オタク「ギャルゲーやアニメの主人公って何でモテるんだよ!!!!」(463)

アニメショップ

オタク「理由もなくモテるとか、ありえねーわ!」

友「イケメンだからだろ、ブヒ」

オタク「イケメンでもモテすぎだっつーの!!」

友「でも、そうだよなぁ。大概冒頭で冴えないだとか、今までモテたことがないとかいってんのにな」

オタク「だろー?!二次元ではイケメンだけど、設定上はフツメン以下のはずだろぉ!?」

オタク「俺はもうねハーレムとか許せないわ、マジで。女の子ばっかりでいいわー!!」

友「だな!!ブヒれるしな!!」

オタク「だろー!!」

店員「……」

オタク「教室で少し話しただけで惚れられるんなら、誰でも彼女いるよな」

友「うんうん」

オタク「ハーレム物とか主人公も屑ばっかだし」

友「すげー鈍感なのにな」

オタク「そうそう。それでも献身的になる女の子が何人もいるんだぜ。現実的じゃないよなー」

友「思う思う」

オタク「なんでこんなのに需要があるのか、わかんね」

友「そうだなー」

店員「あの、お客様?」

オタク「は、ははは、はい?」

店員「他のお客様のご迷惑になりますので……」

オタク「あ、あああ、すいません……」

オタク「出るか……」

友「そうだな……」

店員「……」

店長「もうあがっていいよー」

店員「はーい」

店長「じゃ、次は来週ね」

店員「わかりましたー」

店員「……」テテテッ

店長「さーてと。陳列でも―――」

少女「おつかれまでしたー」

店長「おつかれー」

オタク「じゃ」

友「うーっす」

オタク「……」

少女「……」スタスタ

オタク「次の電車は……」

少女「……」

少女(店にいた人……)

少女「すいません」

オタク「え?」

少女「今、何時ですか?」

オタク「い、いい、今は……5時10分だ、だけど」オロオロ

少女「次の電車はいつきますか?」

オタク「う、うえの掲示板に……」オロオロ

少女「……」

オタク「し、しつれいします……」スタスタ

少女「それじゃあ、モテるわけないですよ」

オタク「は……?」

少女「……」

オタク「な、なにが……?」

少女「主人公ならそこで懇切丁寧に優しく時間を教えてくれますし、会話も広がります」

オタク「……」

少女「それか完全無視。主人公ってそういうもんだと思いますね」

オタク「な、なに……?」

少女「顔も駄目。会話もできない。目も合わせない。それでアニメの主人公になれるとか思ってるんです?」

オタク「お、おお、思ってないし……」

少女「なる努力もせずに批判ばっかりですか。モテるわけないですよ」

オタク「……」

少女「なにか?」

オタク「……」スタスタ

少女「逃げるんですか?……さよなら」

自宅

オタク「くそ!くそ!!」

オタク「むかつく!!なんだよ!!くそが!!」

オタク「スレでもたてるか……」

オタク「『今日駅で変な女に出会った』っと」カタカタ

オタク「立ったら書くっと……」

オタク「フヒヒヒ……ここでストレスを発散させてやる……!!」

オタク「……」カタカタ

オタク「フヒヒヒ」

数時間後

『とりあえずお前が悪い』

『きんもー☆』

『その女の子は正論しかいってない件』

オタク「ざっけんな!!」

オタク「なんで俺が批判されなくちゃいけねーんだよ!!!」

オタク「おかしーだろ!!見ず知らずの相手に暴言吐くとかないわー!!」

『整形しれみたら?^^』

『キモオタ発狂中~』

オタク「くそ!!くそ!!!」

オタク「ふざけんな!!くそが!!」

オタク「死ね!!全員死ね!!!」

『お前はそんなだからモテないんだよ』

オタク「顔がよければ……俺だって……!!!!」

オタク「くそが!!!」

翌日 駅

オタク「くそ……昨日のイライラが収まらない……」

オタク「全部、あの女の所為だ……」

オタク「今度、見つけたら……!!」

オタク「絶対に文句言ってやる……」

少女「……」

オタク「……!?」

少女「同じ駅を利用してたんですね」

オタク「な……」

少女「文句があるなら、どうぞ」

オタク「……」スタスタ

少女「文句はないんですか?」

オタク「……」スタスタ

少女「……いつまでたっても主人公にはなれませんね」

オタク「き、きみ……おかしいぞ……頭が……」

少女「……」

オタク「いきなり……人格批判とか……名誉毀損だぞ……」

少女「では、訴えてもいいですよ」

オタク「な……」

少女「そこまでの行動力があるなら、少しだけ惚れてもいいですよ?」

オタク「……!?」

少女「主人公は多かれ少なかれ、常人では真似できない行動力があります」

少女「出てくるヒロインはそこに惹かれている場合が多い」

オタク「な、なにを……」

少女「決してカカシに女の子が群がっているわけじゃありませんから」

オタク「……」

少女「さ、どうぞ。裁判でもしましょうか?」

オタク「……」

少女「……」

『間もなくホームに電車がまいります』

少女「今日はここまでですね」

オタク「き、君は……なんで俺にそそ、そんなことを……?」

少女「好きなんですよ」

オタク「は……?」

少女「……」

オタク「ど、どういう……」

少女「さよなら。また会うかもしれませんね」

オタク「ま……!!」

『扉が閉まります』

オタク「あ……」

オタク「好きって……」

翌日 駅

オタク「……」

オタク「……」キョロキョロ

オタク「ふぅ……あの子はいないみたいだな……」

少女「いますけど」

オタク「うわぁぁ!!!」

少女「おはようございます」

オタク「な……」

少女「……」

オタク「……」

少女「ここで会話もなしとか、ほーんとモテない人の典型ですね、貴方」

オタク「なにを……!!!」

少女「好きなアニメの話とかします?私、結構詳しいですよ?」

オタク「どどど、どうせにわかだろ……」

少女「あはは。それ言っちゃうと会話が終わるってわからないんですか?はぁ……折角話を振っても意味ないじゃないですか」

オタク「……き、きのう……」

少女「はい?」

オタク「す、すきって言ったよな……」

少女「ええ」

オタク「それって……なにが好きなんだ……よ……?」

少女「鈍感」

オタク「え……」

少女「まあ、鈍感なのも主人公の基本的な能力ですからねー」

オタク「……」

少女「……」

オタク「あの……さ……」

少女「なんですか?」

オタク「なんで俺に声を……?」

少女「だから、好きなんですよ」

オタク「……」

『間もなくホームに電車がまいります』

少女「さて、と。今日はここまでですね」

オタク「……」

少女「さよなら」

オタク「ま、まってくれ……」

少女「……」

オタク「お、俺……なの……」

少女「なんですか?」

オタク「……」

少女「さよなら」

オタク「あ……」

オタク「……」

オタク(ど、どうしたら……いいんだ……)

