許嫁「あなたって本当に気持ち悪いわ」(239)

男「じゃあ今すぐ腕を離せ」

みたいな感じでお願いします

言葉だけツンか、ニヤニヤするのー

女「最悪の目覚め...起きたら目の前にあなたが居るなんてね」

「一緒に寝なきゃ死んでやるとか言ったのどこの誰ですか」

許嫁「ちょっと」

男「なんだ?」

許嫁「もう少し離れて座ってよ」

男「はいはい」

許嫁「……」

男「……」

許嫁「……」ウズウズ

男「ふわぁ……」

許嫁「……」ススッ

男「……」

許嫁「あなた、臭いわよ?お風呂入ってる?」

男「なら離れろ」

女「不味い...おかわり」

「もう無いよ」

女「目の間にある」

「これは俺の」

女「ぶぅ」

許嫁「離れろ!?離れて、ください、でしょ?」

男「離れてください」

許嫁「……」

男「……」

許嫁「だめね。もう一回」

男「お前……離れろ……」ググッ

許嫁「うぐぅぅ……!!!」

男「なんで離れないんだよ」

許嫁「離れるわよ。臭いわよ、あなた」

男「じゃあ、自分の部屋に戻るよ……」スタスタ

許嫁「……」

許嫁「……」スタスタ

男「……」ガチャ

バタン

許嫁「……おなかすかない?」トントン

男『まだすいてない』

許嫁「私はすいたわ」

男『あ、そ』

許嫁「……」ガチャ

男「なんで開けるんだよ!?」

許嫁「あなた、本当に気持ち悪いわね」

男「は?」

許嫁「部屋も臭いし」トコトコ

許嫁「片付けもろくにしない……」ギュゥゥ

男「おい」

許嫁「嫁になる人がかわいそうねー、あははは。ていうか、一生結婚できないんじゃない?」

男「離れろ」

許嫁「あー、同じ空気を吸ってるだけで胸焼けしそう」

男「いい加減にしろ。何がしたいんだよ」

許嫁「うるさいわね!!」

男「めんどくせえ……」グググッ

許嫁「うぎぎぎ……!!!」

男「もういいよ……」

許嫁「……」

男「ご飯はどうするんだ?」

許嫁「貴方が決めなさいよ」

男「俺かよ……」

許嫁「……」

男「カレーが食べたいな」

許嫁「ふーん」

男「……」

許嫁「……」

男「作れよ」

許嫁「いやよ。めんどくさい」

>>25
男「めんどくせえ……」グググッ

許嫁「うぎぎぎ……!!!」


か、かわええ……

男「そうか……」

許嫁「……トイレ」トコトコ

男「はいはい」

男「……はぁ」

男「未だにあいつの考えてることがよくわかんねえ……」

男「……」

男「ま、どうでも……いいかぁ……ふわぁぁ……」


―――2時間後

男「ん……?」

許嫁「すぅ……すぅ……」

男「あれ……寝ちゃったか……」

許嫁「ふぅにゅ……」

