京子「ワン!ツーツー☆しぃ!」(263)
ガラ
結衣「遅くなってごめんね、みんな…」
京子「」セカセカ
あかり「くーっ…くーっ…」
結衣「京子、何やってんの?」トテトテ
京子「内職。花作ってんの」セカセカ
結衣「内職って…どっから、そういう仕事を見つけてくるんだよ?」
京子「それはお答え出来ません」セカセカ
結衣「お金に困ってるんだ?」
京子「それもお答え出来ません」セカセカ
結衣「はぁ…少し手伝おっか?」ソッ
京子「手伝わなくていいよ!結衣に手伝って貰ったら意味ないから!」セカセカ
結衣「?」
結衣「まぁ、私も無理に手伝わせろとは言わないよ」ストン
京子「おう。コタツ入って、あかりと一緒に寝ていなよ」セカセカ
結衣「ふぅ…」ヌクヌク
結衣「ところで、ちなつちゃんは?」
京子「結衣が居ないからって、あかりだけ置いて帰ったよ」セカセカ
結衣「そうなんだ。それはちなつちゃんに悪い事しちゃったなぁ」
京子「……」セカセカ
結衣「それ、一個作っていくら位なの?」
京子「確か1円だったかなぁ…」セカセカ
結衣「安っ!いいよ、私がお金貸すから!!」
ピタ
京子「だ~か~ら、結衣に手を貸されたら意味無いんだって!」キッ
結衣「うっ…いつになく真剣な表情…」
結衣「…分かったよ、私はちなつちゃんの家に寄って帰るから」スク
京子「ちなつちゃんに宜しくな!」セカセカ
結衣「……」ガラ
ピシャ
京子「へっへっへ。結衣の奴、へそ曲げてらぁ~」セカセカ
京子「まさか結衣の為にお金を貯めてるなんて、予想もつかないだろうねぇ」セカセカ
京子「……」セカセカ
京子「……」セカセカ
京子「…疲れた」
京子「まぁ、今日はこんなもんでいいだろ」
あかり「くーっ…くーっ…」
京子「ほら、あかり。そろそろ帰…」
京子「いや、待てよ!」
京子「あかりのお団子にこの花刺さるんじゃないか?」
あかり「くーっ…くーっ…」
京子「差したい…猛烈に差したい…」
京子「ようし!あかりが起きるまでに何本刺さるか挑戦だぁ!!」
あかり「むにゃむにゃ…」
京子「い~ちぃ…にぃ~い…さぁ~ん…」プスップスップスッ
京子「あはは!こりゃ、お団子生け花だ!」
あかり「んっ…んんっ…」
京子「でも、何か簡単過ぎてつまんないと言うか……芸が無いな」
京子「レベル2!お団子の結び目に刺してみよう!」
京子「慎重に…慎重にっと…」ソー
プスッ
京子「よし、刺さったぁーっ!!」グッ
あかり「んんっ…?んん~…?」
京子「それにしても、あかり全然起きないなぁ」プスップスッ
京子「早く起きないと、お団子の周り一周しちゃうぞ?」プスップスッ
あかり「んっ…んっ…んっ……すぅ」
京子「よし、お団子に……」プスッ
あかり「ん……痛っ……」
京子「えっ……?」
あかり「……zzz」
京子「……えっ?」
京子「よし、右のお団子は完成だ!」
京子「これより、左のお団子に入る!」
あかり「くぅーっ…くぅーっ…」
ーーーーー
京子「ふぅ…なんだろうね、この達成感は?」
京子「普段影うっすいあかりが、今やこんな可憐な美少女にっ!!」
京子「可憐な美少女に!」
京子「可憐な美少女…」
京子「……」マジマジ
あかり「えへへ…あかり、もうお腹いっぱいだよぉ~…」
京子「あかり…///」ドキドキ
京子「ハッ!!」
京子「やだっ!何これ!?一目惚れ!?///」アセアセ
京子「うぅ~、駄目だ駄目だ!私には結衣やちなつちゃんが居るんだ!!」ブンブン
