャージに着替えてパチンコ屋にいった。
牙狼を見るためという理由はもうどこかに消えていた。

パチンコをうつためにパチンコで勝ったお金を投入し、最初の勝ち金はとうに無くなり、お小遣いをパチンコに充て、体からは常に煙草の匂いがしていた。

>>33
いや、来年確かサンキョーの第一弾はCR涼みやハルヒの憂鬱、マックスバージョンだったと思うが

>>34
最近のものだ。普通に面白い。映画になったりする。
俺はこれうってパチンコにはまった。初日に16万近く勝たなければやらなかったのに。
と今でも悔やむよ。もう止められない。行く頻度を落とすのが限界。

友達づきあいはなくなり、部活の時間がもったいなくて部活解散。

最初は等価で20近く回るという大サービスだった釘も、回収期間に入り今はせいぜい15~16回。
ハルヒのお年玉貯金も底をつき、親から金をせびり、財布から勝手に金を抜き、友達からは借金した。

キョン「いいが、何に使うんだ?この金」

ハルヒ「お願いキョン!どうしても必要なの!明日すぐ返すわ!」

そういって元SOSメンバーから金を借りては牙狼をうった。
マックスタイプなどという基地外なスペックでは勝ち続けることなどできない。
まして鬼釘である。

ハルヒは負けに負けた。ブルセラショップに下着を売ったりもしたが、なにぶん元手がかかる。
お金がないとパチンコが出来ない!

ハルヒは高校卒業と同時に就職することに決めた。お金が必要なのだ。

普通の就職をすればその時間牙狼は打てない。
パチンコは法律で11時までである。

それなら夜だけ働くものをすればいい。
ハルヒはキャバ嬢になった。

朝まで働き、昼まで寝て、夜までパチンコをうつ生活が続いた。
容姿にすぐれているので何人かのパトロンにマンションや車を買ってもらい、もらったお小遣いでパチンコを打った。

幸せな生活が続いた。

10年後

>>43
男に媚びることなんて、許さなかったプライドはもうなかった。
パチンコさえ打てれば幸せなのだ。

しだいに牙狼だけでなく、仮面ライダーV3やウルトラマンタロウなど他の台もうつようになった。
楽しかった。

エヴァンゲリオンやひぐらしなどアニメの台も打った。
ひぐらしの加速装置のでき具合に感動した。

鉄建は糞台だった。

気づけばハルヒは30歳になっていた。
まだまだ若い。肌は劣化してきたものの、その容姿で虜にできる男はまだまだいる。

ふと将来に不安がよぎることもある。
でもそんな不安もパチンコを打っている間は忘れられた。

そんな時久しぶりにキョンにあった。

ハルヒ「キョン・・・よね?」

キョン「!ハルヒか。久しぶりだな・・・高校卒業して以来か?」

街中であった偶然にハルヒの胸はときめいた。
もともと高校時代はキョンが好きだったのだと思いだした。

在学中もパチンコに通うことに忙しく、高校生活の後半はほとんど話すことはなかった。

ハルヒ「キョン!久しぶり!今どうしてるの?」

このSSまとめへのコメント

1 :  SS好きの774さん   2016年04月22日 (金) 22:19:41   ID: CP-xft-6

ハルヒ登場人物のキャラもずさんならガロパチの描写もずさんだなおい
▽保留ならわかるが保4で剣刺さらないだろ

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