ひな「ひなだお・・・なんで殴うの・・?おえぇ・・」(405)

ボコ

バキッ


ドゴッ

ひな「おいたん痛いお・・・ゲホゲホ」


ドゴッ


バキッ


ひな「もう・・全部我慢すうお・・・わがままいわないお・・・」



ボコ


バキッィィィィ
ひな「いやああああああああああ・・・腕がおえたお・・・腕がプラプラしてうお・・・」



バキッ



ドゴッ


ひな「おいたん・・なんで裸になうの・・・?また痛い痛いすうの?」

ひな「いやだお・・・おいたんまたひなのオマタに変なのいえうんでしょ・・?」




バキッドゴッボキッ

ひな「うぅ・・・・・」パンパン



パンパン


パンパン



パンパン


パンパン

ひな「・・・・うぅ・・・痛いお・・オマタがまた裂けてうよぉ・・・」



パンパン


パンパン

空「ちょっとお兄ちゃん!!」

!!?

空「またひなのことレイプして!!」


!!?

空「やるなら声ださせないで!!」

ひな「おええちゃん?・・・またひなのこと知らない知らないすうの?・・・」


パンパン


パンパン

空「うるさい!黙ってチンコぶち込まれてなさいよ!」


パンパン


パンパン

ひな「・・・痛いお・・・いろいろと痛いお・・・」

空「ふん、汚っない顔。ぺっ」

ひな「・・・うぅ・・・もうお風呂も自分ではいうから・・・おいたんのいう事も全部きくかあ・・・ゆうして・・・」



パンパン


パンパン


パンパン


ひな「だめだお・・・」

次女も出して

       ____
     /      \
   /  _ノ  ヽ、_  \
  / o゚((●)) ((●))゚o \  いろいろと痛いお・・・
  |     (__人__)'    |
  \     `⌒´     /

パンパン


パンパン


パンパン

ライカ「よよよ」


パンパン


パンパン

パンパン

ひな「だえ?・・・・ねえ!だえなの!?」

>>53
ワロタ

>>52
名前忘れた



パンパン


パンパン

ひな「だえ・・・むぐぅ!!」


ボコ


ボコ


バギィ!

ひな「わかったお・・・もうお話しないお・・・」

次女は美羽

ひな「もうでう?・・・熱いのでう?」


パンパン


パンパン

空「お兄ちゃんもう白目剥いてるから出るよ!ひな!」


ひな「よあった・・こえでおわう・・・」



パンパン


パンパン

空「ほら!もうすごい顔!」





ドッッッッピュルルルルルルルウウウ


ひな「うわああぁああ熱いのだお・・・」

>>73
> 空「お兄ちゃんもう白目剥いてるから出るよ!ひな!」
> 空「ほら!もうすごい顔!」

クソワロタwww

>>64ありがとう

美羽「ちょっとおじさん?って、ええ?」


ひな「たすけて・・・熱いのきてうの・・・」


ピュルル


ピュルルルル


空「あら美羽!みてこれ笑えるでしょ?」

美羽「ちょっとお姉ちゃん!!ひな!?ひなが犯されてるのよ!」

空「だからなに?血の繋がってない野郎なんてどうでもよくない?」

美羽「ええ?そういう捉え方なの?」


ひな「おええちゃん・・・助けて・・・」

美羽「そ、そう思うとなんだかスカッとするわね!」

空「でしょー?サイコーなんだから!」

美羽「おじさん!もっとヤって!」


ひな「もうだえも信じれないお・・・」

ひなちゃんの膀胱に僕の熱いの注いであげたい…

ボコ


ドゴッ

バキッ


美羽「あっはー!なにこれ爽快です!」

空「でしょでしょ!もうこれ見たら親が死んだ事なんてスッキリ忘れられるの!」

美羽「あ、なんかわかるきがするー」

ひな「うぅ・・・・オゲェ」ゲロゲロゲロ


空「きったなー。なんにもあげてないから胃液しかでてないけどー」

美羽「本当だーおじさんこれ毎晩やって!」

ひな「オエェ・・・お口がニガニガだお・・・」

美羽「わー!胃液で口が苦いってー!うけますね!おじさん!」

空「ちょ、ちょっと美羽!お兄ちゃんはそんなこと思ってないんだから!ほらお兄ちゃんもニヤニヤしないー」

美羽「ほーう。お姉ちゃん顔赤くなってるー!」


キャッキャ


キャッキャ

おしまい!

キモオタのあいつがひなちゃんを助けてひなちゃんが20歳になったら結婚して初めてセクロスして幸せになる話じゃなかったのかよ…

とりあえずハッピーエンドでおわれました
ありがとうございました

おじさん「空ちゃん、美羽ちゃん。一緒に暮らしたいなり援交してくれない?」
空「えっ…?」
美羽「やっぱりお金足りないんですか…?」
おじさん「いくらバイトしてお金を稼いでも一緒に暮らすためには全然足らないんだ…」
空「でも…体を売るのはちょっと…」
おじさん「フェラだけでもいいって人だけ募集するから!!みんな一緒に暮らしたいんでしょ?」

このひなちゃんは紆余曲折あってダイキチに拾われるべき

ひな「へんしーん、るなぅな、せぶん!!」

ひな「えへへ~♪ わぅいやつらは、るなぅなせぶんが、やっつけちゃう!!」

虐待おいたん「……」

ひな「あ、おいたん! おいたんもるなぅなせぶんすぅ?」

ひな「ひなが~るなぅなせぶん! おいたんはねー、んーと、んと、あ、るなぅなの」

虐待おいたん「オメオラなに騒いでんだオラァ!!」

ひな「う? い、いた、いたい!! おいたんいたい、いたい!!
    ひっぱぁないで!! ひなのかみ、ひっぱぁないれぇ!!」

虐待おいたん「静かにするっつったのに静かにしねぇのはおかしいよなぁ、オラァ!! YO!」

虐待おいたん「怒らせちゃったね? オジサンのこと本気で怒らせちゃったねぇ!?」

ひな「ごめんなさい、ごめんなさい!! わかんないけど、ごめんなさい!!」

虐待おいたん「分かってねぇなら意味ねぇんだよ!!」

ひな「うぅ……あぅ……ひな、おいたんと、るなぅな……」

虐待おいたん「誰がしゃべっていいっつったぁ!?」

ひな「……」

はよ続き

このスレは現在、過去、未来、そしてあらゆる並行次元における私を激怒させた

ひな「あ、おいたん!」

ひな「えへへ、おいたんみてみて! ひなね、おいたんのえ、かいてたの!」

ひな「これがおいたんでね、こっちがひなだお!」

おいたん「え、このクリーチャー俺なの?」

ひな「くりー、ちゃ? これはおいたんだお?」

おいたん「つまりひなちゃんは俺がバケモノって言いたいわけだね」

ひな「ゔー、ちがうの!! これはおいたん!! くりーちゃでもばけももでもないぉ!!」

空「ひなー? なに騒いでるのー?」

ひな「あ、そらおねーた!」

おいたん「いやさ、ひなちゃんが俺のことをいきなりバケモノ扱いしてきたからさ。それは酷いんじゃないかなって」

空「え!? ひ、ひな!! なんでそんなこと言ったの!?」

ひな「ちぁーよ! ひな、そんなのいってない!」

おいたん「そっかー、ひなちゃんはおじさんのことを嘘つきだって言いたいんだね」

ひな「うぇ!? ち、ちがーよ? あのねそらおねーた、ひなね、おいたんのえ、かいてね」

空「いいわけしないの! ほら、お兄ちゃんにごめんなさいしよ。お兄ちゃんちゃんと許してくれるから、ね?」

ひな「うぁぁ……もういやらおぅ……ひぐっ……ぐしゅ……いああああ……」

おいたん「大丈夫かいひなちゃん! ひなちゃん!?」

空「ちょっとどうしたのよ!」

美羽「起きて! 起きてってば!」

ひな「はぅっ……! ……!? ……?」

空「よかった」

ひな「!」ビクッ

美羽「こんなに汗びっしょりになってうなされちゃって……心配したんだよ?」

ひな「ひきっ」ビビクン

空「よ、様子が変だけど」

美羽「ほぉーら、お姉ちゃんsだよ~」

ひな「おねえ……やん?」

空「もう、見ればわかるじゃない」ギュっ

美羽「怖い夢見たんだね」ナデナデ

あれれ~

ひな「おにぇぇちゃぁ~んs」ひしっ

空「いたたたた! 痛いってばひな」

美羽「よっぽどひどい夢だったんだね……」

おいたん「でも、大事じゃないみたいで、本当によかった」ひょこ

ひな「!!!」

美羽「はい……でもなんだか、顔色も相当悪いです」

おいたん「そうだね。なにかあったら大変だ。この時間でもやってる病院があるかどうか、ちょっと知り合いに聞いてみ――」

ひな「いあぁ……」gkbr

空「え?」

美羽「ほい?」

おいたん「ひなちゃん?」

ひな「いあぁおいたん――いぁあああああああ!!」

空美羽おいたん「!!!!」ビクゥ

ひな「やああああああああ……! びやあああああああああのおおおおお……!」

空美羽おいたん「……」

おいたん「ストレス、ですか」

医者「おうかがいしました事情から考えますと、今の時点ではそうとしか。身体検査でも異常は見られませんでしたし」

医者「おそらく、突然ご両親が目の前からいなくなってしまった不安、そしてご家族のお姉さん方から伝わってくる雰囲気。見知らぬ土地での切り詰めた生活、
    狭い住環境……そういったものが、彼女の精神に多大なストレスを強い、彼女が知識として持っている負のイメージを持つものが、より強い現実感を伴って、一気に押し寄せてしまったんです」

