ほむら「お願いします」

さやか「ちょ、ちょっと待ってよ。何？まどかに喋らないで、って何の話？」

ほむら「まどかが円環の理だった事や、私がそれを奪った事や、出来れば魔法少女絡みの事全てコミコミでまどかには話さないでいてもらえませんか」

さやか「あ、あー……そういうことね。理解理解」

ほむら「お願いします」

さやか「お願いしますって言われても……。あ、あのさ、とりあえずそれ、その感じやめてもらえないかな？」

さやか「アンタにそういう態度されるとなんかこう、やり辛いっていうか……」

ほむら「お願い。まどかには何も喋らないで」

さやか「って事はつまり、あたしが喋ったらまどかの記憶は全部蘇ってしかも円環の理に戻るってコトかな？」

ほむら「そうよ。今あなたにわざわざ話したのは、あなたがそれと知らずにまどかに喋ってしまって全て元通りにされては困るからよ」

さやか「なるほどねえ。でもさあ、アンタに頼まれてあたしがハイわかりましたって言うと思う？」

さやか「……」

ほむら「お願い……」

さやか「……あたしとしてはさぁ、立場上アンタとは敵対しちゃってるわけだしさぁ」

さやか「むしろまどかの記憶が戻るならそれを止める理由なんてないわけじゃん？」

ほむら「そうね。これは私の勝手な都合よ。それをあなたに無理強いしてるに過ぎないわ」

さやか「そりゃまぁ、ね？今の生活も悪くないとは思うけどやっぱりアンタが支配する世界ってのもどうなのそれ？とは思ってるわけでしてねえ」

さやか「アンタにだけ都合が良いお願いを頼むってのは筋違いじゃない？」

ほむら「……対価を支払わないとは言ってないわ」

さやか「と言うと？」

ほむら「何でもするわ」

さやか「今『何でも』って言ったね？」

ほむら「ええ、今の私ならインキュベーター程ではないけど大抵の望みなら実現できるはずよ」

さやか「ふーん。そっかー。そうなんだぁー」

ほむら「何ならまた土下座でもするわよ。靴を舐めろと言われても従うわ」

さやか「あーそういうのいいから。別にアンタに土下座とかされても私は何の得もしないし」

ほむら「じゃあどうするの？あなたは私に何を求めるの？」

さやか「ん、じゃあとりあえず脱いでみよっか」

ほむら「……？脱ぐ？」

さやか「いや、だからここで服脱いで裸になってみなって事」

ほむら「……」

ほむら「……」

ほむら「……」

ほむら「えっ」

さやか「えっ、じゃないでしょ。何でもするって言ったのはアンタじゃん？」

ほむら「……そうね。確かにそう言ったわ」

ほむら「わかったわ。脱ぐから向こう向いててもらっていいかしら？」

さやか「いやいや何言ってんの。脱ぐところ見ないでどーすんのさ。ほらー早く脱ぎなよー」

ほむら「……」盾ｶﾁｯ

>>8の時間

さやか「アンタにだけ都合が良いお願いを頼むってのは筋違いじゃない？」

ほむら「そうね。あなたの言う通りだわ」

ほむら「なら、対価として私もあなたの言う事を何でもきくわ」

ほむら「……いやらしい事以外なら」

さやか「は？いやらしい事……？」

ほむら「裸になれとかそういうの以外なら何でもするわ」

さやか「いや、何言ってんのアンタ。何その前提。私がアンタに裸になれとか言うとでも？」

ほむら「……一応言っておいただけよ」

