博士「な!? 今なんとっ!?」
コナン「だって考えてもみろよ! 灰原の属性を!」
「ジト目」「辛辣」「知的」「クール」そして「あの声」!
全 て が フ ェ ラ に う っ て つ け じ ゃ ね ー か !
博士「むむむ。 言われてみれば確かにそうかもしれん……」
コナン「だろ!? なぁ博士! 何かいい方法はないのかよ!?」
博士「そうがっつくな新一。 まずはロジックを組み立てるのじゃ」
コナン「ロジック? 灰原を論理的に攻略するってことか?」
博士「うむ。 その通りじゃよ」
コナン「いい考えじゃねーか。 探偵のオレにぴったりだぜ!」
博士「ふっふっふ。 君ならそう言うと思っておったよ」
コナン「それで、まずは何をすればいいんだ?」
博士「やはり情報収集から始めるのがセオリーじゃろう」
コナン「なるほど……確かに攻略には情報が必須だもんな」
博士「その通り。 まずは哀君を徹底的に調査するんじゃ!」
◆翌日/12月24日/帝丹小学校◆
灰原「おはよう工藤く――」
『カシャッ!』 『カシャッ!』
灰原「……ちょっと、何勝手に撮ってるのよ?」ジトッ
コナン「アハハ……たまにはこういうのもいいかなーって」
『カシャッ!』 『カシャッ!』 『カシャッ!』
灰原「 張 り 倒 す わ よ ? 」ギロッ
コナン「そんなに怒るなって。 たかが写真だろ?」
灰原「勝手に撮られるのが不愉快だって言ってるの」
コナン「じゃあ許可があれば撮っていいんだな?」
灰原「ダメ」
コナン「はぁ? 何だよそれ……」
歩美「哀ちゃん! 1時間目体育だから、着替えにいこー♪」
灰原「ええ。 今用意するから、ちょっと待ってて」
コナン「そういえば1時間目は体育か……」
≪ 哀君を徹底的に調査するんじゃ! ≫
コナン(……よし、女子更衣室に先回りだ)タタタタタ
◆数分後/女子更衣室◆
歩美「ジングルベル♪ ジングルベル♪ 鈴が鳴る♪」
灰原「ふふっ。 そういえば今日はイヴだったわね」
歩美「えへへ。 ところで哀ちゃん。 昨日のニュース見た?」
灰原「ニュースって、キッドが予告状を出したってやつ?」
『ガタッ!』
歩美「そうそう♪ 今日の9時だよねっ。 楽しみだなぁ」
灰原「ふふっ。 江戸川君にとっては楽しくないでしょうけど」
『ガタッ!』
歩美「……ね、ねぇ。 なんかさっきから変な音しない?」
灰原「そうね……もしかしたら、近くにキッドがいるのかも」
歩美「えっ!? ほんとぉ!?」
灰原「冗談よ。 早く体育館に行きましょ」
歩美「アハハ……だよね」
◆女子更衣室/掃除用具入れ◆
『ガタンッ!』
コナン「ゲホッ! ゲホッ! なんてこった……!」
キッドが予告状を出してただって!?
コナン「くそっ。 全然知らなかったぜ……」
……まぁいい。 今はそれどころじゃないからな。
せっかく女子更衣室に侵入できたんだ。
灰原を徹底的に調査しねーとっ。
コナン「ここがアイツのロッカーか……ん?」
こ、これは……灰原の脱ぎたての服!?
コナン「やべぇ……体育館シューズまであるぞ……」ハァハァ
『キョロッキョロッ』
コナン(人は……しばらく来ないよな……?)
オナニーしても、大丈夫だよな……?
◆その頃/通路◆
灰原「あっ……体育館シューズを忘れたわ」
歩美「え? 哀ちゃんが忘れ物ってめずらしいね」
灰原「多分更衣室だと思うから、先に行ってていいわよ」
歩美「うん、分かった。 遅れたらダメだよ♪」
灰原「ええ。 すぐ戻るわ」
◆その頃/女子更衣室◆
コナン「ハァハァ……灰原の服でオナニーしているこの事実……!」シコシコ
毛糸のセーターが何とも形容しがたい快感を生み――『パチッ!』
コナン「オゥフ/// くぅ~ッ! この静電気がたまんねー!」シコシコ
『ペロペロペロペロペロッ』
コナン「そしてうまいっ! こんなにうまい体育館シューズは初めてだ!」シコシコ
『ガチャッ』
コナン「え?」
おっぱい!
おっぱい! おっぱい!
おっぱい おっぱい! おっぱい!
おっぱい! ∩ ∩ ノ) おっぱい!
おっぱい! 川 ∩ 川彡'三つ おっぱい!
おっぱい! ⊂ミ∩、⊂ミ∩彡⊃ おっぱい!
おっぱい!⊂三ミ( ゚∀゚)彡三彡三⊃ おっぱい!
おっぱい! ⊂彡川⊂彡川ミ⊃ おっぱい!
おっぱい!⊂彡川∪⊃ U川彡⊃ おっぱい!
おっぱい! (ノ ∪ 川 ∪ミ) おっぱい!
おっぱい! ∪ おっぱい!
おっぱい! おっぱい! おっぱい!
おっぱい! おっぱい!
おっぱい!
