佐天「不可能を可能にする能力かぁ……」(254)


佐天「えーっと……まずはここの机に小石を置いて……」

佐天「"私の机の上に置いてある小石"に水を掛けて"本物の一万円札"にするのは不可能……」

佐天「よし、後はこのコップに入った水を小石に…」

ボンッ!!

佐天「やった!大成功!」

佐天「……だけど、言葉にして発言しないと能力が使えないんだよね~」

佐天「ま、それでも強い能力か」

佐天「……よーし、街を歩いてみるとしますかー!」


学園都市 ―第7学区―

佐天「さてと、街に出てきたのはいいけど……」

佐天「誰も居ないな~」

スキルアウトA「よう、待ってたぜ?」

メガネ「きょ、今日は……」

スキルアウトB「はーい、ジャンプしましょうねー」

スキルアウトA、B「ぎゃははははははは!!!!」

佐天「おっ、あれは……ふむふむ……」

佐天「よし!佐天涙子、いっきまーす!」


メガネ「ゆ、許して……」

佐天「ねぇねぇ、ちょーっといいかな?」

スキルアウトA「あ?」

スキルアウトB「なんだこのガキ」

佐天「あのさ、今の君たちすごいかっこ悪いよ?」

スキルアウトA「あぁ、なるほどな……つまり」

スキルアウトB「俺達にボコされに来たってわけか?」

佐天「……ま、いいか」

佐天「"君たち2人が立っている地面"から"無数の剣が突き出てくる"のは不可能……」


スキルアウトA「は?何言って…があッ!!」

スキルアウトB「ひ…ごふっ!!!」

佐天「出来上がりーっと……大丈夫、きみ?」

メガネ「あ、うあ……ああああああ!!!!!」

ダッダッダッダッ

佐天「ありゃ……やり過ぎたかな?」

佐天「ま、いいか……それじゃーさようなら」

スキルアウトA「……」ピクッ……ピクッ……

スキルアウトB「……」ピクッ……ピクッ……


佐天「んー……さて、どうしようかなー」

佐天「特にやることも無いし……」

佐天「もっとこう、私の能力をバンバン使える……」

???「面白い能力を持ってるにゃー、君」

佐天「ん?誰?」

???「いやー、見てたぜい?……どうだ、暗部で働く気は無いか?」

佐天「暗部?なんですかそれ?」

???「それは後から順を追って説明するぜい、いやー、丁度グループの人数も増やしたかったんだにゃー」

佐天「グループ?っていうか私まだ入るって言って無いんですけど!」


土御門「俺の名前は土御門元春、補習の帰りに絡まれてるメガネ君を見つけてな」

土御門「助けようと思ったが、お前が出て来てさらに訳の分からない能力で一件落着」

佐天「ふーん……その暗部?でしたっけ、どんな仕事があるんですか?」

土御門「お前、さっきその能力をバンバン使いたい、って言ってたな」

土御門「そんなお前にとっておきの仕事が山ほどある……どうだ?」

佐天「……じゃー研修って形で入らせてもらえます?」

土御門「了解だ、歓迎するぜ?研修生」

佐天「よろしくおねがいします!」

土御門(佐天涙子……無能力者のはずだが……これは面白くなってきたぜ)


―グループアジト―

土御門「今日からグループに研修として入ることになった、佐天涙子だ」

佐天「どうもー!今日から研修として入る事になった、佐天涙子でーす!」

結標「……ねぇ、これはどういう冗談かしら?」

海原「……」

一方「……耳に響くンだよ、うぜェ」

佐天「あの、私全然歓迎されてないんですけど……」

土御門「いつもの事だから気にする事ないにゃー」


土御門「さて、自己紹介も済んだ事だし仕事の内容を説明する」

佐天「なんかこういうのって、秘密結社みたいでわくわくしますねー!」

一方「黙ってろ、グループ4人を召集するなンざ、珍しいじゃねェか土御門……」

佐天(あ、私入って無いんだ……)

