古畑任三郎「灰原哀…合法ロリですかぁ。」 (73)
古畑「…世の独身男性の皆さん。結婚はしたいけどなかなかいい相手が見つからない。安心して下さい。いつまでたっても見つかりません…んふふ。」
古畑「えー、今回はそんな独身男性が主人公の話。しかし、彼は可愛い女の子と同じ屋根の下に暮らしてます。羨ましい限りです。…ようは勝ち組ということで。」
某時刻、阿笠邸にて…
ピンポーン!
阿笠「んっ?…誰じゃ、こんな時に…」カチャカチャ
阿笠「まったく…間が悪いのぅ。」スタスタ
ガチャ!
古畑「あ…あ~、阿笠博士さんで?」
阿笠「そうじゃが。…あなたは?」
古畑「え~、私、古畑と申します。古いに畑と書いて古畑です。…実はですね…私、財布を落としまして。その財布をおたくのお嬢ちゃんが届けてくれたので、そのお礼に。」ニコ
阿笠「そういえば哀君が財布を拾って届けたと言っとったのぅ。さあさあ、どうぞ上がっとくれ。」
古畑「いえいえ、とんでもないですぅ。これを渡したらすぐに帰りますよ。」
阿笠「はっはっはー!遠慮なんぞいらんよ。もうすぐ哀君も帰ってくるしのぅ。さあさあ、どうぞ。」
古畑「んふふふ…それじゃあお言葉に甘えて。」
古畑「それにしても立派な家だ。」
阿笠「そうかね。広すぎて持て余してるわい。」
古畑「その言葉一度は使ってみたいもんですぅ。ところで、この家には阿笠さんと…えーと、たしか…そうそう、灰原哀さんの二人で暮らしているということですが。」
阿笠「そうじゃよ。わしと哀君で暮らしておる。」
古畑「ん~、なるほど…立ち入った話でなんですが…その…名字が違う所をみると娘さんではないようですね。」
阿笠「哀君はわしが預かってる子でのぅ。わしの研究の手伝いや家事をしてくれたり助かっておるわい。」
古畑「研究…というと、阿笠さんは研究者か何かを?」
阿笠「趣味で色々と発明しているくらいじゃよ。」
古畑「ん~、羨ましい限りです。その頭脳が欲しいです、はい。」
阿笠「ほっほっほ…煽ててもなにもでんぞ。…そういえば、古畑さんはどういった仕事を?」
古畑「え~、私、刑事をしております。」
阿笠「刑事さんでしたか。わしの知り合いにも刑事が何人かおるのぅ。」
古畑「…SMAP捕まえたの私です。」ニコ
阿笠「なんと!あの事件を解決したのは古畑さんだったとは。素晴らしい刑事さんのようじゃな。」
古畑「煽てても何も出ませんよ…んふふ。」
灰原「ただいま~。」
阿笠「おー、お帰り、哀君!」
古畑「彼女が?」
阿笠「そうじゃ、哀君じゃ。」
灰原「博士…そちらは?(この黒ずくめの男…何者?)」
阿笠「哀君が拾った財布の持ち主の古畑さんだ。お礼にわざわざ来てくれたんじゃ。」
灰原「ああ…あの財布の…」
古畑「え~、この度はありがとうございます。助かりました。」ニコ
灰原「いえ…」
阿笠「古畑さんは刑事さんなんじゃよ。」
灰原「へー…」
古畑「SMAPにイチローを捕まえたの私です。」ニコ
灰原「…私、SMAP好きだったのに。」
古畑「あ~…これお礼の『伊藤ハム』です。どうぞ召し上がって下さい。『麦とホップ』ととてもよく合います、はい。それでは失礼しますぅ。」ガチャ!