光彦「ふふふ。 この携帯で、灰原さんと歩美ちゃんの――あれ?」
コナン「み、みつひこっ!? 何で光彦がこんなところに……!?」
光彦「そ、それはこっちのセリフですよ! 何やってるんですかコナン君!」
コナン「こ、これはその、色々と訳があって――」
『カシャッ!』
コナン「なっ!? おい! 何撮ってんだよ光彦っ!?」
光彦「ふっふっふ。 携帯のカメラを起動しておいて正解でした」
コナン「バ、バーローッ! 今すぐ消せ! もしバレたらどうすんだ!?」
光彦「バレたら? 随分と、おかしなことを言うんですね、コナン君」
コナン「なにっ!? どういうことだっ!?」
光彦「バレないようにするのが、君の仕事じゃないですかぁ」ニヤリ
コナン「!!! ま、まさかお前……!」
光彦「頭のいい君なら分かるでしょう?」
≪これからは、僕の命令に従ってもらいます≫
光彦「ふっふっふ。 これは命令ですよ? コナン君」ニヤリ
光彦「じゃあ、そろそろ授業が始まるので……」ニヤリ
≪命令するときは、君の携帯電話にメールしますから≫
『ガチャンッ!』
コナン「……なんてこった……光彦があんな奴だったとは……」
やばいな……もしあの写真が灰原に見つかったら、
灰原にフェラをしてもらうなんて、夢のまた夢だぞ!?
コナン「くそっ! なんてヘマをしちまったんだよオレはっ!」
『ガチャ――ちょっと待ってください!』
コナン「!?」
光彦『ダメですよ灰原さん! 今入ったら』
灰原『えっ? どうして?』
コナン(なっ!? 灰原が戻ってきたっ!?)
光彦『えーっとですね、とにかくダメなんですよ!』
灰原『そう言われても……体育館シューズが中にあるんだけど』
コナン(なるほど。 体育館シューズか……でもどうして光彦が……)
はっ、そうか! 確かに光彦には、オレを庇う動機が十分にある!
オナニーの事実が灰原にバレた時点で、
あの証拠写真の存在価値はなくなる。
光彦としては、それは絶対に避けたいはず。
なんたって、オレに命令できなくなるからな。
だから光彦は、灰原を足止めしてるんだっ。
コナン「とにかく、今の内に早く逃げねーと……!」
逃げるといってもドアは無理。
仕方ねぇ、あの窓から外に出よう。
『ガラガラッ!』
◆その頃/廊下◆
光彦(時間は十分稼いだ……流石にコナン君は逃げたでしょう)
灰原「ちょっと円谷君。 いい加減にしてくれる?」
光彦「あ、はい。 すみません。 もう入っていいですよ」
灰原「もう。 一体なんだったのよ?」
光彦「いやぁ。 なんだか僕の勘違いだったみたいです」アハハ
◆数分後/体育館◆
キーンコーンカーンコーン♪
小林先生「さぁみんな、今日は縄跳びだよ!」
\わーい/ \わーい/ \わーい/
元太「おいコナン! 前とび勝負しようぜ」
光彦「いいですね。 僕も混ぜて下さいよ」
コナン「ああいいぜ。 回数で勝負な」
灰原「じゃあ私達は見学させてもらおうかしら」
歩美「えへへ。 みんながんばれー♪」
光彦「ふふふ。 お二人が見てるとなれば、尚更負けられませんね」
コナン(確かにその通りだ……これは灰原にアピールする絶交のチャンス)
元太「よーし! じゃあ負けた奴は全員にチュッパチャップス奢ることな!」
PRRRRRRR♪PRRRRRRR♪
コナン(ん? こんなときにメール……ま、まさかっ)
**************
【送元】#969#6261@freemail.cn
【件名】3回でミスしろ
【本文】あと元太も道連れにしろ
**************
コナン(これは……光彦からのメールっ!?)
ああ、そうだ。 内容的に間違いねぇ!
それにドメインが“.cn”で終わっているってことは、
これは中国のフリーメールアドレスってことだ!
送り元をほぼ100%トレースできないようにして、
断固として、オレに弱みを握らせないつもりだな……!!
コナン(くっ! なんて用心深い奴なんだっ!!)
光彦「どうしましたコナン君? 授業中に携帯はいけませんよ?」ニヤニヤ
コナン(こいつ……ただの小学一年生じゃねぇ!!)
歩美「ところで光彦君って、前とび最高4回じゃなかったっけ?」
灰原「あら、そうなの。 じゃあ勝つのは少し厳しいかしら?」
光彦「ふっふっふ。 そんなことはありませんよ。 僕は絶対に勝ちます!」
元太「じゃあいくぞ。 よーい始めっ!」
“1回!”
“2回!”ビシッ
光彦「あ……」
“3回!”ビシッ
コナン「え……?」
“4回!”
元太「な、なんだよ? おめぇらもう終わりかよ」
歩美「え、えーっと、コナン君が2回で、光彦君が1回……だね」
灰原「優勝は4回の小嶋君ね。 おめでとう」
元太「お、おう……」
歩美「うん……おめでとう……」
灰原「なんだか、あっけなかったわね」
コナン「あは……あはは……」
◆休み時間/教室◆
あの後、オレは光彦の影に怯えながらも、
灰原の縄跳び姿をバッチリとカメラに収めた。
灰原には、二度三度、ジットリ視線を向けられたが、
それはむしろ逆効果で、快感と言っても過言ではない。
不安要素もあるが、調査は順調といっていいだろう。
光彦「はい、チュッパチャップス3本買って来ましたよ」
歩美「ありがとー♪ あれ? コナン君の分は?」
光彦「それが、購買に残り3本しか残ってなくて」
元太「マジかよ。 残念だったなコナン」
灰原「ふふっ。 もしかして食べたかった?」
コナン「アハハ。 そんなわけ――」
灰原「パクッ」
コナン「ハッ!!!!!!!!!!」ドキッ
灰原「ペロペロ……ちゅぱ……」
コナン(あ……あ……あ……あ……)ゴクリ
灰原「ペロ……ちょっと、あんまり見ないでくれる?」
コナン「な、なんでだよ? 食は動物の基本行為で――」
灰原「 怒 る わ よ ? 」ジトッ
コナン「わ、わかったって……じゃあせめて一回だけ……」
『カシャッ!』
灰原「」ギロッ
コナン(こ、こええええ……でもこれは調査なんだ……許してくれ……!)
