許嫁「好きって十回言って」(638)
男「え?きゅ、急になんだよ」
許嫁「いいから」
男「いや、でもなんか恥ずかしいし…」
許嫁「早く」
男「わ、わかった。言うぞ」
男「…好き、好き、好き、好き好き好き好き好き好き、好き?」
許嫁「私のことは?」
男「好き。……あっ」
許嫁「………………………」
男「いや、えっと、その」
許嫁「キモ。早く死なないかしら」
男「………」
許嫁「私たちは無理矢理嫌々結婚させられようとしてるのよ」
許嫁「あなたに愛情なんて芽生えるわけがないじゃない」
男「はぁ」
許嫁「気持ち悪いからあなたも私にそういう感情を寄せないでって何回も言っているでしょ」
男「でも今言わせたのは許嫁だろ」
許嫁「あなたの気が緩んでないかテストしたのよ」
男「ああ言えばこう言う…」
許嫁「とにかく、本当にやめて頂戴ね」
男「………」
許嫁「こんな気持ち悪い家、早く出て行きたいわ」
男「確かに、俺もそう思うけど…」
許嫁「じゃあなんで婚約を受け入れたの?」
男「いや、それは…」
許嫁「どうせ私の体に目が眩んだんでしょう」
男「そんなんじゃ…!」
許嫁「…ごめんなさい、あなたに当たってもしょうがないわね」
男「……うん」
男「今の時代、こんなことする必要があるのかな…」
許嫁「頭の固い大人たちは、これが一番信頼関係を築ける方法だと思っているのでしょう」
男「……」
許嫁「気持ち悪い」
男「……!」ビクッ
許嫁「なんでビクビクしてるのよ。あなたのことを言ったわけじゃないわ」
男「いや、その、条件反射というか」
許嫁「キモ」
男「……!」
許嫁「ああ、今のはあなたに対して言ったのよ」
男「はぁ…」
許嫁「あなたにも悪いとは思っているわよ」
男「そんな…」
許嫁「好きな子、いたんでしょ?」
男「し、知ってるの?」
許嫁「女子の情報力を甘く見ない方がいいわよ」
男「おっかない…」
許嫁「女先輩…だっけ?」
男「誰かまで知ってたの!?」
許嫁「ええ、あなたは有名人だから」
男「はぁ…」
男「でもいいよ、俺フラれたし…」
許嫁「あら、告白したんだ」
男「うん、まあ…」
許嫁「それって浮気じゃない?」
男「婚約の話が出るよりも前の話だよ」
許嫁「ふーん…」
男「こっぴどくフられちゃってね…」
許嫁「いい気味ね」
男「ひどいな…そういう許嫁はどうなんだよ」
許嫁「私?」
男「その…好きな人とか……」
許嫁「いるわよ。それが?」
男「そ、そうなんだ…」
許嫁「でも私は今置かれているこの状況がとても気に入らないの」
男「なんかごめん…」
許嫁「いいのよ、悪いのはあなたではないのだから」
男「………」
許嫁「うちの会社でもいいから潰れないかしら」
男「そんな滅相もない」
許嫁「ここから脱出できるのなら貧乏だって構わないわ」
男「………」
許嫁「ハァ……」
男「どうしたの?ため息なんてついて」
許嫁「今夜のことを考えると憂鬱」
男「今夜って……あっ」
許嫁「お爺様が来る日でしょう?」
男「そうだね……」
許嫁「嫌だわ……」
男「……………」
許嫁「ヘマしないでね」
男「…分かってるよ」
男「ん?何だか部屋の外が騒がしいな」
許嫁「何かしら」
コンコン
爺「男、入るぞ」
男「……!ど、どうぞ」
爺「元気にしてたか、男」
男「先週も会ったじゃないですか、お爺さん」
爺「おお、そうだったな。ん?」
許嫁「…どうも」
爺「ほう、二人で仲良くお勉強か?」
許嫁「…そうですけど、何か」
爺「いやいや、感心感心。ほっほっほっ」
ガチャン
許嫁「何なのかしら、全く」
男「俺たちがちゃんと仲良くしてるか、見てるんだよ。きっと」
許嫁「鋭い人ね。私嫌い」
男「うん…」
許嫁「はぁ…ますます憂鬱になってきちゃった」
男「………」
男「………」
許嫁「どうしたの?急に俯いて黙ってしまって」
男「えっ?いや、何でも…」
許嫁「まさか、また変なことを考えていたの?」
男「いや、そういうわけじゃ…ただ…」
許嫁「男の人ってみんなそうなのかしら。汚らわしい」
男「ごめん…」
許嫁「あの忌々しいお爺様も」
許嫁「相当な変態よね」
男「………」
爺「ふぅ、なかなか美味い飯だったわい」
メイド「ありがとうございます。お粗末さまでした」
許嫁「………」
男「………」
爺「これ、どこへ行く。お前たち」
男「お、俺はトイレに…」
許嫁「私はお風呂がまだなので」
爺「ふん。あの部屋で待っているからな。二人とも逃げるなよ」
男「に、逃げませんよ。何言ってるんですか、やだなぁもう」
許嫁「……」ゲシッ
男「いって!なんで蹴るんだよバカ…」
許嫁「今のはどう見ても不自然でしょう、気をつけなさい」
爺「…………」
コンコン
爺「入れ」
許嫁「お待たせしてごめんなさい」
爺「随分待ったわい。ちと長風呂ではないか?」
許嫁「体の隅々まで綺麗にしていたので」
爺「ほう。少しでも時間を遅らせようとしていたわけではないのだな?」
許嫁「………」
爺「まあいいわい。さっさとベッドへ行きなさい」
許嫁「……はい」
前に同じのを書いてましたが途中で落ちたので
許嫁「お待たせ」
男「ん…」
許嫁「私が渡したゴム、ちゃんとつけてきた?」
男「うん、トイレで」
許嫁「そう、ならいいわ。あなたとの子供なんて絶対欲しくないから…」
男「………」
許嫁「…嫌ね、みんな見てる。この薄いレースのカーテンの向こうで」
許嫁「使用人も、メイドも、お爺様も…」
男「うん…」
許嫁「こうして一週間に一度、後継作りの儀と称してこんなことをさせて」
許嫁「屈辱だわ」
男「………」
許嫁「ほら、さっさと終わらせてしまいましょう」
男「う、うん…」
許嫁「……ハァ」
男「あの……キス、いい?」
許嫁「人前でよく恥ずかしくないわね」
男「ごめん…嫌だよね…」
許嫁「…いいわよ。しないと不自然だものね。でもあんまり音を立てないでね」
男「う、うん…じゃあ……」
許嫁「…んっ……」
男「……………」
男「ん…んふっ……ふぅ、ふぅ…」
許嫁「んっ……んっ……」
男「ハァハァ…許嫁、音立てちゃダメ…?」
