今泉「古畑さん!杜王町ですよ杜王町!」【ジョジョss】 (50)

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古畑「え~…モナリザ………みなさんもご存知のはずです。」

古畑「レオナルド・ダ・ヴィンチが描いた有名な絵画の一つです。私もこの絵が好きなんです。」

古畑「モナリザの微笑み…背景…構図………人によって好きな箇所は変わってきます。そして…私が好きな箇所はと言うと………」

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杜王町の夜。

賑やかなこの街も夜になると人通りが少なくなり、静かになる。

そんな夜道を一人で歩くのは杜王町の住人なら危険と知っているはずだ。

だが、もしそれが観光客なら別だ。

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タッタッ

女性「…………寒い。」

女性(一人旅行で杜王町に来たけれど結構良いところね………寒さ以外は。)

女性(早くホテルに帰ってコーヒーでも飲まないと………)

タッタッ

タッタッ

女性「………………」

バッ

女性は後ろを振り返った。

そこにはサラリーマンが一人女性の後ろをついてきていた。

女性(まさかストーカー…?)

タッタッ

サラリーマンは段々女性に近づいていく。

タッタッ

スゥ…

だが、サラリーマンは普通に女性の横を通り過ぎた。

女性(は…ははは……気のせいだったみたいね………)

女性は再び前を振り返った。

サラリーマン「綺麗な手をなされてますね…」

女性「!!」

女性の目の前にはサラリーマンの顔があった。

まさに目と鼻の先。

サラリーマンの静かな呼吸が女性の頬に当たっていた。

女性「な…なんなんですか?」

サラリーマン「いや………ついね………あなたの手が綺麗だったので近くで見てみたかったんですよ。」

女性(こ…この人ヤバい人だわ……!)

女性「これ以上話しかけたら警察に言いますよ…ッ!」

サラリーマン「それじゃあ………」

サラリーマン「その手だけお借りします。」

ドグバァ〜

女性「ぁ………」

突如としてて女性は爆発し、そこには女性の手だけが残った。

血や髪の毛…その女性がいた形跡は一つもない……

サラリーマン「この手は良い手だな………一週間は持つ。」ナデナデ

サラリーマンの名前は《吉良吉影》。

吉良吉影は静かに暮らしたい。

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《杜王町》

人口58,173人。

歴史的ある町なため、観光客が多い町である。

杜王町の店員は観光客に対しては不親切だが、仲良くなれば良い人ばかりである。

そんな杜王町に新たな観光客が訪れた。

今泉「古畑さん!杜王町ですよ杜王町!」

古畑「静かにしたまえ………さっきまで寝てたせいか頭に響くんだよ君の声は………」

今泉「すみません古畑さん!」

古畑「それをやめなさい………」

今泉「だけど、まさか杜王町に観光に来るなんて夢見たいですよ!」

古畑「たかが、町じゃないか。」

今泉「何言ってるんですかッ。あのジャンプで連載されてる《ピンクダークの少年》の舞台となった町ですよ!」

古畑「私はその手の本は読まないんだ。」

今泉「これを機に古畑さんもぜひ!」

古畑「私は《カリマンタンの城》で間に合ってるからいい。」

今泉「古畑さんも頑固だなー。」

古畑「そんな事より西園寺くんは?」

今泉「あぁ…あいつなら東京で仕事やってますよ。くれば良かったのに。」

古畑「仕事に熱心なのは良いことじゃないか。君とは大違いだ。」

今泉「はい!………え?」

古畑「それから私は行くところがあるから君はそこら辺をブラついといて。」タッタッ

今泉「え?ふ…古畑さん…?古畑さーーーーーん!!」

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吉良「君はどれが好きなんだい?」

吉良「そうか。それが好きなのか。それじゃあ私も一つ買おうかな。」

吉良は《ベーコンエッグサンド》を購入した。

そして店を後にしようとしたが…

ポタッ

吉良の服の中から赤い液体がこぼれ落ちる。

フキフキ

吉良はすぐさま床の液体を拭き取った。

その先を辿ると、そこには赤いマニキュアをつけた手があった。

吉良(まだ一週間も立っていないのになー………また次の手を探すか………)

古畑「だからさっきから言ってるだろ?」

吉良が見た先には1人の中年男性が店員にクレームをつけていた。

店員「ですから…卵サンドのマヨネーズ抜きは当店では扱っておりませんので………」

古畑「マヨネーズを抜くだけじゃないか。そんなの小学生でも出来るよ君。」

店員「しかし…この例外を認めてしまうと他の例外まで認めてしまう事になるので、あなた様だけ特別扱いするわけには………」

古畑「じゃあもういい!ツナサンドでいいよ!」

店員「は…はぁ……ですがツナサンドにもマヨネーズは入ってますが………」

古畑「それはいいんだよ。卵サンドはマヨネーズ抜きにしてもらいたいんだよ。」

吉良(たかがマヨネーズで大声をたてるな…他の客に迷惑だろ。)

古畑「おや?」

吉良(なんだ…?あの男こっちを見ているぞ……?)