元太「なぁコナン。 おめぇ、朝から灰原の写真ばっか撮ってるよな」
コナン「ん? それがどうかしたか?」
元太「もしかして、灰原のこと好きなんじゃねーのか?」
コナン「え?」 灰原「え?」 歩美「え?」
元太「だってよ……どう考えてもおかしいじゃねーか」
灰原「そうね。 私も、そろそろ理由を聞きたいわ」
歩美「うん……私も聞きたいかも……」
≪どうしてコナン君は、哀ちゃんの写真ばっかり撮ってるの?≫
コナン「アハ……アハハハ……急に何だよおめーら……」
元太「ごまかすなよ! 灰原のことが好きだからだろ!」
コナン「な、何言ってんだよ元太! そんなわけ――」チラッ
灰原「……」
コナン「――くっ! そういうおめぇこそ、灰原が好きなんじゃねーのか!?」
元太「なっ……! うっせーな! そんなこと、今は関係ねーだろっ!」
コナン「関係なくねーよっ! 現にお前がキレてる理由がそれだろうが!」
小林「2人とも! 静かにしなさい! みんなが迷惑してるでしょ!」
コナン「ッ……!」 元太「……ッ!」
小林「まったくっ。 罰として、放課後2人で教室掃除っ!」
◆給食の時間◆
灰原「あんな大声だして、大人気ないわね」
コナン「うっせーな。 元太が変に言いがかりしてくるからだろ」
灰原「でも相手は小学生よ? もう少し加減しなさい」
コナン「はいはい。 わかりましたよっと」
まぁ確かに大人気なかったぜ。
あんな低レベルなケンカをして、
結果として灰原の評価を下げちまったし……。
こうなったらそのぶんだけ取り返さねーとな。
もう一段階、積極的な調査に変更してみるか。
コナン「なぁ灰原。 お前って今、好きな人いるのか?」
灰原「……え?」
そう。 何も写真を撮るだけが調査じゃない。
ちょっと積極的すぎたかもしれないが、
話の流れ的に、この質問は悪くないはずだ。
灰原「バカね。 そんな人、いるわけないでしょ」
コナン「……そうか。 なら好きな男のタイプを教えてくれよ」
灰原「ちょっと、急にどうしたのよ工藤君?」
コナン「いいから答えてくれ。 必要なんだよ」
灰原「もしかして、写真のことと何か関係あるの?」
コナン「……まぁな。 詳しくは話せないけど……」
灰原「そう……別にいいわよ。 教えてあげても」
コナン「ほ、本当か!? どんなタイプが好きなんだ?」
灰原「そうね……ハッキリと好きって言ってくれる人……かしら」
コナン「……へ? それだけ?」
灰原「ええ。 面と向かって、堂々と伝えてくれさえすればいいわ」
コナン「……そんなものか?」
灰原「そんなものよ」
コナン「それがたとえ、どんなに嫌いな奴だったとしてもか?」
灰原「感情なんて、ひょんな事でひっくり返るものよ」
≪“好きだ”なんて言われたら、尚更ね≫
灰原「どう? これで満足した?」
コナン「ああ……参考になったよ」
灰原「そ。 なら良かったわ」
PRRRRRRR♪PRRRRRRR♪
コナン(ん? メール……まさか光彦かっ!?)
**************
【送元】#969#6261@freemail.cn
【件名】灰原さんから離れろ
【本文】
イチャイチャするな
今すぐ暴言を吐いて離れろ
**************
コナン(くそっ……! なんて奴なんだッ……!)
【印象の悪さ】
オナニー>>>>暴言
オレの脳ミソは、瞬時に上の不等式を弾きだした。
だがしかし、体がなかなか言うことを聞かない。
まもなく、催促のメールが届く。
**************
【送元】#969#6261@freemail.cn
【件名】何をしている?
【本文】
さっさと暴言を吐いて教室から出ろ。
さもないと彼女にあの写真を見せるぞ。
**************
くっ……すまねぇ……灰原……!
あのオナニー写真だけは、お前に見せなくないんだっ!
コナン「ハッキリと好きって言ってくれる人が好きだって?」
灰原「……え?」
コナン「理想論も大概にしろよ! この偽善者めっ!!」
灰原「……は?」
コナン「このチンチクリンがっ!! 反省しろっ!!」
灰原「……ちょっと、いくらなんでもヒドいんじゃない?」
はい終了ぉおおおおおおおおおおおおおおおおお!!
灰原に100%嫌われたぁああああああああああ!!
新一≪人が人を殺す理由なんざ知ったこっちゃねーが……≫
アハハハハハハハッ! すまん! 過去のオレすまん!
その発言撤回! オレ、人が人を殺す理由見つけた! 今見つけた!
人が人を殺す理由――それは光彦だ! 間違いねぇ!
名探偵コナン? ハッ! ヤメだよヤメっ!
今日からオレは、コーナンだッ!! 名犯罪者コーナン!!!!
≪この天才的頭脳を駆使して、光彦をこの世から消し去ってやるよ!≫
そう強く胸に刻み、オレは教室を後にした。
◆12:30/男子トイレ◆
コナン「うぅ……灰原……灰原ぁ……」グスン
オレは瞳に涙を浮かべながら、
灰原のチュッパチャップスの棒を、ひたすらチンコに擦り付ける。
教室から出るとき、ゴミ箱から拾っておいたのだ。
いわゆる“間接フェラ”――しかし、得られるのは虚しさだけ。
コナン「ダメだ……こんなの全然インタラクティブじゃねぇ……」
くそっ……こうなったのも全て光彦のせいだ。
博士から武器を取り寄せて、何が何でも抹殺してやる。
PRRRRRRRR♪ PRRRRRRRR♪
博士『もしもし。 どうしたんじゃ新一?』
コナン「博士。 至急頼みたいものがあるんだ」
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。
博士『わ、分かった。 できるだけ早く、学校に届けよう』
コナン「ああ。 よろしく頼むぜ」
博士『ところで新一。 今、テレビを見れるかのう?』
コナン「テレビ? ……まぁワンセグで見れるけど」
博士『なら今すぐつけてみるんじゃ。 面白いものが見れるぞ』
コナン「え……あ、ああ。 分かったよ。 じゃあまた後でな」
『ピッ』
コナン(面白いもの? 一体何なんだ……?)ピッ
◆ - ワンセグ起動 - ◆
目暮警部『えーっ、繰り返します』
≪昨日の予告通り、怪盗キッドから工藤新一への挑戦状が届きました≫
コナン(なっ!? キッドから、オレへの挑戦状だとっ!?)
