まどか「ほむらちゃんが好きなの……」(300)

俺はこういうSSが読みたいんだよ
なんで立ってねえんだよ

ほむら「なっ……」

まどか「ごめんね、こんなとこに呼び出して」

ほむら「い、いえ、それはいいのだけれど……」

まどか「でもね、どうしても伝えたかったの……もう、我慢できなくて」

ほむら「まどか……?」

まどほむよりシャフオのほうがまだマシ

ほむら「い、いつからなの?」

まどか「わかんないや……うぇひひ。気づいたら、ほむらちゃんのことばっかり考えてて」

ほむら「そ、そう……」

まどか「なんでかな、って思ったら、好きなんじゃないかって考えついて」

まどか「そこからはもうすごくて、胸や頭の中がもう、全部ほむらちゃんになっちゃって、ろくに顔も見れなくなっちゃって……」

まどか「うまく言えないけど……とにかく、ほむらちゃんのことを思うと、ど、ドキドキして……」

ほむら「……」カァ

ほむら「そ、その……ありがとう」


まどか「ほむらちゃん、すごく優しくて、かっこよくて、私には無いものたくさん持ってるし」

まどか「多分、そういうところに惹かれたんだと思う……顔も可愛いしね、なんて、うぇひひ」カァ

ほむら「なっ、なっ!?」

まどか「うん……だから、ほむらちゃんのこと、好きになっちゃったの」

ほむら「まどか……」

まどか「ねぇ、ほむらちゃん」

ほむら「な、なにかしら?」

まどか「私……どうしたらいいのかな」

ほむら「……え?」

まどか「だって私、ほむらちゃんのこと、好きになっちゃったんだよ?」

ほむら「ど、どういうことかしら」

まどか「……おかしいと思わないの?」

ほむら「……おかしい? 嬉しいとは、思ったけれど」

まどか「本当?」

ほむら「ええ」

まどか「本当に本当? だって、私とほむらちゃん……どっちも女の子なんだよ?」

ほむら「あっ……」

まどか「ごめんね、思いを伝えてからこんなこと言うの、ずるいよね」

ほむら「そ、そんなことないわ」

まどか「いいの……わかってるから」

まどか「私……変だよね、やっぱり。おかしいよね……普通じゃ、ないんだもん」

ほむら「……」

まどか「……」

>>9
さやか「転校生~」
ほむら「美樹さやか~」
の人?


まどか「女の子を好きになるなんて……自分でも思ってなくて」

まどか「将来はどんな人のお嫁さんになるんだろうとかは、考えたことあるけど」

まどか「おんなじ女の子を好きになるなんて……人って、何があるかわからないね」

ほむら「……そうね」

まどか「……私、ずるいの」

ほむら「え?」

マミ「あなた誰なの?」
QB「確かに “この僕” は、三時間ほど前まで君のそばにいたのとは別の個体だよそちらは暁美ほむらに撃ち殺された」
黒い魔法少女。暁美ほむら。あの女だけは、絶対に許さない。
まどか「わたしの願いでマミさんのそばにいた子を蘇生すれば、ほむらちゃんのこと許してあげられませんか?」
こんな感じの旧QB蘇生キュゥマミ魔法少女全員生存ワルプルギス撃破誰か書いてくれたらそれはとってもうれしいなって
マミ「今日も紅茶が美味しいわ」

1. 初恋ばれんたいん スペシャル
2. エーベルージュ
3. センチメンタルグラフティ2
4. Canvas 百合奈・瑠璃子先輩のSS
5. ファーランド サーガ1、2
6. MinDeaD BlooD
7. WAR OF GENESIS シヴァンシミター、クリムゾンクルセイド
SS誰か書いてくれたらそれはとってもうれしいなって

