伊織「今！今私のレバーがうんたらかんたらって言ったでしょ！」

P「レバー？レバーってあのレバーだよな？最近食べてないなぁ」

伊織「誤魔化さないでよ！あ、アンタ言っていい事と悪いことの区別もつかないの！？この変態！」

P「ど、どうしたんだ伊織？急に怒ったりして…」

伊織「あ、あ、アンタが変な事言うからいけないんでしょ？！」

P「だから、俺が何を言ったんだ？ついさっきも聞いてきただろ」

伊織「～～～～っ！！」

P「昨日嫌な事でもあったのか？律子に相談し辛いなら何時でも相談に乗るからな。なんたって俺は765のプロデューサーだからな」

伊織「……はぁ、向こうで休んでるから今度何か言ったらぶつからね｣ｽﾀｽﾀ

P「……いおりんのレバーをいおりんに見せて顔真っ赤にしてるところで丸呑みしていおりんのなら汚くないよって言って殴られたいなぁ」

伊織「いい加減にしなさいよ！」

P「へ？」

P「もしかして、さっきのか？」

伊織「なに澄ました顔してんのよ！警察呼ぶわよ！」

P「……なぁ伊織」

伊織「な、なによ…」

P「最近仕事が忙しいんだろ？幻聴が聴こえる程頑張るのはいいが無理だけはするなよ」

伊織「あ、アンタ頭大丈夫なの…？」

P「伊織…」

伊織「ちょっ、ち、近いから…は、離れなさいよ」

P「俺は伊織が心配なんだよ。まだ幼いのに竜宮小町のリーダーをやって毎日遅くまで仕事してさ…」

伊織「だ、だから近いって言ってんでしょ！」

P「……｣ﾁｭｯ

伊織「さりげなくおでこにキスすんなー！｣ﾌﾞﾝｯ

P「アイドルが暴力はいけないぞ伊織｣ｻｯ

伊織「………は、早く始末書仕上げなさいよこの無能変態痴漢プロデューサー！」

P「酷い言われようだな…」

伊織「ちょっと小鳥！」

小鳥「はいはい、どうしたの伊織ちゃん」

伊織「どうしたもこうしたも無いわよ！あのバカをどうにかして」

小鳥「プロデューサーさんを？さっきのですか？」

伊織「そうよ！あいつが近くに居るだけで精神がガリガリ削られるから休むに休めないの」

小鳥「はぁ……プロデューサーさん｣ｽﾀｽﾀ

P「どうしたんですか音無さん？」

小鳥「あのぉ、さっきのやり取りなんですけど、伊織ちゃんの方が嫌がっ

P「音無さん、ちょっとここじゃなんなんで場所を変えましょうか」

小鳥「？は、はい…」

P「じゃあ伊織、ちょっと留守にするから待っててくれよ」

伊織「……」

P「無視か…じゃあ行ってきます」

ﾊﾞﾀﾝ

伊織「まったく、何が私のレバーを食べたいなぁ～よ頭おかしいんじゃないの」

伊織「はぁ…昔は今よりマシだったのに何があいつを変えちゃったのかしら」

伊織「……まだ私があいつの側で頑張ってた時よね」

伊織「………後悔はしてないわ、だって私は今の

「ぴぃいぃぃいよおぉぉおぉ！」

伊織「！？な、なに？」

ｶﾞﾁｬ

P「普段は音無なのにあの時だけは音有になるなんて可愛いなぁ」

伊織「ちょ、ちょっと、何があったの？」

P「大人の接待だ。まだ子供の伊織には早すぎるよ」

伊織「……っ！！」

P「顔真っ赤にしちゃって、おませだなぁ伊織は」

伊織「ううっ、うるさいうるさいうるさーい！」

伊織「……(あれから10分くらい経ったのかしら)｣ﾁﾗｯ

P「音無さん、コピー取りたいのでコピー機の電源入れてくれませんか？」

小鳥「はい！」

伊織「……(小鳥の態度と言うか仕事に対する姿勢がさっきと違うじゃない。なんであんなにキビキビしてるのかしら)」

伊織「……(それになんだか顔に張りがあるって言うか…ま、まさかね。だって事務所の外でなんてあり得ないわよ)」

P「なぁ伊織」

伊織「えっ？！な、なによ急に」

P「じっとしてたら喉乾くだろ？飲み物買ってこいよお金渡すから」

伊織「……喉が乾いたら冷蔵庫の物飲むから必要無いわ。アンタは仕事に集中してなさい」

P「そ、そうか…わかった」

伊織「も～、律子のやつ何時まで待たせるのよぉ」

P「ははは、まだ時間になってないだろ？」

伊織「ちょっと、何勝手にソファーに座ってんのよ」

