セイバー「チョイーッス!」切嗣「なんだ……コイツは」 (34)

セイバー「セイバークラスのサーヴァントこと!騎士王アルトルアでぇーっす!夜露死苦ぅ!!」

アイリ「……」

セイバー「ここが現代っすか!?ぱねぇ!マジパネェー!!」

切嗣「……」

アイリ「ねぇ切嗣。このサーヴァントはハズレなんじゃないかしら」

切嗣「ああ、そうだな。正直失敗だと思うよ」

セイバー「ちょっ!?初対面でハズレとか酷くないっすか!?あんまりっすよ旦那ぁ~」

切嗣「……」イラッ

セイバー「え?無視されてる?ガン無視系っすか?」

アイリ「ねぇ……貴女、騎士王とか言ってたけど……本当なの?」

セイバー「うひょォ豊乳っすね!マジたまんねぇー!!」スリスリ

アイリ「ちょっと!やめなさい!」

切嗣「殺すぞ……!」

セイバー「あっ、すんませんッス!私は貴婦人の仰るとおり、かのアーサー・ペンドラゴンと申すッス!」モミモミ

切嗣「お前の名前なんてどうでもいいからさっさとアイリから離れろ!」

セイバー「あ、妬いてる?妬いてるんスか旦那ぁ~」ニマニマ

切嗣(現在の令呪は三つ……自害させたほうがいいかもしれないな)

セイバー「キリツグはん……アンタメシ時に呼び出すなって何べん言うたらわかってくれますのん……」

切嗣「まだ夕方の4時だろうが」

セイバー「ウチはランスロットが夜パート行かなあかんからはよ支度せなあきまへんのー!!」

アイリ「何なのこれは……」

切嗣「サーヴァント」

アイリ「さ、サーヴァント?」

セイバー「お前がアレか!?新しい嫁か!!」

アイリ「いい加減にして!……兎に角、話を聞いてくれるかしら?」

セイバー「もちろんッスよ!貴婦人となら喜んで!あっ、なんならベッドの上で語るっていうのは……」

セイバー「おべェっ!?」ズドンッ!!

切嗣「……」

セイバー「だっ、旦那ぁ!いきなし腹パンはあんまりじゃ……私女なんスから」

切嗣「殺す。の意味がわかるか?」

セイバー「……はっ。はい」ビクッ

切嗣「お前が女だろうと何だろうと……次、アイリにふざけた真似をしたら殺す。わかったか?」

セイバー「じゃあ旦那になら何してもいいってことッスね!」ヌギヌギ

切嗣「なっ!?何をしている!?」

セイバー「ああ、言ってませんでしたね。私両刀なんでどっちも喰えるんスよ」

アイリ「セイバー!!やめなさい!!」

―1時間後―

セイバー「現代の飯マジうめぇ!ちょー旨ェ~!!」ガツガツ

アイリ「えーっと……今話たとおりなんだけど、概要は理解してもらえたかしら?」

セイバー「豊乳を眺めながら飲む紅茶は最高ッスね……マダムともっとお話したいんで、もっかい最初から聞かせちゃくれまs」

セイバー「ごべェッ!?」ズドンッ!!

切嗣「……」

セイバー「げほっ……おウ゛ェ……!!」ゲボッ!!ビチャッ!!

切嗣「話は理解出来たか?」

セイバー「もっ、勿論です……」ビクッ

セイバー「せっかくのご馳走を吐いちゃったじゃないですかぁ……もったいない」

切嗣「自分で掃除しておけ」

セイバー「うぃーっすゥ」

アイリ「ねぇ。本当に貴女は王だったの?」

セイバー「ん?こりゃまた何故に?」

アイリ「そのふざけた口調と変な低姿勢からは、王様らしい風格が見て取れないからよ」

セイバー「へっへっっへ。こりゃまた厳しいこって」テヘペロ

アイリ「……」イラッ

セイバー「あっしはですねぇ。こんなんでも一応は王様だったんですよ」

切嗣「……」

セイバー「エクスカリバーなんて変な剣を引き抜いたばかりに、女だっつーのに王様だとかに選定されちゃいましてねぇ……」

セイバー「王様なんて私にゃ不向きだってのに。柄じゃなかったんスよ」

切嗣「……」

セイバー「民からは威厳だとか風格だとかを求められ、それに応えようかなーなんて思った時期もありましたが……それが辛れーのなんのって」

アイリ(意外と真面目なのかしら……?)