学校

友「告られた!?」

オタク「おお……」

友「マジかよ!!つきあっちゃえよ!!」

オタク「でも、全然知らない奴だし……」

友「いいじゃんいいじゃん」

オタク「……」

友「なんだよ」

オタク「も、もしかしたら悪戯かもしれないだろ……?」

友「ああ……確かに」

オタク「ど、どうしたらいい?」

友「とりあえずもっと話してみろって」

オタク「さ、探りをいれろってか?」

友「おう」

オタク「わ、わかった……」

翌日 駅前

少女「……」

オタク「お、おお、おはよう……」

少女「おはようございます」

オタク「……あ、あの……」

少女「なんですか?」

オタク「お、おれと……どっかで会ったことあるのか……?」

少女「お店で」

オタク「お店……?」

少女「貴方、よくアニメショップを利用してますよね?」

オタク「あ、ああ……」

少女「私、そこでアルバイトをしているんです」

オタク「あああ!!!」

少女「今頃気がついたんですか?ま、よくあることですね。主人公ポイントを2だけあげます」

オタク「……」

少女「いつもレジで貴方を見ていました」

オタク「そ、そうだったのか……」

少女「はい」

オタク「……」

少女「なんですか?」

オタク「あ、あの……あの……なんで俺のことを見てたんだ……?」

少女「自然と見てました。いつもご友人と話されているので」

オタク「そそそ、そうなのか……」

少女「はい」

オタク「悪戯……じゃないのか?」

少女「は?」

オタク「だ、だから……こうやって話してるのは嫌々とかじゃ……」

少女「そういう疑心暗鬼といいますか、対人恐怖症な主人公は好感もてませんよ?」

オタク「だ、だって……」

少女「モテる主人公は良くも悪くも相手に甘い。下心のあるなしに関係なく。これも重要です」

オタク「そ、そんなの現実なら利用されて終わりだろ」

少女「ま、そうですね。でも、利用されるのが怖いからと殻に篭っているのも如何なものかと」

オタク「……」

少女「外側に心を向けない人に誰も魅了されたりしません」

オタク「そ、そうなのか……」

少女「とはいえ、貴方みたいに成長しすぎるともう修正は不可能でしょうけど」

オタク「な……」

少女「二次元に現実逃避しているくせに、そこでも人格批判しちゃってる貴方じゃあどうしようもないかと」

オタク「な、なにを……!!」

少女「あの男がむかつくとか、登場人物がうざいとか……鏡でもみてはどうですか?」

オタク「おい……!!」

少女「もっとうざくて胸糞悪くなるような人物が映るはずですよ?」

オタク「……DQNが……」

少女「はいはい」

オタク「お、おれ……君のこと……嫌いだ……」

少女「……」

オタク「も、もう……話しかけるな」

少女「嫌です」

オタク「……!?」

少女「どうして私が貴方の言うことをきかないといけないんです?」

オタク「……」

少女「嫌なら電車の時間、変えたらどうですか?私は変えませんが」

オタク「くっ……」

『間もなく―――』

少女「ここまででですね」

オタク「なんで……」

少女「さよなら」

『扉が閉まります』

オタク「……」

翌日 駅

オタク「……」

オタク(電車の時間なんてそう簡単に変えられるかよ……)

少女「……」

オタク(最後尾の車両にのれば……)

少女「……」スタスタ

オタク「!?」

少女「おはようございます」

オタク「お、おはよう……」

少女「……」

オタク「な、なんだよ……」

少女「はぁ……どうして私からばっかりが話を振るんですか?もっと貴方からあってもいいと思いますけど」

オタク「言っただろ……俺は君のことが嫌いなんだ……」

少女「嫌悪してても話しかけられたら紳士的な対応をするのも主人公には必須だと思いますけど?」

オタク「し、しらない。俺は主人公じゃない……」

少女「ですね。こんなに冴えない主人公なんて8週打ち切りですよ」

オタク「くそ……」

少女「喋りすぎる男もだめですけど、そうやって全く喋ろうとしないのも男女問わず嫌われるところですね」

少女「ハーレム物の主人公は女の子だけじゃなく、男性キャラかも好かれています。その意味がわかりますか?」

オタク「いや……」

少女「男友達にモテずして女の子にモテるわけないんです」

オタク「お、おれだって……友達ぐらい……」

少女「携帯電話の電話帳……何人登録してます?」

オタク「……」

少女「今の携帯電話ってどんなに少なくても1000件ぐらいは登録できますよね?」

少女「多い奴はもっとありますけど」

オタク「そ、そうだな……」

少女「メールや着信履歴……最近の日付はどうなってます?」

オタク「……」

少女「昨日ですか?三日前?一週間?それと一ヶ月前?どうなんです?」

オタク「うるさい!!!」

少女「……」

オタク「お、おまえ……おかしいぞ!!」

少女「何がですか?」

オタク「なんでそんなことを言うんだよ!!」

少女「……」

オタク「お、おれのこと……好きなんだろ……!!」

少女「……」

オタク「は、はっきり……そういえば……お、おお、俺だって……」

少女「は?」

オタク「え……?」

少女「私、貴方のこと好きじゃないですけど?」

オタク「だ、だって……好きだって……」

少女「いつ貴方は私に優しくしてくれました?楽しい会話を提供してくれました?暴漢から助けてくれました?」

オタク「あ、そ、それは……いや、でも……」

少女「何もしていないのに、惚れるわけないじゃないですか。貴方は主人公ではないんですよ?」

オタク「じゃ、じゃあ……どうして……?」

少女「私の好きな作品を堂々と批判していたのが許せなかったんです」

オタク「な……」

少女「二次元の女の子がいいとか、この男は駄目だとか散々嘯くだけで、なんの努力もしない貴方に」

オタク「……」

少女「まぁ、確かに私も少し言い過ぎました。謝ります」

少女「でも……レジの中で貴方が大声で作品を批判する様はどうしても許容できなかった」

少女「……だから、以下に貴方が劣っているかわからせてあげたかった」

オタク「き、きみは……じゃあ……」

少女「もう話しかけません。あと、お店にも来なくて良いですから」

オタク「なに……」

少女「仕事とお客さんの邪魔です」

オタク「……」

『間もなくホームに電車がまいります。黄色い線の内側にお下がりください』

自宅

オタク「……」

テレビ『あ、あなたのことなんて全然好きじゃないんだからね!!』

オタク「あれがツンデレ……」

オタク「な、わけないか……」

オタク「現実の女なんてやっぱ最低だよな……」

オタク「二次元最高じゃねーか……」

オタク「……」

テレビ『ちょっと!!嫌いっていってるでしょ!バカ……』

オタク「……」

オタク「携帯電話……着信履歴は……」

オタク「カーチャンばっかだな……」

オタク「もう寝るか」

翌日 駅

オタク「……いる」

少女「……」

オタク「もうどうでもいいか」

オタク「……」

少女「……」ポチポチ

オタク(メールか……彼氏とかいるんだろうな……)

