京子「結衣ー、撫でてー♪(…)」(187)
ミニSSです、駄文です
京子「結衣ーなでなでしてー」
結衣「しょうがないなぁ…」ナデナデ
京子「えへへ…(…)」
京子「ゆいー」ぴとっ
結衣「…ったく、甘えん坊だなぁ…」ぎゅぅ
京子「ほんとはうれしいくせにぃ」
結衣「ねーよ」
京子「もー素直じゃないなぁ結衣は(…)」
京子「(最近気づいちゃった…)」
京子「(私、結衣のほうから甘えられたりしたことほとんどない…)」
京子「(私から甘えたら優しくしてくれるけど…)」
京子「(なんか最近それが寂しく思えてきた…)」
京子「わがままなのかなぁ…私」ボソッ
結衣「ん?なんか言った?」
京子「あ、ううん!なんでもない!」アセッ
結衣「…?」
京子「(よし、明日は試しに…)」
京子「(私から結衣に甘えるのはやめてみよう)」
翌日、ごらく部
ちなつ「お茶が入りましたよ、結衣先輩♪」
結衣「ありがと、ちなつちゃん」ナデナデ
ちなつ「はぅぅ…結衣先輩のためならお茶くらいいくらでも…//」
結衣「ほんといいこだなぁちなつちゃんは」ナデナデ
京子「…」
あかり「…ふぁぁ~」アクビ
ちなつ「あかりちゃんいたんだ?」
あかり「ちなつちゃんひどい!ずっといたよぉ…ふぁ~…」
結衣「…あかり、眠いの?」
あかり「うん、昨日お姉ちゃんと夜におしゃべりしすぎちゃって…」
結衣「そっか、…あかり、こっちおいで」ポンポン
あかり「ふぇ?」トコトコ
結衣「眠いんだろ?私の膝貸してあげるよ」ヒザマクラー
あかり「えへへ、結衣ちゃんはやさしいね」
結衣「たまにはこれくらい…」
結衣「たまにはこれくらい…」
ちなつ「ゆ、結衣先輩が京子先輩はおろかあかりちゃんにまで…」ゴゴゴ…
あかり「ひぃっ!」ビクッ
結衣「ちなつちゃん、今はゆっくりねかせてあげて?」アハハ…
ちなつ「は~い…」
京子「…」
京子「(なんだよ結衣のやつ…)」
京子「(ちなつちゃんやあかりには自分から撫でたり膝枕したり…)」
京子「(…結衣のばか)」モヤモヤ
結衣「…(京子…?)」
帰り道
京子「じゃあねーあかりー、ちなつちゃーん」
あかり「またねぇー京子ちゃん結衣ちゃん!」
ちなつ「おつかれさまでーす!」
結衣「また明日ー」
結衣「…」テクテク
京子「…」モヤモヤ
結衣「…あのさ京子」
京子「…なーに?」
結衣「…今日、麻婆豆腐作るからさ」
結衣「おいでよ」
京子「っ!うん!いくいく!」
京子「(結衣から誘ってくれた…)」
京子「…えへへ」ニヤニヤ
結衣「何ニヤけてんだよ」
京子「べっつにー」
家
京子「ごちそーさまー!」
結衣「お粗末さま」
京子「(さて、ご飯も食べたことだし結衣に甘え…)」
京子「(って!それじゃ駄目なんだって!今日は耐えなきゃ!)」
京子「(結衣からしてもらわなきゃだめなんだよ!)」ブンブン
結衣「…?」
結衣「…」ピコピコ
京子「…」
『タメテミセル…フェンスオブガイア!…グワァァァ!』
結衣「あーまたゴール入れられた…」
京子「やっぱ結衣にはサッカーゲーム向いてないって」
結衣「普段RPGしかやらないからなぁ…」
京子「…」
結衣「…(あれ、京子がすり寄ってこない…)」
結衣「いつもなら抱きついたり肩よせたりするのに…)」
