一夏「セシリアって弱いよな・・・」(312)
一夏「ISほぼ初見の俺に負けたようなもんだし」
鈴「山田先生と模擬戦した時も足引っ張ってたし」
箒「無人機が乱入した時は一夏が囮になって敵の動き止めてから射撃していたな」
ラウラ「それ以降は出番があったか?」
シャル「一応福音の時に居たような・・・」
鈴「ま、はっきり言って弱いわね」
一夏「でもそこが可愛いんだよな・・・」
鈴ラ箒シ「!!!??」
一夏「こう、一生懸命なのに弱いってのが守ってあげたくなるというか」
ラウラ「……り、料理!料理はどうだっ!?」
箒「そうだ、セシリアの料理と言えばアレだな!マズイ!」
シャル「確かにそうだよね。マズイというかヤバイ……」
鈴「アレは破壊的な不味さね!その点私は……」
一夏「でもそこが可愛いんだよな…」
鈴ラ箒シ「!!!??」
一夏「なんでも完璧にこなすセシリアが唯一料理だけ苦手ってのは逆に可愛いよな」
一夏「家事なんて俺がやればいいし案外セシリアと家庭を持ったら上手くいくかも……」
シャル「……で、でも!最初の頃は一夏にもひどい事をたくさん言ってたって聞いたよ!」
箒「そうだな。よく知りもせず目の敵にして突っかかって来てたし」
鈴「そのくせ一夏に負けたら急に色目使ってきて」
ラウラ「修学旅行の時は狙いすぎのエロい下着をつけて来て教官に笑われていたしな」
一夏「でもそこが可愛いんだよな…」
鈴ラ箒シ「!!!??」
一夏「普段は気位が高いのに俺のためにだけエロい下着とか……最高だなコレ」
箒「しかし逆に高慢すぎないか?」
ラウラ「確かに。無意味に自分を過大評価する傾向があるな」
鈴「セシリアの部屋は一人だけ物凄い豪華な家具並べてるらしいじゃない」
シャル「イギリス人特有の貴族趣味だけは僕にも理解できないなぁ」
一夏「でもそこが可愛いんだよな…」
鈴ラ箒シ「!!!??」
一夏「それだけまっすぐで自分に自信があるのは見ていて気持ちいいし」
一夏「もし行き過ぎたら俺が諫めればいいだけだしさ」
箒「う、うぅ……」
鈴「なによなによ……」
シャル「ずるいよセシリアばっかり……」
ラウラ「……で、結局セシリアの事が好きなのか?」
一夏「あー……どうなんだろうな、この感情……」
一夏「箒はいつも一生懸命で真面目なとこが好きだし」
箒「うっ」キュンッ
一夏「鈴は元気で周りを引っ張ってくれるカリスマ性があるよ」
鈴「いちか……」キュンッ
一夏「シャルは凄く優しい子だな。一人でなんでも抱え込んじゃいそうで目が離せないよ」
シャル「そそそそそんなこと……」キュンッ
一夏「ラウラはその無邪気な所が誰からも好かれると思うよ。俺も好きだし」
ラウラ「よめ……」キュンッ
鈴「……で、結局誰が一番好きなのよ」
箒「そ、そうだぞ。これではただの八方美人ではないかっ」
シャル「うんうん。僕もそれが気になるな」
ラウラ「まぁ私だろうけどな」フフン
一夏「えー……誰っていうかなぁ…みんな好きなんだよなー」
箒「そういう好きではなくてな……」
シャル「ほら、男女の感情というか」
一夏「男女~?んーー……」
鈴「ごくっ」
ラウラ「じーっ」
箒「……」
シャル「わくわくっ」
一夏「そうだな、この中なら……」
ガラッ
セシリア「あらっ?みなさんおそろいで何を……」
一夏「セシリアっ!!!」ガタタッ
鈴ラ箒シ「!!!??」
一夏「今ずっとセシリアの話をしててさ」
セシリア「わ、わたくしの話?」
一夏「うん」
セシリア「どういう話ですの?」
一夏「んーーー、ナイショ」
セシリア「えぇぇぇ!?お、教えて下さい一夏さんっ!」ポカポカッ
一夏「ハハハ、どうしようかなぁ」
セシリア「もぉおおお!!!」
箒(なんだこの空気は)
一夏「セシリアの攻略法を考えようと思う」
千冬「家に帰ってくるなり何を言っているんだ馬鹿者が」ぽかっ
一夏「いてっ!家にいる時くらいしか千冬姉とこう言う話できないじゃないか」
千冬「…………ふむ、言われてみればそうだな」
一夏「という訳で一緒に考えてくれ」
千冬「一夏おまえ、女を口説くのに他人のやり方をそのまま真似るのか?」
一夏「ぐっ」
一夏「た、確かに一世一代の告白で実の姉に頼るなんてなさけないが」
千冬「だろう?それにお前は私の弟だ。女の一人くらい地力で口説いてみせろ」