≪この挑戦状には、キッドのターゲットが明示されています≫
コナン(ターゲット……いったい奴は、何を盗むつもりなんだ?)
≪キッドのターゲットは――毛利蘭の処女です!≫
コナン「なにっ!? ら、蘭の処女だと!?」
追い着いちまった…だと…?
_, ,_
( ・∀・)シュッ
( ∪ と 彡 ──────=====三三④
◆その頃/毛利探偵事務所◆
蘭「ごほっごほっ……早く風邪治らないかなぁ」
小五郎「あまり無理するなよ。 テレビ消した方がいいか?」
蘭「うーうん。 大丈夫だよお父さん」
≪キッドのターゲットは――毛利蘭の処女です!≫
蘭「えっ……?」
小五郎「は……?」
≪さらにキッドは、挑戦状にこう綴っています≫
*******************
愛しのライバル、工藤新一へ。
しょじょ――それはすなわちナンバーワン。
てなわけで、オレの次なるターゲットは処女だ。
ルイ15世はロリコンだが、今それは関係ない。
よてい通り、今夜9時にオレを待っていろ。
蘭の処女は、このオレ様がいただくぜっ。
*******************
◆再び/帝丹小学校/男子トイレ◆
コナン「なんてこった……」
≪キッドが蘭の処女を狙ってるなんて……!≫
PRRRRRRRR♪ PRRRRRRRR♪
ん? 蘭からの電話……。
コナン「……もしもし……蘭か?」
蘭『ぐすん……お願い新一。 助け――』
『ブチッ! ツー、ツー』
コナン(すまねぇ蘭……! オレはやっぱり……)
≪灰原にフェラをしてもらいたいんだ!≫
そのためには光彦を倒さなきゃならねっぇ。
だからオレには、お前を守ってやる余裕はないんだ。
悪いけど……こんなオレを許してくれ……。
◆放課後/教室◆
\せんせーいさよーならっ/
小林「はいさよならー」
『ドタドタドタドタッ』
『そろーっ……』
小林「こらっ! 江戸川君! あなたは掃除でしょ!」
コナン(ちっ。 見つかっちまったか)
元太「おいコナン! おめぇ何サボろうとしてんだよ!?」
コナン「アハハ……冗談だって。 ちゃんとやるっつの」
小林「じゃあ2人ともよろしくね。 終わったら職員室に来るように」
『ガラガラガシャン』
ドアが閉まるのと同時に、1年B組には静寂が訪れた。
さっきまでの騒ぎようは、いったいどこへ行ったのやら。
微かに聞こえるのは、放課後らしい運動場の声だけ。
コナン「おい元太。 さっさと終わらせようぜ」
夕日の染みいる、どこかノスタルジックな教室。
そこにはオレと元太の、2人だけの世界があった。
元太「……なぁ、コナン///」
なんだろう。 なんとなく、元太の様子がおかしい。
彼の頬が紅く見えるのは、夕日のせいだろうか?
教室のドア、そして窓の鍵を
元太は次々と施錠していく。
おかしい、何かがおかしい。
だって掃除するんだろ?
換気するのが普通じゃねーのか?
そう疑心暗鬼しつつも、
オレはその場を動けなかった。
元太「おめぇ……やっぱり灰原のことが好きなのかよ?」
ただならぬ空気が教室内に漂う。
コナン「おいおい……その話はもうよそうぜ」
元太「あぁ!? 答えるまで今日は帰さねーぞ!!」
コナン「ッ!!」
彼はいったい、どうしちまったんだ。
少なくとも、オレの知ってる元太じゃない。
正直怖い。 頭の中は真っ白だった。
コナン「……オレは……灰原のことが好きだ……」
あまりの怖さに、正直に答えてしまうオレ。
元太「……そうか……それは残念だ……」
『ガンッ!!!』
コナン「ぐはっ!」
突如、両手で首を絞めつけられ、
オレは壁に向かって叩き上げられた。
コナン「おい……! はな……せ……元太……」
元太「うっせーな! おめぇが悪いんだろ!?」グググ
≪オレの気持ちを……何だと思ってるんだよ!?≫
コナン「……なんなんだよ……お前の気持ち……って……」
薄々感づいていた。 オレはただ、それを認めたくなかっただけで。
元太「オレはずっと……おめぇのことが好きだったんだぞッ!!!」
そう――元太の正体はゲイ。
コナン「……そんなの知る……かよ……いいから……離せ……」
元太「離して欲しいのか? じゃあオレのをしゃぶってくれるな?」
意識が朦朧とする中、オレは頷くことしかできない。
『ジィィィィィィィッ……』
『ジュボボボボボボ』
コナン「ん~~~~~~ッ!!」
元太「ははっ! 最高だぜッ……! コナンッ」
『シュボシュボシュボッ』
しゃぶっている、というより、口を犯されている。
そう言った方が、表現的には正解だろう。
マジかよ……フェラってこんな苦痛なものなのか?
オレは灰原にこんな苦痛を与えようとしてたのか?
