男「どうぶつの森?」(486)
ガタンゴトンガタンゴトン
男「(電車に乗って2時間半……)」
男「(都会での生活に疲れたから、この田舎に住む事にしたが)」
ガタンゴトンガタンゴトン
男「電車の中は無人、そして」
ネコ「ミャー」
男「目の前にはなぜかネコがいる」
プシュー
男「どうやら目的の村に着いたみたいだ」
男「しかしこの電車、運転席には誰もいなかったな……」
男「この地図の屋根マークが自宅みたいだ」
イヌ「ワン!ワン!」
ペンギン「クエー!」
ブタ「ブヒー!」
男「……なんでこの村はこんなに動物が放し飼いなんだ?」
男「ここが俺の家か……」
男「しかし、気味が悪いほどに人がいなかったな……」
男「でも、俺の家を含めこの団地には4つ家が建っている」
男「荷物でも置いたら、挨拶でもしようかな?」
男「しかしこのはにわはなんだ?」
はにわ「」
男「まあ、後で片付けるか……」
男「すいませーん、隣に引っ越してきた者ですけど」ドンドン
男「おかしいな……3件とも留守だったぞ?」
男「……いや、居留守を使っているだけだろ」
男「多分ここの団地の人は皆、極度の人見知りなんだ」
男「……する事ないしちょっと村の周りでも見てこようかな?」
ゾウ「パオーン!」ドシンドシン
男「……なんでゾウまで放し飼いなんだよ」
男「市役所か……そういえば手続きしとかないとな」
男「でもこの市役所、建物の中に活気がないぞ?」
男「まあ入ってみるか……」ギィ
ペリカン「クワッ!」
男「」
男「ダメだ……なんか幻覚でも見てるのかな?俺」
男「家に帰ろう」トボトボ
男「……ん?」
イヌ「ワンワン!」
ネコ「フシュー!!」
トラ「グルルルルルル!」
男「え!?……まじかよトラいるぞ?」コソコソ
トラ「ガアアアアアアアア!!」ダッ
男「うわ!?トラがイヌの方に向かってった!?」
イヌ「!?」
トラ「ガアアアアアアア!!」
ガブッ
イヌ「キャイン!?」
トラ「……」ガッガッ
男「うわあ……イヌが無残な姿に……」
男「……家に帰ろう」コソコソ
トラ「……」クチャクチャ
イヌ「」
男「トラは食事に夢中で気づいてないみたいだ……」コソコソ
パキッ
男「!?」
トラ「……!?」クルッ
男「目が会っちまった……」ガクガク
トラ「グルルルルルルルルルル!!」ジリッ
男「逃げなきゃ……」ザッ
トラ「ガアアアアアアアア!!」ザッ
男「うわああああああああああああ!?」ダッ
トラ「ガアアアアアアアアア!!」ザッザッザッ
男「ダメだ!?追いつかれる!!」ダダダダダダダ
ズボッ
男「……ヘっ?」
トラ「ウガアアアア!?」ジタバタ
男「落とし穴?誰がこんなところに」
男「でも、あの落とし穴見たところ浅いみたいだから早く逃げないと!」ダッ
トラ「ガアアアアアアアアアア!!」スポッ
男「家まで後少し!!」ダダダダダダダダダ
トラ「ガアアアアアアアアア!!!」ザザザザザザザザ
男「っゴール!!」ギィ
トラ「ガアアアア!!」バッ
パタン
トラ「グガッ!?」ビターン
男「ま……間に合った……」グッタリ
_________________
男「もう夕方か……」
男「あのトラは?」ソー
グルルルルルルルル
男「うわ!?まだ家の前で待ってるよ!?」
男「あのトラが退くまで家にこもるか」
男「どうしよう……」グー
男「腹減ったな……」
男「でも、家の中にはラジオしかないぞ?」
男「見た所、水道もガスも通っていない……」
男「なぜか照明だけは付いているけど」
男「……ラジオでも動かすか」ゴソゴソ
ガサガサガサガサ
男「うわ!?ゴキブリ!?」
カサカサカサカサカサ
男「3匹も出てきたか……」グー
カサカサカサカサカサ
男「……ゴキブリって食えるのかな?」
男「待て!」ダッ
プチプチプチッ
男「あっ!?」
フワワーン
男「ゴキブリ踏んじまった……死体もなんか消えてるし……」
男「そういえば、トラは?」ソー
シーン
男「いなくなったみたいだな」
男「なんか食べ物探しに行くか……」
男「しかし夜の村は危険だな……」
ワオーン パオーン
男「動物達がうろついている分、迂闊には歩けないな」コソコソ
男「ん?なんだ?あの建物は」
たぬきち商店
男「店だ!!」ダッ
カランカラン
男「……すいませーん、誰かいませんか?」
シーン
男「……誰もいないのか?」
ガタッ
男「!?」
たぬき「?」キョトン
男「なんだ、たぬきか……」
男「しかし無人とは、この店無用心だな……」
男「机の上には葉っぱしか乗ってないし」
男「ん?チューリップの種か……」
男「食えるかな?」ガシッ
たぬき「……」ジー
男「……ちゃんと金は払うよ、このレジの前に置いとけばいいかな?」チャリン
_______________
男「しかし」バリボリ
男「このチューリップの種意外といけるな」バリボリ
男「ふぅ、食った食った」
男「……やることねぇな」
男「……寝るか」バタッ
男「床冷たいな……」
男「zzz……」スヤスヤ
ギィ
チュンチュン コケコッコー
男「ん……朝か」
男「体が硬いな……」ポキポキ
男「ポストでも見ようかな?」
キィ
男「入ってないか……」ガッカリ
男「そういえば、昨日は砂浜辺りは探索してなかったな」グゥー
男「……朝食でも探すか」
ザザーンザザーン
男「何もないな……」
男「ん?なんだこれは?」ヒョイ
男「ヤシの実か?」
男「しかし、どうやって飲もうか……」
男「ああ、そういえば」
チャリン
男「この商店に斧があったからな」
男「この斧で!」ブンッ
パンッ
男「うわ!ヤシの実を割っちまった!?」
男「ちくしょう!!」ブンッ
ガッ
男「木にでも八つ当たりだ!!」ブンッ
ガッガッガッ
男「オラっ!!」ブンッ
ガッ ドシーン
男「木が折れたか……ん?」
コロコロ
男「リンゴだ!」
男「久々にうまいものを食べたな」モグモグ
男「というか、この村の木にはリンゴが生えているのか」
男「……採るか」
ユサユサユサユサ ポトポトポト
男「おお、リンゴが落ちてきた」
ユサユサユサユサ ポトポトポト
男「この木も」
ユサユサユサユサ ポトポトポト
男「これも」
ユサユサユサユサ ポトッ
男「ん?これは」
ブーン
男「ハチの巣だ!?」ダッ
男「なんとか逃げ切れたか……」
男「しかし、自宅の中がラジオだけだと殺風景だな……」
男「家具がどこかに無いものか……」
男「ん?肩に葉っぱが乗っかってる、さっきのハチから逃げたときか」
男「気づかなかった」サッサッ
ヒラヒラ ボンッ!