一夏「む、そういうなら千冬姉は経験豊富なんだよな?」
千冬「…………今は私の話ではなくてだな」
一夏(千冬姉に相談しても無理か……)
千冬「そもそも最初から他人に頼ろうとする気構えがだな、」クドクド
千冬「あ?」
一夏「え?」
千冬「いやまてまてまてまて」
一夏「ど、どうしたんだよ千冬姉」
千冬「せ、セシリアの攻略法って言ったかお前?」
一夏「え?」
千冬「え?」
千冬「状況を整理するぞ」
一夏「うん」
千冬「一夏、お前オルコットが好きなのか」
一夏「うん」
千冬「…………………えっ」
一夏「あれ?」
千冬「」パシーンッ
一夏「いってぇえ!!!何するんだよいきなり!!」
千冬「あ、すまん」
千冬「とにかくだ」
一夏「うん」
千冬「地 力 で な ん と か し ろ」
一夏「えぇ~~~……」
千冬「この件では何があっても協力しないぞ!いいか、何があってもだ!!」
一夏「ま、まぁいいけどさ……」
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ーーーーーーー
ーーーー
千冬「…………という事があったんだ…」グビッ
山田「お、織斑先生?ちょっとペース早くないですか?」
千冬「なんのころら?」グビグビグビ
山田「ちょ、それストレートのウイスキーですよ…ビールじゃないんですから」
千冬「ふんっ、この程度…………ひっく」グビグビ
山田(荒れてるなぁ……)
一夏「うーんうーん」
一夏「セシリア攻略法か」
一夏「さすがに今いきなり告白ってのもなぁ」
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セシリア『突然何をおっしゃってるの一夏さん』
セシリア『わたくしはお友達としてお付き合いしていたつもりですが』
セシリア『それにわたくし、女性に媚びへつらうような男は大っキライですの』
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一夏「あ、ありそうだ」
一夏「…………この場合男から告白というのもNGなのか?」
一夏「なんという事だ……」
一夏「セシリアの魅力に誰よりも詳しいと思ってた俺が」
一夏「まさかのノープラン!!」ババーン
一夏「こりゃセシリアとの会話からヒントを得るしかないな」
一夏「という訳で今週末一緒に出かけよう」ピポパピピポ
TRRRRRR TRRRRR ガチャッ
一夏「あ、セシリアか?すまん突然。え?いやいや、ははは。うん。それでさ、今週末なんだけど…………」
セシリア「右よし…左よし」
セシリア「箒さんもシャルロットさんもラウラさんも鈴さんもいませんわね」
セシリア「…………」
セシリア「まさか今日は本当に二人きり!?」
セシリア「いやいやいや……冷静になるのですわ。セシリア・オルコット」
セシリア「きっと一夏さんが皆さんを連れてやってくr……」
一夏「お~~~いセシリア!!」ブンブン
セシリア「!?」
一夏「ごめんごめん、千冬姉にからまれちゃってさ……待った?」
セシリア「一夏さん!いえ、わたくしも今来たところでしてよ?」
一夏「そっか。良かった」ニコッ
セシリア「うっ……笑顔がヤバいですわ……」
一夏「?」
セシリア「それで…ほ、他の方たちは……?」
一夏「他?今日は二人で遊びに行くつもりだったけど」
一夏(やっぱり俺と二人きりってのは嫌だったのかもな……)
セシリア(や、やりましたわ!正真正銘一夏さんからのデートのお誘いですわっ……!!!)
一夏(ううぅう……となると待たせたのもポイント減だな…今後のプランを練り直さないと)
セシリア(意識したら一夏さんの顔が…………はうんっ!!)カァッ
一夏(ちくしょう……気まずいぜっ……)
一夏「」モジモジ
セシリア「」モジモジ
一夏「じゃ、じゃあ行こうかセシリア」
セシリア「はいっ……」ソッ
一夏「ぐおっ!!?」
セシリア「え?ど、どうなさいました一夏さん?」
一夏(ナチュラルに腕を組んでくるなぁ……まかり間違っておっぱいで勃起したら……やばいよ、やばいよ……)
セシリア(やはりいきなり腕を組むのは日本の慣習から言ってもまずかったですわね……ううぅ……)
セシリア(ううん、弱気になってはダメよセシリア!)
