杏子「絶望ハンバーグ工場?」(141)
昨日書ききれなかったので
とりあえず昨日書いた分から投下していきます
マミ「ええ」
杏子「なんだよそれは」
マミ「あなた職を探していたでしょう?時給も高くてピッタリだと思って」ドヤア
杏子「『絶望』って付いてる時点でいやな予感しかしねーぞ」
マミ「・・・」
杏子「どうした?」
マミ「もう応募しちゃった☆」ティロッ
杏子「お前前から思ってたけどそろそろ死んだ方がよくないか?」ジャキッ
マミ「落ち着いて!マミっちゃう!」ビクビク
杏子「はぁ、超絶ブラックな臭いがするがどうしてくれるんだ?」
マミ「しょうがないわよね、だって人間だもの」
杏子「名言を弄ってんじゃねーよ」
マミ「まあ一回行ってみてはどうかしら?」
杏子「しょーがねーなあ」ハァ
ーーーーー出勤日
杏子「んじゃ、行って来る」
マミ「作業着姿似合ってるわねー」
杏子「うっせーよ、じゃーな」テクテク
マミ「大丈夫よね、うん。大丈夫大丈夫」
ーーーー絶望ハンバーグ工場
杏子「ここか・・・」ドキドキ
杏子「ブラックっぽい割には中々綺麗な工場だな・・・」
杏子「いやしかし見た目で判断しちゃいけないよな、気を引き締めないと」
杏子「ここが受付か? すいませーん」
受付「はい、何かご用でしょうか?」
杏子「今日から働かせて頂く佐倉杏子と申しますが」
受付「ああ、貴方が・・・」
杏子「・・・何か?」
受付「!いえいえ何でもございません・・・おい男!案内してさしあげろ」
男「かしこまりました」
ーーーー絶望ハンバーグ工場、廊下
男「案内をさして頂きます、男と申します」ペコリ
杏子「はい、よろしくお願いします」
男「では、さっそく作業現場を見学して頂きましょうか」
杏子(なんせブラック企業だからな、どんな激務が待ち受けているか・・・)
杏子「ところで、どんな業務をこなせばいいのでしょうか?」
男「現場をご覧頂ければすぐご理解されると思います」
杏子「分かりました」
杏子「しかし綺麗な工場ですね 見たことないですよ、ここまで綺麗なところは」
男「・・・・・・差様でございますか」
杏子「・・・?」
ーーーー絶望ハンバーグ工場、作業現場
男「こちらがハンバーグ工場の、メインとなる作業現場でございます」
杏子「ここが・・・」
男「基本的にここで働いておられる方は、午前中に四時間、午後に五時間業務をこなして頂きます」
杏子(?思ってたほどじゃあないな・・・けど・・・)
ペチペチコネコネペチペチコネコネペチペチコネコネペチペチコネコネペチペチコネコネペチペチコネコネペチペチコネコネペチペチコネコネペチペチコネコネ・・・
杏子「・・・皆さん必死の形相で働いておられますね」
男「!ええ!それはもう!この業界ではトップの人材と言っても過言ではないですから!」アセアセ
杏子(?やけに必死だな)
ゴウンゴウンゴウン・・・
杏子「あちらの部屋は?」
男「ミキサー室となっております」
杏子「やけに大きいですね」
男「・・・かなりの量の肉を扱っております故・・・」
杏子「?!」ゾクッ
杏子(何だ?!何だよ今の悪寒は! 熊とか凶暴な動物のような・・・いや違うもっと猟奇的な気配はそれ以上だ・・・!)
