ミケ「新兵が臭い」クリスタ「そんなバカな」(121)

ミケ「臭う」

クリスタ「そうでしょうか、あ、でもいい匂いでしょう?」

ミケ「くさいぞ」

クリスタ「ひどい、ちゃんと洗濯してるし84もしてるんだよ?」

ミケ「くさい、来るな」

ユミル「私のクリスタがくさいだと」

ミケ「お前もくさい」

クリスタ「ひどいです。ミケ分隊長」

ベルトルト「(正直僕もくさいと思うよ、アロ○ジェルとボー○ド混ぜるとかありえない)」

ライナー「クリスタはくさくなんてない。ほら服を叩けばフローラルな香りが……」パン

ミケ「ぎゃぁぁあああああ」キゼツ

ベルトルト「(うげぇ)」マッサオ

ライナー「」コウチョク

ユミル「なんなのこいつら、クリスタに対して失礼じゃねぇか、あとライナー」

ライナー「う?」

ユミル「どさくさに紛れてクリスタのおっぱいに触るんじゃねぇクソゴリラ」ゲシ

ライナー「ああ、俺、空を飛んでる」

クリスタ「ゆ、ユミルやりすぎだよ」

サシャ「……」パンパン

ミケ「ぐぁぁあああああ」ゴロゴロ

ベルトルト「やめて、サシャ、それやめて。ダ○ニーはらめぇぇ」ズキズキ


コニー「俺トッ○だけど匂うかな」スンスン

ミケ「……」スンスン

ミケ「オロロロロロ」ベチャベチャ

ベルトルト「うっ」モライゲロ

エレン「ここはアリ○ールの出番だないくぞアルミン」

アルミン「ごめんエレン。僕○ァーファ派なんだ。やっぱり服は柔らかい方がいいし」

ミケ「匂いはきつくはないが、ちょっとカビくさい」

エレン「ガーン」

クリスタ「エレンに負けた」

ジャン「頼むぞお袋。これがナノッ○スの力だ!」


ミケ「……」スンスン

ミケ「フッ」

ベルトルト「(ジャンは合格みたいだ)」

ミカサ「ふわっと匂いも防げる♪」

ミケ「!」ズザザザザザザ

ミカサ「……逃げられた。レ○アとニュー○ーズの組み合わせは……」

ベルトルト「(もともと匂いついてるんだから混ぜるな危険)」ハヒハヒ

ミケ「お日様の匂いがする」スンスン

ベルトルト「僕のは……石鹸ですけど……」クンクン

ミケ「」スンスンスンスンスンスンスンスン

ベルトルト「ちょ、近い近い近い近い!!」

ミケ「」スンスンスンスン

ライナー「いい加減にしてもらえませんか分隊長さんよ」もわ

ミケ「」カチン

ライナー「?」

ベルトルト「ライナー、ミケ分隊長気絶してる」

ライナー「俺はお前と同じ石鹸使ってるはずだよな」
ミケ「ちなみに何日に一回だ?」

ライナー「纏めて洗うから3日?」

ミケ「汗臭い」

ライナー「うるせぇ、汗は男の香水よ!!」

後日、調査兵団の資金でリヴァイ兵士長直々にア○ックが送られたとか。

ハンジ「美しい汗をかこう♪汗をかくって素晴らしい♪汗をかくって素晴らしい♪」

ペトラ「ハンジ分隊長……」

ハンジ「ん?」

ナナバ「私達の頼みを聞いてくれないか」

ハンジ「頼みねぇ……聞いてあげてもいいけど実行するかは別だからね」

ナナバ「よかった、君たち入りなさい」

クリスタ「失礼します」

サシャ「…」

ミカサ「失礼します」

ハンジ「で、何の用?研究結果のレポートで忙しいから手短にね」

クリスタ「実は斯く斯く云々で……」

ハンジ「なるほどわからん」

ハンジ「そもそも、なんで服なんかにいちいち匂いをつけないといけないのさ」

クリスタ「それはえっと」

ペトラ「普段そんなにお洒落とかできないからせめて匂いだけでも」

ハンジ「それがおかしいんだよ」

ナナバ「いいすぎじゃ」

ハンジ「だいたいさ、私たちの仕事は汗水たらし壁のそとを」

ナナバ「話それてるし、それと今の話がなんの関係が」

ハンジ「おおありだよ。わざわざ匂いをつけるなんて巨人に居場所教えてるようなもんじゃないか」

サシャ「巨人の習性は人が多い所に集まるんじゃ……」

ハンジ「そう、人が集まると巨人はくる。仮定としてフェロモンに引き寄せられてることも否めないわけだ」

ミカサ「フェロモンを匂いでかぶせばあるいは」

ハンジ「ああもうしつこいな」ボリボリポロポロ

ナナバ「あ……」

ハンジ「君たちが、そうまでして香り付き柔軟剤を使いたいのはわかったよ、でもね」

ハンジ「なんで私の所にくるの?私の研究対象はあくまで巨人。香り付き柔軟剤ごときにつきあってる暇はないの」

ユミル「ごときだと?あんた、女らしくなろうとかおもわないのかい」

ハンジ「匂いをつける=女だって。なにそれ超ウケる」

洗剤を混ぜるってよりも分量が多いんじゃねーの?