オタク(俺には縁が無いな……)

オタク「……」

少女「……」

オタク(やべ……目があった……)

オタク(向こうに行くか……)

翌日 駅

オタク「……」

少女「……」

オタク(時間……変えようかな……)

オタク(い、いや……なんか負けたような気がするし……)

オタク「……」

少女「……」

オタク「……はぁ」

オタク(いいや……時間変えよう……)

オタク(あの子も俺のことなんて見たくないだろうし……)

オタク(うん……)

数日後 日曜日

友「今日もアニメショップいくか」

オタク「あ、あそこはやめよう」

友「なんで?」

オタク「だ、だって……ほら。もう飽きただろ?」

友「えー。でも、近所だとあそこしかないけど……」

オタク「た、たまにはほら遠出するのもありだろ?」

友「あそこでいいじゃん。いこうぜ」

オタク「でも……」

友「なんかあるのか?」

オタク(そうだ……あの子が休みってこともあるし……)

オタク(別に正式に出入り禁止くらったわけでもないし)

オタク「い、いや……いこう」

友「おし」

アニメショップ

友「あ、新刊でてるぜー」

オタク「マジだー」

店員「……いらっしゃいませー」

オタク「!?」

店員「……」

オタク(あ、あの子だ……)

店長「おーい、ちょっと」

店員「はーい」テテテッ

オタク「……」

友「やっぱここが……おい、どうかしたのか?」

オタク「え。いや……なんでも……」

友「あの店員……になんかあるのか?」

オタク「実は……その……俺のこと好きだって言ってきたやつ」

友「マジで!?そういえば、その話どうなったんだ?」

オタク「お、俺が振った……」

友「すげー。なんだよ、メンヘラだったとか?」

オタク「ま、まあそんなとこだ」

友「そうなのか……」

オタク「だから……」

友「居づらい、よな」

オタク「おう」

友「それならそうと言ってくれればいいのに」

オタク「悪い悪い」

友「じゃあ、出るか」

オタク「ああ」

友「これだけ買ってくるな」

オタク「外で待ってる」

友「あいよー」

友「すいませーん」

店員「ありがとうございます」

友「……」

店員「620円です」

友「あの……」

店員「はい?」

友「俺の連れに振られたってマジですか?」

店員「え?」

友「いやさっき……」

店員「なんのことでしょう?」

友「い、いえ……なんでもありません」

店員「80円のおつりになります」

友「ど、どうも」

店員「ありがとうございましたー」

店員「……」

翌日 駅

オタク「……ふぅ」

少女「おい」

オタク「わぁ!!!」

少女「私をいつ振ったんですか?」

オタク「な、なな……!?」

少女「……そういう小さな見栄もモテないところですよ?」

オタク「ど、どうして……時間を変えたのに……!!」

少女「時間変えたって一本早めただけじゃないですか」

オタク「……」

少女「はぁ……もう一生彼女なんてできませんね、貴方」

オタク「な、なんだと!?」

少女「オタク趣味の女の子も理想は高いですからねー。相当、気が合わないと男女の関係には発展しませんよ?」

オタク「……」

少女「ふん……」

オタク「話しかけないっていったくせに……」

少女「あまりにも酷い事実改ざんをしたからです」

オタク「……」

少女「訂正ぐらいはしますよ」

オタク「……」

少女「……なんで黙ってるんですか?」

オタク「だって、喋ることないし」

少女「そうですね……」

オタク「……」

少女「……」

オタク「お、俺のこと嫌いなんだろ……もう喋りかけないでくれよ……」

少女「じゃあ、もう私の好きな作品を貶めませんか?」

オタク「ああ……」

少女「なら、いいです。もう、好きにしてください」スタスタ

オタク「あ……」

翌日 駅

オタク「……」

少女「ふわぁ……」

オタク「……」

少女「おはようございます。時間、元に戻したんですか?」

オタク「う、うん……」

少女「どうしてですか?」

オタク「なんとなく……」

少女「そうですか」

オタク「……」

少女「……」

オタク「あの……」

少女「……」

オタク「……」

少女「言いかけてやめないでください。気持ち悪いのは外見だけにしてもらえますか?」

オタク「な、なんで……」

少女「なんですか?」

オタク「あ、あの……昨日のアニメみた……?」

少女「昨日の?」

オタク「ほ、ほら……TBSでやってる……」

少女「ああ……」

オタク「み、みた?」

少女「それがどうしたんですか?」

オタク「いや……見たかなぁって……」

少女「見ましたけど?」

オタク「そう……」

少女「……」

オタク「……」

少女「こら。どうしてそこで会話が終わるんですか?」

オタク「え……?」

少女「感想を求めるとか、自分はこう思ったんだだけど、君はどう思うー?とかあるでしょう?」

オタク「あ。えっと……どう思った?」

少女「はぁ……。良いですか?別に話しかけるために下準備までしろとはいいませんし、オチを用意する必要もありません」

少女「ただ、共通の話題を用意する。それだけで数分は会話がもちます」

オタク「そ、そう……」

少女「はい。やり直し」

オタク「え、っと……昨日のアニメ、見た?」

少女「見ました」

オタク「ど、どうだった?」

少女「あれ、見てないんですか?」

オタク「見たよ」

少女「そうですか」

オタク「……」

少女「だーかーらー!!なんでそこで続けようとか思わないんですか!?」バンバン

オタク「いや……え……」

少女「本当に駄目ですね」

オタク「……いや、だって……」

少女「私は見ました。貴方も見た。なら、感想とか言い合えます」

オタク「……」

少女「あの台詞はどうだったか、あのシーンはよかったとか」

オタク「おぅ……」

少女「はい。もう一度」

オタク「えっと……そっか……見たんだ」

少女「はい」

オタク「……キャラは誰が好き?」

少女「私はあの金髪の女の子が好きですね」

オタク「えー?そう?」

オタク「あれは狙いすぎって感じがするから俺はあまり―――」

少女「なんで否定からはいるんだ、このやろぉ……!!!」

オタク「あ……す、すいません……」

少女「否定したら相手と対立するだけって分からないんですか?」

オタク「……」

少女「ストーリーの良し悪しを話しているならまだしも、好きなキャラを否定するなんてありえません」

少女「相手の好きな食べ物を『あんなもん食べるとか信じられない』って言っているようなものです」

オタク「そ、うか……」

少女「会話っていうのはとりあえず肯定すること。もちろん肯定できないって場合もあると思います」

少女「でも犯罪チックな事柄じゃない限りは無理にでも肯定してあげるか。どうしてもという場合はスルーする」

オタク「そ、そんなの相手が調子にのって……」

少女「調子に乗って自分のことをベラベラと喋りだすようなら、無視しちゃっても良いんじゃないですかね?」

少女「そう言う人は人の話なんて聞きませんし」

オタク「……」

少女「そろそろ電車が着ますね」

オタク「も、もう……そんな時間か……」

少女「では、また明日」

オタク「え……?」

翌日 駅

オタク「趣味は……?」

少女「漫画を読むこと、歌を聴くことですね」

オタク「お、おれは……アニメ鑑賞が趣味、です……」

少女「どんなアニメを見るんですか?」

オタク「も、萌え系……」

少女「そうですか」

オタク「はい」

少女「……」

オタク「……」

少女「―――わたしのこともきかんかーい!!!!」

オタク「ひぃ!?」

少女「なんで自分のことしか言わないんですか?!どんな漫画読むの?とかどんな音楽が好きなの?とか訊いて下さいよ!!」

オタク「あ……」

少女「そこからまた共通点とか共感できるところが見つかるかもしれないでしょう?全く……」

オタク「ご、ごめん……」

少女「はぁ……」

オタク「えっと……どんな漫画が好きなの?」

少女「そうですね……ガンスリとかケメコとか……最近だとりびんぐでっども好きですね」