さやか「ま、でも『何でも』、か。ふぅーん」

さやか「じゃあさ、10兆円用意してよ」

ほむら「……」

さやか「ん？どした？早く10兆円ちょーだい」ﾎﾚﾎﾚ

ほむら「さすがにそれは無理よ。そんな巨額を魔法で調達したらどうなるかわかっているの？」

さやか「どーなんの？」

ほむら「まず私がどこかから10兆円を調達したとする。そのぶんどこかから10兆円が失われる事になるから市場は混乱するでしょう？」

ほむら「仮に新たに10兆円を生み出してもそれはそれでインフレになるから経済が混乱するわ」

ほむら「その結果、日本は混乱してまどかの家の家計にも悪影響を及ぼしかねない。それじゃダメなのよ」

さやか「よくわかんないけど、つまり無理ってこと？」

ほむら「そうよ」

さやか「何でもって言ってたのウソじゃん」

ほむら「……」

さやか「ま、無理なものはしょーがないね」ﾋﾟﾎﾟﾊﾟ

さやか「あ、もしもしまどか？あのねー、実はまどかって円環の理っていう神さま……」

ほむら「ちょ、ちょっと！何してるのよ！？」ﾊﾞｯ

さやか「鞄持ちの使命を果たそうとしてるだけですけど？ケータイ返してよ」

さやか「あー、早くまどかに真実を伝えないとなー！それか10兆円欲しいなぁ！！」ﾁﾗｯﾁﾗｯ

ほむら「……」

盾ｶﾁｯ

再び>>8の時間

さやか「アンタにだけ都合が良いお願いを頼むってのは筋違いじゃない？」

ほむら「そうよね。じゃあ引き換えに私もあなたのお願いを何でもきいてあげるわ」

ほむら「いやらしい事とお金に関する事以外で」

さやか「……何か妙に現実的な限定の仕方だね。あたしがそんな欲望丸出しのお願いなんてするわけないじゃん」

ほむら「……一応よ」

さやか「うーん、何でも、かぁ。じゃあさぁ……」

さやか「そこに落ちてる犬のウンコ食べてよ」

ほむら「……」

さやか「どした？早く食べなよ」

ほむら「……私が犬糞を口にする事であなたに何かメリットはあるの？」

さやか「メリットっていうか誠意だよね。世界の理を歪める事に加担しろって頼んでくるんだからそれくらいの誠意は見せてほしいってわけ」

ほむら「……わかったわ」

ほむら「……」ｶﾞｼｯ　ぬちょ

ほむら(うっ……臭い……)

さやか「ほらほら、ムシャッと！カブッ！といっちゃいなって！」ﾜｸﾜｸ

ほむら「い、いくわよ」

さやか「あ、ちょい待ち。写メ撮るから」ｽｯ

ほむら「！？と、撮ってどうするのよ！？」

さやか「そりゃーアンタみたいな美人さんが犬のウンコ食べてるところなんて一生お目にかかれないからね。まどかや杏子にも見せてやr」

盾ｶﾁｯ

再び>>8の時間

ほむら「いやらしい事とお金に関する事と極端に不潔な事以外なら何でも言う事聞くわよ」

さやか「条件多くない？」

ほむら「念のためよ」

さやか「じゃあ月まで二秒で行って二秒で帰ってきて」

ほむら「……は？」

さやか「できないの？」

ほむら「さすがにそれは……いくら悪魔でも無理ね。物理的に」

さやか「んー、じゃあブラジルでいいよ。ブラジルまで一秒で行って一秒で帰ってきて」

ほむら「……」

さやか「早く早くー」

ほむら「……わかったわ。それくらいなら出来ると思う」

ほむら(ホントは無理だけど超スピードで行ったフリすれば誤魔化せるはず……)