QBの魔法少女全員陵辱姙娠出産誰か書いてくれたらそれはとってもうれしいなって
QB「魔法少女は産む機械」

まどか「怖くて……でも、誰にも打ち明けられなくて」

まどか「いくら考えても答えがでなくて、
何にもわからなくて」

まどか「じゃあ、いっそのこと、告白しちゃおうって……」

まどか「ほむらちゃんに振られちゃったら、やっぱり間違えてたんだって、そう思えるよねって思ったの」

ほむら「まどか……」

まどか「あ……ご、ごめんね。こんなこと、言っちゃいけないのに」

まどか「ほむらちゃんが、断りたくても断れなくなっちゃうよね……」

ほむら「……」

まどか「ごめんなさい。ほむらちゃんは、気にしないでね」

まどか「わがままだけど、かわいそうだって思われるのは、悲しいから……」

ほむら「ええ、わかってるわ」

まどか「……ありがと、ほむらちゃん」

ほむら「……」

まどか「……」

ほむら「……まどか」

まどか「な、なにっ?」

ほむら「……考えさせて欲しいの」

まどか「えっ?」

ほむら「私ね、あなたのこと、好きよ」

まどか「ほ、ほむらちゃん!?」カァ

ほむら「だけれど、この好きがなんなのか……まだ私の中で定まっていないのよ」

ほむら「まどかがそこまで思い悩んでくれたのだから、私も中途半端な気持ちで答えたくないわ」

まどか「ほむらちゃん……うん、ありがと」

ほむら「とりあえず……安心して? まどかの気持ちは、多分まっすぐ伝わったと思う」

まどか「……うんっ!」ニコッ

まどか「じゃ、じゃあ、私、教室に戻るね!」

ほむら「えぇ」ニコッ

まどか「またね!ありがとほむらちゃん!」タッタッタ

ほむら「……」フリフリ

ほむら「……」

ほむら「はぁぁ~……」ヘナヘナ

ほむら「驚いた……」

ほむら「ま、まさかまどかに告白されるなんて」

ほむら「ダメ、平静を保とうと努力していた分が今きたわ……立てない……」

書くことねえええ

> >1よ 俺を登場させてはくれないか
名前は、美樹さやかで頼む 仲が悪いながらもほむらの恋を応援する天使的役割りで

ほむら「どうすればいい……か」

ほむら「私にも、わからないわ」

ほむら「いつからか、まどかがずっと思い悩んでもわからなかったことなんだもの」

ほむら「今すぐ私が答えを出せるなんてことあるわけないのよね……」

ほむら「とりあえず、授業が始まるわね。教室に戻って状況を整理しないと……」

ほむら「……うん」スタスタ

まどか「さ、さやかちゃん……」

さやか「あ、まどか! もーう!どこ行ってたのさ?探したんだよ?」

まどか「ご、ごめんね? えっとね」

さやか「うん?」

まどか「私……私ね」

さやか「ま、まどか? どうしたの?なんか様子が」

まどか「ほむらちゃんに、告白しちゃった……」

さやか「……えっ?」

まどか「だ、だから……」

さやか「えぇっー!?」

まどか「ちょ、ちょっと! あんまり大きい声出すと……」

さやか「あっ、ご、ごめん」

まどか☆マギカのまどかと杏子のカップルを全力支援するスレです

杏子ちゃん!杏子ちゃん杏子ちゃん杏子ちゃ杏子ちゅぅぅうううわぁヽ、  .,ヽ、ああああああああああああああああああん!!!
あぁああああ…ああ…あっあっー!あぁああああああ!!_     .}:ヽ ./::::::\こぅううぁわぁああああ!!!
あぁクンカクンカ!クンカクンカ!スーハースーハー!スー ヽ: `. 、ノ : ノ':::::::::::::::ヽ匂いだなぁ…くんくん

てぃはぁっ!佐倉杏子た,、         - ― -   ,.......─.......`-...._....'__::::::::::::::::ノあぁあ!!
間違えた!あんあんし /i:i:i、  x≦=-…― _     ><;. . . .': : : : : : : : : `. . . .、ヽあんあんあんあん…あんあんあん!!
アニメ5話の杏/⌒ヽ、{i:i:i:i:ゝ´_  ―…             ': : : : _: : : : : : : : : : : : : ヽあ!!あぁぁあああんんっ!!
あん.       |  /`{i:i:i:i:i:}    |/,'     ハ     \- : /: : : : ; 'ヽ : `: ヽ: -: 、\子たん!かわいい!あっああぁああん!
ハブられ (_丿     {i:i:i:i:i:}    l厶斗┼十′ヽハ _   ト: : : :! : : /    \: : :|: : : : } : ヽああん!!ぎゃああああああああ!!
ぐああああ/ /    ∧:i:i:i:i:!     l  ∧ノ !′   \卞├ : /!: :ム    ヽ|、:∧ : : /: : : iよく考えたら…
あ ん こ .厶イ   /{i:i:》;i:i:∧   ト,厶孑==      )i }!: :厂V.、      }∠`十/ : : : |ああああああああ!!
そんなぁあ ./   /i:i:i{i:∧;i/  ',   l´  、、、   、 ^ミメ! .《  》      《  》个: :/V!みたきはらぁああああ!!
この!ウェヒヒ′ ,/i:i∧i:}/   i{じヘ  |          、 、 |i' >-', 、____,、 -ヽ`‐ '  ̄ ヽの杏子ちゃんが私を見てる?
RKGKMD/   // }i '   八ソ }   |       ` ー -   |- '  /`'     `.i  ヽ-┐__.ノちゃんが私を見てるよ!!
アニメの { /        {/{ >iハ  |              ノ . .、. {       .,   .イ: ,'たモンじゃないんだねっ!
いやっほ i(,           rー-..ヽ ト             イ  : : :>‐  __ ' < : : /ちゃん!!こんなの絶対おかしくないよ!!!
あ、コミックの杏子ちゃああ|i:i:i:i:厶斗=ミ≧z ._ </{_|>' { /. ゝ`-' ' .| } ` ‐ 、ああああああああああ!!!!

あっあんああっああんあさノ{_:/   /^⌒ゞ===7'ー‐┴‐‐` ¨¨  ̄ ¨¨¨`ヽ-,----'あ!!!たまらぁあああん!!
ううっうぅうう!!私の想>i:i/   /  /  {i:i}⌒)                    |け!

変なとこまでコピペしてしまった

支援

授業中

まどか(あ、さやかちゃんから手紙だ……えーっと)

『とりあえず、告白ってのはあの告白でいいんだよね?』

まどか「……」カキカキ

『そうだよ。言わなくてごめんね、ずっと打ち明けられなくて……。
 でも、ほむらちゃんに告白しちゃったら、なんか吹っ切れちゃって』

『こっちこそ、気がつけなくてごめん。びっくりしたけど、さやかちゃんの親友のことだもんね!
 応援するよ!』

まどか「……」パァァ

『うん! ありがとさやかちゃん!』

『まっかせなさいって!』

QB「YOYOYOYO!!」

まどか「え?……な、なに……?」

QB「デュクデュクデュクデュク!僕が参陣!そう宇宙人!はるばる来たぜレペゼンコスモ! White Monster!Ah 怖いと申すか!?
   安心しなLady 惑んなどうした」

まどか「えっ?えっ?」

QB「Oh,W・Mなら大分余裕M・C・Q・Bが君を究明し Magicaを使う君は救命士」

まどか「なに?な、なんなの!?」

QB「Never give up!牙!を剥く魔女 倒さねぇと逃げ場もなく迷子 さあ行こう向かう最期の力をだし あの子を救いたいという一心で立ち
   君はいつ死んで!もいいという決心でSo! 全てを捧げ呪いを受けるだろう」

QB「打倒魔女!君がもつ希望は弓だ!もう繰り返さなくてもいいと言うひと月の夢夜!
  No damage!もうダメ!?そんなことはないよね 君のそばに皆居る そして全てぶつけ勝つ
  青笑う!黄色泣く!そんな二人赤は抱く!」

まどか「ね、ねぇ!聞いてるの?」

QB「Victory so 君が掴んだ勝利に 霞んだ声を張り上げて今日こそ
   盾を捨て砂時計を外し 恥を捨てこの思い伝えるんだ
  そして黒と桃の思いは見事と同調し 通じ合い認め合って共に感動し 互いに笑い合って手をとり抱擁し!」