オタク「へえ……」

少女「スポーツ漫画も見ますよ。ダイヤのAが個人的には大好きです」

オタク「そうなんだ」

少女「はい」

オタク「……お、俺も……漫画読むよ……」

少女「どんな漫画ですか?」

オタク「えっと……ワンピースとか」

少女「おい」

オタク「え……」

少女「いや、なんでそういうメジャータイトルを出してくるんですか?いや、別に悪いとはいいませんけど……」

オタク「ほ、ほんとうに読んでるし……君も読んでるだろうなって……」

少女「もう少しマニアックなタイトルでもいいですよ?」

少女「こういうの知ってる?えー、知りません。じゃあ、教えてあげるよ。ってまた会話が延びるじゃないですか」

オタク「そ、そうか……」

少女「ま、確かに読んでますけど」

オタク「そ、そう……」

少女「……」

オタク「……ゲームはす、する?」

少女「ゲームですか……RPGぐらいですけど」

オタク「あ、えっと……アルトネリコは知ってる?」

少女「名前だけなら。面白いんですか?」

オタク「うん」

少女「どんな風に?」

オタク「えと……システムが斬新で……女の子が可愛い」

少女「具体的に」

オタク「……いや、具体的にとか言われても困るし……」

少女「ストーリーとか」

オタク「あ……ちょっとまって……今、ウィキで……」

少女「それはおかしいってわかりませんか!?」

オタク「え?!」

少女「なんでネットに頼るんですか?それが通じるなら会話なんていりませんよ!!」

オタク「そ、そうだね……」

少女「女の子が謳う事でパワーアップできるとかそういうことを言わないと」

オタク「な、なんだ知ってるのか……」

少女「そういう問題じゃありません」

オタク「え?」

少女「知っていても気を遣って「知らない。教えて」って言ってくる人はいますよ?」

オタク「……」

少女「だから、訊いた以上は柔軟に返していかないと」

オタク「そ、そうか」

少女「はい」

少女「今日はここまでですね」

オタク「あ……」

少女「……なんですか?」

オタク「あ、ありがとう……」

少女「別に。ただの暇つぶしですし」

オタク「そ、そうなんだ……」

少女「……嫌なら、もうやりませんけど」

オタク「い、嫌じゃない……!!むしろ……してほしい……」

少女「……」

オタク「……」

『扉が開きます。ご乗車の際は足下にご注意ください』

少女「では、また明日」

オタク「お、おう……」

翌日 駅

オタク「えっと……ネットとかする?」

少女「んー……動画とか良く見ますね」

オタク「あ、じゃあ……あれとか知ってる……あの怖い系でさ……」

少女「はいはい」

オタク「火事が起こって皮膚がただれてる男性が一瞬―――」

少女「ぎゃぁー!!!!」

オタク「え……」

少女「そ、想像しちゃったじゃないですか……!!なんでそれを一発目の話題に出すんですか……!!」

オタク「いや、マニアックなほうがいいかなって……」

少女「そういうマニアックさはいりません」

オタク「難しいな……」

少女「どこがですか……」

オタク「じゃあ、えっと見たら死ぬっていう―――」

少女「そっちでいくのはやめてください!」

翌日 駅

オタク「お、俺、日常系とかあんまり好きじゃないんだ……」

少女「そうなんですか?」

オタク「いや、確かにあってもいいんだけど、持て囃すだけのジャンルではないって思うんだ」

少女「確かに……まあ、粗製乱造されては困りますね」

オタク「だろ?」

少女「でも、いい作品はいいですよ、やっぱり。作画も音楽も。ストーリーはあってない様なものですし、そこを批判するのはどうかと」

オタク「そっか。俺もキャラが魅力的に見えるのは日常系とは思うんだ」

少女「何も設定がない分、キャラが気負ってなくて中身空っぽな分、かわいさだけが前面に出ますからね」

オタク「それっていいことか?」

少女「私は別に嫌いじゃないですけど」

オタク「そっか」

少女「はい」

オタク「……えーと……君はどんなジャンルが好きなんだっけ?」

少女「私は一見、ただの萌え作品かと思いきやの職業モノとかバトルモノが好きですねぇ……」

翌日 駅

少女「昨日、学校の体育の時間に犬が入ってきたんですよ」

オタク「それで?」

少女「いや、まあ、それだけですけど」

オタク「……い、犬といえば……あれだ……」

少女「なんですか?」

オタク「ほら……えーと……」

少女「はい」

オタク「……ごめん。なんでもない」

少女「漫画・アニメから離れるとそうなるんですね……」

オタク「ごめん……」

少女「ま、いいですけど……」

少女「会話が途切れることも少なくなってきましたし」

オタク「そ、そうかな……」

少女「ええ、会話してて時間を忘れるぐらいには上手くなってると思います」

学校

オタク「―――ってことなんだよなぁ」

友「そうだなぁ。うんうん」

女子「へえ、そうなんだぁ」

「今度いってみるぅ?」

女子「いくいく」

オタク「ん……?」

友「どうした?」

オタク「……あの」

女子「はい?」

オタク「ハ、ハンカチ、落としましたよ……」

女子「どうも」

オタク「……じゃ、じゃあ、ここ、これで……」

「あいつ、同じクラスの奴だっけ?初めて声聞いたわ」

女子「そうだね」

数日後 駅

オタク「身なり……?」

少女「はい」

オタク「身なりって……」

少女「美容室にいって、かっこいい服を着るんですよ」

オタク「む、難しいな……」

少女「いつまでもお母さんと一緒に服を買いにいってないですよね?」

オタク「い、いいい、いくわけないだろ!!」

少女「なら、いいんです」

オタク「……」

少女「今度の土曜日。暇ですよね?」

オタク「え、ええ……まぁ」

少女「なら、美容室にいって、服を買いましょう」

オタク「で、でも……俺一人じゃあ……」

少女「そんな酷なことは言いません。私も行きます」

オタク「君と一緒にぃ!?」

少女「む……嫌ですか?」

オタク「い、いやじゃないけど……」

少女「なら、行きましょう」

オタク「で、でも……それってデート……だよな?」

少女「それが?」

オタク「い、いいの?」

少女「いいから提案したんです」

オタク「な、なら……いく」

少女「では、土曜日の朝9時に駅前で」

オタク「わ、わかった……」

少女「都合よく電車も着ましたね……」

オタク「あの……どうして……?」

少女「あなたが嫌いだからです。―――では、また」

オタク「意味が……わからないけど……」

土曜日 駅前

オタク「……もしかして、来ないんじゃあ……」

少女「……おはようございます」

オタク「お、おぉ!?」

少女「何を驚いているんですか?」

オタク「い、いや……」

少女「さ、行きましょうか」

オタク「あ、うん……」

少女「もう美容室は予約していますから」

オタク「そ、そうなのか……」

少女「髪型を変えるだけ顔つきも変わったりしますからね」

オタク「へえ……」

少女「向こうです」

オタク「う、うん……」

数時間後

オタク「どうかな……?」

少女「さ、次は服ですよ」

オタク「……」

少女「予算はどれくらいですか?」

オタク「3万くらいで……」

少女「微妙ですけど……」

オタク「仕方ないだろ……」

少女「ま、いいです。行きましょう」

オタク「ところで髪型……」

少女「服は妥協してはいけません」

オタク「……」

少女「高いものほど見栄えもいいです。安いものは余程コーディネートに自信がないと着ないほうが良いです」

オタク「外見じゃないだろ……男は中身……」

少女「なら、二次元のイケメンに嫉妬するのはお門違いです」



少女「うーん、これかな……?」

少女「それとも……」

少女「いやいや……」

少女「あのー」

オタク「なに?」

少女「どっちが似合うと思います?」

オタク「あの……俺の買い物だよな?」

少女「どっちがいいと思います?」

オタク「右かな?」

少女「んー……なんか違うんですよね」

オタク「なんだと……!?」

少女「ふんふふーん♪」

オタク「はぁ……」

オタク(お腹すいた……)