男「またこいつは……暑苦しい……おい」ユサユサ

許嫁「あ……?」

男「抱き枕にされると起きれないだろ……」

許嫁「なによぉ……うるさいわね……」ゴシゴシ

男「ご飯はどうするんだ?」

許嫁「知らない」

男「あ、そ……」

許嫁「……」ギュゥ

男「離れろ」

許嫁「貴方、オウム?同じことしかいえないの?」

男「……」

許嫁「全く、猿にだってできるわ」

男「ふん!!」バッ

許嫁「あ……」

男「……」スタスタ

許嫁「……」トコトコ

男「ふわぁ……」

許嫁「……」ギュゥゥ

リビング

男「なんだよ、もう……!!」ググッ

許嫁「うぐぅぅ……!!」

男「あれ……カレーの匂い……?」

許嫁「ほんとね」

男「……作ってくれたのか?」

許嫁「知らない」

男「……」

許嫁「お鍋が勝手に作ったんじゃない?」

男「なんで素直になれないんだ?」

許嫁「……は?」

男「……」

許嫁「なに気持ち悪いこといってるの?鳥肌ものだわ」

男「カレー……食べるか?」

許嫁「勝手にすれば?」

男「うまいな……」モグモグ

許嫁「……」

男「……食わないのか?」

許嫁「食べるわよ……」モグモグ

男「お前、どうしたんだ?」

許嫁「なにが?」

男「いや……昔はそんなんじゃなかっただろ?」

許嫁「昔ってなによ?」

男「子どものときはもっと素直だっただろ」

許嫁「知らないわ」

男「……」

許嫁「ほら、美味しいんでしょ?腹を壊すぐらいおかわりしなさいよ」

男「はいはい……」

許嫁「ふん」

男「ごちそうさま」

許嫁「……」

男「……なんだ?」

許嫁「別に」

男「洗い物は俺がするよ」

許嫁「……いい心がけね。やればいいわ。そして手が荒れて、痒くなればいいのよ!!」

男「いみわからん」カチャカチャ

許嫁「……」ウズウズ

男「ふわぁ……」ザブザブ

許嫁「……」トコトコ

男「抱きつくなよ……?」

許嫁「だ、だれが!?カレー臭いあんたに抱きつくものですか!!」ギュッ

男「なら、服もつまむな」

許嫁「……」

男「別にいいけど……」

男「はい、終わり」

許嫁「ご苦労様」

男「……テレビでもみるか」

許嫁「……」

男「よっと……」ピッ

許嫁「狭いわね……」

男「てめーがくっつきすぎなんだよ」

許嫁「なんですって?」

男「暑苦しい」

許嫁「私は清清しいわ」

男「知らんがな」

許嫁「もっと離れなさいよ」

男「ならそっちにいけよ……!!大人が三人座れるほどスペース余ってんぞ……!」ググッ

許嫁「むぃぃ……!!」

男「はぁ……めんどくせえなぁ……」

デレデレってやつじゃないの?