おいたん「そんな……昨日まであんなに元気だったのに」

おいたん「それにひなちゃんが、ぼくに……ぼくがひなちゃんに、その、そんなことをするなんて、考えつけるなんてとてもじゃないですけど……」

おいたん「僕は、ただあの子たちが一緒にいられれば、って……!」

医者「幼少期の子供の感受性というのはね、私たち大人が思っている以上に高いものなんですよ」

医者「それこそ、私たちが予想もしないようなささいなことから、様々なものを受け取り、感じ取っているんです」

おいたん「……」

医者「お兄さんが悪いわけじゃないと、私もそう思う。
   しかし精神症やストレスというのはね、本人や周囲の目にも分からないところで進行してゆくのが恐ろしいんです」

医者「それがどのような形で噴出してくるかも、分からない。お嬢さんはヒーローもののTV番組をよくごらんになるというから、きっと、不安の元凶に〝わるもの〟という形を取らせたんでしょう」

医者「そして同時に〝わるもの〟は家族という、決して逃げられない者の姿を、取った」

医者「もちろん一概には言えません。ですがその他にも、たとえば、お嬢さんは日常生活の中でも、こんな不安と戦っていたりしないでしょうか。〝お留守番中は、悪い人の来客には応じないようにしなければならない〟……とか」

おいたん「あ……」

おいたん(まただ……あの子たちに負担をかけないって、決めたのに)

医者「大丈夫かい? 落ち着いたほうがいい」

おいたん「僕は、どうすれば」

医者「……私はただの医者ですから、お兄さんの生活環境やプライベートに口を挟むことはできませんがね」

おいたん「住む場所を変えないと駄目だ、と……?」

医者「本当はそれがいい。本来でしたら市役所なり保護センターなりに相談するのが
   普通ですが、事情もお聞きしましたから。お嬢さん方にもずいぶんと信頼されておられるようですし」

おいたん「ありがとうございます」

医者「先ほども説明差し上げましたが精神症というのは、身体の疾患のように、こういう薬を処方してこのように
    対処すれば、いついつまでに直る――ということが言えない病気です。いつまでも引きずって大人になっても苦しむこともあれば、一時的なショック症状程度で済む場合もあります」

おいたん「じゃあ」

医者「今はまだ恐怖からくるショックで、夢の中と現実を区別し切れずにいるようですが、時間を置くことで、少しずつ元に戻っていけるかもしれない」

おいたん「!」

医者「ですから今はできる限り刺激はせず、焦らず、いつも通りの生活をして、少しずつ本来の関係を自覚させてあげるようにしてください」

医者「一応、寝付けない時と落ち着かない時のためのお薬の処方もしておきますから」

おいたん「……ありがとうございます」

待合室

西友「どうだった?」

おいたん「うん……今はまだ分からないけど、きっとなんとかなると思う。いや、なんとかしてみせるよ」

西友「そう……」

おいたん「それよりごめん。こんな夜遅くで、付き添いまでしてもらって。びっくりしたと思う」

西友「たしかになにごとかと思ったけど、気にしないで。どうでもいい隣人だったら駆けつけたりもしないし、放っておくもん」

西友「大変かもしれないけど、助けてあげられることがあったら遠慮しないで言ってね!」

おいたん「ありがとう。それじゃ、あの子たちを迎えにいってくるよ」

西友「がんばって、ね……」

ロビー

空「あ……」

美羽「おじさーん、遅いよー」

おいたん「ごめんね。もう、大丈夫だから」

ひな「……」びくびく

おいたん「……」

空「お兄ちゃん?」

おいたん「いや、なんでもないんだ。帰ろう」

ひな「! おいたん、またあのおうちでひなのことぶゆ(ぶつ)?」

おいたん「!」

空「ひな!」

ひな「っ」ビビクン

美羽「お姉ちゃんってば!」

おいたん「いいんだ。まずは帰ろう……ふたりには、帰ったら説明するから」

ひな「……」ビクビク

翌日

おいたん「それじゃあ、行ってくるね」

空「うん……」

美羽「いってらっしゃーい!」

空「ひな……いつもだったら一番元気よく見送ってあげてたのに」

美羽「出てこないね……」

おいたん「いいんだよ。それより空ちゃん、美羽ちゃん。ひなちゃんのこと、お願いね」

空「うん」

美羽「まっかせて! 妹だもん!」

おいたん「本当は僕がしっかりしなくちゃいけないのに……こんなこと頼んで、ごめん」ガチャ

空「そんなこと」

美羽「行っちゃった」

あーもうメチャクチャだよ……(呆れ)
おいKENなんとかしろ(他人任せ)

タマーンシティの街並み

おいたん(本当は心配だから一緒にいてあげたい)トボトボ

おいたん(でも、今は極力、僕は離れていた方がいいんだ)

おいたん(昨日帰った後も、結局ひなちゃんはおびえっぱなしだったし)

おいたん(パーテーションで僕だけ区切って、ひなちゃんはふたりに囲んでもらって、それでようやく眠ってくれたんだった)

アパート

ひな「……」しょぼーん

空(任されちゃったけど)

空「ど、どどど、美羽っ、どどどどうしよう!?」

美羽「もーお姉ちゃん、そんなことでどうするの? 私たちがひなのお姉ちゃんなんだから!」

空「でででででもでもでも」

美羽「おじさんが言ってたでしょ? 私たちはいつも通り、ひなと接してあげてればいいんだよ」

美羽「ひーな!」

ひな「ぇう!?」

美羽「……。ほらっ、今日もお昼からルナルナセブンやってるよ!」

ひな「……」ふるふる

美羽「……見ないの?」

ひな「わるいやつでゆの、こわいお……」

美羽「ルナルナセブンがやっつけてくれるよっ!」

ひな「……」ふるふる

空「ひな……」

美羽「ねえ、ひな……お姉ちゃんたちは、こわい?」

ひな「よくわからないぉ……」

美羽「じゃあ、おじさんは?」

ひな「ひっ」

空「み、美羽っ」

美羽「怖く、ないよ」ぎゅぅ

ひな「」ビクッ

美羽「だって、ひなは私たちのかわいい妹だもん……だから私たちが怖いはず、ないんだよ……」

空「美羽……」

空「そう、だよ」ギュウ

美羽「ずっと一緒なんだから……」

空「落ち着いたら一緒にルナルナセブン見ようね」

ひな「……」……コク

空(そうだよ。そこには、お兄ちゃんも、きっと一緒で……)


公園
おいたん「とはいえ」

おいたん「本当は昨日のうちに連絡して、大事を取って休みをもらってしまっているんだった」キーコキーコ

おいたん「ヒマだ……」

おいたん「メール……佐古先輩?」

佐古『今日のエンジェルたちの様子を定時報告せよ(画像添付必須)』

おいたん「……」

おいたん「『知りませんしありませんしそんな定時にも覚えがありません』……! と。まったく……」

おいたん「はぁ……」

おいたん「なにか、あの子たちにしてやれることはないだろうか」

アパート・夜

美羽「うわ、すっごい……ごちそうだー!」

空「お兄ちゃん……これ、どうしたの?」

おいたん「はは、バイト先で買ってきちゃった。レンジでチンしなくちゃだけどね」

空「そうじゃなくて」

おいたん「あんなことがあった後だから」

おいたん「おいしいものを食べたら、元気出るかなって」

空「お兄ちゃん……」

美羽「まーまー、買ってきてしまったものはしょうがないじゃん!
  こうなってしまった以上は潔く仲良く、みんなで食卓囲んでいただいてしまうのが人の道というものですよ! さささ、おじさんも早く座ってくださいよ」

ひな「!」ビクッ

おいたん「あ、いや僕はほら……ベランダで食べるから。これ」

空(カップラーメン……)

美羽「……」

美羽「そうですか!」

美羽「それじゃあ私たちは、こっちでいただいてますね!」

おいたん「うん」

美羽「ほらほらお姉ちゃんも座って座って」

空「美羽、でも」

美羽「(お姉ちゃん。だめだよ)」

美羽「(私たちが一緒にいられるのはここしかないんだから。
  ううん、きっと、今のひなのことを大人の人たちに知られたら、ひなともおじさんとも離れ離れにされちゃう)」

空「(そんな言い方って!)」

美羽「(おじさんもそれを分かってくれてる。
   だから、私たちはこっちで食べなくちゃ駄目だよ……おじさんとも一緒にいられなくなっちゃうの、嫌だもん)」

そうだよ(便乗)