混ぜると有毒ガス発生したりするからダメ絶対って注意されてなかったっけ?

>>12
まじか、弟にたまにやられるけど、今のところ被害は椿象臭だけだが

>>11
もらいもののトッ○洗濯機に箱ごと落とした時はヤバかった。一応拾える分は拾ったが
ア○ックはそんな事なかったのにな……

おれは粉トップ派

>>15
トップは小学生の時靴洗うのに世話になったな。

続き書くお

ハンジ「性別と嗜好はまったくの別問題だよ。君たちにとってのいい匂いもそれぞれ違うだろう?」

クリスタ「……」

ユミル「私はクリスタの匂いが好きなんだ」

ハンジ「じゃぁさ、クリスタが急にいつもと違う匂いに替えたらどう思う?そうだね、金木犀はどうかな。よくトイレに飾ってあるよね」

ユミル「クリスタからトイレの匂いはいやだ」

クリスタ「ユミル、金木犀は別にトイレの匂いじゃないしトイレの芳香剤だって最近はいろんなものが……」

ハンジ「そうだね、金木犀の匂い=トイレの匂いではない。しかし、そうイメージづいたものは簡単にはくつがえらない」

サシャ「……でも芳香剤使っても匂いは消えないしむしろ混ざって嫌な臭いに」

ハンジ「だろう?君たちがやろうとしてることはつまりそう言うことなんだ」

ナナバ「そうだね、あなたは研究のためなら風呂に入らなくても気にならない人だったね」

ハンジ「心外だな、それじゃあ私が悪臭の根元みたいじゃないか」プンプン

ナナバ「おや、あなたでも臭いは気にするんだな」

ハンジ「そりゃするよ、嗅覚は人間に備わった器官の一つだから活用しないというわけにはいかないんだよ」

ナナバ「君は理論でしかものを言えないのか」

ハンジ「感情に身を任せてたら本質を見失うだけだよ。君がいい匂いでゲルガーの気を惹きたいのはわかるけどさ」

ナナバ「なっ私は」

ハンジ「ほら、わかったらでてってくれないかな」ポイ

ハンジ「洗い方ならリヴァイに聞いた方がいいんじゃない?」バタン

クリスタ「……」

ペトラ「次いきましょう」

エルヴィン「君たち、何をしてるんだい?」

サシャ「お父さんの臭いがします」クンクン

クリスタ「うっ」

ミカサ「私のお父さんはこんなに臭くなかった」

サシャ「おっさんになると臭いが強くなるんそうです。私は団長が臭いとは思えません。むしろいい匂いです」

クリスタ「サシャ、それ、変だよ」

ユミル「そうか?芋女だから平気なんじゃねぇの?」

エルヴィン「うーん、さらっと酷いことを言われたような気がするが。君」

サシャ「?」キョロキョロ

エルヴィン「君だよブラウス君」

サシャ「わ、私ですか?」

エルヴィン「用事が終わったら私の部屋に来なさい」

サシャ「え、私なにかしました?」

エルヴィン「いや、純粋に話がしたいだけだよ」

サシャ「は、はあ」

エルヴィン「引き止めて悪かったね、じゃあまた」パッ

サシャ「……何だったんでしょう」

ユミル「さあね、でも団長の部屋に一人で行くんじゃないぞ」

ナナバ「見境ないからうちの団長」

ペトラ「エルリヴァなんて認めないエルリヴァなんて認めないエルリヴァなんて認めない」

サシャ「うわぁ……」

ミカサ「まさかエレンも……」

ペトラ「兵長の部屋行きましょうか」

クリスタ「そうですね」

―旧調査兵団本部―

ペトラ「ただいま」

エルド「お帰り」

グンタ「珍しいな友達か?」
ペトラ「知ってるだろ、この子達は新兵だよ」

オルオ「ペトラが百合、これはてうべっ」ガリ

グンタ「おいおいせっかく掃除したんだから汚すなよ」

ペトラ「兵長どこ」

エルド「ああ、ミケ分隊長が寝込んでるらしいからお見舞いにね」

グンタ「そのおかげで遠征が延期になったんだいまはゆっくりしよう」

ペトラ「そうだけど、私達にとっては大事な用事なの」

エルド「そうなのか、差し支えがないなら兵長が戻ってくるまで俺たちが話をきくが」

ペトラ「どうする?」

クリスタ「あの私呼んで来ましょうか?馬に乗ればすぐですし……」