男「・・・いかがいたしましたか?」
杏子「! いえ何でもございません」
男「では、こちらへ・・・」
ーーーーーーーーーーーーー
ーーーーマミホーム
杏子「た、ただいまー」ドサッ
マミ「!お帰りなさい!どうだった?」アセアセ
杏子「ああ、思ってたほどじゃ・・・」
マミ「その割には凄く疲れてるように見えるけど?」
杏子「実は・・・」
省☆略
マミ「そう・・・」
杏子「・・・」
マミ「つらいなら、辞めてもいいのよ?元々私のせいだし・・・」
杏子「いや、大丈夫、大丈夫だ」
マミ「ホント・・・?」シュン
杏子「心配すんなって、風呂入ってくる」
マミ「・・・」
ーーーーーー翌日
マミ「ホントに大丈夫?無理してない?」
杏子「あーもーいちいちしつけーよ、お前はホント変わんねーな」
マミ「だって・・・」
杏子「大丈夫だから心配すんなって。じゃ、行って来る」
ーーーーー絶望ハンバーグ工場、作業現場
作業長「えー、本日から業務に加わる佐倉杏子さんだ。」
杏子「よろしくお願いします」
パチパチ・・・
作業長「では、持ち場に着いて業務を始めてくれ。以上」
杏子(ここが私の持ち場か)
(流れてくる肉をハンバーグ状にっと・・・)ペチペチコネコネ
杏子(しかし・・・)ペチペチコネコネペチペチコネコネペチペチコネコネ
杏子(意外とつらいなこの作業は・・・)ペチペチコネコネペチペチコネコネペチペチコネコネ
杏子(ただ淡々と・・・)ペチペチコネコネペチペチコネコネペチペチコネコネ
杏子(流れてくる肉を・・・)ペチペチコネコネペチペチコネコネペチペチコネコネ
杏子(ハンバーグ状に・・・)ペチペチコネコネペチペチコネコネペチペチコネコネ
杏子(・・・・・・)ペチペチコネコネペチペチコネコネペチペチコネコネ
ジリリリリリリリリリ!!!
杏子(?!)バッ
アナウンス「午前の業務時間が終了しました。ただちに食堂で昼食を食べたのち、一時半までに持ち場に着くこと、以上」
杏子(心臓に悪いぜ・・・)
ーーーーー食堂
ワイワイガヤガヤ
杏子(休憩中は割と賑わってんのな)ホッ
(ずっとあんな殺伐とした所じゃ、心が死んじまう)
杏子(ここに座るか)ドサッ
杏子「・・・」モグモグ
杏子(しかし・・・)
杏子(この大勢の中で一人飯はくるものがあるな)モグモグモグモグ
???「隣、いい?」
杏子「お、おう」ビクッ
???「はは、そんなにビクビクすんなって、新・人・君」
杏子「・・・あんたは?」
さやか「美樹さやか、だよあんたとは歳が近いかもね」ニコッ
杏子「そーかい・・・」モグモグ
さやか「なんだー?ノリが悪いぞー?」
杏子「悪いがそんな気分じゃねえ」
さやか「まあ、分からなくもないよ」
杏子「さやか・・・も昔はこんなだったんじゃねーのか?」モグモグ
さやか「うーん、もう慣れたけどね」ズルズル
杏子「あーんな静かな所で何時間もペチペチコネコネペチペチコネコネ殺す気かっつーの」ハア
さやか「案外そうかもねー」ケラケラ
杏子「ゲホッ笑えねーよ」チッ
ジリリリリリリリリ!!!
さやか「おおっとう、じゃまた今度」
杏子「おう、ちっとは気が紛れた。サンキューな」
さやか「礼には及ばないよっと」スタスタ
杏子「美樹さやか・・・か」ボソッ
ーーーー作業現場
ペチペチコネコネペチペチコネコネペチペチコネコネペチペチコネコネペチペチコネコネペチペチコネコネ
杏子(この空気も・・・)ペチペチコネコネペチペチコネコネ
杏子(あいつのおかげで少しは気が楽だ)ペチペチコネコネペチペチコネコネペチペチコネコネ
杏子(同世代の同性がいるってことは・・・)ペチペチコネコネペチペチコネコネ
杏子(少しはましな環境なのかも・・・)ペチペチコネコネペチペチコネコネペチペチコネコネ
ーーーーーーーー
ーーーーーーーマミホーム
杏子「ただいまー!」
マミ「お帰りなさい、やけに元気ね」
杏子「ん?そうか?」
マミ「良いことあったのかしら?」
杏子「ああ、美樹さやかっていう奴がいてさー」
またまた省☆略
マミ「フーン・・・」
杏子「?どうした」
マミ「何でもないわ。さて、寝ましょうか」
杏子「お、おう・・・」
マミ(美樹さやか・・・)
マミ(どんな人間なのかしら?)
マミ(可愛い娘?綺麗な娘?優しい娘?明るい娘?)