空「美羽……分かった」

おいたん「……」とぼとぼ

カラカラ……ピシャン

空「っ……」

――――
――

美羽「それじゃ、いっただっきまーっす!!」

空「い、いただきます」

美羽「ほらこれっ。すごいおいしいよ? 食べた? おいしいね、ひなっ」

ひな「……うん」

美羽「すごい! 満干全席! ミートローフ……こういうのもあるのか!」パシッ

空「ガアァァァァ!」

美羽「モノを食べる時はね
   誰にも邪魔されず
   姉妹そろっていて なんというか
   団欒じゃなきゃあダメなんだ」

空「折れる、折れるぅぅぅ!」

美羽「三人で静かで豊かで……」

空「やっ、やめて! それ以上いけない! ほんとに折れるからああ! ほんとにいけないからぁっ」

美羽「あははっ、お姉ちゃん迫真の演技だったなぁ」ぱっ

空「演技じゃないわよ……! このぉ!」

美羽「きゃー!」

ひな「……クスっ」

空美羽「!」

空「は、はは……」

美羽「四川風旨辛マーボードーフ! こういうのもあるのかっ」パシッ

空「だからってそれはやめ……やめろこるあー!」


ベランダ

<キャーキャー

おいたん(よかった。空ちゃんたちとは打ち解けてくれそうだ)ズズッ

翌日・夜

美羽「き、今日もなかなか豪華なような……」

空「……っ」ちらっ

おいたん「い、いやぁ。おいしいもので和めればと思ったというかやっぱり食べるって幸せだよねっていうかなんというか……はは」

空「じーっ」

おいたん「こ、こほん」

おいたん「今の僕にできることは、こんなことぐらいだから」

おいたん「空ちゃんたちは気にするかもしれないけど、そりゃいつまでもこんなことできっこないけど、でも」

おいたん「こうさせてほしいんだ」

美羽「分かりましたっ!」

空「美羽!……はぁっ。分かりました」

おいたん「ありがとう。……ひなちゃん、ほら、ケーキも安かったから買ってき」

ヒナ「!」ビク! ササッ

空「ひな……」

おいたん「はは……それじゃ、あとはよろしくね」

美羽「はーいっ!」


ベランダ
<キャーキャー
<ダブルベリーストライプスペシャル! コウイウノモアルノカパシッ!
<ダカラヤメロコラァチキショー! ガァァァァ!
<ケラケラケラ

おいたん「……ふふっ」ズズ

おいたん「……空ちゃん、大丈夫かな」ズッ

―――――
――

カラカラ

おいたん「……空ちゃん?」

空「お兄ちゃん、もう、カップヌードル食べちゃった……?」

おいたん「いや、まだだよ。できるだけゆっくり食べないとだからね、はは……」

空「じゃあ、私もここで一緒に食べます。これ。カップヌードル」ホカホカ

おいたん「え……」

空「私は充分食べてきましたからっ」

おいたん「でも」

空「ちゃんとこのヌードル分の量も残してきましたっ」

おいたん「でも、太るよ痛い痛いいたたたたごめんなさい!
     素足って靴履いてるより実は痛いからほんと! いたいごめんなさい!」

空「はぁはぁ」

おいたん「……」ビクビク

空「……お兄ちゃんがここで食べてる間は、私も同じもの、ここで食べるね」

空「向こうで食べるものは、私がお兄ちゃんの分を残すから。お兄ちゃんはそれをちゃんと食べてね。毎日私がお弁当にするから」

おいたん「空ちゃん、それは」

空「お互いに気を遣いすぎるのはよそうって、約束したでしょ?」

おいたん「うっ」

空「だから……私もお兄ちゃんを助けられる限り、助けるの。
  お兄ちゃんに分けて上げられるものは分けてあげたいんだ――お兄ちゃんも、その、えと……家族、だから」

おいたん「空ちゃん……分かった。ありがとう」ナデナデ

空「え、えへへ」

おいたん「それじゃあ、改めていただきます」

空「いただきます!」ズズズッ

別の日・アパート・夜

美羽「それじゃあ、今日も3人一緒に寝ようねっ」

ひな「うん」

美羽「お休みなさ~い」パチン

ひな「おやぅみらさい」

空「お休み……」

ひな「おねえちゃんあっやかいかやすき……」すぅ……

空「ねえ美羽……」

美羽「なーに、お姉ちゃん?」

空「(お兄ちゃん、その……最近遅いね)」

美羽「(……アルバイト、増やしたんだって。今までのバイト先でもシフトの時間帯変えてもらったって)」

空「(そ、そんなっ。私聞いてない……)」

美羽「(お姉ちゃんはなんだかんだで気にしすぎちゃうからって。そういうの、余計気にしちゃうよって言ったんだけどね)」

美羽「(それに、ひなが眠れるまで、できるだけ家を開けるようにしてるんだよ)」

空「(おかしいよ。ここは、お兄ちゃんの部屋なのに)」

美羽「(でも実際、かぎられてると思う、おじさんにできることって。
    だから……できる限り分かってあげようよ。本当になんにもできないんじゃあ――かわいそうすぎるもん)」

空「(うん……でも)」

美羽「(でも……なんとかしなくちゃあ、ね……)」

空(なんとか、しなくちゃ……)

別の日・アパート・深夜

おいたん「(た、ただいまぁ)」キィ

おいたん(よかった。みんな……ひなちゃんも、寝つけてるみたいだ)

ひな「すぅ……」

おいたん(暗いな……空ちゃんたち踏んづけないように気をつけなくちゃな)ソローリ

空「(……お兄ちゃん)」

おいたん「(ヒッ!?)」

空「(……おかえりなさい)」

美羽「(……なさいっ!)」

おいたん(待っていてくれてたんだ)

おいたん「(……ただいま。空ちゃん、美羽ちゃん――ひなちゃん)」

また別の日・バイト先・休憩室

prrrrr♪
おいたん「あ、メールきてた」

よし子『最近どうですか? 連絡が減っていて心配です。あなたを含め、
   ちゃんと食べていますか? ケガや病気はありませんか? ほんの少しの近況でもよいので知らせてください』

おいたん「……」

1週間後・路研

佐古「おかしい」

佐古「瀬川に日雇いのバイトを斡旋して以来、路研に顔を出す頻度がさらに減った……!」

仁村「そ、そりゃバイトしてるからっしょ! そうに違いない! とと当然だ」ダラダラ

莱香「そもそも新しいバイトという話自体、私は初耳」チラ

仁村「そ、そりゃバイトするのにいちいち相談しなくちゃならないなんて決まりごとはないでしょ!」ダラダラ

莱香「あまりひとりで溜め込みすぎないよう厳命してある」

仁村「……!」ダラダラダラ

佐古「それだけじゃない」

佐古「ヤツから立ち昇るエンジェルたちのかほりが、このところ激減している。
   その内ひとりの健康状態……いやおそらく精神状態があまりよくないことも、匂いの成分から推察される」

仁村「マジパネェっすわアンタ」

莱香「つまり、あの子たちと接する時間が激減していると」

佐古「かなり疲れ切っているようでもあったなぁ」

莱香「……」ジー

佐古「ハァハァ」ジー

仁村「……! ……!」ダラダラダラダラ

アパート・夜

おいたん「ただいまぁ……って、あれ。明るい……」

空「お帰りなさい、お兄ちゃんっ」

美羽「おかえりっ」

おいたん「ふたりとも、どうして――あ」

ひな「……」ヒョコ

おいたん「ひなちゃん」

ひな「えぅ……」ブルブル

美羽「ほら、ひなっ」

空「がんばって……!」

ひな「お、お……」

ひな「お、おかえぃ……」

おいたん「!!」

ひな「……」ピャーッ

ここから濃厚な虐待スレになります
ご期待ください

空「あ、ひなっ……!」

美羽「どうにか一歩前進、なのかなぁ?」

おいたん「そ、空ちゃん、美羽ちゃん。今のは」

空「あ、あいさつくらいはできるかなって。その、いつまでもこのままじゃよくないし」

美羽「あの子も本当は、おじさんのこと怖がりたくないって思ってるはずだし、
   本当は怖くないんだって分かってる……と思ってたんだけど。まだまだだなぁ、これは」

おいたん「いや……嬉しいよ」

空「お、お兄ちゃん?」

おいたん「嬉しい……本当に嬉しいよ……っ」

美羽「もうっ。そんなんで泣くほど満足されてたらダメですからねっ? 最終目標はまだまだ果てしなく遠いんですから」

おいたん「うん……うん……」グジュ

おいたん(でも……その通りだ)

また別の日・アパート

おいたん(最近は家にいる時間が、ほんの少しだけ戻ってきた)

おいたん(一緒にいる時間がなければ始まらないという、ふたりの考えのおかげだ)

おいたん(できる限り4人でTVを見たり、4人で料理をしたり……
     空ちゃんたちもひなちゃんの肩とかにできるだけ触れていてあげてることで、どうにか保っている)

おいたん(でも……)



美羽「あ、ひな。おじさんにタマネギ渡してあげて?」

おいたん「!」

ひな「!」

ひな「……」ビクビク

おいたん「ゴクリ」

ひな「……」ジリジリ

空「大丈夫だから、がんばって!」

ひな「……」ソロ~リ

ヒナ「……」ポトリ

空「やた!」

おいたん「……! ひなちゃん、ありが」

ひな「……」ピャーーッ!

美羽「……おーいひなー? 出ておいでー?」

ひな「……」クスン

美羽「ありゃー」

空「あ……私がついてるから、ふたりは続けてて」

おいたん「うん……」

美羽「私たちと一緒ならだいぶ落ち着いていられるから、突破口になると思ったんだけど」

空「もう何日も、こうだね……」

おいたん「焦っちゃダメだよ。医者の先生も言ってた……それに、ひなちゃんの負担は、できるだけ避けたいんだ」

空「だけど……」

美羽「これ以上どうしたらいいか、分かんないなぁ」

空「……」

おいたん「……」

美羽「浅はかだった、かなぁ」



おいたん(ふたりとも、本当に一生懸命になって、協力してくれた)

おいたん(けど、それ以上にできそうなことは、見つからなかった)

おいたん(いつまでもこのままじゃいけない、そう、分かっていても)

――――
――

ピーンポーン

美羽「はーい……あ! 莱香さん!」

おいたん「ぅえ!? ちょっ美羽ちゃんタンマ――」

莱香「その必要はない」ズルズル

美羽「あ、ちょっと! ……え、仁村さん?」

仁村「や、やぁ美羽ちゃん……」ズルズル

おいたん「ど、どうして」

莱香「おおよその事情は彼から聞いた」

――――
――

仁村「わ、罠だこれは罠だ。なぜならアイツのことならなんでも知ってるという偏見だけでアンタたちは俺を見てるそれが罠だという証拠!」

莱香「まるで意味が分からないけど、罠でもなんでもいい」ジリ

佐古「聞け、仁村。私はエンジェルが好きだ。私は小学生が好きだ私はロリが好きだ女児が好きだ。幼女が好きだ10歳未満の女の子が好きだランドセルが好きだリコーダーが刺さってる様が好きだ登下校時の和やかでかわいらしい笑い声がたまらなく好きだ」

莱香「……」スッ

佐古「そんなエンジェルたちの危機かも知れない状況を、見過ごすことなどできようか!
   いいやできようはずもない(反語表現)! だからこの場でなんとしてもエンジェルたちの現状をアァオゥッ!!」バシーン

仁村「ヒィッ!?」

佐古「なにをす……アァゥッ! なんで仁村じゃなくオォウッ!? ダメヒャオゥ! アウッ!?らめっ! これ以上オヒュウッ!
  ンッフ! これ以上は! ンハ! エントロッピっとかっバウッ! 天元とか! ンホホン! 天も次元も……天も次元も……」バシーン! バシーン!