ハハッ……なんて勝手なんだ、オレって奴は――。
『パリーンッ!!』
博士「新一! これを受け取るんじゃ!」
コナン(……え?)シュボシュボ
/)
( i )))
/ ̄\ / /
| ^o^ | ノ / < いみがわかりませんなぁ
\ / ,/
/ _ /´
(___)/
廊下側の割れたガラス窓から、
オレの元に武器が投じられた。
『パシッ』
コナン(ったく……おせーじゃねーか博士)
元太「な、何で博士がこんなところにいるんだよ!?」
元太……てめぇだけは許さねー!
博士が持ってきたこの火縄銃で、お前をしとめてやるっ!
撃ち方は“ごんぎつね”を見て知っていた。
なんたって3日前の国語の授業でやったからな。
元太「それは火縄銃!? おめぇ、何でそんなもの――」
『ズドォオオオオオオオン!!』
元太「グハァッ!! 足がああああああああああッ!!」
まさに一発逆転。 オレは元太を返り討ちにした。
『タタタタタタッ』
小林「2人ともどうしたの!? ガラスと火縄銃の音が聞こえたけど!?」
コナン(小林先生!? ちっ! ここは運動場側の窓から逃げるか!)
『ガラガラッ!』
◆運動場◆
コナン「はぁはぁ!」
オレは走って逃げた。
なんたって小林先生に捕まったら最後。
オレは障害の罪で逮捕されちまうからだ。
コナン(くっ……博士も上手く逃げてくれればいいが……)
PRRRRRRRR♪ PRRRRRRRRR♪
コナン(なっ!? こんなときに、光彦からのメールだとっ!?)
**************
【送元】#969#6261@freemail.cn
【件名】次の命令だ
【本文】
今日、お前が熱心に撮影していた、
灰原さんの写真のネガを全てよこせ。
期限は今日の18時だ。
学校の屋上で待っているぞ。
**************
コナン「ふざけてんじゃねぇッッッ!!!」
オレがどんだけ苦労して調査したと思ってんだよ!
灰原の写真だけは、何が何でも渡すものかッ!!
それに、オレはフェラの苦痛を覚えたんだッ!
だからもう、灰原にフェラをしてもらおうだなんて考えていないッ!
コナン(ふん。 武器も手に入ったことだし、丁度いいゼ――)
≪屋上で決闘だ!! 円谷光彦!!!!≫
オレは新規メールを開き、本文にその旨を記述。
そして宛先欄に、例のアドレスを入力する。
コナン(えーっと……“#969#6261――”)
『ピ ポ パ ポ ピ ポ パ ポ ピ』
コナン「!?」
そのプッシュ音に、オレは愕然とした。
≪ か ら す な ぜ な く の ♪ ≫
……嘘……だろ? このプッシュ音って……
……童謡の……“七つの子”……じゃねーか……
まさか……そんな話があるかよ……
……光彦が……黒の組織のボスだったなんて……
最初は驚いたが、事態を飲み込むのは早かった。
冷静に考えて、光彦がただの小学生である方がおかしい。
オレは火縄銃を強く握りしめ、屋上に向かった。
◆17:50/校舎内◆
博士「新一。 大丈夫じゃったか?」
コナン「博士。 まだ帰ってなかったのか」
博士「君のことが気になってのう。 一体何があったんじゃ」
オレは、事の全てを博士に話した。
博士「なっ!? 元太君がゲイで、光彦君が組織のボスじゃと!?」
コナン「ああ。 この調子じゃ、歩美ちゃんまで疑っちまうぜ」
博士「むぅ……光彦君の方は特にオオゴトじゃな」
コナン「まぁな。 だから奴とは、今から決着をつけてくる」
博士「なっ!? それは本当か、新一!?」
コナン「ああ。 博士に貰ったこの武器で、しとめてきてやるよ」
博士「そうか……ようやく決着の日がやって来たのか……」
コナン「博士。 先に帰って、灰原にこう伝えてくれ――」
≪今まで悪かった……ってな≫
◆17:55/非常階段◆
コナン(この扉を開けると、屋上に出る……)
≪つまりこの先に、黒の組織のボス――光彦がいるんだ≫
コナン(博士は家に帰したし、もう誰も巻きこむわけにはいかねぇ)
≪これはオレの事件なんだっ!≫
コナン(よしっ。 待ってろ光彦! 今この火縄銃で――)
歩美「コナン君。 何してるの?」
コナン「なっ……歩美!? どうして歩美がっ!?」
歩美「えへへ。 ついてきちゃった……」
コナン「歩美……オレが怖くないのか?」
歩美「怖くないよ。 だってコナン君だもん」
コナン「嘘つくなよ……だってこれ、火縄銃だぜ?」
歩美「うん知ってる。 ごんぎつねで見たから」
コナン「だったら尚更だ。 これがどういうもんかも知ってるだろ?」
ごんぎつねはいろんなことを教えてくれるな~
歩美「うん。 ごんを死なせた道具だよね」
≪だから歩美……火縄銃なんて使って欲しくないな……≫
コナン「は? 何で歩美にそんなことを言われなきゃ――」
≪だって! 死んだら何もかも終わっちゃうんだよ!?≫
コナン「う、うっせーな……もう遅いんだよ……!!」
≪オレは元太を撃った……もう引き返すことは――≫
歩美「まだ間に合うよ! 光彦君まで撃ったら、それこそ本当に終わっちゃう!」
コナン(何で光彦のことを……まさか、博士との会話を聞いてたのか……?)