許嫁「駄目って…いつも言ってるでしょ…」
男「っ……」
許嫁「こんな偽物の愛に、何本気になっているのよ」
男「……俺は」
許嫁「なに?……んむっ…」
男「んっ……んっ……」
男「ハァ、ハァ…」レロレロ
許嫁「嫌、耳舐めないで」
男「なんで?すごく気持ちよさそうな顔をしてるのに…」
許嫁「みんなが見ているでしょう?必要以上の前戯はやめて」
許嫁「それに、んっ…声、出ちゃうから…」
男「声、聞きたい」レロレロ
許嫁「私は聞かせたくないの。あっ……」
許嫁「お願いだから、もうやめて…恥ずかしくて死んでしまうわ……」
男「………」
男「ごめん……」
許嫁「ひっ…ぐすっ……」
男「俺が悪かったって…泣かないで…」
許嫁「もう嫌、こんなの…」
男「………」
爺「おい、どうした」
男「は、はい!」
爺「さっきから許嫁の泣き声のようなものが聞こえるが」
男「き、気のせいですよ!えっと、その…」
許嫁「………」ギュー
男「わっ…えっ、許嫁…?」
爺「まあええわい、さっさと続きをせい」
許嫁「………」
男「……もう大丈夫なの…?」
許嫁「…ええ、だから続けて」
男「で、でも…」
許嫁「なるべく声を出さないように我慢するから」
男「…わかった。俺も必要以上のことはしないから…」
許嫁「ありがとう」
男「………」
許嫁「こんなこと、早く終わらせてしまいましょう」
男「…うん」
許嫁「それじゃ…下着、脱がせて」
男「………」ペロペロ
許嫁「んっ…んっ……」ビクビク
男「許嫁、大丈夫…?」
許嫁「大丈夫だから…続けて」
男「んっ……」ペロペロ
許嫁「っ………」
男「………」ペロッ
許嫁「あっ……!」
許嫁「そ、そこはやめてっていつも言ってるでしょ!」
男「ご、ごめん…気をつける…」
男(舐めたい…もっと許嫁を気持ちよくさせたい…でも……)
許嫁「……嫌…」
男「………」
男「そろそろいいかな…」ニュル
許嫁「あっ!」
男「わっ、ごめん…」
許嫁「指を挿れるならそう言いなさいよ…」
男「ごめん、でもそろそろ…」クチュクチュ
許嫁「ば、バカ!音立てないで…」グスッ
男「そろそろ、いいよね…?」
許嫁「………」コクン
男「挿れるね……」ニュル
許嫁「…いやああぁぁ……」
許嫁「嫌だ、入ってくる……嫌、嫌……」ポロポロ
男「許嫁…」
許嫁「みんな、見てる…私の痴態を…」
男「ごめん、許嫁…なるべく早く終わらせるから……」ギシッ
許嫁「嫌、音が……」
男「ハァ、ハァ、ハァ……」ギシッギシッ
許嫁「音、聞かれて…いやあぁぁ……」
男「許嫁っ、許嫁っ……!」ギシッギシッ
男(こんなに嫌がってるのに、いつもいつも許嫁を犯して…)
許嫁「ひっ…ぐすっ…」
男(心が痛むのに、気持ちが抑えられなくて……)
許嫁「ぐすっ……嫌、嫌…」
男「許嫁、許嫁っ……」
許嫁「やめて、名前、呼ばないで…」
男「許嫁、好きだ、許嫁っ……」ギシッギシッ
許嫁「やめて、みんな聞いてる、見てるから……」
男「ごめん、でもっ…!」
許嫁「んむっ……!」
男「ちゅぱっ、ちゅうぅっ、れろっ…ちゅっ…」
許嫁「ん?!んん?っ!」
男(はぁぁ…やっぱり、音を立ててするキス、気持ちいい…っ)
許嫁「んっ…んんっ……」グスッ
男「……ちゅぱっ」
許嫁「…ぐすっ…最低……死ね……」
男「………」ギシギシ
許嫁「ひっく…ぐすっ……」
男「ハァ、ハァ……」ギシギシ
男「あっ、くっ……」パンパンパンパン
許嫁「……!」
男「許嫁、出そう……っ」
許嫁「ぐすっ…ちゃんとゴム着けてるわよね…?」
男「うんっ……」パンパン
許嫁「本当に本当?」
男「本当だって…だから、もう……」
許嫁「…じゃあ、いつもみたく、お願い」
男「分かった…」パンパン
爺「…………」
「あっ、ハァ、ハァ…!」パンパン
「許嫁、も、出る…!」
「っ……」
「な、中に出すね…!」
「……!」ビクッ
「お、俺の元気な子、産んでね…!」
「………ぃ…ゃ…」ポロポロ
「い、許嫁っ、許嫁っ!」パンパンパンパン
「くっ…あっ……!」ビュクビュク
「……っ……嫌……」
「ハァ、ハァ……!」ビュク
爺「……ふん」
男「ハァ…ハァ……」
許嫁「……っ、ぐすっ……」
男(またやってしまった……)
爺「おい」
男「は、はい!」
爺「もう終いか?」
男「は、はい、もう勃たなくて…」ビンビン
許嫁「………」
爺「ふん、若いのに情けない。つまらん。わしはもう寝る」
男「お、おやすみなさい…」
爺「ハァ……」
男「…………」
男「許嫁、みんな出てったよ」
許嫁「……ぐすっ…」
男「はぁ、やっとゴム外せるや。不自然な動きをしたらバレちゃうもんな」
許嫁「………」
男「……許嫁、その、ごめん」
許嫁「…毎度毎度、もう聞き飽きたわ」
男「………」
許嫁「もういい。寝かせて」
男「また俺の部屋で寝るの?」
許嫁「いいじゃない。疲れてるのよ」
男「せめて服くらい……」
許嫁「部屋の鍵、ちゃんと閉めてよね」
男「………」
許嫁「すぅ…すぅ……」
男「可愛い寝顔しやがって」
男「………」ムラムラ
男「……こっちの気持ちなんて知らないで」
許嫁「…ん……ぅ……」ムニュ
男「………!」ビンビン
許嫁「……すぅ…すぅ………」ムニュムニュ
男「……」
男「………」シコシコ
男「…………」シコシコ
男「……………うっ」ビュッビュッ
男「ハァハァ……まだ収まらない……」
男「…………」シコシコ
許嫁「………………」
許嫁「………」
男「あの、許嫁?」
許嫁「………」
男「もしかして、怒ってる…?」
許嫁「メイドさん、お茶のおかわりいただけないかしら」
メイド「はい、ただいま」
男「ねえ、昨日は悪かったって…」
許嫁「………」
男「次はもう少しうまくやるから…」
許嫁「ふんっ」
許嫁「お爺様はどうされたの」
男「明け方帰ったみたいだよ」
許嫁「そう。よかった」
男「これでまた家には俺たちと使用人だけだね。父さんは本社だし」
許嫁「あなたはそれで羽が伸ばせるのかもしれないけど、私はいつだって堅苦しくて仕方がないわ」
男「…だよね」
許嫁「近くに何もないし、出かけるにしても足がないし、本当不便な場所だわ」