ユミル「クリスタがいくなら私も行くよ」

ナナバ「ここは二人に任せよう」

エルド「コーヒーでも煎れてくるよ。ゆっくりしてくといい」

サシャ「私はお茶がいいです」ボソ

グンタ「でなんだ兵長に用事って」

ペトラ「服の匂いの事なんだけどね」

オルオ「たしか新兵のガキどもの服が悪臭放ってミケ分隊長がぐぼぁ」

ペトラ「ふん」

―調査兵団本部―

ミケ「うーんうーん」

ベルトルト「水換えてきます」

リヴァイ「ああ、たのむ」
パタン

クリスタ「きゃっ」

ベルトルト「わぁ」バチャ

ユミル「しっかりしろよベルトルさん」グイ

ベルトルト「ありがとうユミル」

クリスタ「あれ、ここミケ分隊長の部屋だよね。なんでベルトルトがいるの?」

ベルトルト「実は団長にミケ…さんの看病頼まれちゃって……」遠い目

ベルトルト「二人はどうしてここに?」

クリスタ「リヴァイ兵長に用があって。いる?」

ベルトルト「うん、僕タオルの水換えてこないと、じゃあ」ヒョコヒョコ

ユミル「あやしい……」

コンコン

クリスタ「……」

『……』

コンコン

ユミル「……」

『……』

コンコン ガチャ

リヴァイ「しつけえ。……お前らは?」

クリスタ「104期卒業訓練生クリスタ・レンズです」バッ

ユミル「……」バッ

リヴァイ「……あ、ああ悪臭撒き散らしたっていう」

クリスタ「悪臭?」

ユミル「はぁアンタもかよ、悪臭かどうか臭ってみな」パン

リヴァイ「うえっ。お前達、洗濯くらいしたらどうだ、かなり臭うぞ」

クリスタ「あのしてます。洗濯くらい」

リヴァイ「ほぅ、ならこの臭いはなんだ。」

クリスタ「つけてるんです。オシャレでいい臭いだと思いませんか?」

リヴァイ「思えんな。不自然にもほどがある。まずその臭いを消せ」

クリスタ「……その事でお話が」

リヴァイ「話?」

クリスタ「はい、いかにオシャレに服を香りでコーディネートできるかの」

リヴァイ「おいふざけているのか」

クリスタ「ふざけてません。私たちはリヴァイ兵士長殿を呼びにきただけです。ねえ、ユミル」

ユミル「はい、ハンジ分隊長殿のご紹介に預かり旧調査兵団本部に赴いた所、リヴァイ兵士長殿は不在とのことでしたので」

リヴァイ「ちっしかたねぇ」クルッ

ドン

ベルトルト「……すみません」ビショビショ

リヴァイ「すまん、俺の不注意だ」グイ

ベルトルト「え…あ……すみません」

リヴァイ「後は頼む」

―旧調査兵団本部―

クリスタ「ただいま戻りました」

ペトラ「あ、お帰り」パンパン

グンタ「兵長、おか…えりなさい」バタ

エルド「……」グッタリ

オルオ「……」グッタリ

リヴァイ「何があった」

ペトラ「なんでもないんです、ちょっと口が過ぎたようなのでシメました」

リヴァイ「ったく、原因はなんだ」

ペトラ「服の芳香です、グンタたちがバカにするから……!!」

リヴァイ「たかが服の臭いで……」スンスン

ペトラ「兵長?」ドキドキ

リヴァイ「ペトラ……」

ペトラ「はい」ドキドキ

リヴァイ「今すぐ着替えてこい」

地味に 104期訓練兵団卒業 の部分間違えてたけどまあいいや。


ペトラ「え?兵長言ってる意味が」

クリスタ「ごめんなさい」

リヴァイ「着替えてこい、これは命令だ」

ペトラ「……わかりました」

リヴァイ「……」キョロキョロ

リヴァイ「おい」

ミカサ「……」

リヴァイ「お前たちは気にならないのか、この臭いが」

ミカサ「なりません」

リヴァイ「だろうな、気になるなら、その服は着ないだろう」

サシャ「いい匂いだし、いいじゃないですか」

リヴァイ「いい臭い?俺には雑菌の臭いしかしないがな……」

クリスタ「雑菌……」

ナナバ「何を根拠にそんな事を」

リヴァイ「わざと臭いをつけてるんだろ?他に何がある」

ミカサ「私達が匂いをつけるのは元にある服の臭いをけすため、臭いと言われるのは心外だ」

リヴァイ「お前は上官への喋り方がなってないな」

