イリヤ｢セイバー！ゲームしよーよー｣

セイバー｢だめです！イリヤスフィール！！｣

イリヤ「えぇ～！なんでなんで～～！！」

セイバー｢ゲームなんてしていたらサンタさんがきてくれませんよ！｣

イリヤ「さんたさん？」

セイバー「しらないのですか？サンタさんとは･･･」

ｶｸｶｸｼｶｼﾞｶ

イリヤ「すっごーい･･･！きりつぐー！！あたしのところにもサンタさん来てくれるかなー！？」

切嗣｢･･･｣

切嗣｢しかしだな｣

アイリ｢そんなことになったらきっと聖杯戦争にも支障がでるわ｣

切嗣｢そうか？いくらなんでもそれは｣

アイリ｢きっと出るわ。切嗣、あなたの目的は聖杯戦争に勝って聖杯を手にすることでしょう｣

切嗣｢ああ、もちろんだ｣

アイリ｢なら、ここであなたがサンタをしなければきっと聖杯戦争には勝てないわ｣

切嗣｢そうだろうか？｣

アイリ｢ええ、そうよ。だから、ね？｣

切嗣｢うーむ･･･しかし、サンタのコスプレをするにも準備がないぞ｣

アイリ｢それなら大丈夫よ。舞弥さん｣

舞弥｢はい｣

切嗣｢舞弥どうしてここに？君には他のマスターの監視を頼んでいたはずだが｣

舞弥｢すみません、切嗣。しかし、奥様に頼まれた事をされたものですから｣

切嗣｢頼まれた？一体何をだ｣

舞弥｢これです｣

切嗣｢こ、これは｣

アイリ｢そう、サンタ服よ。舞弥さんに頼んで買ってきてもらったの｣

切嗣｢･･･｣

アイリ｢これで準備はバッチリね、切嗣｣

切嗣｢しかし･･･｣

舞弥｢切嗣、これも聖杯戦争に勝つ為です｣

切嗣｢･･･わかった｣

人妻ミニスカサンタ(８歳)