莱香「……」バシーン! バシーン! バシーン! バシーンバシーンバシー

仁村「……!」ガクガクブルブル

佐古「ん突破しちゃううううううううううううううううううんはあああああああああああああん!!!!!!!」ドゥビッシュアアアアアッ

莱香「……」

佐古「ビクンビクン」

莱香「私の質問に答えるか否かにかかわらず」

莱香「君もこうなる」

仁村「ひぃ!?」

莱香「……」ジリ

仁村「……!」ガクガク

莱香「……」ジリ

仁村「……! ……!」ガタガタガタ

莱香「……」ジリ

仁村「っっ~~~~~~~~~~―――――!」

――――
――

仁村「そういうわけさ……」

おいたん「仁村……」

美羽「仁村さん……(どういうことなの)」

仁村「すまねえな、俺はここまでだ。……それどころか、もうおしとやか系や普通の女の子には、ときめけそうも、ねえやっ……」ガクッ

おいたん「すまない仁村……もう充分だっ」

莱香「そういうわけなので」

おいたん「っ!」ビク

莱香「明日から私も、毎日こさせてもらう」

おいたん「それって」

莱香「いわゆる、通い妻状態」

空「びょええっ!?」

おいたん「いやそれはくぁwせdrftgyふじこ」

莱香「釈明は聞かない」

おいたん「はい」

空「はいじゃないが」

>莱香「私の質問に答えるか否かにかかわらず」
>莱香「君もこうなる」


そこは答えたら勘弁してやれよ

莱香「……ひなちゃん」フィッ

ひな「うぅ~……?」ヒョコ

莱香「私は覚えてる?」

ひな「おぼええゅ……」

空「別にきっ、記憶喪失とかじゃありませんしっ!?」

莱香「そう? これから、私も毎日来る。……いや?」

ひな「ややないぉ……?」

莱香「そう。じゃあ、来る」ナデナデ

ひな「ん……」ニカ……

おいたん「先輩……」

莱香「ちなみに仁村も来る」

仁村「どぅえ!? 明日から俺は欲求を持て余したドS系女子との出会いを求めて街へ」

莱香「はい」

仁村「はい」

莱香「じゃあ今日はもう遅いから、また明日。ゆっくり休むといい」

おいたん(最後の晩餐をゆっくり味わえと言われてるような気がする)

――――
――
玄関

莱香「背負いすぎるなって、言ったと思う」

おいたん「はい……」

莱香「言い訳はいい」

おいたん「……はい」

莱香「……今でも守ってくれてるつもりなら、明日から、黙って手伝わせて」

おいたん「……」

莱香「私もあの子たち、好きだから」

莱香「仁村も」

仁村「どぅえ!? さすがの俺も本気で小学生は」

莱香「は」

仁村「い」

なにこれハッピーエンドになりそう

莱香「少し見ない間に、やつれた」スッ

おいたん「あ……」

莱香「お金のことまではどうしようもないけど。だから、明日から」

おいたん「……はい」

莱香「それじゃ」

仁村「ちゃんと寝とけよ~」ヒラヒラ

おいたん「……」ペコリ


――――
――
翌日・アパート

莱香「来た」

仁村「はいはい、来ましたよ~」

空「……いらっしゃい」

美羽「いやーっ、急ににぎやかだなぁっ」

莱香「……」チラッ

おいたん「ど、どうも」

莱香「……」コクン

ひな「……」ヒョコ

莱香「じゃあ、さっそく、遊ぼう」

ひな「うん!」

――――
――

ひな「ひなはゥナゥナセウン!」

莱香「じゃあ私は悪の女幹部」

莱香「仁村は悪の女幹部の部下にしてルナルナセブンを罠にかけようとするも自身の失態から破滅するヒラのワーウルフ」

仁村「はい」

莱香「わん」

仁村「わん」

ひな「ケラケラケラ!」

ひな「いぅぞー! わぅいやうはゥナゥナセウンがたいいしぇやうー!」

莱香「く……今日はこれまで。さらば!」

仁村「早っ! 俺まだ死んでないですが」

莱香「わん」

仁村「ばうっ……!」バタッ

ひな「ケラケラケラ!」

ひな「とぉう! とぅ! とぉーぅ!」ドスッドスッドスッ

仁村「グッ、ゲフッ、グエ」ドスッ、ズンッ、ドズンヌ

美羽「よぉ~し、それじゃ私たちは、もてなしのお料理作っちゃいましょうかー!」

空「はーい……」ムッス

ひな「ひなもてつらぅお!」

空「ひな……!」ジーン

美羽「グスッ……よ、よ~し! 3人で最高の夕ご飯作っちゃうんだから!」

俺「ひな!結婚してくれ!」

ひな「はい…///」

俺「チュッ…///」

ひな「ぁ…///」






ハッピーエンド


キッチン<キャッキャ

おいたん「空ちゃん、美羽ちゃん……よかったね」

仁村「グヘッゴホッ、お前がまだだろ……どっこらしょっと」

莱香「そうよ」

おいたん「それでも、大きな一歩だと思います。先輩たちに遊んでもらって、あんなに明るく笑ってくれて……でも、どうしてだろう」

仁村「それはお前、ひなちゃんの夢に俺たちは出てきてなかったからだろ」

莱香「少しさみしいけど」

仁村「いや~、むしろ出てちゃダメでしょこの場合」

おいたん(そっか……だからひなちゃんの中では、ふたりはいつも通りの存在なんだ)

おいたん(そのふたりと触れ合って、笑って、少しだけど以前のひなちゃん自身を取り戻したから、空ちゃんたちとも普通に接することが)

おいたん(でもたぶん、俺は、まだ……)

仁村「くら」ピシ

おいたん「いてっ」

莱香「焦らない。たぶん、それが肝心」

おいたん「先輩……」

莱香「性的感覚というのは、年齢に関係なく本能の領域に刷り込まれている重要な感覚。
   だから幼年期でも恐怖の対象として充分に想起されうるものだし、それがなにかのふとしたきっかけで、
   もっとも身近にいる異性に向けられてしまうこともある。思春期の女の子が父親の下着と洗濯物を一緒にされたくないのも、ある意味そう」

おいたん「医者の先生も、同じこと言ってました……」

仁村「先輩も思春期じゃ……はいすみません」

莱香「君はひなちゃんが、自分が思いもしなかった想像をするようなことを、
   潜在意識の知識として蓄えていてしまったことに責任を感じているかもしれない」

莱香「でも最近ではTVからの情報も多い。
   連想する材料はいくらでもある。ひなちゃんはさすがにまだでも、
   もう少し歳をとって小学生にでもなれば、携帯電話を持っても不思議ではないし、
   それならインターネットの情報だって得られるようになる。今の時代では両親両働きが当たり前だし、
   仮に片方が主婦業に専念していたとしても、子供がそういった情報を得てしまうことを防ぎきることは不可能よ」

莱香「だから、決して君のせいじゃない」

莱香「それが例えどんなに遅かれ早かれでも、
   知ることになるのに変わりがないのなら、本当に大切なのは、
   なにが悪かったのか、なにが元凶だったのかを必死に見つけ出して排除することじゃない。
   本当に大切なのは、そのことを、子供がどう処理すればいいのかということと、向き合うこと」

莱香「醜いことや怖いこととどうしてもぶつかってしまった時に、
   それとどう戦うのか、その方法をどんな風に身につければいいのか
   ――そのことを考えてあげられないのなら、その子供に待っているのは、
   決して幸せな未来なんかじゃないと、私は思うわ。だって、どうして自分が傷ついたのか、
   どうして辛いのか、それをどうすればよいのかも分からないんだもの。それ自体が嫌になってしまって、きっと、そうなる前に他人を傷つけてしまうわ」

莱香「それは〝わるいもの〟を決めつけることよりもはるかに困難で
   苦労を伴うことだけど、本当に大切なのは、見せ掛けなんかじゃない、
   無根拠なんかじゃない、その子の本当の未来と、本当の幸せ……違う?」

おいたん「でも……でも僕は……」

おいたん「両親がいなくなって、
     こんな生活もいつまで続けられるかも分からない
     ……そのことが不安じゃないわけがなかったのに、
     辛いに決まってたのに……そんなの分かりきってたはずなのに、
     分かってあげられなかったんです。この部屋の狭さだってそうです。
     僕自身だってストレスは感じていたのに。それなのに、彼女たちが明るく笑ってくれるから、
     ガマンしてもらえるんだって、勝手に決めつけて、甘えてしまったから……」

莱香「祐太……それは」

おいたん「おばさんたちの言ってた通りだったのかもしれない……
     結局は俺もただの子供で、社会のこととか、人間のこととかぜんぜん分かってなくて、
     なにが危険信号だったのかも知らずに、全部あの子たちに押し付けてしまっていたのかもしれない。
     先輩の言う通り、知らなかったなんてことで済ませられることじゃない……もしかしたら、一生消えない傷をあの子たちに残してしまうかもしれない……」

仁村「だ、か、ら、うらっ」ピシッ

おいたん「だからいてっ」

仁村「だったらどーなるってんだよお前、んん?」

おいたん「どうって」

仁村「だ~かーら。お前のところにいたのが間違いだったかもって言いたいんだろ?
  でも、もしもお前が空ちゃんたちを引き取らなかったらどうなってたって言うんだって」