まどか「あ、あの」
QB「Say hoー?」
まどか「え?ほ、ほーぉ?」
QB「Yeah!!」

最後の支援寝る
http://www.dotup.org/uploda/www.dotup.org2694302.jpg

俺には無理だYO
誰か書いてYO

まだ残ってたと思ったらはよはよ言ってるだけだったときの絶望感

>>98
こんだけ残るってことは純愛まどほむは需要あるってことだよ
さあはよ

ほむら「まどか」

ほむら「ほむらちゃん!」

ほむら「待たせたわね、まどか。お陰で嘘偽りない本心を貴女に伝えられる」

ほむら「ずっと思い悩ませてごめんなさい、まどか。でももう一人で思い悩む必要はないわ」

ほむら「ほむらちゃん、それって……」

ほむら「私は貴女が好き。愛してるわ、まどか」

ほむら「ほむら……ちゃん……、ほむらちゃぁぁん!」

ほむら「まどかぁー!」

まどか「ほむらちゃん……」

ほむら「」



保守

ほむら「ま、まどか、違うのよこれは……」

まどか「えっ? ごめん、何が違うのかな? ほむらちゃん」

ほむら「あ、貴女、いつここに来たのかしら」

まどか「? ついさっきだけど……」

ほむら「そう。ならいいのよ」

まどか「ほむらちゃん、返事はまだ……もらえないのかな」

ほむら「ごめんなさいまどか。私も考える時間が必要だし、何よりいい加減な返事をしたくないの」

まどか「そっか、そうだよね……わたし待ってるから」タッ



まどか「てぃひひ」

まどか「『愛してるわ、まどか』だって! もうどうしよう!!」

まどか「『愛してるわ、まどか』!『愛してるわ、まどか』!!」

まどか「うぇひひ、ほむらちゃん……///」



保守


                       _ _   ____
  ┏┓  ┏━━┓      / ) ) )/ \  /\.         ┏┓┏┓
┏┛┗┓┃┏┓┃      {   ⊂) (●) (●) \      ┃┃┃┃
┗┓┏┛┃┗┛┃┏━━|   / ///(__人__)/// \━━┓┃┃┃┃
┏┛┗┓┃┏┓┃┃    !   !    `Y⌒y'´    |  ...┃┃┃┃┃
┗┓┏┛┗┛┃┃┗━━|   l      ゙ー ′   ,/.━━┛┗┛┗┛
  ┃┃      ┃┃      |   ヽ   ー‐    ィ         ┏┓┏┓
  ┗┛      ┗┛      |          /  |   .       ┗┛┗┛
                      |         〆ヽ/
                      |         ヾ_ノ

ヒント:>>1が書け下さい

おい出てこい>>1!(AAry

おい誰か早く

まどか「…でもこんな事言えないよぉ…」

まどか「ほむらちゃん美人さんだし……いつか男の子とお付き合いしちゃうのかな…」

まどか「そんなの、嫌だ…やだよぉっ…!」

まどか「どうして私たち、女の子同士なの…?」



思いあまって書こうと思ったけどこんなありがちな話しか思いつかない

>>1はよ帰ってこい

それでいいからはよ

>>138
みんなお前を待ってるんだよ
さあはよ

マミ「佐倉さん」

杏子「なんだ~」

マミ「鹿目さんが言ってたらしいのだけど」

ほむら「美樹さやか」

さやか「な…なんでしょう」

ほむら「まどかの事なんだけど」

マミほむ「「女の子同士で付き合うのはおかしいのかしら?」」

>>1は早く書くべき

おいいい加減にしないと書くぞ









>>1

まどか「ほーむーらーちゃん!」

ほむら「何かしら?」

まどか「えいっ! ひざカックン!」カクン

ほむら「きゃっ!」カクン

まどか「や~いかかった~」

ほむら「何なのよ……」

まどか「ほむらちゃんが隙なの……」



保守

>>1は書く気あるの?
書く気ないんだったら乗っ取るぞ
いいのか
>>1の思うような結果にはならないと思うけど
それでもいいのか!?

>>159
乗っ取ってくれ
俺本当に書けないから

まどか「……はぁ、寝れないや」ゴロゴロ

まどか「どうしてこんなに気にかかっちゃうんだろ。やっぱりアレが原因かなぁ?」

 体育の授業中を思い出す。今日はバスケットボールで、運動があまり得意じゃないからパスを貰わないようにしてたのに。
 なぜかボールが回ってきちゃって、ドリブルをしようとしたら……。見事に盛大に転んじゃった。
 しかもついたボールを蹴飛ばして、その拍子につまづいてだから――すっごく恥ずかしかったよ。
 ほむらちゃんが心配そうに一目散に駆け寄ってきて……安心させるために立ち上がろうとしたら、足を捻ったみたいですごく痛い。
 顔を顰めちゃったのを見たからかわかんないけど、ひょいっと――そ、そのお姫様だっこで持ち上げちゃって……そのまま先生に断りを入れて保健室に連れて行ってくれた。
 皆呆気に取られてたし、先生呆気に取られながら頷いて……私もすっごく慌てちゃったし、転んだ時よりも恥ずかしかったけど、なんだか嬉しくってドキドキしちゃって……。

まどか「お、思い出したら……あぅ、ま、またドキドキしてきちゃった……」


こんなんで良ければ、時間かかるかもしれんが

 その後は保健室に保健医の先生がいたから、ほむらちゃんは授業に戻ったけど――帰りは家まで送ってくれて……。
 あ、もちろん、さやかちゃんも仁美ちゃんもいたよ? 二人っきりってわけじゃなかったけど……ずっと心配してくれて……。

まどか「――なんでなのかな……あ、友達だからかな?」
 
 自分でいった言葉なのになんだか胸が痛くって締め付けられる感覚に陥ってしまった。
 まだほむらちゃんが転校してきて日は経ってないけど、友達に時間なんて関係ないと思う。
 そう、友達、だから……友達だから、心配してくれたのであって――特別なんかじゃなくって……。

まどか「……そうだよ。普通のことだもん。さやかちゃんが怪我をしちゃったら、私が心配するのと一緒で」

 でもだんだん目に涙が溢れてきて――友達、って思う度に切なくって……お気に入りのうさぎのヌイグルミを抱き寄せ泣いてしまっていた。

まどか「――なんでこんなに切ないの……誰か教えてよ……」

 でも誰も答えを言ってくれる人なんていなかった。

さやか「おっはよー、まどかって……あーえーっと、なんかあったの?」

仁美「おはようございます、まどかさん。あ、あの……どうかなされましたか?」

 泣いたまま疲れて寝ちゃったから、朝起きたときは酷い顔で――ちょっと瞼が浮腫んでいるかなぁ、と思ったけど、やっぱりそうだったみたい。気づかれませんように、って祈ったけど、無駄だったみたいだね。

まどか「あーえっと……ちょっと、怖い夢を見ちゃって……それで」

 ほむらちゃんが気にかかって泣いちゃったなんて言えるわけもなく、適当に誤魔化してみたら二人は納得しちゃって。

さやか「あはははは、まどからしいや。お化け苦手だもんねー。ま、あたしが居るときなら成敗してくれるわー!」

仁美「くすくす。さやかさんったら。……でも、本当にお化けがいたら怖いですわねぇ。習い事の帰りに会いたくないものですわ」

 ほんと二人とも酷いんだから、子ども扱いしちゃって。……それで助かったけど。むぅ、なんか納得できないよ。
 でも、本当の理由なんていえないもんね。きっと昨日あんなことがあったから、私も気になっちゃっただけ。
 そうに決まっているもん!

