貴音「765プロの皆はかわいいですね」(172)

響「急にどうしたんだ、貴音」

貴音「ちなみに『皆』と書いて『みな』と読みます」

響「そりゃ今聞いたから分かるぞ」

貴音「しかし読む人は『みんな』と読むかもしれないでしょう?」

響「へ?読む人?」

貴音「え?」

響「え?」

貴音「とにかく、765プロの皆はかわいいと申したのです」

響「だから急にどうしたのって」

貴音「ところで明日は“ばれんたいんでい”ですね」

響「どうしたのって聞いてるのに」

貴音「意中の殿方に、想いとともにちょこを渡す…なんと素敵ないべんとでしょう!」

響「そうだね、素敵なイベントだね」

貴音「わたくしもちょこが欲しいのです!」

響「買えば?」

貴音「違います、響!ばれんたいんは相手に貰ってこそ意味があるものでしょう!」

響「自分女だから貰う側の気持ちはよく分からないぞ」

貴音「それを765プロの皆のようなかわいい女性から貰えたらどんなにうれしいことか」

響「そりゃあ一応アイドルだしね」

貴音「そこで765プロの皆からちょこを貰う妄想をまとめたものがこちら」スッ

響「すごいスムーズにフリップ出してきたけど驚かないぞ」

貴音「まあふりっぷは使わないのですが」ポイ

響「それ誰が作ったの?」

貴音「小鳥嬢です」

響「そこらへん置いときな」

貴音「まず天海春香」

響「よし、どんとこい」

貴音「春香に至ってはもはや手作りがどうとかいう域を超えてると思うのです」

響「春香はお菓子作り得意だからなー、今度習いに」

貴音「響」

響「?」

貴音「今は」

貴音「わたくしが」

貴音「話しているのです」

響(あ、ちょっといらっとしたぞ)