男「うわ!?イスが突然出てきた!?」
男「まさか、この葉っぱ……家具になるのか?」
男「……このイスは見た目的にはモノクロだな……」
男「さっきの商店にあった、葉っぱを全部買ってきたが」
ゴチャゴチャ
男「……統一性が無いな……」
男「まぁ、コンロや洗面所とかが揃ったからいいかな?」
男「しかもファミコンまであったし……」
男「ドンキーコングか……やってみようかな?」
デーデデーデーデーデー デッデッデデデッデッデデ
男「……意外とはまるな」
________________
_______________
チュンチュン コケコッコー
男「……朝か」
男「まさかファミコンで夜更かしするとは……」
男「ふわあぁ……寝ようかな?」
男「おお、このベッド思ったより柔らかい……」フサフサ
男「おやすみ……zzz」スヤスヤ
キィ
____________
男「んっ……夕方か」
男「……外にでも出ようかな?」キィ
男「ん?家の前に沢山花が生えている……誰か置いたのか?」
男「というか、隣の家に人がいるんじゃないか!」
男「すいませーん」ドンドン
男「お話しましょう」ドンドン
男「なんで出ないんだ?」
男「ドアは?」ガチャ
キィ
男「……空いている」
男「すいませーん」ソロソロ
シーン
男「やっぱり誰も……ん?」
スゥースゥー
男「寝息?」
女「zzz……」スゥースゥー
男「人が寝てる……?」
男「すいませーん」ユサユサ
女「zzz」
男「起きてー」ユサユサ
女「zzz」
男「ダメだ、起きないな……」
女「zzz」
男「しかし、こうやって寝ている女の子を見てると」
女「zzz」
男「いたずらしたいよね、男の子だもん!」バッ
女「zzz」モゾモゾ
男「スカートの中に頭突っ込んでみたり!」モゾモゾ
男「さらには!」
男「添い寝!と……か……zzz」スヤスヤ
_______________
____________
女「ふわぁ……夕方ね」ウトウト
スヤスヤ
女「!?」
男「zzz」スヤスヤ
女「きゃあああああああああああああ!!」バシッ
男「zzz」
女「なんでこんな所に人が!?」
ドンドンドン
女「!?誰?」
キィ
ヒョウタ「どうしたじゃが!女ちゃん」
女「あ!ヒョウタ!ちょっとこっち来て!」グイッ
ヒョウタ「ちょっ!引っ張るなじゃが!」
女「ほら!ベットの上に不審者が!!」
男「zzz」
ヒョウタ「あれ?この人おいらを見るなり逃げていった奴じゃが!」
女「ヒョウタはこの不審者を知っているの?」
ヒョウタ「知ってるもなにも、おいらを落とし穴にはめたのはこいつじゃが!」
女「……落とし穴?どこで?」
ヒョウタ「あっちの役所の方じゃが!」
女「(それ、私だわ……)へー」
ヒョウタ「で、この不審者どうするじゃが?」
女「そうね、警察にでも突き出しましょう」
男「zzz」
________________
おまわりさん「落し物、でありますか?」
女「そう、落し物」
男「zzz」
おまわりさん「でもそれは人」
女「落し物!!」クワッ
おまわりさん「……わかったであります」
女「じゃあ、よろしくね!」
女「後、次くるまでには ぎょくざ でも置いといて!」
おまわりさん「……女さんはいつも自分の物でも無いのに持っていくであります」
男「zzz」
女「まったく……」トコトコ
キャラメル「あっ!女ちゃんだワン!」
女「キャラメルじゃない、どうしたの?」
キャラメル「どうしたもこうしたもないワン!これ女ちゃんかワン!」バッ
女「ああ、腐ったカブね、で?」
キャラメル「これをヒョウタに渡したのかワン!」
女「うん、手紙でね」
キャラメル「これのせいでわたしひどい目にあったワン!」
_______________________
わたし系はそんなこと言わない(´・ω・`)
__________________
男が引っ越してきた初日
キャラメル「で、わたし言ったワン、中くらいの幸せが一番良いって」
マール「きゃはははは!キャラメルらしいニャー」
マール「あっ、わたし行かなくちゃ!またニャー」バイバイ
キャラメル「またね、暇だワン」
ヒョウタ「あっ、キャラメルちゃんじゃが!」
キャラメル「あれ?ヒョウタどうしたのワン?」
>>56 すまぬ!すまぬ!