古畑「あなたが買ったのは何サンドですか?」

吉良「え?」

吉良(私が持っているのは………)

吉良「ベーコンエッグサンドですが………」

古畑「………………」

古畑「あ!」

吉良「な…なんですか?」

古畑「そのベーコンエッグサンドにはマヨネーズが入ってない!」

吉良「はい?」

古畑「さっきの卵サンドにはマヨネーズが入っているのにベーコンエッグサンドにはマヨネーズが入っていないんですよ。」

古畑「あの店員め…」

吉良(うるさい………)

古畑「あなたはどう思いますか?マヨネーズ抜くぐらいいいと思いませんか?」

吉良「そ…そうですね。ですが、ここのサンドウィッチは美味しいのでマヨネーズ抜きぐらいで味には関係ないと思いますよ。」

古畑「そうですか………」

吉良「それより、そんなにマヨネーズ抜きが食べたいのでしたら私のベーコンエッグサンドを差し上げましょうか?」

古畑「よろしいんですか?あなたが欲しかった物では?」

吉良「いいんですよ。ここの味をわかってもらえれば私は満足です。」

古畑「ありがとうございます。あなたは良い人だ。よければ私の卵サンドをもらってください。」

吉良「結構です。私はまたベーコンエッグサンドを買いますから。」

吉良(これでやっと静かになる。私の平穏を取り戻せたぞ。)

吉良「では、この後仕事があるので失礼いたします。」

古畑「お仕事頑張ってください。」

吉良「ええ。それでは…」

ポタッ

吉良「!」

古畑「?」

吉良(マズイッ!血がこぼれ落ちた…!)

古畑「どうかなされましたか?」

吉良「…………」

吉良「いやね、床に血が落ちていたもので妙だなと思ったんです。」

古畑「あ、本当だ。きっと誰か指を切ったんでしょう。」

吉良「では…」

タッタッ

サンジェルマンの扉を開け、店を出た時、吉良は冷や汗をかいていた。

吉良(危ない所だった………気づかれたら面倒な事になる………まぁ…私の《キラークイーン》で証拠隠滅すればいいだけの話だが。)

古畑「………………」

ガチャッ

今泉「古畑さん!どうして僕を置いてくんですか!」

古畑「今泉くん。西園寺くんに連絡取れるかい?」

今泉「どうしてですか?」

古畑「早く。」

今泉「は…はい。」

古畑「…………………」

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吉良(さてと…どこでサンドウィッチを食べようか………)

サッ…

吉良のスーツの下で、赤いマニキュアの手が木の下を指差していた。

吉良「おや…君はあそこがいいのかい?じゃあそうしよう。」

吉良は木の下に座り、サンドウィッチの入った袋を木の反対側に置いた。

そのあと、しばらく《彼女》との会話を楽しんでいた。

《彼女》は血が滲み始めていたため、サンジェルマンの袋の中に入れていた。

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重ちー「あ!あった。こんな所にあったど。オラのサンドウィッチ。」

タッタッ

?「すみません。」

重ちー「なんだぁ〜?」

?「もしかしたらあなたのサンドウィッチはこちらではないですか?」スッ

重ちー「おぉ!ありがとうおじさん。あんた良い人だど!」

?「どうも…」

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吉良「さぁ。ベーコンエッグサンドだ。」

吉良「先に食べて?わかったよ。ありがとう。」

吉良「それでは………」

ガサッ

吉良は袋の中にあるサンドウィッチを手に取った。

中には《ベーコンエッグサンド》が入っていた。

しかし、そこには《彼女》の姿はなかった。

吉良(なんだとッ!!)

吉良(これは私のサンドウィッチではないッ!!本物は………)

吉良は周りを見渡した。

そこに1人の男の子と中年男性がいた。

どちらも手にはサンジェルマンの袋を持っていた。

吉良(どっちだッ……私のサンドウィッチの袋を持っているのは………ん?)

古畑「………………」

吉良「あの男はッッッ…!!!」

吉良(まさか………木の下に置いてあったのを自分のと勘違いしたのか……?クソッ!)