歩美「だからもうやめてコナン君……私、なんでもするから……」ギュッ
コナン「なんでも……する……?」
コナン「じゃあひとつだけ、聞いていいか?」
歩美「うん。 何でも聞いていいよ」
コナン「……フェラってのは、苦痛な行為なのか?」
歩美「えっ……? ふぇ……ら?」
コナン「フェラチオのことだよ。 オレは元太に犯され――」
≪フェラとは、凄まじく苦痛なものだと思い知らされた≫
コナン「――真相を確かめたいんだ。 女性の意見を聞かせてくれ」
歩美「ちょ、ちょっと待ってよコナン君。 ふぇらちおって何?」
コナン「えっ……もしかして歩美……フェラを知らないのか?」
歩美「う、うん……なぁにそれ?」
コナン「!!!!!!!!!!!!」
ちょっと待て。 冷静に考えろ。
≪フェラを知らない歩美に、フェラをさせたら――≫ゴクリ
――最高じゃねーか。
キッド「」
蘭「」
光彦「」
『バサッ!』
歩美「や、やだコナン君! 何で服を脱ぐのォ!?///」
コナン「ククク。 言ったろ? オレはもう手遅れなんだって」
≪だからもう、オレには理性なんて必要ねーんだよ!!≫
歩美「ひっ……!!! コナン君……怖い……」グスン
コナン「ハッ! 今更怖がってももう遅いぜ!!」
『ビンッ!』
歩美「いやああああああああああああああああ!!!!」
オレはギンギンに張り切ったチンコを歩美の眼前に召喚した。
歩美は本当に怖がっていた。 だが罪悪感は1ミリも沸かない。
コナン「ククク。 フェラを知らない奴に、フェラをさせるってのは――」
≪サイッッッッコーにぞくぞくするなッ! オイオイ!?≫
歩美「お、お願い……コナン君……元に戻ってよ……」グスン
コナン「あぁ? つべこべ言ってねーでしゃぶれよゴルァ!!!」
歩美の些細な一言で、すっかり別人になってしまったオレ。
一度狂った歯車は、永遠に狂い続ける。
灰原に嫌われ、精神がぶっ壊れた。
元太に犯され、この世に絶望した。
精神はもう――限界だったのだ。
コナン「オラオラ! さっさとしゃぶれよゴルァ!!」
歩美「ぐすん……えぐっ……もうやめてぇ……」グスン
コナン「ああん? いいからしゃぶれよゴルァ!!」
歩美「……ひどいよコナン君……歩美ずっと……」グスン
≪……コナン君のこと……好きだったのに……≫
コナン「……え?」
『ガチャッ!!』
ジン「そこまでだ――探偵ボウズ」カチャ
コナン「ジ、ジンッ!?」
光彦「17時01分。 約束の時間を過ぎてるんですが」
コナン「光彦までっ……くっ……もうそんな時間だったのかっ!!」
光彦「ええ。 それに歩美ちゃんにまで手を出すなんて――」
≪コナン君は――僕に殺されたいみたいですね≫
コナン「う、うるせえ! もうオレは、お前なんかに屈しねーぞっ!!」
光彦「ほーう。 では、例のオナニー写真を灰原さんに見せてもいいと?」
コナン「へっ……勝手にしろ! オレはもう、灰原のことは諦めたんだ……」
光彦「そうですか。 まぁ彼女の携帯には、もう送ってるんですけどね」
コナン「ッ!!!!!!!!!!」
光彦「おや? 彼女のことは、もう諦めたんじゃないですか?」
コナン「……ああ、そうさ! へっ! これで弱みはなくなったぜ!」
≪決闘だ!! 円谷光ひ――≫
『ズキュンッッッッッッッッッッッッッッ!!!』
……え?
オレ……撃たれた……?
バ、バーロー……そんなの……卑怯じゃ……ねーか……。
ジン「残念だったな。 もう貴様を生かしておく理由はない」
光彦「ふふっ。 よくやったぞジン。 お前の言うとおりだ」
≪これからは、この円谷光彦が主人公です!≫
歩美「……コナ……ン……君……?」
コナン「――――――」ポタポタ
歩美「いやああああああああああああああああ!!!」
◆その頃/阿笠邸◆
灰原「博士……彼からの通信が途絶えたわ……」
≪残念だけど……うまく行かなかったみたい……≫
博士「むむむ……それで記憶はどこまで復元できるんじゃ?」
灰原「死の直前まで可能よ。 今回は同期のタイミングが良かったから」
博士「そうか……しかしこれで、奴らに杭を打ち込むことができたな」
灰原「ええ。 私達のプロジェクトも、ようやく終わりを迎えるわね」
博士「そうじゃな。 今までありがとう、哀君」
『ガチャッ!』
蘭「博士! やっぱり新一は、コナン君じゃないの!?」
博士「ら、蘭君……何度も言うようじゃが、そんなことはありえな――」
蘭「だって! 私のピンチに、新一が帰ってこないなんておかしいよ!」
≪それにお昼、新一に電話したらコナン君が出たし!!≫
博士「それはもう何回も聞いたよ。 おそらく君の聞き間違いじゃろう」
蘭「またそんなこと言って! この耳でちゃんと聞いたんだから!」
灰原「あと3時間弱ね。 あなたの処女が奪われるまで」
蘭「くっ……絶対にイヤよ! 何が何でも、守りきってやるわっ!」
灰原「そ。 まぁせいぜい頑張って。 無理だろうけど」
博士「これこれ哀君。 そんなことを言うんじゃない」
『ガチャッ!』
小五郎「おい蘭! こんな所で何してんだ!?」
蘭「お、お父さん!?」
小五郎「お前は狙われてるんだぞ! すこしは自覚したらどうだ!」
博士「毛利君。 少しは落ち着きたまえ」
小五郎「なっ!? 人事だと思って悠長なことを言わんで下さい!!」
博士「まぁまぁ。 とにかく蘭君の護衛はワシらに任せるんじゃ」
小五郎「何を言ってるんですか!! こんな警備が手薄なところで!!」
博士「ふっふっふ。 いい考えがあるんじゃよ」
◆20:30/時計台◆
今夜はクリスマスイヴ。
デートスポットとして有名な時計台前は、
いつもに増して、カップルで溢れかえっていた。
例年通りのイヴの光景といっていいだろう。
ただし、とある2つの事実を除いては……。
【①時計台の屋根の上に、人がいる】
小五郎「あんたアホか!? こんな所に蘭を連れてきて――」
博士「ふふふ。 警備をいくら固めた所でキッドには通用せん……」
≪だとしたら、一番目立つところにいるのが一番安全じゃろう≫
博士「そういう訳で、この“時計台の屋根上”を隠れ家に選んだんじゃ」
小五郎(なに言ってんだコイツ……!!)