――――――
――――
――

切嗣｢もういい頃合いか｣

セイバー｢Zzz･･･｣

切嗣｢よし･･･｣そーっ

グ～～～～ッ

切嗣｢(な、何の音だ？)｣

セイバー｢んんー･･･お腹が空きましたアイリスフィール･･･むにゃむにゃ｣

切嗣｢(寝言か、しかし空腹を我慢してまで･･･そんなに楽しみにしてるのか)｣

セイバー｢Zzz･･･｣

切嗣｢(よし、さっさとこれを置いて出ていくか)｣そーっ

セイバー｢･･･はっ、何奴？｣

切嗣｢しまった、気付かれたか｣

セイバー｢貴様、何者だ？｣

切嗣｢いや、これは･･･｣

セイバー｢まさか･･･サンタさんか？｣

切嗣｢えっ？｣

セイバー｢サンタさん、サンタさんなのでしょう？｣

切嗣｢(俺だと気付いていないのか？)あ、ああ、そうだ。俺はサンタクロースだ｣

セイバー｢本当に私にも来てくれるなんて･･･｣

切嗣｢いい子にしてたご褒美をあげる為にな。ほらこれだ｣

セイバー｢こ、これは？｣

切嗣｢ぬいぐるみだ｣

セイバー｢か、可愛い･･･一生大事にします、サンタさん｣

切嗣｢あ、ああ(こんなに喜んでくれるとは。やはり根はただの少女なのだな)｣

セイバー｢それでサンタさん。私の望んだ物はないのでしょうか？｣

切嗣｢望んだ物？(アイリはぬいぐるみを欲しがっていたとしか言ってなかったぞ)｣

セイバー｢･･･やはり無理でしたか｣しゅん

切嗣｢いや、待て一体何が欲しいんだ、言ってみろ｣
セイバー｢･･･｣サッ

切嗣｢靴下？靴下に紙が張ってある。何々『サンタさん、私は聖杯が欲しいです』･･･何ーっ？｣

セイバー｢･･･やはり無理なのでしょうか？｣

切嗣｢(聖杯を勝ち取る為にわざわざこんなことをしてるのに、望む物が聖杯とは一体どうすればいいんだ)｣

セイバー｢･･･｣じーっ

切嗣｢(一体どうすれば･･･)｣

セイバー｢すみませんでした｣

切嗣｢えっ？｣

セイバー｢やはり、聖杯など高望みし過ぎでした。私はこのぬいぐるみだけでとても嬉しかったです。ありがとうサンタさん｣

切嗣｢い、いや、待て｣

セイバー｢もう、よいのです。困らせてしまって申し訳ない。私はいいから他の子ども達にプレゼントを配りに行ってあげて下さい｣

切嗣｢･･･｣

セイバー｢さぁ｣

切嗣｢･･･違うんだ｣

セイバー｢えっ？｣

切嗣｢今日は２４日の夜だろ。２４日は２番目に欲しい物をあげる日なんだ。１番欲しい物をあげるのは明日の２５日なんだ｣

セイバー｢な、なんとそうでしたか。知識不足で無作法なことをしてしまってすみませんでした｣

切嗣｢いや、いいんだ｣

セイバー｢そうでしたか。それでは明日の夜に私が一番望む物をくれるのですか？｣

切嗣｢あ、ああ｣

セイバー｢本当ですか？｣

切嗣｢ああ、もちろんだ。だから今日は早く休め｣

セイバー｢はい、今日も明日もいい子にしてます。それではおやすみなさい、サンタさん｣

切嗣｢ああ、おやすみセイバー｣

自分をおいこむな・・・

――――――
――――
――

セイバー｢･･･ということがあったのです。アイリスフィール｣

アイリ｢そ、そう。よかったわねセイバー｣

セイバー｢はい。そうなれば今日は一日いい子にしていなければいけません。何か家事で手伝うことはありませんか、アイリスフィール？｣

アイリ｢そ、そうね。じゃあ毛布でも干してもらおうかしら｣

セイバー｢はい、今すぐに｣タッタッタッタ

アイリ｢･･･ハァーッ、切嗣、いるんでしょう？｣

切嗣｢あ、ああ｣

アイリ｢あんな約束してどうするのよ？もし約束を破ったりしたらきっととても落ち込むわよ｣