仁村「あの子たちはバラバラに引き取られて行って、離れたくなかったのに、それでもどうしようもなくって……たったひとりで、見知らぬ環境と向き合って行かなくっちゃならなくなってたんじゃ、ないのか?」

おいたん「それでも」

仁村「それでもまともな住環境と、食生活は確保されてたかもな。そうだな。その通りだよ。学校も、ここなんかよりはよっぽどマシな通学路が用意されてたはずだ。でもさ」

仁村「それだけじゃないか。あの子たちがひとりっきりになっちまうってことは、なんにも変わらない」

仁村「たしかにお前の親戚連中だって、お前やあの子たちをいじめたくてそんなことをするんじゃないだろうけどさ。むしろ大切だから、確実に育ててやれるように手を回すんだろうけど、でもさ」

仁村「世界に残ったたった3人の姉妹だもんな。一緒にいたいって思うのは当たり前だと思うし、なのに引き裂かれちゃうのってさ、どんな理由があったとしても、それは……ひどい話なんだと、思う」

仁村「どの道が一番正しいのかは、分からない。けど、一番正しいことが、一番〝いいこと〟だとは限らないだろ? 周りがなんと言おうとお前は、あの子たちが一緒に暮らす……そのイッコだけは、だれも守れなかったひとつだけは、守ってやってるんだよ」チラ

キッチン<ココデオリーブデス!
キッチン<ビンニホンブントウカシマス
キッチン<キャッキャ


仁村「だから、俺は先輩みたいにはっきり断言なんてできないけどさ……お前のせいなんかじゃない」

おいたん「仁村……」

仁村「俺はそう思う」

おいたん「仁村、お前……どうしちゃったんだよ」

仁村「」パシッ

おいたん「ガアァァァァ!」

おいたん「お、折れる~~!」

莱香「あっ、やめて!」

仁村「……」

莱香「それ以上いけない」

仁村「……」パッ

おいたん「ハァ、ハァ」

キッチン<ヴォー!
キッチン<キャーヘルファイヤ
キッチン<ギャーギャー

仁村「……」

莱香「……」

おいたん「……」

仁村「まあ、だからさ」

莱香「うん、だから」

仁村「ガンガンいこうぜ!」

莱香「焦らずいきましょう」

莱香「……」

仁村「……」ダラダラダラダラ

おいたん「……ぷっ!」

莱香仁村「!」

おいたん「ふたりとも、ありがとうございます……ははっ」

仁村「……俺はさ、お前の笑った顔を久しぶりに見た気がするよ」

莱香「そうね」クス




空「……できたー!」

美羽「……炭が!」

ひな「わぁい!」

空「……」

美羽「……」

ひな「ぇう?」

――――
――
それから・アパート

おいたん(あれから、先輩たちは本当に毎日ウチに遊びにきてくれて、炊事を手伝ってくれたりもした)

おいたん(みんなの笑顔も増えた。ひなちゃんは、もう空ちゃんたちとは以前とほとんど変わらなく接することができるようにまでなった)

おいたん(でも)

――――
――
ある日・アパート・リビング

ひな「くやぇ! ゥナゥナセウンひっさぅわな! ゥナゥナァ~……キィーック!」

空「ぐわぁぁ……やったなぁ、それぇ!」

ひな「!」ビクン

ひな「っ……ヒグッ! ……ヒキッ」ガタガタ

美羽「ひ、ひなっ!?」

空「ご、ごめんね!? い、今のは悪者の反撃でねっ? いや悪者っていうのは悪者じゃなくてフィクションの悪者で中の人は悪くない、悪いのは歪な社会構造と形成されつつあるディストピアであわわ」アタフタ

美羽「お姉ちゃんの言ってることもなんか怖いよ!?」

空「あわわわわわ」

――――
――

おいたん(ほんのささいなことから、ひなちゃんは発作かひきつけのように怯え出してしまって、そうなるとしばらくはそぅっとしておくしかなかった)

おいたん(それでも最初に比べればずっと明るくなったし、みんなの協力で、どうにか俺とも二言三言くらいの簡単なやりとりは、できるようになってきた)

――――
――
またある日・アパート

おいたん「た、ただいまぁ~」

空「おかえりなさいっ」

美羽「おかえりおじさんっ! 小学生から大学生まで、4人の美少女がお出迎えだよっ」

莱香「……お帰りなさい」

ひな「……」ひょこ

おいたん「あ……」

ひな「……」じぃー

おいたん「……」

ひな「お……おかぇぃなさい、お、お……」

ひな「おぃ、たん……」

おいたん「……!」

               /.   ノ、i.|i     、、         ヽ
              i    | ミ.\ヾヽ、___ヾヽヾ        |
  ┏┓  ┏━━┓   |   i 、ヽ_ヽ、_i  , / `__,;―'彡-i     |   ┏┓┏┓┏┓
┏┛┗┓┃┏┓┃   i  ,'i/ `,ニ=ミ`-、ヾ三''―-―' /    .|   .┃┃┃┃┃┃
┗┓┏┛┃┗┛┃┏━iイ | |' ;'((   ,;/ '~ ゛   ̄`;)" c ミ     i.━┓┃┃┃┃┃┃
┏┛┗┓┃┏┓┃┃  .i i.| ' ,||  i| ._ _-i    ||:i   | r-、  ヽ、┃┃┃┃┃┃┃
┗┓┏┛┗┛┃┃┗ 丿 `| ((  _゛_i__`'    (( ;   ノ// i |ヽi..┛┗┛┗┛┗┛
  ┃┃      ┃┃ /    i ||  i` - -、` i    ノノ  'i /ヽ | ヽ     ┏┓┏┓┏┓
  ┗┛      ┗┛ 'ノ  .. i ))  '--、_`7   ((    , 'i ノノ  ヽ .  ┗┛┗┛┗┛
            ノ     Y  `--  "    ))  ノ ""i    ヽ
                 ノヽ、       ノノ  _/   i     \
                /ヽ ヽヽ、___,;//--'";;"  ,/ヽ、    ヾヽ

空「やった!」

莱香「よくできました」

美羽「えらい、えらいよひな~っ」グシグシ

ひな「……」モジモジ

おいたん「は、はは……」ジーン

仁村「……美男子もいることよっ」ブリーン

おいたん(なんだか目頭が熱く――あれ?)クラッ

莱香「……!?」

仁村「おいっ? ……っと」トサ

空「お兄ちゃん、大丈夫!?」

ひな「ぉ……! ぉぃ、た……?」オロオロ

おいたん「ありがとう仁村……大丈夫だよ、空ちゃん。なんだか、気が抜けちゃって。あは、は」

美羽「もう……仁村さんがへんなことするから、おじさんの気が遠くなっちゃったんじゃないですかっ?」

仁村「すみません……」

<ドッ アハハハ

莱香「……」

      ト、                  ______)
     「::::\┐  _,,. --──- 、..,,_    `ヽ.  で  泣  早
   r-‐'へ::::::::!_'´ __,,,,......,,,,,__    `ヽ、    ', す い  く
   > :、:;::::::>''"´       `"'' 、   ':,   i. よ て   続
  └─ァ''"  /            `':.,  ',.   !!  る  け
     ,:' /   / ,' /  ,' i.  ', ':,  i    ',!  i.  |.   子   て
   / ,'  .,'`メ、!,_,/ ./! 、i__,,!イ .|.  i ,ゝ |  |.   も  .下
   ,'  i   ,!/,.-ァー;' / !/ァ;ー'-r'、 ! /__」  |   |    い  さ
   i   ! ハ!イ i `ハ     i `'ハ Y/ i/  ; |  |.   る   い
  └'^iー! ,iヘ ':,_ン    ':,__ン ノ!'  |  i. i  ,'    ん   ! !
    ,:'  .!.7,.,.,     '     .,.,., ,'!  .!  | |∠,_    ________
 o ゜/  ,:'. ト、   r‐,-‐ ''"´`ヽ. / ;   |  ! !  `Y´ ̄
   ,' .// i. `i:.、.,!/      ,.イ,:' ,'   | ,'i .|
   レヘ_/ヽ. !ァ''"´ `ヾi、ー=''"/ヨ___,/、___!へr三/)       (ヽ三/) ))
       /      ヾ!二へ/:::::ト,.-'‐'^ヽ(((i )  ___   ( i)))
       ,'        ',l>く}:::7    rノ/  /     \  ヽ \
     K_    _,r-イYン/ムi:::::/   ,ノ´く  / (●) (●) \  > )
       /Y>ベ´   '';:::::io:/   ,イ\ `/::::::⌒(__人__)⌒:::::\' /
     ,.:':::::ヽ、ン':,    ヽ/   ,イ /゙,ー、 |        ̄      |/
   /:::/:::::::::::::::::ヽ.   '    ,.;'ヾ/、/_/ノ \              /
 ,く:::::::/::::::::::::::::::::::::`ヽ、___,.,.イi `'ー'^''‐'/    \        :::::/

――――
――
また、アパート

おいたん「ふ~、さっぱりした~」

おいたん「やっぱり自分ちのお風呂に入るのが、狭いけど最高だな~」ホクホク

おいたん(最初はちょっと遠めの銭湯に通ってて大変だったけど)

おいたん(今は先輩がひなちゃんと入ってくれるから、俺も入れるようになった)

おいたん(それに……)

おいたん(先輩が毎日使っている浴槽……)ゴクリ

おいたん(えへへ……ん?)