セシリア「一夏さん、本日はどちらへ連れて行ってくださるのかしら?」
一夏「お、おうそうだな、今日はまず映画を見に行こうと思う」
セシリア「まぁ…素敵ですわね!」
一夏「えーと、次は喫茶店で少し休憩してその後紅茶葉の専門店へ。そして昼食をとりその後は」チラッ チラッ
セシリア「ず、ずいぶん細かいですわね」
一夏「へ?あ、あわわわわいやそうなったらいいなぁって……はは、ははははは」
セシリア「おほ、ほほほほほ」
一夏(いかん、ついデートコースのカンペを上から読んでしまった……)
セシリア(これって…これって…………ガチデートプランじゃないですのっ!!??)
一夏(うぅぅぅううう!!!)ジタジタ
セシリア(くうぅうううう!!!!)ジタジタ
山田「あの二人……休日に道の真中で何をしてるのかしら」
山田「……はっ!それより織斑先生との約束がっ!!」タタタタタタッ
一夏「なんとか映画館についた……」
セシリア「意識しすぎて疲れましたわ……はっ!!」
一夏「ん?」
セシリア「な、なんでもありませんわっ!」
一夏「そ、そうか?」
セシリア「ええ」
一夏「んじゃ早速チケット買うか…………さて、何を上映してるかな~」
セシリア「面白そうなのがあればいいですわね」
一夏(な~んてな、当然チェック済みだ。今とびきり泣けるイギリス人と日本人の遠距離恋愛をテーマにした映画が……)
セシリア「あら、これ面白そうですわね」
一夏「セシリアもそう思うか?実は俺も今それに目をつけていたんだよね」
セシリア「そうですわね…この」
一夏「世界の果てで愛を叫ぶ」
セシリア「魔法天使マジカル☆メルル」
一夏「…………え?」
セシリア「…………え?」
セシリア「ほ、ほんとによかったですの?一夏さん」ボソッ
一夏「あ、ああ。実は俺もこれが見たかったんだけど恥ずかしくて……」ボソッ
セシリア「それならいいのですけど」
一夏(ま、まさかイギリス人の超お嬢様と日本のアニメを見ることになるとは思わなかったぜ)
セシリア(なんでしょうこの……やらした感が半端じゃない感じは)
『メルルーーー!!!僕の事は気にせず敵を撃つんだっ!!!』
『そ、そんな……!』
『それしかないポ。今やらなきゃ地球が無くなっちゃうポ!』
『でも、でも…私にはできない………』グスッ
『何をしているんだ!!君は地球を守る正義の魔法天使、マジカルメルルだろ!!!』
『………うるさい男だ!』
『ぐわぁぁあああ!!!!』
『やめてぇぇえ!!!』
『どうした娘よ。撃たんのか?ククク……地球を救うには撃つしか無い。しかし撃てば男が死ぬ』
『小娘には少し難しい選択だったようだな……ハハハハハハハ!!!!』
セシリア「ひ、卑怯ですわ!!」ガタタッ
一夏「セシリア!!落ち着いて、ほら…他のお客さんが困ってるから」
セシリア「でも一夏さん!あんな年端も行かない女の子になんて……なんてヒドイ仕打ちを!」
一夏「しーっ!しーっ!」
『ごめんなさい…私……撃つしかなかった……』
『いいんだメルル……僕一人が死ぬだけで…地球が助かったんだから』
『でもっ!』
『がはっ……泣かないでくれ……』
『そんな……こんなこと、ひどい……』
『君の決断を僕は誇りに思うよ…だから……なか…ない………』
『…………キョウスケさんっ!?キョウスケさあぁああああん!!!!』
セシリア「うぉおおおおああああああああっっっっっ!!!!!!!!!!!」
一夏「うわっ!セシリア!!ちょ、まて…立ち上がるなって!!」ガバッ
セシリア「うおおおおおあぁぁぁああああ!!!!!!!!」
一夏「ちょ!!……すいません、今落ち着けますんで、はい……」
一夏「ほら。もう泣くなよセシリア」
セシリア「ぐすっ……うぅぅ……一夏さん……」
一夏「いや、その気持はわかるけどさ。いい話だったな」