P「あっ、いけなかったのか？悪い今どくから」

伊織「別に悪いとは言ってないでしょ？それより始末書整理は終わったの？」

P「もう少しかな、キリがいいから休憩とろうかなと思ってな」

伊織「……ねぇ、皆は今日来ないの？」

P「響と貴音しか来ないぞ、なんせ仕事が無いからな」

伊織「笑って言える事なの？社長も社長だけどアンタももうちょっと頑張って仕事とって来なさいよ」

P「ケツが痛くてな」

伊織「はぁ？」

P「いや、なんでもないよ…」

伊織「？？？」

P「なぁ伊織、覚えてるか？」

伊織「……何をよ」

P「伊織が竜宮小町のリーダーになる事が決まった時だよ。お前が、皆には律子の口から知らされるだろうけど俺には先に知ってて欲しいって俺を呼び出したよな」

伊織「あぁ、あったわねそんな事…すっかり忘れてた」

P「最初に伊織が俺に謝ってきたよなぁ、我儘言ってごめんなさいって」

伊織「ま、まぁ一応、昔のアンタには良くして貰ってたんだし当然でしょ」

P「そしたらさ、急に泣き出して」

伊織「……なんで覚えてんのよ」

P「忘れないさ、伊織をトップアイドルにしてみせるって約束したんだぞ？まぁ結果は俺の力不足で伊織と離れる事になってしまったんだけどさ」

伊織「ふ～ん、私はアンタから離れて正解だったけどね」

P「まぁなぁ、現に伊織達は売れっ子アイドルグループ候補生になってるんだし」

伊織「候補生じゃなくて売れっ子よ売れっ子」

P「あはは、そうだったな、すまん」

伊織「……ねぇ」

P「ん？どうした」

伊織「あ、アンタは……さ」

伊織「アンタはどう思ってるの？」

P「どう思ってるって、何をだ？」

伊織「私がアンタの側を離れて…今の私を見てアンタはどう思ってるの」

P「……嬉しいさ、けど悔しいかな」

伊織「悔しい？」

P「あぁ、俺がどんなにケツを犠牲にして頑張っても伊織を輝かせる事は出来なかったのに……律子はあっという間に伊織を輝かせた…悔しいさ」

伊織「……あの時、無理矢理引きとめようとは思わなかったの？」

P「それは思ってない」

伊織「そ、即答なのね…」

P「当たり前さ、あの時の伊織の決意を曲げるなんてプロデューサーである俺がして良い事じゃない。だからあの時伊織の背中を押せた事を誇りに思うよ」

伊織「……何キザなセリフ言ってんのよ変態」

P「そ、それは褒めてるのか？」

伊織「アンタがそう思いたいなら思いなさい」

P「……」

伊織「まっ、私は今の方がずっと幸せだけどね。ファンの皆に応援されて努力が結果に現れてくれる今の方が」

P「そっか…」

伊織「………」

伊織「けど、ありがと」

P「ん？」

伊織「あの時、ずっと迷ってた私の背中を押してくれてありがとって言ってんのよ」

伊織「アンタが居なかったらきっと迷ったままだった……だから」

伊織「私はアンタのアイドルでよか ｶﾞﾁｬ

律子「おはようございます。あっ、伊織？そろそろ時間だから準備しときなさいよ～？」

P「おっ、おはよう律子」

律子「おはようございます、今日は皆、来ないんですか？」

P「いやぁそれがさぁ」

伊織「………はぁ、タイミング悪すぎ」

伊織「……よし」

律子「準備終わったの？じゃあ行くわよ」

小鳥「気を付けて行ってきてくださいね～」

P「律子、伊織を頼むぞ」

伊織「逆でしょ逆！」

律子「はははは、じゃあ行ってきますね」

ﾊﾞﾀﾝ

P「……」

小鳥「あのぉ、ま、また二人きりになっちゃいましたね」

P「はい？」

小鳥「プロデューサーさん……その、ま、またセッ

P「調子にのんなよ」

小鳥「ぴ！？」

P「あれは伊織と二人で話しやすい環境を作り上げる為に仕方なくやっただけだ、お前に対してなんの感情も持ってないし持とうとも思ってないからな」

P「……さっ、仕事に戻りましょうか」

ｶﾞﾁｬ

響「はいさーい！」

P「はくさーい」

響「白菜ってなんだよぉ、はいさーいだぞ」

P「響のほーみーみしれー」

響「うがー！急に何言い出すんだプロデューサー！ツッコミが追いつかないぞー」

P「……本気だよ、俺は嘘が嫌いって響が一番知ってるだろ？」

