多々良「私も榊原くんと仲良くしたいなぁ…」(278)

恒一・鳴「キャキャウフフ」

多々良(いいなぁ…)

恒一・鳴「イチャイチャ」

多々良(私も見崎さんみたいに、榊原くんとおしゃべりしたい…)

赤沢「恒一くんおはよう」

綾野「こういっちゃん、おっはよー!」

恒一「おはよう、赤沢さんに綾野さん」


多々良(あの二人も榊原くんと案外仲良いよね…いいなぁ)

多々良(わ、私も勇気出して声かけてみようかな…)

多々良「…」チラッ

恒一「フフッ」

鳴「ウフフ」


多々良(ふぇぇ…やっぱそんな勇気ないよぉ…)

佐藤「え?榊原くんと仲良くなりたい?」

多々良「うん…」

佐藤「普通に話しかければ?」

多々良「それが出来たら苦労してないよ!」

佐藤「そっか…恵、奥手だもんね」

多々良「どうすればいいと思う?」

佐藤「とりあえず…おはようの挨拶すれば?まずはそこからよ」

多々良「う、うん。頑張ってみる!」

なんか佐藤さんを友達にしちゃったけど、多々良さんの友達って誰?

多々良「…」ドキドキ

鳴「…?」

恒一「?」

多々良「さ、榊原くん…お、おはよう」

恒一「お、おはよう…」

多々良「じゃ、じゃあ…っ!」タタタッ


鳴「多々良さん、何だったんだろ?」

恒一「珍しいよね。ちょっと戸惑っちゃったよ」

多々良「はぁはぁ…」

佐藤「どうだった?ちゃんと挨拶できた?」

多々良「う、うん!私ちゃんとできたよ!」

佐藤(挨拶だけなんだけど…まぁ最初はこんなもんよね)

多々良「緊張したけど、何かすっごい幸せだった//」

佐藤「…恵ってさ、もしかして…榊原くんのこと、好きなの?」

多々良「えっ…?」

佐藤「好きなんでしょ~?このこのぉ」

多々良「…う、うん。そうかも//」

佐藤さんの下の名前プリーズ

佐藤「じゃあもっと積極的にならなきゃね」

多々良「む、無理だよ…」

佐藤「うかうかしてると、他の誰かに取られちゃうよ?」

多々良「他の誰かって…?」

佐藤「見崎さんとか、赤沢さんとか、綾野さんとか…」

多々良「まさか…」

佐藤「噂によると、榊原くんって見崎さんと家に行き来する仲らしいよ?」

多々良「ガーン」

佐藤「い、いやでもまだ付き合ってるとかじゃないと思うけどね」

多々良「…」

佐藤「げ、元気出しなよ、ほら!」

多々良「…」

佐藤「私は応援してるから!ね?」

多々良「榊原くんと見崎さんが付き合ってたらどうしよう…」

佐藤「恵…」

多々良「そしたら私死んじゃうかも…」

佐藤「そんな事言わないで……あ、私が聞いてきてあげよっか?」

多々良「え、でも…」

佐藤「いいからいいからっ」

佐藤「榊原くんっ」

恒一「ん?」

佐藤「おはよっ」

恒一「お、おはよう…」

鳴「?」

佐藤「突然なんだけどさ…榊原くんって、今誰かと付き合ってたりするの?」


赤沢「…」ガタッ

綾野「…」チラッ

鳴「…」

恒一「いないけど?」

佐藤「じゃあ、好きな人とかはいるの?」

恒一「…いや特には」

佐藤「そっか…ふふっ。ありがと。ごめんね、いきなり変なこと聞いたりして」

恒一「別にいいけど…」

佐藤「じゃね」タタタッ


鳴(佐藤さん、まさか)

赤沢(恒一くんのこと…)

綾野(好きなんじゃ…)