【②時計台のまわりには、ヘリコプターがわんさか飛んでいる】
『バラバラバラッ』
アナウンサー『皆さんご覧下さい! あの時計台の屋根を!!』
≪キッドのターゲットである毛利蘭が、あんな所にいます!!≫
アナ『私には無防備に思えて仕方ありません!!』
≪尚、この放送は完全生中継でお送りしていますっ!!≫
◆その頃/阿笠邸/地下研究室◆
TV≪尚、この放送は完全生中継でお送りしていますっ!!≫
灰原(いよいよクライマックスってところかしら)
コナン「……ん? ここは?」
灰原「あら。 目が覚めたのね」
コナン「あれ……オレはジンに撃たれて死んだはずじゃ……」
灰原「ええ。 あなたは一度、死んでるわ」
灰原「……正確にはこれで55度目だけど」
コナン「は? 何言ってんだよ灰原?」
灰原「あ……正確に言ったら、あなたはまだ死んでないわね」
コナン「いったい何のことだ? 冗談のつもりかよ?」
灰原「つまり……あなたは56体目の江戸川コナンってことよ」
コナン「はぁ? おい灰原。 いい加減にしねーと怒るぜ?」
灰原「そうね……ならはっきり言うわ……」
≪あなたは阿笠博士に作られた――アンドロイドなの≫
コナン「……へ?」
灰原「超高性能型アンドロイドVer.3.52β シリアルナンバー056」
≪――それがあなたの正式名称よ≫
コナン「アハハ……本当にお前は……さっきから何を……」
灰原「まぁ信じられなくて当然でしょうね」
コナン「オレは工藤新一だ!! ロボットなわけねーだろ!!」
灰原「いいえ。 あなたは工藤新一じゃないわ」
≪博士が組織を倒すために作った、アンドロイドよ≫
コナン「いい加減にしろ!! オレには新一の記憶があるんだぞ!!」
灰原「当たり前よ。 工藤新一の記憶を、あなたにコピーしたんだから」
コナン「記憶をコピー? バーロー! んなこと出来るわけ――」
灰原「それが可能なのよ。 博士の開発したA/Dコンバータを使えばね」
≪工藤新一の記憶はデジタル化され、データベースに保存されてるわ≫
コナン「……くっ……次から次へと……!!」
灰原「……まだ納得できない? だったら、周りを見渡してみなさい」
コナン「なっ!? そ、そんなバカなっ!! オレがいっぱいいるだとっ!?」
灰原「驚いた? あなたの代わりはたくさんいる。 今、彼らは抜け殻だけど」
≪あなたの記憶さえインストールすれば、みんなあなたと同じように動くわ≫
コナン「アハ……アハハ……あれだろ? ドッキリなんだろ?」
≪出てこいよ博士! もうこんな茶番はやめてくれ!≫
灰原「ムダよ。 博士なら時計台にいるから」
コナン「時計台……だと?」
灰原「ええ。 ほら、テレビを見てみなさい」
≪もうすぐ9時になるから≫
◆21:00/時計台◆
『ゴーン……ゴーン……♪』
アナ『たった今、21時を知らせる鐘がなりました!』
≪果たしてキッドは本当に現れるのでしょうか!?≫
キッド「ふぅ……到着……っと」
アナ『あ、普通に現れました!! キッドです!!』
キッド「よぉ蘭。 久しぶりだな」
蘭「やめてええええええええええ!!」
キッド「ハハッ。 落ち着けって蘭」
『バサッ』
新一「オレだよオレ。 覚えてるか?」
蘭「えっ……新一?」
新一「ハハッ。 びっくりしたか?」
蘭「そ、そんなはず……だって新一はコナン君じゃ……」
新一「バーロー。 んなわけねーだろっ?」
蘭「ホントに……新一なんだ……でもどうして……?」
新一「今は訳あって、泥棒してるんだ。 なぁ博士?」
博士「そうじゃ。 全てはプロジェクトのためにな」
小五郎「プロジェクト? なんだそれは?」
新一「蘭との遊園地デートの日、僕は連中に毒を盛られたんです」
博士「そして怒った新一君は、ワシに組織を潰すよう相談してきた」
新一「ああ。 そしたら博士は協力してくれて、こう言ったんだっけ」
≪ボスを殺す秘密兵器を作るから、君はその開発資金を調達してくれってな≫
博士「うむ。 それで新一君は手っ取り早く稼げる泥棒を選んだんじゃ」
新一「でもそれじゃ、肝心のボスを見つける作業はどうすんだ、って話だろ?」
博士「そこでワシが考えたのが、新一君のコピーロボットを作る作戦なんじゃよ」
蘭「コピーロボット? まさかそれがコナン君だって言うの?」
新一「その通り。 オレは泥棒稼業に専念し、コナンがボスを見つける作戦だ」
博士「ロボの方が論理的な思考に長けてるから、そっちの方がいいと思ってのう」
≪現にそのお陰で、秘密兵器は完成し、ボスの正体も判明したわけじゃ≫
博士「秘密兵器とは、名前を入力したら、ソイツに追跡型ミサイルを撃てる装置」
新一「組織のボスの正体とは、帝丹小学校に通う円谷光彦だったのさ」
博士「そして今、この秘密兵器に“円谷光彦”と入力し、送信ボタンをポチっと押す」ピッ
『ゴォオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオッ』
時計台の屋根が開き、中からミサイルが登場。
それは激しく音を立て、夜空へ向かって旅立った。
博士「無事に飛んだな。 あとは頑張るんじゃぞ、新一」
新一「ああ。 まさかイヴまでに間に合うとは思わなかったぜ」