貴音「ですから、春香に求めるべきはしちゅえーしょんなのです」

響「…」

貴音「きたる2月14日、貰えるかなー、どうかなーと思って過ごし」

貴音「結局誰からも貰えず帰路につく自分」

響「…続けて」

貴音「すると自宅の玄関前に白い息を吐きながら何やら手持ちぶさたな少女」

貴音「『あ、やっと帰ってきた…家近いからってあんまり遅くなると怒られるんだからね』」

響「…」

貴音「『どうせ誰かから貰えるかなーってウロウロしてたんでしょ、ふふ』」

貴音「『…え?そりゃ分かるよ、小さい頃からいっしょなんだから』」

貴音「『ほら、バレンタインのチョコ!今年も手作りだよ』」

貴音「『…うん、それじゃ私帰るから』」

貴音「…走り去ろうとする春香」

響「…」

貴音「『…あ、そうだ』」

貴音「『……バレンタインってさ…』」

貴音「『好きな人にチョコを渡す日だって…知ってた?』」

響「貴音は分かってる!分かってるぞ!」

響「そうなんだよな!春香は身近な存在すぎてあんまり意識されてないポジションが似合うんだよな!」

貴音「幼馴染み最高ですね」

響「それであまり意識してなかったけどこれを機にだんだん気になっていくんだよな!」

貴音「響」

響「次の日から顔を合わせたら言葉は交わすけど今までみたいな悪ふざけは出来なくって、それで」

貴音「響!」

響「!」

貴音「落ち着きなさい、まだ序盤です」

響「ご、ごめん…」

貴音「わたくしの意図するところは分かりましたか?」

響「最初は正直何言ってんだと思ってたけど、すばらしいと思う」

貴音「それではどんどん参りましょう」

響「次は誰?」

貴音「如月千早です」

響「あー、もう期待できる」

貴音「千早は手作りを頑張る姿勢が良いと思います」

響「普段そういうことしない人が何かを頑張るってのはいいね」

貴音「それでもやはりしちゅえーしょんでしょう」

響「どうぞ」

貴音「そうですね、ここは自分がぷろでゅーさーであると仮定しましょう」

響「ふむ」

貴音「今日一日いろいろな仕事をこなし、雑務をするために事務所に帰ってきます」

響「うん」

貴音「すると机の上に簡素かつさわやかなでざいんの箱が」

響「うんうん」

貴音「開けてみると、ちょことともに手紙が入っているわけです」

響「もうそれだけできゅんきゅんくるよね」

貴音「『お仕事お疲れ様でした、如月千早です』」

響「他人行儀なところが千早らしくてかわいいぞ」

貴音「『バレンタインですので、日頃お世話になっているプロデューサーにチョコをと思い準備しました』」

貴音「『一応、手作りです』」

響「さりげない頑張りアピールたまんないね」

貴音「『手作りとは言っても、春香に手伝ってもらったので味は保証できます』」

響「自信無いから保険かけるんだね!うん、分かる分かるよ」

貴音「『こういうふうに男の人にチョコを贈るのは初めてですが、食べていただけるとうれしいです』」

響「うんうん」

貴音「『ちなみに、味の感想はメールなどしなくて結構です』」

響「…」

貴音「『明日からもよろしくお願いします、如月千早』」

響「でもケータイ握りしめて感想メール待ってるんだよな!分かるぞ!」

貴音「そしてめーるじゃなくて電話がかかってきてあり得ないくらい焦る千早を想像してください」

響「お、おおう…言葉にならない……」

貴音「『ぷ、ぷぷぷ、プロデューサー!?なんですか突然電話してきて!』」

響「1コール目で出たくせになあ…ああかわいい…」

貴音「『…え、感想?……そうですか、まあ春香のおかげですね』」