まどか「あははは、私も本当に見ちゃったら泣いちゃうかも」

さやか「二人とも安心して! このさやかちゃんがー! って、仁美はお迎えさんがいるでしょーが!」

仁美「そのお迎えさんが幽霊さんかもしれませんわ」

まどか「ありがちなパターンだよねー。着きましたよっていったら、のっぺらぼうだったり」

 そんな話しをあーだーこーだ楽しく喋りながら学校へ歩き出す私達。いつも通りで……そうに決まっているよね……。

ほほう

 ギリギリで教室へ着くと皆あっちこちで話しをしてて、ほむらちゃんもクラスの人と会話をしてるみたい……。
 ズキン、と胸に痛みが走った。
 いつも通りの光景なのに、きゅうっと胸が締め付けられ足が止まってしまう。
 けどそんなのお構いなしにさやかちゃんと仁美ちゃんは近寄っていっちゃう。

さやか「ほむら、おっはよー!」

仁美「ほむらさん、おはようございます」

 二人が声をかけるとクラスメイトの子はそそくさと話しを打ち切って、仲の良い子の元へ。
 そしてほむらちゃんは二人に向かって、いつも通りに

ほむら「……ええ、おはよう」

 ぎこちない笑みを向けていた。たったそれだけのことなのに、もやもやっとした気持ちになって……。
 また昨日考えてたことを思い出して、振り切るように頭をぶんぶん振る。友達、友達なんだから。

支援


 でもさやかちゃんと仁美ちゃんに負けないくらい、大きな声で

まどか「ほむらちゃん、おはよー! 昨日はその……ありがとうね」

 なんて言ってしまう。後半はえっと……小さい声になっちゃったけど……。
 だ、だって仕方ないよ! お、思い出しちゃったんだもん……。ほむらちゃん、細い身体なのに力強くって……でも柔らかくって……。
 とても優しかった……。

ほむら「ええ、おはよう」
 
 そこまで二人に向けていた顔と同じなのに。

ほむら「――礼は要らないといったはずよ。当然のことをしたまで。……その、本当に平気なの?」

 そう言いながら少し照れたように顔を背け、心配そうな顔を向けてきた。
 私はそれだけでドキッとしてドキドキして、なぜか鼓動が激しくなって――なんとなく頬が火照ってきちゃう。
 ……誰にも気づかれませんように……。


飯食ってくるわ。20分ほどで戻る。残ってたら頑張ってみる。

まどか「う、うん、大丈夫だよ。ほら、この通り――い、いたっ」

 ドギマギしながら何とか答えて、いつもの私みたくしたら――たった一日で捻挫が治るわけもなく、痛みが走りつい言葉に出してしまった。
 これだからドジって言われるんだよね……。ほむらちゃんも呆れ顔で

ほむら「あまり大事になってない事はわかったわ。……だけれど、無理をしてはだめ。数日間大人しくしてなさい」

 なんて言われる始末。うー……解ってるけど、安心させたかったんだもん……。
 しゅんと俯くと頭に手が伸びてきて優しく頭を撫でて……。

ほむら「いい子だから、言うことを聞きなさい」

 って言われちゃった。そしてさやかちゃんが代わるように。

さやか「ほむらの言う通りだよ。全くまどかは手がかかるんだから」

仁美「きましたわー! ……こほん、さやかさんとほむらさんの仰るとおりになさった方が宜しいですわ」

 そう言いながらわしわしっと私を撫でる。
 仁美ちゃんは、きましたわー、を強調しているのはなんでだろ?
 けど私が考えちゃうのはそれよりも二人ともやってる事は同じなのに。
 親友と友達……なのに気にかかるのは、友達のほむらちゃんだけで鼓動が五月蝿くって――こんなの絶対おかしいよ……。

うぇひひ

 授業中ずっとほむらちゃんのことばかり考えていた。
 怪我をしたら他の子にも同じことをするのかな? とか、前の学校で仲が良い友達がいたのかな? とか。
 好きな人っているのかな……って。
 転校してきて間もないから居ないと思う。だけど、美人さんだし綺麗だから好きになっちゃう子はいそう。
 仁美ちゃんみたいにラブレター貰ったり、告白されたりして。
 想像しただけで言い知れない気分になった。ずーんと気持ちが沈んじゃう。なぜか解んない、わかんないけど……。

まどか「なんか……嫌だな……」

 ぽつりと呟いた言葉だったけど、先生の耳に届いちゃったらしい。

数学教師「鹿目さん、嫌なのは解ります。ですが、この授業が将来の糧になる! 先生はそう信じて――」

 熱血教師が如く語り始めちゃった。授業内容じゃないのに――ごめんなさい、聞いてませんでした!
 発端となっちゃった私に注目が集まっちゃうのは当然で……ほむらちゃんもチラッと私を見て……縮こまるしかないのでした。

うぇーいひひいひひひwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww

 ずっとモヤモヤした気持ちを抱えたまま、お昼休みを迎えた。
 昼食は屋上で食べていたんだけど、仁美ちゃんは委員会で、ほむらちゃんは用事があるからといって居なくなっちゃった。ちょっと残念。
 今いるのは、幼馴染で親友のさやかちゃんと私だけ。
 いつも通り他愛の無い話しをしていたんだけど、ふとさやかちゃんがまじめになって。

さやか「えっとさ、朝からおかしかったけど……ってか、今もそうだし。本当にどうしたのさ?」

 そう言ってきた。やっぱり長年の親友だし、いつも通りにしてたつもりだけど気づかれちゃっていたみたい。
 たぶんさやかちゃんは気になっていて、皆がいるところじゃ聞き難いから――黙っていてくれたんだと思う。
 それが嬉しくって感謝の気持ちでいっぱいだけど、ほむらちゃんと違ってドキドキしない。ドキドキしてくれない。
 ――なんとなくさやかちゃんとほむらちゃんに対する思いが違うってわかった。
 でもそれを認めるわけにいかない……だって、それって……。

さやか「ま、まどか!? ちょ、本当にどうしたのさ!? わ、私が悪かったなら謝るからー!」

 さやかちゃんがすっごいあたふたして慌ててる。どうしてだろ? って疑問に思ったら、なんてことない――私が泣いちゃったから。
 視界が歪んじゃった時点で気づけたはずなのに、それよりも自分の気持ちに気づいてしまって……勝手にぽろぽろ流れ零していた。
 