京子「あかりなんかに…あかりなんかに惚れる訳には…っ!!」
あかり「ん…」パチ
あかり「あれ?あかり…寝てたんだ…」ムク
京子「うわぁ!花を抜く前に起きちゃったよぉ~っ!!」アタフタ
あかり「あっ、京子ちゃん…」
京子「あ…か…り……」
あかり「えへへ、おはよ♪」ニコ
京子「」
京子「……」
京子「…あかり」
あかり「なぁに、京子ちゃん?」
京子「好きっ!大好きぃ!!今すぐ私と付き合って!!!///」ギュッ
あかり「……」
あかり「……」
あかり「…えっ?」キョトン
京子「あかりは私の事好きなんだよねっ!?ねぇ!?///」グイ
あかり「う、うん。あかりは京子ちゃんの事がだぁい好きだよ♪」ニコ
京子「」
京子「ハッ!!」ビクン
京子「はぁ…はぁ……」ギュッ
あかり「どうしたの、京子ちゃん!?胸が苦しいの!?」
京子「うん…苦しっ……」
あかり「あわわわわっ、どうしようどうしよう!?」アタフタ
京子「大丈夫だよ…あかり…これは……」
京子「……」
京子「…これは、もう駄目かも」
あかり「えぇ!?」ガーン
あかり「うわぁ~ん!京子ちゃんが死んじゃうよぉ~!!」
京子「待て、あかり。助かる方法が1つだけある…」
あかり「何?何?それは、あかりがしてあげられる事なの?」
京子「寧ろ、あかりにしか出来ない事だよ…」
あかり「あかりにしか…出来ない事?」
京子「……」
京子「…キス」
あかり「キス?」
京子「そう、キスだよ。口と口の…」
あかり「口と口の…」
京子「あかりは私とキスするのは嫌か?」
あかり「ううん、嫌じゃないよ!」ブンブン
あかり「それで、京子は治るんだよねぇ!?」ギュッ
京子「///」ドキ
京子「…あぁ、絶対治る。私が保証するよ!」
あかり「それじゃ、行くね!京子ちゃん!!」アセアセ
京子「待てよ、あかり!手順手順!ムード大事!……あっ///」
チュッ
あかり「……」
京子「……」
あかり「…っぷはぁ。京子ちゃん、これで治ったぁ!?」
京子「」
あかり「ねぇ、返事してよ!!死んじゃヤダよぉ~!!」
京子「…大丈夫。平気、ナオッタ」
あかり「京子ちゃん!」パァー
京子(やっば…強引にされるの、良かったかも…///)ドキドキ
京子「あかり、これで私達恋人同士だね!///」
あかり「えぇぇ!?そうなのぉーーっ!?」
京子「そうだよ!口と口のキスをしたら、もう恋人同士なんだからな!!///」
あかり「へぇ~…そうだったんだぁ…」
あかり「あかりと京子ちゃんが恋人同士…」
あかり(あれ?それじゃあ、あかりとちなつちゃんも恋人同士なのかな?)
あかり(京子ちゃんと池田先輩もキス、してたよねぇ?)
あかり(あっ、そっかぁ!友達の事を恋人同士っていうのが、今の流行りなんだ)
あかり(えへへ。あかり、こういう事に疎いからビックリしちゃったよぉ!)
あかり「これから恋人同士。宜しくね、京子ちゃん♪」ニコ
京子「お、おう!!///」
京子「さぁ、そろそろ机を片して帰るか!」
あかり「わぁ、机の上がお花でいっぱいだね!」
京子「うん。私、今内職で花作ってんだぁ!」
あかり「内職!?京子ちゃん、えらぁ~い!!」
京子「いやぁ~、単にお金が欲しいだけだよぉ~」
あかり「それでも偉いよ!」
あかり「あかり、京子ちゃんの事尊敬しちゃうなぁ」ホワホワ
京子「あかり…///」ドキドキ
京子(うひゃ~!普段完全スルーなのに、好きになった途端これだよ!!)