マミ(・・・)
マミ(今夜は眠れないわね・・・)チラ
杏子「・・・」クークー
ーーーー翌日
杏子「じゃ、行って来るぞ」
マミ「・・・いってらっしゃい」ボソッ
杏子「・・・どうした?気分でも悪いか?」
マミ「っ!なんでもないっ!」
杏子「ど、どうしたんだよ・・・、行って来ます」
ーーー絶望ハンバーグ工場
作業長「えー、本日は・・・」
杏子(ったくマミの奴どうしたってんだよ・・・)
作業長「かくかくしかじか」
作業長「えー、ではそれぞれの持ち場に着いて業務にあたってください」
杏子(・・・)ペチペチコネコネペチペチコネコネペチペチコネコネペチペチコネコネ
作業員A「・・・・・・」ペチペチコネコネペチペチコネコネ
作業員A「あっ」ポロッ
アナウンス「作業員No.A。すみやかにミキサー室に来なさい。繰り返す・・・」
杏子(何だ・・・?)ペチペチコネコネペチペチコネコネペチペチコネコネペチペチコネコネ
ーーーーーーー数時間後
杏子(帰ってこないな・・・)ペチペチコネコネペチペチコネコネ
杏子(・・・)ペチペチコネコネペチペチコネコネペチペチコネコネ
ペチペチコネコネペチペチコネコネペチペチコネコネペチペチコネコネペチペチコネコネペチペチコネコネペチペチコネコネペチペチコネコネペチペチコネコネ
ジリリリリリリリリ
杏子(いつ聞いても心臓に悪い、悪い)
杏子(・・・・・・)チラ
杏子「ミキサー室・・・か」
作業長「・・・・・・」ピクッ
ーーーーーーー食堂
ワイワイガヤガヤワイワイガヤガヤ
杏子「・・・」モグモグモグモグ
さやか「よっ」ドサッ
杏子「おお、さやかか」
さやか「どうだい?業務二日目は」ニヤニヤ
杏子「ああ、慣れてきた・・・ただ」
さやか「ただ?」
杏子「ミキサーs」
さやか「!!」バッ
杏子(何すんだよっ!)
さやか(いいから黙れっその話はここではNGだ!)
杏子(何だよそれっ)バタバタ
さやか(いいからっ死にたくないなら黙ってろっ)
ジリリリリリリリリ
アナウンス「休憩時間が終了しました・・・」
ーーーーーーー
杏子(・・・)ペチペチコネコネペチペチコネコネペチペチコネコネ
杏子(何だってんだよ・・・)ペチペチコネコネペチペチコネコネペチペチコネコネ
杏子(ミキサー室・・・)ペチペチコネコネペチペチコネコネペチペチコネコネ
杏子(そういやさっきの作業員・・・)ペチペチコネコネペチペチコネコネ
杏子(まだ帰ってこないな・・・)ペチペチコネコネペチペチコネコネ
ーーーーーーーー
杏子『何時間もペチペチコネコネペチペチコネコネ殺す気かっつーの』
さやか『案外そうかもねー』
杏子『笑えねーよ』
ーーーーーーーー
杏子(っ!!)
杏子(まさか・・・な)
ジリリリリリリリリ
アナウンス「本日の業務時間が終了しましたすみやかに持ち場を離れ、帰路に着くこと。以上」
杏子(終わった・・・)フゥ
杏子(しっかし・・・)
杏子(疲れた・・・!)
杏子(考え過ぎたのもあるのか・・・?)