赤沢さんのガタッは定番になってきたな

赤沢さんはガタッかわいい

佐藤「恵!榊原くん付き合ってる人も、好きな人もいないって!」

多々良「ほ、ホント!?」

佐藤「チャンスだよチャンス!」

多々良「で、でもまだ心の準備が…」


先生「ガラリンコと。次の授業は調理実習だから家庭科室に移動してくれー」

佐藤「ほら、授業始まっちゃったじゃない」

多々良「ふぇぇ」

先生「えー、来週の調理実習なんだが、班は好きな者同士で組んでくれたまえ」


風見「勅使河原」

勅使河原「風見」

柿沼「風見くん、勅使河原くん、私も同じ班に入れて」

桜木「わ、私も!」


恒一「好きな者同士か…どうしよう?とりあえず見崎は誘った方がいいよな…」

恒一「見崎、一緒の班になろっか」

鳴「うん、もちろんそのつもり」


佐藤「ほらほら、恥ずかしがってないで!」

多々良「で、でも…」

佐藤「榊原くん、私たちも同じ班になろ?」

恒一「いいよ。よろしくね二人とも」

鳴「…」

多々良「よ、よろしく//」

赤沢「恒一くん、私も入れてもらうから」

綾野「私もー!」

恒一「うん、これで6人揃ったね」


中尾(くそっ!榊原ちぎれろ!榊原爆発しろ!!)

先生「じゃあ各班作るもの決めてくれー」


恒一「どうしよっか?」

赤沢「それぞれ意見出してみましょう」

綾野「はい!私はオムライス!」

佐藤「ピロシキ」

鳴「ライスカレー」

多々良「私は…んと、ラムチョップ」

赤沢「フレンチトーストとか簡単そうで良くない?」

恒一「見事にみんなバラバラだね」

赤沢「じゃあ…オムライスにしましょうか」

恒一「そうだね。一番無難だし」

綾野「やった!」

佐藤「ピロシキ…」

鳴「ライスカレー…」

恒一「食材は誰が買いに行けばいいかな?」

赤沢「私と恒一くんで行きましょう」

多々良「!?」

佐藤「私と恵も行く!」

鳴「私も行く」

綾野「わ、私も!」

赤沢(チッ)

恒一「じゃあ皆で仲良く買いに行こうか」

~ダイエー~

恒一「さすがダイエースーパー。何でも揃ってるね」

鳴「そうだね」

赤沢(本来なら私と恒一くんの二人きりだったはずなのに…)イライラ

綾野「みてみて、卵安売りしてるよ!」

恒一「本当だ。いいタイミングだったね」

佐藤「あと、ニンジンと鶏肉とグリーンピースとケチャップ?」

赤沢「ま、そんなところかしらね」


多々良(榊原くんのそばに行きたいけど…何か付け入る隙がない…)

赤沢「食材は全部買ったし…このまま帰る?」

綾野「本屋に寄って行きたい」

恒一「じゃ、行こうか」



赤沢「へぇ…彩もファッション誌とか読むんだ?」

綾野「まあね」

綾野(少しでもこういっちゃんの気を引きたいし…研究しとかないと)


多々良(榊原くんどこ行ったのかな…)

恒一「…」

多々良(み、みつけた…!何読んでるんだろ…)

恒一「…」

多々良(や……エッチな本見てる//)

佐藤「どうしたの?」

多々良「和江…。榊原くんがエッチな本みてるよぉ…」

佐藤「ふぅん」

多々良「ふぅんて…」

佐藤「榊原くんだって男の子だし、当然じゃない?男子ならみんな見てるわよ」

多々良「そんなもんかな?」

佐藤「そんなもんよ」

赤沢「何してるの?」

佐藤「榊原くん見て」

綾野「あっ…エロ本読んでる…」

鳴「…」

多々良「で、でも!男の子なら当然だよ!男子ならみんな見てるらしいし!」

赤沢「ま、それもそうよね。思春期だし」

綾野「こういっちゃん//」

鳴「…」

佐藤「今は温かい目で見てあげましょう」

多々良「みんなして見てていいのかな…?」

恒一「あ…」サッ

赤沢「こ、恒一くんそろそろ行くわよ?」

恒一「わ、わかった。ははっ」


恒一(見られてないよな…?大丈夫だよな?)