タッタッタ

ひな「ぇぅ……おいたん……」

おいたん「タオル……ありがとう、ひなちゃん!」

ひな「!」タッタッタ

空「あっ……ひな。どうだった、ちゃんと渡せた?」

ひな「……」じ~

空「ひ、ひな? 聞いてる?」

おいたん「……」

ひな「……」ニヘラッ

おいたん「!!」

おいたん「わ、笑ってくれた……」ジ~ン

美羽「よかったですね、おじさんっ。遠巻きにでも笑ってくれるようになってっ」

おいたん「わっ――美羽ちゃん」

美羽「ひなも本当はけっこう前から、じーっとおじさんのこと見てたりしてたんですよ?」

おいたん「知ってるけど、でも、それは怖がってて」

美羽「そうじゃないんです」

美羽「ひなも、夢を見る前のおじさんや私たちとの生活を、小さいなりにきちんと覚えていて」

美羽「だから、自分なりに一生懸命、自分の記憶の中にあるおじさんと、怖い夢との区別をつけようとしていたんです」

美羽「ずいぶんと最初の方から、ひな、おいたんがかわいそうって、わるいことしてるからひなは悪い子だって、言ってたんです」

美羽「ひなは、本当に優しい子だから」

美羽「いつも自分を気遣って部屋の隅へ、隅の方へと行こうとするおじさんの姿を、ずっと、そんな風に思いながら見守ってたんです」

おいたん「そんな……」

美羽「おじさんが帰ってくる前とかにも、寝言で『おいたん、ごめんね』――って」

おいたん「俺は……ひなちゃんにまた辛い思いを……ひなちゃんは、これっぽっちも悪くないのに」

美羽「もう、おじさんっ?」

おいたん「は、はいっ」

美羽「せっかくひなが一生懸命笑ってくれてるのに、今度はおじさんが幽霊みたいな顔してどうするんですか! 本当に顔色まで青いですよ!?」

おいたん「いや、ははは」

美羽「……笑っていましょう」

おいたん「美羽ちゃん」

美羽「そうしたら、きっと、またいつも通りに戻れますよね」

おいたん「そうだね、そうなるといい……いや、絶対に、そうなるよ」

美羽「また、みんなでルナルナセブンごっこしましょう……したいです」ソッ

おいたん「……うん」ギュ

――――
――
おいたん(そっと握った美羽ちゃんの手は、震えていた)

おいたん(どんなに強く願っても、本当にどうなるのかは分からない。それが分かっているからなんだと思う)

おいたん(俺がそうだったから、それがよく分かった)

おいたん(それでも、あんなに小さな身体で、一生懸命に願って、耐えてくれていたんだ)

おいたん(ひなちゃん自身も、懸命に元も関係に戻ってくれようと、努力してくれているのが痛いほどに分かった)

おいたん(少しずつでも、前進しているんだと。全員が信じていたし、そう思うより他はなかった)

おいたん(それでも……)

――――
――
またある日・アパート・食卓

仁村「おいおい瀬川クーンっ? アレがないよもうーっ? アレ取ってきてくれたまえー?」

おいたん「はいはい醤油ね……っと」

莱香「自分で取りにいけばいい」

空「私もそう思いますっ……! その、そういうのって、ふっ、夫婦のやり取りって言うか――男の人同士はよくないと思いますがっ!」

おいたん「いいよもう……立っちゃったし――って、あいてー!!」

ガツン!
ガランガラン!

ひな「!」

おいたん「~~~~~~~~ッ」ゴロンゴロン

仁村「おお、小指直撃か!?」

美羽「うわぁ」

             `゙'''ー ..,_         `゙''ー ,,,>.._,.. ,,,.゙"     .''-、    ヽ   .l   .!  r ̄ 、/    /
            - ..,,_"''― ..,,,_、 ゛..,,,_           `゙'''`-..,゛ rー      `'-、  \       / 、,〃  //
           、 .`゙゙'''~      `゙゙''''― ..,,,_.     {   ミ      `'-、 \(^o^ )/   うわああああああああああああああ!!!!!!!!!!.
               `゙゙゙'"  __  r'"⌒'- ..,,.    ´゙"''―`''' ー= .`゙''ー ,,、  `'-│  │′   ″ /   //
'-、,      . _,゙,゙ ゙̄""         !   .`゙'ミ 、 .¬―--   ___        │  │
  `゙"────'               ゙'-- ―¬           ____       │  │
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄              ⊂ω )       : ー ..,,_.
            ,, -――ー- .              /  .゙│ : ー''''"゙,゙.. ー'''',゙./   /  \        、,    .`゙'''ー
          /        ゙̄二ニ--、   : _,,,.. -ー''''  ゙ー- .″ .‐''"´ ,.. -''″   /     \  \
       .l゙         二ニ-- ‘´    _,,.. -ー     _..-‐'″ .,..ー _/     .i′ ! .l,   、 \
       .l             'ニ―' ._,,.. -‐'''"゛     ,,, -'"゛.,..  ,/´ /    ,   .l゙  | ヽヽ ヽ  `-、
... --ー'''^゙´ .ヽ          _;;jjl″       ._,,, ._..-''"゛._.. ‐'´ ., / .../    ../    . l  ! .! .ヽヽ ヽ  .`'-,
        . ゙'ー ..,,..  .'“´       ,,‐'"  .''彡….‐'″ ,/゛ . ,/   ,'⌒,ー、           _ ,,..  X
   ._,,,.. -‐''"                _,, ‐l゙   ._ /   ,..-'´  _、./   〈∨⌒ /\__,,..  -‐ '' " _,,. ‐''´
''''"´                 ,,, -''"  ._.ゝ__ r'"  .,..‐″  .〈\   _,,r'" 〉 // //     . ‐''" l, .ヽ  \
             ,,, -''″  _..-'"゛    ,/゛   ., ‐l゙ ゝ `く/ /  〉 /  ∧_,. r ''". !   ..l .ヽ \
         _,, -'"゛   ._..-'"゛     .,..-'゛   _,,.. ‐''" _,.〉 / /  . {'⌒) ∠二二>│  !     .ヽ ヽ\
     ._..-‐'″   ._..-'"゛      .,..‐" ,.._,.. ‐''"  _,,,.. -{(⌒)、  r'`ー''‐‐^‐'ヾ{} + |    .'i    ヽ  \
. _,, -'"゛    _.. ‐'″         ,..-'゛.,..‐ '-‐ '' "  _,,. ‐''"`ー‐ヘj^‐'  /  /  ゙.!  |   i l.l 、  .ヽ  ヽ
     ._..-'"゛        _/´., ‐'´   " / .,,‐   /;'"  ,;'' ,''   ,;゙ ‐-  廴__ノ  |  ! !..l !、    ヽ
 ._.. ‐'″        ,..-'´  ./       ゛ .,i'゙,./  ./   / ./ .゙./,i/  /  /   i   .!  .|   ゙!.l   l,
'"           _. _/゛    l           ,ノン ./   ./  !    .;l′ .i′  !   .l   .|  l   /    ヽ
  _.. -''"゙_..-'″  .,..      .l           〃゛     ./   ヽ__./   ./   /   .}   :!   `--"
.''″ ,..-'´   ,..-'" .,,  : ,/ .ヽ、     ,./      ,ノ゛      ./    l   !   ,!   !    .l  lL 、
      ...-'″ . /  -"    .、゙''―ー''゙゛./    /      .r  ,i",ノ .l゙   !   .!   .|  i i l l ! .l
        ,/゛ /    .,/     . /     ./    , ‐ ,i′./ ./ .,″  /    l   │ .l .! ゝ .ゝ l、
          ´  ./    ./      /    /    ,/  ./  / ./ / .、  /   │   .|  | ."     "ヽ
           //  ./      /    . /   : ,/"      ゛/ ./ l .i . l    |    l .l         !
        /  ,/         /     ./   : /           " / / .! l    ,!    | 

空「お、お兄ちゃん」

ひな「……」ガタガタ

莱香「無理もない。こんな狭い部屋に6人でテーブル囲んでる。それは脚もぶつかる」

仁村「まあ、一人暮らしでも鉄板の鬼門だよな。テーブルの四つ足は」

ひな「いあぁ……」ガタガタ

空「ひな?」

誤爆った

ひな「い、い、いぁああああああッッ!!」

おいたん「あ……」

美羽「ひな!」ガバ!

空「ほら、大丈夫……大丈夫だから、ね?」ギュウ

ひな「ぱ、パパァ……ママァ!」ガタガタ

空「!!」

美羽「!」

ひな「ママァ……!」

空「……」ギュゥ!

美羽「……っ」プルプル

おいたん「あ……あ」

仁村「……」

莱香「……」

――――
――

おいたん(そのひなちゃんの、胸が張り裂けそうになる叫び声を聞いて、初めて分かった)

おいたん(ひなちゃんは、ただ怖いから泣いているんじゃなかった)

おいたん(空ちゃんたちや、俺や……本当は一緒にいたい人たちと自然に接することができなくなってしまったこと)

おいたん(そのことを必死にどうにかしようとしているのに、どうしようもないこと)

おいたん(そのことが悔しくて、悲しくて、でもまだ小さいからそれがどういう気持ちなのかも分からなくて、パニックになってしまっている……)

おいたん(きっと、そんな泣き声だった)