まどか「……ちがっ……違うの……」

 私はいやいやするちっちゃい子みたいに首を振って、気がつけば抱き締められていた。
 本当に子供をあやすみたいに優しく頭と背中を撫でられて

さやか「――落ち着いてからでいいからさ、話せるなら話して。あたしで良かったら聞くから」

 それだけで安心しちゃって、やっぱり私はお子様なんだと思う。有難う、ってちゃんと言えずにさやかちゃんを思いっきり抱きしめて……泣いてしまっていた。

 正確な時間はわからないけれど5分くらいしてからだと思う、私の溢れた感情が落ち着き、さやかちゃんに昨日から想っているを話せれたのは……。
 一部始終聞き終えたさやかちゃんは戸惑い困惑しながら

さやか「えーっと……それって……ほむらを好きになったってこと?」

 眉を顰めてそう聞いてきた。私も自分の気持ちに戸惑いながら――でもしっかりと頷く。だって……他に説明がつかないんだもん……。

まどか「……気持ち悪いよね。普通じゃないよね……」
 
 気づけばそんな言葉が口から出ていた。
 私だってわかってる。こんなのおかしいって。男の子に向ける想いを女の子に――ましてや、出会ってからそんなに経ってないのに。

さやか「……まぁそうだね。あたしもそうだと思うよ」

 ぽつりと同意したさやかちゃんの言葉が胸に突き刺さる。
 やっぱりそうだよね、って納得する思いと、どうして好きになっちゃったんだろうって想い。
 誰かを好きになるなんて遠くの未来で、ましてや女の子なんて想像したこともなかった。
 男の子なら告白して振られても、それで終わることができる。でも女の子なら? ……そんなの……友達もやめられて嫌われるに決まってる。
 だからずっとこんな想いを抱えて、友達としてやっていかなきゃいけないわけで――ほむらちゃんが誰かを好きになっても見ていかなきゃいけないわけで。
 そう考えるだけで、またじんわり涙が溢れてきた。

さやか「あああああ、泣かないでよ! そう思うって人もいるってだけの話で!」

 涙でぼやけてたさやかちゃんは手をパタパタしながら慌てて――そして、私の肩を掴み、ふぅっと深呼吸をし真剣な瞳をむけた。

さやか「……あたしは、好きになったら仕方ないと思うよ」

 小さい頃から変わっていない表情。不器用だけどまっすぐで、私の胸に響いてくる声。

さやか「そりゃさ、私がまどかの立場だったら同じように考えちゃう。でもさ、やっぱり好きなら仕方ないんだよ」

さやか「その気持ちを隠したって、隠しきれるはずないんだしさ……私だってそうだし」

 最後の言葉で力なく笑っていた。たぶんさやかちゃん自身が秘めている上条くんとのことを想ってなんだよね。
 さやかちゃんと上条くんは幼馴染で、兄妹や姉弟って感覚に近いんだと思う。
 だからこそ関係が崩れるのが怖くって好きっていえないし、好きって悟られるわけにいかない。
 そういった意味では似ているといえなくもないかも……。

さやか「ねぇ……まどか」

まどか「なに……さやかちゃん……?」

 私が色々考えていて押し黙り俯いてた顔をあげると、少し迷った表情を見せ……意を決した表情に変わっていた。

さやか「あたしもさ、好きな人がいる。まどかは知ってるけどね」

まどか「うん……」

さやか「今までずっと好きって言っちゃったら、全部壊れちゃうかもって――悩んでいた……今だってそうだよ」

まどか「………」

緑なんてモブじゃん

 やっぱりそう――だったんだね。今まで仲が良かったのに、何もかも無くなってしまうかもしれないんだし。
 付き合いが長ければ長いほど、その時の痛みは計り知れないものになると思う。

さやか「だから――女の子同士ってわけじゃないけど、まどかが考えていることがわかるんだ」

まどか「……あははは、だよね」

さやか「――お化けじゃないけどさ、怖いけどどうしようもなく震えちゃうけど……あたしが先陣切って行くから……ちゃんと好きっていおう?」

 でも――さやかちゃんはそんな思いを振り切って、しっかりとそう告げた。
 そこには昔っから怖がりで何かあるごとに怯えている私の手を引っ張って、前に進むさやかちゃんと一緒だった。
 だからこそ頷けない。私のために無理なんてして欲しくない!

まどか「だめだよ! これは私の問題であって、さやかちゃんに関係ないもん! だから! だから……!」

ええ子やで……

 上手く思いが言葉に出来ない私に、手をぽんと頭に置いて

さやか「違うよ。そりゃさ、切欠はまどかかもしれないけど……どっかで踏ん切りつけなきゃいけないしね」

 優し気な笑みを向け

さやか「それにさ、あんたに先越されるわけにいかないしね!」

 おどけた調子でそんなことをいってにかっと笑った。
 
まどか「そんなの……だめ、だよ……」

 口ではそんなことを言いながらも、さやかちゃんの勇気を羨ましく思い……それ以上に気遣いと優しさが嬉しくって泣いてしまったのでした。

 その日から数日後、さやかちゃんは上条くんに告白したみたいで

さやか「たははは……やっぱりだめだったわ。全く恭介も見る目がないんだから」

 やっぱりおどけた調子でそう言うさやかちゃんの瞳には、いっぱいいっぱい涙が溢れていて頬を濡らしていて……気づけば、さやかちゃんを抱き締めてしまう。
 さやかちゃんの、好きなのに――どうして恭介は―ッ、と慟哭していたことが心に残っている。
 少女漫画と違っていくら想いが強くても、あれだけ親身になっていたのに、お見舞いにだってかかさずいっていたのに、両思いになれない。
 それが現実で、ましてや女の子同士の私なんて……。
 いや、今は私のことなんてどうでもいい。さやかちゃんを少しでも痛みが軽くなるように――。
 背中をあやすように撫で……さやかちゃんの想いがどんどん伝わって自然と涙が溢れ……二人してわんわん泣いてしまっていた。

さやか「みっともないところを見せちゃったね……でも泣いてスッキリした! ありがとう。まどか」

 一頻り泣き終わった後、泣きはらした顔をいつもの調子でにかっと笑うさやかちゃん。
 でも当たり前だけど――いつもより陰を帯びている。
 泣くことで少しはマシになったかもしれないけど、これくらいでスッキリするはずない。少なくとも私なら……無理だと思う。
 負担にならないように気遣ってくれたのかな? こんな時くらいもっと我侭になっていいのに……。