さやか「あ、ちゃんと証拠にリオデジャネイロの切手持ってきてね」

ほむら「え」

さやか「じゃ、レッツゴー転校生！」

ほむら「……」

さやか「ん？やっぱ出来ないのカナー？」

ほむら「……」

さやか「もしもしまどかー？あのさー円環の理って知っ」

盾ｶﾁｯ

再び>>8の時間

ほむら「いやらしい事とお金に関する事と不潔な事と魔法の力ても物理的に不可能そうな事以外なら何でもするわよ……」

さやか「へー。マジで？」

ほむら「なるべく無茶ぶりはしないでもらえると助かるわ」

さやか「じゃあねえ……」

さやか「男を求めてさまようまどかを見てみたいなぁ」

盾ｶﾁｯ

ほむら「いやらしい事とお金の事と不潔な事と物理的に無理な事とまどかの尊厳を傷つけるような事以外なら何でもするわ！！」

さやか「じゃあそのお願いを1000000回に増やすってお願いをしようかな」

ｶﾁｯ

さやか「世界中の男を恭介にして」
ｶﾁｯ
さやか「マミさんを痩せさせて」
ｶﾁｯ
さやか「あたしを宇宙一の美少女にして」
ｶﾁｯ
さやか「ウェヒヒヒヒ」
ｶﾁｯ
さやか「アンタがそこまで言うならお願いなんてしないよ。まどかには黙ってておいてあげる」
ｶﾁｯ
さやか「やっぱ脱いで」
ｶﾁｯ

ほむら(くっ……！なぜなの！？何でこの子は次から次へと無茶な事ばかり言ってくるの！？)

ほむら(一回アタリ引いたっぽいけどつい勢いでリセットしちゃったし……)

ほむら「ううぅ……」ｾﾞｰﾊｰ

さやか「ちょ、ちょっとアンタ大丈夫？何でいきなりそんな疲弊しちゃってんのさ？」

ほむら「お願い……お願いだから……まどかには何も言わないで……」ﾎﾟﾛﾎﾟﾛ

さやか「え……ちょっ……な、泣くなって……」

ほむら「お願い……」ｸﾞｽｯ

さやか「あ……あーもー……ずるいっての。泣き落としされちゃ敵わないよ……」

さやか「わかったよ。今のところアンタも変な事する様子無いし、しばらくは私もこのままでいいからさぁ……」

ほむら「……」ｸﾞｽｯ

さやか「ほら、ハンカチ貸してやるから顔拭きなって」ｽｯ

ほむら「……」

さやか「ほらほら、意地張るなって。さやかちゃんの優しさをありがたく受け取りなさい！ハンカチは後で返してくれればいいからさ」

ほむら「……悪いわね」ｽｯ

さやか「アンタもさぁ、いつもそう素直ならもーちょっとあたしも接し方考えるんだけどなー」

ほむら「それはお互い様でしょう……」

さやか「あはは。そーかもねー」

ほむら「ふふ……」

さやか「ほら、さっさと顔拭きなって」

ほむら「うん……」ｺﾞｼｺﾞｼ

ほむら「！？」

ほむら「臭っ！？な、なにこのハンカチ！？くっさ！！」

さやか「へ？」

ほむら「何なのよ一体！？どういうつもりなの！？」

さやか「あ、あー……あれだ。杏子とラーメン食べに行ってその時ニンニクの汁とか拭いたから、そのニオイが」

ほむら「っ……！一瞬でも信用しそうになった私が愚かだったわ！！やっぱりあなたはどう転んでも私の敵なのよ！！」

さやか「うわ、やだなぁ、そんな怒んないでよほむほむぅ。わざとじゃないヨ？いやホントに。マジで」

ほむら「だぁーまぁーりぃーなぁーさ……」

まどか「ヘイヘーイ！ほむらちゃんとさやかちゃん！こんな時間に二人で何やってるの？」HYOKKORI

ほむら「！？」

さやか「あ、まどか」

まどか「ほむらちゃん、顔がダーティでビューティフェイスがｵﾏｶﾞｯになってるよ？」

ほむら「ま、まどか……！ちがうの！こ、これは……」ｺﾞｼｺﾞｼ

まどか「私が拭いてあげるからｱﾘﾄｩﾀｲﾑだけウェイトしてて」ｽｯ

ほむら「うう……」

まどか「ほむらちゃんに涙は似合わないYO」ｺﾞｼｺﾞｼ

ほむら「まどかぁ……」

まどか「WEHIHIHI……もし君が花火なら、私も花火になって私の火を点けてあげるYO。一緒に最後のダンスを踊ろうZE」

ほむら「イ、イェー……」ｷﾞｭｯ

まどか「……」

まどか「SHIT！！！この子ニンニク臭いYO！！！」

ほむら「！？」