ーーーーーーーー駅
ワイワイガヤガヤワイワイガヤガヤワイワイガヤガヤワイワイガヤガヤワイワイガヤガヤ
杏子(まだ電車こねーのかよ)チッ
さやか「あれっ杏子じゃん」
杏子「さやか!?」ビク
ーーーーーーーー
ーーーーーーーー電車
ガタンゴトンガタンゴトン
杏子「まさか同じ町に住んでたとはな」
さやか「隠すもんじゃあないね」
杏子「ところで・・・」ボソッ
さやか「ミキサー室の事?」
杏子「おーいNGワードじゃなかったのかー」
さやか「ここでまで気にすることはないでしょ」ケラケラ
杏子「ったく・・・」
さやか「簡潔に言うと・・・」
またまたまた省☆略
ーーーーーーー
杏子「うわー・・・」ドンビキ
さやか「おーい帰ってこーい」
杏子「それ今までアタシ達って・・・」
さやか「死人の肉をペチペチコネコネしてきた事になるね」サラッ
杏子「・・・の割りには平気な顔してるな」
さやか「あんたに言われたくないよ」
杏子「うすうす感づいてたからな」
杏子「で、こんな話を堂々としていいのかあ?」
さやか「でーじょーぶだって、スパイでもいるって言いたいのー?」
杏子「まあ、大丈夫、か」
スパイ「・・・・・・・」ジー
ーーーーーーーマミホーム
杏子「ただいまー」ドサッ
マミ「!お帰りなさい」
杏子「おう、今帰った」
マミ「あ、あのね・・・」
杏子「ん?今朝の事なら気にしてないぞ?」
マミ「ほ、ホント!?ゴメンね私ったらあんな事言っちゃって」アセアセ
杏子「もーいいってば、今日の飯は何だ?」
マミ「貴方の好きなしょうが焼きよ!」
杏子「ひゃっほう!」
杏子「・・・・・・」ペチペチコネコネ
杏子「はっ!」
杏子(ペチペチコネコネする癖がついてる・・・だと?)
杏子(これが職業病って奴か?)
マミ「ちょっと違うんじゃないかしら?」
杏子「お前は人の心を読むな」パシッ
マミ「いたっ」
杏子マミ(・・・・・・)
杏子マミ「何かこの感じ懐かし・・・」
杏子「真似すんなっ///」
マミ「ふふっ」
ーーーーーーーー
ーーーーーーーー翌日、電車
ガタンゴトンガタンゴトン
杏子「・・・」キョロキョロ
杏子(行きはいつもさやかを見ない、なんでだ?)
杏子(まさか・・・)ゾクリ
杏子(・・・)
杏子(考え過ぎか・・・)
ーーーーーーー
ペチペチコネコネペチペチコネコネペチペチコネコネペチペチコネコネ
杏子(・・・)ペチペチコネコネペチペチコネコネ
杏子(・・・見た目的には普通の引き肉と大差はない、さやかの考えが杞憂の場合もある)ペチペチコネコネペチペチコネコネペチペチコネコネ
杏子(じゃああの作業員はどこへ行ったのか)ペチペチコネコネペチペチコネコネペチペチコネコネ
杏子(・・・)ペチペチコネコネペチペチコネコネ
杏子(こんがらがってきた)ペチペチコネコネペチペチコネコネペチペチコネコネ
さっさと前回分投下したいけど規制が怖い
ジリリリリリリリリ
杏子(・・・・)
杏子(結局答えは出ないまま)
杏子(この工場内にいる限りさやかに相談することはできない)
杏子(・・・)ドサッ
さやか「うーす」ドサッ
杏子「よう」パクパク
さやか「飯だけは美味しい」ズルズル
杏子「・・・帰りに聞きたい事がある」
さやか「へーい」ズルズル
杏子「・・・お前は何にも考えてなさそうだな」ボソッ
さやか「褒めてないでしょ」
杏子「お前地獄耳か」
ーーーーーーーー電車
ガタンゴトンガタンゴトン
さやか「で、何?」
杏子「ミキサー室の中を調べる方法はないか?」
さやか「単刀直入だね」
杏子「お前から聞いてきただろうが」チッ
さやか「調べる方法か・・・」
杏子「そうだ」
杏子「ベテランのお前なら分かるだろ、どんな奴がミキサー室に入っていった?」
さやか「何かしらのヘマを犯した奴・・・かな」
杏子「それだ」ニヤリ
ーーーーーーー
ーーーーーーー
さやか「やめときなさいよ、帰ってきた奴を見た事ないんだから、死にたい?」
杏子「んなわけねーだろ」
さやか「なら・・・」
杏子「まあ、お前の言いたいことはわかる、危険を犯すなってことだろ?」
さやか「そう」
杏子「だからお前に相談した、冷静でいるためにな。一人で行動するとロクな事にならねえからな」
さやか「・・・」
杏子「・・・諦める、か」
ーーーーーーーーマミホーム
テレビ「ナンデヤネン!」ドッ
杏子「・・・」モグモグ
マミ「ふふ」
杏子(ああああ!気になる!気になる!)
ーーーーーーーーさやホーム
テレビ「ナンデヤネン!」ドッ
さやか「・・・」モグモグ
まどか「ティヒヒっ」
さやか(ああああ!気になる!気になる!)