――――
――
空「ねぇ……なんでだろう」

美羽「うん」

空「お兄ちゃんはただ、私たちを一緒にいさせてくれるために、一生懸命になってくれてただけなのに」

美羽「うん」

空「ひなは、ちゃんと分かってる。ちゃんとお兄ちゃんとも自分は一緒にいたいんだって。そのために一生懸命がんばってる」

ひな「すぅ……すぅ……」

美羽「うん」

空「ひなは、ちゃんと分かってた。事故のことは知らなくても、3人で協力しあっていかなくちゃいけないって。ひなはちゃんとがんばってた」

美羽「うん」

空「私たち、だって」

美羽「う、ん」

空「誰も、悪くないのに……」

空「どうして、悪いことばっかり起こるんだろう」

美羽「うん……」

空「どうすればいいんだろう……」

美羽「……」

空「誰か、教えてよ……誰も何も悪くないなら、どうすればいいのよ……!」

美羽「……」ポロポロ

――――
――

仁村「俺たちも、甘かったっすかねぇ……」

莱香「そうかも」

佐古「だから言っただろう。エンジェルの扱いはこの俺に任せておけとあれほど」

仁村「つーか、無責任だった!」

莱香「そうかも。心は難しい」

仁村「やっぱこういうのって、よくある、時間が解決してくれるってやつに頼らないと……ダメ、なんスかね?」

佐古「だから言っただろう。エンジェルの扱いはこの俺に任せておけとあれほど」

莱香「それはダメ」

佐古「ワッツ!?」

莱香「ダメ……そう長い時間を置いたら、後悔することになる。いろいろな意味で」

仁村「それって、どういう」

佐古「その通り。私ではダメな理由を3行で述べよ。ワッツ、イズ、ディス?」

莱香「……3万回で答える」スッ

佐古「アオゥッ! ワウッ! woo!!」バッシーンバシーンバー

仁村「……!」ゴクリ

――――
――
おいたん(時間が)

おいたん(時間が必要なのかもしれない)

おいたん(今のままでは、本当に生活も成り立たなくなりそうだ)

おいたん(ひなちゃんの一番最初の救急車の料金。その後のカウンセリングの通院代や、薬の料金)

おいたん(初期で使ってしまった大きな生活費)

おいたん(いや、もう、今月は公共料金の支払いのどれかを抜かさないと……それでようやくギリギリ赤字だということが、分かってしまっている)

おいたん(だから、日雇いのバイトはさらに増やす必要がある)

おいたん(でもその生活も、どれだけ持つだろうか。一ヶ月先、二ヶ月先……空ちゃんたちの学校が始まってから、その先も、ずっと――)

おいたん(そう、学校)

おいたん(ひなちゃんの保育園も始まれば、ひなちゃんのことは否が応にも話さなくちゃならない。それは、あっという間に親戚中に知れ渡る)

おいたん(そうなれば、もう、彼女たちは俺の部屋にはいられない)

おいたん(ひなちゃんは、きっと地方の静かな地域で、大きな病院がある傍に引き取られる。入院もするかもしれない)

おいたん(そしたら、空ちゃんたちとは一緒にはいられない。空ちゃんたちも、負担は、ふたり分よりはひとりずつ……そんな風に、どこかの家に別々に引き取られていく。今なら分かる。それが当たり前なんだ)

おいたん(だから、学校が始まった先も――なんて時間は、存在しないんだ)

おいたん(……『それ』でも)

おいたん(時間が必要なのかもしれない)

おいたん(『それ』も含めた――1月や2月なんてもんじゃない、もっともっと大きな時間が)

おいたん(空ちゃんたちの、ために)

支援

――――
――
pirr! pirr! pirr!

おいたん「……」ピッ、ポチポチポチ

よし子『件名:あれから
    本文:どうしていますか? 大丈夫ですか? 電話にも出てください。
       今度、様子を見にそちらに行こうと思っています。お返事待ってます。』

おいたん「……」

おいたん「……」

おいたん「……」

おいたん!おいたん!

――――
――
莱香「ハァハァ……」

佐古「ドュフフドュフフwww」ビクンビクン

仁村(さすがの先輩も息が切れた……)ダラダラ

佐古「小学生より上には興味ないはずなのにぃ……こんなのおかしいよ絶対おかしいよぉ……ドュフフwww」ピラリ

莱香「……?」

仁村「ああ……それ。なんか、知り合いの知り合いの知り合いからもらったって言ってましたよ。急に予定が入っちゃって無駄になったとかなんとかで」

佐古「ウェヒヒwww」アヘアヘ

莱香「……これ、私にくれなさい」ピラ

佐古「おかしいよぉwww……」ダブルピース

――――
――

空(あれから)

空(結局、特別何かが変わることもなかった)

仁村「今日も」

莱香「来た」

ひな「りぃかー、こんばんゅ!」

空(相変わらず莱香さんと仁村さんも毎日来てくれるし、ひなもよくなついてる)

ひな「おいたんおひょうゆとってくゆ……?」ンションショ

おいたん「……ありがとう」ニコ

空(ひな自身も、変わらずお兄ちゃんとの距離を埋めようとがんばってる)

美羽「私さー。お刺身についてくるこの、ペンペン草みたいな薬味好きだなぁー!」

仁村「ペンペン草て」

空「もう、恥ずかしいからそういうのやめてよっ」

空(私たちも、明るく振舞っている……)

莱香「じゃぁ、今日は私が食器を片付けるから。いくよ」

仁村「わん」

おいたん「あ! お、俺も……」

キッチン<カチャカチャ

美羽「ねえ……おじさん、なんだか元気なくない?」

空「うん……」

美羽「……なにかあったのかな?」

空「たぶん時間がないからだと、思う」

美羽「え」

空「この前ね、聞いちゃったんだ……お兄ちゃんが、ベランダで電話してるの」

空「おばさんがね、今度、こっちに様子を見に来るんだって」

美羽「え……」

空「それと、今の私たちの現状がどうなのか、すごくしつこく聞かれてたみたい」

美羽「ど、どどどどどどど」

空「……ど?」

美羽「それで、なんて!?」

空「どはどこ行ったのよ……」

美羽「そんなことより、はよぅ!」

空「ううん。その場ではなんとかごまかせてたみたい……っていうか、はっきりした返事をまったくしなかっただけみたいだったけど」

美羽「そ、それならひなのことはまだ分からないよね!?」

空「うん……」

美羽「ほっ」

空「同じことでしょ……おばさんが来たら、隠せっこないんだから」

美羽「そ、そそそそそそそ、どうしよう!?」

空「だからそのそは」

美羽「そんな、どうしよう!? って言おうと思ったんだもん! どうしよう!?」

空「どうしようも……ないよ」

美羽「……」

空「美羽だって分かるでしょ……」

美羽「……」クスン

――――
――

おいたん「ひ、ひなちゃん、その……あ、アイスだけど……食べる?」

ひな「ぅ、ぅぅ……うん!」

おいたん「!」パァァ

TV「サテンサン!」

空「」ボー

美羽「」ホケー

仁村「……ねえ、空ちゃん、美羽ちゃん」

TV「ウイハルー!」

仁村「なんか祐太のやつ、最近妙に、こう……やわらかいと思わない?」

空「そーですかー?」

美羽「ねー……」

莱香「私にもそう見える」

空「そうですよねー」

美羽「ねー……」

莱香「……」

仁村「……」

仁村「なんていうのかさ、こう……達観してるっていうのか」

莱香「怖いものがなくなっちゃったような」

美羽「ねー……」

空「きっと……」

空「きっと、最後の団欒になるから」

ガタ

仁村「あ……」

莱香「祐太」

おいたん「空ちゃん……知って」

空「……ごめんなさいっ。電話で話してるの、勝手に聞いちゃったのっ」

おいたん「そっか……こちらこそごめん。切り出そうと思っても、切り出せなくて」

莱香「それは本当?」

おいたん「はい……」

莱香「親戚の人には、このことはもう?」

おいたん「それは、まだ」

空「だから、その時が来ちゃったら、ばれちゃいます」

美羽「そしたら私たち、もう……」シュン

仁村「そんな」

ひな「?……?」キョロキョロ

支援

なんだ虐待マジキチスレじゃないのな?

おいたん「できれば来月……今はまずいから、せめて夏休みが終わったらってお願いしたんですけど。それも、理由を聞かれてしまって」

仁村「ああ……向こうももう、待つがないみたいだな、それは」

莱香「今ではマズい理由は。話したの」

おいたん「それもまだ……言えるはずがないですし」

莱香「その人が来るのはいつ?」

おいたん「今度の日曜……」

仁村「早いなっ!」

莱香「……」

仁村「先輩?」

莱香「あまり意味がないかもしれないけど、考えがある。祐太、携帯貸して」

おいたん「え」

莱香「スマホ。なんでもいい。その人には私から『事情を説明』するから」

――――
――
ザザーン

おいたん「で」

美羽「いきなり」

<オホゥツイニエンジェルコウリン……ウボェア
<ズボン! ブハッナニヲ

空「お、お、お」

<ザッザッザッ
<アバババババァ

空「沖縄~~~~!?」

ひな「わぁ!」キラキラ

仁村「っ~~~~きぃいいいいいいいたあああああああああああああ~~~~~~~!!!!」

仁村「青い海! 青い空! そして青い海! 真夏のギラギラ照りつけた太陽とどこまでも澄んだ美しい景色によってより前衛的に攻撃的に開放されたドSカワイコチャンとの出会いが、今、ここで!!」