セイバー「んで、やっぱ自由気ままに振舞うのがすげー楽だったからテキトーに王様やってたら国が滅んじゃいましてね!」

セイバー「だから私は王の選定をやりなおして欲しいなーなんて!聖杯戦争に賭けちゃおうかなと!」

アイリ(やっぱり馬鹿なのね)

セイバー「そう言えば……切嗣は何故に戦争に臨んだんで?」

切嗣「呼び捨てはやめろ」イラッ

セイバー「いいじゃないッスかぁ!ほら、フレンドリーが一番っしょ!?」

セイバー「コンビプレーコンビプレー!ヘイヘイ切嗣ぅ!はいたーっち!」ヒョイヒョイ

切嗣「いい加減に……!」

セイバー「あ、そういえば」

切嗣「?」

セイバー「私のスキルに『直感』なんてものがありましてね」

アイリ「直感?」

セイバー「ええ。直感が働くってヤツでして……例えば、切嗣は助手だとかの女とヤッt」

切嗣「ふンッ!!」

セイバー「うボぇッ!?」ズドンッ!!

切嗣「やめろ。それ以上言ったら……!」

セイバー「へ、へへっ……黙っときますんで、切嗣って呼ばせてもらいますよ」

切嗣「勝手にしろ……!」

―数日後―

セイバー「やったー!やったぁー!!うヒョおぉぉおお!!!」ピョンコピョンコ

アイリ「切嗣!私とセイバーを組ませるなんてアナタ正気なの!?」

切嗣「ああ、正気だとも。このダメな英霊を最良で使い切る方法さ」

セイバー「使い切る!?いやまぁ何でもいいや!マダムと組めるらなんでもおkっすよ!」

切嗣「ただし。だ」

セイバー「え?なんスか、この紙?」ペラッ

切嗣「いいからサインしろ。そうすればお前はアイリと四六時中動けるぞ」

セイバー「オッケー!!」カキカキ

アイリ「何を書かせたの……?」

切嗣「自己強制証文(セルフギアス・スクロール)さ」

切嗣「内容は『アイリに手を出した場合、その時点で自らの心臓を破壊する』といったものだよ」

セイバー「えっ?」

―冬木市・海辺―

アイリ「うわぁ!私、海って初めてなの!」

セイバー「え?そうなんスか?」

アイリ「ずっとお城の中に住んでたから……外の世界自体が初めてなのよ」

セイバー「では少しばかり、海を味わっては如何ですか?見張りしときますんで」

アイリ「いっ、いいのかしら……戦争中なのに……?」

セイバー「ええ、勿論。切嗣だって怒りやしませんって」

アイリ「じゃあちょっとだけ……」

セイバー「……」

アイリ「きゃははっ!うわぁっ、冷ぁたい!」チャプチャプ

アイリ「セイバーも海は久々なんでしょう!?こっちに来たらどう?」チャッパチャパ

セイバー「……いえ、私はここで結構っスよ」

アイリ「あー楽しいっ!」

セイバー(やべェ……マダムがマジ天使過ぎて股間がズブ濡れッ……!)

セイバー(このままお姫様だっこして持ち帰りてぇ。予備知識で海の近くにラブホがあるとかあったような……でもそれじゃギアスで死んでしまうか?)

セイバー(いや、死んでもいいからマダムとヤリてぇ……王の選定とかもうどうでもいいや……!)