セシリア「ええ。最後にメルルの涙が奇跡を起こしてキョウスケを生き返らせた時は、わたくし…わたくし……」グスッ
一夏「うんうん」
セシリア「ほんとに素晴らしいアニメでしたわっ!あれを見た女の子たちはきっと……」
セシリア「大切な物を守るために何かを犠牲にしなきゃいけない事を学んでちょっぴり大人になったでしょうね」
セシリア「そして優しい気持ちが何よりも大切だという事も……」
一夏(…………セシリアのまだ見ぬ一面を知ることができた。結果オーライか)
一夏「あ、ごめんセシリア。俺ちょっとコンビニでトイレ借りてくる」タタタタッ
セシリア「あ、はい。どうぞごゆっくり」
セシリア「…………」
セシリア「あぁぁあああ……わたくし、なんて恥ずかしい事を……」
セシリア「…………でも本当に良いアニメでしたわね。BDで出てるかチェックしないと」
鈴「あれ?セシリアじゃない?やっほー」
箒「む、珍しいな。こんなところで」
セシリア「りりりりり鈴さんに箒さんっ!?」
鈴「なーに慌ててんのよ」
セシリア「べべべ、別に慌ててなんか……」
箒「……ふむ。今日のセシリアは何やらめかしこんでるようだな」
鈴「ほんとだ!なにこの服、めちゃめちゃ高そうな生地じゃない!」
セシリア「ちょっと…さわらないで、くださいましっ……」
鈴「いいじゃんいいじゃん」ニシシ
箒「セシリア」
セシリア「な、なんですのっ?」
箒「誰とお楽しみだ?」
鈴「へ?……あっ」
セシリア「な、なんのことやら」
箒「だ れ と お た の し み だ ?」
セシリア「ひぃっ!」
鈴「……ま、一人しかいないけどね」
箒「私もそう考えていたところだなぁ」
セシリア「ち、違いますの。今日はイギリスから……その、親族が日本まで来るので」
鈴「嘘ね」
箒「嘘だな」
セシリア「ぐっ」
鈴「誰よ?」
箒「誰だ?」
セシリア「むぅ……な、なんと言われても親族に会いに行くとしか答えられませんわっ」
鈴「強情ね……」
箒「こうなったら体に聞くしかないようだな」
セシリア「へ?へ?あの、お二人さん?乱暴な真似は……」
鈴「ウヒヒ……」
箒「フフフ……」
セシリア「いやぁぁあああああ!!!!」
鈴「…………ぷっ」
箒「…………ぶはっ!そんなに怖がるな、セシリア」
セシリア「…………え?」
鈴「冗談よ。本気で嫌がってるのに無理やりなんてするわけないじゃない」
箒「そうだ。今日のところはお前の話を信じてやるよ」
セシリア「ふたりとも……」
鈴「さーて、そろそろ行こっか」
箒「そうだな。だいぶ時間を押している」
セシリア「あの……お二人はどちらへ?」
鈴「んー、昔の学校の先生のところへね」
箒「そうだ。私と鈴は学園に来て初めて会ったが、小学校の先生に共通の人がいてな」
セシリア「なるほど」
箒「本当は一夏も呼ばれていたんだが。あいつ、肝心な時に連絡がとれなくてな」
セシリア「昔の、恩師……」
鈴「なるべく全員で会いに行きたかったけどね」
箒「ま、仕方ないさ」
鈴「それじゃ、ばいばーい」
箒「また学園でな」
セシリア「あ、はい……ごきげんよう……」
一夏「ふい~~あまりのデカさにケツが切れるかと思ったぜ……」
一夏「セシリアおまたs……セシリア?どうかしたのか?」
セシリア「い、一夏さん……わたくし……」
一夏「どうしたんだよ」
セシリア「実は……その…」
セシリア「ごめんなさい一夏さん。わたくし……一夏さんを独り占めしたくて……」
一夏「……そっか」
セシリア「鈴さんと箒さんに嘘までついて…うぅ……」グスッ
一夏「…………あんまり自分を攻めるなよ」
セシリア「一夏さん」
一夏「お、俺は今日…その、セシリアと二人っきりで楽しみたかったし、さ」
一夏「俺がその場にいてもこっちを優先してたと思う。うん。たぶんそうだな」
セシリア「一夏さんっ……」ギュッ
一夏(……………あれ?いい雰囲気じゃね?)