莱香「そう」

仁村「やっぱりすか!? フッフウウウウウウウウ!」

莱香「……そう、沖縄」

仁村「沖縄フウウウウウウウウウウウウウウ!」

おいたん「先輩……どうしてまだ運動もしてないのに、汗ばんでるんですか(え、エロイ……)」

莱香「運動なら今しがたしてきた……そう。軽い準備運動」ユッサ

仁村「先輩はな、今までお前んちに行く前に毎日かならず、一日たりとてそれを欠かさなかったんだぞ!」

莱香「チケットが欲しいなら絶対に自分も行くと聞かなかったから、仕方なく。今回は厳重に封印してきた」

おいたん「……は、はぁ?」

莱香「もう〝いないもの〟と同じことだから、気にしても仕方のないこと」プルン

おいたん「ゴクリ……わ、分かりました」

空「……」ムッスゥ

仁村「それよりも見ろよユゥッタァ。北西二時の方角。あれはなかなかの粒ぞろいだぜ」

おいたん「……ゴクリ!」

仁村「巨乳から美乳、ロリ貧乳まで揃えてるとは、なかなか豪勢な連中じゃねえか、うんん? なあユッタン?」

空「ジトォ……ッ!!」プルーン

美羽「まあまあお姉ちゃん」ペターン

仁村「何してんだろうなぁあれ……映画撮影だな! うへへ。水着で映画撮影かぁ、いいなぁ」

おいたん「ええ……水着ならグラビア撮影かなにかだろ?」

仁村「ばかだなお前は。お前は本当にそういうところ見る目がないんだよお前は」

仁村「よく見ろ」

仁村「巨乳の彼女が持ってるレフ板はどう見ても手作りだし」

仁村「何よりも、グラビア撮影なら女の子はまだしも、撮影者までがどう見ても高校生くらいなのはおかしい」

仁村「これがどういうことか、分かるか、祐太?」

おいたん「いや……?」

仁村「つまり! 相手がオール高校生なら、こっち側は対等……それ以上の立場から声をかけることができるってこった!」

仁村「特に寝そべってるちっさい子。ありゃあ極上のSだぜぇ。……あの小さくてキュートなバディに、いったいどれだけのパワーを詰め込んでいるんだうへへ」

おいたん「ちょっと前から言おうと思ってたけどお前どんどん変になってきてるぞ。大丈夫か?」

仁村「大丈夫だ問題ない(キリッ。それじゃあ、俺は往くぜ」

おいたん「あっ、おい! いきなり声かけても失礼だろ……って、先輩?? なんで止めるんです?」

莱香「心配ない。見てて」

仁村「スタスタ」

<キャーウミチャーン

仁村「……」ビタァッ……!

<ジトー
<ドロドロドロ……!

仁村「クルッ」スタスタスタ

おいたん「あ戻ってくる」

美羽「しかもドヤ顔でですよ」

仁村「ふっ……」

仁村「この俺の三角関係レーダーもまだまだ現役のようだ。無駄な損害を回避することができた」クイ

おいたん「お前メガネしてないだろ……」

美羽「壊れちゃったんでしょうか」

莱香「だから言った。心配ない」

おいたん「いや心配ですが……」

仁村「……む」キュピン

美羽「な、なんです?」

仁村「美羽ちゃん、その水着……いいね……!」

美羽「そ、そうですか?」テレッ

仁村「うん……うん……!
    シンプルなデザインながらもオレンジ色を基調に据えた生地を選んだことにより、
    元気のよさを感じさせて、背伸びしすぎず、かといって幼稚すぎることもない。まだ小さな胸のふくらみも
    無駄にごまかすことなく、しっかりと強調し、美羽ちゃんくらいの年代の女の子の可愛らしさを最大限に引き出す最高の着こなしになっているよ!
    そしてなによりもスタイルがバツグンだ。大きければなんでもいいというものではない……すべては、黄金の持つべきバランスなのだよ」

おいたん「お前怖いんだが……」

仁村「なにを言う」

仁村「俺はしっかりとした科学的論拠からものを言っている」

仁村「人体の曲線美をもっとも引き立てるのは、三角形なんだ」

仁村「スーツなどのビジネス・エレガントスタイルもそうだ。
   襟部分、肩部分、腰のくびれ部分、さらにワイシャツも同じく、
   プラス、ネクタイ……これらはすべて三角形で構成されている。
   三角形のつながりが新たな三角形を切り出し、最終的に人間の形をより美しく見せているんだ」

仁村「美羽ちゃんを今一度よく見ろ」

仁村「まず元の素体となる美羽ちゃんの肉体そのもの。
   くいっとひきしまった腰から上下に広がり、下はきれいな逆台形の股下から
   すらりとした二本の脚につながり、上は余計な肉がほとんどついていないかといって
   痩せぎすすぎてない、目を凝らせば分かる程度にうっすらと肋骨が浮かび上がった稜線を、
   キリッと登り、やはり控えめだがメリハリのはっきりとついた両肩へと繋がり、細い腕へとストンと下りる。もちろん、始めに述べた腰も極めて美しい三角形だ」

仁村「続いて水着だ」

仁村「ここまで言及したくだりに至っては
   聡明なる諸君にとっては蛇足も甚だしいことであろうが、
   まずはビキニの股下! これ……! ただのビキニとあなどるのは簡単だが、
   そうではない。隠しすぎず、かつ際どすぎずなベストな布面積を充てることで
   美羽ちゃんの元から良い股のラインを、グッと強調しているそう二枚の半透明の紙に書いた線を重
   より強い線を生み出すようにだ。かと思いきや後ろを振り返ってみれば、なんと。まだまだ豊満と言えるほどではないにしろ、
   溢れんばかりの若さが生み出した弾力の肌のみずみずしいお尻のふくらみが、キュッと締め上げられてかわいらしく零れ落ちそうになっているではないか」

仁村「次は胸だ……ひざまづけいのちごいブプェアッ!」ズッサア!

莱香「そろそろ美羽ちゃんが怖がってる」

美羽「怖いっていうか恥ずかしいっていうかその、全身裸にされて見られてるみたいで……///」モジモジ

美羽「お、おじさんは……」チラ

おいたん「え?」

美羽「ど、どうかなっ? 私の水着とか……か、身体……」

おいたん「あ、ああ……」

おいたん「俺はそういうの詳しくないけど、すごく、可愛らしいと思うよ」

美羽「……えへへっ」ペカー

空「ジットーーー!!」ドロドロドロ

美羽「……」ツンツン

おいたん(美羽ちゃん……あ! そっか)

おいたん「ええと、その……空ちゃんもすごく似合ってると思うよっ!」

空「……ジトー?」

ひな空気杉わろた

おいたん「ええああううっとあとはそうだね」

美羽「」クイックイッ

おいたん「!……そ、そう! 美羽ちゃんと違ってすごくセクシー!
     プロポーション抜群! さすがお姉さん!それなら大抵の男子ならクラっときちゃうんじゃないかなーははは……」

空「チラッチラッ……」

美羽「(もう一押しです!)」ゴニョ

おいたん「ええ!?……い、いやあ~、僕は空ちゃんみたいな女の子を連れて歩けて幸せだな~! 恋人とか思われちゃったらどうしよ……はははっ」

空「っ……///」

おいたん「なななんてねははは! そんなことあるはずないよね俺なんか空ちゃんとは釣り合わないし、歳も……離れてるし……すいません(やっぱり言いすぎだったよ美羽ちゃぁん……)」

空「……なら、いい。…………そんなことないけど…………///」プイ

おいたん(助かったのか?)

美羽「今回だけですから、次からはちゃんとひとりで扱ってあげてくださいね?」

おいたん「う、うん。ありがと、ね。はは」

仁村「接近警報」

おいたん「うわ」

仁村「新たな高脅威目標を補足したぞ。今度のはケタ外れだ」

おいたん「なに言って……」ヒヤリ

莱香「仁村……」

仁村「ハイ」

莱香「今日からお前をムラムラと呼ぶので」

ムラムラ「ハイ」

おいたん(はいじゃないが)ゴクリ

莱香「今さらだけど、パラソルの設置がまだだった……40秒以内に設置を完了すれば、お前の今日という日の命は、助かる……」

ムラムラ「祐太、俺……往ってくる」

おい、なんでこんなハッピーな感じで続いてんだよ
俺の思ってた奴じゃないよこれ

>>387
おい続き書けよ

>>391
俺より力いれてるから書くの怖えよ

やめろこれ以上私を怒らせるな右手にすごいエネルギーがたまってしまっている

おいたん「お、おう」

莱香「……」

おいたん「……」ダラダラ

おいたん「あ、あの。先輩っ、その」

莱香「いい」

莱香「そういうの、慣れてないから……」

おいたん「はぁ」

莱香「40秒、飛んで、コンマ002秒……」

おいたん「えっ」

莱香「すぐ戻る……行ってくる」ユラァ

おいたん「ええ……?」

ザザーン

ひな「ぇぅ……ぉぃたん?」

おいたん(ああ……)

おいたん(ひなちゃんが一番可愛いなあ……!)

ひな「……?」

――――
――
莱香「……はい。私、多摩文学院大学文学部人文学科2年、
   路上観察研究会の織田 莱香と申します。いえ。こちらこそ祐太くんにはいつもお世話になっています」

おいたん「……」

莱香「はい――はい。そうなんです。もう予約を済ませてしまっていて、
    土曜に出発するんですけれど、祐太君がご家庭の事情からどうしてもおばさまに打ち明けられなかったと――それで私が――」

一同『……』

莱香「同伴の顧問、ですか?
   ――いえ、はい。やはり高校とは違って、そういったところも生徒の自主性ということで
   任せていただいておりますので。はい、活動内容ですか……はい。非常に広義に渡る解釈の下に
   活動を行なっておりまして、今、この場で一概には――はい。よろしければ、また日を改めてお時間をいただけましたら、ゆっくりと」

莱香「ありがとうございます……いえそんなことは。
   こちらこそ祐太君にはお世話になりっぱなしで。いえ本当です。――はい、ありがとうございます。
   大切なお子様を、責任を持って預からせていただきます。はい、それでは、祐太君に替わります。夜分にありがとうございました。失礼します」

莱香「……はい」

おいたん「も、もしもし」ゴクリ

よし子『もしもし。祐太さん?』

おいたん『は、はい』

このSSまとめへのコメント

1 :  SS好きの774さん   2013年12月12日 (木) 08:25:29   ID: oSEzKExc

誰だこんな小説書いたの出てこい

2 :  ベリオロス   2014年07月06日 (日) 01:08:51   ID: DK6doVrk

期待

3 :  SS好きの774さん   2015年01月29日 (木) 00:55:27   ID: f1rJE6K3

K5Fなんとかキチガイすぎ

名前:
コメント:


未完結のSSにコメントをする時は、まだSSの更新がある可能性を考慮してコメントしてください

ScrollBottom