京子(恋って、おっそろしーなぁ)
京子(あっ、あかりのお団子に付いてる花はどうしよう…)
京子(ま、いっか!材料は失敗を想定して余分に来てるし、平気だろう)
京子(何より、あかりの美少女補正を自分で切りたくない)
京子「ふぅ~片付け完了!これで帰れるなぁ!」
あかり「そういえば、結衣ちゃんとちなつちゃんはどうしたの?」
京子「結衣と…ちなつちゃん…」
京子(そっか、私は今までちなつちゃんに想いを寄せてて…)
京子(普段世話になってる結衣の為に、お金を貯めてたんだっけ)
京子「2人はとっくに帰ったよ?」
あかり「そうなんだぁ…」
あかり「それじゃ、今日はあかりと2人きりだね♪」ニコ
京子「あかり…その…手、繋いでいい?///」
あかり「うん、いいよぉ~!」ギュッ
京子「///」ドキ
京子「あ、あかりから手を…///」ドキドキ
あかり「あれ?あかり、何かいけなかったかなぁ?」
京子「うぅん、全然いけなくないよ!!凄く、恋人っぽい…///」カァー
京子(でも、今はあかりの事しか考えられないよぉ~!!///)
帰り道
あかり「……」
京子「///」モジモジ
あかり「ねぇ、京子ちゃん」
京子「えっ…何、あかり!?///」ドキ
あかり「なんで、あかりの後ろを歩いてるの?」
あかり「これじゃ、あかりが京子ちゃんを引っ張って歩いてるみたいだよぉ?」
京子「…私が引っ張られてるのは、やっぱ変かな?」
あかり「変って言うか、なんか昔の京子ちゃんに戻っちゃったみたい♪」
あかり「何だか、あかり。懐かしくなっちゃうよぉ~」ニコニコ
京子(昔の私か…そういや、こんな感じだったかも)
あかり「でも、あかりはやっぱり京子ちゃんとお話しながら帰りたいなぁ」
あかり「あかり、ゆっくり歩くから。隣に来てよ、京子ちゃん!」
京子「…頑張るよ///」
京子宅
京子「はぁ~~っ」バフ
京子「……」
京子「///」ボッ
京子「わあぁぁぁっ!!何が『…頑張るよ///』だよ!!///」バタバタ
京子「そこは『あかりを引きずるくらいかっ飛ばしてやるぜ!!』だろ!?///」バタバタ
京子「うわぁー!絶っ対、あかりに変だと思われたっ!!///」ゴロゴロ
京子「惚れた側って本当、不利だよなぁ…って、何がだよ!?///」ビシッ
京子「はぁ…はぁ…はぁ…はぁ……」
京子「……」
京子「…はぁ」バフッ
京子「今まで、あかりの事なんて友達としてしか見てなかったのに…」モフッ
京子「幼なじみに一目惚れからのガチ惚れコンボとか有り得ないって!!」ボコボコ
京子「あぁ…私の中の何かが音を立てて崩れていく…」ポイッ
京子「あぁー!あぁぁぁーーっ!!」ゴロゴロ
あかり宅
あかり「~♪」ヌクヌク
ガチャ
あかね「ただいまぁー」
あかり「あっ、お姉ちゃんだ。お帰りなさーい!」トテトテ
あかね「あら、あかり。お団子に綺麗なお花が付いてるわよ」ニコニコ
あかり「えっ…あっ、本当だ…」サワサワ
あかり「んもぉ~、また京子ちゃんのイタズラなのぉ~?」プンプン
あかね「うふふ、それはどうかしらね?」ニコニコ
あかり「…お姉ちゃん?」
あかね「お花を取る前に、一度鏡を見てみなさい」
あかり「うん、分かったよ」トテトテ
ーーーーー
あかり「わぁ~、凄~い!絵本に出て来るお姫様みたい…」
あかり「どうしよう…これ、勿体なくて取れないよぉ…」
翌日
京子「……」
結衣「……」
結衣「…早くインターホン押せよ」
京子「結衣押して」
結衣「なんで?」
京子「いいから!」
結衣「…京子にやれと言われると、何かあるんじゃないかと勘ぐってしまうな」
ピンポーン
ガチャ
あかり「おはよう!京子ちゃん、結衣ちゃん」トテトテ
京子「あかり!!///」ドキ
結衣「どうしたの、あかり?なんか、お団子がグレードアップしてるけど…」
あかり「えへへ。気に入ったから、お姉ちゃんに付けて貰ったんだよぉ~♪」ニコニコ
京子(何この嬉し過ぎるサプライズ…)ジーン
結衣「あぁ、これ昨日京子が作ってたやつか…」
結衣「イタズラでお団子に刺したら、予想外に可愛いかったと」
京子「なっ!?結衣、さては帰るフリして全部見ていたなぁ!?」
結衣「いや、お前がやりそうな事くらい大体想像つくから」
あかり「あはは、京子ちゃんと結衣ちゃんは相変わらず恋人同士だね♪」
結衣「はっ…はぁぁぁぁぁ!?///」カァー
結衣「ちょっと、あかり!朝っぱらから何言ってんの!?///」アセアセ
京子「そ、そうだよっ!!さっきのが浮気に見えたのか!?さっそく、嫉妬か!?」
あかり「えっ…あれ?あれれ?」アセアセ
あかり(あかり、恋人同士の使い方間違っちゃったのかなぁ?)