杏子(落ち着け!アタシが死んだらマミが悲しむ!それは絶対にダメ!ダメだ!)
さやか(以下同文)
杏子(!そうだ!)
ーーーーーーーー工場、昼休憩
さやか「仲間を増やすぅ?」
杏子「ばかっ声がでかい」ボソボソ
さやか「前も似たような事が・・・」ボソボソ
杏子「あったな」ニヤ
さやか「で、方法だよ」ボソボソ
杏子「ここじゃ場所が悪い、帰りだ」ボソボソ
さやか「りょーかい」ボソボソ
ジリリリリリリリリ
ーーーーーーー
ーーーーーーー電車
ガタンゴトンガタンゴトンガタンゴトンガタンゴトン
杏子「はい」
さやか「はい」
杏子「何か思いついた?」
さやか「外から協力を求めるか、内の作業員から協力を求めるか」
杏子「それしかない、か?」
さやか「今の所はねえ」
ーーーーーーーー
ーーーーーーーー
杏子「二つあれば上出来じゃないか」
さやか「さて、どちらを決行しようか?」
ここまでが昨日まで投下した分です
ここからペース落ちます
さやか「どっちが安全か、つーことなら」
杏子「外から、か?」
さやか「でももし死人の肉、という考えが杞憂だったら」
杏子「あたしら職を失う事になるな」
さやか「ハタから見れば業務時間中に騒いでる邪魔者にしか見えないし」
杏子さやか「・・・」
スパイ「その心配は必要ないわ」ファサッ
杏子さやか「!?」
さやか「あああああアンタ誰だよっ!」
杏子「工場の回しもんか!?」
スパイ「誤解だわ」スタスタ
杏子「じゃあ誰何だよっ」
ほむら「とりあえず名を名乗っておきましょう。私は暁ほむら」
さやか「何者なの?」
ほむら「良く言えば依頼調査、悪く言えばストーカーね」
杏子「・・・依頼調査っつったな。誰から頼まれた?」
ほむら「貴方がよーく知ってる人じゃないかしら?」
杏子「っマミか!?」
ほむら「ええ」
ーーーーーーーーーーーーーーー
ーーーーーーーー
ほむら「色々あってあの人にはお世話になったわ。 小さい頃に遊んでもらったり、世話を見てもらったり。ふふ、何か懐かしいわね。それで何か手伝いができないか、と思っていたの。」
杏子「おう」
さやか「続けろ」
ほむら「で、佐倉杏子に浮気疑惑があるから調べて欲しい、と」
杏子「はあ?」
ほむら「あまりにも美樹さやかについてベラベラ喋るから疑われてしまったようね」
さやか「あんた・・・」
杏子「ホントに心配症だなあいつは」
杏子「で、極秘で調査してるのにノコノコ顔を出してきていいのか?」
ほむら「疑いの余地がないなら好きな時に辞めてもいい、と言われたわ。もちろんここで接触した事は秘密にしといてもらえるかしら?」
杏子「わかった。で、さやかの考えが杞憂じゃないって証拠はどこにあるんだ?」
ほむら「工場内に忍び込んだわ。」ファサッ
さやか「あ、あんたやるねぇ・・・」
ほむら「そうかしら?案外ザルだったわよ、夜に侵入したから」
杏子「よし、高時給の秘密が解明された所で作戦会議と行くか」ニヤ
ーーーーーーーーほむホーム
ほむら「あがって」
杏子さやか「お邪魔しまーす」
ガラーン
杏子「お、おお・・・」
さやか「なんつー殺風景な・・・」
ほむら「シンプル、または片付いている、と言ってもらえるかしら」
さやか「どう形容してもこれは殺風景以外の何物でもないよ」
ほむら「さ、どうするのかしら?貴方達は職場を失いたくないのか、それとも犠牲を増やしたくないのか、どっち?」
杏子「決まってんだろ」
さやか「高時給と命を天秤に掛けれるとでも?」
ほむら「そうね、愚問だったわ」
ほむら「私に考えがあるの」
ーーーーーーーー
今更ですがこの世界に魔法はありません、『奇跡も魔法も、ないんだよ』ということになります
ーーーーーーーー作戦決行当日
ほむら「とりあえず警察にも連絡しておいたし、あとは上手く運ぶだけね」
杏子「おう」
さやか「死ぬんじゃないよ?」ニヤ