「あ、ここここ」

女子「へー」

女子「あ……」

オタク「……こっちがいいのか?それとも……」

「あれ。クラスのキモオタじゃん」

「なにしてんだろ?」

女子「彼女と一緒とか?髪もセットしてるし……」

「まさかー」

「ありえねー」

「ちょっと、じゃんけんで負けた奴が聞きに行こうよ」

女子「ちょっと、だめだよ」

「いいじゃんいいじゃん。最初はグーだよ」

女子「もう、駄目だったら」

「出さないと負けよ、最初はグー、じゃんけんぽん!」

女子「もう!」

女子「あ……あの……」

オタク「え……?」

女子「えっと……」

オタク「あ、ああ……奇遇だね……」

女子「な、なにしてるの……?」

オタク「えっと……服を買いにきてるんだ」

女子「へえ……いつもくるの?」

オタク「いや。たまたま」

女子「そうなんだ……」

オタク「君も?」

女子「う、うん。友達と」

オタク「友達はいいの?」

女子「う、うん」

オタク「……どんな服が好きなの?」

女子「へ?」

オタク「いや、ほら、いっぱいあるし」

女子「えっと……私はこういうチェック柄なのが好きなんだけど……」

オタク「へえ。可愛いな」

女子「そうかな?」

オタク「男性物とかも着たりするの?」

女子「うーん。いや、流石に外では着ないけど、家着としてなら」

オタク「このパーカーとか似合うと思うけど」

女子「えー?そうかな?」

オタク「好みじゃない?」

女子「色は好きだけど、違うかなぁ」

オタク「そっか。でも、ちょっと大き目の服を着崩して部屋にいる女の子ってすごく可愛いと思うんだ」

女子「えー?だらしないだけじゃないかな?」

オタク「そんなことないって。なんか少しちらかった部屋の真ん中でお菓子を咥えながら座ってると……うん、可愛い」

女子「んー……?男の人ってそう言うの好きなの?」

オタク「ギャップ、かな。ほら、清潔そうにしている人が普段はだらしないとかときめくものがあるし」

オタク「だから―――」

女子「えー?」

「あれれ?帰ってこないぞ……?」

「どうしたんだろう……?」

「なんか話してるね……」

「どうするー?」

オタク「あ、ごめん。友達待ってるんじゃ……」

女子「あ、そうだった!!ごめんね、またね!」

オタク「う、うん……」

オタク「……ふぅ」

少女「ただいま」

オタク「おかえり……決まった?」

少女「また、今度にします。それより、貴方の服を選びましょう」

オタク「やっとか……」

オタク「一体どれが……」

少女「ところで」

オタク「ん?」

少女「先ほどの女性は?」

オタク「ああ、クラスメイト。あんまり話したことなかったけど……」

少女「でも、なんかスイッチ入ったみたいになってましたけど」

オタク「た、多分君と会話してるせいで……」

少女「……」

オタク「俺も何を話したか良く覚えてないし……」

少女「そうですか……すごいですね。女の子に話しかけられてスイッチ入るなんて」

オタク「君に調教された所為だ……きっと」

少女「その調子なら三次元の彼女もできるんじゃないですか?」

オタク「そ、そうかな……」

少女「さ、かっこいい服を買いましょう。選びましょう!」

オタク「わ、わかった……」

夕方 駅前

少女「それでは」

オタク「色々、ありがとう……」

少女「いえいえ」

オタク「じゃあ、また」

少女「はい」

オタク「た、たのしかった」

少女「私は疲れました」

オタク「そう……」

少女「でも、楽しかったですよ?」

オタク「あ、ああ……」

少女「では、また明日」

オタク「ああ……また明日」

翌週 学校

オタク「はぁ……次の時間は……」

女子「ねえねえ」

オタク「え?」

女子「結局、あれから服とか買ったの?」

オタク「あ、うん。買った」

女子「どんな服?」

オタク「えっと―――」

「ちょっと、いくよー?」

女子「あ、うん。ごめん、また聞かせてね」

オタク「うん」

友「いいなー!!!」

オタク「なにが?」

友「女の子に話しかけられるとかリア充かよ!?」

オタク「いやいや……あれはただの好奇心だろ……」

翌日 駅

オタク「いやぁ……ちょっとそれは違うと思う」

少女「なんでですか?」

オタク「だって……」

『間もなく電車がホームにまいります』

少女「あ……」

オタク「今日はここまでか」

少女「……そうですね」

オタク「ありがとう」

少女「いえ」

オタク「それじゃあ」

少女「はい。お先に失礼します」

オタク「また、明日」

少女「はい」

学校 放課後

オタク「かえろ……」

女子「あ、まって」

オタク「え?」

女子「駅、一緒だよね?」

オタク「そ、そうなの?」

女子「一緒に帰る?」

オタク「え……いいの?」

女子「服のこと聞きそびれたし」

オタク「そんな大した話じゃないけど」

女子「それに……」

オタク「え?」

女子「話してて楽しいし」

オタク「そ、そう?」

女子「うん」



オタク「深夜アニメを意識してたらそんな服ばっかり選んでて、さすがにないなーって。結局一着しか買ってない」

女子「あはは、そうなんだー」

オタク「うん」

女子「それじゃあアニメとか好きなの?」

オタク「ま、まあ。人並みに見るかな……」

女子「ふーん。アニメとか興味ないんだけど、あれって子どもが見るものじゃないの?」

オタク「最近は中高生のほうが見てる人多いと思う。深夜にやってるぐらいだし」

女子「それもそっか。じゃあ、私が見ても面白いって思えるものなの?」

オタク「そうじゃないかな……。個人差はあるだろうけど」

女子「へえ……おすすめとかある?」

オタク「オススメか……やっぱり日常系かな……」

女子「にちじょうけい?」

オタク「殆どストーリーがなくて何話から見ても楽しめるから」

女子「どんなアニメがあるのかな?」

翌日 駅

少女「で、そのあとは?」

オタク「特に。アニメのタイトル教えたら「みてみるー」って言ってたけど」

少女「ほーん」

オタク「それだけ。多分、社交辞令みたいなもんだと思うけど」

少女「9割そうだと思います」

オタク「だよな……」

少女「でも、もう自然と会話できるようになってますね」

オタク「会話だけなんだけど」

少女「会ったときに比べれば雲泥の差ですよ」