貴音「『はい、はい…分かりました、それではまた明日』…と言い、携帯を切る千早」

響「…」

貴音「『…』」

貴音「『えへへへ~…///』」

響「かわいすぎるだろっ…!」

響「千早が女の子女の子してるの見ると幸せになるなあ」

貴音「もっと素直になればいいのに、とも思えますね」

響「でもそこがいいんだよ千早は」

貴音「では菊地真にいきましょう」

響「真かあ…」

貴音「おや、思ったより反応が悪いですね」

響「真はこういうイベントになると夢見る女の子成分が出てくるからなあ」

貴音「ですが真も最近は自分の魅力に気付いてきたように感じますよ」

響「でも具体的な話聞かないと分からないなー」

貴音「聞きたいですか?」

響「聞きたい」

貴音「本当に聞きたいですか?」

響「本当に聞きたい!」

貴音「…」

響「…」

二人「えへへへへ」

すみません1時間弱ほど席はずします
11時頃には再開できると思います

貴音「さあ、菊地真です」

響「よし来い」

貴音「もう女の子いべんとで空回りする真は古いと思うのです」

響「それは新解釈」

貴音「ちょこを渡して、目を見据えて一言」

貴音「『ボクはきみが好きです!きみはボクのこと好きですか!?』」

響「す、好きです!」

響「思わず返事しちゃったぞ」

貴音「恋愛に対して堂々としている真もすばらしいでしょう」

響「確かに」

貴音「そして良い返事を貰って、その場にへたり込む真」

響「お?」

貴音「『はあ~、緊張した…』」

貴音「『そりゃそうだよ、好きな人に好きって言ってもらえてうれしくない人なんていないよ』」

貴音「『あのさ……、好きだよ』」

響「まことぉ…」

響「もう自分のうれしさが限界突破してるぞ」

貴音「自信を持っているように見えて実は内心緊張していた真ですね」

響「やっぱり女の子らしい部分があるっていうギャップかあ…」

貴音「さあ、次は萩原雪歩です」

響「雪歩も読めないなあ」

貴音「雪歩は夜の公園が良いですね」

響「もう夜の公園って聞くだけでドキドキする」

貴音「公園のべんちに二人並んで座るのです」

響「いいね」

貴音「ちょっと会話をしたあとに少し沈黙の時間が訪れるわけです」

響「うん」

貴音「気まずさを打ち破るように急いでちょこを鞄から取り出す雪歩」

響「気まずくないのになあ、雪歩と二人なら気まずくないのになあ」

貴音「『こ、これ…バレンタインのチョコですぅ…』」

響「ちょっと物真似が上手いのがまたね」

貴音「『あ、はい!…おいしく出来てるといいんですけど…』」

響「雪歩の手作りならなんでもおいしいのになぁ」

貴音「『あ、あの…』

貴音「『…』」

貴音「『…私のこと、好きですか…?』」

響「好きと言わざるを得ない」

貴音「隣に座った雪歩が上目づかいでこちらを見てくるのですよ」

響「想像しただけで好きと言わざるを得ない」

貴音「普段控えめな雪歩が勇気を振り絞って、好きですかと聞いてくる」

響「それはもう好きと言わざるを得ない」

貴音「好きと言わざるを得ない」

響「好きと言わざるを得ない」

二人「…」

二人「えへへへへ」

貴音「どんどん行きましょう、次は双海亜美です」

響「ああ、亜美真美ね」

貴音「響」

響「?」

貴音「双海亜美と双海真美は分けて考えるのが通説でしょう」

響「貴音を試したんだぞ」

貴音「やりますね」

響「貴音こそ」

貴音「それでは双海亜美です」

響「亜美はチョコを自分で食べちゃいそうだぞ」

貴音「それも良いのではないでしょうか」

響「え?」