阿笠「ちょ、ちょっと!!」
灰原「なんだか変わった人ね。」
西園寺「財布が無事に返ってきて良かったですね、古畑さん。」
今泉「古畑さん、財布落とすのこれで何度目ですかっ!落としすぎですよっ!」
古畑「まだ二度目だよ。それにしても財布が戻ってきてよかったよ。あの娘に感謝だ。」
西園寺「たしか灰原哀さんですよね。」
今泉「なんで知ってるの、君?」
西園寺「向島さんから聞いたんです。向島さんが灰原さんから受け取ったということですので。」
今泉「あ、そうっ。」
古畑「灰原っていう娘、大人っぽい娘だよ。なんでも家事までこなしてるって話だよ。」
今泉「僕もその娘欲しいな、なんちゃって。」
西園寺「それは犯罪ですよ、今泉さん。もしかしてロリコンですか。」
今泉「な、何言ってんの君!?そーいうこと言われると僕も心外だよなぁ~。だいたい、僕がロリコンだったらその阿笠って人はどうなるの?いい爺さんなんでしょう?」
古畑「んふふふ~ロリコンね~。」
今泉「僕はロリコンじゃないっすよ、古畑さんっ!!!」
古畑「どうだかね~。あ、西園寺君?」
西園寺「なんでしょうか?」
古畑「阿笠さんなんだけど…彼について調べてくれない?」
西園寺「何か気になりますか?」
古畑「んん~ちょっとねぇ。」ニコ
翌日…
西園寺「古畑さん。阿笠さんについてちょっと。」
古畑「んん~、何か分かった?」
西園寺「色々と分かりましたよ。」
古畑「どうぞ、続けて。」
西園寺「彼は親の莫大な遺産で暮らしているらしく、お金には苦労していないようです。」
古畑「…」
西園寺「趣味で色々と発明しているらしく近所では天才発明家と呼ばれているらしいです。ちなみに『ボイスチェンジャー』や『トロピカルレインボー』を発明したのも阿笠さんです。」
古畑「ふーん、才能豊かな人だね~。」
西園寺「私生活では灰原哀さんと暮らしており、休日には灰原さんの同級生をキャンプに連れ回しているようです。」
古畑「灰原さんはいつから彼の家に?」
西園寺「2、3ヶ月前からですね。なんでも阿笠さんの知り合いのお子さんらしいです。」
古畑「ちなみにそれは誰?」
西園寺「それが…分からないんです。あくまで聞き込みで得た情報ですので。流石にこれ以上は…」
古畑「分かりましたぁ…他には?」
西園寺「実は…よくない噂もあるんです。」
古畑「聞かせて。」
西園寺「はい…阿笠さんはとある組織のボスとのことです。しかも怪しい研究もしているらしく。」
古畑「…とある組織のボス、ね。」
西園寺「まぁ、あくまでも噂ですけど。」
古畑「色々と教えてくれてありがとう。君は本当に今泉より使えるねぇ。」
西園寺「恐れ入ります。」
古畑「え~、悪いんだけどさ、西園寺君。…念のため灰原さんの戸籍を調べといて。」
今泉「ねぇねぇ、西園寺君?」
西園寺「なんですか、今泉さん?」
今泉「君さぁ…古畑さんと何を調べてるの?この僕を差し置いてさ。」
西園寺「別にたいしたことではありませんよ。」
今泉「あ、そう。…忠告しとくけど、あんまり調子にのらないほうがいいよ、君。」
西園寺「それはどういうことですか?」
今泉「君よりも古畑さんのことを理解しているのは僕だってこと。分かったらあっち行けっ!」
西園寺「はぁ…」
阿笠邸にて…
古畑「あ、どうも。」ニコ
阿笠「おぉ、古畑さん。この間はどうも。ハムは美味しく頂いたよ。それで今日は何の用かね?」
古畑「えぇ~実は…とある事件を解決するために発明家の阿笠さんの知恵を拝借に。」ニコ
阿笠「とある事件?…立ち話もなんじゃし中で話そうか。」
古畑「はい。」ニコ
阿笠「それで…わしにどういったことを?」
古畑「んん~なんでも阿笠さんは様々な発明をしたようで?」
阿笠「ほっほ…ガラクタも多いが、それなりの発明もしたわい。」
古畑「発明家としての意見をお聞きしたいんですが…そのぉ…大の大人を一瞬で眠らせる様なものって作れますかね?」
阿笠「……ま、まぁ、作れないことはないと思うが…」
古畑「と、いいますと?」
阿笠「麻酔についての知識があれば可能じゃよ。まぁ、難しいと思うがのぅ。」
古畑「そうですか。助言の方ありがとうございます。それでは私はこれで。」
阿笠「も、もういいのかね?」
古畑「はい。…あ、そういえば…」
阿笠「な、なんじゃ?」
古畑「まぁ、いいでしょう。また今度に。」ニコ
阿笠「ちょ、ちょっと気になるんじゃが…」
古畑「え~…灰原さん。」
阿笠「あ、哀君がどうかしたのかね?」
古畑「とてもしっかりしてていい娘ですね。」ニコ
阿笠「そ、そうじゃろ。日頃からお世話になってるわい。」
古畑「お・世・話・にぃ~?」
阿笠「い、いや、なんでもない…」
古畑「それでは失礼しますぅ。」ガチャ!