男「……」

許嫁「こんなの見て楽しいの?」

男「……」

許嫁「くだらないわね」

男「……」

許嫁「チャンネル、変えるわよ」

男「おい」

許嫁「なによ」

男「構ってほしいならそういえ」

許嫁「バーカ。構ってほしくなんてないわよー」

男「……じゃあ、黙ってろ」

許嫁「……」

男「……」

許嫁「怒った?」

男「別に」

男「そろそろ家に帰れば?」

許嫁「……」

男「もう8時だぞ」

許嫁「……はいはい。いつまでも気持ち悪い貴方と一緒にいたら、腐っちゃうしね」

男「……早く帰れ」

許嫁「帰るわよ。うるさいわね」

男「……気をつけてな」

許嫁「……家、隣よ?」

男「知ってるよ」

許嫁「……帰るけど」

男「おう」

許嫁「かえるけどー?」

男「かえれよ」

許嫁「かえるよー?いいのかなー?」

男「うっせえ!!帰れ!!」

許嫁「なんで私があんたみたいなグズと結婚しなきゃいけなのよ」


許嫁「私だって自分の本当に好きな人と結婚したいのに」


許嫁「あんたが死んでしまえば私は自由になれるのよ!」


許嫁「あんたの顔なんてみたくねーんだよブサイクが」


許嫁「金遺してさっさと死ね!!」









許嫁「全部嘘だったんだからね・・・」

翌日

男「ふわぁ……」

男「……」

コンコン

男「……」ガラッ

許嫁「おはよう。相変わらずキモイ顔ね」

男「屋根伝いにくんなよ」

許嫁「別にいいじゃない。よっと」

男「……」

許嫁「……相変わらず臭いわねぇ」ギュゥ

男「ふっ……!!」グググッ

許嫁「やめろぉ……!!」

男「……今日は少し話したいことがある」

許嫁「結婚?しないわよ?」

男「……」

リビング

男「まあ、座ってろ。お茶入れるから」

許嫁「……」トコトコ

男「座ってろ」

許嫁「……」コクッ

男「……はい」

許嫁「で、話ってなによ?」ギュゥ

男「近いぞ」

許嫁「話は?」

男「あのさ、6歳のときに俺たちは初めて出会ったよな」

許嫁「覚えてないわ」

男「で、今まで俺たちは互いの連絡先すらしらなかった」

許嫁「知らないわ」

男「俺はとっくにお前との話なんて破綻していると思ってた」

許嫁「してないけど?」

男「だから……俺には今、好きな人がいる」

許嫁「いないわ」

男「いる」

許嫁「なんで?」

男「10年以上も俺はお前の存在を忘れてた。好きな人ぐらいできる」

許嫁「気持ち悪い……脳内の女?」

男「現実にいる」

許嫁「ふーん」

男「だから、悪いけど……」

許嫁「あーあー、今日は中耳炎できこえなーい」

男「……」

許嫁「……」

男「とりあえず、毎日部屋にくるのはやめてくれ」

許嫁「別にきてないし。私の通り道に貴方の部屋があるだけだし」

男「おい」

許嫁「そもそも貴方に好きな人っていうのがもう気持ち悪いわ」

男「……」

許嫁「なんぞそれ?」

男「なぁ……」

許嫁「別に貴方がどんな女を好きになってもいいけど、なんか気持ち悪いから却下よ」

男「……なにがいいたい?」

許嫁「どこにもいくなってことよ」

男「そうか」

許嫁「そうよ」

男「お前、俺のこと好きなのか?」

許嫁「大嫌いですけど?」ギュゥゥ

男「なら、離れろ」

許嫁「口臭いわよ?」

男「おらぁ!!!」ググググッ

許嫁「あぶぶぶ……!!」

男「はぁ……」

許嫁「で、そんな女とは上手くいってるわけ?」

男「片思いだ」

許嫁「なんだ……」

男「……安心したのか?」

許嫁「してないわ。ちっとも」

男「……」

許嫁「……はいはい」パッ

男「お……?」

許嫁「離れればいいんでしょ?」

男「ああ……ありがとう」

許嫁「……」

男「じゃ、出かけてくる」

許嫁「そ、そう……いってらっしゃい」ウズウズ

男「お前も家に帰っとけよ」



男「……」ガチャ

男「ただいまー……」

男「……」

男「さてと……風呂にでも……」

男「……」スタスタ

男「……」ガラッ

男「ふんふーん」ジャァァ

男「……」

男(なんか物足りないな……)

許嫁「あんたが男の好きな人ね?」

女「な、なに?」

許嫁「死んで!」

女「えっ!?」

許嫁「ごめんね」ザクッ


許嫁「ふぅ、これでよし」

自室

男「あー、さっぱりした」

男「……」

コンコン

男「……あいてるぞー」

ガラッ

許嫁「おかえり、ブサ男」

男「……」

許嫁「よっと……」トコトコ

男「なんだよ?」

許嫁「なんでもないわよ?」ギュゥ

男「……はなれろ」ブンブン

許嫁「ううううるるるささいわねねね」ガクガク

男「お前……ちょっと面白いな」

許嫁「は?そんなこといわれてもうれしくないけど」

男「……」ペラッ

許嫁「まだ読んでるのに、めくらないでよ」ペラッ

男「おい。読書の邪魔すんな」

許嫁「こんな官能小説読んで、気持ち悪い」プッ

男「読んでねえよ」

許嫁「はいはい」

男「てめえ……」

許嫁「……」ペラッ

男「全く……」

許嫁「これ……犯人はこいつじゃない?」

男「指差すな。読めない」

許嫁「絶対にこいつだと思うわ」ムフー

男「そうか」

許嫁「信じなさいよ」ペシペシ

男「うぜ……」

なんで俺には許嫁がいないのかな?