衣「…なぁ京子」
京子「なにー?」
結衣「…なんか今日は、いつもより大人しいな」
京子「うーん、そうかなぁ。具体的にどのへんが?」
結衣「いや、なんというか…」
結衣「…甘えてこないからさ」
京子「…」
結衣「もしかして我慢とかしてないよな?」
京子「っ…」ギクリ
結衣「…別に我慢とかしなくても、甘えたいときには…」
京子「ありがと、結衣はやさしいね…」
京子「そう、結衣は誰にだってやさしい」
結衣「…京子?」
京子「確かに結衣には甘えたいし、結衣が受け入れてくれるのもうれしい」
京子「でも、さ、私最近思うんだよね」
京子「結衣はさ、本当に私を甘えさせたいのかなって」
結衣「何言って…」
京子「だって、結衣のほうから私にひっついてきてくれることってほとんどないじゃん?」
結衣「っ…」
京子「なんかさ、それ考えると」
京子「甘えても、なんかさびしくなるっていうか…」
京子「撫でたり抱きしめたりされるのも」
京子「ほんとは結衣の意思じゃないんじゃないかなって…」
京子「それならもう、甘えても余計、つらくなるから…」
京子「だから…」
結衣「…」ガバッ
京子「ひゃっ!?」
結衣「京子…」ギュー
需要ないし落とすわ
早く続きを書かないととんでもない事になるぞ
京子「結衣……?」
結衣「ごめん、不安にさせちゃってたのかな……」ギュ
京子「……うん」
結衣「私が京子に甘えないのはね、怖いからだよ……」
京子「え?」
結衣「京子を傷付けちゃいそうで、怖いの」
京子「私を……?」
結衣「うん……だって、京子は私にとって特別だから」
京子「と、特別って、幼馴染って意味でしょ?」
結衣「違うよ……」
結衣「あかりやちなつちゃんへの好意とは違って、と、特別……好きってこと」
京子「す、すき?ほんとに?」
結衣「……」
京子「結衣、もう一度ちゃんと言ってよ」
結衣「も、もう、二度も言わせないで///」
京子「だって、だってそういう事は何度でも聞きたいよっ」
結衣「……」
京子「ゆいぃっ……」ウルッ
結衣「……あー、もう、判った!」
結衣「私は京子が特別に好きだっ」
京子「……!」
結衣「だ、だから……京子に甘え始めちゃうと、タガが外れると思うんだよ」
京子「結衣……」
結衣「京子にいっぱい我儘言って、いっぱい困らせちゃうと思う」
結衣「京子だって、あの、縛られるのは嫌だろ?」
京子「……」
結衣「京子は、自由に動いてる方が魅力的だからさ……私になんて」
京子「……いいよ」
結衣「え?」
京子「私、結衣の我儘、いっぱい聞きたい、いっぱい、困らせてほしいっ」
結衣「そ、そんな気軽に言うけど……私の我儘は、あの、凄いぞ?」
結衣「多分、京子が聞いたら赤面して布団の中に潜り込んじゃいそうなのもあるんだぞ?」
京子「え、えろいのもあるの?」
結衣「……あります」
京子「///」
結衣「だから、やっぱり……」
京子「ま、待ってよ、頑張るから、私、えっちな我儘も頑張って受け入れられるようにするからっ!」
結衣「京子……」
京子「だ、だから、結衣の我儘、聞かせて!」
結衣「……判った、京子」
京子「結衣?」
結衣「じゃあ、今日はいっぱい、京子に甘えさせてもらおうっかな?」
京子「……うん!」ニコ