吉良(このままあのサンドウィッチの袋をあいつに開けられれば《彼女》の事がバレてしまうッ。そんな面倒はごめんだッ!)

タッタッ

吉良は古畑の元へ歩み寄った。

吉良「あの〜…すみません。」

古畑「はい?」

古畑「あ!あなたは先ほどのお方。」

吉良「え…えぇ。」

古畑「奇遇ですねまた会うなんて。」

吉良の目線は古畑ではなく、古畑が手に持っているサンジェルマンの袋を見ていた。

中には《彼女》が入っている。

もし、ここで袋を回収しなければ大事になる。

吉良「唐突で申し訳ないんですが、その紙袋の中身確認させていただけないでしょうか?」

古畑「どうしてですか?」

吉良「もしかしたらそちらのベーコンエッグサンドに私の貴重品を入れてしまったかしれないんです。」

古畑「それは大変だ。どうぞ見てください。」

ガサッ

吉良は中を確認した。

そこには《彼女》がいた。

吉良「良かった。ありましたよ。」

古畑「それは良かった。」

吉良「それでは…」

古畑「あの〜…」

吉良「なんですか?」

古畑「その紙袋…少し赤く滲んでますね。」

吉良「!」

吉良(しまった…!時間をかけすぎたか………ッ!)

吉良「………トマトですよ。」

古畑「トマト?」

吉良「このベーコンエッグサンドにはトマトが挟んであるんです。それが潰れてしまって滲んでしまったんでしょう。」

古畑「なるほど。」

古畑「ですが、私のベーコンエッグサンドにはトマトがありませんが?」

吉良「特別に挟んでもらったんです。そしたら挟んでくれてね。」

古畑「そうでしたか。」

吉良(しつこい男だ。早くしないと仕事に遅れてしまう…)

古畑「………今は休憩時間ですか?」

吉良「そうですが?」

古畑「やっぱり。大事な休憩時間を削ってすみません。実は聞きたい事が一つあるんですがよろしいんですか?」

吉良「…………どうぞ。」

古畑「ありがとうございます。」

古畑「この町で行方不明になる人が多数出てるのはご存知ですか?」

吉良「!!」

吉良「え…えぇ。ニュースでよくやってますからね。」

古畑「挨拶が遅れて申し訳ございません。実は私、古畑と申しまして警察なんです……この事件を調べてるんですよ。」

吉良(警察だとッ!!)

吉良「それで?聞きたい事とは?」

古畑「えーと…お名前は……?」

吉良「吉良です。吉良吉影。」

古畑「吉良さん。珍しい名前ですね。」

吉良「早くしてくれないか?時間がないんだ。」

古畑「すみません私、気になるとなかなか頭から離れないんです。ンフフフ…」

吉良「質問はなんですか。」

古畑「………私が思うに、犯人は普段真面目に仕事をしているサラリーマンだと推測してます。」

吉良「…その根拠は?」

古畑「犯行時刻は毎回深夜です。そして、被害者は毎回女性。つまり仕事終わりのサラリーマンが有力なんです。」

古畑「そして、何一つ証拠を残さない完璧主義者です。きっと普段は仕事のできる賢い人なんでしょう。」

古畑「ですが、完璧すぎるがために、犯人は一つミスを犯してます。」

吉良「それは?」

古畑「これはさすがに教える事はできません。」

吉良「………で、肝心の質問は?」

古畑「もしあなたが犯人なら…この事件の本当の目的はなんだと思いますか?」

吉良「………犯行を楽しみたいんじゃないですか。完璧主義者なら犯行を完璧にして、それを楽しんでるとしか思えません。」

古畑「私は違うと思います。」

古畑「犯人は被害者女性の何かを集めることに快感を覚えていると考えてます。」

吉良「…………それはあなたの推測でしょう。」

古畑「えぇ。そうです。ですが、完璧主義者によくある傾向です。」

吉良「もういいですか?仕事に戻らしてください。」

古畑「もうそんな時間ですか。大事な休憩時間をありがとうございました。」

吉良はその場から早々と立ち去った。

吉良はその時、ある考えを導き出した。

《あの男は殺さなくてはならない》

古畑………生かしておいてはならない人物。

自分にとって邪魔になる存在は早めになくしておこうと吉良はおもった。

タッタッ

今泉「古畑さん!」

古畑「どうだった?」

今泉「間違いないです!古畑さんの言った通りでした。」

古畑「さすが西園寺くんだ。仕事が早くて助かる。」

タッタッ

今泉の横には背のデカイ、奇妙な服装をした男性がいた。

承太郎「………あんたが古畑さんか?」

古畑「えぇ。古畑任三郎です。」

承太郎「………協力はするが、そいつで間違いないのか…?」

古畑「もちろん。」

古畑「あなたがいれば心強いです。」

今泉「だけどなんで分かったんですか?この事件の犯人が?」

古畑「ンフフフ…」

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古畑「え〜…この事件。犯人はとても凶悪で、とても厄介な相手です。私一人ではとても手に負えません。」