響「うっ…だ、駄目だよプロデューサー、自分、それは出来ないぞ」

P「響…かなさんどー」

響「ぷ、プロデューサー…」

P「……ひび

ｶﾞﾁｬ

貴音「おはようございます」

P「……ﾁｯ」

貴音「？どうしたのですか」

響「貴音ー、助けて欲しいぞー！」

貴音「響、そんなに慌ててどうしたのですか？」

P「……ﾁｯ」

貴音「あの、プロデューサー？」

P「空気読めなさすぎ、お尻大き過ぎ、可愛すぎ」

貴音「は、はぁ…」

P「……ﾁｯ」

貴音「………｣ｳﾙｳﾙ

響「あー！なに貴音を泣かせてるんだプロデューサー！許せないぞ！」

P「響、渡したい物が有るんだ…」

響「うぅ、また自分を使って遊ぶつもりなんだな」

P「遊ぶ？俺はさっきも本気だったんだけどな」

響「はいはい……それで、自分に渡したい物ってなんなんだ？」

P「受け取ってくれるんだな…これだよ｣ｽｯ

響「ん～？なんだこれ」

P「しょぉぉう、しゅぅうぅう、りっきぃいぃぃ(美声)」

響「うわーん！｣ﾀｯﾀｯﾀ

P「ははは、響はなんかこう、可愛すぎてつい意地悪したくなっちゃうな……ん？」

貴音「……｣ｳﾙｳﾙ

P「花粉症？」

貴音「……っ」ﾀｯﾀｯﾀ

P「……(やり過ぎたな、ちょっと度が過ぎちゃったよ)」

響「……自分、臭くないぞ｣ｽﾞｰﾝ

貴音「……｣ｽﾞｰﾝ

P「仕事が有るって言うのにこのテンションの低さは……プロデューサー失格じゃないか」

P「それに、頑張って取ってきた貴重な仕事を失敗させるわけにはいかないし…よし、彼女達のテンションを上げないと」

P「なぁ響」

響「……」

P「が、ガムでも噛むか？」

響「口も臭いって言いたいの…」

P「えっ？！」

響「自分！ここに来る前にちゃんと歯磨きしてきたさー！」

P「えっ、あ、あの…」

響「プロデューサーなんて大っ嫌いだぞ！」

P「……｣ｽﾞｰﾝ

小鳥「プロデューサーさん、大丈夫ですか？」

P「ひ、響に…響に嫌われっ、だ、大嫌いって…」

小鳥「時間を置いて謝ればいいじゃないですか…はい、お茶です｣ｺﾄﾘ

P「……ありがとうございます」

小鳥「それと、さっきからずーっとプロデューサーさんを見てるんですけどほっといて大丈夫なんですか？」

P「えっ？……あっ」

貴音「……」

P「ひ、響に嫌われたのがショック過ぎて忘れてた…」

貴音「忘っ……」

P「た、たか

貴音「私に、私に話しかけないでください」

P「……」

P「……｣ｽﾞｰﾝ

小鳥「あの…」

P「響の、響との仲を早く元に戻さないと…」

小鳥「響ちゃんだけなんですね」

P「……｣ﾁﾗｯ

貴音「……」

P「そうですね、今週から始まるラジオ番組ゲッターヒビキの収録を必ず成功させたいですから」

貴音「あぁ……ぁっ、ぁ…」

響「貴音、気にしちゃいけないぞ」

P「貴音はですね……えぇ、はい」

小鳥「な、なんなんですかその曖昧な答えは」

P「響…」

響「なぁ貴音、今日の収録なんだけどさ」

P「なぁ響」

響「絶対成功させて自分達の名前を多くの人に知ってもらうんだ！だから自分、何時もより頑張るぞ」

P「……響」

貴音「そうですね」

P「……無視か」

響「久しぶりの長期の仕事みたいだから頑張るぞー！」

P「じゃあ今から響の事、音無さんみたく苗字で呼ぶからな」

響「えっ…」

P「キョウハガンバロウナ、ガナハ」

響「ちょ、ちょっとプロデューサー」

P「頑張ろうな……ガナハ」

P「……」

貴音「……」

P「さっきは、すまなかった…自分のちょっとした嫌がらせで貴音の事を傷付けてしまった」

貴音「えぇ、分かっています」

P「そっか…じゃあ許し

貴音「許しませんよ」

P「……」

貴音「私の呼び名を変えたければ変えてください、それでプロデューサーの気が済むのであればどうぞ」

P「た、貴音…」

貴音「そろそろお仕事の時間なのでしょう？響と一緒に駐車場で待っています。行きましょう、響」

響「う、うん…｣ｶﾞﾁｬ

ﾊﾞﾀﾝ

P「………助けてくれ、伊織」