男「なんでこんな場所に別荘建てたんだろうね…」
許嫁「全くよ。おかけで休日は退屈で仕方ないわ」
男「これもお爺さんの策略の内なのかな…」
許嫁「かもね」
許嫁「娯楽のない所に若い男女が二人で閉じ込められていたら……ねぇ?」
男「………」ムラ
許嫁「どうかしたの?」
男「なんでも…」
許嫁「まさか、発情してないわよね?席外しましょうか?」
男「そ、そんなことないって!」
許嫁「いいのよ、遠慮しなくて」
男「我慢できるからいいって!」
許嫁「なによ、やっぱり発情してるんじゃない。昨日あれだけしておいて」
男「あれだけって…許嫁とは一回しかしてないと思うけど」
許嫁「…そうだったわね」
男「?」
許嫁「そういえば、あの日以外であなたが鬱憤を解消しているところを見たことないわね」
男「普通そういうところは見せないって」
許嫁「無用心なあなたなら、不慮の事故で鉢合わせてしまうことくらいありそうじゃない」
許嫁「私が言わないと部屋に鍵かけないし」
男「た、たまたま見つかってないだけだろ。たまたま…」
許嫁「本当かしら?」
男「本当だよ。だいたいなんでそんなこと気にするんだよ」
許嫁「どうしてって…普段から鬱憤を解消せずに溜め込まれて、私としてるときにゴムなしで二回戦したくなられたら困るから」
男「…だ、大丈夫だよ」
男(やっぱり、普段から抜いておいた方がいいのかな…許嫁のためにも…)
男(でも、なんだかする気になれなくて…結局一週間溜め込んじゃって…)
男(二回戦は駄目だって分かってる。絶対許嫁が嫌がるから…でも、もし自分が抑えきれなくなったら…)
許嫁「ねえ、さっきから何黙りこくってるのよ」
男「え?なんでもないよ。なんでも…」
許嫁「ハァ…『やっぱり我慢できなくなってきた、お願い』とかじゃないでしょうね」
男「だから違うって!」
許嫁「こんな昼間からやめてよね。もうすぐメイドさんがお茶を持ってきてくれる時間なのに」
コンコン
メイド「男様?お茶をお持ちしました。入っても宜しいでしょうか?」
許嫁「ほら」
メイド「あら、やっぱり許嫁様もこちらにいらしたのですね」
許嫁「なぜ?」
メイド「許嫁様はいつも男様と部屋で一緒ですから。やっぱり仲がおよろしいのですね」
男「そ、そんな…!」
メイド「ふふ。ごめんなさいね、お邪魔して。私はこれで」
男「……ごめん、許嫁」
許嫁「なぜ謝るの?」
男「許嫁は俺とこう思われるの、嫌だと思ったから…」
許嫁「そうね」
男「………」
許嫁「でも、周りには確実にごまかせている、ということよね」
男「だね…」
許嫁「あとはお爺様もコロリと騙されてくれればいいのだけど」
男「………」
男「……許嫁はこれからどうしたいの?」
許嫁「え?なにが?」
男「俺たちがうまくいってると周りに思わせて、それでどうにかなるわけじゃないでしょ?」
許嫁「私は毎週行われる馬鹿な後継作りの儀とやらをやめてほしいだけ」
男「……」
許嫁「結局はお爺様が私たちの関係に不信感を抱いているからさせているのでしょう?」
男「そうかな…」
許嫁「ええ、多分」
男「でも…それをやめさせることができたって、俺たちの婚約が解かれるわけじゃないんだろ?」
男「むしろ、お爺さんの監視がいらなくなるってことは、より親密になったと判断されるわけで…」
許嫁「じゃあどうすればいい?黙って彼らの前であなたに妊娠させられればいいの?」
男「それは……」
許嫁「…ごめんなさい。またあなたに当たってしまったわね」
許嫁「どうやっても逃げ出せないのかしら、私たち」
男「うん……」
許嫁「こんな風に言われるがままに結婚させられるなんて、絶対嫌」
男「………」
許嫁「私、好きな人がいるの」
男「…聞いた。どこの誰だかは知らないけど……」
許嫁「その人に自分の口から告白して、一緒になりたい」
男「………」
許嫁「あなたはもういないの?好きな人」
男「俺は……」
許嫁「………」
男「……なんでもない」
許嫁「何よそれ」
男「………」
許嫁「ねえ」
男「ん?」
許嫁「好きって十回言って」
男「またそれか。もう引っかからないぞ」
許嫁「なによ、つまらない人」
男「……好き好き好き、好き好き好き好き好き好き…」
許嫁「私のことは?」
男「……好き」
許嫁「結局引っかかってるじゃない。バカね」
男「………」
許嫁「バカ。この鳥頭」
男「……ごめん」
許嫁「……ちょっと、やだ」
男「どうかしたの?手で顔を覆って」
許嫁「…なんでもないわ。それよりこの部屋、暑くない?暖房の温度下げて頂戴」
男「そうかな?俺はちょっと寒いくらいなんだけど…大丈夫?具合悪い?」
許嫁「なんでもないって言ってるでしょう」
男「本当?顔見せて」
許嫁「しつこい。あっち行って」
男「…あの、泣いてる?」
許嫁「うるさい、バカ」
男「ごめん……」
男(また怒らせてしまった…耳まで真っ赤だ……)
男「…………」ズズー
許嫁「…………」モグモグ
男(また、こんな調子だ。気まずい……)
メイド「男様、ご飯のおかわりはどうなさいますか?」
男「え?ああ、うん。もらおうかな」
メイド「はい、ただいま」
男「………」
メイド「お二人とも、どうかなさったんですか?」
男「え?な、なんで……」
メイド「いえ、何分静かでしたので……」
許嫁「…ごちそうさま」ガタッ
メイド「許嫁様!申し訳ございません、お気を悪くされたのなら謝ります!」
許嫁「いいわ、そんなんじゃないから」
メイド「…どうしましょう」
男「メイドさんは何も悪くないですよ。許嫁を怒らせるようなことをしちゃったのは俺なんだから……」
男「はぁ……機嫌直してくれないかなぁ……」
男「……とりあえず風呂にでも入ろうかな」
男「………」ヌギヌギ
バシャン
男「いけね、許嫁が先に入ってたのか」
男「鉢合わせない内に早く服着て出ないと……」
ガチャ
男「あっ……」
許嫁「…………っ」
男「…………」ムクムク
許嫁「………………」ジトー
男「……………」ビンビン
許嫁「…………ハァ」
男「あの…その……ごめんなさ……」