多々良(私が相手してあげるのに…榊原くん…)

すまんが1時間くらい抜けて来る

有田「あれ?あそこにいるのって…」

江藤「赤沢さんのグループだ。食材買いに来たのかな?」

有田「愛しの榊原くんもいるじゃない」

江藤「ちょ、ちょっとやめてよ//」

有田「ちょっと行ってみようよ」

有田「ういっす!」

赤沢「有田さんに江藤さん」

江藤「こ、こんにちは榊原くん//」

榊原「どうも…」(何で僕だけに?)

多々良「…」

佐藤(これは…)

佐藤「どーんっ」ドンッ

多々良「きゃっ」

榊原「おっと…大丈夫?」

多々良「う、うん…//」

江藤「…」

有田(これは…)

有田「こっちもどーんっ」

江藤「きゃあっ」

榊原「だ、大丈夫?」

榊原(うわ…多々良さんと江藤さんに抱きつかれてる…)

綾野(何この状況…)

赤沢(不可解…)

鳴(不愉快)

多々良「や、やめてよ和江//」

江藤「いきなり何するのよ…//」


佐藤「ふぅん」

有田「へぇ」

バチバチ


榊原「と、とにかく…僕たちはもう帰るから」

先生「んじゃ調理実習、始め!」


ワイワイガヤガヤ

恒一「♪」トントントントン

赤沢「へぇ~、恒一くん上手ね」

恒一「前の学校で料理研究部に入ってたからね」

綾野「すごーい//」

多々良(榊原くんカッコイイ//)


多々良「…」ジーッ

恒一「……?どうかした?」

多々良「う、ううん。かっこいいなぁと思って//」

恒一「//」

多々良(榊原くんカワイイ//)

江藤「…」チラチラ

有田「…気になるの?榊原くんのこと」

江藤「べ、別にそんなんじゃないもん…」プイッ

有田(素直じゃないんだから…)

中尾「おいお前らも手伝えよ」

有田「ん?」

江藤「榊原くん見てたいから、中尾くん全部やっといて」



中尾(榊原首折れろ!榊原足の小指角にぶつけろ!)

多々良「オムレツが私が作るね」

恒一「多々良さん上手だね。普段も料理するの?」

多々良「た、たまにお母さん手伝ってる//」

恒一「多々良さん偉いね」

多々良「//」カァーッ


赤沢「わ、私だってやるわよ!」

綾野「泉美、卵焦がしてる」

赤沢「わわっ!」

恒一「よしっ、完成!」

鳴「うわぁ」パチパチ

多々良(私と榊原くんの合作オムライス…//)

赤沢「じゃあ早速食べましょうか」

佐藤「そうね!」

多々良「あ…」

恒一「どうしたの?」

多々良「……グリーンピース、食べれない…」

恒一「じゃあ、僕が食べてあげるよ」

多々良「榊原くん…//」

赤沢「…」

赤沢「わ、私もグリーンピース食べれない!」

鳴「じゃあ私がもらうね」

赤沢「…」

江藤「榊原くん…」

恒一「ん?」

江藤「これ…食べてみる?」

恒一「へー、江藤さんの班はハンバーグ作ったんだ?」

江藤「うん…」

恒一「じゃあお言葉に甘えて一口もらうね」パクッ

恒一「美味しい!」

江藤「ほ、ほんと?私が作ったの!」



中尾(作ったの俺なんすけど)

恒一「タマネギをわざと大きく切る事で、いい食感と香りをうまく引き出してる」

恒一「ひき肉もあえて合びきではなく、牛のみを使うことでジューシーさを増してる!」

江藤「う、うん。そうなの!」

中尾(アイツ…なかなか分かってるじゃねぇか…)

恒一「レストランでこれが出ても何らおかしくない一品だよ」

江藤「榊原くん//」

中尾(照れるじゃねぇか//)

多々良「…」ギリッ

佐藤(恵…)


