蛍「やっぱり田舎ってすばらしい!」 (24)

蛍(そんなふうに考えていた時期が私にもありました)


小鞠「見て見て、この服カワイイでしょ?
   昨日一目で気に入っちゃったから思い切って買っちゃった」

蛍(カワイイ?・・なんかパッとしない平凡なワンピース・・・だよね?
  強いて言えば子供っぽくて小鞠先輩がカワイイけど・・・
  まぁ、この辺じゃあれでもマシな方なのかな)

蛍「すごい、よく見つけましたね。似合ってますよ」

小鞠「えへへ、ありがと。
   やっと一緒にオシャレの話できる相手ができて嬉しいなぁ」

蛍(オ、オシャレ!?・・・う~ん、これも広義のオシャレにはなるのかな)

小鞠「そうだ!今度一緒にほたるんの服見に行こうよ」

蛍「え゛っ・・い、いえ・・私は・・・悪いですし」

小鞠「そんな遠慮しなくていいよ」

蛍「でも直接見に行くと交通費もかなりになりますし」

小鞠「交通費?そんなのお父さんに車出してもらうから気にしない気にしない」

小鞠(バスで行くつもりだったのかな・・・)

蛍「えっと、じゃぁ行っていいかお母さんに訊いておきますから返事は明日でいいですか」

小鞠「うん、私もお父さんに都合だけ訊いとくね」

翌日

蛍「やっぱり『ご迷惑だから連れて行ってもらうのは止めなさい』って」

小鞠「え~、そんなこと無いけどなぁ」

蛍「でも『一緒に選ぶのは構わないからウチに来てもらいなさい』とも言ってました」

小鞠(ほたるんちの車ならいいのか)

小鞠「じゃぁいつにする?」

蛍「いつでも構いませんが・・・今日の放課後とかどうですか?」

小鞠「いいけど放課後じゃあんまり時間取れないよ」

蛍「確かに色々見てるとすぐ時間過ぎちゃいますよね。
  まぁ、時間足りなくなったらまた明日にでも続ければ」

小鞠「明日も!?・・・そ、そうだね」

蛍「じゃぁ荷物置いたらこの前の待ち合わせ場所に来てください。迎えに行きますから」

小鞠「わかった」

小鞠(あの時は悪い事しちゃったなぁ。
   ほたるんは気にしてないみたいって言うか、すっぽかされた事自体を無かった事にしてるみたいだけど)

蛍「さ、先輩どうぞ」

小鞠「おじゃましま~す。あ、洋間だ」

蛍「先輩の部屋は和室ですか?」

小鞠「うん、夏海も。って言うかウチは畳ばっかりだから」

蛍「れんげちゃんのお家もそうでしたね」

小鞠「だね。そう言えばほたるんの家はホントに鍵かけてるんだ」

蛍「今日は両親とも帰りが遅いので」

小鞠「えっ!?じゃぁ車出してくれるんじゃないの?」

蛍「はい、いつも買ってるお気に入りのブランドショップがこの辺には無いのでお店には行きません」

小鞠(ぶらんど?・・・ショップはお店だよね)

蛍「引越しが決まったとき、同じブランドのコミュニティに相談したらネット通販の事を教えてもらえて」ゴトッ パカッ

小鞠「こみゅ?」

蛍「この辺、光回線が通ってない上ADSLも基地局が遠いらしくてかなり重いんですが使えないよりはマシって事で」ピッ ウィーン

小鞠(さっきからほたるん何語喋ってるんだ?あ、パソコンだ)

小鞠「ほたるん、自分のパソコン持ってるの?」

蛍「いえ、特に誰のというわけでは無いんですが、今日は先輩と服を見るために私の部屋に持ってきておいたんです」カタカタカタ

小鞠「それで服選ぶの?」

蛍「試着できないから想像力が要求されるんですけど・・・あ、繋がりました」

小鞠「どれどれ・・・なんか大人っぽい服ばっかりだね」

蛍「そうですか?」

小鞠「モデルの人も大人ばっかりだし」

蛍「これ来店客をモデルにするローティーン向けのお店なので私達と同年代だと思いますよ」

小鞠「嘘っ!?」

蛍「私もお会計のときモデルやってみないかと誘われましたし」

小鞠(これが同い年・・・いや、もしかすると小学生・・・)

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