春香「プロデューサーさんっ、デートですよ!デート!」冬馬「ショッピング!だぜ!」 (39)

春香「ただい・・・」ガチャッ

P「あっ・・・はい、来週は火曜日でしたら時間があいてますね・・・」

春香(あ、電話・・・)

春香「ただいまです~」コソッ

あずさ「あら春香ちゃん、お疲れ様~」

P「はい、わかりました・・・はいっでは、よろしくお願いします」ピッ

春香「新しいお仕事ですか?」

P「え?ああ・・・まあ、仕事と言えば仕事なんだけど・・・」

春香「・・・?どういうことですか?」

P「俺のインタビューなんだよ」

あずさ「プロデューサーさんの、ですか?」

P「ああ、芸能に携わる人にインタビューするっていう雑誌のコーナーで・・・」

P「765プロのアイドルのプロデューサーとしてインタビューさせて欲しいってことで
  ちょうど日程も合ったし受けることにしたんだ」

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春香「わーっすごいですね!頑張ってくださいね」

あずさ「うふふっ写真、かっこよく撮ってもらわないと駄目ですね~」

P「ははは・・・俺の写真なんて別にキメなくても誰も気にしないですよ」

あずさ「あら、そうかしら・・・?」

春香「だっ、駄目ですよプロデューサーさん!みんなにプロデューサーさんを知ってもらうお仕事なんですから、身だしなみはしっかりしないと!」

あずさ「そうよね~、せっかくなんだし、おめかししたらいいと思いますよ?」

P「そ、そうかなぁ・・・?」

春香「そうです!」

あずさ「はい」ニコッ

P「じゃ、じゃあ、格好は少し考えます・・・」

春香「そうと決まれば、早速お店に見に行きましょう」グイッ

P「えっ?今からか!?」

春香「プロデューサーさんっ、デートですよ!デート!」

P「け、結局それか!ちょっと待て!」

P「あはは・・・いくらなんでも、いきなりすぎますよね~?あずささんっ」

あずさ「うふふ、私も混ぜてもらおうかしら~?」

P「あ、あずささんまで・・・!」

P(お、俺は知ってるぞ・・・女性と行くショッピングがどれだけ大変か!)

P(彼女たちは商品を片っ端から見て回りアレの方がいいかコレの方がいいかと散々歩き回り
 時には人の提案に辛辣な言葉を返し、悩みに悩んだ末、結局買うものを決めずに帰る・・・もしくは俺が買わされる・・・!
 そういう生き物なのだ!)

P(母と姉に死ぬほど連れ回されて俺は誓った・・・何があってもデートでショッピングは選ばないと!)

P「いやっ、でも2人とも!今日はもう用事はないのか?ほら、明日早いなら寄り道しないで早く帰らないと!」

春香「大丈夫ですよ、今日はドラマのオーディションだけでしたし、明日はオフです」

あずさ「私ももう終わりましたよ?明日は・・・ええっと、午後からの仕事だったかしら?」

春香「というか、プロデューサーさんが管理してくれてるんじゃないですか」

P「あ、あはは・・・そうだな・・・」

春香「もしかして・・・私たちと行くの嫌なんですか?迷惑・・・ですか?」

P「うっ・・・い、いやぁ~まさか!」

P(ぐぬぬ・・・逃げられない!となるとせめて誰か道連れ・・・いや、仲間が欲しい!
  そうだっ、友人を誘おう!精神的ダメージだけでもかなりマシになるぞ!)ピッ

P(・・・・・・いや、個人的な友人とアイドルを会わせるなんて、そんなことをプロデューサーがしてもいいのか・・・?
  しかもあいつらはうちのアイドルのファンだ・・・)

P(いかん!ファンは平等であるべきだ!は、腹を・・・括るしかないのか・・・)