許嫁「どいて。タオルが取れないわ」
男「ご、ごめん!」
許嫁「………」
男(ど、どうしよう!パニックで頭が真っ白になって……)
許嫁「いつまで見ているつもり?」
男「ご、ごめん、そんなつもりじゃ!」
許嫁「なら、早く入ったら?」
男「ごめん!本当ごめん!」
許嫁「……………」
男「はぁ…………」
メイド「どうされましたか、男様。ため息なんてつかれて」
男「許嫁を余計怒らせちゃって」
メイド「まあ、それは」
男「もう謝っても許してくれなさそうな…」
メイド「そんなに心配しなくても、いつもすぐ仲直りしてるじゃないですか」
男「そうかな……」
メイド「ええ。今朝だって」
男「うーん……」
男「とは言っても、なぁ……」
男「あれ、部屋の電気が付けっぱなしだ…消し忘れたのかな」ガチャ
許嫁「…あら、随分長湯だったわね」
男「い、許嫁!なんで俺の部屋に…」
許嫁「なに?邪魔だから出ていってほしいとでも言いたいの?」
男「いや、そうじゃなくて……その…さっきは……」
許嫁「数学の宿題」
男「え?」
許嫁「やっぱり忘れてる。明日提出の宿題、一緒にやろうと思って」
男「え、ああ……」
許嫁「待っている間に少し進めたけど、結構多いわよ」
男「そ、そっか」
男「………」チラ
許嫁「…………」カキカキ
男(さっきまでピリピリしてたのに、集中なんてできるわけ……)
男(……それに)ムラムラ
許嫁「さっきから余所見が多いわよ」
男「ご、ごめん……」
許嫁「なによ、さっきから全然進んでいないじゃない。わからないところがあるの?」
男「いや、それもあるけど……」
許嫁「見せてみなさい」
男「え、わ、ちょっと!」
男(い、今隣に来られると……)ビンビン
許嫁「どう、分かった?」
男「う、うん……ありがと」モジモジ
許嫁「どうしたの?さっきから様子が変よ?」
男「そ、そんなことないと思うけど……」ビンビン
許嫁「……ふーん」
男「あの……」
許嫁「長湯してたからてっきり済ませて来たものだと思ってたけど」
男「そんなことしてないって…」
許嫁「しちゃえばよかったのに。興奮してしまったのなら仕方ないわ」
男「だって……許嫁に悪いと思ったし……」
許嫁「ハァ……」
許嫁「それで、あなたはどうしたいの?」
男「えっ」
許嫁「どうしたいのかを聞いているの」
男「あの、それって……」
許嫁「あなたが私にしてほしいこと、できる限り叶えてあげるわ」
男「……!」
許嫁「ねえ?私にどうして欲しい?」
男「た、例えば……?」
許嫁「そうね。例えば……」
許嫁「私に今すぐ部屋を出ていってほしいとか?」
男「え?」
許嫁「メイドさんが部屋に近づかないように引き止めてほしいとか」
男「あの……」
許嫁「レンタルビデオを借りにいってほしいとか」
男「年齢制限があるだろそれは」
許嫁「そうだったわね」
男「はぁ……」
許嫁「なによ、その溜息」
男「数秒前の自分を殴りたい」
許嫁「どうして?」クスッ
男(また許嫁の巧みな騙し言葉にまんまとハマってしまった……)
男(情けないし許嫁にも申し訳が立たないよ……)
男「だいたい、そんなことしてる場合じゃないって。俺全然宿題進んでないし」
許嫁「あら、私はもう終わったわよ」
男「な、いつの間に……」
許嫁「集中力が足りないからよ」
男「だからそれは」
許嫁「ああごめんなさい。大変ね、男の子って」
男「……もうその話は終わりだ」
許嫁「はいはい。私、お茶持ってくるわ」
男「ありがと」
許嫁「どう?捗ってる?」
男「ああ、うん。さっきよりはまあ」
許嫁「メイドさんにお茶とお茶菓子を用意してもらったわ」
男「ああ、ありがとう」
許嫁「わからないところがあったらすぐに聞いて頂戴」
男「助かるよ」
許嫁「……あら」
男「どうした?俺なにか間違えてるか?」
許嫁「いいえ、間違えていたのは私。あなたの解答を見て場合分けをし忘れてることに気づいたわ」
男「そっか」
許嫁「悔しいけど、感謝しておくわ」
男「なんで悔しがるんだよ…」
許嫁「んーー……」ゴロゴロ
男「暇なら部屋に戻れば?」
許嫁「あら、やっとその気になったのね」
男「違うって。わざわざ話を蒸し返すなよ」
許嫁「はいはい」
男「はぁ……もう宿題したくない…怒られればいいや……」
許嫁「最低の選択ね」
男「言ってみただけだよ」
男「やったー!やっと終わったー……」
男「はぁ……疲れた……」
男「……ん?許嫁?」
許嫁「……すぅ…すぅ……」
男「また俺の部屋で寝ちゃってるよ……仕方ない、部屋まで運んでやるか」
男「全く、運ぶの大変なんだからな。……よいしょっと」
許嫁「……ん」ムニュ
男「……大変なんだからな」
男「ほら、着いたぞ」
許嫁「…ん……ぅ……」ドサッ
男(ああ、柔らかい肌が離れていく……)
許嫁「………」
男「…………」ムラムラ
男「……って、何考えてるんだ、俺」
男「…おやすみ、許嫁」
許嫁「…………」
ガチャン
許嫁「…………」
許嫁「……………ふんっ…」
男「ふぁぁ……」
許嫁「随分と眠そうね」
男「昨日はちょっと寝付きが悪くてね…」
許嫁「……ふーん」
男「…なんだよその目」
許嫁「別に」
男「また朝から機嫌悪いのか…」
許嫁「今、めんどくさい女だと思ったでしょう」
男「思ってないって」
許嫁「じゃあ私のこと好きなの?」
男「えっ!あ、あの……」
許嫁「何パニックになってるのよ。キモ」
男「めんどくせえ……」
男「な、なあ、許嫁……」
許嫁「何か?」
男「ちょっと近づきすぎじゃないか?歩き辛いんだけど……」
許嫁「そんなことはないわ」
男「いやいや、明らかに体がくっついてる」
許嫁「これは暖を取っているのよ」
男「……周りの登校中の生徒からの視線が痛いんだけど……」
許嫁「嫌だわ、夫婦だと思われてるのかしら」
男「いくらなんでもそこまで考えが飛躍しないだろ」
許嫁「ならいいわ」
男「問題の解決にはなってないけどな…」
許嫁「いいのよ」
友「よっ、男」
男「おお」
友「今朝も見たぞ。朝から彼女とイチャイチャ登校しやがって」
男「か、彼女なんかじゃないって…」