結衣「……」
結衣「…んっ?」
結衣「浮気とか嫉妬って、何の話?」
京子「…あぁ。そういや、結衣やみんなに連絡入れるのすっかり忘れてたぁ~」
グイ
あかり「きゃっ!?」
ガシッ
京子「私達、昨日から付き合い始めました!」
あかり「あかりは京子ちゃんと、恋人同士になったんだよぉ~♪」ニコニコ
結衣「えっ」
結衣「えっ」
結衣「そ、そうなんだ……それはまた急な話だね」
京子「だろぉ~?まさか私自身、あかりに惚れるとは思わなかったよぉ~」
あかり「ちょっとぉ!酷いよ、京子ちゃ~ん」プンプン
京子「あはは、わりぃわりぃ」
結衣「……」
結衣「…そっか」
結衣「あかりか…」
結衣「…うん」
結衣「悪くないんじゃないかな…」
京子「結衣?さっきから、何ぶつぶつ言ってんの?」
結衣「あっ…いや、何でも無いよ」
結衣「それじゃ、私は2人の邪魔をしないようちなつちゃんと一緒に登校するよ」
あかり「えっ、そんなぁ…みんなで一緒に登校しようよぉ~」アセアセ
京子「結衣、また教室でな!」
結衣「…あぁ」
登校中
あかり「……」
京子「///」モジモジ
京子(ふぎゃ~!2人っきりになった途端これかよ!?)
京子(…でも、この感じ凄く心地いい///)
あかり「ねぇ、京子ちゃん」
京子「…何、あかり?」
あかり「結衣ちゃんは、恋人同士の意味知ってるのかな?」
京子「いや、普通知ってるだろ。今更何言ってるんだよ?」
あかり「そっか…そうだよね」
あかり(まさか、あかりと京子ちゃんの事『本当の恋人同士』だとは思わないよね)
あかり(恋人同士になった次の日は2人きりで登校するとか…)
あかり(そういうルールがあるのかなぁ?)
あかり(あかり、こういう事に疎いから後でちなつちゃんに聞いとかなきゃ♪)ニコ
京子(おぉ、あかりが笑ってる。可愛ぇ…///)
結衣「……」
ちなつ「はぁぁん。私、結衣先輩と2人きりで登校出来て嬉しいです!///」キラキラ
結衣「……」
結衣「…そう」
ちなつ「結衣先輩?」
ちなつ「……」
ちなつ「…京子先輩やあかりちゃんと、何かあったんですか?」
結衣「」ピク
結衣「何かって、程じゃないけど…」
結衣「ちなつちゃんにも言っておいた方がいいかな?」
ちなつ「何ですか!?何でも言って下さいよ、結衣先輩!!」
結衣「……」
結衣「…京子とあかりが付き合い始めたって」
ちなつ「……」
ちなつ「…はい?」
ちなつ「それって、京子先輩の冗談とかじゃないんですか?」
結衣「そうならいいんだけど…」
ちなつ「そうならいいけどって……結衣先輩?」
結衣「ハッ!!」ドキ
ちなつ「結衣先輩、もしかして京子先輩の事…」
結衣「そんな訳ないだろっ!!」
ちなつ「きゃあっ!!」ビク
結衣「あっ…」
ちなつ「結衣先輩…」
結衣「えっと…その……ごめん」
ちなつ「……」
ちなつ「…学校に着いたら、教室であかりちゃんに詳しく聞いてみますね」
結衣「ありがとう…ちなつちゃん…」
教室
ちなつ「あかりちゃん、ちょっと話があるんだけど…」
あかり「あっ、ちなつちゃん!あかりもちょうど聞きたい事があったんだよぉ~」
あかり「恋人同士についてなんだけどね?」
ちなつ「」ピクン
ちなつ「…あかりちゃん、一緒にトイレ行こっか?」
あかり「うん、いいよ♪」ニコ
ーーーーー
ちなつ「単刀直入に聞くけど、あかりちゃんは京子先輩と付き合ってるの?」
あかり「それって、恋人同士かどうかって事だよねぇ?」
あかり「それなら、付き合ってるんじゃないかなぁ?」
ちなつ「あちゃ~」
あかり「あかりとちなつちゃんも恋人同士なんだよね♪」ニコニコ
ちなつ「……」
ちなつ「…んんっ?」
ちなつ「私、いつの間にあかりちゃんと付き合ってたのかな?」
あかり「えっ!?だって、ちなつちゃんはあかりと口と口のキスしたよねぇ!?」
ちなつ「それで付き合った事になってるんだ?」
あかり「…違うの?」
ちなつ「違うよっ!!あかりちゃんはキスで子供が出来るとか信じちゃうタイプ!?」
あかり「そんなの信じて無いよぉ!」
あかり「最近、口と口でキスした友達を恋人って呼ぶのが流行ってるんでしょ?」
ちなつ「……」
ちなつ「…それ、どこで流行ってるの?」
あかり「えぇ!?」ガーン