春香「プロデューサーさん?」

あずさ「連絡する用事でもあるんですか?」

P「あ、いや・・・大丈夫だ、行くか・・・」

春香「はいっ、行きましょう!」ガチャッ

冬馬「うおっ」

春香「わっ」

あずさ「あら~、冬馬君」

P「冬馬・・・?」

春香「なんでこんなとこr」P「冬馬ーーーーーーーーっ!!」ガバッ

冬馬「うわぁっ!?なんだなんだ!離れろ!」

春香「ぷっぷぷぷプロデューサーさんっ!何してるんですか!」

P「冬馬・・・お前は地獄の門の前に現れた救世主だ・・・」

冬馬「・・・はぁ?」

あずさ「冬馬君、どうしてうちの事務所に?あっ、もしかして迷子かしら?」

冬馬「そんなワケねえだろ!俺はただ翔太に頼まれ」P「あー!俺が誘ったんです!なっ!」

春香「プロデューサーさんが、ですか?」

冬馬「は?なにを」P「今さっき一緒に買い物行かないかって電話したらちょうど近くにいるからって!なっ!冬馬!」

冬馬「だからどういう」P「わかったわかった!早く行きたいんだよな?ほら、行くぞ!」グイグイ

冬馬「お、おいっ!待てよ!」ズルズル...

