10月27日 咲の誕生日
久「それでは咲の誕生日を祝って!」
優希「メリークリスマスだじぇ!」
パンパーン!(クラッカー鳴らす音)
京太郎「アホ、クリスマスじゃなくてハッピーバースデーだろそこは」
咲「あはは……」
優希「だまれだまれだまれ!お祝い事にいちいちツッコミを入れるんじゃなーい!
そんなんだからお前はいつまでたっても一人の人間としても麻雀にしても半人前なのだ」
京太郎「はいはい、俺が悪かったよ。咲はなに飲む?野菜ジュースでいいか?」
咲「私はなんでもいいよ。ありがとう、京ちゃん」
京太郎「今日はお前の、お前による、お前のための日だからな。なんなりと申しつけください、お姫様」キラッ
まこ「うおっ、じゃあわしにもワカメジュースを頼む!」
京太郎「そんなもんありませんよ!」
アハハハハハハ!
咲(うぅ、私以外の人が盛り上がってなかなかこの流れについていけないよぅ……)
久「よっし、じゃあ私はチューハイいただくわ」
京太郎「未成年なのに酒飲んじゃだめっしょ!それにあんた麻雀部部長だけでなく生徒議会長も兼任してるのに……」
久「あんた?今あんたって言ったの須賀くん?」
京太郎「やっべ」
久「なかなか生意気なこといううようになったじゃない。そんな須賀くんにはお仕置きとして大五郎の一気飲みをしてもらいましょう」
京太郎「いや、それはさすがに無理ですよ!すんませんすんません、もう舐めた口きかないんで許して下さい!」
久「えーっ、どうしよっかなー?ぐふふ」
まこ「京太郎、諦めろ。部長はもうできあがっとる」
優希「おりゃっ、必殺優希ちゃん羽交い締めスペシャルだじぇ!」ガシッ
京太郎「ぐふっ!」
久「でかしたわ優希!いくわよ須賀君!そーれいっき、いっき」ゴポゴポ
優希「きゃはははははははは!」
京太郎「くぁwせdrftgyふじこlp;@:」
咲(私の誕生日なのにもうモブのように扱われるなんて……はあ)
咲「これじゃ私を祝うんじゃなくてただどんちゃん騒ぎしたい人達の集まりだよ……」
チョンチョン
咲「えっ?」
和「咲さん咲さん」
咲「あ、和ちゃん!よかった~、和ちゃんは私のこと忘れないでくれてたんだね!」
和「もちろんですよ!咲さんの誕生日なのに本人をおいてけぼりにするなんて心底呆れます!この人たちいったいなにを考えてるんでしょう」
咲「ううん、私は和ちゃんさえ一緒にいてくれれば、きっと素敵な誕生日になるって思えるから気にしないで」
和「咲さん……///」ポーッ
咲「?」
和(はっ!いけません、咲さんのあまりの心優しさについみとれてしまいました!)
和「ゴホンッ……あの提案なんですが外に出ませんか?ここだと騒がしすぎて会話できませんし」
咲「そうだね。あの様子だと軽く2時間は私のこといないもの扱いされそうだし」
和「決まりですね!じゃあさっそく行きましょうか」
咲「うん!」
和「部長!私たち少し外ぶらついてくるんで!」
久「ほらほら、もっと飲んで飲んで飲みまくるのよ!」ゴポポ
京太郎「クエーーーーーーーーーーーーーッ!」
優希「うひゃひゃひゃひゃ!クエーッだって!チョコボみたいだじぇ!」
まこ「おーう、気をつけてなー」
咲「行ってきます!」
咲(それにしても京ちゃんかわいそう……アル中で死にませんように)
和「では行きましょうか」
咲「うん!」
ギイッ
咲「うわわっ、真っ暗だ……そっか、もう下校時間とっくに過ぎちゃってるから灯りもなにもついてないんだね……」
咲(私こういうの慣れてないよー)フルフル
和(ふふっ、闇が怖くて震えてるんですね。私にはまるっとお見通しですよ!安心して下さい咲さん、私があなたの傍にいますから)
ギュッ
咲「ふぇっ!?」
和「……こうやって手を握っていれば大丈夫ですよ」
咲「う、うん///」
和(今のこれ、咲さん的にはのどかポイント+10くらいアップしてますね。ぐへへ)
和「咲さん、ここ段差なので気をつけてください」
咲「わ、わかったよ!」
トントントントン(靴底で鳴らす音)
咲(……それにしても本当に静か)
咲(まるでこの世界に私と和ちゃんだけが生き残った気分だよ)
和「……」
咲(和ちゃんはこうやっていつも私の一歩前を歩いてくれるし、なんだか憧れのお姉さんみたい)
咲(そういえば今年もお姉ちゃんからなにも祝ってもらえなかったな……私の誕生日なんかきっと覚えてないんだろうな)
咲「……ぐすっ」
和「ど、どうしましたか?も、ももももしかして強く手を握り過ぎていましたか!?すいません!本能的にやっちゃいました!」
咲「ううん、違うの。……ちょっとだけお姉ちゃんのこと思い出しちゃってさ」
和「お姉ちゃん?宮永照……さんのことですか?」
咲「うん、お姉ちゃん、私のことぜんぜんか構ってくれないし、きっと私なんてどうでもいいのかなって思ったら……ううううう」
和「咲さん……」
咲「ごめんね和ちゃん。せっかくみんなが私のためにいろいろと準備してくれたのに、こんなにしめっぽくなっちゃって……あはは」
和「聞いて下さい、咲さん」
咲「ふぇ?」
和「咲さんがつらい時は私が傍にいます、咲さんが寂しい時は私が咲さんの手を繋ぎます!」
和「だから……、苦しいことがあったら私に頼ってください!私はあなたの親友なんですから!」
咲「の、のどかちゃぁん……うわあああああああああああん!ありがとう!私、和ちゃんと知り合えて本当に、本当に……!」
和「ふふふっ、咲さんの気持ちは伝わってますよ。一緒に夜空に咲き誇る満点の星を見に行きましょう!」
咲「うん!」
咲「~♪」
和(ああ、つらい想いを吐露してルンルン気分になった咲さんも素敵です!)
和(ももももももう我慢できません!あなたを私のものにしたいです!私の中に眠るもう一人の自分がそう囁いてるのです!)
和(好きです好きです、大好きです!)
和(だから……)
和「やっちゃっても……いいよね?」
和「……」
咲「ん?どうしたの和ちゃん?」
和「……咲さん、こっちにいらしてください」
咲「こっち?」
和「はい。では、そのままくるっと振り返っていただいて……」
咲「こ、こうかな?」
和「……はい、大変上手にできました」ヒュッ
咲「えっ――」
ガバッ!
咲「むぐううううううううううう!」
その瞬間、咲はクロロホルムを含んだハンカチを口元に押しつけられたのだ……!
咲「むぐうううううううううう!!(の、和ちゃん!?)」
和「ハアハアハアハア」
咲「むぐうううううううううう!!(や、やめてよ苦しいよ!息ができないよ!)」
和「も、もう抑えられないんです……この醜い衝動が私を突き動かしてる限り、私は私じゃないんです!」
咲「むぐうううううううううう!!(言ってる意味がわからないよ!いやだ!離してよ!)」
和「はやく気絶して下さい!」
ゴンッ
咲「ばたんきゅ~……」
和「はっ!つい手を出してしまいました!でも咲さんが悪いんですよ?はやく大人しくならないから」
咲「……」
和「さ、二人の愛の巣へと向かいましょうか」
すいません終わります
落として下さい
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