有田「どうだった?」

江藤「うん、美味しいって。褒めてくれた//」

中尾「俺が作ったんだけどな」

有田「中尾くんうるさい」

江藤「黙ってて」

中尾「…」

綾野「ふぅー、食った食ったぁ」

佐藤「赤沢さん何してるの?」

赤沢「食後のコーヒーを淹れてるのよ」コポコポ


有田「んー、美味しかった」

江藤「ねー」

中尾「おいお前らも食器洗うの手伝えよ」ジャー カチャカチャ

江藤「私、榊原くんのところ行ってくる♪」

中尾「お、おいっ!」

有田「仕方ないわね…私が手伝ってあげる」

中尾「お、おう//」

江藤「榊原くーん♪」タタッ

榊原「ん?」

勅使河原「うおっ!床にサラダ油こぼしちまった!」

ツルッ

江藤「きゃあっ!」ステンッ

江藤「…いてて」

榊原「…ッ!//」

江藤「え…きゃ、きゃあっ!」

榊原(ど、どうしよう、江藤さんのパンツ見ちゃった//)

江藤「み、見た…?」

榊原「ご、ごめん…」

江藤「//」


多々良「…」ギリッ

勅使河原「うおおっ!今度はオリーブオイルこぼしちまった!」

風見「しっかりしてくれよ」

勅使河原「す、すまん」

多々良「きゃあっ!」ツルッ

榊原「うわっ」ドテンッ

多々良「…//」

榊原「…//」


綾野「ちょっと…何なのよこれ」

鳴「多々良さんが榊原くんに覆いかぶさってる…」

赤沢「」

綾野「い、泉美!?しっかり!」

多々良「ご、ごめんね//」バッ

榊原「い、いや…別に…それより大丈夫?怪我は?」

多々良「平気//」


江藤「ぐぬぬ」

~夏休み~

佐藤「うー…暑くて死にそう…」

多々良「溶けちゃいそうだね…」

佐藤「恵は榊原くんのこと考えるだけで、いつもとろけてるじゃん」

多々良「ほ、ほっといてよ!//」

佐藤「家にいても暇だし、どっか行かない?」

多々良「どっかて、どこに?」

佐藤「ま、適当にね」

~ダイエー~

江藤「んー…アイス冷たいね♪」

有田「やっぱ夏はアイスよね」ペロペロ

江藤「私はアイスを愛す女。なんちゃってwww」

有田「あ、一気に寒くなってきた」

江藤「んもぉ!」ポカポカ

有田「あははっ」

多々良「結局ダイエーか…」

佐藤「この辺じゃここぐらいしか無いからね」

多々良「あっ」

江藤「げっ」

佐藤(江藤さんと有田さんも来てたのか…)

有田(まさかここで会うとは…いやいつもここたなんだけどさ)

多々良「むー…」

江藤「…」

怜子「恒一くん、おつかい頼んでもいいかな?」

恒一「いいですよ」

怜子「じゃあ、お願いね」

恒一「はい」

恒一「どこに行こうかな…」



恒一「ダイエーに行くか」

恒一「~♪」


江藤「…」

多々良「…」バチバチ

佐藤「あっ、榊原くんだ!」

多々良「えっ」

江藤「えっ」



恒一「ん?」

恒一(何か嫌な予感がする…)

恒一(ここは見なかったことにして逃げるか)ダッ


有田「あっ、逃げた」

江藤「ま、待ってぇ!」

佐藤「仕方ない、手分けしてとっ捕まえましょう」

多々良「うん!私頑張るね!」



恒一「うわっ、追いかけてくる!?」

佐藤「おっ…いたいた!」

恒一「げっ」

佐藤「こらー!待ちなさい!」

恒一「うわっ」

佐藤「はいっ、捕まえたー」

恒一「な、何で追いかけてくるのさ?」

佐藤「榊原くんが逃げるからでしょ」

恒一「そんな…」

佐藤「そろそろはっきりしてよ」

恒一「えっ、何を?」

佐藤「榊原くんは…誰が好きなの…?」

恒一「えぇ!?」

佐藤「お願い!答えて!」

恒一「佐藤さん…」

佐藤「誰?」

恒一「僕は…」


恒一「さ、佐藤さんのことが…」

佐藤「え…?//」

恒一「僕は、佐藤さんが好き」キリッ

佐藤「…ッ!//」

佐藤(ちょ、ちょっと待ってよ……え…な、何で?)