一夏「そ、それじゃ次の店行こうぜ!」
セシリア「一夏さん……はいっ!」
タタタタタッ
一夏「…………」
セシリア「…………」
一夏「…………」
セシリア「…………一夏さん?」ハァハァ
セシリア「つぎ、どこ行きますの?」
一夏「あ」
セシリア「それでこちらの茶葉は王室御用達で……」
一夏「ふんふん」
一夏(そっか…セシリアもちゃんと楽しみにしててくれたんだな)
一夏(俺もセシリアに自分の気持をしっかり言わないとなぁ……)
一夏(なんて言うか、うん。会ってないけどあの二人に教えられた気分だぜ)
セシリア「……かさん?一夏さん?」
一夏「はっ」
セシリア「もう!聞いてませんでしたの?一夏さん」
一夏「ごめんごめん。ちょっと考えごt……」
シャル「あっれーー?一夏っ!?」
ラウラ「むっ…あの後ろ姿は間違いない、嫁……とオルコットだな」
一夏「へ?あ、よう!外で会うなんて珍しいな!」
セシリア「あ、あら。ごきげんよう二人とも」
セシリア(ぴ、ぴんち再び……ですわ)
ラウラ「嫁が紅茶に興味があるとは知らなかったな」
一夏「いやいや素人同然。今はセシリアに教えてもらってる段階だよ」
セシリア「うふふ……(どうやって切り抜けようかしら)」
シャル「でもさー……二人揃って休日にって、珍しいよね」
一夏「まぁな」
シャル「も、もしかして、デート…………なんちゃって」
セシリア「!!」
一夏「!!」
ラウラ「でーとだとっ!?」ガタタッ
セシリア「うっ」
セシリア(…………)
セシリア(…………わたくし、もう嘘はつかないって決めましたわ!)
セシリア「実はその」
一夏「俺たち今デート中なんだ!」ギュッ
シャル「や、やっぱり……」ハハ、ハハハ
ラウラ「なんだとっ……!!」ワナワナ
セシリア「一夏さんっ…!」
ラウラ「シャルロット、一夏たちに合流するぞ」
シャル「そ、そんな。悪いよ……」チラッ チラッ
ラウラ「悪いも何もあるか。セシリアがデート中というのに私達が蚊帳の外という道理はない」
シャル「むぅ~…そ、そうかな」
ラウラ「そうだ!というわけで嫁よ……」
一夏「ごめん!」
ラシ「!!?」
一夏「俺たち今日はふたりだけで楽しむって約束なんだ」
ラウラ「なっ……」
シャル「えっ……」
一夏「な?セシリア!」ギュッ
セシリア「は、はいっ!」ギュッ
一夏「そういうわけでごめんな!また学園で!……行こうぜ」タタタタッ
セシリア「一夏さん……」タタタタッ
セシリア(し、幸せすぎて死にそうですわ……)
ラウラ「ま、待つんだ嫁!」
シャル「……しょうがないよ、僕達はまた今度ってことでさ」
ラウラ「ぬぅ……オルコットめ、覚えていろ」ギリリ
シャル(これはもう決まっちゃったかな……ま、結婚までは諦めないけどね)
ラウラ「どうして止めた、シャルロット」
シャル「今追いかけても逆効果なだけだよ」
ラウラ「そ、そうか……」
シャル「それにしても…セシリアかぁ……はぁ」
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一夏「今日は遊んだなー!!」
セシリア「ウフフ……そうですわね」
一夏「お、ここからだとIS学園も見えるぞ!セシリアもこっちに来てみろよ!」
セシリア「はい……」ソッ
一夏「綺麗だよな。夜景」
セシリア「はい……」ドキドキドキドキ
一夏(今日で確信した)
一夏(こ れ は イ ケ る)ドキドキドキドキ
セシリア(デートの締めくくりに高台の夜景)
セシリア(ムードは完璧!ですわ)ドキドキドキドキ
一夏「…………」
セシリア「…………」
一夏「…………セシリア」
セシリア「はい」
セシリア(これは……間違いなくこの間合いは……)ドキドキドキドキ
一夏(今なら絶対拒絶されない自信がある……落ち着け俺、今もらうんだ…セシリアの……)ドキドキドキドキ
セシリア(キス……!!)
一夏(初チュー!!!)
