妹「お兄ちゃんがポケモンにはまってから全然構ってくれない」(172)

妹「朝から晩までずぅ~っとポケモン……」

妹「昔はもっと一緒に遊んでくれたのに……」

妹「さびしいよう……どうしたらまた振り向いてもらえるかな……?」

妹「!そうだ!」

妹「お兄ちゃんのポケモンのデータ消しちゃえばいいんだ!」

妹「そうと決まったら善は急げ!お兄ちゃんの部屋に潜入開始だよ!」




兄「Zzz」

妹「フフフ……さすがのお兄ちゃんといえども一日中ポケモンをやり続けるのは体力的に厳しい」

妹「そのため、深夜の1時から4時まではまさに死んだように眠るんだよ」

妹「さぁ~てこの隙にポケモンのデータをば……」コソコソ

妹「フヒヒ……ポケモンやりながら眠っちゃったみたい……しっかりDSを手に持ちながら寝ちゃってる」

妹「お兄ちゃんは寝顔もかっこいいな……」

妹「…………」

妹「ハッ!こんなことしてる場合じゃない!早くデータを消さないと!」

妹「さ~てうまいこと手から奪い取ることに成功したぞっと」

妹「電源つけて……ふ~んこれがお兄ちゃんのセーブデータかぁ~」

妹「なんか時間のところがカンストしてる……そんなにやりこんだんだ……」

妹「さて、じゃあ早速データ消すとしますか……」

妹「…………ん?」

妹「これはいったいどういうことなの!『ぼうけんのしょをけす』っていうのがないじゃない!」

妹「ドラクエだとこのやり方で消せたのになぁ~……」

妹「……どうしたもんか……」

妹「…………」

妹「…………!」

妹「ク……ククク……」

妹「クククククク……自分でいうのもなんだけどあたしって天才じゃないかしら」

妹「わざわざお兄ちゃんを堕落させたゲームに頭をさげてデータを消してもらわなくても」

妹「このゲーム自体を壊しちゃえばいいじゃない♪」

妹「えい!」ポキッ

妹「フフフ……これで完璧……」





兄「フワァ~アよく寝た!よ~し今日もポケモンヤりまくるぞぉ~」

兄「……ん?」

ポケモンの残骸「…………」

妹「ニコニコ」

兄「なにこれ」

妹「泥棒猫」

兄「……………・ま、」

妹「………ま?」

兄「まだ…………つなぎ直せば……破片を全部集めれば、データは助かる……かも……」ヨロヨロ

妹「…………」スッ

ドグシャアアアア

兄「!!!」

妹「……お兄ちゃん♪これでお兄ちゃんを堕落させる悪魔の偶像どもはこの世から消え去ったよ♪」

兄「」

妹「昔みたいなカッコいいお兄ちゃんに戻って♪ゲームなんかじゃなく私を見て♪」

兄「ふ……」

妹「ふ?」

兄「ふふふふ、あーはっははははは!!」
妹「なにがおかしい?なにがおかしい!?」

兄「ふざけるなアアアアアアアアアアアアウオオオオオオオオオアアアアアア」ガラガラドグシャア

妹「ヒィィィィィ!!?」

兄「ウラアアオオオアオアオア俺のおおおおおポケモンンン!!なんで殺した!何で!!?」

妹「た……たすけ……」

兄「ウギョオオオオオオオオオオオオ!!!」

兄「バアアアアアアアアアアアア!!!!!」

兄「ウワアアアアアアアアアアアアアア!!!」

兄「あ・あ・あ・あ・あ・あ!!!あ・あ・あ・あ・あ!!!」

兄「ニャアアアアアアアアアアアアアアアアア!!!!」

妹「おがあざ~ん!!!!お兄ちゃんがとうとう狂ったぁぁぁ!!!」

バタ~ン

母「兄!!!とうとうトチ狂ったか!!!」

兄「ボゥオオオオオオオ!!!!」ガバァッ

妹「ヒィィッィ!」

母「死ね!ごくつぶしが!!」ドスゥッ!!

兄「ふギィッ!!?」

知らないおっさん「ついに・・・ついに兄君はポケモンに覚醒するっ!」

父「なんだ!?この騒ぎは!?」

姉「妹!大丈夫!?」

妹「おどうざぁんおねえぢゃん!!お兄ちゃんがキチガイになってしもうたぁ~!!」

父「糞!妹は隠れてなさい!!」

父「!?兄と俺の努力の結晶が・・・」

的な展開

母「死ね!!死ね!!」ドスッゴスッ

父「ごくつぶし!!ごくつぶし!!死ね!」バシィビシィ

姉「糞ポケモン厨が!死ね死ね死ね!!」グショバキィ

兄「ウォオオオオ……アアアア……」

妹「お兄ちゃん!正気に戻って!!」

父・母・姉「…………」ピタ

兄「オオウォ……アアウ……」ダラダラ

妹「昔のお兄ちゃんはそんなんじゃなかった……!ゲームのために人を傷つけるなんてしなかった……!」

妹「あたしは……昔の優しいお兄ちゃんに戻ってほしかっただけなの!!お兄ちゃん!!」

兄「…………」

妹「お兄ちゃんは……家族とポケモンどっちが大切なの……?」

兄「ポケモン」
父母「ウガァァァァァァァ!!」

兄「お……お……オレ……」

母・父・姉・妹「…………」ゴクリ

兄「オ……オレ……の……ポケモン……」

姉「…………!」ブチッ

兄「アアア……!消エテシマウ……俺ノポケモン……ミンナ……ミンナ……」

姉「そんなにポケモンが大事なら……」スゥ

母「!!!姉!!!」

兄「必死ニ育テタ俺ノポケモン…………」

姉「そんなに大事なら……あの世でいとしのポケモンと再開するがいい!!!!!」



ドグシャアアアアアアアアアアアアアアアア!!!

兄は死んだ。表向きは不幸な事故として処理された。
ポケモン厨だった兄の葬式には誰も来るはずがなく身内だけでひっそりと行われた。


妹「…………お兄ちゃん」ボソッ

父「妹……そう気を落とすな……兄はポケモン厨……死んで当然の人間さ」

母「そうよ、ポケモン厨は人間のクズよ。ゲームは確かに暇つぶしにはなるわ。だけどそれ以上のものではない」

姉「兄はその点を誤った……兄は必要以上にポケモンにのめりこみ、ただ毎日ポケモンをするだけの怪物に成り下がった……」

妹「……うん、そうだよね。お兄ちゃんはもう手遅れだったんだ。最後の最後でお兄ちゃんは家族よりポケモンを選んだ」

姉「そう……人のためにゲームがあるのであり、けしてゲームのために人があるわけではないのよ」

父「ポケモンは人から人間性を奪い去る、悪魔のゲームだ」

母「その点、モンハンはみんなで協力を楽しめるすばらしいゲームね」

妹「うんっ!モンハンはもはやただのゲームではなくコミュニケーションツールのひとつだしね!」

父「よし!糞ポケモン厨も死んだし、一狩りいこうぜ!」

全員「おおおお!!」


HAPPY END

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