杏子「こっちの台詞だ」ニヤ
ーーーーーーーー工場
作業長「えー、本日もー」
杏子(震えがとまんねー!)ボソボソ
さやか(死人の肉を使うような奴らだからね)ボソボソ
作業長「では、持ち場に着いて業務にあたってください」
ーーーーーーーー
ペチペチコネコネペチペチコネコネペチペチコネコネペチペチコネコネペチペチコネコネペチペチコネコネペチペチコネコネペチペチコネコネペチペチコネコネペチペチコネコネ
杏子(この音を聞くのも最後か・・・)ペチペチコネコネペチペチコネコネ
杏子(・・・)ペチペチコネコネペチペチコネコネ
遠くに見えるさやかを見た
いつも通り。青い髪が揺れてる。
さやかはアタシを見なかった。
ーーーーーーーー
ーーーーーーーー11:58分
チッチッチッチッチッチッ
杏子(そろそろか・・・)
チッチッチッチッチッチッ
杏子(・・・)
チッチッチッチッチッチッチッチッチッチッチッ
永遠にも思えた。一秒、一秒。少しづつ
ーーーーーーーー
ーーーーーーーー11:59:55
杏子(あと五秒!)
5
さやか(ほむらっ)
4
3
2
1
ジリリリリリリリリドゴオオオオオン!!
作業長「っ!?何だ!?」ビク
さやか「杏子っ!!」
杏子「おうっ」
ほむら「こっちよ!!」
ーーーーーーーー正直、無職だったアタシが、ここまでするとは思えなかった。
今までのアタシなら真実を知っても行動しなかっただろう。 むしろ、何とも思わなかったかもしれない。
じゃあ、何故こんなアホをするのか?
ーーーーーーーーあのアホウどもがやるからだ
杏子「警察が到着するまで時間稼ぎだ!」
さやか「うん!」
でも現実の世界、社会は甘くなかった
作業長「くそがあああああああああああああああああああああ!!!!!」カチャッ
ほむら「っ!杏子っ!危ないっ!」
走馬灯が走った
そうか、アタシは死ぬのか。 今までの
人生の色んな事を思い出していた。 マミと出会った事、暮らしている時の事。
数えきれないほど。
ーーーーーーーーマミ、ゴメン
工場の隙間から見えた空はよく晴れていた。 青く、青く。
ズガアアアアアアアン
ーーーーーーーーーーーーーーー
ーーーーーーーー
・・・何処だ、此処。
そうか死んだんだ、そうか・・・
馬鹿な事しなきゃ良かったかな、変わらない方が良かったんだ。アタシなんて。
もっとマミと色々な所に行けば良かった。遊べば良かった。のんびりと一緒に過ごせば良かった。 もっと尽くせば良かった。
・・・
遠くから声が聴こえた気がした
どこか懐かしい声
ーーーーーーーー
バチッと目がさめた
生きてんのか・・・?
もう、わけわかんね・・・
いてっ!
マミ「杏子っ!」
杏子「マミ・・・?」
マミ「よかったあ・・・」
さやか「直撃じゃなかったんだよ、杏子」
ほむら「少なくとも、止血はしたから。九死に一生を得たわね」
杏子「さやか・・・ほむら・・・?」
さやか「工場なら心配いらないよ。あの後ほむらが鬼神のごとき活躍を・・・」ブンブン
杏子「そうか・・・良かった・・・良かった・・・」
ーーーーーーーー
アタシは助かった。
助かった。
ホントにあの工場の秘密を公けにしてよかったのか?
色々考えたけど、結論は出なかった。 そんなこと今更考えたって結果論でしかない。
マミ「再就職先どうするー?」
杏子「お前だけには任せられん」
アタシはただ今を楽しむ。 死ぬ間際に見た空がもっと青く見えた。
青藍。 綺麗だ。
杏子「絶望ハンバーグ工場?」
終わり
終わりです
思い付きで書き溜めもなしの状態でやってきました
いままでSSなど書いたこともなかったのですが楽しかったです
杏子死なせれませんでした
愛ですね
またポケモン廃人に戻っていくことにします
このSSまとめへのコメント
このSSまとめにはまだコメントがありません