結衣「えっと、今から食事作るつもりだったんだけど……」
京子「……!」キラキラ
結衣「……判ったよ、京子に任せる」クスッ
京子「まっかせて!」
京子「結衣、何かリクエストとかある?」
結衣「うーん、なんでも……」
京子「何でもいいとかは無しね?思いっきり我儘な事言ってみてください!」
結衣「そ、それって何気に難易度高くないか?」
京子「いいからいいから!」
結衣「うーん……それじゃあ、オムライス食べたいかな?」
京子「おっけー!結衣のオムライスに負けないようなのを作ってあげますって!」
結衣「うん、期待せずに待ってるよ」ニコ
京子「~♪」
結衣(良かった、何時もの可愛い京子に戻ってくれた……)
結衣(まさか、あんな事で悩んでたなんて……気付かなかったな)
結衣(ごめんね、京子、悲しませて、ごめん)
結衣(これからは、京子にいっぱい甘えてみよう)
結衣(……それにしても、私が本当にえっちな我儘言ったら、京子どんな顔するかな)クスッ
京子「あー、結衣、卵全然足りないや」
結衣「あ、じゃあ買って来るよ」
京子「結衣?」ジーッ
結衣「……はい、私は部屋で寛いでます」
京子「ん、よろしい」ニコ
京子「それじゃ、ちょっと買いにいて来るけど、何か欲しい物とかある?」
結衣「えー……じゃあ、ラムレーズンを」
京子「あれ?冷凍庫に1個入ってなかった?」
結衣「……京子と2人で食べたいから、1個じゃ足りないよ」
京子「あ、うん、そだね///」
結衣「それと、ほら、外は寒いんだから、ちゃんとマフラーして」フワッ
京子「うん、ありがと、結衣」ニコ
結衣「……京子」
京子「ん?」
結衣「行ってらっしゃい……」
チュッ
京子「……」
結衣「……」
京子「ふえぇぇぇ///」
結衣「こ、こ、こんな我儘も、しちゃっていいかな///」
京子「い、いいけど、あの、やる時は言ってよぉっ///」
結衣「ご、ごめん///」
結衣(うう、流石に恥ずかしい……けど、後悔はしてないっ)
結衣(だって、凄く可愛い京子を見れたからっ)
京子「もうっ、もうっ///」
~コンビニ~
京子「うーもー……恥ずかしくて顔から火が出るかと思った……」
京子(けど、結衣から甘えて貰えると、凄く嬉しい)
京子(それに我儘言って来る結衣、なんだか可愛いし)
京子(よし、急いで帰って早くオムライス作ってあげよっと!)タッタッタッ
ドンッ
京子(……あれ?)
京子(空が見え……)
京子(……あれ?)
京子(卵が、地面に落ちてつぶれちゃってる)
京子(早く、拾わないと)
京子(結衣が、待ってるのに)
京子(ん……しょっと)
京子(どうしたんだろ、身体が動かないや)
京子(何だろ、凄く眠い)
京子(ゆい、朝になったら)
京子(おこして)
京子(ね)
結衣「京子、遅いなあ……もう1時間近く経ってるのに」
結衣「……さては、お店で何のおやつ買うか悩んでるのかな?」
結衣「……よし、こっそり迎えに行って驚かせてやろう」
ピーポーピーポーピーポー
結衣「遠くの方でサイレンが……パトカー?いや、救急車かな?」
結衣「まあいいや、えーと寒いからコートを着て、と」
結衣「マフラーは……」
結衣(……京子に借りれば、いっか)
結衣(京子と2人で1本のマフラー……凄くいいっ!)