切嗣｢わかっている。ただセイバーの哀しそうな顔を見てるとそう言わずにはいられなかったんだ｣

アイリ｢切嗣･･･もう仕方ないわね。でも聖杯なんて用意できるはずがないし、どうしようかしら｣

切嗣｢すまない、アイリ｣

アイリ｢ウフフ、もういいったら。一緒にセイバーが喜ぶ物を考えましょう｣

切嗣｢ああ｣

アイリ｢聖杯、聖杯･･･教会で聖杯のレプリカなんて置いてないかしら｣

切嗣｢レプリカ･･･そうだな聖堂教会が管理してる教会ならそんな物も置いているかもしれないな｣

アイリ｢聖堂教会･･･それじゃああの神父が｣

切嗣｢･･･｣

アイリ｢やっぱり別の物を考えましょう？｣

切嗣｢いや、それにしよう｣

アイリ｢切嗣、でも･･･｣

切嗣｢いいんだアイリ。これは僕が望んで背負い込んだ問題なんだ。何としてでも、たとえレプリカだとしても聖杯を手に入れてみせる｣

アイリ｢･･･わかったわ。でも相手が悪過ぎる。切嗣、今日はセイバーと一緒に行動して頂戴｣

切嗣｢しかし、それでは君に危険が｣

アイリ｢大丈夫よ。結界で侵入者にはすぐに気付けるし車もある。逃げるだけなら問題ないわ｣

切嗣｢･･･わかった。それじゃあ舞弥を呼び戻すから、彼女が来てから行動を開始しよう｣

――――――
――――
――
言峰｢何？サンタクロースだと？｣

アサシン｢はい、理由はわかりませんが衛宮切嗣はセイバーのサンタクロースになろうとしているようです｣

言峰｢ふむ、それでセイバーは一体何を望んでいるのだ？｣

アサシン｢はい、もちろんサーヴァントの宿願である聖杯です｣

言峰｢だろうな。しかしそんなもの用意することなど不可能であろう｣

アサシン｢はい、それが･･･｣

言峰｢何だ？｣

アサシン｢どうやらレプリカだけでも用意しようとこちらの教会を探しに向かって来るようです｣

言峰｢レプリカ、レプリカだと？｣

アサシン｢はい｣

言峰｢レプリカなどを渡されてもセイバーが満足するはずなどあるまい｣

アサシン｢はい、きっとそうでしょう｣

言峰｢そんなことがわからない男ではないだろうに。一体何を考えているのだ衛宮切嗣｣

アサシン｢･･･｣

言峰｢よし、では衛宮切嗣の監視を続けて逐一報告をしろ｣

アサシン｢ハッ｣スタッ

言峰｢･･･｣

ギル｢フハハハハハッ、なかなか愉しそうなことになっているようだな｣

言峰｢アーチャー･･･｣

――――――
――――
――

切嗣｢セイバー、サーヴァントの気配はあるか？｣

セイバー｢いえ、教会の周りには。しかし中には･･･｣

切嗣｢ふむ、それなら予想の範囲内だ｣

セイバー｢しかし、切嗣どうして急にこんな強攻策を？あなたの得意とするのは隙を突いての暗殺の筈では？｣

切嗣｢･･･｣

セイバー｢切嗣｣

切嗣｢お前は黙って私に従えばいい、行くぞ｣タッタッタッタ

セイバー｢･･･｣ムスッ

キイッ

切嗣｢サーヴァントの気配は？｣

セイバー｢はい、姿は見えませんがこちらの様子を伺っているようです｣

切嗣「やべっ、無視すんの忘れてた」

切嗣｢見付かっているなら仕方ない。正面から行くぞ｣

セイバー｢はい｣

切嗣｢･･･｣スタスタスタスタ

セイバー｢･･･｣スタスタスタスタ

切嗣｢･･･セイバー｣

セイバー｢何でしょうか切嗣？｣

切嗣｢本当にサーヴァントの気配はあるのか？｣

セイバー｢はい｣

切嗣｢なら何故姿を見せない｣

セイバー｢わかりません。もしかしたらこちらの作戦を計りかねているのかもしれません｣

切嗣｢だとしても、これは-｣

シュンッ!