土御門「今日はこいつを紹介しようと思って4人集めた、それだけだ」

結標「で、今日は誰が動くのよ?」

土御門「今日は研修生と一方通行、移動は結標で海原と俺は留守番だ」

海原「やれやれ……あなたって人は」


一方「……それで、仕事の内容はなンだ」

土御門「麻薬の売買している組織を潰してほしい、それだけだ」

一方「勿論生死なンざ問わねェよなァ?」

土御門「あぁ、一人残らず潰す……簡単だろ?」

佐天「ふーん……麻薬を売買している組織、ねぇ……」

結標「はぁ……ならとっとと終わりにしましょう?私、疲れてるんだけど…」

海原「僕は留守番ですね、研修生の佐天さん、頑張ってください」

佐天「りょーかいですっ!」

一方「…………」


―麻薬の売買アジト―

アジト人A「……へへ、これだけ量があれば億万長者だ」

アジト人B「あぁ……考えただけで震えが止まらねえぜ……」

「そォかい、なら今すぐ震えを止めやらァ、この一方通行様に感謝するンだなァ」

アジト人B「あ――――」

バンッ!

アジト人B「ごふっ……」ピクッ……ピクッ……

アジトA「なっ……テ、テメェ!!!」


佐天「私を忘れてもらっちゃ困るなー……"私の目の前に居る男の人"が"何の用意も無く爆発"するのは不可能」


アジトA「!……な……があッ……!」

佐天「ばいばーい」

ドカンッ

ビチャッ ビチャッ

佐天「げぇー、血塗れになっちゃった……ていうかこれ、どこの臓器……」

一方(こいつの能力……体内を爆発なンざ聞いた事ねェ……)

佐天「よし、一方通行さん、先に進みましょう!」

一方「…………」


アジト人C「ひ、ひぃぃぃぃいいい!!!!」

ドンドンドンドン!!!

佐天「だからだめだってー、私の服と体は弾丸を弾いちゃうよー」

アジト人D「こ、この女は後回しだ!杖を突いてる白い奴を狙え!!!」

アジト人E「くそっ!」

ドンドンドンドン!!!