まどか「ううん。全然だよ――さやかちゃんはカッコいいよ。ちっちゃい頃からそう。みっともなくなんてない。そんな事言う人がいたら、私がやっつけちゃうんだから」

 本心からそう思った。自分の想いから逃げず、壊れるかもしれない恐怖を押しのけて――想いを伝えたんだもん。
 笑う人がいたら、私が絶対に許さない。

さやか「さーて、後はまどかだね! ま、ゆっくり頑張りなさい! だめだったあかつきにはさやかちゃんがいっぱい慰めちゃうよー!」

まどか「あはははは、その時はよろしくね」

さやか「どーんと泥舟に乗った気持ちでいなさーい!」

まどか「えええええ!? それじゃ沈んじゃうよ!? 沈没前提なの!?」

 さやかちゃんはいつも通りに振舞っているけど、空元気なのは長い付き合いからわかっちゃう。
 でも私はそれを指摘するつもりはない。さやかちゃんが心のバランスを取ろうって必死に頑張っているから。それを邪魔したって何にもならないもん。
 私はさやかちゃんとの約束を守れるように頑張る。それが精一杯応援してくれてるさやかちゃんにできる恩返しだと思う。


 心は決まった――後は二人っきりになって想いを告げるだけ……!

 思えば最初見た時から気にかかっていて、バスケットボールの件なんて切欠に過ぎなかったと今では思う。
 私に向けた嬉しそうなのに悲しそうで泣きそうな瞳が忘れられない。
 それが私の胸に残り、気がつけばほむらちゃんを見ていることが多かったから。
 気づかないフリをしていただけ――もう誤魔化すなんてできない。さやかちゃんから勇気を貰ったんだ。
 後悔してもいい、嫌われたっていい……でも好きって伝えたい。この気持ちを知って欲しい……!

 決意して二人っきりになって言おうとしても

ほむら「ごめんなさい……用事があって」

ほむら「――今日も忙しいの。たぶんここ一週間くらいは……本当にごめんなさい」

 ことごとく断られちゃった……。最初は想いを気づかれて避けられているのかな? って気分が沈んだけど、学校ではお喋りしているし……本当に言ってる通り忙しいんだと思う。心臓病を抱えているわけだし、検査とかあったりするのかな。

 そんな日が続いたけれど、ある日

ほむら「今日……時間あるかしら?」

 って言われちゃって、一も二もなく

まどか「う、うん! 大丈夫だよ!」

 なんて勢いよく答えちゃった。ほむらちゃんは驚いた顔をほんの一瞬見せたけど、ちょっとだけ笑って

ほむら「じゃあ、放課後――ね?」

 その言葉にドキッと心臓が跳ねつつも、うん、と頷く。
 放課後が楽しみ! ほむらちゃんと二人っきりで――今日こそちゃんと伝えないと!
 逸る気持ちを抑えつつ期待と不安の中最後の授業を受けていた。……ちょっとだけ見せたほむらちゃんの不安気な表情に気づかないフリをして。

 放課後を迎え、さやかちゃんと仁美ちゃんに今日はほむらちゃんと一緒にって伝えると

さやか「そっかそっかー。それじゃ仁美と一緒に帰るわ。って、恭介との時間を邪魔しちゃ悪いかぁ……」

 上条くんは仁美ちゃんが告白してお付き合いし始めたばかり。
 正直その話しを聞いたときは表に出さないようにしたけれど……かなりショックで、どうして、って思いがしめていた。
 私でこうなんだから、さやかちゃんはもっと――どろどろしたものでいっぱいだと思う。
 実際私に、どうして仁美なの、と零したことだってある。そんなさやかちゃんを抱き締めるしか出来ることなんてなくって。

仁美「お邪魔だなんて……私はさやかさんのことを大切なお友達だと思っていますし、恭介さんだってさやかさんのことを……」

さやか「おーっと、そこまで。いやいや、さやかちゃんったらモテモテで困っちゃいますねー。仁美や恭介があたしに浮気したら大惨事だし、今日は大人しく帰るわ。まった明日ね!」

 そう言ってさやかちゃんはいそいそとカバンを持って、私の横を通るときに

さやか「……がんばってね」

 小さい声で、私にだけ聞こえる声で呟き――最後の最後まで勇気をくれて、教室を飛び出していく。

仁美「さやかさん……」

 仁美ちゃんもそう悲し気な声で呟くと、さやかちゃんと同じようにいそいそとカバンを持ち

仁美「先に失礼しますわ」

 そういい残し教室からでていく。

 二人の様子にやりきれない私は何も言えず見ているだけで……。何となく悲しくって辛い気持ちになってしまう。

ほむら「まどか……」

 ほむらちゃんに後ろから声をかけられ、ハッとし振り向くと――珍しく悲しそうな顔で

ほむら「時間が解決してくれるわ。――今は無理でもね」

 振り絞るような声でそういった。でもなんだか、そこには強い意志も含まれていて……どうしてかわからない。
 それでもほむらちゃんの言っていることは間違いないと思う。急に気持ちの整理なんて無理なんだから。
 時間が経てばきっと――。

まどか「そう、だよね……」

ほむら「ええ、そうよ。貴女達は仲が良いのだし――私達も行きましょうか」

 ほむらちゃんの優しい声に促され、私達も教室を出ていったのでした。

 やっぱり好きって気持ちがあるから、二人っきりになると沈黙に耐えられなくって矢次に話しちゃう。
 さやかちゃんと仁美ちゃんのことを話す気になれないから、主に私の家族のこと。
 たっくんが最近絵が好きで、ちゃんと見てないと床にクレヨンで描いちゃうとか。
 ママとパパが仲良くって、朝から恥ずかしいってこととか。本当に他愛のないことばかり。
 そんな話しでもほむらちゃんは、それで、とか、そうなの、とか、お姉ちゃんは大変ね、とか相槌をうって先を促してくれる。
 それが嬉しくって色々話すんだけど――いつまでも続くわけがなく、次第に話題が途切れて……話すことがなくなっちゃった。
 だんまり二人で歩いているけれど、居心地が意外だけど悪くなくって、なんだか安心できて――。
 
まどか「……こういうのもいいね」

 なんて思ったことをつい口に出しちゃった。

ほむら「――退屈よね。ごめんなさい」

 足を止めて私に申し訳無さそうに謝るほむらちゃんに頭をぶんぶん振って

まどか「ううん、責めたわけじゃなくって! ――なんかね、とっても穏やかな気持ちっていえばいいのかな。安心できるの」

 まっすぐほむらちゃんを見つめていったら、ちょっと頬が赤くなって

ほむら「そう……ならいいのだけど」

 あれ……? もしかして照れちゃったのかな? その顔すっごく可愛くって素敵だよ!