ヒョウタ「女ちゃんから、手紙もらったじゃが!」バッ
キャラメル「?それがどうしたのワン!」
ヒョウタ「初めてじゃが!女の子から手紙なんて!」
キャラメル「(ああ、写真のターゲットにされたのかワン……)へー」
ヒョウタ「ほら、文章見るじゃが!」
おはよう。
ありがとう。
こんにちは。
キャラメル「うわ」
キャラメル「これは……」
ヒョウタ「特にこの ありがとう。からは温かみを感じるじゃが!」
キャラメル「そう……」
ヒョウタ「そういえば、プレゼントも付いてたじゃが!」
キャラメル「(わたしの時も沢山みかん贈られたワン……)中身は?」
キャラメル「なんかそのプレゼント箱からすごい臭うワン……」クンクン
ヒョウタ「開けてみるじゃが!」ガサガサ
パッ プーン
キャラメル「臭っ!?」バタッ
ヒョウタ「カブだじゃが!」バリボリバリボリ
キャラメル「」ピクピク
ヒョウタ「ん?あそこにいるのは誰じゃが?」
男「逃げなきゃ……」
ヒョウタ「逃げる?ああ鬼ごっこをしたいのかじゃが?」ザッ
男「うわあああああああああああ!」ダダダダダダダダ
ヒョウタ「待つじゃが!」ザザザザザザザザザザ
キャラメル「」ピクピク
___________________
_____________
女「ああ、送ったわね」
キャラメル「……あのカブはいつのワン?」
女「たしか、6月前にカブが大赤字になったからムカついて家の隅においてたわ」
キャラメル「あんな強烈な匂い嗅いだのは初めてワン……」
女「犬だもんね、そういえばキャラメル?」
キャラメル「なにワン?」
女「いつ引っ越すの?写真もらったからもう引っ越していいんだよ?」
キャラメル「」
女「さて、家に着いたし寝るか」
女「おやすみー」ゴロリ
女「zzz」スゥースゥー
__________________________
_____________
男「っうん……寝てたか」ムクッ
男「机?どこだここ?」
犬「わん!わん!」
男「犬がいるな」
犬「わん!わん!」
男「見た感じここは交番だな」
犬「わん!」
男「こいつは犬のおまわりさんってか?」
男「というか、なんで俺はここに……」
男「そうだ!あの女の子と添い寝してたら寝てたんだ!」
男「こうしちゃいられん!」ダダダダダダダダダ
男「帰ってきたよハニー」
女「zzz」
男「さて、なにしてやろうか……ん?」
男「部屋の隅に沢山の写真があるぞ?」
男「動物の写真が沢山あるぞ?」
男「この女の子は動物が好きなのかな?」
男「まぁ、それは置いといて」
男「君のベットにダーイブ!!」ピョーン
男「着地!」ドサッ
女「zzz」
男「しかし、本当に起きないな……」
男「何しても起きないというのも結構興奮するな」ムラムラ
男「……フフフ」
ボロンッ ムワーン
男「これが俺の黄金の釣竿だ!」ブラブラ
男「これをこの子の手に握らせ」
女「zzz」ニギッ
男「上下に動かす!」シコッ
男「おおおおおおおおおおおお!いいぞ!いいぞ!」シコシコシコシコ
女「zzz」ギュッ
男「ッ!?痛ってええええええええええ!?」ビクンビクン
男「痛い……」
男「流石に難しいか……」
男「まぁ、また添い寝でもするか」
男「おやすみ……」
男「zzz」スヤスヤ
__________________
______________
ドンドンドンドン アケルデアリマス
女「ふわあ……うるさいな」
女「誰?」ガチャ
おまわりさん「落し物が消えたであります!」
女「なんだ、おまわりか」
おまわりさん「ん?そのベットで寝ているのは誰でありますか?」
女「え?」
男「zzz」スヤスヤ
おわまりさん「」
女「」
おまわりさん「……そういう関係でありますか」
女「待って!?これは違うの!」
おまわりさん「いくらボーイフレンドが邪魔になったからって、落し物はひどいであります!」
女「違う!違うの!」
おわまりさん「失礼したであります!」トコトコ
女「待ってー!!」
女「こいつのせい……」
男「zzz」スヤスヤ
女「……そもそもこいつはどこから?」
女「そういえば、最近隣の家に明かりが点いているような」
女「まさか……引越しとか?レアキャラ?」
女「レアキャラなら……好感度をあげておくべきか」
___________________
________________
チュンチュン
男「ん……朝か?」
男「あれ?俺の家だ……昨日はあの子の家で寝てたはずなのに」
男「?ポストに手紙がたくさんあるぞ?」ガサゴソ
男「宛名は……女?」
男「……見てみるか」
男「どれどれ」ペラッ
おはよう。
こんにちは。
ありがとう。
男「……次」
ありがとう。
こんにちは。
よろしく。
男「……次」
ああああああああああああ
ああああああああああああ
ああああああああああああ
ああああああああああああ
ああああああああああああ
男「」
この手紙は呪いのメールです
三日以内にこの村の住人に100通
送らないと死にます
男「呪いのメールかよ……」
男「ん?村の住人?」
男「俺が見たかぎりだとこの村には俺とあの女の子しかいないはずだぞ」
男「別の場所に人間がいるのか?」
男「……あの女の子は何か知っているのか?」
__________________
________________
女「ふわあ……手紙書いてたら疲れてねちゃったよ……」
女「うわ!もう夜!?まだ花に水も与えてないのに……」
女「ん?ポストに手紙が……」パカッ
女「宛名は男……?ああ、あの変態レアキャラね」
女「内容は?」パラッ
この村には君以外の
人がいるのかな?