あかり「でも、京子ちゃんが口と口でキスしたら恋人同士って言ってたんだよぉ!?」
ちなつ「はぁ…なぁ~んだ、やっぱり京子先輩のイタズラだったんじゃない!」
あかり「イタズラ…」
ちなつ「あかりちゃんだって、本当の付き合う意味知ってるんでしょ?」
あかり「…うん。そっかぁ、イタズラだったんだ」
ちなつ「本当、迷惑な人よね!」
あかり「そんなぁ、いつも京子ちゃんには悪気はないんだよぉ?」
ちなつ「…お陰で結衣先輩が自分の気持ちに気付いちゃったみたいじゃない」
あかり「あの、ちなつちゃん?」
ちなつ「ハッ!!」
ちなつ「まさか、そこまで計算に入れて!?」
あかり「ちな…」
ちなつ「京子先輩…なんて腹黒いのかしら…」
あかり「ち~な~つ~ちゃ~~ん!」
ちなつ「えっ?何、あかりちゃん?」
あかり「もう、無視するなんて酷いよぉ!」プンプン
ちなつ「ご、ごめんね。あかりちゃん!」
ちなつ「でも、これでお互い悩み事は解決したし一件落着だね!」
あかり「う、うん…」
ちなつ「後はこれを結衣先輩に報告すれば、私への好感度が大幅上昇よっ!!」グッ
2年の教室
京子「んふふ~、んふふ~~♪」セカセカ
結衣「鼻歌歌いながら内職してるし…」
綾乃「としのぉーきょーこぉーーっ!!」
京子「綾乃ののの~♪」セカセカ
綾乃「私の名前を歌に組み込んでんじゃ無いわよっ!!」
綾乃「あなた、学校で内職なんてしていいと思ってるの!?」
京子「いいじゃ~ん、誰にも迷惑かけてないんだからさぁ!」
綾乃「よかないわよ!他の生徒に示しがつかないじゃないっ!!」
京子「へいへい分かったよ、分かりましたよ!」
京子「放課後、部室であかりと愛の共同作業をしよっと///」ポッ
結衣「」ピクン
綾乃「あああ赤座さんと愛の共同作業ですってぇーーっ!?///」カァー
綾乃「…ふぅ」パタン
結衣「綾乃っ!!」ダキ
昼休み
ちなつ「…と言う訳で、今回の件は京子先輩のイタズラだったみたいです!」
結衣「……」
ちなつ「結衣先輩?」
結衣「…ちなつちゃん」
結衣「ちなつちゃんはさ、イタズラで友達の事を恋人って呼べる?」
ちなつ「そんなっ!!私は結衣先輩に誤解されるような事、絶対にしませんよ!!」
ちなつ「京子先輩なら分かりませんけど…」
結衣「あいつは人を困らせるような事はあっても、傷付ける事はしないと思うんだ」
ちなつ「どうでしょうかね?あかりちゃん相手にならやりかねませんよ!」
結衣「…うん、言われてみればそうかも」
結衣「もしかしたら、私よりちなつちゃんの方があいつの事を理解してるのかな?」
ちなつ「京子先輩の事なんて、興味ありません!」プイ
ちなつ「私が理解したいのは、結衣先輩の事だけですからっ!!///」キラキラ
結衣「あ、ありがとう…」
放課後
京子「……」セカセカ
結衣「京子、私暇なんだけどそれ手伝ってもいい?」
京子「えぇ~~…」
結衣「はぁ…せめて、私に手伝わせたく無い理由を教えてくれ」
京子「2つあるけど、1つは言えない。もう1つはあかりと一緒にやりたいから」
結衣「…あかりの事、本気なの?」
京子「今はそんなでも無いけど、2人きりになったら分からない」
結衣「素直に本気って言えよな!」
京子「何怒ってんの、結衣?」
結衣「…別に、怒ってないけど」スク
タッタッタ
京子「…結衣?」
結衣「もうすぐ、クリスマスだね」ガラ
ピシャ
京子「クリスマスまでに決着つけろ、か…」
京子「言われなくても、自他共に認めるバカップルになってみせますっての!」
ガラ
あかり「京子ちゃん!」
京子「おぉ、来たか。あかり!」
京子「ほら、私の隣に座れよ!」
あかり「…うん」トテトテ
ペタン
あかり「……」
京子「///」ドキドキ
京子(あかりと肩当たってる!あかりと肩当たってる!///)
あかり「…京子ちゃん」
あかり「ちなつちゃんはさっき、そこですれ違った結衣ちゃんと一緒に帰ったよ」
京子「へ、へぇ…そうなんだ……報告、ご苦労!」
あかり「……」
京子「あのさ、あかり…///」モジモジ
京子「花作んの…少し、手伝ってくんないかなぁ?///」
あかり「…いいよ」
あかり「あかりにもお花の作り方、教えて欲しいなぁ♪」ニコ
京子「あかり!」パァー
あかり(やっぱり、京子ちゃんがあかりの事を騙してるようには見えないよ!)
