ジャン「自由の翼」(15)
845年 あの日
~壁外~
ヒュウウウウウウウウウウウウウ
キース「総員」
キース「戦闘用意!!」
ドドドドドドドドドドドドドドドドド
キース「目標は一体だ!!」
キース「必ず仕留め、ここを我々人類初の壁外拠点とする!!」
ドドドドドドドドドド
エルヴィン「!!」
エルヴィン「目標との距離100!!」
エルヴィン「こちらに向かってきています!!」
ズシン ズシン ズシン ズシン
キース「訓練通り5つに分かれろ!!」
バッ バッ
ドドドドドドドドドド
キース「囮は我々が引き受ける!!」
ズシン ズシン ズシン ズシン
エルヴィン「目標距離との50!!」
キース「全攻撃班!!!立体機動に移れ!!」
ドドドドドドドドドド
モーゼス「・・・・」
バサッ カチッ プシュッ カッ
モーゼス「・・・・」ドン
キイイイイイイイイイイイイイイイイイン
モーゼス「・・・」ヒュウウウウウウウウウウ
モーゼス「全方向から同時に叩くぞ!!!」
ギャリイイイイイン
モーゼス「えええええええやあああああああああああ!!!!!」
モーゼス「人類の力を!!!!」
ゴオオオオオオオ
モーゼス「思い知れっ!!!!!!」
ドン!!!!!!!
同じ日
~トロスト区~
――ジャン!!
――ジャン!!
――ここにいたの!!
ジャン「うっ・・・・何だ、母さんか」
カロラ「ジャン!また喧嘩してきたのかい!?どーせつまらない意地でも張ったんでしょ!」
ジャン「フン・・・うるさいな。俺は独りでもいいんだよ・・・!誰にも俺の事なんかわかんねえよ!!」
カロラ「・・・・・」キュ
ジャン「!」
カロラ「あんたはいつもそうやって、つっぱているから誤解されやすいの・・・」
カロラ「けどね・・・ホントは優しい子ってお母さんとお父さんは分かってるからね」
ジャン「・・・・・・か・・・かーさん・・・・」ジワッ
カロラ「さあもうすぐ暗くなるよ・・・今夜はジャンの誕生日だからお母さんは、はりきってジャンの好物をたくさん作ったよ」
ジャン「!・・・・・・・・」シュン
カロラ「?」
ジャン「・・・・・」シュン
カロラ「ジャン、どうしたの?」
ジャン「・・・・・・父さん・・・・・」ボソッ
カロラ「!・・・・・」
ジャン「父さん・・・今日はごはんの時間までに帰ってくるのかな・・」
カロラ「ふふっ」クスッ
ジャン「え?」
カロラ「いやいや、あんたがお父さんの心配をするなんてね・・・」
ジャン「だ、だって!!今日は本当に家族全員でごはんを食べたいから!」
カロラ「大丈夫よ、ジャン。お父さんは誰よりも強い兵士なんだから、絶対に帰ってくる。あんたがいつもそう言ってるでしょ?」
ジャン「う・・・うん!そうだ!父さんは絶対に帰ってくるんだ!ははっ!ケーキが楽しみだよ!母さん!」
カロラ「そうねえ、お母さんも楽しみだよ・・・・あ!」
ジャン「?」
カロラ「ジャン見てみなさい!虹が出てるよ!」
ジャン「あ!本当だ!」
カロラ「綺麗だねえ、ジャン」
ジャン「うん♪」
カロラ「・・・・・・・」
――あなた・・・無事に帰ってきてくださいね・・・・
――今日はジャンの誕生日なんだから
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