男「……」ペラッ

許嫁「すぅ……すぅ……」

男「……おい。自分の家に帰れ」

許嫁「うぅん……」

男「……」

男「寝てるときも離さないからな……」

男「引き剥がすか……」ググッ

許嫁「や、め……て……」

男「……」

許嫁「すぅ……すぅ……」

男「はぁ……もういいよ」

男「……おやすみ」

許嫁「うん……すぅ……すぅ……」

男「ん……朝か……」

許嫁「んん……」

男「……起きろ」ユサユサ

許嫁「あと10秒……」

男「もう起きろよ」

許嫁「うぅ……ねむい……」

男「顔、洗ってくる」

許嫁「わたしも……」トコトコ

男「……」

許嫁「……」ギュゥゥ

男「歩きにくいだろ?」

許嫁「知らないわよ」

男「……」

許嫁「……早く歩きなさいよ」

男「お前は……」

俺は、誰が何と言おうと絢辻さんで再生する!!

男「あれ……朝食作ってくれたのか?」

許嫁「知らないわ」

男「お前しかいないだろ?」

許嫁「テーブルが勝手に用意したのよ」

男「そういうことにしとくか……」

許嫁「……」ギュゥゥ

男「……飯のときは離れろ」

許嫁「……わかってるわよ」

男「いただきます……」

許嫁「いただきます」

男「うん……上手いな」

許嫁「そう?まずいくらいだわ」

男「……」

許嫁「お味噌汁のおかわりは?」

男「まだ、飲みきってない。無くなったらもらう」

>>99

      z|:::::ヽヽ;;;;;;;|    l::: 7;;;:::::::|ム,,
   _z''' ト::::::::__,,,-イ         '''''L,,<_,,
 >'''    从'''              \,,
彡'''                      \<

/:::               , ,     ,,,    ミ \
::::::.    彡     、   i i   /  ,,,   ト <_,,
::::::::    从::  ,,ヾヽ `ヽ (  ) ノ ノ''ii   ヾ <
:::::::彡   /:::::::: ヽ((n\ ) ゞ / (/n))/  ミ  、从
:::::::イ::::: :从/::::/⌒ ミ三\ノ;;;;ゞ/ノ彡⌒  从  ヽ |
::::::::7:::::::: ::::'''w  (⌒ ─-ヽヾ,,( ン _-‐ ) 从   | |
::::::彡 ::::::::::::::::'''z   i   、V /   lll::w^::|   N i
::::从 ::::::::::::/::::::::''z;; ii:::::ヾ _)::(  ,..、 〈/::::::ミ   ミ ,|
::::从 :::::::::::从:::::::::::`〈::|::: (ll:::::i::::::)  /::::::::ミ    '|| ヽ
:::从 ::::::::::::::::/::::::::::::::::\:::::::::'''' ̄ /i l:::::ト     ハ

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:::::::// :::::::::i:/从::::::::;;;;;lLll/V|lノ'|V:i 从::::从...::::::::::<  
::::::::从::::::::::| |N\i::::::;;;;;ll|λV;;|:::;;ノ|''::::::::|:|:::::::::::/|:<  黙れ小僧!!!
::::::::::/::::::::::::::从从|;;;;;;;;;;|l|>|V^Vl//:::::|::从:::::::::从:::<
::::::::::\|ヽ;;;;;:::::::::N    ヾミミ^彡::::::::ノノ::::::::::从 _ ∨^ ∨^ ∨^ ∨^ ∨^
        ̄:::'''---;;;;;;ii;;'^''^:;:::/::从:::::::::::::::|:::'' ' ヾ:::