阿笠「………」
西園寺「古畑さん!大変なことが分かりましたよ。」
古畑「どうしたの?」
西園寺「実は灰原哀という人物は存在しないようなのです!これは一体どういうことなんでしょうか…」
古畑「んふふふ~…さぁ。」ニコ
翌日、事件発生
向島「お疲れ様ですっ!」
今泉「おぅ!…古畑さんは?」
向島「まだお見えになってないですね。」
今泉「そうっ。…あ、そうそう…君、名前なんだっけ?」
向島「や、やめて下さい!!!」
今泉「ふふっ。」ニヤニヤ
古畑「今、何時だと思ってるんだよ~。」
西園寺「朝5時です。」
古畑「人間が起きる時間じゃないよ~。」
西園寺「…被害者の顔、ご覧になります?」
古畑「いい…血を見ると力が抜けちゃうんだよ、僕。」
西園寺「…被害者は魚塚三郎。心臓を撃ち抜かれて死亡したものかと思われます。」
古畑「何している人?」
西園寺「それについては現在調べている最中です。ただ…」
古畑「ただ、何?」
西園寺「おそらく服装などから闇社会に生きる人間ではないかと。」
古畑「どういうこと?」
西園寺「ご覧になったほうが早いかと…」
古畑「んん~見るよ。」
米沢「お、これは古畑警部補殿。」
古畑「朝からご苦労様ですぅ~。」
米沢「いえいえ。」
古畑「仏さん、ちょっと見せてもらえる?」
米沢「こちらへどうぞ。」
古畑「なんでも射殺らしいね?」
米沢「ええ。これは恐らくプロによる犯行かと。」
古畑「プロ?…というと、仏さんは…」
米沢「そっちの筋の人間になりますな。こちらが遺体です。」
古畑「んん~…」
米沢「やはり、気になりますか警部補殿。」
古畑「んふふ~…夏だっていうのに全身黒ずくめで帽子被ってるって…彼、暑くないのかな。」
米沢「おっしゃる通りで(まぁ、警部補殿も同じような格好なんだが…)。…実は、角田課長によると、全身黒ずくめの格好をしている組織があるそうで。その構成員ではないかと。」
古畑「なるほど~。…んー、角田課長にも話を聞いておく必要があるね。」
今泉「…くそ~。西園寺ばっかり古畑さんと…あいつさえいなければ…」
伊丹「これはこれは…自律神経失調症の今泉っ!!!」
今泉「お、お前は伊丹!?な、なんでお前がここに!!??」
伊丹「それはこっちの台詞だっ!!!くれぐれも邪魔はすんなよ!!!」スタスタ
今泉「どいつもこいつも僕を馬鹿にしやがって、くそ~!!!」
角田「暇かっ?」
古畑「ん~…暇です、はい。」
角田「ったく。全く人使い荒いね、おまえは。」
古畑「ご迷惑おかけしてますぅ。それで例の男の属していた組織についてなんですが。」
角田「組織名は『黒いカラスヤ』。奴はそこの構成員のコードネーム『ウォッカ』ってやつだ。」
古畑「その『黒いカラスヤ』って組織なんですが。」
角田「実はよくわからねーんだ。実態は何やら怪しい薬を作ってるぐらいで表だったこともしてねーしな。」
古畑「つまり目的も?」
角田「そーゆうこと。組織の設立者も不明だし、まだマークするには時期尚早ってことよ。」
古畑「…なるほど、わかりました。わざわざすみませんね、角田課長。」ニコ