恒一「転校して来た日からずっと…好きだった」

佐藤(待って待って待って…何で私なのよ!)

佐藤(私は恵を応援してるのに…こんな…)


恒一「佐藤さん、僕と付き合ってほしい。…ダメかな?」

佐藤(な、何この気持ち…//)

恒一「佐藤さん…!僕は本気だよ」

佐藤「ご、ごめんなさい…」

恒一「…」

佐藤「今はその…まだ何とも言えない…」

佐藤「気持ちの整理ができてから、返事はするから…」

恒一「…うん」



多々良「か…ずえ…?」

佐藤「!」

恒一「多々良さん…!」

佐藤「ち、違うの恵、これは!」



多々良「…裏切り者!!」ダダッ

佐藤「待ってよ!恵!」

多々良「ついて来ないで!あんたの顔なんてもう見たくないっ!」

佐藤「恵…、私の話も聞いて!」

多々良「和江なんて嫌い…大っ嫌い……うっ…ううっ」

佐藤「恵…」

多々良「うぇぇぇんっ」

~佐藤の家~

佐藤「あ、多々良さんのお家ですか?佐藤ですけど、恵さんいますか?」

『ごめんね、ずっと部屋に閉じこもったまま出てこないの…』

佐藤「そうですか…」

『困ってるのよ…。和江ちゃん何か心当たりある?』

佐藤「……いえ、何も」

『そう。まぁすぐ直ると思うから、その時はまた遊んであげてね?』

佐藤「はい…」

メシ行ってくる

多々良「はぁ…私何やってんだろ…」

多々良「和江は何も悪くないのに…」

多々良「一人で勝手に傷ついて、一人で勝手に怒り出して…」

多々良「最低じゃん、私…」

怜子「恒一くん、電話よ。佐藤さんって子から」

恒一「えっ!?」

怜子「恒一くんも隅に置けないなぁ。このこのっ」

恒一「よ、よして下さいよ//」


恒一「もしもし」

佐藤『あ、榊原くん?』

恒一「うん」

佐藤『あの…さっきの事なんだけどね…』

恒一「…うん」ドキッ

佐藤『…ごめんなさい。私は、榊原くんとは付き合えないの』

恒一「そ、そう…。あはは、フラれちゃったね」

佐藤『…ごめん』

恒一「気にしなくていいって…」

追いついた
さぁあの空に向かって羽ばたこうぜ

>>155
ネタバレやめろ

佐藤「じゃあね…うん……うん、また明日、学校で」

ガチャッ

佐藤母「誰?もしかして彼氏?」

佐藤「そんなんじゃないよ…でも…」


佐藤「彼氏にしたかった人……かな」

佐藤母「?」

佐藤(もったいない事しちゃったかなぁ…ハァ。バカだな私…)

佐藤(でもまぁ、恵のことを思えば……ね)

~翌日~

赤沢「あれ?今日恒一くん休みなの?」

鳴「風邪だって」

赤沢「そう…こじらせてなければ良いけど…」


佐藤(榊原くん…)

多々良「和江…」

佐藤「恵…」

多々良「あの、その…昨日はごめんね?」

佐藤「…気にしてないよ、全然」

多々良「これからも友達でいてくれる?」

佐藤「…もちろん!」

多々良「え…榊原くんをフッたの!?」

佐藤「ちょ、ちょっと、声大きいって!」

赤沢「!?」

鳴「!?」

綾野「!?」

江藤「!?」



有田「チャンスじゃない悠!」

江藤「う、うん」

赤沢(恒一くんをフッた?何てもったいない事を…!)