友「またまたー。あんな美人な子、お前には勿体なすぎるぜ」
男「いや、本当に違うんだって」
友「それより、これから一緒に食堂で昼飯食べないか?」
男「いや、ごめん。俺他の人と食べる約束してて」
友「そっか。誰と?」
男「……許嫁と」
友「二人で?」
男「う、うん……」
友「……お前ら、本当に付き合ってないのか?」
許嫁「遅いわよ。待ちくたびれたわ」
男「ごめん、ちょっと話してて」
許嫁「ここなら誰も来ないわよね」
男「こんな寒い所で食べる奴なんて俺らくらいだろ…」
許嫁「そうね。ならいいわ」
男「はぁ……暖房が利いてる教室で食べたい……」
許嫁「仕方ないじゃない。他の人がいるんだから」
男「せめて二人一緒の弁当箱じゃなければな……」
許嫁「メイドさんも気が利かないわね。いただきます」
男「…いただきます」
許嫁「………」モグモグ
男「………」モグモグ
許嫁「……ねえ」
男「…ん?」
許嫁「あーん、とか…して欲しい……?」
男「ゲホッゲホッ…」
許嫁「むせることないじゃない」
男「変な冗談言うからだろ!」
許嫁「……今なら誰も見てないけど?」
男「……え?」
許嫁「………」
男「いや、えっと……」
許嫁「………」
男「その……」
キーンコーンカーンコーン
男「………!」
許嫁「あら、もう昼休みが終わってしまうわ。まだお弁当残ってるのに」
男「あ、うん……」
許嫁「これはのんびり食べてる暇なんてないわね。急ぐわよ」
男「………」
男「はぁ……」
友「どうしたんだ、溜息なんてついて」
男「いや、なんでも……」
男(あのとき、黙って頷いてたらどうなってたんだろ……)
男(……いや、そんな筈ないか。いつもみたく「キモ」って言われて……)
男「…………」
男「……あ、雨降ってきた」
許嫁「来た来た」
男「待ってたんなら先に帰っててもいいのに」
許嫁「あなた、傘持っていないかと思って」
男「あ、そういえば」
許嫁「ほらね」
男「許嫁は持ってるの?」
許嫁「ええ、まあ」
男「……入れてってください」
許嫁「仕方ないわね」
男「……許嫁」
許嫁「何?」
男「行きよりも近づきすぎのような…」
許嫁「仕方ないじゃない。この傘、折りたたみ式だから小さいのよ」
男「でも腕に抱きつく必要は……」
許嫁「こうでもしないとあなたは離れようとするでしょう」
許嫁「そんなことされたら私が風邪をひいてしまうじゃない」
男「そ、そうだけど……」
許嫁「また周りの視線が怖いの?」
男「……許嫁が怖い」
許嫁「傘没収」
男「あ、ちょっと!待てって!」
友「おっす」
男「おう、おはよう」
友「お前、昨日相合傘してたよな」
男「げっ…見てたの?」
友「ああ、ばっちり」
男「はぁ……」
友「お前ら、本当はやっぱり付き合ってるだろ」
男「……そう見える?」
友「ああ、だってもう何かラブラブオーラ出てるし」
男「そうかな……」
友「そうだよ」
男「……………………」
…………………………………
爺「…………」
許嫁「…ひっく…グスッ……」
男「…………っ」パンパン
許嫁「嫌……嫌っ……」
男(許嫁のこんな顔を見て、ラブラブなんて言えるわけないよ……)
男「ごめん…許嫁……」
許嫁「………っ」フルフル
男「…………あっ」
男「出るっ…許嫁、出るっ…!」パンパン
許嫁「………グスッ…」
男「気持ちっ……中に一杯出していいっ……!?」
許嫁「……嫌…」
男「あっ、あっ、ああああぁぁぁっ!!」ビュクッビュクッ
許嫁「……………っ」
爺「またこれで終わりか」
男「は、はい……」
爺「お前、嘘をついていないだろうな?」
男「そ、そんなこと!」
爺「そこの娘は前戯もせずにすすり泣いてばかりではないか」
男「な、泣いてないですって!これは、その、変わった喘ぎ声で……」
許嫁「……グスッ…」
爺「……もうええわ。引き上げるぞ」
男「お、お休みなさい」
爺「……いつになればひ孫の顔が見れるのやら」ボソッ
男「………っ!」
男「まさか、バレてないよな……」
許嫁「ごめんなさい、私のせいで……」
男「いや、まだ決まったわけじゃないけど……」
許嫁「我慢しないといけないのは分かってるのだけど、私、本当に嫌で……」
男「ごめん……」
許嫁「……謝らないで。申し訳ないのは私の方よ。あなたにまでリスクを背負ってもらって、しかも欲求不満のままで」
男「そんな…許嫁が嫌がってるのに自分だけ好き勝手なんてできないよ」
許嫁「でも……」
男「これは、俺たち二人の問題だし…」
許嫁「男……」
許嫁「ねえ、今夜もここで寝てもいい?」
男「え…?許嫁がいいなら別にいいけど…」
許嫁「ありがと」
男「………」
許嫁「こうして男の側にいると落ち着く」
男「そう……?」
許嫁「ええ。あなたがいるから泣き叫びそうになるのも我慢できる」
男「でも、俺に痴態を見られてるんだよ…?」
許嫁「そうね」
男「そうねって……」
翔んだ糞爺だな
男「俺に見られるのだって嫌なんじゃないの?」
許嫁「………」
男「……許嫁?」
許嫁「………」チュッ
男「……え?え?」
許嫁「おやすみなさい」
男「ちょっと、なんでいきなりこんな…」
許嫁「………すぅ…」
男「もう寝ちゃってるし……」
許嫁「……すぅ…すぅ…」
男「……………」ムラムラ
男「なんで、許嫁は俺にキスを……?」
男「おやすみのチュー?でもそんなの今まで一回もされたことないし…」
男「……求めたら殴られそうだし」
男「………」
男「……いかんいかん、もう忘れて寝よう」
許嫁「……すぅ、すぅ…」ムニュ
男「………………」ムラムラムラムラ
男「………ハァ、ハァ」シコシコ
男「…ハァ、ハァ、ハァ……」シコシコ
許嫁「……すぅ…すぅ…」
男「…ハァ、ハァ……あっ」
男「ハァ、ハァ……許嫁っ…!」シコシコ
許嫁「んぇっ……?」ピクッ
男「許嫁っ……許嫁っ……」シコシコシコ
許嫁「………………」
男「許嫁っ……あっ…あっ……!」シコシコシコシコ
許嫁「………………」ピトッ
男「……え?許嫁?」
男(許嫁が自分の手を俺がモノを握ってる手に重ねて……?)