あずさ「ふふっ、仲良しさんなのね~」

春香「そ、そうなんですかね・・・?」

ショッピングモール

あずさ「広いわねぇ迷わないように気をつけなくちゃ~」

春香「プロデューサーさんっ、紳士服コーナーですよ!行きましょう!」

P「2人とも落ち着いて!できるだけ目立たないようにな!」

冬馬「なんで俺を誘ったんだよ・・・」

P「えっ?」

冬馬「3人で行けばいいじゃねえか、なんでわざわざ」

P「冬馬、お前はわかってないな・・・」ガシッ

冬馬「・・・?」

P「お前は女性と行くショッピングがどれだけ恐ろしいものか、わかっていない・・・」

冬馬「恐ろしい・・・?」

P「ある時は母親に長時間連れ回され、ある時は姉にダサいと罵られ、ある時は女友達にひたすら誉めさせられ集られ荷物持ちにされ・・・」

冬馬「そ、そうなのか・・・」

P「まあ今日は冬馬もいるし、少し気は楽だけどな!」ポンポンッ

冬馬「俺は生け贄ってことじゃねーか!」

P「頼むよ冬馬、今俺が頼れるのはお前しかいないんだよ!お前と俺の仲じゃないか」

冬馬「別になんの仲でもねえだろ!ったく、しかたねえな・・・今日だけは協定を組んでやる」

P「助かる!よしっ、さっと決めてしまおう!」

春香「これ!これなんてどうですか!?」

P「え、え~?ちょっと派手じゃないか・・・?」

冬馬「紫のジャケットって・・・ないだろ・・・」

春香「大丈夫ですよ!きっと格好いいです」

P「じゃあ・・・とりあえず着てみるよ」



P「う~ん、どうかな?」ガチャッ

春香「あー・・・ちょ、ちょっと違いますね!組み合わせが悪いのかなぁ~?」

冬馬「あんたに合わない」

春香「とっ、冬馬君!」

P「いいよ、春香・・・言わなくても表情から伝わってくるから・・・」

春香「あぅ・・・すみません」

あずさ「あらー?茄子みたいで可愛らしいのに~」

P「いや、やめときましょう・・・」

あずさ「うふふっ、これなんてスゴく格好いいですよ~」

P「まさか、あずささんがこんな重たいものを持ってくるとは・・・」

春香「す、スゴいですねこれ・・・トゲトゲしてますよ」

冬馬「どこのヘビメタバンドだよ!着るまでもないな・・・」

P「うん、これはちょっと・・・」

あずさ「そうかしら・・・?恐竜みたいで格好いいと思ったんだけど・・・」



春香「プロデューサーさんの優しさを表すためにピンクのカーディガンなんでどうでしょう」

あずさ「あっ、そういえば、最近はカーディガンを肩に巻くのが流行ってるらしいわよ~?」キュッキュ

P「え・・・これ本当に流行ってるんですか・・・?」

冬馬「絵に描いたディレクターみたいな格好だな」

P「俺プロデューサーなんだけど」

P「一番近くにいる"格好いい"を手本にしてみたぞ」

冬馬「うわっ、真似するなよ!気持ち悪いな!」

春香「なんか・・・ちょっと映えない、というか・・・」

あずさ「うーん、そうねえ・・・」

冬馬「なんかオタクっぽいぞ」

P「いや、お前と一緒の格好なんだけど」

春香「プロデューサーさんにはもっと他の服が似合いますよっ!」

P「顔面の格差社会だ・・・」グスッ

春香「これは絶対格好いいですよ!」

P「ほー、いいな」

あずさ「こういうの、ちょい悪オヤジ・・・って言うのかしら?」

P「お・・・オヤジ、ですか・・・」

春香「お、お兄さんです!ワイルドなお兄さんですよ!」

冬馬「つーか、そこのマネキンそのまま持ってきただけじゃねえか」

春香「うっ・・・い、いいのいいの!プロデューサーさん、絶対似合いますよ!」

P「そうか?じゃあ・・・ってこれ、結構な値段するな!」

あずさ「ふふっ大人の男性のお洒落はお金がかかるものですよ?」

P「でもさすがに上だけで10万はちょっと・・・」

春香「やっぱり、駄目ですよね・・・」

P「そうだなー、こんな立派なのなかなか着ないしな・・・」

春香「・・・」シュン...