貴音「『んっふっふ~、兄ちゃんのチョコは亜美が全部食べちゃったよ→』」

貴音「『え?口の横にチョコが付いてる?』」

貴音「『兄ちゃん取って取って→』」

貴音「『…キスで』」

響「亜美も思春期だったかー…」

貴音「双海真美はおそらく意識しすぎて一歩引いた行動をとってしまうでしょう」

響「亜美は真美よりも積極的な行動を取るってことかあ、やるなあ」

貴音「それは亜美がですか?それともわたくしがですか?」

響「どっちも!」

貴音「ふふ、それでは続いて真美です」

響「さあ妹の猛攻にお姉ちゃんはどう出るか」

貴音「真美も亜美と同じ殿方を好きになったとします」

響「あー、そのパターン?そのパターンか?」

貴音「亜美が積極的に迫る場面を見てしまった真美」

響「これ切ないパターンのやつでしょ?ねえ大丈夫?真美大丈夫?」

貴音「しかし今の主役は真美ですから亜美の誘いには乗らなかったとしましょう」

響「ちょっと安心した、自分安心したぞ」

貴音「『…さっき、亜美と何してたの?』」

貴音「『んー、いいよ隠さなくて…だって見ちゃったし』」

貴音「『……ねえ、男の人ってあ→ゆ→のが好きなの?』」

響「…」

貴音「『真美にはさ、亜美みたいなダイタンなことはできないけど…』」

貴音「『…す、好きって気持ちは負けないから!はいチョコ!』」

響「…オゥフ」

貴音「『…もしチョコが付いてたらさ』」

貴音「『……ま、真美がキスして取ってあげてもいいよ…?』」

響「逆に大胆だぞ真美ー!」

貴音「『な、ほ、本気にしないでよ、も→!』」

響「真美からの言葉はいつだって本気で受け止めるぞ真美ー!」

貴音「思春期だからこそ、発展途上だからこそ生まれる魅力というものもあるのです」

響「亜美も真美も違う魅力があるからいいんだよね!」

貴音「ええ、その通りです」

響「よし、次は!?」

貴音「同じく発展途上である高槻やよいに参りましょう」

響「やよいは亜美真美とは違った発展途上ぶりが期待できるな!」

貴音「まずはやよいの持つ魅力から見ていきましょう」

響「お願いします貴音せんせー!」

貴音「やよいの魅力といえばなんと言っても“無垢さ”です」

響「よくも悪くも子供って感じがするよね」

貴音「つまり、好きだからちょこを渡すのではなく、ちょこを渡したことで好きという感情に気付く…というのはどうでしょう」

響「あー、それいいかも」

貴音「『はい!これチョコですー!あまり高いのは準備できなかったですけど…』」

響「やよいからのプレゼントならたとえ消し炭でもおいしく食べるのになあ」

貴音「『え?…それはそうですよー!嫌いな人にチョコあげたりしませんよ!』」

貴音「『それなら弟たちにあげちゃいます!うっうー!』」

響「自分じゃなくて兄弟のこと真っ先に考えるやよいかわいい」

貴音「『…?バレンタインですか?それは、女の子が好きな人にチョコを…』」

貴音「『あげ…』」

貴音「『…』」

貴音「『あぅ…///』」

響「今気付いた!今無自覚な恋心に気付いたよね!」

響「あー、いいなあ…しかも好きな人に気付かされて恥ずかしがるやよいかわいいなあ…」

貴音「告白ありきでちょこを渡すのも良いですが、ばれんたいんが恋のきっかけになるのも良いですね」

響「これはやよいならではだなー」

貴音「続いて秋月律子です」

響「律子はどう渡すのかな!?照れながら渡すのかな!?」

貴音「響、これはあくまで妄想です」

響「妄想でもなんくるないさー!」

貴音「律子はすでに交際しているぱたーんが望ましいですね」

響「まあ年齢も上の方だからそういうのがあってもおかしくないかもね」