アナ『ん? 発射されたミサイルの煙が、何かに姿を変えています』
≪こ、これは……雪です! ホワイトクリスマスっ!!≫
蘭「……きれい……まるで夢の世界みたい……」
新一「ハハッ。 だろ? オレはお前に、これを見せたかったんだ」
≪だから博士には、お前をこの時計台に連れてきてもらったのさ≫
蘭「そうだったんだ……ありがとう……新一……」
新一「蘭。 今からの6時間が、何て呼ばれてっか知ってるか?」
蘭「……ふふっ……性の6時間……かな……?///」
新一「その通り。 そしてこれが怪盗キッドとしての、最後の仕事」
≪それはどんな宝石よりも美しい――お前の処女を盗むことさ≫
蘭「新一……嬉しい……///」ギュッ
新一「周りには大勢のカップル。 オレ達はその頂点にいる」
蘭「うん。 そして私達の愛は、生中継で全国に放送される」
新一「ああ。 オレ達は、この時計台から始まるんだ」
蘭「でも新一。 何で予告状なんか出したのよ?」
新一「それはテレビ局に生中継させるためと……あと」
≪縦読みで、オレの本当の気持ちを、お前に伝えたかったからさ≫
蘭「ふふっ。 私忘れちゃった。 何て書いてたの?///」
新一「へっ。 嘘が下手だな。 まぁ何度でも言ってやるぜ」
≪愛してるよ、蘭≫
『ズブブブブブブブッ』
蘭「あぁぁん!! 新一のが入ってくるぅううう!!///」
新一「おおお!! 蘭の中……あったっけぇええええ!!」
小五郎「があああああああああ離せえええええ阿笠あああああ!!」
博士「ふぉっふぉっふぉ。 ダメじゃよ毛利君。 若い2人を邪魔したら」
◆その頃/阿笠邸/地下研究室◆
灰原「どう? これで理解した?」
コナン「あ……あ……あ……あ……」
灰原「ショックなのはわかるけど、事実よ」
コナン(そんな……バカな……)
≪オレが……アンドロイドだったなんて……≫
コナン「……じゃあオレは、死体も同然ってわけかよ!!!」
≪へっ!! ロボットは所詮、電気素子の集合だもんな!!≫
灰原「ちょっと落ち着いて、工藤君」
コナン「何が工藤だっ! オレの名前は56番なんだろ!?」
灰原「確かにそうだけど、あなたはちゃんと生きてるわ」
コナン「うるせぇっ!! ロボットに同情なんていらねーよ!!」
灰原「いいえ。 あなたには感情がある。 それは生きてる証拠よ」
コナン「その感情だって、プログラムされた擬似的なもんなんだろ!」
灰原「ええ、その通りよ。 でもあなたは――」
≪私達が想像すらしてなかった、プログラムに反する発言をしたじゃない≫
コナン「はっ? な、なんのことだよ!?」
灰原「おかしいわね。 記憶には残ってるはずよ」
≪あなたが自分の意志として、最初に言い放った言葉だもの≫
コナン「オレが……オレの意志として……言い放った言葉?」
灰原「そうよ。 あなたは私に……何をして欲しかったの?」
コナン「オレが灰原に……してほしかったこと……」
≪オレは灰原にフェラをしてもらいたいんだ!≫
コナン「あっ……」
灰原「思い出したようね。 言っとくけど、私も博士も――」
≪あんな発言、プログラムした覚えがないから≫
コナン「で、でも何でお前がそれを知ってんだよ……?」
灰原「博士から聞いたのよ。 驚きを隠せなかったみたい」
≪急遽、論理的な思考をするように補正命令したらしいけど≫
コナン「そういえば……ロジックを組み立てるように言われたような」
灰原「だからあなたは生きてる。 少なくとも、一部の人間よりはね」
コナン「一部の人間?」
灰原「毎日をただただ怠惰に過ごしてる人間のことよ」
最近多いわ。 何もしない人間が。
やることと言ったらエネルギーを使わないネットサーフインぐらい。
あなたみたいに、やりたいことを見つけて、外に出て、行動する方が、
よっぽど建設的で、エネルギッシュで、生きてると呼ぶにふさわしいわ。
『ギュウウウウウウウッッ』
灰原「ちょ、ちょっと! どうしたのよ急に?///」
コナン「なんだか熱く語ってる灰原が可愛く思えた」ギュウウウウ
灰原「な、何ワケの分かんないこと言ってるのよ。 ロボットの癖に///」
コナン「多分だけど、これはオレの意志で――お前をもう離したくない」ギュウウ
灰原「いいから離して。 私の服で変なことした手で触らないでくれる?///」
コナン「あっ。 そういえば光彦があの写真を送ったって言ってたな」ギュウウ
灰原「そ、そうよ! 私がそんな男を好きになるわけないでしょ!///」
コナン「今、男って言った。 人間って認めたってことか?」ギュウ
灰原「生きてることは認めるけど、あなたはロボットよロボット!///」
コナン「ハハッ。 相変わらず素直じゃねーな」
≪でも、そこが好きだぜ。 灰原≫
灰原「!!///」キュン
コナン「“ハッキリと好きって言ってくれる人”……が好きなんだろ?」
灰原「……バ、バカ///」
~~完~~
最近「コナン=新一」とかいうふざけた風潮をよく見かけるんで
そんなわけねーだろ、と異議を唱えたかったわけです
なんか変な感じになっちゃったけど
まぁ何はともあれ、メリークリスマス……
このSSまとめへのコメント
光彦ウザイ