まどか「うん、そうだよ! だから、気にしちゃだめだよ」

ほむら「ええ――わかったわ。ありがとう……まどか」

 やっぱりぎこちない微笑みだけど、とっても優しい声で――改めて好きなんだなぁ、と思う。
 だからこそ、この想いをキチンと伝えないと。

まどか「ねぇ、ほむらちゃん……」

ほむら「ねぇ、まどか……」

 丁度同じタイミングで言っちゃったから、二人で吹き出しちゃった。これもとっても珍しくって――特別みたいで嬉しい。
 折角ほむらちゃんから何か話そうとしたんだし、ほむらちゃんに譲った。
 ほむらちゃんは笑いをおさめ

ほむら「私が未来から来た、なんて言ったら、どう思う?」

 突拍子もないことを言い出した――。思わずアニメの話し? って言いそうになったけど、その言葉は飲み込んだ。
 だって顔は笑っているけれど、瞳は真剣で……。

まどか「うーん……ちょっと信じれないかな。でも……どうして?」

 ほむらちゃんは私の質問には答えず躊躇った表情を見せたけど、しっかりとした声で

ほむら「――明日、嵐が来るの。理由は……そうね。未来がだめなら予知無なんてどうかしら」

 どうかしら、って言われても、困るわけで……。どうしてこんなことを言うのかさっぱりわからない。

ほむら「今は信じなくてもいいわ。おそらく避難命令が出るはず。そうなったら、避難所から出てはだめよ? ……お願い」

 相変わらず微笑んでいるのに、辛そうに泣きそうに……声が震えていた。
 でも私を見つめている瞳は揺らぐことなく、なにかの決意を帯びていて――そんなほむらちゃんを見ている私のほうが泣いてしまいそう。

まどか「……うん、わかった。約束するよ……」

 その思いを隠して、涙がでそうになった瞳を手で拭いしっかり頷けば、ほむらちゃんは安心したかのように微笑み――

ほむら「良かった。――約束よ、まどか」

 けど、その笑みには憂いが帯びていた。

 その後は結局告白なんて出来なくって、押し黙ったまま家まで送ってくれて……挨拶を交して、ほむらちゃんは帰っていった。

ほむら「また明日……」

 という言葉だけを残して。

 ほむらちゃんの言葉がぐるぐる頭の中を巡っている。
 言い知れない不安だけが胸に残って、最後に見せた切なそうで悲しそうな表情が忘れられなくって。
 
まどか「あははは……ほむらちゃんってば、アニメの観過ぎだよ。実はアニメ好きなのかな」

 なんて笑い飛ばしてみてもちっとも気分は晴れなくって……なんだか怖いよ……。
 時間が経つとともに、なんだか天気が崩れてきて風が強くなっている気がする。
 本当に嵐が……? う、ううん、そんなわけないよ。だって明日は天気だって朝のニュースで。
 いくら不安を塗りつぶそうとしてもうまくいかない。

まどか「……本当にどうして、そんなことを……」

 コンコンとノック音がして、思わずそれにビクッとしてしまう。こんなんだから怖がりって言われるんだよね……。
 扉の向こうからパパの声がして、ご飯だよ、って言われた。はーいって返事をしてから、着たまんまの制服から部屋着にきがえる。
 
まどか「――ほむらちゃんのこと信じないってわけじゃないけど……大丈夫、だよね」

 なるべくいつも通りを心がけて、ご飯を食べたり話したりしてたけど――ニュースが気にかかって仕方ない。
 ほむらちゃんの言った通り、やっぱり嵐が近づいているみたいで、とっても不安な気持ちになった。
 その気持ちが解消されないまま眠りにつき、朝起きると非難命令が出されたみたいで……パパとママが慌しく準備をしている。
 私も顔を洗って制服に着替えて――避難所指定になっている学校へと向かった。

 避難所に着くと、もうさやかちゃんや仁美ちゃん、他のクラスメイトや両親たちも居てなんだかほっとしてしまう。
 さやかちゃんが私に気づき駆け寄ってきて
 
さやか「いやー、外すっごいねー。ここまで凄いとわくわくしちゃうね!」

まどか「あははは、さやかちゃんらしいよ」

 そう言いながらも、私はほむらちゃんの姿を探してきょろきょろしちゃう。
 また明日って言ってたし……嵐のことをなぜか知っているみたいだから、きっと居るだろうと思って。
 でもいくら探してもいない……まだ来てないのかな……。

さやか「おや~? 目の前のさやかちゃんよりほむらが気になっている様子だね~?」

まどか「そ、そういうわけじゃないよ。た、ただ……だ、だ大丈夫かなって思って」

さやか「その様子だとまだってわけね。まどかは晩生なんだからー。あんまりもたもたしてると、あたしの嫁にしちゃうぞー」

まどか「だめだよ! ほむらちゃんは、」

 ――まどか、こっちにおいで――

 何か頭の中で聞いたことのない声が私を呼んだ気がした。きょろきょろ見渡しても、呼んだっぽい人は見当たらない。

さやか「ん? どうしたの?」

まどか「なんか呼ばれたような……気のせいかな……」

 ――気のせいなんかじゃないよ。君は暁美ほむらに会いたいんだろう? 屋上へおいで――

 今度はハッキリ……聞こえた気がする。でもやっぱり見渡しても、それっぽい人はいなくって。

さやか「ほんとどうしたってのさ?」

 怪訝な顔を向けるさやかちゃんに、なんでもないの、って言って誤魔化した。
 ほむらちゃん……? 屋上……? 一体なんで……そんなところに……?