綾野(こういっちゃん可愛そう…)

鳴(佐藤さんは万死に値する…)

先生「誰か榊原の家にプリント届けてやってくれないか?」

勅使河原「はいはーい!それなら俺が…」

赤沢「…」ギロッ

勅使河原「ひぃ!?」

有田「先生!江藤さんが行くみたいでーす♪」

江藤「ちょ、ちょっと//」


赤沢(チッ)

有田「ほら、愛しの榊原くんの家の前についたよ」

江藤「き、緊張してお腹痛いよぉ…」

有田「ちょっと、大丈夫なの?」

江藤「わ、私やっぱ無理ぃ!」タタタッ

有田「あっ!ちょっと……ったく…」


有田「仕方ない。私一人で届けるか…」

ピンポーン

怜子「はーい」

有田「あ、あの、恒一くんにプリント届けに来たんですけど」

怜子「あら…ふふっ。せっかくだからあがって行けば?」

有田「はあ…それじゃあ…お邪魔します」

怜子「恒一くんは上の部屋にいるから、どうぞご自由に」

有田「はい」

有田(男の子の部屋に入るの初めてだな…//)

コンコンッ

恒一「ん?…有田さん?」

有田「はい、これ宿題のプリント」

恒一「わざわざありがとう」

有田「あと、ノートも書き写しておいたから」

恒一「えっ、ごめんね手間かけさせちゃって…」

有田「いいよ別に。それより…元気そうじゃん?」

恒一「いや…これには…それなりの事情が…」

有田「…聞いたよ」

恒一「え?」

有田「佐藤さんに…フラれたんだって?」

恒一「な、なぜそれを…」

有田「ふふっ。もう皆知ってるよ?」

恒一「そ、そんな…」

有田「それで、失恋のショックで学校も休んだわけだ?風邪とか嘘ついて」

恒一「…悪い?」

有田「ううん。悪くなんて、ないよ」

恒一「…」

有田「…まだ引きずってるの?」

恒一「そりゃあ、まあ…。本気だったんだ、佐藤さんのこと」

有田「…」

有田「…気持ちは分かるけどさ、もう…忘れちゃいなよ」

恒一「僕だって忘れたいさ…でも…」

有田「男らしくないよ?」

恒一「…うるさいなぁ。ほっといてよ」

有田「私は榊原くんのことを思って…!」

恒一「用が済んだなら、帰ってよ…」

有田「榊原くん…」

恒一「ご、ごめん。プリント、ありがとね」

有田「榊原くん!!」ガバッ

恒一「おわ!?」

有田「お願い…元気出して…」

恒一「あ、有田さん…?//」

有田「私だって…また榊原の笑顔がみたいよ…!」

恒一「…」

有田(わ、私、何てことしてるの!?)

有田(何てこと言ってるのよ私は…これじゃまるで…)

有田「…//」カァァァッ

恒一「有田さん…分かったから…もう、ね?」

有田「…//」ギュゥゥッ

恒一「は、放してよ…」

有田(何でだろ……放したく…ないよ…)

しえん

有田(そっか…私も…榊原くんのことを……)