キィィィン

アジト人E「なっ、がはッ……!!!」

一方「……駄犬共が……誰に牙向けたかわからせねェといけねェみてェだなァ……?」

アジト人F「あ…あ、あ、ぁぁぁああああああ!!!!!」

飯ってくる


アジト人D「く、くそ……!物影に隠れるだけで精いっぱいだ……!」

アジト人C「お、おい!こんな化け物達が来るなんて聞いてねえぞ!?」

アジト人F「も、もう嫌だ……もう嫌だぁぁぁああああああ!!!!!」

佐天「ちょっとー、逃げたら倒せないじゃないですかー……」

佐天「はぁ……"今、この場で走ってる人間"の"靴が床のコンクリートから離れなくなる"のは不可能」

アジト人F「あッ……あ、足がッ……足が動かねぇ……!た、助…」

佐天「"今、この場で床に転んでいる人間"の真上から"急に無数の槍が降ってくる"のは不可能」

アジト人F「けてく―――――がああああああッ!!!」

佐天「んー……やっぱり使い方がまだ慣れないなぁ……」

アジト人F「……」ピクッ……ピクッ……


アジト人C「があっ……!」

一方「さァてとォ……」

アジト人C「が…は………」

一方「……残るはテメェ1匹のようだなァ」

アジト人D「な、なぁ……か、金だ……金でどうだ……?」

アジト人D「1000万……いや、2000万だ……、へへ、悪くねえだろ?」

佐天「……"今、この場で金を渡そうとしている人間"の"真上から硫酸が滝のように流れてくる"のは不可能」

アジト人D「あ、あ――――――あ゙あ゙ぁぁああ゙ぎゃぁぁああああ゙ああ!!!!!」

佐天「う……流石にこれはやめたほうが良かったかな……すごい臭い……」

詠矢「不可能不可能言ってるだけで可能になる訳ないっしょ。
   本当に不可能かどうかなんて未来視でも無いと分からねぇよ」


佐天「って硫酸が!!!!」

一方「チィッ……!」キュイン

ザー

佐天「あ、一方通行さん空飛べるんですね!」

一方「……くそが」

佐天「背中に竜巻かー……それ、かっこいいですね」

一方「このままアジトまで飛ぶぞ」

佐天「え、えぇ!?パンツ丸見え――――――!」


―グループのアジト―

土御門「麻薬の売買組織のテントは硫酸塗れ……なんて能力だ」

佐天「す、すいません……調子乗りました」

一方「テメェの能力……最初に見た時は血液を爆発物に変えると思ってたが」

一方「……どォやら違うみてェだな」

佐天「あ、あはは……まぁ便利な能力って事で……」

土御門「まぁいいだろ、硫酸塗れは少しやりすぎだが初仕事でこれは大手柄だ」

佐天「じゃ、じゃあ研修生の私は失礼しますね~……」

パタン

一方「……土御門、お前あいつの能力を知ってンのか?」


土御門「……いいや、俺も見ていたが……あんな能力、見たこと無い」

一方「人体の爆発、弾丸を生身で弾く……無数の槍、硫酸の滝だ」

一方「多重能力者って訳でもねェだろ?」

土御門「さぁな……ただわかることは、佐天涙子が発言した事は現実になる」

土御門「それがたとえ不可能でもな……」

一方「不可能を実現させる能力……面白いじゃねェか……」

土御門「あぁ、佐天涙子……グループに誘って正解だったな」

――――
――

詠矢「穴だらけで検証のしがいがあるね」


佐天「シャワーを浴びて、土御門さんが買ってくれた新品の服に着替えたのはいいけど……」

佐天「……臭わないかなぁ、私」クンクン

佐天「そういえば、最初に倒した男の人達は土御門さんが処理してくれたのかな?」

佐天「ま、いいか……さーてと、どうしようかなぁ……」

佐天「今から風紀委員の支部に行くのは正直面倒だし……」

佐天「……帰って今日はもう寝ーよっと」

――――
――


―次の日―

『さて、今日は学園都市名物の…』

佐天「んー……やっぱり土御門さんが処理してくれたんだ」

佐天「初春も白井さんも風紀委員で忙しいし、御坂さんも出かけるらしいんだよなー」

佐天「あ、私のLEVELってどの位置なんだろ……」

佐天「不意打ちに弱いし……口塞がれたらどうしようもないしなぁ……」

佐天「……あー、もう、散歩でもしよ」


佐天「はぁ……暇だなぁ……」

pipipi♪ pipipi♪

佐天「ん?仕事かな?」

『土御門だ、仕事が出来たがどうする?研修生』

佐天「あ、行きますー」

『今すぐアジトに来い』

ツー……ツー……

佐天「さてと、お仕事にいきますかー!」



――
―――

土御門「今日の仕事はある暴力組織の解体だ」

一方「……この手の組織はいくら潰しても蛆みてェに湧いてくるな」

佐天「暴力組織?また昨日見たいな仕事ですか?」

土御門「あぁ、今日も一方通行と研修生、移動は結標にしてもらう」

結標「最近、わたしタクシーばかりね……」

佐天「なんかつまらないなー……」

土御門「そんな研修生に朗報だ、今日は他の暗部に出会うかもしれないぜ……?」

佐天「へぇー……他にも暗部ってあるんだ……それはちょっと楽しみかも」

一方「グダグダしてねェでとっとと行くぞ……」

スタッフゥー
可能栄光


───

 -海辺の倉庫-

 ……カチカチカチ

浜面「……はぁ」

 ……カチカチカチ

??「……どうしたんです?」

浜面「……だってよぉ、今回の仕事、どう考えても……囮、だよなぁ」

 カチカチカチカチ

??「……ええ、間違いなく、囮です」

浜面「何だって俺らが"グループ"の連中とご対面しなくちゃいけねぇんだ」

浜面「"会って、すぐ逃げる"。これならアンタらだけで十分でしょ?と来たもんだ」

 ……カチカチカチ

浜面「……で、お前はさっきから何携帯イジってんだ」

??「……あー、いえ、クセみたいなもんです ハイ」

 カチカチカチカチ


浜面「お前も災難だよなぁ、新しく入ったばっかなのに、俺と組まされてこんな命がけの仕事して」

??「……フッ いえ、俺、浜面さんと一緒に仕事出来て、楽しいです ほんと」

浜面「変わってんなぁ」

??「いえ、本当にそう思いますよ」

 カチカチカチ

??「  戻って来れて、良かった  」


  ド ォ  オ ン !!