男「あの、許嫁さん……」
許嫁「………」
男「目瞑ってますけど、起きていらっしゃいますか……?」
許嫁「………」ナデナデ
男「…………っ」
男「ご、ごめん、許嫁…隣で寝てたのに一人で変なことしちゃって…」
許嫁「………」ナデナデ
男「俺、部屋出てくから……」
許嫁「……………」チュッ
男「………っ!?」
ふう
男「い、許嫁!なんなんだよ、さっきから…」
許嫁「……」チュッ、チュッ
男「~~~~~~っ……」ドキドキ
男(ダメなのに、許嫁がどんどん愛おしく見えて……っ)
許嫁「………」チュッ、チュッ
男(あっ……あっ……)
許嫁「………男」ボソッ
男「」
男「…………っ」チュー
許嫁「んっ……」チュー
/ | | |
| | | |
|ー | l ー- l
/⌒ヽ | | l l
l l | | | 0 |
| l | ー- | l⌒) - l
| -‐| | | | 丿 | /⌒ヽ
| | | | |ノ l | ヽ
l _! | !__,! ‐ 一 | l ヽ、
/⌒ヽ l ‐ \ |, ノ⌒) () l 〉-‐ l
l〉 )ヽ、 ヽノ (ノO (ノ (つ ヽ、 | ノ) |
/ 人 ヽ、 (⌒) ヽノ (ノ |
l ヽ、\, )丿 / ノ/ o l
ヽ ノ \,/ / (ノ () ヽ l
\ / / (⌒ヽ |
ヽ、 / / l しノ |
ヽ、 / / | l
ヽ、 l /
ヽ、 | /
ヽ l /
許嫁「………んっ」
男「…ごめん、許嫁」
許嫁「ドキドキした」
男「お、俺も……」
許嫁「初めてあなたとキスしたときよりも…」
男「あの時もドキドキしてたんだ」
許嫁「…嘘。本当はしてない」
男「どっちなんだよ」
許嫁「ふふっ…」
許嫁「んー…」チュー
男「んっ……」チュー
許嫁「…こういう普通のキスって初めてよね」
男「…そうだっけ」
許嫁「そうよ。初めてのときだっていきなりがっついちゃって」
男「…予行練習だったのにね」
許嫁「夢中になって1時間くらい離してくれなかった」
男「あとですごい怒られた…」
許嫁「そうだったわね」クスッ
男「…んっ。何で急にこんなことを…?」
許嫁「さあ、何でかしら」
男「俺とこんなことするの嫌じゃないの?」
許嫁「……んっ」チュー
男「………っ」チュー
男(ダメだ、心臓のドキドキが止まらなくて……)
許嫁「……んっ、ふっ…」シコシコ
男「い、許嫁!?何してるんだよ!」
許嫁「いつも愛撫してあげられなかったから、今してあげてるの。嫌?」シコシコ
男「う、嬉しいけど……」
許嫁「んーっ……」チュー
男「…………っ」ビクビク
許嫁「ねえ」
男「な、なに?」
許嫁「…今なら誰もいないし、遠慮なく音が出る激しいキスしてもいいけど」
男「ほ、ほんと!?」
許嫁「そんなに驚くほど好きなの?呆れた。……んむっ!?」
男「ちゅぱっ、ちゅうっ…れろっ…」
許嫁「んっ…ふぁっ……」
男「ちゅっ、ちゅぱっ、ちゅうっ…」
許嫁「んっ…ちゅぱっ、れろっ…」
男「ちゅぱっ…はぁ…はぁ……」
許嫁「…これで満足した?」
男「………」
許嫁「してないみたいね。いいわよ、今夜は何回でも」
男「い、許嫁!」
許嫁「何よ」
男「も、もう一回エッチしない!?」
許嫁「は、はぁ?急に何言って…」
男「だ、だめ……?」スリスリ
許嫁「………嫌」
男「……………っ」
許嫁「…待ってて、今私の部屋からゴム持ってくるから」
男「え……?」
許嫁「生でなんてダメに決まってるでしょ。普段の努力が水の泡じゃない」
男「ご、ごめん…」
許嫁「…少しの間だけど待っていてね」チュッ
男「………」
男「許嫁、何でこんなに今日は…」
男「好きになっちゃダメって言われてるのに、こんなことされたら余計……」
許嫁「ただいま」
男「おかえり…って、許嫁、それ……」
許嫁「何か?」
男「何も箱ごと持ってこなくても……」
許嫁「あらあら、少し余分だったかしら。私はてっきりこれでも足りないかと思ってたけど」
男「……っ」ドキドキ
許嫁「私が着けてあげましょうか?」
男「えっ、だ、大丈夫?」
許嫁「大丈夫よ。前にも着けてあげたことがあったじゃない」
男「そ、それは……」
許嫁「ゴムの着け方が分からないって、二人でパソコンで調べて練習したわよね」
男「何も許嫁も一緒になってやることなかったのに…」
許嫁「思えば、あなたのを見たのはあのときが初めてだったわ」
男「許嫁が目の前にいるのに、いきなり『脱いで』って言ったのはびっくりしたよ…」
許嫁「あら、でも嬉しかったんでしょう?私に見られて、見せつけて」
男「そ、そんなわけ…」
許嫁「刺激もしていないのに大きくなってたものね」クスッ
男「………っ」カァァ
許嫁「……これでいいかしら」
男「う、うん…」
許嫁「初めて着けてあげたときはこんなスムーズにはいかなかったっけ」
男「そうだったね」
許嫁「何個もダメにしちゃって、やっと上手に着けてあげられたと思ったら」
男「あ、その話は!」
許嫁「イっちゃったのよね、あなた」
男「…………っ」カァァ
許嫁「可愛かったわ、あのときのあなた」
男「嘘だ。何回も『キモ』って罵ってきたくせに」
許嫁「あら?そうだったかしら」
許嫁「今夜はあなたがしたいようにしていいのよ」
男「で、でも…本当にいいの?」
許嫁「ああ、勿論私がしたいようにもさせてもらうけど」
男「そういうことじゃなくて…」
許嫁「どういうことよ」
男「こ、恋人同士でもないのにこんなこと…」
許嫁「何言ってるのよ。このままいけば夫婦じゃない」
男「それ。いつもいつも言ってるじゃない、嫌だって」
許嫁「……今夜は忘れて」
男「で、でも……んむっ」
許嫁「ちゅっ……いいから、早くしなさい」
…………………………………
………………………
男「ハァ…ハァ……」
許嫁「もう…激しすぎ……」
男「だって…許嫁がいつも全然と違う表情や声で…嬉しくて……」
許嫁「……バカ」
男「あはは……」
許嫁「…私も、幸せだったわよ」ボソッ
男「え、許嫁?」
許嫁「なんでもないわ」
男「で、でも、今……」
許嫁「もう寝ましょう。疲れたわ。明日は二人揃って腰痛ね」
男「………っ」ドキドキ
友「なあ」