あかり(きっと、京子ちゃんも誰かから嘘を教えられちゃったんだよね?)
あかり(そっかぁ、それで仕方無くあかりと恋人同士になろうとしてるんだ!)
あかり(そうと分かれば、少しだけ京子ちゃんと恋人気分満喫しちゃおっかな♪)
あかり「ここを…こう、かなぁ?あれれ?」グチャ
京子「あぁ~、違うよ!ここは、こう捻ってぇ…///」ピト
京子(あかりの手、柔らかくてあったけぇ!!///)フニフニ
あかり「京子ちゃん?」キョトン
京子「///」ドキ
京子(顔近い!顔近い!あぁ、このまま押し倒されたい!!///)
あかり「京子ちゃん、大丈夫!?顔真っ赤だよぉ!?」アセアセ
京子(流石、あかり!空気が読める、いい子だなぁ!!)
京子「駄目だ…また死ぬ病気が発動したみたい…」
あかり「えぇ!?」ガーン
あかり「またキスすれば、治るんだよねぇ!?」アセアセ
京子「先に私の事を押し倒して…それからキスするんだ///」ドキドキ
あかり(押し倒しすって、ちなつちゃんがあかりにしたのと同じでいいのかなぁ?)
京子「は…早くぅ…///」
あかり「ご、ごめんね。京子ちゃん!今、押し倒すよぉ!」
あかり「えっと…えっとぉ……えいっ!!」トン
京子「あっ…」
ドサ
あかり「京子ちゃん、上に乗るよ?」ノシ
京子「あぁぁ…ああぁぁぁ…///」ドキドキ
あかり「確か、手はこうだったかなぁ?」ギュッ
京子(あかりに…手を…軽く抑えつけられて…///)
京子(それだけなのに…もう…体に力が入らないよぉ…///)
あかり「それじゃ、後はキス…だけど」
京子「はぁ…はぁ…はぁ…はぁ……///」
あかり「わわっ!早くしないと、本当に京子ちゃんが死んじゃいそうだよぉ!!」
京子「あ…か…りぃ……///」
あかり「京子ちゃん、行くよっ!!」ガバッ
京子(あかりの顔が…唇が…段々迫って来て…///)
京子(あっ…くっつく…あっ……あっ///)
チュッ
あかり「……」
京子「……」
あかり「…っぷはぁ。どう、京子ちゃん?発作治った?」
京子「う…うぅぅ……」ポロポロ
あかり「えぇぇ!?」ガーン
あかり「ど、どどどうして泣いてるのぉ!?」オロオロ
あかり「あかりのキスの仕方が、悪かったのかなぁ!?」オロオロ
京子「違うの…あかりにキスして貰えたのが嬉しくて……嬉しくてぇ」エグエグ
帰り道
あかり「……」
京子「///」グスグス
京子(遂に泣いちゃったよぉぉ…私の方が年上なのにっ!!///)
あかり「…京子ちゃん」
あかり「あの…その……今日は、ごめんねっ!!」ペコ
京子「…えっ?」
京子「何を謝ってんの、あかり?」
あかり「京子ちゃんに本当の事を言わず、恋人気分で調子に乗っちゃった事だよ」
京子「…本当の事?」
あかり「口と口でキスをすると恋人同士になるって…」
あかり「あれは嘘なんだって、ちなつちゃんが教えてくれたの!」
京子「!!」ドキ
京子「う、嘘じゃないよっ!!少なくとも、私は嘘をついたつもりは…」
あかり「だから、京子ちゃんも誰かに騙されてるんだよぉ!!」
京子「騙されるもなにも、あれは私が言った言葉で…」
あかり「もういいの、京子ちゃん。無理はしないで」
あかり「泣いちゃう程、辛かったんだよね?悲しかったんだよね?」
京子「あかり…」
京子(あかりには私の好きも、付き合っても届かないんだ)
京子(それ程までに、私とあかりは友達で…親友で……)
京子(女の子同士…)
京子「……」
京子「…うん、全部嘘だよ」
あかり「京子ちゃん…」
京子「キスで恋人同士だの、死ぬ病気だの全部嘘…」
京子「本当は…本当は……」
京子「本当はただ、あかりに私を求めて欲しかったんだ」
あかり「……」
あかり「……」
あかり「えっ…」
あかり「えぇぇぇぇぇ!?///」
あかり「そそそそれって、その……えっ!?///」
あかり「好きって…付き合ってって……」
あかり「あれ、本気だったのぉぉ!?///」
京子「はぁ…はぁ…はぁ…はぁ……///」
京子(言ったっ!言っちゃったぁ!!///)
京子「…うん。キスして欲しいの、抱きしめて欲しいの///」
あかり「あかりが…京子ちゃんに?」
京子「自分でもおかしいのは分かってる…」
京子「けど、それでもあかりにされるのがいいんだよっ!!///」
京子(うわぁぁ!これじゃ、私変態だよ!痴女だよぉ!!)