結衣(京子と一緒に帰ってきて)
結衣(京子に作って貰ったごはんを食べて)
結衣(ちゃんと『美味しいよ』って言ってあげて)
結衣(それを聴いて喜ぶ京子を抱きしめてあげて)
結衣(一緒にお風呂入って)
結衣(けど、やっぱりえっちな事は抜きで)
結衣(お風呂から上がった京子の髪を乾かしてあげて)
結衣(一緒の布団に入って)
結衣(一緒に羊を数えて)
結衣(一緒に眠りにつこう)
結衣(それが、私の我儘だ)
結衣「けれど、私の我儘は叶う事がなかった」
結衣「……」
あかり「ゆ、結衣ちゃん!」
ちなつ「結衣先輩!」
結衣「2人とも、来てくれたんだ……」
あかり「きょ、京子ちゃんは!?」
結衣「……」
ちなつ「う、嘘ですよね?また冗談なんですよね?」
結衣「……冗談なら、良かったね」
結衣「これが冗談でさ」
結衣「京子が物陰からひょいっと出てきて」
結衣「どっきりでしたー騙されたな―って言ってくれるなら」
結衣「私はどんな罰ゲームでも受けるよ」
結衣「けど、これは冗談じゃないんだよ、ちなつちゃん」
ちなつ「結衣、先輩……」
結衣「冗談じゃなくて本当に京子はトラックにはねられた」
結衣「持っていた卵は全部割れていて、けどどうしてたラムレーズンは無事だった」
結衣「京子がね、手に持ってたんだって、ラムレーズン」
結衣「これってどうなの?京子はラムレーズンを守ったって事?」
結衣「そこまでしてラムレーズンが大切なのか、正直、笑えた」
あかり「結衣ちゃん……」
結衣「それでね、あかり」
結衣「そのラムレーズンを買ってきてって頼んだのは、私なんだよ」ニコリ
結衣「だから、京子をんな目にあわせたのは、私なんだ」
あかり「ち、違うよ、結衣ちゃん、それは違うよ!」
結衣「……よかったんだ」ボソッ
あかり「え……?」
結衣「私が……よかったんだ」ボソッ
ちなつ「結衣先輩……」
結衣「私が買い物に行って事故にあえばよかったんだ」ボソッ
結衣「私が我儘なんて言わずに自分で買い物に行って事故にあえばよかったんだ」
結衣「やっぱり私は我儘なんて言っちゃいけなかったんだっ!」
結衣「京子、ごめん、ごめん、ごめんなさい、京子っ」
あかり「結衣ちゃん、落ち着いて!」
ちなつ「そ、そうですよ、結衣先輩、ちょっと休みましょう?」
結衣「……嫌だ、私は京子が集中治療室から出て来るまで、待ってる」
結衣「ずっと、待ってる」
あかり「……結衣ちゃん」
ちなつ「結衣先輩……」
京子「んー……むにゃむにゃ」
京子「……あれ」
京子「私、何時の間に寝てたんだろ……」
京子「……」
京子「何だろ、真っ暗だ、結衣ー、電気つけて?」
結衣「……ごめんね、京子、今ちょっと停電してるんだ」
京子「そっかー……それじゃあ、オムライス作れないね~」
結衣「……そうだな」
京子「停電してるんなら、ゲームも出来ないかー……」
結衣「代わりに、私が話し相手になってあげるよ」
京子「ん、ありがとうね、結衣」ニコ
結衣「何の話がいい?」
京子「えー、そんなこと聞かれても……あ、そっだ」
結衣「ん?」
京子「あの、私達、その、恋人になったんだよね?」
結衣「……そうだな」
京子「じゃあさ、結衣、私のどこを好きになったのか、話してみてくれると嬉しいかなって」
結衣「……」
京子「あ、は、恥ずかしかったら、いいんだよ、無理しなくても///」
結衣「……いや、話すよ」
結衣「私が京子を好きになった理由を」
結衣「これからも好きでい続ける理由を」
私が子供の頃
京子はずっと泣き虫だった
私は最初、京子の事が嫌いだった
ただ我儘を言って泣いてるだけだと思ってたから