P「あっ、で、でもせっかく春香が選んでくれたんだしなぁ~
  ・・・たまにはお洒落にお金をかけるのも」冬馬「おいっ!」

冬馬「天海が選んだって、マネキン持ってきただけだろ!」

P「そうだった」ハッ

春香「そ、そうだっけ~」のワの

冬馬「ったく・・・善し悪しがわかんねえくせにブランドもん着ても意味ないだろ?」

あずさ「じゃあ~、次は冬馬君にコーディネートお願いしません?」

冬馬「なっ」

P「冬馬に?」

春香「あ、そっか!冬馬君なら普段から男の人の服選んでるもんね」

P「なるほどな・・・仕事柄、日頃から色々なメンズ服見てるだろうし、俺たちが選ぶよりかセンスはいいだろうな」

冬馬「し、しかたねえな・・・格の違いってヤツを見せてやるぜ!」

あずさ「うふふ、楽しそうね~」

P「どうかな?」ガチャッ

春香「わぁ~っ!ラフな感じなんだけどキレイにまとまってて良いです!似合ってますよ!」

あずさ「本当に、素敵ですよプロデューサーさん」

P「そ、そうかな?ありがとう」

冬馬「ふーん、結構様になってんじゃん・・・まぁ馬子にも衣装、だな」フフンッ

P「は、ははは・・・じゃあ、インタビューはコレで臨むとするか」

冬馬「インタビュー?」

P「あ、そういえば言ってなかったか」

あずさ「今日はプロデューサーさんがインタビュー受ける用の服を見にきたのよ」

春香「せっかくみんなに知ってもらえるんだから、お洒落したほうがいいなーって思って」

あずさ「でも冬馬君、一緒に来たいって言ってたらしいから知ってるものだと・・・」

P「あ~!それ!買い物としか言わなかったんで!忘れてました~あはは・・・」

冬馬「あんたのインタビューの服装か・・・そんなもん、着飾らなくてもあんたらしい格好でいいだろ」

P「え?」

春香「プロデューサーさんらしい・・・?」

冬馬「あんたの場合、どういう仕事をしてるどんな人間かを知ってもらうんだろ?」

P「まぁ、今回はそうなるな」

冬馬「だったら、あんたらしい服・・・そうだな、スーツでいいんじゃないか?」

P「いや、でも・・・今日はみんなに色々見てもらったわけだし」

春香「あ・・・あの、プロデューサーさん」

P「ん?」

春香「えっと・・・私が言い出して無理矢理つれてきたのにこんなこと言うの悪いと思うんですけど・・・私、スーツでもいいかな~・・・って」

P「へ・・・?」

春香「ほ、ホントにごめんなさいっ!勿論、他の服を着てるプロデューサーさんも素敵でした!」

春香「・・・でも、やっぱり私たちのために働いてくれてるスーツのプロデューサーさんが一番格好いいって
   冬馬君に言われて、やっと気づきました」

あずさ「そうね、働く男性って素敵よね♪」

冬馬「・・・結局、どうするんだよ」

P「え、えっと2人ともスーツでいいってことかな・・・?」

あずさ「はい~」

春香「す、すみません・・・」

P「いや、いいんだよ、2人が俺のために色々考えてくれるのは嬉しかったから、ありがとう」

春香「あっ、はい・・・!」

あずさ「でも、おめかしはしないと駄目ですよ?」

P「え・・・?ど、どういうことですか?」

あずさ「プロデューサーさんのスーツ、ヨレヨレじゃないですかぁ~雑誌に載るんですし、ビシッと決めなきゃいけませんよ?」

P「ああ・・・そういえば、新しいスーツなんてしばらく買ってなかったな」

冬馬「せっかくだし、今からスーツ見に行けばいいんじゃねえの?」

春香「そうだね!行きましょう、プロデューサーさんっ」

P「ああ、じゃあもう少し付き合ってくれ」


冬馬「まだ着かねえのか?」

P「もう、すぐそこだよ」

春香「あれ・・・スーツコーナーの手前に人だかりができてますね」

P「ん?婦人服コーナーで大規模なセールをしてるみたいだな・・・」

春香「にしてもスゴい人ですね・・・わわっ」グラッ

P「おっと、大丈夫か?はぐれないように俺の腕掴んどけ」

春香「は、はい・・・///」ギュッ

P「2人もはぐれないように・・・って、あれ・・・?」

春香「プロデューサーさんっ、あずささんも冬馬君もいません!」

P「しまった・・・あずささんは特に気をつけなければと思っていたのに・・・」

春香「い、急いで探さないと!」

P「待て待て、春香もはぐれたらどうするんだ、向こうには冬馬もいるしとりあえずスーツコーナーに行こう」

春香「あ・・・はいっ」

あずさ「あら?プロデューサーさんと春香ちゃんが消えちゃったわ」

冬馬「人混みではぐれたか」

あずさ「そうみたい・・・どうしましょう・・・」

冬馬「まぁスーツ見に来たんだから、そこに向かえば合流できるだろ」

あずさ「そうね、え~っとたしかさっき地図で見たとき婦人服のすぐ横だったから・・・こっちかしら?」テクテク

冬馬「・・・?そうなのか?」テクテク

春香「あずささんたち、先についてはないみたいですね」

P「じゃあ、俺があずささんに電話かけてみるよ」ピッピッ

プ...プ...プ...

『おかけになった番号は現在電源が入っていないか、電波が届かない場所に・・・』

P「あれ?電源切ってるのかな・・・」

春香「だったら、冬馬君にかけてみたらどうですか?」

P「冬馬の連絡先は知らないからな~」

春香「えっ」

P「えっ?」

あずさ「おかしいわねぇ、こんなに遠かったかしら・・・?」

冬馬「おい・・・あんたが場所知ってるもんだと思ってなにも考えないでついてきちまったんだが」

あずさ「ごめんなさいね~冬馬君、私すぐ迷子になっちゃうのよね・・・」

冬馬「方向音痴ってヤツか・・・くそ、俺も地図見とけばよかったぜ・・・」

春香「つまり・・・プロデューサーさんは私たちとのショッピングが怖くて、偶然鉢合わせた冬馬君を無理矢理連れてきたってことですか?」

P「そ、そうなりますね・・・」

春香「酷いです・・・せっかくプロデューサーさんのために」

P「ホントに悪かった!すまん!」

春香「まぁ、たしかに散々連れ回したり、ダメ出ししたり、結局買わなかったりしましたけど・・・?
   嫌なら嘘なんかつかないで最初から言ってくれればよかったのに・・・」