貴音「仕事を終え、律子と同棲している家に帰るわけです」

響「もう同棲とかね…もうね…」

貴音「いつもより遅くなってしまった自分に不満を言いながらも、なんだかんだで夕食を一緒に食べます」

響「律子のカレーが食べたい」

貴音「食事を終え、洗い物を終え、狭いながらも工夫して配置したてれびの前のそふぁーに座る二人」

響「うんうん」

貴音「そこで『あ、そうだ』と言い、ちょこを取りに行く律子」

響「ちょっと自分黙っとくね」

貴音「『はい、チョコ。え?今日バレンタインでしょ』」

貴音「『機嫌悪かったから貰えると思ってなかったって…』」

貴音「『あのね、渡すに決まってるでしょ』」

貴音「『だって、その…カノジョなんだし…///』」

響「やっぱり照れる律子かわいいー!」

貴音「ぽいんとは『彼女』ではなく『カノジョ』なところです」

響「いいね!やっぱり恋愛話を直球で言うのは恥ずかしい律子かわいいね!」

貴音「普段がハキハキしている分、こういった一面はとてもかわいらしいですね」

響「このあとは!?やっぱり二人でいちゃいちゃするのかな!?」

貴音「響」

響「はい!」

貴音「そこから先は」

貴音「とっぷしーくれっとです」

響「むぅ」

貴音「水瀬伊織に参りましょう」

響「伊織かー、ある意味想像できるけどなー」

貴音「ほう、お聞かせ願えますか?」

響「やっぱりツンデレな感じで『あ、アンタのために作ったわけじゃ…!』みたいな感じじゃないの?」

貴音「響」

響「?」

貴音「四条わーるどをご覧にいれましょう」

響「貴音せんせーかっこいい!」

貴音「伊織も幼馴染みという設定にしましょう」

響「伊織はお嬢様だぞ?」

貴音「そう、ただ家が近いというだけで特別に学び舎が一緒だとかそういうことはありません」

響「格差社会だぞー…」

貴音「ただ、幼き頃に偶然さっかーぼーるが水瀬家に入ってしまったことから、二人は知り合いなのです」

響「だぞ!?」

貴音「これを特殊幼馴染みと呼びます」

響「メモしておかなきゃ!」

貴音「そして2月14日、2階にある自分の部屋の窓に何やら物が当たる音が」

響「…」

貴音「窓を開けるとそこにはもちろん水瀬伊織」

響「寒いのになあ、警備とか抜け出してきたのかなあ」

貴音「どうしたの、と声をかけます」

響「うんうん」

貴音「『…ねえ!今日って何の日かアンタ知ってる!?』」

響「貴音せんせーはじらすのがうまいなー」

貴音「『そうよ!バレンタイン!女子が男子にチョコ渡す日よ!』」

貴音「『…だからコレ!下に置いておくから後で取りにきなさいよ!』」

貴音「『……はぁ!?ば、バッカじゃないの!?それ女の子に言わせるつもり!?』」

貴音「『い、いいから早く取りにきなさいよね!犬に食べられても知らないんだから!』」

貴音「と言い、去っていく伊織…」

響「…あれ?」

貴音「どうしましたか、響」

響「…デレきってないぞ?」

貴音「ふふ」

貴音「とにかくちょこを取りに行ってあげてください」

響「うーん、仕方ないなあ、チョコを取って箱を開けてっと」

貴音「おや、中には手紙が」

響「ち、千早パターンだー!」

貴音「中身を見てみましょうか」

響「なになに、えーっと…」

貴音「『拝啓、我那覇響様』」

響「!」

貴音「『梅花のつぼみまだ寒く、我那覇様に至ってはいかがお過ごしでしょうか』」

響「こ、これは…」

貴音「『私は学年末試験を来週に控えており、日々勉学にいそしんでおります』」

響「…」スッ (←手紙をめくるしぐさ)