あかり「きょ、京子ちゃん…」
あかり「ご、ごめんね。京子ちゃん!」アセアセ
あかり「あかり、まだそういうのよく分かんないよ…」シュン
京子「あかり…」
京子(終わった…あかりとの関係はもう滅茶苦茶だ…)
京子(でも、後悔はない…寧ろ、心が軽くなったようだよ!)
京子「こっちこそ、変な事言ってごめんな。あかり!」
京子「……」
京子「…明日」
京子「明日にはきっと、元の私に戻れると思うから」
京子「だから、せめて今まで通りに接して…」
あかり「京子ちゃんっ!!」
ギュッ
京子「…えっ?」
あかり「こう?これでいいの?」ギューッ
京子「あ…あかり……じゃあ!?///」ドキドキ
あかり「ううん、違うの…でも、放っておけないんだよっ!!」ギューッ
京子「あかり…」
京子「……」
京子「…もっと」
京子「もっと、もっと強く抱きしめて!」
あかり「もっと?」ギューッ
京子「そう、もっと!もっと強く!!」
あかり「分かったよ、全力でやるね!」ギューッ
京子「っ…くぁ……」ギリギリ
あかり「京子ちゃん!?」ギューッ
京子「まだ足りないよ!もっと強くしてよっ!!」ギリギリ
あかり「京子ちゃん!京子ちゃん!」ギューッ
京子「あかり…あかり…あかりぃ……」ギリギリ
あかり「はぁ…はぁ…」
京子「はぁ…はぁ…はぁ……」
あかり「…えへへ、もう腕に力が入らないよぉ♪」ニコ
京子「私も…抱かれた所、アザが出来てると思う…」
あかり「京子ちゃんはあかりと付き合って、毎日こういう事して欲しいの?」
京子「えっ…いや、ちょっともう勘弁かも…」
京子「求められてる感じは、凄くいいんだけど…」
あかり「けど?」
京子「お風呂の時、染みそう…」
あかり「……」
あかり「…ぷふっ」
あかり「あははははっ、あはははははははははぁ!!」
京子「あかり、笑い過ぎだよっ!!」
あかり「だってぇ、いきなりお風呂の心配は無いよぉ~」
京子「いや、なんか急にふと我に帰ってさぁ…」
あかり「それじゃ、もう真っ暗だから早く帰ろうよぉ!」
京子「待って!!」
京子「…あかり、また私の事を求めてくれる?///」
あかり「うん、いいよ♪」ニコ
あかり「だって、あかりは京子ちゃんの事がだぁい好きなんだから!!」
京子「あかり…///」
あかり「えいっ、さっそく求めちゃえ!」ギュッ
京子「あっ…」ピクン
京子(あかりの手…汗ばんでる…///)
あかり「ほらほら、また引っ張っちゃうよぉ~」グイグイ
京子「いいよ…私の事をもっと引っ張って…///」
京子宅
京子「うおぉぉーーっ」バフッ
京子「!!」ズキ
京子「ぐあぁ…」ヒリヒリ
バフン
京子「……」
京子「…ふふ」
京子「んふふふふ」
京子「遂に、あかりに想いを伝えちまったぜぇ!!」バタバタ
京子「長かったなぁ…衝撃の一目惚れから、約1日か…」
京子「って、短っ!!」ガバッ
京子「いやいや、幼なじみとしての積み重ねがあったからこその物種だよなっ!!」
京子「まぁ、まだ正式なお付き合いじゃないんだけどねん♪」バフッ
京子「あぁ…あかりと恋人になりてぇなぁ…」
京子「あっ、そうだ!花作り、いい加減進めなきゃ」ムクッ
あかり宅
あかり「……」ポーッ
京子『本当はただ、あかりに私を求めて欲しかったんだ』
あかり「あの京子ちゃんが、本気であかりの事を…」
あかり「あかり、どうしていいか分からなくて夢中で行動したけど」
あかり「本当にあれで良かったのかなぁ」
あかり「やっぱり、京子ちゃんの為にも付き合った方が…」
あかり「でもでも、あかりの好きじゃ京子ちゃんの好きが分からないもん!」
あかり「そんなので付き合っても、京子ちゃんに失礼なだけだよね?」
あかり「はぁ…あかりも早く大人になりたいなぁ…」
あかり「大人になれば、こういう難しい好きが分かるようになるハズだし」