男「それじゃあ、洗い物は……」

許嫁「出かけたら?」

男「え?」

許嫁「時間でしょ?」

男「あ、ああ……」

許嫁「……」ウズウズ

男「じゃあ、行って来る」

許嫁「うん……」ウズウズ

男「ふわぁ……」スタスタ

許嫁「……」トコトコ

男「ん……?」

許嫁「……」ギュゥ

男「なんだよ?手を離してくれ」

許嫁「いってらっしゃい……」パッ

男「う、うん……」



男「ただいまー」

男「……」

男「さてと、風呂にでも」

男「……その前に部屋にいくか」

男「……」スタスタ

男「ふぅ……」ガチャ

男「疲れた……」

男「……」

男「着替えるか……」

男「えっと……」

コンコン

男「開いてる」

許嫁「よっ!まるでダメ男」

男「足滑らせて落ちろ」

許嫁「結婚できずに童貞のまま死ぬんでしょうね~」ギュゥゥ

男「着替えられないから」

許嫁「着替えなくてもいいわよ」

男「そういうわけにもいかないだろ」

許嫁「知らん」ギュゥ

男「こいつは……」

許嫁「うーんしょ……はい。これでもはけばいいじゃない」

男「……そうだな」ゴソゴソ

許嫁「……」パッ

男「よし……」

許嫁「貴方、いつも臭いわね。香水でつけたらどう?」

男「お前にしか言われたことないぞ」

許嫁「うっそー?クンクン……くっさ!クンクン……くっさ!!」

男「もういい!!離れろ!!おらぁ!!」グググッ

許嫁「やみゅてぇぇぇ……!!」

男「はぁ……」

許嫁「ため息ばっかりね。気持ち悪いわ、死んでくれない?」

男「……」ペラッ

許嫁「むー……」ジーッ

男「……」

許嫁「……」

男「なぁ……」

許嫁「なに?」ペラッ

男「勝手にページを繰るな」

許嫁「なによ?」

男「……お前、結婚したくないんだろ?」

許嫁「ええ。ちっとも。1ミクロンも」

男「なら、もういいだろ。俺の両親は死んじまっていないし、そっちのおじさんもおばさんも、別にいいって言ってるんだろ?」

男「許嫁とか古いし……このまま無かったことにしよう」

許嫁「いいけど。結婚できなくて困るのは貴方よ?それでもいいの?」ギュゥゥ

男「俺は別に独身でもいいしな」

許嫁「なにそれー?独身貴族でも気取る気?」

男「……お前はどうしたいんだ?」

許嫁「私はべつにどーでもいいかなー?」

男「わかった。じゃあ、やっぱりこの話はなかったことにしよう」

許嫁「さんせー」ギュゥゥ

男「ふんっ!!」バッ!!