男「ん、何?」
友「お前と許嫁さんってやっぱり付き合ってるんじゃないの?」
男「ち、違うよ…」
友「本当かー?」
男「ちょっと仲がいいだけだって」
友「それにしてもなぁ…」
クラスメイト「男くーん?」
男「あ、何ー?」
クラスメイト「許嫁ちゃんが来てて、男くんいますか、だって」
男「いけね…待たせちゃってたか」
友「また一緒に弁当か?」
男「う、うん…じゃ」
友「……………」
許嫁「寒いわね」
男「うん…」
許嫁「もっとこっちに寄りなさいよ」
男「………」ピトッ
許嫁「ふふっ、少し暖かくなった」
男「………」コクン
許嫁「…ねえ」
男「…ん?」
許嫁「あーん」
男「!?」
許嫁「大丈夫よ、誰も見てないわ」
男「……あーん」
許嫁「…ふふっ」
新・保守時間目安表 (休日用)
00:00-02:00 10分以内
02:00-04:00 20分以内
04:00-09:00 40分以内
09:00-16:00 15分以内
16:00-19:00 10分以内
19:00-00:00 5分以内
新・保守時間の目安 (平日用)
00:00-02:00 15分以内
02:00-04:00 25分以内
04:00-09:00 45分以内
09:00-16:00 25分以内
16:00-19:00 15分以内
19:00-00:00 5分以内
立て直しまでしといて書きためてなくて、途中離脱で保守任せとかアホだろ
前のスレ探してみたら、前も途中で寝て捨て台詞がこれ↓
266 : 1 : 2011/11/27(日) 00:18:47.94 ID:2WQoDYE30
すいません寝てました
もう続き書けないんで落としてください
271 : 1 : 2011/11/27(日) 00:24:21.60 ID:2WQoDYE30
保守するのは構いませんが続きは絶対に書きません
すいません
また後日同じタイトルでスレ立てしますのでよろしくお願いします
では
許嫁「好きって10回言って」
男「なんで?」
許嫁「いいからはやく」
男「ったく・・・好き好き、好き好き好き好き好き、好き好き。これでいい?」
許嫁「私のことは?」
男「嫌い」
許嫁「!?・・・」グスン
的な展開かと思ったら違ってた
寝落ちしてしまいましたすみません
>>290
これ俺じゃない
男「………へへっ」
友「何ニヤニヤしてんだよ」
男「し、してた?」
友「ああ、もうさっきからずっと」
男「マジか…恥ずかしい……」
友「彼女とイチャイチャしまくってたのか?」
男「だから許嫁とはそんなんじゃないって」
友「本当か?」
男「え……」
友「本当なんだな?」
男「………?」
男「あれ…」
男「いつもは大抵許嫁の方が先にHRが終わって待ってるのに…」
男「ん…メールだ」
『用事があるから少し待っていて。すぐ終わる』
男「用事?なんだろ……」
男「ま、いっか。すぐ来るみたいだし」
男「……………」
男「……さむっ」
男「…………」
男「いくらなんでも遅すぎだろ…もう30分も経ったのに」
友「…………」
男「あ、友」
友「男か…なにしてるんだ?」
男「いや、許嫁を待ってるんだけど…すぐ用事を終わらせるって言ったのになかなか来なくて…」
友「すぐ、か……」
男「………?」
友「なんでもない。じゃあな」
男「う、うん……」
友「……お幸せにな」ボソッ
男「どうしたんだ、アイツ……?」
許嫁「男」
男「許嫁、随分長かったな」
許嫁「待たせてごめんなさい。予想より長引いてしまって」
男「用事って、何の用事だったんだ?」
許嫁「なんでもないわ」
男「なんでもないって……」
許嫁「…手、赤くなってるわね」
男「え?うん、まあ…」
許嫁「………」キュッ
男「い、許嫁!?なんで手を……」
許嫁「帰りましょう?」
男「……うん」
許嫁「ふふっ、それでね……」
男「へえ~…」
ガラッ
爺「おおう、久しぶりじゃな、二人とも」
許嫁「…………」
爺「おっと、邪魔だったかのう」
男「いえ、そんなことは…」
爺「最近、妙に仲がええらしいのう。結構結構」
男「は、はは…」
爺「じゃが」
男「……!」
爺「今夜も勿論行うからの。忘れるでないぞ」
男「…………」
許嫁「…………」
男「い、許嫁……」
許嫁「大丈夫、我慢するから…」
男「…………」
許嫁「でも、あんまり激しいのはやめてね」
男「分かってるよ」
許嫁「ここのところ毎日……だし、その…力加減とか忘れてないわよね?」
男「大丈夫だよ……多分」
許嫁「心配ね」
男「はは……」
許嫁「……お爺様がいなくなったら、また……ね?」
男「う、うん……」ドキドキ
爺「………」
男「ハァ…ハァ…」ギシッギシッ
許嫁「…………っ」
男「許嫁、大丈夫…?つらくない?」ギシッギシッ
許嫁「大丈夫…あなたがいるから、我慢…できる……っ」
男「許嫁……」
許嫁「…………っ」
爺「……ふむ」
男「許嫁っ、許嫁っ……」ギシッギシッ
許嫁「………っ」
男「くぅっ……あ、あれ?」
許嫁「……どうしたの?」
男「や、やば…ゴムが外れちゃって中に……!」
許嫁「う、嘘!やだ…」
男「待って、今取るから…」
許嫁「で、でも、変な動きをしたらお爺様にバレてしまうわ」
男「そんなこと言っても……あ、取れた!」
爺「おい、お前たち、何をしておる」
男「…………!!」
爺「おい、メイド、カーテンを開けろ」
メイド「かしこまりました」
許嫁「い、いやっ……!」
爺「男、お前が持っているそれは何だ」
男「………」
爺「何だと聞いておる!」バシッ
男「ぐっ……」
許嫁「男!」
爺「前々から様子がおかしいとは思ってたが」
爺「まさかこのわしを欺き騙していたとはな」
男「………」
許嫁「お言葉ですが」
爺「あぁ?」
許嫁「…私たちの仲を疑ってこんなことをさせていたのですよね?」
爺「それもあるが」
許嫁「だったら心配ありません。だって私たちは……」
爺「それを信じろと言うのか?馬鹿馬鹿しい。たった今嘘が露見したばかりだというのに」
許嫁「ですが、なにも信頼を築くためだけに子を作らせる必要なんてないじゃないですか」
爺「何を言うておる。両家の信頼を築くためには子を作るしかないのじゃ。もっと言えばお前たちはそのための道具にすぎん」