女「?なにこれ」
女「人は確かにいないけど、動物達なら沢山いるじゃない」
女「まぁ、たしかに私しか人はいないけど……」
女「まあ、写真のためだ、返事してあげよう」カリカリ
女「そういえば、昨日から何も食べてないわね」
女「リンゴでも食べよ……」
________________
____________
男「ん……朝か」
男「ポストはっと……」パカッ
男「着てるな」パラッ
人間は確かに私と貴方しかいないけど
動物達がいるんだから問題ないんじゃない?
男「人はやっぱりいないのか……」
男「って動物達ってこの子、人がいなくてさびしかったのか……」
男「そりゃ、動物は懐けばかわいいけども、会話はできなじゃないか」
男「お腹すいたな」グゥー
男「リンゴは……あれ?無い?」
男「もしかして、ハチに追われたときに全部落としたんじゃ……」
男「しかたがない、チューリップの球根でがまんするか……」
___________________
_____________
女「また夜に起きてしまった」
女「でポストはっと……」パカッ
女「来てる……なんで夜に手紙がきてんだろう?直接入れてるのかな?」
女「どれどれ」パラッ
動物は人間と喋れないのに、
それを不自由には感じないの?
女「……は?」
女「何言ってるの?この人……気味が悪い」
女「……こんなときはリンゴでも食べて落ち着こうか……」ムシャムシャ
女「流石レアキャラ、文章もレアね……」
_________________
_____________
男「最近、夜は活動してない気がするな……」
男「商店で買った釣竿で魚を釣ってみたが」
男「見事に鯛が釣れたね、めでたいってか」
男「……そういえばあれからリンゴは一切口にしてないな……」
男「ポストに手紙が」パカッ
動物と話すなんてあたり前でしょ?
なにかおかしいの?
男「……え?」
男「待て待て待て!」
男「この子はメルヘンチックな夢でも見てるのか?」
男「……だって、周りは」ソー
ライオン「ガルルルルルル!!」
ペンギン「」グッタリ
________________
________________
女「また来た……」
君はこんなサバイバルみたいな
村の中で本当に落ち着くのか?
よければ俺と一緒に脱出しないか?
女「何なの……この人」
コンコン オンナチャーンイルー
女「サバイバルって、こんな心豊かな動物達が?」
女「ありえない、でも手紙は返さないと……」
_______________________
____________________
男「……朝起きたら、部屋の家具が全て葉っぱに戻ってた」
男「おかしい、何かがおかしいぞ……」
男「この村に来てからおかしくなっている……」
男「手紙が来てる」パラッ
多分貴方は疲れているんでしょう
このリンゴで疲れでも取ったら?
男「リンゴ……あの日から食べてないな……」
男「ん?……あの日?」
男「思えば、リンゴを食べてから葉っぱが家具になったんだよな」
男「もしかして、俺は今まで幻覚でも見ていたんじゃ……」
男「いろいろ調べなくちゃいけないことが増えたな」
男「そういえば、あの子の家以外のドアを開けた事がなかったな……」
男「行くか……」
_______________
________________
カチャ
男「……おじゃまします」コソコソ
男「とりあえず、俺の家から正面の家に来てみたが……」
男「……見た感じ葉っぱが辺り一面に広がっているな」
男「ん?なんだあの葉っぱの山は……」
ヒュー パリンッ
男「っ!?」ビクッ
男「窓が割れた!?」
男「……なんか、まずいな」
男「あの葉っぱの山の中を見てから家をでよう……」
ガサゴソ
ドサッ
死体「」
男「っうわああああああああああああああ!?」
男「死体!死体が出た!?」
男「……オエッ」ウプッ
男「なんで死体が……」
男「やっぱりこの村には何かあるのか?」
男「……でも、なんであの女の子は無事なんだ?」
男「……次の家に行くか」
ガチャ
イヌ「……」ジー
男「うおっ!?イヌかよ驚かせやがって……」
イヌ「ワン!ワン!」
男「ん?そこの変な印のついた地面に何かあるのか?」
イヌ「……ワン!!」
男「わかったよ、掘ればいいんだろ」
ザッザッ
男「……骨?」
男「まだ奥にあるみたいだな……」
ザッザッ
男「ッこれは!?」
ゴリラ「……」
男「え!?うわあああああああああゴリラ!?」
ゴッ
男「がっ!?……殴られたっ……」フラフラ
ゴリラ「ウホッ!」ブンッ
バキッ
男「っ!?……」ドサッ
イヌ「キャン!キャン!」ダッ
ゴリラ「……」
男「」グッタリ
________________
________________
女「ふわあ、久々に朝早く起きたわね」ムニャムニャ
女「手紙は……今日は来てないみたいね」
女「あれ?あれは……」
アラン「……」ズリズリズリ
女「アランじゃない、どうしたの?」
アラン「っ!?女ちゃんかウホウホ」
女「あれ?その引きずってるのって……」
男「」グッタリ
女「変質者じゃない、どうしたの?これ」
アラン「……オレが拾ったウホウホ」
女「あらそう、じゃあね」
アラン「……」
ガチャ
ポイッ ドサッ
男「」グッタリ
アラン「……はやくこの人間も処分しないといけないウホウホ」
ガッ ガッ ガッ
女「この石からも金が出ないわね……」
ワイワイガヤガヤ
女「?役所の前に皆が群がってる、何かあったのかな?」
そんちょう「これからはどうするかのぅ」
ヒョウタ「いっそ、処分するのはどうかじゃが!」
マール「……でも女ちゃんが怪しむニャー」
そんちょう「処分するのはちょっとはやいかのぅ」
女「ねえ」
そんちょう「!?」
女「今日って、イベントの日だっけ?」
そんちょう「……皆で集まって会話してただけじゃよ?」