古畑「ですが、犯人は一つミスを犯してます。完璧主義者であるに関わらず………皆さんはお分かりですか?」

古畑「ヒントは………サンドウィッチ。古畑でした………」

後半へ続く…

後半は一週間以内に更新予定

杜王町は1日経ち、また新たな1日が始まっていた。

特に変わらない日常を人々は楽しんでいる。

その中で一つ、変わったことがある。

吉良吉影が爪をコレクションしなかったことである。

毎朝爪を切り、集める事が日課だったが、それが突然止まったのだ。

それは吉良吉影の中で動揺があったからである。

しかし、吉良吉影は今日も会社へ出勤する。

タッタッ

吉良「…………………」

今泉「アイタタタ………」

吉良の前に、腰を痛そうにしている男がいた。

そんな男を吉良が構うはずがない。

人混みの流れに身を任せ、吉良は会社へ向かおうとしたが…

仗助「大丈夫っスか?」

今泉「どうやらギックリ腰が再発したみたいで………」

仗助「ちょっと触ってもいいっスか?」

今泉「は…はい。」

ドキュン

仗助「すぐ治りますから。」

吉良の目にはスタンドが見えていた。

今泉「あれ?腰が軽いぞ!やったーーーー!」

仗助「そんじゃあ。」

今泉「ありがとう!君!恩にきるよ!」

仗助「普通の事をしたまでっスよ。」

吉良(スタンドを使うのは普通の事なのか………私は違うと思うがね………)

古畑「おや?吉良さんじゃありませんか。」

古畑「またあなたですか………」

吉良(こいつのせいで私に安らぎはない。どこでもこいつは現れて私を苛立たせる………)

吉良「今日は何ですか?」

古畑「実はですね………ここにサンドウィッチがあります…一緒に食べませんか?」

古畑はサンジェルマンの紙袋を持っていた。

吉良「…………………」

吉良(まだ昼間だが………仕方がない。)

吉良(こいつを《始末》しよう…!)

古畑「………………」

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2人はこの前の木の下でサンドウィッチを食べることにした。

古畑は《ベーコンエッグサンド》。

吉良は《卵サンド》を手に持っていた。

古畑「いや〜…このサンドウィッチは美味しい!トマトが良い味を出してる!」

吉良「サンジェルマンのサンドウィッチは美味しいですからね………」

吉良「……?」

吉良(この《卵サンド》………マヨネーズが抜いてある?)

吉良「古畑さん。」

古畑「はい?」

吉良「なぜこのサンドウィッチはマヨネーズが抜いてあるんですか?」

吉良「サンジェルマンはマヨネーズを抜かないはずですが………」

古畑「はい。確かにそうです。」

吉良「なら………」

古畑「だって私が作りましたから。」

吉良「!!」

古畑「私がいつ、どこで、サンジェルマンで買ってきたと言いましたか?」

吉良「く………」

古畑「苦労しました。サンジェルマンのサンドウィッチの味を真似るのは。ですが………」

古畑「そのおかげで分かったことがあるんです。」

吉良「………私を騙したんですか。」

古畑「話は最後まで聞いてください。」

吉良「……………………」

古畑「《ベーコンエッグサンド》にトマトを挟むと、美味しくないんです。」

吉良「それは私の好みの問題だ。」

古畑「ですが…あの店がこんなサンドウィッチを作るとは思えないんです。」

吉良「はぁ?」

古畑「《卵サンド》のマヨネーズ抜きを出来ない店が《ベーコンエッグサンド》のトマト入りを認めるはずがないんですよ。」

吉良「そ…それは………」

古畑「店に尋ねたらやはりそうでした。そんな物は作らないと…」

古畑「すると一つ疑問が出てくるんです。」

古畑「吉良さんと初めて会った時に赤く滲んでいた紙袋はなんだったんでしょうか?」

吉良「………じ…実はあのサンドウィッチはサンジェルマンのサンドウィッチに私がトマトを挟んだ物なんですよ。」

古畑「はい?」

吉良「私が挟んだんです。トマトを。」

古畑「それはありえません。」

古畑「あなたはレジで会計を済ました後に私にサンドウィッチを渡したはずです。トマトを挟む時間は確実になかったです。」

吉良「ですが!」

古畑「ここに………」

古畑「トマトを挟んだベーコンエッグサンドがあります。」

古畑「見れば分かりますが、サンドしてるパンがトマトの水分を吸い取っています。これが普通です。」

古畑「ですが、私があの時見たサンジェルマンの紙袋は赤く滲んでいました。」

古畑「吉良さん。あなたはどれだけのトマトをサンドウィッチに挟んだんですか?」

古畑「それとも………」

古畑「何か違う物を挟んでいたのですか………?」

吉良(もう我慢の限界だ…ッ!)