許嫁「…………」
爺「……と、ここまでは建前じゃ」
許嫁「……建前?」
爺「ああそうじゃ」
爺「わしはな、見ての通りもう老いぼれ。女を侍らずにもそんな体力も残っとらんのじゃ」
男「まさか……」
爺「そうじゃ。わしはな、若い者通しが交わっているのを見るのが大の好物でな」
許嫁「…………っ」
爺「お前たちのも見てて飽きんかったぞ。ほっほっほっ」
男「この……!」ガバッ
爺「取り押さえろ!」
男「離せ、離せ!」
爺「男。貴様このわしに何をしようとした?」バシッ
男「うぐっ…」
爺「この出来損ないが!この!」バシッ
許嫁「もうやめてください!でないと男が!」
爺「ああん?おお、そうじゃ」
爺「浅ましくもこの爺を欺こう画作したのはお前か?許嫁」
許嫁「……!」
爺「答えんか」
許嫁「……私が」
男「違います、俺が自分でやったことです」
爺「あぁ?」
爺「これもお前の仕業だというのか」
許嫁「男!」
男「……そうです」
爺「…まあ、そういうことにしておいてやろう」
爺「はん、どこまでもこのわしを馬鹿にしおって」バシッ
男「ぐっ……」
爺「おい、こいつを仰向けにして押さえつけろ」
男「な、なにを…」ジタバタ
爺「おい、許嫁」
許嫁「」ビクッ
爺「男の上に跨れ」
許嫁「!?」
爺「お前が企んだわけではないのいうことは、言いかえれば妊娠を望んでいたということじゃ」
許嫁「そ、そんな…本当は私が!」
爺「もうその話は終わりじゃ。ほら早くせい。でないと…」バキッ
男「ぐぁっ……!」
許嫁「男!」
爺「おっと、鼻に当てるつもりはなかったのじゃがな。ほっほっ」
男「許嫁、俺は大丈夫だから…こんなこと……」
爺「さあ、許嫁」
許嫁「………っ」
男「やめろ…やめろ許嫁……」
許嫁「……ひっく…ぐすっ……」ニュル
男「あっ、あぁっ……」
許嫁「……ぐすっ…うぅっ……」
爺「ほほほ、そうじゃそうじゃ、その調子でこの爺を喜ばせるのじゃ」
許嫁「うぅっ……ひっく……」ギシッ
男「許嫁!こ、この…離せ!」
爺「ほらほら、許嫁、もっと腰を動かさんかね」
許嫁「…………っ」パンパン
爺「そうそう!そうじゃそうじゃ!なかなか上手いではないか!」
許嫁「……嫌っ…」パンパン
爺「随分慣れた腰つきじゃのう。この雌犬めが」
男「あっ、あっ……」
爺「どうじゃ男、さっきのような抵抗はもうせんのか」
男「う…うるさい……っ」
爺「ほっほっほっ、本能とは悲しいものじゃのう」
男「許嫁、もうやめて……」
爺「許嫁、やめたら男がどうなってしまうか分かっておるな?」
許嫁「……………っ」パンパンパン
爺「そうじゃそうじゃ。偉いぞ許嫁」
許嫁「うぅっ……ぐすっ……」
男「っんとに、かわいくねーな!このずん胴女!!」
許嫁「ア、アンタこそ男らしくないのよ!この女男!!」バシャ
爺「そうじゃぞ、お前には男らしさが足りん!」モミモミ
男?「ジジイ…。男らしさがと言いながら…」
男?「人の乳揉んでんじゃねえ!!」ドゴン!!
爺「おうふ」プギュル
男「うっ、あっ……!」
許嫁「…………」パンパン
男「許嫁、やめて!これ以上は…」
爺「おう、男。もう限界なのか」
許嫁「………っ!」
爺「おい、腰の動きをもっと早くしろ」
許嫁「……嫌」
爺「ああ?」
許嫁「……もう嫌です、こんなの」
爺「話が分からん奴じゃな」バシッ
男「いだっ……!」
許嫁「………!」
爺「これでもまだ分からんか、許嫁」
許嫁「……もう、嫌…いやああぁぁぁ!!」
男「あっ、あっ……許嫁っ……!」
>>432
16点
>>436
20点満点か
フッ、寝起きにしちゃまあまあかな
男「…………………」
許嫁「……ひっく…ぐすっ……嫌…嫌……」
爺「ほっほっほっ、上出来上出来」
許嫁「……ぐすっ…」
男「……もういいでしょう、離してください」
爺「何を言うておる。さんざ騙しておいて、これで終わりはないだろう」
男「……何を」
爺「もう一回じゃ」
男「……!!」
爺「もっとこの爺を楽しませておくれよ」
爺「ガハハハハハハハ!」
許嫁「…………」
男「………………」
許嫁「………………」
爺「ふう。今夜はこの辺にしておいてやるかの」
爺「それにしても男、かなり絶倫じゃったのう?羨ましい限りじゃわい」
男「……………」
爺「来週からも変わらずに行わせてもらうぞ」
爺「ただし、今までのようにカーテン越しではなく……な」
爺「今日のように真近で見せてもらうわい」
許嫁「……………」
男「………………」
3ヶ月後
男「……どうだった?」
許嫁「…できてた」
男「………そっか…」
許嫁「…やっぱり逃げられなかったわね」
男「お、俺、責任取ってちゃんとその子を育てるよ…」
許嫁「ふふっ…私たちはそうするしかないものね」
男「……………」
許嫁「ねえ、男?」
男「何……?」
許嫁「わ、私ね…」
許嫁「私ね、あなたのことが…」
男「……!」
許嫁「あなたのことが………」
男「………………」
許嫁「……いえ、なんでもない」
許嫁「……忘れて頂戴」
終
すまぬ
すまぬ
許嫁「あらあら、随分お寝坊さんなのね」
許嫁「うわっ、汚い部屋…」
等
もっと男が許嫁に愛を囁きまくってトロトロにする展開を希望してたんだが
許嫁「ちょっと……いつまでキスして……んんっ」
男「だって許嫁が好きだから」
許嫁「んっ……や、やだ……」
男「かわいいよ」
許嫁「んちゅ……ば、ばかじゃないの……♥」
>>498
スク水でオナニー手伝うの書いた?
>>501
書いてない
あと魔女のも書いてるだろ
完結したっぽいけど
>>506
書いた
爺「」ムクムク
爺「おや、二人のまぐわいを見ておったら一◯年ぶりにたぎってきおったわ」
爺「おいメイド!」
メイド「は、はい」
爺「相手をせい!」
爺「やはり若い娘はよいのう」ギシッギシッ
メイド「いやっ……んん!……ぅん……」
爺「ハッ、ハッ、ハッ」ギシッギシッ
爺「うっ」ビュルビュル
メイド「(中に出されちゃった。初めては男様に捧げたいと思ってたのに)」グス
みたいなの希望
このSSまとめへのコメント
何だこれ?
気持ち悪。
特に男が。