セシリア「一夏さん………」
一夏「セシリア…………」
セシリア(あと30センチ……)
一夏(いかん恥ずかしくて顔がめちゃ熱いぞ……)
セシリア(あと15センチ……も、もう目を開けていられませんわっ!)ギュッ
一夏(セシリア……セシリアセシリアセシリアセシリア……)
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千冬「いやぁ~いい夜景だなぁ!!」
一夏「うわぁぁああああああああああああ!!!!!!」
セシリア「きゃああああああああああああ!!!!!!」
一夏「ち、千冬姉!!どうしてここに!」
千冬「ん?急に夜景が見たくなってな」ハァハァ
セシリア「す、すごい汗ですわね……」
一夏「どうしたんだよ?まるで街中を走りまわったみたいな汗かいてるぞ?」
千冬「気のせいだ。それよりお前たち、こんなところで何をしている?」
一夏「あ、いや。それは……」
セシリア「いえ…ほほほ、まだ何も……」
千冬(山田先生に聞いてすぐに探し回った甲斐があったな……どうやら事後ではないようだ)ニヤリッ
千冬「そうかそうか。お前たち、もうこんな時間だから帰れ」
一夏「なっ……!」
千冬「教師命令だ」キリッ
一夏(な、なんてかっこ悪い姉だっ!!)
セシリア「…………ふぅ~~~~~」
一夏「セシリア?」
セシリア「一夏さん、今日は非常に楽しかったですわ」
一夏「セシリア……うん。俺も楽しかったよ」
セシリア「なんだか今日一日で一夏さんにずっと近づけたみたいですわね」
一夏「俺も今までよりもっとセシリアの事を知れた気がする」
千冬「あー、お前ら私の言うことを理解してるか?」
セシリア「もちろんですわ。じゃあ、帰りましょうか一夏さん」
一夏「お、おう」
セシリア「…………あ、お待ちになって一夏さん」
一夏「え?」
……………チュッ
一夏「~~~~っ!!!!?」
千冬「」
セシリア「………………ぷはっ!……ムードがなくてごめんなさい」
一夏「せ、セシリア……」
一夏「俺の方こそ…こんな、ヘンな姉がいて」
一夏「いやいやいや………そうじゃないんだ。セシリア。俺と付き合ってくれ。ずっと好きだったんだ」
チュッ
セシリア「一夏さんっ」
チュッ
セシリア「わたくしも以前からずっと……」
チュッチュッ
一夏「うれしい……うれしいよセシリアっ!」ダキッ
セシリア「一夏、さん………」
チュッ
千冬「」
セシリア「織斑先生は……」
一夏「放っておこう。虎より強い人だから」
一夏「あんなものより、セシリア……」
セシリア「一夏さん」
一夏「何かお祝いしよう。帰ってさ、俺料理作るから」
一夏「記念日にしようよ。酒もあけちゃうか?千冬姉のがたくさんあるから」
セシリア「まぁ…浮かれすぎですわよ」クスクス
一夏「いやその、今になって嬉しくなってきた。はははっ!やったぞ!!」ダキッ
セシリア「きゃっ」
一夏「セシリア……好きだよ……」
セシリア「わたくしも……ですわよ」チュッ
一夏「学園の三年間も、卒業後も、ずっと好きだからさ」
一夏「明日からたくさん、想い出作っていこうな」
セシリア「はい……」
一夏「それじゃ行こうか」ギュッ
セシリア「うふふ……一夏さんのお家へ?」ギュッ
一夏「……いや、冷静に考えたらやばい。絶対に我慢がききそうにないからな」
セシリア「…………わたくしも、ですわ」
一夏「え?」
セシリア「なんでもありませんわっ!!」タタタタッ
一夏「あ、待てよセシリア!!!」タタタタタッ
千冬「」
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一夏「ただいまー」
セシリア「はーいおかえりなさーい」パタパタ
一夏「おーただいまー」
セシリア「うふふ……ほら、パパにお帰りは?」
一夏「ははっ、まだしゃべれないだろ」ナデナデ
セシリア「あらあら、わたくしは撫でてくださらないの?」
一夏「ごめんごめん」ナデナデ
千冬「あー……ごほん」
一夏「おっと」
セシリア「あら、おかえりなさいませお姉さま」
千冬「ただいま。お前ら、玄関先でいちゃつくなと言ってるだろ」
一夏「ごめんごめん」
セシリア「あら。いくらお姉さまと言えどそれは聞けませんわ」
一夏「おいおい」
セシリア「あなた、おかえりなさい」チュッ
一夏「…………でへへ」
学園卒業後。
二人は晴れて結婚し、新たに居を構えるに至る。
なぜかそこに二人の姉が転がり込むのはまた別の話……。
おわり
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