けど、京子が泣いてたのは我儘だからじゃなかったんだ
他の誰かに迷惑をかけてしまうのが嫌で、京子は何時も泣いていたんだ
それに気づいた時、私は京子を守りたいと思った
もっと我儘でいていいんだよって、言ってあげたくなった
最初の恋の一欠けらは、そこから生まれた
京子を守ってあげるようになって
京子はほんの少しだけ私に我儘を言ってくれるようになった
それが嬉しくて、私はどんどん京子を守ってあげた
クラスメートから意地悪された時も
給食が全部食べられなかった時も
お昼寝の時におねしょしちゃった時も
京子は何時も「ありがとう」って言ってくれた
二番目の恋の一欠けらは、そこから生まれた
勿論、私も色々と苦労した
クラスメートと喧嘩しちっゃた事もあったし
先生に怒られた事もあった
泣いちゃいそうになった事も
けど、私は平気だった
京子が「ありがとう」って言ってくれるから
けど、京子は私の苦労に気づいちゃったみたいで
そのうち、京子は泣かなくなった
私に苦労をかけないようにする為に、泣かなくなった
京子が強くなってくれるのは嬉しかったけど
守ってあげる機会が減った事にちょっと寂しさを覚えた
三番目の恋の一欠けらは、そこから生まれた
京子は日に日に強くなった
クラスメートから意地悪されても笑って返すようになった
もう私が守ってあげなくても平気なのかなって思ってしょんぼりする日もあった
けど、そういう時は京子がすぐに甘えに来てくれた
私にだけは、凄く甘えてきてくれた
凄く嬉しかった
四番目の恋の一欠けらは、そこから生まれた
2人で一緒の中学に通い始めて数日後
京子は突然、部活を始めた
吹奏楽部
私への相談はなかったので、ちょっイラっとした
どうしてこれくらいでイラッとするのだろう?
その理由を辿って行った時、私は気付いた
私は京子の事を愛してるのだと
イラッとしたのは、京子に対する独占欲の表れなのだと
五番目の恋の一欠けらは、そこから生まれた
京子に恋をしていると理解した私は
京子と距離を取り始めた
だって、このままだと京子を傷つけてしまうかもしれないし
私の独占欲はそれくらい強かったから
京子は吹奏楽部に所属しちゃったし、丁度良い機会だと思った
私は陸上部に入ろう
そうすれば、2人の接点も少なくなる
そう決意した翌日、京子は吹奏楽部を辞めて、私に言った
「新しい部活を作ろうよ、私達2人で」
凄く胸がときめいた
私の中で疼く独占欲に対する恐怖は残ってるけど……
けど、もう少しだけ2人でいたいと思った
六番目の恋の一欠けらは、そこから生まれた
2人で作った部活
「娯楽部」
2人で過ごす時間が増えた
京子が我儘を言ってくれて
私は笑いながらも「しょうがないな」とそれを受け止める
そんな騒がしくて、少し切なくて、けど大切な時間がいっぱい増えた
一度、京子にラブレターを書いてみた
けど出さずに捨てた
どうしても怖くなる
私の独占欲を知った京子が、私の事を嫌いになるんじゃないかって
そんな事になるくらいなら、友達のままずつと過ごすほうがいいよね
七番目の恋の一欠けらは、そこから生まれた
私達は二年に進級して、あかりとちなつちゃんが娯楽部に入ってきた
もう京子と2人っきりじゃなくなっちゃった
勿論、あかりとちなつちゃんは可愛くて好きだけど
けど寂しい気持ちはぬぐえなかった
だから、一人暮らししてみようと思った
もしかすれば京子が来てくれるんじゃないかって、そういう打算的な事を考えて、親を説得して実行に踏み切った
娯楽部で一人暮らしをした日、凄くドキドキして夜寝られなかった
京子、来てくれるかな?
いつ来てくれるかな?
来てくれなかったら、どうしよう?