春香「私はプロデューサーさんと一緒なら、ショッピングじゃなくても・・・」ボソッ

P「え?」

春香「い、いえ!何でもないです!」

P「まぁ・・・確かにくる前は嫌だったんだ・・・でも、今日春香たちと回って懐かしい気分になったよ」

春香「懐かしい、ですか?」

P「ああ、誰かと買い物なんて久しぶりだったからなぁ・・・それに、みんな俺のこと考えてくれてのことだろ?本当に、嬉しかったよ」

P「春香とならショッピングもたまには良いかな」

春香「そ、そうですか?なら、いいんですけど・・・///」

春香「ふふっ、じゃあまた一緒にきましょうねっ」

P「あの・・・たまには、って・・・いや、そうだな!また今度、な!」

春香「はい♪」

冬馬「・・・」

あずさ「どう?冬馬君、地図読めるかしら・・・?」

冬馬「よ、読めるに決まってんだろ!」

あずさ「そう、よかったわ~」

冬馬「いや、ここが何処かはわかったが・・・なんで地下にいるんだ?」

あずさ「あら~、いつの間にか下りちゃってたのね」

冬馬「そ、そんなことあるのか!?あんたについていくといつの間にか階数が変わるのか・・・!?」

あずさ「私、本当にいつもすぐ迷子になっちゃうの、ごめんなさいね?」

冬馬(いや、迷子とかいうレベルじゃねえだろ・・・765プロはとんでもないもん隠し持ってたんだな・・・)

冬馬「と、とりあえず上に行くぞ」

あずさ「お願いね~、隊長さんっ」

春香「2人とも来ませんね・・・」

P「あっ!」

春香「ど、とうしたんです?来たんですか!?」

P「いや、勝手に冬馬があずささんについてると思いこんでたがバラバラの可能性もあるのか・・・」

春香「そういえば・・・それって大変じゃないですか!あずささん1人だと絶対ここまで来れないですよ!」

P「春香、探しに行くぞ!」

春香「は、はいっ!」

冬馬「ったく、いつの間にこんな遠くまで来てたんだ・・・恐ろしいな・・・」

あずさ「あら!」

冬馬「どうした?もしかして、あいつらがいたのか!?」

あずさ「冬馬君」ヒョイヒョイ

冬馬「?」

あずさ「このパーカー、きっと冬馬君に似合うと思うんだけど」

冬馬「あ、あんたな・・・」ガクッ

あずさ「ほら、とっても可愛いわよ~」

冬馬「か、可愛っ・・・!?んなこと言われても嬉しくねえよ!」

あずさ「あら、男の子は可愛いくらいがいいのよ?というより、いくら格好つけても可愛いものなのよ~」

あずさ「冬馬君ももっと子供らしく甘えなくちゃ、ねっ?」

冬馬「!」

あずさ「なぁんて、年下の男の子と話す機会なんてなかなかないから・・・ちょっとお姉さんぶっちゃったかしら?ふふっ」

冬馬「・・・」

冬馬(・・・もし、母親がいたら・・・こんな感じなんだろうか)

冬馬(っいやいや!母親は流石に失礼だろ!本人が言う通り姉貴とか・・・でも、外見とか歳とか関係なくこの包容力は母親のそれな気が・・・)

あずさ「えっと・・・冬馬君?」

冬馬「」ハッ

冬馬「こ、こんなことしてる場合じゃねえだろ!早く合流するぞ!」

あずさ「あら~、怒らせちゃったかしら?」

春香「はぁ・・・見つかりませんね」

P「あずささんのことだから同じ階にいるとも限らないし・・・どこから探せばいいのか・・・」

春香「迷子の放送頼んでみます?なーんて」

P「サービスカウンターまで来られるならすぐに頼むんだが」

春香「あ、そっちですか・・・」

P「ダメ元でもう一回電話してみるか」ピッピッ

プルルル...プルルル...プルルル...