オタク「そうかなぁ……」

少女「ええ。そこは間違いなく」

オタク「あ、電車だ」

少女「それじゃあ」

オタク「うん」

放課後 通学路

オタク「今日は……なにしようかぁ……」

女子「待って!」

オタク「え……?」

女子「よかった……はぁ……」

オタク「どうしたの……?」

女子「昨日、ネットの動画で見てみたよ」

オタク「なにを?」

女子「アニメ。一話だけだけど」

オタク「え……見たの?」

女子「うん。結構、面白いね。女の子もかわいいし」

オタク「あ……そうでしょ?」

女子「うん。今日も帰ったら二話目みてみるから」

オタク「そう……」

女子「ハマる人が多いのもなんとなく分かるよ。見てて楽しいもんね」



女子「新しい趣味にするかどうかは微妙だけどね」

オタク「趣味か……趣味ってなに?」

女子「私は絵を描くのが好きなんだ。風景画なんだけど」

オタク「油絵?」

女子「ううん。そんなことしないよ。使うのは鉛筆だけ」

オタク「そうなんだ……。部活とか入ってないの?」

女子「いやぁ……趣味だし」

オタク「その絵、見てみたいな……」

女子「いやいや。人に見せるものじゃないよ」

オタク「でも、見たいな」

女子「気が向いたらね。……でも、絵を描くとかその……根暗っぽくないかな?」

オタク「え?この歳でアニメ見てる俺のほうが根暗だとおもうけど」

女子「あはは、それもそうだね。根暗だー」

オタク「そうはっきり言うものでもないと思う……」

数日後 駅

オタク「それでさ、今日、ついにその子が絵を見せてくれるっていうんだ」

少女「そうですか……」

オタク「どんな絵か、楽しみなんだよな……」

少女「……」

オタク「そういえば、そういう風景とかに興味あったりする?」

少女「気に留めたこともないですね」

オタク「俺も。でも、絵にするとまた違って見えるんだろうな」

少女「でしょうね」

オタク「この目の前のホームも絵にすると印象が変わるんだろうな」

少女「そうかもしれませんね」

オタク「……」

少女「……」

オタク「あ、えと……」

『間もなく電車がホームにまいります』

放課後 駅

女子「これなんだけど……」スッ

オタク「おー……すげー」

女子「そ、そんなこと……」

オタク「これどこの絵?」

女子「自宅から見えるところ」

オタク「へえ……綺麗だ……」

女子「あ、まだあるんだけど……こ、これ」

オタク「これは?」

女子「近くの公園……」

オタク「なんかこの草とか風が吹けば揺れそうなほど、柔らかいというか……優しい絵だ……」

女子「ほ、褒めすぎだから……」

オタク「そんなことないって」

女子「もう……」

オタク「こっちもすげー……」

翌日 駅

オタク「やっぱり絵は上手かったよ」

少女「そうですか」

オタク「見る?携帯のカメラで撮ったんだ」

少女「え?」

オタク「ほらほら」

少女「本当ですね」

オタク「だろ?」

少女「あの……昨日のアニメは……?」

オタク「え?ああ、録画したまま見てない」

少女「……そうですか」

『間もなく電車がホームにまいります』

オタク「あ……れ?」

少女「さよなら」

オタク「あ、うん……」

放課後 駅

女子「へえ、あのアニメってそんなに人気があるんだ」

オタク「うん」

女子「じゃあ、他に知ってる人がいても変じゃないんだ」

オタク「うちのクラスでも何人か知ってると思う」

女子「そっか……。ねえ、アニメ以外にテレビはみないの?」

オタク「バラエティ番組とかは見るけど」

女子「ほんと?じゃあ、月曜日の八時からやってるやつはしってる?見てる?」

オタク「うん。知ってる」

女子「あれ面白いよねー」

オタク「うんうん」

女子「そうなんだ。私、アニメ好きな人ってアニメしか見ないって思ってたけど、違うんだ」

オタク「まあ、アニメしか見ないって人のほうが稀だと思う」

女子「ふーん……偏見してたよ。ごめんね」

オタク「俺に謝られても……」

翌日 駅

オタク「おはよう」

少女「おはようございます」

オタク「そういえば―――」

少女「あの」

オタク「ん?」

少女「もうそろそろ卒業検定でもしましょうか?」

オタク「え?どういうこと?」

少女「次の日曜日、デートしましょう」

オタク「デート……」

少女「私を楽しませられたら、合格ってことで」

オタク「合格って言われても……」

少女「いつまでもこうしていても仕方ありませんし」

オタク「そうかなぁ」

少女「現状に甘んじてはいつまでたっても前に進めませんよ?」

オタク「わ、わかった」

少女「では、そうですね……朝の10時に駅前で」

オタク「よ、よし」

少女「ちゃんとエスコートしてくださいね?お金はもちろん、折半で」

オタク「おごりじゃなくていいの?」

少女「はい。おごりにしちゃうと、お返ししなきゃいけませんから」

オタク「そう……」

少女「では、約束ですよ?」

オタク「うん」

『間もなく電車がホームにまいります』

少女「それは、失礼します」

オタク「……また」

少女「さよなら」

放課後 駅

女子「女の子が喜びそうな場所?」

オタク「う、うん」

女子「誰かとデートするの?」

オタク「そ、そうなんだ……彼女ってわけでもないんだけど」

女子「ふーん」

オタク「食事する場所とか、よくわかんないし……」

女子「無難にショッピングでいいと思うけどなぁ。映画はだめだよ。あと食事も数箇所選んでおいて、相手に選ばせるのがいいかも」

オタク「な、なるほど……」メモメモ

女子「同じ学校の子?」

オタク「ううん。違う」

女子「そうなんだ」

オタク「なるほど……なるほど……ありがとう、参考になったよ」

女子「私もデートなんてしたことないから、友達の又聞きだけどね」

オタク「こ、これでなんとかやってみる!」

日曜日 駅前

オタク「……」

少女「遅くなりました……」

オタク「あ、いや。俺も今来たところ……」

少女「それ。前に買った服ですか?」

オタク「初めて着てみた……どうだ?」

少女「では、どこに連れて行ってくれるんですか?」

オタク「まずはショッピングだ」

少女「おぉー、無難ですね」

オタク「よし、いこう」

少女「はい」

オタク(ショッピングのあとは飯を食って……それからはボーリングして……)