角田「まぁ、いいってことよ!」
西園寺「あの魚塚という男、何かの組織に属していたようですね。」
古畑「そうみたいだね。まぁ、その組織も実態は不明みたいだよ。」
西園寺「そうですか。」
古畑「それよりさぁ…西園寺君、暇?」
西園寺「ええ、まあ…」
古畑「ちょっと出かけよ。」ニコ
阿笠邸前にて
古畑「どうして君までついて来るんだよ。」
今泉「僕に隠し事は出来ませんよ、古畑さんっ!」ニヤニヤ
西園寺「あっ!…古畑さん!」
古畑「ん~?…ああ。」
灰原「…何か用ですか…あっ、あなたは。」
古畑「この間はどうも。古畑ですぅ。」ニコ
灰原「お茶用意しますね…」
古畑「いや~、申し訳ありません。本当に出来た娘だ。君も見習いなさい今泉君。」
今泉「とても可愛い娘ですね。僕のタイプですよ、あの娘っ!」
西園寺「やっぱ今泉さんって…」
今泉「なんか言った?」ムッ
西園寺「いえ…」
灰原「どうぞ…」コトッ
古畑「いただきますぅ~。」
西園寺「頂きます。」
今泉「美味しい!まだ飲んでないけど!」
灰原「……」
古畑「ふざけるんじゃないんだよ、君は!」ペシン!
今泉「い、いたっ!!!」ニヤニヤ
古畑「この馬鹿はほっといて下さい、はい。」
灰原「それで…今日は何の用ですか?…博士は出かけてるんですが。」
古畑「おやぁ~。『カリマンタンの城』お読みになってるんですか、あなた?」
灰原「ええ…」
古畑「いい作品です。恥ずかしながら泣いてしまいました、はい。…小石川ちなみさん捕まえたの私です。」
灰原「えっ…」
西園寺「でも無罪になって今は結婚なさってますよね?」
古畑「そうだよ。結婚式に招待されたけど、幸せそうだったよ。」
今泉「うん、うん、ちなみちゃんには幸せになってもらいたいですよね!」
灰原「あのぅ…それで今日は…」
古畑「あ、すみません…実は今日はあなたに用がありまして。」
灰原「わ、私に?」
西園寺「実はあなたについて調べさせて頂きました。」
今泉「えっ?どういうことっすか?」
古畑「君は黙ってなさい。…え~、単刀直入にお聞きします。あなた、一体何者ですか?」
灰原「!!??」
西園寺「結局何も話してくれませんでしたね。」
古畑「なかなか手強い相手ですぅ。」
西園寺「初めて彼女に会いましたが、妙に大人びた娘でしたね。」
古畑「それもそうだし…彼女と阿笠博士の関係も気になるね。」
今泉「気にしすぎですよ、古畑さんっ!確かに大人びてたけど…あっ!もしかして、何かの薬でも飲んで本当は大人だけど子供になっちゃったりなんかしちゃって!」
古畑「今、なんて言った今泉君っ!!!」
今泉「えっ?…本当は彼女は大人だけど子供になっちゃっt」
古畑「いや、その前!!!」
今泉「えーと…薬でも飲んで…」
古畑「お手柄だよ、今泉君!!!」ニンマリ!
古畑「え~、やはり阿笠博士は例の組織の黒幕でした。そして灰原さんもやはりその組織に関わっています。問題は私がいつから阿笠博士を怪しんでいたか…古畑任三郎でした。」ニコ
今泉「(いっつも思うんだけど一体誰と話してるの?)」
翌日…
ピンポーン!