あかり「…けど」
サワサワ
あかり「京子ちゃんのお花…」
あかり「えへへ。やっぱり、あかりはしばらく子供のままでいいや♪」ニコニコ
翌日
京子「やぁーやぁーおはよう、結衣さん!」
結衣「…おはよう、京子」
結衣「偉く上機嫌だね、あかりと何かいい事あったの?」
京子「おう!あかりに部室で押し倒されて、キスされて…」
京子「挙げ句の果てに、アザが出来るまで抱きしめられたよっ!!」
結衣「……」
結衣「…あっそ」
京子「あぁーっ!その反応、信じてないなぁ!?」
結衣「いや、信じろって方が無理だろ」
結衣「大体、あかりにそんな事が出来る訳…」
京子「ほら、見ろよ!これが証拠のアザだ!」スルスル
結衣「……」
結衣「…マジかよ」
京子「だーから言ったじゃ~ん!2人きりだと、分からないって!」
結衣「まぁ2人は付き合ってるんだし、どうしようと2人の勝手だよ」
京子「それが、実は私とあかりは付き合っていませんでした!」
結衣「……」
結衣「…はっ?」
京子「だから、私とあかりは付き合っていなかったんだって!」
結衣「意味が分からないんだけど…」
京子「一昨日のは勘違いで、昨日正式に告って応えを保留されたんだよん♪」
結衣「じゃあ、何?付き合って無いのに恋人まがいな事してる訳?」
京子「そうなる!」ドヤ
結衣「……」
結衣「…京子」
結衣「クリスマス、楽しみにしてろよな」ニヤ
京子「心配しなくても、クリスマスまでには絶対あかりと恋仲になるっての!」
ピンポーン
ガチャ
あかり「おはよう!京子ちゃん、結衣ちゃん♪」
京子「おはよう、花の子あかりん!」
結衣「……」
あかり「…結衣ちゃん?」
結衣「それじゃ、あかりの迎えは済んだから私はここで…」スタスタ
あかり「あぁーっ!待ってよ、結衣ちゃ~んっ!!」
ガシッ
京子「いいじゃん!せっかく、結衣が気を使ってくれてんだし2人で行こうぜ!!」
あかり「でもぉ…」
京子「あかり、私と2人きりは嫌なのか?」
あかり「京子ちゃんと2人きりなのが嫌なんじゃなくてぇーっ!!」
京子「あかりぃ…早く私の手をギュッてしてよぉ…///」
結衣「……」
あかり「もう、こんな朝から求められたいの?」ギュッ
京子「…うん。私、あかりになら一日中求められていたい///」
あかり「授業中や寝てる時は無理だよぉ~」アセアセ
京子「そこに私が居なくても、あかりがただ私を求めてくれればそれでいい///」
あかり「あかりにずっと、京子ちゃんの事を考えていて欲しいの?」
京子「私って、ワガママかなぁ…」
あかり「うぅん。それくらい京子ちゃんは、あかりの事が好きなんだよねぇ♪」ニコ
京子「あかり…///」
京子「あかりに私の気持ちが素直に届くのが嬉しい///」
あかり「大袈裟だよぉ~」
あかり「ほら、そろそろ学校に向かわないと遅刻しちゃうよぉ!」グイグイ
京子「あぁ…今、私あかり手を引かれて…///」
結衣「……」
結衣「…重症だな」
教室
ちなつ「あかりちゃん、京子先輩とは結局どうなったのよ?」
あかり「あっ、ちなつちゃん!えっとねぇ…」
あかり「誤解が解けて、恋人同士じゃ無くなったんだよぉ~」
ちなつ「……」
ちなつ「…ふぅん、そうなんだ」
あかり「全部ちなつちゃんのお陰だよぉ、ありがとね♪」ニコ
ちなつ「///」ドキ
ちなつ「もう、余計な心配はかけさせないでよねっ!!///」プイ
あかり「ちなつちゃん、あかりの事心配してくれてたんだぁ?」
ちなつ「当然よ!これ以上、あかりちゃんの唇を京子先輩に奪われたら私が困るもん!!」
あかり「えっ」
あかり(なんで、ちなつちゃんが困るんだろう…?)
飯食う
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