許嫁「あ……」

男「もう、帰っていいぞ」

許嫁「……」

男「俺は寝るから」

許嫁「……」コクッ

男「素直だな……」

許嫁「……」トコトコ

男「おやすみ」

男「……」ペラッ

男「……ふわぁぁ」

男「寝るか……」

コンコン

男「……?」

ガラッ

許嫁「……」

男「な、なんだよ……?」

許嫁「布団……もってきたわ」

男「それがなんだ……?」

許嫁「私もここで寝るから……」

男「なんで?」

許嫁「布団があれば文句ないんでしょ!!」

男「いつそんな話したよ!?」

許嫁「……」

男「お前……」

許嫁「……だって……」

男「だって、なんだよ?」

許嫁「分かった……帰るわ……」

男「……まて」

許嫁「なによ?」

男「布団もって屋根伝いに帰ろうとするな。危ないだろ」

許嫁「……でも、家の鍵もって来てないけど」

男「もういい。ここで寝ろよ」

許嫁「いいの?」

男「いいよ」

許嫁「……」テテテッ

男「……?」

許嫁「眠いわ。早く電気消しなさいよ」ギュゥゥ

男「自分の布団つかえよ……」

翌朝

男「おきろ……おきろ……」ユサユサ

許嫁「ん……あれ!?いまなんじぃ!?」

男「5時」

許嫁「ごひゃんのじゅんびしなふぁ……」ヨロヨロ

男「まてまて!!」

許嫁「なひ?」

男「目を覚ませ」

許嫁「ちょっとまってくらはい……わあしのだんなしゃんにあしゃごはん……」

男「おーい」ペシペシ

許嫁「お……?」

男「起きたか?」

許嫁「な、なによ……えらく早起きじゃないの……」ギュゥゥ

男「今日は自分で朝食作ろうと思って」

許嫁「ふーん。じゃあ、お手並み拝見よ。……ふわぁぁ」

キッチン

男「……」トントン

許嫁「手伝うわ。みてられない」

男「黙ってみてろ」

許嫁「……」ギュゥ

男「袖をつまむな」

許嫁「な、なによ!ちょっとこうやって袖を捲ってあげようとしただけよ!!勘違いしないで!!」

男「朝から元気だな……」

許嫁「……」ウズウズ

男「……よし。こんなもんか」

許嫁「もういいの?」

男「ああ、できたぞ」

許嫁「遅いわね、手際も悪い」ギュゥゥ

男「なんだと……?じゃあ、食うな」

許嫁「頼まれたって食べないわよ」

男「いただきます……」

許嫁「……」

男「……」モグモグ

許嫁「うぅ……」グゥ~

男「食えよ」

許嫁「いらないっ!」

男「……めんどくさいやつだなぁ」

許嫁「……」グゥ~

男「はい、あーん」

許嫁「やめて!!」

男「あ、そ」

許嫁「……」ギュゥゥ

男「……」

許嫁「ほ、ほら、今は両手が塞がってるから食べさせてよ……」ギュゥゥ

男「抱きつくのやめればいいじゃねえか」

男「じゃ、行ってきます」

許嫁「う、ん……」ウズウズ

男「……」

許嫁「はやくいけば……。こっちみないでよ、気持ち悪いわね」

男「はいはい……」

許嫁「……」ギュゥゥ

男「……手を離せ」

許嫁「……」パッ

男「……じゃあ」

許嫁「……」コクッ

バタン

男「……」

男(アイツが帰ってきてもう二週間か……)

男(なにがしたいんだろうなぁ……アイツ……)

二週間前

ピンポーン

男「はーい……?」

許嫁「……」ウルウル

男「え……?」

許嫁「お、覚えてる……?」ウルウル

男「……だ、だれ?」

許嫁「……やっぱり……忘れてるのね……」ウルウル

男「あー……えー……」

許嫁「昔……許嫁ってことで親同士が……決めたじゃない……」ウルウル

男「あー!!!」

許嫁「やっぱり……少し離れてたから……」ポロポロ

男「あ……あの……」

許嫁「もう……バカ!!」タタタッ

男「あ、おい……!!」

男「なんだ……帰ってくるならくるって言ってくれれば……」

男「久しぶりだな……確かに……」

男「……」

許嫁「……」テテテッ

男「!?」

許嫁「……」ギュゥゥ

男「な……?!」

許嫁「……荷物、置いてきたわ」

男「そ、そうか……」

許嫁「この朴念仁。昼行灯。最低の屑野郎」ギュゥゥ

男「離れろ……」

許嫁「許嫁の顔も忘れるとか……もう本当にバカ。痴呆。」

許嫁「気持ち悪いわ」

男「なら、はなれろって……!!」グググッ

許嫁「んぐぐぐ……!!!」

現在 夜

男(あれからずっと……あの調子なんだよな……)

男(どうしたいのか言ってくれないし……)

男(嫌われてはない……はずなんだけど)

男(踏み込んでいいものか……)