吉良「キラークイ………」

古畑「《スタンド》を出すおつもりですか?」

吉良「なにッ!!」

古畑「実は私も《スタンド使い》なんです。」

古畑「お見せしましょうか?私のスタンドを………」

吉良「そんなはずはないッ!!お前がスタンド使いだなんてッ。」

古畑「では………」

吉良「キラークイーンッ!」

ボァン

古畑「………………」

古畑は吉良を見つめている。

吉良「………攻撃してこないのか…?」

古畑「承太郎さん。どうですか?」

古畑がそう言うと、ベンチに座っていた男が立ち上がった。

承太郎「あぁ…はっきりと見えてるぜ………凶悪犯のスタンドがな…!」

吉良「ど…どういうことだ?」

古畑「吉良さん。私は今、嘘をつきました。」

古畑「私はスタンドなんて使えません。ついさっき初めて聞いたばかりです。」

吉良「また騙したのかッ!」

古畑「あなたが先に私を騙したからおあいこです。ンフフフ…」

吉良「あなたは最低な人だ………」

古畑「あなたほどではありません。」

承太郎「この街で起こっていた事件はスタンド使いが絡んでるかもしれないと思ってはいたが…」

古畑「西園寺くんがスピードワゴン財団に連絡を取ってくれたおかげです。」

承太郎「ちなみに……だ。お前の周りをスタンド使いで囲んでいる。逃げようなんて思わない事だ。」

仗助「………………」

億泰「………………」

康一「………………」

重ちー「………………」

吉良「………古畑さん。」

古畑「はい?」

吉良「モナリザをご存知ですか?」

古畑「もちろん。」

吉良「私が小さい頃………モナリザの絵を絵画集で見たんです。」

吉良「あのモナリザが膝の所で組んでる手……あれを………初めて見た時………何ていうか……………その………下品なんですが…………フフ………勃起……しちゃいましてね。」

吉良「モナリザの手の部分を切り取って部屋に飾ってました。」

吉良「それ以来………私は女性の綺麗な手を切り取って楽しんでいるんです。」

古畑「………………」

吉良「あくまでも隠れて………です。僕は静かに暮らしたいのでね。」

吉良「だが………」

吉良「それもここまでのようだ……」

吉良「………いつから私が怪しいと思っていたんだ?」

古畑「あなたと最初に会った時からです。」

吉良「え?」

古畑「サラリーマンにしては不自然に内ポケットの位置が膨らみ過ぎていました。普通のサラリーマンはそんな邪魔になるような位置に重なるようなものを入れたりはしません。」

古畑「なので最初は万引き犯と疑ってました。」

吉良「そのまま万引き犯として捕まった方が良かったな………」

古畑「承太郎さん。ご協力ありがとうございます。」

ウーーーー

杜王町にサイレンがこだましていた。

承太郎「古畑さん………警察の事情聴取が終わった後に吉良吉影はこちらで預かります。」

古畑「わかりました。」

古畑「では………」スッ…

古畑はサッとサイレンが鳴る方向へ手を差し伸べた。

吉良「………………」

ジュイン

吉良は古畑の背後にシアハートアタックを忍ばせていた。

ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ

吉良(砕け散れッ!)

古畑「そのスタンドはなんの能力をお持ちなんですか?」

吉良「!!」

古畑「ンフフフ…冗談です。スタンドなんて見えませんから。」

吉良「………冗談もほどほどにしてくれ………」

古畑「ンフフフ…」

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今泉「えぇ〜…皆さんはモナリザは好きですか?」

今泉「私は大好きです。なんと言うか……その………何か凄いから好きです。」

今泉「ほら!ここの笑顔!凄い良い笑顔ですよ!ほら!」

今泉「あとほら!ここ!背景が綺麗!!」

今泉「あとは………あ。そうそう。僕が一番好きな箇所は…ええと……あ!あれだ!!ええとね…」

〜完〜

完結です!
四部アニメ化おめでとう!

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