女「なんだ……」トコトコ
そんちょう「……まだ気づかれてないみたいじゃ」
マール「ごめんね……女ちゃん」
女「暇だな……ん?」
女「化石じゃない!?なんでこんな所に放置してあるのかしら……」
女「まぁ貰いますか」ガサガサ
ロビン「……」ジー
女「ん?あの子は誰かしら……」
女「おーい!」
ロビン「……また人だ」
女「君の名前は?」
ロビン「えっ?ロビンだけど……」
女「ロビン?聞いたことない名前ね……」
ロビン「え?言葉が通じてる?」
女「通じる?どういうこと」
ロビン「だって君は人間でしょ?ボクは……」
アラン「おい」
ロビン「ヒッ!?またゴリラ!?」
アラン「こっちにくるウホウホ」クイクイ
女「どうしたの?アラン?」
アラン「この子はまだ引越し手続きが終わってないウホウホ」
ロビン「引越し?引越しもなにもボクは……」
アラン「くるウホウホ!」グイッ
女「変なアラン……」
________________
そんちょう「新たな移住者かのぅ」
アラン「はい、こいつはまだ語尾の設定が終わってないみたいウホウホ」
ロビン「語尾?設定?」
アラン「それに、こいつは村の掟を知らないみたいウホウホ」
ロビン「掟……?」
そんちょう「ロビンと行ったかのぅ」
ロビン「はい」
そんちょう「君は見たところ犬みたいだから言葉の後ろに、~だイヌと付けなさい」
ロビン「は?」
そんちょう「つけなさい」
ロビン「……だイヌ」
そんちょう「で、最近引っ越してきたばかりのあの人間が村を探っているみたいだのぅ」
アラン「さっき骨を掘っていたから、気絶させておいたウホウホ」
そんちょう「あの人間にワシたちの言葉が通じないということは……」
アラン「リンゴを食べていないみたいウホウホ」
そんちょう「……そのうち、気づかれてしまうのぅ」
アラン「女ちゃんにかウホウホ?」
そんちょう「……手を打たんとのぅ」
__________________
_______________________
男「っ……うん?」ムクッ
男「たしか……ゴリラに襲われて……」
男「そうだ!……あのイヌが示した場所を掘ったら」
男「人間の骨が出てきたんだ……」
男「でも……なんで埋めてあったんだ?」
男「もう一度見に行くか……」
男「無くなってる……たしかここにあったハズなのに」
男「誰かが処分したのか?あのゴリラか?」
男「……どちらにせよこの村がおかしいという事には変わりはない」
男「村の外にいったん出るか?駅から線路を辿れば麓には帰れるだろう」
男「……でも列車でここまで来るのに2時間半だぞ?歩いたらどの位かかる?」
男「しかも、あの女の子を残すわけにはいかないし……」
男「それにあの女の子は動物達とお話ができるメルヘンな子だし……」
男「どうするか……」
男「なんだかんだで、女の子の家に来てしまった……」
女「zzz」
男「いつ来ても寝てるな……会話もできないじゃないか」
男「……そもそも、いつ手紙を書いているんだ?」
男「ん?部屋の隅に置いてあるのはなんだ?」
男「……これは、さっき俺が見つけた骨じゃないか!?」
男「なんで、こんなものがこの子の家に……」
女「zzz」
男「……まさか、この子が殺したとか?」
女「zzz」
男「まだ……この村には俺が知らないことがたくさんあるな」
男「本当は気味悪いからはやく脱出したいが……」
男「調べてみようかな……」
________________
________________
__________
______
___
_
男「(あれから一ヶ月が経過した)」
男「(わかったことは三つ)」
男「このリンゴかな?」ヒョイ
男「(このリンゴを食べると、葉っぱが家具に変わる幻覚を見る)」
男「(幻覚を見る時間はリンゴ一つで丸1日みたいだ)」
男「(因みに二個食べたら、三日間は効果が続いた)」
男「(このリンゴは、麻薬の一種なんだろう……)」
男「(現に二個目を食べたて、食べないでいたら体が痙攣を起こした)」
男「(ガマンしたら直ったが、禁断症状なんだろう)」
男「(二つ目は、村の外)」
男「(試しに線路を辿って歩いてみたが)」
男「(村から2km先に狼の大群がなわばりにしていた)」
男「(まるで、村から何者も出さないようにしているかのような配置だった)」
男「(村から脱出する場合はあそこを抜けなければいけない……)」
男「(最後に、あの女の子の事)」
男「(手紙の宛名を見るかぎり『女』というらしい)」
男「(まずあの女の子は俺が起きている時は行動しない)」
男「(逆に俺が寝ている時は行動しているみたいだ)」
男「(手紙の内容はいつも俺が寝ている時の出来事だった)」
男「(もしかしたら嘘を書いているかもしれない……けど)」
男「(あの子も俺が起きている時の間は自分は寝ているみたいな事を手紙に書いていた)」
男「そして、あの子は……いや女は」
ラジオ「……半年前から、精神病院から抜け出した『女』さんの捜索が打ち切られました」
男「精神病院の患者だったということ」
男「……そういえばあまり役所の方には近づいていなかったな」
男「行ってみるか」
ゴリラ「……」ジー
キィ カランカラン
男「……ペリカンがいない?」
男「好都合だ、邪魔は少ないほうがいい」
男「ん?これは……住民表?」
男「どれどれ」ガサッ
男「ん?」
男「これを見ると俺と女以外に2人はいたことになる」
男「正面の家の死体……を数えればもう一人いる」
男「もしかして……あの骨か?」
男「……考えるほどわからなくなってきた」
男「外も暗くなってきたな……帰るか」
_________________
_________________
女「また夜中に起きちゃった……」
女「ポストには……手紙が入ってる」パカッ
本当に君は病院から
抜け出した子じゃないのか?