阿笠「…誰じゃ、まったく。」カチャカチャ
ガチャ!
古畑「どうも。古畑ですぅ。」ニコ
阿笠「また、あなたか。今日は何の用で?」
古畑「え~恐縮ですが、また事件解決のための知恵をお借りに。」
阿笠「とりあえずあがっとくれ。」
古畑「失礼しますぅ。」
阿笠「それでワシにどんな知恵を借りに?」
古畑「…ん~…んふふ…こんなことを聞いて笑わないで下さいねぇ。こっちは真剣ですので、はい。」
阿笠「内容によるのぅ。」
古畑「…えー、現代の科学をもってですね…大人を子供にする薬なんて作れますか?」
阿笠「!!!???」
古畑「あれ?どうかされました?」
阿笠「い、いや…あまりに唐突な質問でのぅ…」
古畑「それで作れますか?」
阿笠「…無理じゃろうな。そんなものは作れるわけないじゃろ。このワシをもってものぅ。」
古畑「…んふふ~…それはおかしいなぁ~。」ニヤニヤ
阿笠「な、何がじゃ?」
古畑「いいですか、あなた!あなた、そのような薬を現に作ってる!!!」
阿笠「な、何を言ってるんじゃ、君は!!??ば、馬鹿も休み安言いたまえ!!!」
古畑「そしてあなたは!とある組織の黒幕ですぅ!!!!!」
阿笠「あ、あんたと話してるほどワシは暇じゃないんじゃ。帰ってくれ!!!」
古畑「えぇ~、この間、魚塚三郎という男が遺体で発見されました。彼は組織の一員で…なんて言ったっけ…あ、そうそう!『ウォッカ』と呼ばれてました。」
阿笠「…」
古畑「おおよそ、ヘマでもやらかして消されたんでしょう。…そして彼が属していた組織が『黒いカラスヤ』ですぅ。」
阿笠「!!!???」
古畑「その顔はご存知ですねぇ、んふふふ~。」
阿笠「わ、わしは知らん!!!そ、それに証拠でもあるのか!!!」
古畑「とりあえず聞いてて下さい。その組織は謎に包まれてますが、分かっていることが一つ!大人を子供にする薬を作ってます。そして、実際にその薬を飲んだのが…灰原哀さん。」
阿笠「!!??」
古畑「私の部下の優秀な小男によると江戸川コナン君という男の子も飲んだそうで。ちなみに彼からも証言を得てます。」
阿笠「し、新一め……」
古畑「更にはその組織には『ベルモット』『ジン』などの構成員がいるそうですねぇ。」
阿笠「…わ、分かった…話そう。確かに哀君はその組織に属しておった。」
古畑「『シェリー』と呼ばれていたそうで。」
阿笠「そ、そうじゃ。しかし、彼女はその組織に歯向かったため監禁された。両親や姉を失った彼女は自殺するつもりで例の薬をのんだんじゃ。」
古畑「アポトキシン4869ですね…」
阿笠「あ、ああ…しかし、彼女は死なず幼児化した。彼女はそこから逃げワシの家の隣で倒れた。」
古畑「その家こそ…江戸川コナン君、いや、工藤新一さんの家ですからねぇ。」
阿笠「そ、その通りじゃ。ここまでの話を聞いても分かるとおり、わしは哀君を組織の連中から守っていただけじゃ。わしが黒幕なわけなかろぅ!!!」
古畑「んふふ~…一見すると美談に聞こえますが…あなたの真の目的は別にありますぅ。」
阿笠「な、なにを言ってるんじゃ!!!!!」
右京「ここから先は僕がお話します。」
古畑「お待ちしてましたぁ。」
阿笠「だ、誰じゃ、あんた!?」
右京「私、警視庁特命係の杉下といいます。」ペコ
古畑「続きをどうぞ。」
右京「灰原哀さん、いや、宮野志保さんを例の組織から保護したかのように彼女自身にも思わせた貴方ですが、目的は彼女自身だったんです!」
阿笠「い、意味が分からんのぅ!!!!!」
古畑「あなた!あなた、ロリコンですねぇ。」
阿笠「!!!!????」
右京「52歳になっても結婚もせず独身なのには理由があります。それはあなたがロリコンだからですよ。」
阿笠「わ、わしは違う!!!け、結婚などしたくないだけじゃ!!!」
右京「それは違います。あなたの最大の目的は幼女となった宮野さんを手に入れることにありました。彼女の子供時代を知っているあなたは以前から彼女が好きでした。どうやって手に入れようか考えたあなたは」
古畑「その天才的な頭脳を使ってアポトキシン4869を作ったわけですぅ。」
阿笠「あ、あくまで空想じゃ!!!!!