セイバー｢危ない切嗣｣

カキンッ

切嗣｢サーヴァントか？｣

ギル｢よう、セイバーいい子にしているか？｣

セイバー｢アーチャー･･･｣

ギル｢余は貴様と話しがあるのだがよいか？｣

セイバー｢私は貴様に話しなどない｣

ギル｢そうか。ならここで戦うがよいのか？この狭い場所では俺相手にマスターを守りながら戦うのは至難だぞ？｣

セイバー｢くっ｣

切嗣｢ここはいい、行けセイバー｣

セイバー｢しかし切嗣｣

切嗣｢お前は命令を聞くだけでいいと言った筈だ｣

セイバー｢･･･わかりました。アーチャー｣

ギル｢茶を用意してある。着いて来い｣

――――
――

切嗣｢･･･行ったか。だがこの方が都合がいい。さっさと聖杯を探すか｣

言峰｢その必要はない。衛宮切嗣｣

切嗣｢言峰綺礼･･･やはり俺とセイバーを分断するのが目的だったか｣スッ

言峰｢おっと、銃には手をかけるなよ。この距離なら私の黒鍵の方が早い｣

切嗣｢くっ･･･｣

言峰｢それに分断するのが目的ではあるが、それは戦う為ではない｣

切嗣｢何だと？｣

言峰｢私もアーチャーと同じで貴様に話しがあるのだ｣

切嗣｢･･･｣

言峰｢疑うのも無理はないか。なら先にこれを渡しておこう｣ポイッ

切嗣｢これは･･･聖杯のレプリカ｣

――――
――

ギル｢どうした？この紅茶は気に入らぬか？｣

セイバー｢話しとは何だ、アーチャー｣

ギル｢騎士王ともあろう者が余裕のないことだな｣

セイバー｢アーチャー!｣

ギル｢まったく、しょうがないな。話しとは聖杯のことだ｣

セイバー｢聖杯？どういうことだ｣

ギル｢セイバー、貴様は聖杯が一体どういう物かわかっているのか？｣

セイバー｢そんなこと英霊として召喚された時点でわかっている。我らが戦い、そして勝ち残った者得る英霊の魔力を蓄えた願望器だろう｣

ギル｢フハハハハハッ、わかっているではないか。そう、聖杯とはそういう物だ｣

セイバー｢･･･何が言いたい？｣

ギル｢何が言いたいかだと？クククッ、実はなセイバー、聖杯がどんな物か知っておきながら
それをサンタクロースなどに託そうとするサーヴァントがいるらしいのだ｣

セイバー｢なっ、何故それを？｣

ギル｢フハハハハハッ、そんなことはどうでもいい。俺の話しはその夢見る少女についてだ｣

セイバー｢貴様っ!私を愚弄するか｣

ギル｢愚弄するかだと？サンタクロースなど信じている愚か者を馬鹿にするのは当然であろう｣

セイバー｢･･･プッ、ハッハッハッハッハ｣

ギル｢何がおかしい、セイバー｣

セイバー｢愚かなのは貴様だアーチャー。サンタさんは本当にいるのだ、私は昨日実際に会ったのだ｣

ギル｢･･･｣

セイバー｢フッ、驚いて声も出ませんか？どうせあなたの元にはサンタさんは来なかったのでしょう？これも日頃の行いの違いです｣

ギル｢･･･｣

セイバー｢あなたもサンタさんに来て欲しければもっと日頃から善行に励むことです｣

ギル｢･･･｣

セイバー｢どうしました？何か言ったらどうですか？｣

ギル｢あ、あぁ、そうだな｣

セイバー｢言うことがあるのならどうぞ｣

ギル｢セイバー･･･サンタクロースなど実在しない｣

セイバー｢アーチャー･･･羨ましいのはわかりますが-｣

ギル｢貴様の元に現れたサンタクロースは偽物だ｣

セイバー｢な、何だと!?世迷い言をっ｣

ギル｢本当のことだ。貴様が会ったサンタクロースは、貴様のマスター衛宮切嗣だ｣

セイバー｢そ、そんな筈はない。赤い帽子に赤い服を着てたんだぞ｣

ギル｢そんな物、ハンズでもドンキでも何処にでも置いている｣

セイバー｢なら白髭は!?｣

ギル｢付け髭だ｣

セイバー｢私の欲しい物を言い当てたぞ｣

ギル｢前持って貴様の欲しい物を質問してなかったか？｣

セイバー｢･･･そんな馬鹿な｣