女「もう何回目よ……この文章」
女「大体なんなの?人を障害者呼ばわりして」
女「私はちゃんと手続きをして……あれ?」
女「いつしたんだっけ?」
女「確か引っ越した時のバッグに……」ガサゴソ
女「ん?なに?この名札?」
女「え?」
女「待って……冗談でしょ?」
女「いっ嫌よ……認めない……」フルフル
女「私が精神病を患っていたなんて……」ガクガク
女「ああああああああああああああああああああああああああ!!」ビクンッ
ムスメサンノ セイシンニ イジョウ ガ アルコトヲ カクニン シマシタ
イヤ! イヤ! ワタシハ セイジョウヨ!?
ムカシカラ ドウブツト ハナスクセガ アルンデスヨ コノコ
女「ああああああああああああああああああああああああああああああ」
そんちょう「……あの人間を始末するかのぅ」
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ウサギ「~♪」ピョンピョン
男「……」ザッ
ザシュ!
ウサギ「ミ!?」ドサッ
男「……大分、狩りも上達してきたな……」
ウサギ「」ピクピク
男「斧も意外とトマホーク代わりにはなるもんだな……」
男「おっと」
トラ「……」ザッザッ
男「……見つかったら終わりだな」
男「しょうがない、釣竿にウサギでも付けて」テキパキ
男「この釣竿は相変わらずすごいな、サメも持ち上げても折れなかったし」
トラ「……」ザッザッ
男「!!」ブンッ
ドサッ
ウサギ「」
トラ「っ!?があああああああああ!!」バッ
男「今だ!」ダッ
トラ「!?」クルッ
男「ちっ!気づかれたか!」ダダダダダダダダダダダ
トラ「があああああああああ!!」ザザザザザザザザザザ
ズボッ!
トラ「があっ!?」
男「また落とし穴にはまったか、学習能力がないな!」
男「今の間のうちに!」ダッ
男「ぜぇ……はぁ……逃げ切ったか」
男「食料は魚数匹しか捕まえられなかったな……」
男「そういえば、一ヶ月前に砂浜に SOS と試しに書いてみたが」
男「いつの間にか消されていた」
男「さらにこの前は村のあちこちで のろし を上げてみたが」
男「気がついたら火が消されていた」
男「何者かが、俺の脱出を邪魔しているのか?」
男「早く脱出しないとまずい気はするな……」
男「とりあえず家に帰るか……」
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男「家が荒らされる……」
男「窓もドアもめちゃくちゃになっている……」
男「こりゃ、まずいな……」
男「今日はどこで寝ようか……」
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女「……なんで隣で変質者が寝てるの?」
男「zzz」スヤスヤ
女「……この変質者が来てから私はおかしくなった」
女「何か、覚えは無いけど嫌な記憶を夢に見たり」
女「この村にいることに違和感を覚えたこと」
女「……リンゴでも食べて落ち着きますか」ガサゴソ
女「ん?そういえば変質者の手紙にリンゴは麻薬だから食うなとかあったような」
女「でもそんちょうは、嫌な事を忘れたかったら食べればいいとか言ってたような」
女「……外にでよ」ガチャ
ワイワイ ガヤガヤ
女「市役所の前に皆集まってどうしたんだろう?」
そんちょう「あの男とかいう人間を始末するかのぅ」
おまわりさん「さすがにもう限界であります!」
キャラメル「わたしも賛成だワン!」
ヒョウタ「あの2人の人間達のようにじゃが?」
そんちょう「そうじゃ」
そんちょう「このままでは女ちゃんは全てを思い出してしまう」
そんちょう「そうなると、もうリンゴで暗示をかけることもできんからのぅ」
そんちょう「そもそもワシ達は女ちゃんの妄想から生まれた生き物だからのぅ」
キャラメル「もし女ちゃんがこの村の外にでも出たりしたら……」
そんちょう「そうならんために実行は今日の夜中じゃ!」
オーーーーーーーーーーーー!!