浜面「っ!?」

??「……」カチ。

浜面「なっ、何だぁ!? 来やがったのか!?」

一方「……いよォ 子猫ちゃン」

佐天「あっれー? 二人だけ? ちょっと拍子抜け……」


浜面「ッ、ぉおおオイ!!逃げんぞ!! すぐ裏の車に……」

佐天「"今逃げようとしてる人の足が砕けるなんて不可能"」

 バ ギ バキィ ッ

浜面「うがあああ゙あ゙あああああぁああああああ!!?」

??「浜面さんっ!?」

浜面「逃げろ……逃げろぉ!お前だけでも……」

佐天「いや、だから逃げようとしたら足が……あれ?」

??「………」

佐天「何で無事……ああそっか、逃げようとしてないのかぁ」

??「……」キッ

この臭い・・・詠矢か


佐天「えーっと、えーっと、"今私を睨んでいる人の心臓が弾け飛ぶなんて……"」

 カチカチカチカチカチカチカチ



  ピロリラ♪



佐天「"不可の」

??「『回答』は……」

 カチ

??「出ている!!」

 《佐天は声に出すことで能力を発動する!ならば突風を起こして吹っ飛ばしちゃえ!》

aicezuki「吹き飛べ!はぁっ!!」

  ゴ オ ォ ォ ォ ッ !!
 
佐天「の……キャアアァァアッ!?」ゴロゴロゴロ

一方「!? ッチィ!エアロハンドか!!」


浜面「ぐっ……うぅ……」

aicezuki「浜面さんっ!! くっ……」

 カチカチカチカチカチ

 『ここから脱出するには?』

一方「!……てめェ……まさかあの時の……!」

 ピロリラ♪

 《テレポーテーションで離脱!》

aicezuki「浜面さん!!飛びますよ!!」

 シュンッ

一方「ッ!ちィ……逃げられたか……」 

佐天「あぁいたたた……えっとぉ、どうなりました?」

一方「どうもこうもねェ……」

一方「……決めた、皆殺しだ」



───

aicezuki「浜面さん!浜面さん!!」

浜面「う……ぐ……」ボタボタ…

aicezuki「出血が酷い……! くっ……」

 カチカチカチカチ 

 『足のケガを治すには?』


 ビー ビー

 《 知恵コインが足りません 》

aicezuki「……くっ……そぉ……っ」ダンッ


───


 コツ……コツ……



詠矢「……なぁんだか、今夜は騒がしいんだよなぁ」


室伏「喧嘩はやめたまえ」

みんな「はい」


 ~ HAPPY END ~

うん











うん?

保守
題材は良いから期待したいんだが

そこら辺のマッチョマンにも勝てないのに何がレベル5越えだよ

詠矢空希 (ヨメヤ ソラキ)

2011年9月21日に匿名巨大電子掲示板サイト「2ちゃんねる」の中の掲示板の一つ「ニュース速報vip」に
【御坂「……?(誰よアイツ……見ない顔ね……)」】というスレッドタイトルで立ったssスレッドに登場する書き手が考案したオリジナルキャラクター。
好奇心旺盛で理屈っぽい性格の高校生。それが原因かどうかはわからないが、本人曰く友達はいないらしい。レベルは0、無能力者。ただし学園での正式な測定はされていない。
作中では身長や体重は明かされていないが、
御坂美琴が彼の特徴として「背格好からして、多分高校生ぐらいかなあ…」と言っていることから高校生としては標準的な体形だと思われる。
頭の回転は速く、好奇心旺盛な性格からか科学や刑法にくわしく、格闘技も心得ていて白井黒子の投げ技を回避したり、
攻撃をかわしながら上段正拳の寸止めを使用するなど、高い戦闘能力を見せた。
さらに相手の能力やその原理、特性を素早く見抜き、それに対して「論証」するなど語学力や判断力もかなり高いと思われる。
作中における戦闘時は、その高い格闘能力と、本人が自称する能力「完全反論(マジレス)『論証を立てることによって、相手の能力を変質させる力』」を使いながら戦闘する。
彼の戦闘を見る限り、その能力(完全反論)は攻撃には活かしにくく、相手の「能力」による攻撃から自分の身を守ることに向いている。
また、高い科学知識、計算力、判断力が必要なため、それらを兼ね備えている彼のような頭脳明晰な人物しか扱うことはできないだろう。
このように高い思考力や戦闘能力を持っているが、最後は自身の能力で黒子の能力を変質させ自身を上空に飛ばし、
「……つまんねえ人生だったなー……」と言いながら落下していく(しかし彼が死んだことを表すような描写はされていない)。

あれ?詠矢も出て来たのか

えっ終わったのか

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