 ――君が来ないと彼女は死んでしまうかもしれない。それでもいいのかい?――

まどか「そんなの……絶対いや!」

 気がつけばそう叫んでいて、さやかちゃんは驚き訝しげな色を更に深め

さやか「……大丈夫? えっと、横になったほうがいいんじゃない?」

まどか「――ううん、大丈夫。ちょっと……気分が悪いからお手洗いにいってくるよ」

さやか「う、うん、わかったけど……一人で平気?」

まどか「平気。じゃ、ちょっと行って来るね」

 そそくさと立ち去り、パパとママに話して体育館を出て――学校の校舎へ向かう。その声が呼んだ方向へと。

 最初は普通の廊下を走っていたはずなのに、気がつけば白と黒のらせん状に変わっていて……まるで夢の世界に迷い込んだみたい。
 だから、あの声も本当のことを言ってるってなんとなく解ってしまった。
 すっかり様変わりしてしまった廊下を走りぬけ、本来ならあるはずのない扉を開けていく。
 それでも屋上っていったからには上を目指していけば辿りつけるはず。
 ほむらちゃんに会いたい一心で、階段を登り――今までなかった赤い扉を開いた。

まどか「ほむらちゃん!」

???「やぁ……遅かったね、まどか」

 そこにいたのは真っ白で赤く真ん丸い目に耳の長いねことうさぎを足した様な動物で……。
 空には大きなファンタジー系に出てくるみたいな怪物が、嵐の中浮かんでいる。
 それに立ち向かっている少女がいた……それは私のよく知っている人で、友達で……好きになってしまった……ほむらちゃんの姿。

まどか「……これって一体……なんなの……何が起こっているの!? どうして!?」

???「彼女は魔法少女だからね。当然のことをしているまでさ」

まどか「――魔法少女? どういうことなの? 説明して!」

???「そうだね。色々話してあげたいけど――ゆっくりしてる時間はなさそうだよ」

 私を見上げていた瞳が視線を移し、怪物とほむらちゃんのほうへと向く。私もそちらを見ると、炎がほむらちゃんを……。 空には大きなファンタジー系に出てくるみたいな怪物が、嵐の中浮かんでいる。
 それに立ち向かっている少女がいた……それは私のよく知っている人で、友達で……好きになってしまった……ほむらちゃんの姿。

まどか「……これって一体……なんなの……何が起こっているの!? どうして!?」

???「彼女は魔法少女だからね。当然のことをしているまでさ」

まどか「――魔法少女? どういうことなの? 説明して!」

???「そうだね。色々話してあげたいけど」

 私を見上げていた瞳が視線を移し、怪物とほむらちゃんのほうへと向く。私もそちらを見ると、炎がほむらちゃんを……。

まどか「……ひどい」

???「仕方ないよ。彼女一人では荷が重すぎた」

???「でも、彼女も覚悟の上だろう」

まどか「そんな……あんまりだよ、こんなのってないよ……」

 あまりの光景に耐え切れず泣く私に、あくまで淡々と喋る動物みたいなもの……。
 わけがわからない――わからないけど、ほむらちゃんは傷ついても闘っていて――。

???「諦めたらそれまでだ――でも、君なら運命を変えられる」

???「避けようのない滅びも、嘆きも、全て君が覆せばいい」

???「そのための力が、君には備わっているんだから」

 私に力がある……? 変えられる……? 覆せれるの……?

まどか「本当なの……?」

まどか「私なんかでも、本当に何かできるの?こんな結末を変えられるの?」

 ほむらちゃんが何か叫んだ気がする。だめって聞こえた気がする。
 そいつの声に耳を傾けちゃだめって……でも、力があるなら――この状況を覆せれるなら……。

???「もちろんさ。だから僕と契約して、魔法少女になってよ!」

まどか「……魔法少女になれば、ほむらちゃんを救えるんだよね……?」

???「嘘はいわないさ。さぁ――まどか、君の願いはなんだい?」

まどか「――ほむらちゃんが好きなの。だから私はほむらちゃんを助けたい。この願いを叶えて!」

???「鹿目まどか、君の願いはエントロピーを凌駕した。さぁ……受け取るといい。それが君の運命だ」

 すぅっと胸が熱くなり、ピンク色をしたアクセサリーみたいのに触れると私の格好が制服から、魔法少女みたいな姿に変わった。
 自然とどういう風に力を使えばいいのか理解して、私は弓を出し――怪物に向かって矢を放つ。ありったけの力を込めて。
 そこで意識が途切れ――私は倒れてしまったのだと思う。

 ぽたぽたと暖かいものが上から降ってきている。それに身体もなんだか暖かいや。
 それで意識を取り戻しすごく眠かったけど目をあけると――私を抱かかえて、泣いているほむらちゃんの顔が目に飛び込んできた。

まどか「……良かった、無事だった、んだね……」

ほむら「――どうして、どうして来てしまったの!? 約束したじゃない……」

 取り乱して泣いているほむらちゃんをどうにか安心させたくって、にこっと笑みを浮かべてみる。でも力が入らなくって……ちゃんと笑えたかな。

まどか「……約束守れなくって……ごめんね……」

ほむら「謝らなくってもいい、もういいから……お願いだから、死なないで……」

 そっか――これが死ぬってことなんだ。そう漠然と思った。でもほむらちゃんが生きているし、きっと皆も大丈夫……だよね。
 後悔はしてない。好きなほむらちゃんを皆を守れたんだから……でも……。
 なんとか最後の力を振り絞って、大きな涙の粒を流すほむらちゃんの頬に手をあてる。
 これが最後、なんだから……ちゃんと想いをつげなくっちゃ……。

まどか「……ねぇ……ほむら、ちゃ、ん……」

 私の力ない手をしっかり握り頬に押し付け

ほむら「……なに、まどか……」

 ほむらちゃんはいっぱい涙をためながら、無理矢理目に優しく微笑んでくれたんだと思う。視界がぼやけてハッキリみえないや。

まどか「私ね……ほむらちゃん、のこと……」

 最後までちゃんと言えたかわからない。でも、ほむらちゃんが「私もよ……まどか」って言ったのが聞こえた気がした。
 だんだん身体が重くなって、冷たくなっていく――でもほむらちゃんは暖かくて……それで……それで。
 ほむらちゃんの顔が近づいてきて……最初で最後のキスは涙の味がした……。


 ――ほむらちゃん、一緒にいれなくてごめんね。本当に好きだったよ―― 

 fin

これにて終了です。
乗っ取りにも関わらずこんな時間までお付き合いしてくださった方、本当に有難うございました。

感想をかいてくださった方ありがとうございます。
そしてハッピーエンドを期待していた方は本当にすみません。
機会があれば(ネタが浮かべば)、次はこそはイチャラブハッピーエンドを!

このSSまとめへのコメント

このSSまとめにはまだコメントがありません

名前:
コメント:


未完結のSSにコメントをする時は、まだSSの更新がある可能性を考慮してコメントしてください

ScrollBottom