ギル｢これでわかったか？サンタクロースなど存在しない｣

セイバー｢しかし、切嗣が私の為にそんなことをするはずがない。もしあれが切嗣だとしたらどうして？｣

ギル｢虫けらの考えることなど我が知るか｣

セイバー｢そんな･･･それじゃあ聖杯は｣

ギル｢そんな物、用意出来るわけがなかろう。それ所かせめてもの慰みに聖杯のレプリカを用意しようとしているのだぞ｣

セイバー｢レプリカ？｣

ギル｢そう、レプリカだ。そんなくだらない物の為にわざわざここまで来たのだからな｣

セイバー｢それじゃあこの作戦は｣

ギル｢この教会からそれを奪う為のものだ。まったくくだらない。
無意味な行いの為に無意味な物を欲し、それを得る為に命まで懸ける。これが愚行でなくてなんというのか｣

セイバー｢切嗣が私の為に･･･｣

ギル｢何を感傷に浸っている。要するにあの虫けらは貴様を騙し、その期待さえ裏切ろうとしているのだぞ｣

セイバー｢･･･それは違う、違うぞアーチャー｣

ギル｢何？｣

セイバー｢貴様も昔の私と同じだな。『人の心がわからない』王よ｣

ギル｢フッ、そんな物理解する必要もない。それに俺と貴様には決定的な違いがある｣

セイバー｢何だ、言ってみろ｣

ギル｢貴様は人の心を理解出来ないが故に理想に溺れて死んでいったが俺は違う。俺は人の心など理解しないまま理想の果てに辿り着く力がある｣

セイバー｢･･･｣

ギル｢つまり何が言いたいかというとな、･･･俺の女になれということだ｣

セイバー｢何っ!?｣

ギル｢クククッ、もちろんただでとは言わん。その代わりに俺が貴様のサンタクロースになってやる｣

セイバー｢どういう意味だ？｣

ギル｢簡単なことだ。あの虫けらには用意出来ない聖杯を俺が手に入れてやろうというのだ｣

セイバー｢そんなこと出来るわけが-｣

ギル｢我を有象無象の英霊と一緒にしてくれるなよ。俺なら今日の夜までに聖杯を手に入れ、貴様の枕元に届けることが出来る｣

セイバー｢ふざけるな!｣

ギル｢ふざけてなどいない。貴様にその気があるのなら今すぐに他のサーヴァント共を片付けて来てやるぞ｣

セイバー｢馬鹿にするなっ!｣

ギル｢おいおい、サンタクロースに聖杯をねだっておいて、我がそれを与えてやると言えば馬鹿にしていることになるのか？｣

セイバー｢サンタさんは何でも願いを叶えてくれるんだ。代償を求める貴様とは違う｣

ギル｢そんなことは当たり前だ。妄想の産物と比べられては困るぞ｣

セイバー｢サンタさんはいる｣

ギル｢おいおい、だからさっき-｣

セイバー｢そうだ、だからサンタはいるんだ｣

ギル｢･･･なるほど、つまり我ではなくあの虫けらをサンタクロースとして選ぶわけだな｣

セイバー｢･･･｣

ギル｢なら･･･ここで死ぬがよい。ゲート･オブ･バビロン｣

セイバー｢あの数を受けきれるのか｣

ギル｢･･･死ね｣
シュン シュン シュン

セイバー｢くっ｣
カキン カキン カキン

ギル｢まだ終わらんぞ｣
シュン シュン シュン

セイバー｢｣
カキン カキン カキン

ギル｢そら、そらっ｣
シュン シュン シュン シュン

セイバー｢｣
カキン カキン カキン カキン

セイバー｢ハァッ、ハァッ、ハァッ、ハァッ･･･｣

ギル｢そろそろ止めを刺すか｣ブーン

セイバー｢何だ、あの剣は｣

ギル｢最期にもう一度問うぞセイバー。我の女になる気はないか？｣

セイバー｢くどいぞ、アーチャー。貴様の手など借りずとも聖杯は自分の手で･･･いや切嗣と共に手に入れる｣

ギル｢ならば仕方ない。行くぞ、セイバー。エヌマ･エリシュ!｣

セイバー｢そんなものこれで。エクスッ-｣

『来い!セイバー』

ギル｢な、何っ!?｣

セイバー｢か、体が｣
ヒュンッ

ギル｢･･･消えたか。まぁいい、これで愉しみが増えたというものだ｣