P「おっ!繋がったぞ!」

春香「ということは、さっきは電波の繋がらないところにいたかもしれないってことですかね・・・?す、すごいなぁ・・・」

あずさ「あら?」

冬馬「今度は何だ!靴か?帽子か?」

あずさ「そうじゃなくて・・・誰かから電話がかかってきたみたい」

冬馬「だからそんな暇・・・って電話・・・?あんた携帯持ってんのかよ!?」

あずさ「携帯くらい持ってるわよ~もう・・・ちょっと年上だからって年寄り扱いしちゃダメよ?」

冬馬「じゃなくて!持ってんなら迷ったときにまずあいつらに連絡・・・っあーもう!いいから出ろ!どうせあいつらからだろ?」

あずさ「あら、本当にプロデューサーさんからだわ~うふふっ冬馬君って凄いのね」ピッ

冬馬(は・・・母親ってこんな感じなのか・・・?)

あずさ「もしもし~」

P『あっ、あずささん!今何処にいます?1人ですか!?』

あずさ「今はえっと・・・何処だったかしら・・・?あっ、そうそう、2階のエスカレーターの近くで
    冬馬君に案内してもらってスーツコーナーに向かってるところです」

P『冬馬もいるんですか?よかった・・・1人で外に出てないか心配しましたよ!』

あずさ「いつもいつも、ごめんなさいね?」

P『いえ、無事ならいいんです・・・俺たちも今は別の場所にいて、今からスーツコーナーに向かうんでそこで合流しましょう』

あずさ「はい、わかりました」

P『お願いしますね、じゃあ』

あずさ「はい~・・・」ピッ

あずさ「スーツコーナーで落ち合いましょうって」

冬馬「まぁそうなるだろうな・・・じゃ、行くぞ」

あずさ「あっ」

冬馬「な、なんだ?」クルッ

あずさ「このエプロン、きっと冬馬君にピッタリよ~!」

冬馬「・・・」

冬馬(迷子にならなくても暫くは到着しそうにねえな・・・)

P「さて、俺たちも戻るか」

春香「そうですね」

春香「」チラッ

春香(あっ、このリボン可愛い・・・)