セイバー「マダムっ!」

アイリ「うん?」

セイバー「私とラブh……ッ!?」

セイバー(サーヴァントの気配!?)

アイリ「どうしたの?」

セイバー「近くに……サーヴァントが居ます」

アイリ「っ!!」

セイバー(よくも私とマダムの邪魔を……ブチ殺す……!)

―港にて―

セイバー「そこのサーヴァント……名を名乗れ!」

ランサー「クラスはランサー、真名をディルムッド・オd」

セイバー「そうか!じゃあ殺す!!」

ランサー「名乗る最中に口を挟むとは……意気込むのは構わんが、名乗り返してはどうだ?」

セイバー「お前のようなゴミに名乗る名なぞねぇわボケッ!」

ランサー「そうか、では…推して参る!!」チャキッ!!

セイバー「エクスゥウッ゛!!」

ランサー「……えっ?」

セイバー「カリバァアァ゛アァ゛アッ!!!」ボシュンッ!!

ランサー「ぎゃぁあぁ゛ああぁあ゛あ!!?」

アイリ(酷っ……)

ランサー「きっ、貴様……い。きなりとは……卑怯なっ、真似」

セイバー「まだ息があったか。死ねオラァ゛!!」ヒュッ!!

ランサー「ぎゃ!?……っか……ぁ゛……」

セイバー「しぶてぇんだよゴミがッ!さっさと逝けや!!」グサッ!!

ランサー「ぁ゛!…………コふっ……っ…」シュゥウゥウ…

ケイネス「ランサー!?」

アイリ(とんだ外道だわ……)


切嗣(速攻でランサーを敗退に追い込んだが……手の内を見せてしまったのは今後どう出るか)

切嗣「舞弥。照準は合わせてるか?」

舞弥「問題なく」チャキッ

切嗣「そうか。では僕のカウントに合わせて……いや待て…」

舞弥「何か、問題ですか?」

切嗣「右方のクレーンの上に仮面……恐らくはサーヴァントだ。そのまま照準を合わせておいてくれ」

舞弥「了解しました」

切嗣()

と、その時、雷気をまとった巨大な馬車が轟音と共に地に降りる。
騎乗しているのはこれまた巨大な大男と、その影に隠れた青年であった。

ライダー「余は征服王!真名はイスカンダル!!クラスはライダーだ」

ライダー「……少々口の悪い小娘だが、お主中々やるな!」

ウェイバー「ばっ、馬鹿馬鹿!お前!!様子見だけにするって言ったじゃないか!!」


アイリ(ライダークラスのサーヴァント……連戦にもつれ込むけど大丈夫かしら)

セイバー「ちっ……コッチは早くホテルに行きたいのに」

ライダー「何のことを言ってるのかわからんが、つれんのぅお主」

セイバー(マジ面倒くせぇ)

ライダー「そんな身構えんでもよかろうに……まぁ、近辺に幾名かの気配があったのでな、話せる者で同士ひとつ「問答」に洒落込もうと思っただわい」

セイバー「幾名って……まだ居んのかよ」

ライダー「おぉい!そこいらにいる者も出てきてはどうだ!?」

大声が響き終えると同時、街灯の頭上に金色の甲冑を纏う男が降り立つ。

アーチャー「我を差し置いて……王を名乗るか、雑種共」

セイバー(名乗ってねー。私、王とか名乗ってねーよぉ)

ライダー「ほぅ。お主もどこぞの国の王であったか」

アーチャー「まだ吐かすか。雑種よ……」


切嗣「舞弥。ケイネスの動きはどうだ?」

舞弥「依然コンテナの上から動きませんが……サーヴァントが消えた今となっては、どう出るか判断がつきません」

切嗣「そうだな……だが放っておいて構わないよ。ライダーの傍に居る少年に照準を移してくれ。僕は周囲を監視する」

舞弥「了解しました。切嗣」

ねる

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