オタク(と、とにかく冷静にいこう……)ドキドキ

少女「……」

この>>1ネットに載ってる恋愛マニュアル読み漁ってるな

腹減った

>>236
あれ面白いよなー
実践しても面白くない男って思われるだけのことしかかいてねーわ

ただいま

ホモな展開のほうがいいの?

ショッピングモール

オタク「どこいく?」

少女「どこでもいいですけど……」

オタク「それじゃあ、服でも」

少女「は、はい……」

オタク「服とか良く買うの?」

少女「そんなに頻繁には買いませんよ。季節ごとに買うぐらいですね」

オタク「そうなんだ。女の子ってもっと服を買ってるイメージがあるんだけど」

少女「同じ服を着たくないって人は多いかもしれませんね。その場合は組み合わせを変えるんですけど」

オタク「へえ……」

少女「……」

オタク「あっちだ。行こう」

少女「あの……昨日の……」

オタク「え?」

少女「いえ、なんでもありません……」

少女「……」

オタク「これとか、似合うと思うけど」

少女「そうですか……?」

オタク「嫌?」

少女「嫌というか……」

オタク「なに?」

少女「……」

オタク「どうしたんだ……?」

少女「いえ……選びます」

オタク「そう……」

少女「……」

オタク「季節感を出すなら、こういうのも……」

少女「……そうですね」

オタク「……」

レストラン

オタク「ここでよかった?」

少女「まあ、はい。よくこんな場所、見つけましたね」

オタク「友達に聞いて……」

少女「それって……あの絵の?」

オタク「う、うん、そう」

少女「……」

オタク「なににする?」

少女「そうですね……」

オタク「俺はこれにしようか……」

少女「……」

オタク「どうかした?さっきから……なんか不機嫌というか……」

少女「今日のデートコースもその人が?」

オタク「大筋は……。でも、細かいことは俺が決めたから」

少女「……わかりました」

ウェイトレス「おまたせしました」

オタク「どうも」

ウェイトレス「ごゆっくりどうぞ」

オタク「……うん、おいしい」

少女「……」

オタク「あれ

>>274
投下ミス

ウェイトレス「おまたせしました」

オタク「どうも」

ウェイトレス「ごゆっくりどうぞ」

オタク「……うん、おいしい」

少女「……」

オタク「あれ……食べないの?」

少女「あの」

オタク「なに?」

少女「昨日のアニメ、みました?」

オタク「ごめん。録画だけしてみてない」

少女「……」

オタク「それがどうかした?」

少女「いえ……本当に変わったなぁって思って……」

オタク「そう?」

少女「―――もう、合格です。これで貴方は無事にコミュ障を脱しました!!パチパチ」

オタク「え?」

少女「今日はもうこれで終わりましょう」

オタク「ちょっと待ってくれよ。まだ予定が……」

少女「どこに行く気だったんですか?」

オタク「ボーリングとかカラオケとか……」

少女「いいです」

オタク「そんな……」

少女「だから……行きたいところにいきませんか?」

オタク「行きたいところ……」

少女「私のために色々考えてくれたのは嬉しいんですけど……私はあまり楽しくないです」

オタク「……」

少女「……」

オタク「そ、そっか、うん、俺もそんな気がしてた!!」

少女「え……?」

オタク「よし。行きたいところに行こう。そのために早く食べよう、な?」

アニメショップ

オタク「や、やっぱここだよな……うん」

少女「新刊でてますよ」

オタク「これ出たのか……。そういえば最近、来てなかったから……」

少女「今月は結構色んなのが出てますからね」

オタク「……これも、こっちも……」

少女「全部、買います?」

オタク「うん」

少女「じゃあこれも追加で」

オタク「こ、こんなに……!?」

少女「折半ですから」

オタク「い、いいの?」

少女「はい」

オタク「よし……レジにいくか」

少女「はーい」



オタク「これからどうする?」

少女「この荷物ですからね……」

オタク「か、帰る?」

少女「はぁ……」

オタク「え?」

少女「まだ日が高いうちに女の子を帰らせるとか……正気ですか?」

オタク「い、いや……だって……」

少女「ここからなら貴方の家のほうが近いんじゃないですか?」

オタク「え……」

少女「荷物、置くついでに行きましょう」

オタク「い、いや……でも」

少女「はいはい。早く案内をしてください」

オタク「わ、わかった……」

自宅

少女「うわ……汚いし、如何にもオタクって感じの部屋ですね」

オタク「急に来るっていうからだろ!!」

少女「ふーん……あ、この本知ってます」

オタク「マジで?それ今だと稀少なんだけど」

少女「エロ同人まで……」

オタク「や、やめろ!!」

少女「うわぁ……スカト―――」

オタク「みるなって!!」バッ

少女「変な性癖なモテないポイントですよ?」

オタク「うるさいな……」

少女「ふふ……」

オタク「なにか飲む……?」

少女「はい。お茶で」

オタク「す、すこし待ってて……」

オタク「おまたせ」

少女「どうも」

オタク「……」

少女「……」

オタク「あの……」

少女「はい」

オタク「俺は……その……」

少女「……」

オタク「なんていえばいいか……その……」

少女「アニメ、見ませんか?」

オタク「え?」

少女「撮り溜めしたままなんですよね?」

オタク「あ……うん」

少女「それ、みましょう?」

オタク「ああ……」

テレビ『あーん!!あいしてるー!!』

テレビ『やめんか!!気持ち悪い!!』

少女「……」

オタク「……」

少女「……今日は楽しかったです。後半だけ」

オタク「そうか……」

少女「もう……大丈夫ですよね?」

オタク「え?」

少女「卒業でいいですよね?」

オタク「あの……まだ……」

少女「……」

オタク「まだ……俺は……」

少女「私が必要ですか?」

オタク「……」

テレビ『もっとののしってぇー!!』

少女「そんなわけないですよね」

オタク「なんで……!!」

少女「ただのお節介でした」

オタク「……」

少女「お店に来るたびに、私の好きな作品を貶して、むかついたから近づいて……」

少女「話してみれば、典型的なオタクで……それにまた腹が立って……」

オタク「ごめん……」

少女「話しててイライラするから……直してやろう……そう思いました」

オタク「……」

少女「でも、もう大丈夫みたいですし、私と話すことも意味なんてないですよね?」

オタク「そんなことない、と思うけど……」

少女「だって、学校でいい人、いるんですよね?風景画家さん、ですか?」

オタク「いやいや……あれはただの友達で……!!」

少女「がんばってください。主人公になるためには、その次の一歩が大事ですから」

オタク「いや……でも……」

テレビ『あーん!!やめてー!!』

テレビ『いいかげんにしろぉ!!!』

少女「終わりましたね」

オタク「うん……」

少女「それでは、これで」

オタク「……」

少女「……」スタスタ

オタク「……まって」

少女「……なんですか?」

オタク「今まで……ありがとう……」

少女「いえ」

オタク「……」

少女「さよなら」

オタク「あ……」

オタク「……さよなら」

翌日 駅

オタク「……」

オタク(いないな……)