P「どうした?春香」

春香「い、いえっ何でもないです!急いで戻りましょう!」

P「はは、そんなに急がなくても大丈夫だよ」ヒョコッ

P「なるほど、リボンか・・・どれが気に入ったんだ?」

春香「え?こ、このピンクのチェックのが可愛いな~と・・・」

P「じゃあそれ、俺が買うよ」

春香「ええっ!?な、なんでプロデューサーさんが買うんですか!」

P「今付けてるリボン、レッスン用のだろ?朝見たときはいつものリボンだったのに、今はそれってことは無くしたのかなぁって」

春香「あ・・・き、気づいてたんですか・・・?」

P「ん?そりゃあ春香のチャームポイントだからな!」

春香「っ!///で、でも・・・だからってプロデューサーさんに買ってもらうのは悪いです」

P「そんなことないよ、今日付き合ってくれたお礼に」

春香「付き合ったって、私が連れてきたんじゃないですか」

P「いや~でも・・・」

春香「いいんです!私は・・・プロデューサーさんがちゃんと見ててくれてたってだけで十分嬉しいですから!」

P「そ、そうなのか・・・?」

春香「はいっ、それじゃあ行きましょう!」

P「あ、ああ・・・」

春香「あずささん達、まだ来てないみたいですね」

P「多分、すぐ来るだろう・・・それより、さっきの本当に買わなくてよかったのか?」

春香「大丈夫です!リボンくらい自分で買えますから!また暇な時にでも・・・」

冬馬「リボンといえば、翔太からの頼まれ事を忘れてたぜ」

P「うおっ!と、冬馬!?とあずささん」

あずさ「すみません、お待たせしました~」

P「いえ、俺たちも今来たとこですから・・・それで、冬馬の頼まれ事って?」

冬馬「これ」スッ

春香「あっ、これ!私のリボン!」

P「ええっ?春香のって・・・なんで冬馬が?」

冬馬「翔太が拾ったんだよ、稽古に使った部屋に落ちてて、見覚えがあるからって持って帰ってきたんだと」

冬馬「でも今日はまだ仕事があるから、俺に確認に行けって無理矢理押しつけてきて・・・ほらよ」

春香「そうだったんだ・・・お稽古に使った部屋が着替えに使った部屋と一緒だったのかな?とにかく、ありがとう!冬馬君っ」

冬馬「別に・・・お前のだったんなら、無駄足にならねえでよかったよ」

P「よかったな、春香」

春香「はいっ、翔太君にもお礼言わないとですね!プロデューサーさんも本当にありがとうございます!」

P「いやいや、リボンの一つくらい無くしてなくても買ってやればいいんだろうけど・・・」

あずさ「あらっ、春香ちゃんにプレゼントですか?ふふ、妬けちゃいますねっ」

P「いや、今回は買ってないんですけどね・・・そうだ!3人とも、今日付き合ってくれたお礼に後で何かご馳走させてくれ」

冬馬「お礼って・・・別にそんな大したことしてねえよ」

春香「そうですよ、プロデューサーさん!私たち好きで来ただけなんですから・・・」

あずさ「今日はスーツも買うんですし、あまり気を使わないでください」

P「いいんですいいんです、どうせそんなに高いスーツ買うわけでも無いんですし・・・さっ、早く決めて食べに行こう!」




春香「素敵なスーツ、見つかってよかったですね」

P「ああ、すぐに決まってよかったよ・・・でもみんな本当にそんなのでよかったのか?」

あずさ「まあ~、これとーっても美味しいですよ?」

P「美味しいのはわかってるんですけど、『ご飯をご馳走する』って言ったのにフードコートのクレープってのは・・・」

春香「いいじゃないですか!プロデューサーさんに買ってもらったクレープをあずささんと冬馬君と一緒に食べる、十分幸せです」

P「う~ん、それもわかるけど・・・」

冬馬「あんた、ちょっとばかりここのクレープを舐めてるんじゃないか?クリームの甘さも、生地の焼き加減も、いつも通り最高だぜ」

P「は、ははは・・・そんなに好きならいいんだけどな」

冬馬「だ、誰がっいつ甘い物が好きだなんて言ったんだよ!」

P「え?えっと、そんなことは誰も言ってないですね・・・」

春香「でも、冬馬君のクレープってクリームとシナモンだけだよね?意外だな~、もっとイチゴとかチョコとか選ぶと思ってた」

あずさ「そうねぇ、一番安いし、気を使ったんじゃないかしら?」

冬馬「はぁ・・・シナモン生クリームクレープの旨さがわからないとはな・・・」

冬馬「クレープ生地にイチゴの酸っぱさは不要なんだよ、バナナも主張しすぎる、チョコは論外だ!

   生地に対して余るクリームをスプーンですくって食べたときのシナモンシュガーの程良い甘さと食感こそが理想・・・
   それになんといっても下の方のシナモンだけが固まっているゾーン、これはもう・・・」ウンタラカンタラ

P「変なスイッチを入れてしまったようだ」

春香「ほ、本当に好きなんだね・・・」

あずさ「私も今度食べてみようかしら~?」

冬馬「ま、論外と言ったが別にチョコの存在を完全否定してるワケじゃねえ
   俺としては生地とクリームとバナナとチョコという甘味のくどさについて抗議したいわけだ、つまり・・・」ナンタラカンタラ

P(これで別に甘い物好きじゃないって言い張るから凄いな・・・)

冬馬「おい、あんた!ちゃんと聞いてんのか!?」

P「アッ、ハイ」

P(やっぱり普通に飯奢ればよかった)

おわり

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