女「え?」
女「(どういう事なの?みんな私の妄想って?)」
女「(わけがわからないよ……)」グスッ
女「……そういえば、変質者の事を始末って」
女「……助けたほうがいいの?あれを?」
女「確かによく考えれば変質者は色々私に警告をしていた……」
女「……」
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男「うん……夕方か」
男「おかしいな、女の家にいたはずなのに玄関の前にワープしてる」
男「……ポストに手紙が入っている」パカッ
男「……女から手紙が来てる、久々だな」ペラッ
はやく。
すぐに逃げて。
殺される。
男「……は?」
男「待て待て、話が急すぎてわからんぞ?」
男「……でも、女が現実に戻りつつあるのは間違いないな」
男「荷物を整えるか、早くしないと日が落ちる……」
カメ「……」
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男「大体荷物はまとまったな」
男「後は女だが……起きるのか?」
女「zzz」
男「……しょうがない、背負うか」
男「よいしょっと」グッ
女「zzz」
男「意外と軽いな……リンゴばかり偏食してるからだな」
男「……日が落ちる、行こう」ダッ
男「駅前に着いた」
サル「……」ポリポリ
男「見た所サルしかいないみたいだな」
女「zzz」
男「線路の上を辿っていけば、最悪視界が悪くてもいけるだろう」
男「……この村からはさらばだ」ダッ
サル「ウキー!ウキー!」ピョンピョン
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そんちょう「どうじゃ」
ヒョウタ「駄目じゃが、家はもぬけの殻じゃが!」
アラン「女ちゃんもいないウホウホ!」
そんちょう「最悪の事態じゃな……」
たぬきち「大変だなもー!線路のほうに逃げたみたいだなもー!」
そんちょう「線路側か……なら安心じゃな」
そんちょう「前の二人と同じ道を歩むのぅ」
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男「っは!……はあ……」タッタッタッタッ
男「……完全に日が落ちたな」タッタッタッタッ
女「zzz」
男「月明かりで足元は見えるが」
男「線路の先が真っ暗で見えないってのは、精神的にきついな……」
ワオーン!
男「どうやら、動物達も動きだしたみたいだな」
男「……がんばろう」
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男「あれから、かなり歩いたな」
女「zzz」
男「……今俺が寝たら、女は起きるんだろうか」
女「zzz」
男「……もう少しだけがんばるか」ダッ
ガサガサッ
トラ「……」
____
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男「ん?むこうに明かりが見えるぞ!?」
女「zzz」
男「……もう少しだ」
ガサガサッ!
男「!?」サッ
狼「……」キョロキョロ
男「……見つからないように」コソコソ
狼「……」キョロキョロ
男「……」コソコソ
女「zzz」ガーゴー
男「(馬鹿野郎!?いびき出すなよ!!)」
狼「!?」
男「み……見つかった!?」
狼「アオーーーーーーン!」
男「畜生!!」バッ
ガルルルルルルル アオーン ガアアアアア
男「仲間まで呼ばれたか!」ダダダダダダダダダダダダ
女「zzz」
狼「ハッハッハッ!」ザザザザザザザザ
男「まずい!追いつかれる!」
狼A「ガアアアアア!」ザッ
男「うわ!?前に回りこまれた!?」
狼B「ガルルルルルル!」
男「挟まれた!」
狼A「ガアッ!」バッ
男「飛び掛ってきた!?ならば!」ブンッ
グシャ!
狼A「ウガッ!?」ドサッ
男「持ってきてよかった、この斧」
狼B「ガルルルルルル!」フシュー
男「なんでこいつは挟み打ちしたのに攻撃してこない?」
女「zzz」
男「……まさか、女は傷つけないのか?」
男「ならば!」ガッ
女「zzz」
男「女を盾にして進めば!」ダッ
狼C「グルルルルルルル!」
狼D「バウッ!バウッ!」
狼E「HAHAHAHAHAHAHAHAHAHAHAHAHA」
男「追っては来るが、攻撃はしてこないな」ダダダダダ
女「zzz」
男「このまま、あの明かりの方まで進めば!」
バッ!
トラ「……」
男「!?」
トラ「……」ジリッ
男「……俺の事を何度も襲ってきたトラか」
狼B・C・D・E「グルルルルル」
男「囲まれたか……」
女「zzz」
男「……すまんな女、足を掴むぞ」ガシッ
女「zzz」ブラン
トラ「!?」バッ
狼B・C・D・E「?」
男「うおおおおおおおお!」クルクルクルクル
女「zzz」ズザザザザザザ
男「うおおおおおおお!」ブンブンブンブンブン
女「zzz」ヒュン
男「回転切りぃ!!」ブンッ
ドガガガガガガガッ!
狼B・C・D・E「キャイン!?」ドサッ
男「どうだ!」
女「zzz」ドロッ
男「残すはお前だけだな!」
女「zzz」
トラ「……」ジリッ
男「来いよ!」
トラ「っ!?ガアアアアアアアアアッ!!」
男「早ッ!?」
ガブッ!
トラ「!?」クチャクチャ
男「……危なかった、肩を噛まれたか……もう少しで首をやられる所だった……」
ポタポタッ
男「だが、いくら早かろうが、獲物に食らいつけば動きは止まる!」ブンッ
ドガッ!
トラ「ガアッ!?」ブシュッ
男「ちっ!かろうじて避けたか……」
男「だが、俺はまだ無傷だ!やれる!」ダッ
女「zzz」ポタポタ
男「食らえ!トマホークブーメラン!!」ブンッ
ザクッ!
トラ「ガアアッ!?」
男「(女が)ドロップキック!!」ブンッ
女「zzz」ヒュー
バキッ! ボキッ!