ガチャ

男「ただいま」

男「……」

男「着替えるか……」

男「ふんふふーん……」

コンコン

男「どうぞー」

ガラッ

許嫁「やぁ、無職童貞」

男「童貞だけど働いてるから」

許嫁「あははは、イメージ通り。その歳で童貞とか気持ち悪いわねえ」ギュゥゥ

男「はいはい」

許嫁「そのまま初めを墓場までもっていくの?」

男「飯でも食うかな……」スタスタ

許嫁「ねえねえ」

男「うぜぇ……」

許嫁「……」

男「……なんだよ」

許嫁「すすす捨てるるる、ばば場所にに困っているなななら提供してあああげげててももも……いいいいいけど?」

男「は?」

許嫁「なんでもないわよ!!」

男「そうか」

許嫁「バカ……」

男「……」

許嫁「本当に気持ち悪いわ……貴方」ギュゥゥ

男「……ごちそうさま」

許嫁「……」ギュゥゥ

男「さてと……寝るか」

許嫁「寝るの?」

男「少し本を読んでから」

許嫁「あ、そう」

男「……」

許嫁「……」

男「離れろ」

許嫁「いや?」

男「いやっていうか……お前、何がしたいんだ?」

許嫁「何って……」

男「お前だって疲れるだろ?」

許嫁「別に疲れないわ。元、卓球部だし」ギュゥゥ

男「また、意味のわからんことを……」

自室

男「……」

許嫁「……」ギュゥゥ

男「結婚は?」

許嫁「しない」

男「どうして?」

許嫁「貴方が気持ち悪いから」

男「俺以外の男と結婚は?」

許嫁「しない」

男「ふーん……」

許嫁「……」

男「……」

許嫁「な?!いまのなし!!なしなし!!!」

男「え?」

許嫁「忘れて!!忘れて!!!」ギュゥゥゥ

男「いててて!!!そんなに強く抱きしめるな!!!」

許嫁「忘れて……!!」ギュゥゥ

男「わかった!!忘れる!!何のことかわからんけど!!」

許嫁「はぁ……いきなり誘導尋問とは、やるじゃないの」

男「知らん」

許嫁「……」

男「よっと……」ペラッ

許嫁「……」ジーッ

男「なぁ……?」

許嫁「なに?」ペラッ

男「ページを繰るな」ペラッ

許嫁「やっぱりこいつが犯人よ、この台詞とはすごく怪しいわ」

男「違うだろ」

許嫁「違わない」ペシペシ

男「いちいち叩くな」

男「……怒ってるのか?」

許嫁「なにが?」

男「俺がお前のこと忘れてたのを」

許嫁「別に怒ってないけど」

男「だから、こんな嫌がらせをしてくんのか?」

許嫁「嫌がらせ……やっぱり嫌だったの?」

男「まあ……寝るとき暑いし……」

許嫁「それならそういえばいいじゃない……全く……気持ち悪いわ……」

男「でも、離れないんだな」

許嫁「……離れるわよ……」パッ

男「うん……」

許嫁「……それだけ?」ウズウズ

男「いや……正直、どうしたらいいかなって……」

許嫁「なにが?」ウズウズ

男「お前が結婚したいっていうなら……俺は別に……いいかなって……最近、思い始めた……んだけど……」

許嫁「好きな女がいるんじゃないの?」

男「あのな……」

許嫁「なによ?」

男「……こんなに毎晩くっつかれたら……」

許嫁「あ?」

男「……す、すきになるに……きまってるだ……ろ……」

許嫁「……へ?」

男「だ、だから……都合がいいかも……しれないけど……」

男「お、おまえ、みたいな美人に……毎晩くっつかれたら……その……好きに……なるって……だれでも……」

許嫁「……」

男「料理もうまいし……家事も完璧だし……」

許嫁「……あぁぁ」フラッ

男「おい!!」

許嫁「……」

男「しっかりしろ!!おい!!」

許嫁「お……?」

男「大丈夫か?」

許嫁「……うん」

男「……」

許嫁「……で、どうしたらいいわけ……?」ギュゥゥ

男「何が……?」

許嫁「いや……私……どうしたらいいのかなって……」

男「えーと……俺は……結婚してほしい……」

許嫁「……ほんとに?」ギュゥゥ

男「うん……」

許嫁「好きな人はどうするの?」

男「もう好きなのはお前だ……」

許嫁「……」ウルウル

男「あ……」

許嫁「きもちわるい……いまさら……おそい、わ……」ポロポロ

男「悪かった……」

許嫁「うぅ……ぐすっ……」ポロポロ

男「それにお前だって気づかなかったのも……その美人になってたからで……忘れてたわけじゃないからな」

許嫁「うそつき……」

男「うん。今のはうそ」

許嫁「……でも、今日は許すわ」ギュゥゥ

男「離れろ……」