右京「いいえ、これは巧妙に仕組まれた話です。まず貴方は宮野さんの家族を葬り去り彼女を孤独の状況にした。」
古畑「えぇ~、しかも彼女自身もアポトキシンの研究に関わっており、自責の念もあったんでしょう、はい。」
右京「まさにそこです!貴方は彼女の心理状態を上手く利用したんです。そして彼女はアポトキシンを飲み、自殺を図った。」
古畑「しかし、そのアポトキシンは完成されてましたので彼女は死なず幼女に。」
右京「次に彼女がとる行動もあなたは分かっていた。彼女はアポトキシンで幼児化したもう一人の存在、すなわち工藤新一さんを頼るしかなかった!!!」
古畑「否が応でも彼の家まで向かうしかないはずですぅ。」
右京「そして、彼の家に辿りついた彼女はそこで力尽いた。そこにあなたは何食わぬ顔で宮野さんをこの家に。」
古畑「…えぇ~…なんとも計画的な犯行です。私は長い間刑事をしてますがこんな例は見たことがありません。」
右京「ええ、前代未聞ですよ。そもそも組織の目的はただ一人の女性のためにあったのですから!」
阿笠「くっくっく…そこまで言うなら証拠はあるのかのぅ。」
右京「ええ、ありますよ。」
阿笠「な、なに!!!???」
古畑「先ほど…あなたの部下全員捕まえましたぁ。全員が貴方がボスだと証言していますぅ。」
右京「証拠がなくても貴方を捕まえることはできますよ。」
阿笠「く、くそぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉーーーーーー!!!!!使えない奴らめぇぇぇぇぇぇーーーーー!!!!!」
古畑「その天才的な頭脳を別のことに使って欲しかったですぅ、はい。」
阿笠「や、やかましいわい!!!わ、ワシの気持ちなんか誰にも分からないんじゃ!!!!」
右京「ええ、わかりませんよ。あなたはただの独りよがりです。」
阿笠「な、なんじゃと!!!哀君が悪いんじゃ!!!ワシをロリコンにしたのは彼女じゃ!!!」
右京「人のせいにするんじゃなぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁーーーーーーーーーーい!!!!!」プルプルプルプルプル!!!!
阿笠「!?」
右京「彼女は!!!あなたに!!!人生を!!!めちゃめちゃにされたんです!!!恥を知りなさぁぁぁぁぁーーーーーい!!!!!」
阿笠「……そ、そうじゃな…す、すまない、哀君…」
こうして黒の組織のボス、阿笠博士は逮捕された。
阿笠「古畑さん…最後に聞いてよいか?」
古畑「はい?」
阿笠「最初からワシを疑っていたじゃろ?」
古畑「んふふ~…ええ。」
阿笠「理由を教えてくれんかのぅ?」
古畑「貴方に初めてお会いして中に通された時、妙にイカ臭かったんです。」
阿笠「ふふ…ばれておったか。ちょうど抜き終わったときに君が来たからのぅ。慌ててスボンを履いたわい。」
古畑「んふふふ…独身の貴方がオカズに使ってるのは彼女じゃないかと睨みまして、犯罪の匂いがぷんぷんしたもので。」
阿笠「ほっほっほ…哀君はワシのオナペットじゃよ。しかし君は優秀な刑事じゃ。」
古畑「どうも。…では行きましょう。」
阿笠「うむ。」
完
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ひどいね