トラ「」ドサッ
女「」ドサッ
男「邪魔者はもういない!行くぞ女!」ダッ
____________
女「ここはどこ?真っ暗で見えない……」
そんちょう『君の精神世界じゃ』
女「そんちょう!?どういうことなの?」
そんちょう『まあ、慌てるんじゃないのぅ』
女「……そんちょうはなんで私を村から出そうとしなかったの?」
そんちょう『それは君のためだったのじゃ』
女「私のため?なんで?」
そんちょう『……君はなんで自分が精神病院に入院してたのかわかるかのぅ?』
女「……動物と会話していたから?」
そんちょう『それも原因だが、別に動物に声をかけるのはそこまで変ではない』
女「じゃあ……なんなの?」
そんちょう『君はすでに亡くなっている動物達の幽霊と話しておったのじゃ』
女「え?」
そんちょう『君には生まれつき霊力があった』
そんちょう『だから生きている動物と死んでいる動物の見分けがつかなかった』
女「そ……そんな」
そんちょう『そして、君は自分が病院に入れられたことを理解できず』
女「……脱走した?」
そんちょう『そうじゃ』
そんちょう『そして君はあの村についた』
女「でも、なんであそこにはトラやゴリラが?」
そんちょう『あそこは元々は動物園じゃった』
そんちょう『昔はよく栄えたとったのぅ』
女「昔は?」
そんちょう『……ある日大地震が起こった』
そんちょう『元々地盤が軟らかい土地でのぅ』
そんちょう『地割れがおこり、建物は崩れて、瓦礫の山じゃ』
女「……」
そんちょう『当然ワシも含め全ての動物が死んだ』
そんちょう『しかし、ワシらは成仏せずにその場に魂だけ残ったのじゃ』
女「でも、私からみたらとても幽霊には……」
そんちょう『実体化できたのは君のおかげじゃ』
女「私?」
そんちょう『あの村に迷い込んだ君の霊力のおかげか皆実体化したのじゃ』
そんちょう『ワシ達は喜んだ、何十年ぶりの食事も出来る疲れも痛みも味わえる体じゃ』
そんちょう『しかし、不安も生まれた……わかるかのぅ?』
女「私が村から去ったら、貴方達はまた幽霊になるの?」
そんちょう『そう、君がいなくなったらワシ達は消えるんじゃ』
そんちょう『だから君に、あのリンゴを使い暗示をかけ、村から出せなくした』
女「……なんで、変質者を殺そうとしたの?」
そんちょう『君からみたら今のワシ達はかわいらしいじゃろ?』
女「いや……そんちょうは正直……」
そんちょう『……君以外の人間からみたら元のワシ達の姿に見えたのじゃ』
そんちょう『君は記憶にないだろうが、あの村にあった二つの死体はそうじゃった』
女「……死体?」
そんちょう『今、君を村から出そうとしている男みたいな奴らじゃ』
女「……」
そんちょう『君はなんで、この村では一人しか活動できんかわかるかのぅ』
女「わからない」
そんちょう『君が他人と話したらわかるじゃろう?』
女「……見える景色の違いがばれるから?」
そんちょう『そうじゃ、君から見たらメルヘンな世界が他人からみたらバイオレンスじゃ』
そんちょう『だから、そうなるように願ったらなったのぅ』
そんちょう『しかし、それでも問題があった』
そんちょう『君たち人間は手紙で連絡を取り合っていた』
そんちょう『まぁ疑わしい手紙があったら役所で処分するがのぅ』
そんちょう『いままでも、君の記憶を蘇らせるような文章をみつけしだい』
そんちょう『その人間を処分した』
女「でも変質者は沢山そういう手紙を送ってきたわよ?」
そんちょう『そう、盲点じゃったのぅ』
そんちょう『まさか郵便局を通さないで、ポストに直接入れる小学生みたいな行動は』
女「……」
そんちょう『そのせいで君達の文通に気づくまで時間がかかった』
そんちょう『後は、君の思っているとおりじゃ』
女「そんちょう、最後に聞きたいことが」
そんちょう『……もう時間は無いから手短にのぅ』スゥー
女「……そんちょう達は私が村に来てから幸せになれましたか?」
そんちょう『?』スゥー
女「そんな人を殺してまで、作る幻想は幸せでしたか?」
そんちょう『……』ススゥー
女「そんちょう!」
そんちょう『……時間切れじゃ!バイビー!!』サラサラ
女「そんちょおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!」
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ピッピッピッピッ
医者「肩の出血がひどい!早く止血をしろ!」
男「……死なないでくれよ」
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女「ん……ううん」ムクッ
女「……ここは?」
男「病院だ」
女「っ!?変質者!?」
男「失礼な!命の恩人と呼べ!」
女「……村からは出れたみたいね」
男「ああ、大変だったよ……死ぬかと思ったね」
女「ふうん……こうやって面向かって話すのは初めてね」
男「そうだな……痛ッ!」ガクッ
女「ちょっと!?大丈夫!?」
男「大丈夫だ、ただの筋肉痛だ……」
女「そう……なんで私包帯グルグル巻きなの?」
男「左腕と両足とアバラの骨と肩の傷の為、5ヶ月は安静だとよ」
女「なんで、命の恩人が無傷で私が重大なの?」
男「いやいや!俺のほうが重大だからな」ジー
女「?なんでズボンのチャック下ろしてるの!?」
男「見ろっ!」ポロン
女「出すな!?」
男「お前に一個金玉握り潰されたたんだぞ!」
女「知らない!って握り?」
男「ああ、お前のその右手でな!」
女「……まさか、私が寝てる間に……」
男「握らせた」
女「」
男「まあ、これから五ヶ月も暇だろ?ちょくちょくお見舞いには来てやるよ」
女「来なくていいです」
男「そう言いなさんな」
女「いいです」
男「まあまあ」
女「来るな!!」
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男「もう4ヶ月も過ぎたか」
女「結局毎日来たんじゃない……」
男「まあまあ、さびしいだろ?」
女「で、今日は何しに?」
男「ああ、ゲーム会社に企画書を出したら見事に採用されたんだ」
女「ゲーム?」
男「うん、あの村での出来事をゲームにしてみたんだ」
女「……どんな内容なの?」
男「君もわかるだろ?内容なんて」
女「村で生活するゲーム?」
男「ああ、まあここに体験版があるからやってみてくれよ」コトッ
女「……」カチッ
バ イ オ ・ ハ ザ ー ト
女「」
完
訂正
ト→ド
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