オタク「いるわけ……ないよな……」

オタク「ふぅ……」

オタク「……」

『間もなく電車がホームにまいります』

オタク「……行こう」

『扉が閉まります。ご注意ください』

オタク「……」

放課後 駅

女子「うまくいった?」

オタク「うん。ありがとう」

女子「いえいえ」

オタク「……」

女子「ふられた?」

オタク「そうなるかな……」

女子「ま、当然かな」

オタク「え……?」

女子「私が教えたの……女の子にとってはつまんないデートだもん」

オタク「な……!?」

女子「二人で相談していきたいところを決めるのがデートだと思うよ、私」

オタク「……」

女子「今日は話してても楽しくないね」

オタク「……ごめん」

女子「……私に謝られても困るなー」

オタク「そ、そっか」

女子「で、どうするの?」

オタク「え?」

女子「その子はもういいの?」

オタク「だって……もう……」

女子「このへたれ!!」

オタク「……は?」

女子「やっぱり、そういうウジウジした性格だったんだ」

オタク「あ、あのぉ……」

女子「もう……楽しかったのに好きな人にふられたら元に戻るんだ」

オタク「い、いや、正確には振らたっていう感じじゃ……」

女子「好きな人は否定しないんだ?」

オタク「……っ」

女子「もういいよ。ほら、こんなところにいないで探しにいったほうがいいよ?」

オタク「さ、探すって……俺……」

女子「写真は?」

オタク「な、ない……」

女子「バイト先に行ってみるとか」

オタク「ああ……」

女子「もしやめてたら……駅で待ち伏せしかないかなぁ?あとは制服で学校を割り出すとか」

オタク「わ、わかった……」

女子「……君、もてないでしょ?」

オタク「うん」

女子「ふふ、よくわかるよ」

オタク「ありがとう」

女子「バイバイ」

オタク「うん……」タタタッ

女子「あー……」

女子「もういっこぐらいオススメのアニメ、聞いとけばよかったかなぁ……」

アニメショップ

オタク「やめた……?!」

店長「先週ね。もうやめますって」

オタク「そんな……」

店長「急だったから困ってるのよ」

オタク「そ、そうですか……」

店長「なに?あの子の彼氏?」

オタク「い、いえ」

店長「そう」

オタク「……でも、会いたいんです」

店長「住所や電話番号は教えられないけど」

オタク「学校は?」

店長「だめ」

オタク「ですよね……」

店長「始発の時間から駅で待ち伏せでもしてたら?」

翌朝 駅

オタク「……ふぅー」

オタク「さむ……」

オタク「くるかな……」

オタク「もし駅まで変えてたら……」

オタク「いや。流石に駅まで帰ることはないはず」

オタク「定期のこともあるし……」

オタク「待とう……まだ6時だ……」

オタク「さむ……ぃ……」ブルブル

7時 駅

オタク「人が多くなってきたな……」

オタク「……」

少女「……」スタスタ

オタク「あ……」

少女「……」スタスタ

オタク(1時間以上も……早く……)

オタク「はぁ……ふぅ……」

オタク「―――まってくれ!!」

少女「え……」

オタク「……」

少女「……なんですか?」

オタク「昨日のは作画が酷かったな!!」

少女「……!?」

オタク「それでいて話も説明ばっかりで面白くもなかった!!!君はどう思う!?」

ザワザワ……

「なんだ?」

「なにあれーわらえるー」

少女「ちょっと……!!」

オタク「でも、やっぱり登場人物はかわいいし、声優も豪華だ!!」

オタク「まだ中盤だし、最後まで見る価値はあると思う!!!」

少女「しーっ!!しーっ!!」

オタク「はぁ……はぁ……」

少女「何を大声でいってるんですか?!」

オタク「見ての通り、俺はまだまだコミュ障だ!!」

少女「はぁ!?」

オタク「こんな人の往来でこうしてアニメの批判をしてるんだから!!」

少女「あの……!!」

オタク「俺には君が必要だ!!」

少女「なぁぁ……!?」

「すげー。かっこいいぞ」

「なんてこたえるのかなぁ?」

ザワザワ……

少女「あの、あの……」

オタク「はぁ……はぁ……ごほっ!!ごほっ!!……はぁ……はぁ……」

少女「えっと……」

オタク「これからも……もっと朝のホームで……練習に協力してくれ。このままじゃ社会に出れない」

少女「うぅ……」

オタク「……」

少女「も、もう……今までの苦労は……何だったんですか……」

オタク「ごめん……」

少女「……」

オタク「……あの」

少女「ま、また明日です!!!」

オタク「うん……また、明日……」

翌日 駅

オタク「はぁ……昨日は大変なことを……」

少女「お、おはようございます……」

オタク「お、おはよう……」

少女「……」

オタク「えっと……」

少女「その前に……」

オタク「なに?」

少女「昨日のあれ……もう絶対にやめてください」

オタク「あ、ああ……うん」

少女「恥ずかしくて死にそうでした……」

オタク「ごめん」

少女「……でも、嬉しかったです」

オタク「そ、そう?」

少女「はい」

オタク「今日はえっと……なに話そうか……」

少女「あの……昨日のアニメ……」

オタク「あ、ごめん……みてない」

少女「……よかった。私もです」

オタク「え?」

少女「その……アニメどころじゃなくて……ずっとベッドの上で……動悸が治まるのを待ってたので……」

オタク「ど、どうして……」

少女「今日……貴方に会えるから……」

オタク「……」

少女「……」

オタク「あ、そう」

少女「はい……」

オタク「……ごめん。会話続かないな」

少女「今日は……別に、続かなくても許します……」

オタク「そう……うん……そうだね……」

『間もなく電車がホームにまいります』

オタク「きたか」

少女「……」

オタク「また……」

少女「はい」

『ご乗車の際は足下にご注意してください』

オタク「……」

少女「では」

オタク「うん」

少女「また、明日」

オタク「俺、君のこと……必要だから」

少女「あ―――」

『扉が閉まります。ご注意ください』


少女「―――私も、貴方が必要です」

END

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