恒一「有田さん?聞いてる…?」

有田「嫌…」

恒一「え…?」

有田「放したく、ない」

恒一「こ、困るよ」

有田「…」

恒一「…」

有田「……ごめんなさい」パッ

恒一「…突然、どうしたの?」

有田「…どうしちゃったんだろうね?私。…変な人だよね」

恒一「…」

有田「じゃ、じゃあね」

~有田の家~

有田「一応、悠に電話しといた方がいいよね…」


有田「あ、もしもし。悠?」

江藤『それで、どうだった?榊原くん。元気そうだった?』

有田「う、うん…まあね。明日は学校行けるらしいよ」

江藤『本当!?また榊原くんだ…嬉しいなぁ//』

有田「…」

江藤『…もしもし?』

有田「……ん、何?」

江藤『どうしたの?何かあった?』

有田「…ひとつ、聞いてもいい?」

江藤『ん?』

有田「もし…もしもだよ?私が、榊原くんのこと好きって言ったら……どうする?」

江藤『……へ?』

江藤『嘘…だよね?……ねぇ?』

有田「も、もちろんよ。もしもって言ってるじゃない」

江藤『驚かせないでよぉー!びっくりしたじゃん』

有田「…」

江藤『もし、そうだったら…』

有田「うん…」

江藤『絶交、かな』

有田「……そう」

有田「…どうすればいいのかな、私」

有田「恋か、友情か…」

有田「…天秤になんて、かけられないよ」



有田「明日、正直に話そう」

俺も田舎に転校すればこんなハーレムが待っていたかもしれないのに……

~翌日~

赤沢「あら恒一くん。もう風邪治ったの?」

恒一「う、うん。何とかね…ははっ」

有田「…」

恒一「…」


有田「ねぇ、ちょっといい?」

江藤「え?どこに行くの?」

有田「…トイレ」

江藤「でも私、さっきトイレ行ってきたばっかりなんだけど」

有田「…いいから」

~女子トイレ~

江藤「…ごめん、もう一回言って…?」

有田「だから、私も榊原くんの事…好きになったの」

江藤「……何言ってるのか分からないよ…何?え?何?」

有田「……が…き…」

江藤「ん?なになに?聞こえないってば」

有田「私は榊原くんが好き!!!!」

江藤「聞こえてるよ…そんなに大声出さないでよ」

有田「…」

江藤「…私、言ったよね?」

有田「悠…あのね、私…!」



江藤「絶交だよ」

有田「悠…」

江藤「さよなら、もう話すこともないでしょうけど」

有田「待って!」ガシッ

江藤「…ッ!放してよ!!」

有田「やだ!私…あなたを失いたくない!」

江藤「私の気持ち、知ってたくせに…!」

有田「お願い、友達でいてよ!」

江藤「じゃあ…榊原くんは諦めてよ」

有田「嫌…。それはできない」

江藤「じゃあお友達でいるのも今日までだね」

有田「悠…」

~教室~

江藤「あ、榊原くん。もう風邪大丈夫?」

恒一「おかげさまで…」

江藤「ふふっ、よかったね♪」

タタタッ

有田「悠!」

江藤「…」プイッ

恒一「?」

恒一「…何かあったの?」

江藤「別にっ」

有田「悠…やだよ……私、こんなのやだよ…」ポロポロ

恒一「有田…さん?」


勅使河原「お、おい…あいつ泣いてるぞ…?」

風見「大丈夫かな…ちょっと慰めに…」

赤沢「…」

風見「赤沢さん?」

赤沢「彼女たちの問題は、彼女たち自身で解決しなきゃね」

風見「?」



赤沢(辛いわよね…二人とも……。いえ、私たちもね…)


恒一「おかしいなあ。余計なボタン押しちゃったかな?」ピッ

望月「どうかしたの?」

恒一「うん…。なんか登録していた番号がごっそり消えちゃっててさ、どうしてかなって」

勅使河原「落としたりとかしたんじゃねえの?」

ごばく

恒一「落としたりなんかした覚えはないけど…」

勅使河原「不思議なこともあるもなんだな。しかし…」


有田「私…まだ悠とやりこといっぱいあるのに…友達でいたいよ」ポロポロ

江藤「…」プイッ


勅使河原「あの二人はどうしたもんかねぇ…」

恒一「…」ツカツカ

勅使河原「お、おいサカキ?」

赤沢「み、見崎さん・・あのね・・・」

恒一「携帯の電話帳が見崎とお父さんだけになってる・・・」
恒一「携帯の電話帳が見崎とお父さんだけになってる・・・」 - SSまとめ速報
(http://hayabusa.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1330168265/)

恒一「あのさ…」

江藤「何?榊原くん♪」

恒一「何があったのか知らないけど…許してあげなよ」

有田「!」

江藤「…」

恒一「有田さん、こんなに謝ってるんだしさ」

江藤「榊原くんには…関係ないよ」

恒一「泣いてるじゃないか、有田さん…」

江藤「誰、それ……私、知らないし…」

有田「グスッ ヒッグ」

江藤「いない者の相手なんか、したくないし、私…」

恒一「…ッ!」

パンッ!

