耕司「金返さんかいコラァ!!!」(13)

耕司「あ、兄貴!おりましたで!」
兄貴「おーおー!やめんかお前・・素人さんに手ぇ出すな言うてるやろ」
耕司「しっしかし兄貴ィ!」
兄貴「ええから座れ!・・・すんまへんな、社長」



スライム「ス、スラ・・・・・・?」

スライムはみがまえている!

兄貴「しかしスライムはん。アンタもほんっま困った人でんなぁ」
スライム「・・・」
兄貴「アンタ・・・カーナビって知ってるか?」
耕司「知ってるかって聞いとんじゃコラぁ!」

スライム「ス、スラ・・・?」


兄貴「そうや。カーナビゲーションシステムの話やなぁ。あれはよー出来たもんでなぁ。
例えばー、今から車でレストランに行くとする。
まずカーナビでそのレストランを目的地にするんやな?そしたら後はカーナビ見ながら走るだけで」

スライム「ス、ス、」

兄貴「目的地まで案内してくれる。っちゅう品物や」

兄貴「でもなぁ」

兄貴「お台場に行く時だけなんで海の上走っとんじゃあ!」

耕司「お台場に行く時だけなんで海の上走っとんじゃあ!!」

兄貴「もっとォ!」

耕司「お台場に行く時だけなんで海の上走っとんじゃあ!!」

兄貴「もっとォ!!」

耕司「お台場に行く時だけ!っなんで海の上走っとんじゃあ!!!」

兄貴「ロックンロールでェ!!」

耕司「お台場でシャバダバ」

スライム「」

スライムは訳がわからずとりあえず仲間を呼んだ!
スライムベスがあらわれた!

スライムベスは帰ろうとしている!

スライムは必死に引き留めている!

兄貴「アンタ・・・大事マンブラザーズ知ってるか?」
耕司「知ってるかって聞いとんじゃコラァ!」
スライム「・・・チラっ」
スラベス「・・・・・・」

兄貴「そうや。歌手のグループ名やなぁ」
スラ&ベス「?!」

兄貴「あの人らはえー歌うととんなぁ?今苦しんでる人に向けた応援ソングや。」

兄貴「えー・・・負けない事。投げ出さない事逃げ出さない事信じ抜く事。
ダメになりそうな時、それが1番大事、っちゅうんや。不思議なもんで聞いてると元気が湧いて来るなぁ?」

兄貴「でもなぁ・・・」

兄貴「結局どれが1番大事なんじゃあ!」

耕司「結局どれが1番大事なんじゃあ!」

兄貴「もっとォ!!」

耕司「結局どれが1番大事なんじゃあ!!」

兄貴「もっとォ!!!

耕司「結局どれが1番大事なんじゃあ!!!」

兄貴「新橋のサラリーマンでェ!!!」

耕司「1番大事なのは上に逆らわん事や」

スライムは何と無く薬草を取り出した!

ベスはそれに気づくと急いでしまわせた!

耕司「!」

兄貴「タッタタラリヤピーヒャラピーヒャラ」

耕司「ッッッ!」兄貴の肩を叩く

兄貴「踊る坂田師匠・・・??!」

耕司は無言で薬草を指す

兄貴「ッ?!・・・!」

兄貴はなにやら、耕司に耳打ちしている!

耕司は無言で頷くとスライム達の前に立ちはだかった!

兄貴「ヒウィゴーゴーゴーゴー」

耕司「どうもー!!メタンガスです!えー今日もね、頑張っていかなあかんなぁ言うてるんですけどもね」

スライムたちはおどろき戸惑っている!

耕司「え!ホンマかいな君ィ!また、まーた独身が1人減るんかいなァ!」

兄貴はこそこそとスライム達に近づいている!

耕司「そらそうやぁ、結婚したら大変やで?今時の男は家事手伝わな捨てられてまう・・・え?ほう、ほう」

スライムたちは少し聞き入っている!

耕司「つまり、僕が君の嫁さんやったらええんやな?よし、あ、あなたおかえりなさーい」

兄貴はスライム達の後ろにまわった!

耕司「ちょい待てお前!なんで指の間にポップコーン挟んでんねん!」

スライムは少し飽きて来ている

兄貴はその一瞬を見逃さなかった

スライムたちが1人漫才に飽きて視線を家電コーナーに送ったその刹那ーーー兄貴はスライムから薬草を奪い安全圏まで距離を撮った

スライム達の実力不足?



兄貴の動きは人のそれを遥かに凌駕していた

幾千万の修羅場を潜り抜けた男とスライムを比べる事自体無駄なのだ

何食わぬ顔で耕司の側に戻りマッサージチェアに腰をかける兄貴

その顔は何処と無くブルースリーを彷彿とさせる酸味の効いたどや顏
兄貴が軽く鼻を撫でるとスライムベスは吹き出した

着物の袖から薬草を耕司に見せると耕司は満足気に微笑む
そしてーーー

兄貴「キッチリもろたでぇ!・・・オイ!行くぞ!」

耕司「へい!」

耕司はスライムたちに近づき腰を曲げ顔を寄せる

耕司「勇者と書いて兄貴と読むんや・・・!」

スラ&ベス「・・・」

兄貴「あのポップコーンのくだりは変えたほうがええんとちゃうか?」
耕司「ホンマですか・・・イケる思たんですけどね・・・」

こうして勇者一団ー暴力団ーの旅は続く

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