許嫁「いやよ……離さない……やっと、叶ったんだから……」

男「え?」

許嫁「どうせ、忘れてるんでしょ?」

男「あ、うん……ごめん」

許嫁「じゃあ、いいわ。そのまま忘れてて」

男「そうか……」

許嫁「バカ……しんじらんない……さいてー……」ギュゥゥゥ

男「悪かったって……」

男「電気、消すぞ」

許嫁「うん……」

男「……おやすみ」

許嫁「……ねえ?」ギュゥゥ

男「なんだ。暑いぞ」

許嫁「もう離れない?」

男「え?」

許嫁「私から離れない?」

男「ああ」

許嫁「うん……」ギュゥゥゥ

男「……」

許嫁「いい匂い……貴方の匂い……すき……」

男「くさいっていってたじゃねーか……」

許嫁「あれ……うそ……すぅ……すぅ……」

男「……嘘か……よかった……」

少年「ねえねえ」ギュゥゥゥ

少女「はなれてよ!!」ググッ

少年「やだやだー!!」

少女「うざい!!」

少年「ねえ、僕たち結婚するんでしょ?」

少女「知らないわよ。私はしない」

少年「僕、絶対に幸せにするし、君のこと離さないから!!」ギュゥゥゥ

少女「やめて!!」ググッ

少年「うににに……!!!」

少女「もう……じゃあ、もっと大人になった結婚してあげるから!!」

少年「ほんと!?」

少女「だから……そのときは私のこと離しちゃだ、だめだからね……」

少年「うん!!絶対に離さないよ!!」ギュゥゥゥ

少女「今じゃないの!!」

少年「絶対に結婚しようね―――」

翌朝

男「あ―――」

許嫁「すぅ……すぅ……」

男「そうだ……俺から……離さないって……」

許嫁「ふふ……はなしちゃ……やだ……よぉ……」

男「……ごめん」

許嫁「ん……?」

男「起きたか?」

許嫁「ありゃ!?いま、なんひ!?」

男「5時だな」

許嫁「まぶひ……だんあしゃんにごはん……」ヨロヨロ

男「あぶないぞ」

ゴンッ

許嫁「いったぁぁ……おでこぉ……」

男「大丈夫か?」

リビング

許嫁「うぅ……」ヒリヒリ

男「痛いか?」

許嫁「少し……」

男「そうか」

許嫁「……おいしい?」

男「うん」

許嫁「よかった……」

男「……もう離さないから」ギュゥゥ

許嫁「ちょっと!!急に手を握らないで!!気持ち悪いわ!!」

男「……」

許嫁「……ふん」

男「おかわり」

許嫁「いいけど……手を離してくれないと、入れられないから……」

男「ずっとお前はこんなことしてたんだぞ?」ギュゥゥ

許嫁「そろそろ時間じゃないの?」

男「そうだな」

許嫁「だから、手を……」

男「玄関まで」

許嫁「はいはい……」ギュゥ

男「それじゃあ、今日もいつも通りになるから」

許嫁「うん……待ってる」

男「……」

許嫁「なに?」

男「ん……」

許嫁「んーーーー!!!!!!」

男「……いってきます」

許嫁「あぁぁぁ……」ヘナヘナ

男「おい……キスだけで……どうした?」

許嫁「こし……ぬけた……」

男「立てるか?」

許嫁「な、なんとか……」ヨロヨロ

男「ふふ……」

許嫁「なによ……」

男「お前、処女だろ?」

許嫁「な……!!!ち、ちがうわ!!もうガバガバだし!!!」

男「はいはい」

許嫁「もう……いじわる……!!」

男「それじゃあ……行ってくるよ」

許嫁「う、うん……いってらっしゃい……あ、ああ、あ、なた……」

男「……うん」

バタン

許嫁「……」

許嫁「えーと……まずはおせんたくして……それからおふろそうじ……」ヨロヨロ

許嫁「あぁぁ……なんかやることいっぱい……あるなぁ……♪」



男「ただいまー」

許嫁「お、おかえり……なさい……」モジモジ

男「なにやってんだ?」

許嫁「ご、ごはんにする?おふろにする?それとも……わ、わた……」

男「それ、言いたかったの?」

許嫁「……」コクッ

男「じゃあ……」

許嫁「ご飯ね!!ご飯!!!」

男「勝手に……」

許嫁「変な妄想とかしないで!あなたって本当に気持ち悪いわ!」

男「じゃあ、ご飯にする」

許嫁「うん……」ギュゥゥ

男「もう離さないからな」ギュゥゥ

許嫁「気持ち悪い……でも……嬉しい……大好き……」
                                        おしまい。

男「お前……離れろ……」ググッ
許嫁「うぐぅぅ……!!!」

の流れがすばらしい

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