江藤「痛…」

恒一「いない者とか…やめろよ」

江藤「榊原くん…」

恒一「いない者になった気持ちとか、考えたことあるのかよ?」

鳴「…」

赤沢「…」

恒一「よく分からないけど、有田さんも江藤さんを傷つけたのかも知れない。…でも!」

恒一「その傷の痛みを知ってて、何で人を傷つけようとするんだよ!」

恒一「しかも、有田さんは親友なのに…!」

江藤「!!」

有田「悠…」

江藤「ご、ごめん…私…私…」

有田「私こそ、本当にごめんなさい!」

江藤「私たち…まだ友達だよね…?」

有田「当たり前でしょ?それに、まだじゃない。ずっと友達よ…」

恒一(よかった…また仲のいい二人が見れて)



鳴「さすがね榊原くん」

赤沢「正直、これ以上他の女の子には優しくしてほしくないけど…」

綾野「そこがこういっちゃんの魅力だもんね//」

江藤「でも…負けないよ?私」

有田「…私だって、負けない」

赤沢「それは私たちも同じよ?」

江藤「赤沢さん?」

鳴「そう。榊原くんを好きなのは、あなたたちだけじゃない」

有田「えっ」

綾野「こういっちゃんは誰にも渡さないんだからっ!」

江藤「みんな……。ふふっ、そうだったんだ?」

赤沢「と、とにかく!恒一くんを譲る気なんて、これっぽっちも無いんだからっ!//」

多々良「わ、私だって恒一くんのこと好き!多分この中で一番愛情深いもん!」

赤沢「フッ。私の方が愛情では上よ?」

多々良「そ、そんな事ない!私の方が好きなの!」

赤沢「私の方が上って言ってるでしょ!」


中尾(クソッ!榊原やっぱり爆発しろ!脱腸になれ!)


江藤「ふふっ。榊原くんも罪だよね…」

有田「ホントよね……ハァ」


鳴「ちょっと待って。榊原くんと綾野さんの姿がいつの間にか消えてる」

綾野「ふふふっ。最後の勝者は私だぁー!」

恒一「あ、綾野さん!?」

綾野「うふっ♪一緒に行こうね、こういっちゃん♪」

恒一「ど、どこに!?」

綾野「決まってるでしょ?私たちだけのあの空へ!」

恒一「えっ?何それ、どの空?」

綾野「ほら、一緒に羽ばたこう!無限大の空へ!」

恒一「う、うん!何か明日が僕らを待ってる気がする!」






多々良「させない!!」

江藤「いない者の相手なんか、したくないし、私…」

恒一「…ッ!」

パンッ!

江藤「痛…」

パンッパンッパンッパンッ

江藤「い…いたいよぅ グスッ 初めてなのに……」

パンッパンッパンッパンッ

綾野「わわっ、ちょ、どいてぇー!」

ドンッッッ

綾野「いてて…って、えぇっ!?」


多々良「…//」

恒一「…//」

綾野「こ、こういっちゃんと多々良さんが…キスしてる!?」

恒一「ぷはっ…こ、これは事故だってば//」

多々良「そ、そうだよ!これは…不可抗力と言うか…運命と言うか…う、運命は関係ないか//」

恒一「多々良さん…」

多々良「な、何言ってるんだろうね?私//」

赤沢「待て待てーい!」

鳴「全力阻止っ」


恒一「み、みんな何で?」

多々良「行こう、榊原くん//」

恒一「えっ、ちょっと、どこに…」

多々良「知ってるくせに//」

恒一「…光輝くあの空に……でしょ?」

多々良「榊原くん…ううん。…恒一くん//」

恒一「行こう、多々良さん!まだ見ぬ明日が僕らを待ってる!」

多々良「Fly to tomorrow!!」




結局このオチかよwwww

純愛書きたいのに何故かいつもこうなる…

いつものオチかwwwwww乙

乙乙
1の環境も近所にダイエーしかないのか?

>>264
ううん。ヨーカドーならある

>>262
another SSでggr

>>276
綾野さんへの愛は変わらないけどね

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