貴音「『ところで、プレゼントさせていただいたチョコレートですが、お召し上がりになられたでしょうか』」

貴音「『恥ずかしながら初めて手作りチョコレートなるものに取り組んでみましたが、いかがだったでしょうか』」

貴音「『気にいっていただければ幸いです』」

響「…」スッ

貴音「『我那覇様は聡明なお方ですから、このチョコレートの意味も存じておられるかと思います』」

貴音「『お慕い申し上げております、我那覇様』」

響「…!」スッ

貴音「『よろしければ、感想などいただきたく存じます』」

貴音「『私の携帯電話番号を記しておきますので、お時間のあるときにでも気軽にお電話なさってください』」

貴音「『私はいつでもお待ち申し上げております』」

貴音「『水瀬伊織』」

響「実は教養のあるいおりんマジ最高」

響「お嬢様だからね…そういう知識もあるだろうね…うぅ…」

貴音「普段は乱暴な言動もするかもしれませんが、実は大和撫子としての一面も持ち合わせている」

貴音「それが水瀬伊織です」

響「デレるかと思いきやワンクッション置き、違った方向からデレる…」

貴音「これを特殊ツンデレと呼びます」

響「これもメモしておかなきゃ!」

響「いや、やっぱいいや!」

響「ただテンプレツンデレをすればいいってものじゃないんだね」

貴音「特に水瀬伊織は普段がそういうつんでれな一面がある方ですから、驚きはさらに大きいでしょう」

響「貴音せんせーはすごいなあ!」

貴音「さあらすとすぱーとです」

響「次は誰なの?」

貴音「三浦あずさに参りましょう」

響「あずさにチョコ貰えるって思っただけでもドキドキしちゃうね!」

貴音「あずさも律子と同じくすでに交際しているぱたーんが良いでしょうね」

響「もう結婚したいよ」

貴音「たまの休日が偶然重なり、しかし特別どこかに出かけるわけでもなく自宅でのんびり過ごす二人」

響「想像しただけでにやにやしちゃうぞ!」

貴音「ああ幸せだったな、こんな休日もいいな、と思いながら床につこうとする」

響「そんな休日が続くんだったらニートもいいかなって思うぞ!」

貴音「響、にーとはダメです」

響「じょ、冗談だぞ」

貴音「するとあずさが『あ、そうだわ~』と言いちょこを取ってきます」

響「律子のときといい、そのパターン好きなんでしょ貴音」

貴音「『はい、バレンタインのチョコです』」

響「うん、ありがと。ごめんね、休日なのにどこにも連れていけなくて」

貴音「『いいえ、私はあなたと一緒にいるだけで幸せなんですよ?』」

貴音「『だから、これからもずっと一緒にいてくださいね』」

貴音「『あなた』」

響「結婚しよう、あずさ」

響「大人ならではの余裕と展開って感じだぞ…」

貴音「あずさの年齢のことをからかう殿方も多いようですが、あずさにしか出せない魅力もあることを理解すべきです」

響「そ、そりゃそうだぞ!あずさはキレイだけどかわいいところもあって…」

貴音「響はあずさのことが大好きなのですね」

響「765プロのみんな大好きだぞ!」

貴音「ふふ、わたくしもです。それでは最後といきましょう」

響「最後は…?」

貴音「星井美希です」

響「美希かあ…美希はどう来るのか分からないぞ」

貴音「ここでは実際に思いを寄せている殿方として、はにーを相手として設定しましょう」

響「ハニーて」

貴音「『ハニー!バレンタインのチョコなのー!』」

響「美希は自分で手作りとかしないだろうなー」

貴音「『…え!?…うん、そうだよ!それミキのお気に入りのお店で、一番高いやつなの!』」

響「あーやっぱりかあ」

貴音「『…う、ううん!ミキはいいの!ハニーが全部食べていいの!』」

響「お?」

貴音「『そ、それじゃミキはレッスン行ってくるの!全部食べていいからね!』」

響「美希のことだから『じゃあ食べるのー!』って言って全部食べちゃいそうなのに」

貴音「さあ、美希のあとを追っていきましょう」

響「面白くなってまいりました!」

貴音「れっすんるーむに行くと、鞄をのぞきこむ美希の姿が」

響「どうしたのかな?お腹痛いのかな?」

貴音「『ポリポリ…、ふぅ…やっぱり苦くてダメなの…』」

響「苦い?薬かな?」

貴音「『せっかく作ったのに失敗したらなんの意味も無いの…』」

響「…?」

貴音「『はあ…春香にチョコの作り方ちゃんと聞けばよかった…』」

響「!!」

貴音「『しかも捨てるのもったいないから失敗作全部食べてたらお腹いっぱいだし…』」

貴音「『…ホントはあのチョコ食べたかったの…』」

貴音「『……』」

貴音「『ハニー、よろこんでくれるかなあ…えへへ』」

響「美希、結婚しよう」

貴音「年齢的にまだ駄目です」

響「くっ…」

貴音「ちなみにこの現場を目撃して、美希に声をかけたらあわてふためいて」

貴音「後日事務所のそふぁーでちょこを食べさせ合うところまで妄想しました」

響「美希は見た目から勘違いされがちだけど、恋愛には一途なんだよなあ」

貴音「恋する乙女が一番似合うのは実は美希だと思うのです」

響「今度はいっしょに美希と料理するのとかもいいね!」

貴音「それは…めもしておかなければ!」

響「えへへー」

響「いやー、貴音せんせーの話は面白かったなー!」

貴音「喜んでいただけたのなら何よりです」

響「ところで最初も聞いたけど、なんで急にこんな話を始めたの?」

貴音「ふふ、わたくしも最初に申し上げましたよ」

響「へ?」

貴音「明日…いえ、すでに日付が変わったので今日は」

貴音「ばれんたいんですよ、と」

響「!」

貴音「響、ばれんたいんちょこです」

響「あ、ありがと…///」

貴音「?なぜそんなに頬を染めているのですか?」

響「だ、だって…」

貴音「?」

響「ば、バレンタインって…好きな人にチョコを贈る日なんでしょ?」

貴音「!」

貴音「それは…その…///」

響「…貴音、これ」

貴音「!」

響「ば、バレンタインチョコだぞ!自分が先に渡そうと思ってたのに…」

貴音「響」

響「…?」

貴音「たいへん、うれしいですよ」

響「…!」

響「じ、自分もだぞ…///」

貴音「…」

響「…」

貴音「…ふふ」

響「…あはは」

貴音「好きですよ、響」

響「自分もだぞ、貴音」


二人「えへへへへー」


おわり



しかし『えへへへへー』がオードリーで再生される俺は負け組

ひびたか可愛いよひびたか
というわけでおわりです

個人的にはひびたかの組み合わせが一番好きなのでなんとか書けて満足
しかし響はギャグ調で書くと口調の再現が難しいですね
最初の方のレスでキャラ崩壊言われてましたがその通りだと思います

>>168
最後の「えへへへへー」以外はオードリーで考えていた俺も負け組

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