そう思い悩んでいた週末、部屋のチャイムが鳴った
私の大切な人がチャイムを鳴らしてくれた
八番目の恋の一欠けらは、そこから生まれた
京子が部屋に泊りに来てくれて、何時も以上に甘えて来るようになった
凄く嬉しかったけど、だからこそ、私からは京子に甘えられなくなった
だって、私の独占欲はそりゃーもう凄いもんだったから
毎夜毎夜、寝る前に京子で色々妄想するくらいだったから
京子とは友達の関係を続けよう、それが一番幸せだ
そう思っていたのだけど、間違いだった
京子は私が甘えてこない事に、不安を抱いていた
私を拒絶してしまうくらい、不安を抱いていた
私はそれに気づいてあげる事が出来なかった
けど、京子は正直にそれを言ってくれた、甘えてほしいって言ってくれた
だから、私も伝えよう、本当は京子にいっぱい甘えたいんだって
京子がそれを受け入れてくれた時
九番目の恋の一欠けらが、生まれた
ここから先は京子にはまだ話す事は出来ない
京子が事故にあった
幸い、命は助かったけど、後遺症が残った
目が見えなくなった
今は停電だという事で誤魔化してるけど
そんな嘘はすぐにばれるだろう
京子が事故にあったのは、きっと私のせい
けど、私は京子の傍にいたいんだ
例えどんなに罵られようと、京子の傍にいたいんだ
これは十番目の恋の一欠けらなのかな
それとも、ただの罪の意識?
結衣「私が京子を好きになった理由は、これでおしまい」
結衣「けど、私が京子を好きでい続ける理由は、これからももっと増えて行くと思う……」
京子「そっか……」
結衣「……」
京子「ありがとう、結衣、私を好きになってくれて」
京子「結衣の想い、凄く嬉しかった」
結衣「……京子、私、私……」
結衣「京子にまだ、言えてない事が……」
京子「……結衣」
京子「結衣、撫でて?」
結衣「え?」
京子「私を撫でてほしいの」
結衣「……け、けど、停電だから……」
京子「私には見えないけど、結衣には見えてるよね?」
結衣「……!」
京子「私、多分、目が見えなくなってると思う」
京子「けど、結衣の存在を、ちゃんと判りたいの」
京子「声だけじゃなく、結衣を直接感じたいの」
京子「だから……ね?」
結衣「京子……」
京子「結衣ー、撫でてー♪」ニコ
結衣「けど、けど私、京子を撫でる権利なんてないよ」
結衣「わ、わたしが我儘いったせいで、京子が、京子がっ」グスン
京子「私は嬉しいけどね、結衣の我儘聞けた事」
結衣「え……」
京子「だって、我儘言ってくれた時の結衣の表情、凄く可愛かったから」
結衣「なっ///」
京子「目は見えなくなったお陰でね、私の中の結衣はずっとあの可愛い顔のままなんだよ?」
結衣「京子……」グスン
京子「今の結衣がどんな顔になっちゃってるか、わかんないけど」
結衣「……うん」ヒック
京子「出来れば、私の記憶の中と同じ表情でいてくれると、嬉しいな」
結衣「……!」
結衣「……判った」ゴシゴシ
京子「ん、宜しいっ♪」
結衣「京子……」
京子「ほら、結衣、早くー」
結衣「うん……」ナデナデ
京子「ああ、結衣はやっぱり、あったかいなあ……」
結衣「うん……」ナデナデ
京子「結衣、泣いてないよね?」
結衣「う……ん……」ナデナデ
結衣「京子、私、ずっと京子の傍に居たい」
京子「うん、私も結衣に傍に居てほしい」
京子「これから、また我儘言っちゃう事になると思うけど……」
結衣「いいよ、京子の我儘なら、全部聞けるから」
京子「ん、ありがとう……」
京子が私のせいで事故にあい
目が見えなくなった
けど、私は京子の傍に居たい
京子も私に傍に居てほしい
お互いの気持ちはつながっている
だからやっぱり
これは十番目の恋の一欠けら
それが、これからも京子を好きでい続ける理由
結衣「京子、好きだよ、これからもずっと」
京子「私も好き、例え目が見えなくても、大好き」
完
おつー即興でやって投下時間はやいね
それともID:EdBcG0RN0=ID:9ERzstzH0ってオチ?
>>171
そんなわけないじゃない
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