ミカサ「それは本件となんら関係ない」

リヴァイ「臭いを消すためにお前らは雑菌に餌をやるのか、本末転倒っつうんだよそれは」

グンタ「汗臭いっていうけど、本当に汗が臭いのか?」

ペトラ「当たり前だろ、バッカじゃないの?そのための制汗剤じゃない」

リヴァイ「戻ったか」

ペトラ「はい着替えました」

オルオ「ペトラ、お前はなにもわかっちゃいねぇな」

ペトラ「あん?」ゲシ

エルド「最後まで聞けって、お前は頭に血が上ると本当に人の話を聞かないな」

ペトラ「それはごめんなさいねぇ」ズンズン

リヴァイ「ペトラ!」

クリスタ「ペトラさん思ってたより過激だね」

ユミル「クリスタぁ、お前も大してかわらねぇから」

リヴァイ「落ち着けペトラ」

ペトラ「すみません」

リヴァイ「いいな、よく考えろ。お前は風呂に入り汗をかくだろ?その時汗の臭いはするか?」

ペトラ「やだもう、お風呂にって何想像してるんですか」バシンバシン

リヴァイ「……」ボロッ

グンタ「やめたげてよぉ」

 リヴァイ兵長負傷に付き、遠征予定日がさらに延期になった。いまだに香り付き柔軟剤が諦めきれない女性陣は駐屯兵団に乗り込む。

 それはさておき、調査兵団本部では。

エルヴィン「サシャくん……」ギュ

ぬいぐるみ「きゅ」

エルヴィン「はぁ……」クニクニ

ぬいぐるみ「きゅ、きゅ」

コンコン

エルヴィン「どうぞ」クルクル

ベルトルト「失礼します」

エルヴィン「君は確か、ブラウスくんと動機だったよね」

ベルトルト「はい。あの…ぬいぐるみ……」

エルヴィン「質問に答えてくれたら返すよ。ブラウスくんの使ってる洗剤は何だ、あの香りは?」

ベルトルト「確かハイ○アだったと思います。臭いはダ○ニーっていう柔軟剤で……あの、答えました。だから返して」

エルヴィン「ふむ、いいだろう」ポイ

ベルトルト「ああっ」ズザァァァ

―廊下―

ベルトルト「ひっく…ひっく…ぐずっ」

エレン「おい、どうしたんだ?って、なんだこの汚いぬいぐるみ?くさっ」

ベルトルト「…ひっく…エレンん…団長がね…」ポロ

エレン「何言ってんのか聞こえねぇよ、捨てちまえこんな汚いぬいぐるみ」グッ

ベルトルト「ダメ、この子いないと寝れないんだ」

エレン「おま、とんでもない恰好で寝てるクセに」

ベルトルト「だって変な夢見ちゃうんだもん、エレン止めて引っ張らないで」

ビリ

ベルトルト「あっ」

エレン「わり」

ベルトルト「うわぁぁああああ」号泣

 綿貫する手間は省けたが、ぬいぐるみのサイズが小さくなるのはどうやら避けられそうにない。

コニー「エレン、何ベルトルト泣かしてんだよ」

エレン「いや、汚いぬいぐるみ処分してやろうと思っただけで」

コニー「どんなに汚くてもなかなか捨てれないものってあるだろ?」

エレン「……」

ベルトルト「うぅ……」

コニー「ぬいぐるみの事なら、アニが精しいから行こうな」

ベルトルト「うん……」

アニ「それで私の所に……、あんた、まだそのうさちゃん持ってたの?」

ベルトルト「うん、でも怪我しちゃって」エグエグ

アニ「ちゃんと手入れしないからだよ。埃だってすごいじゃないか」

ベルトルト「手入れって?」

アニ「ぬいぐるみを洗って中の綿を入れ換えるんだ、最近は綿を換えなくても済むぬいぐるみもあるけど」

ベルトルト「かわいそうだ」

アニ「あんただって風呂に入って垢落とすだろ?それといっしょだよ」

ベルトルト「うん」

コニー「おい、盥とぬるま湯用意したぞ」

アニ「ありがとう、じゃ行こうか」

ベルトルト「あ、うん」ギュ

アニ「で、あんたは何でついてくるんだい?」

コニー「別にいいだろ」

アニ「……そうだね」スタスタ
コニー「……」スタスタ

アニ「……」スタスタスタスタ

コニー「……」スタスタスタスタ

アニ「っ……」タタタタタタ

コニー「……」タタタタタタ

アニ「はぁはぁ(結局付いてきた)」

ベルトルト「うわペラペラ……」

アニ「綿花は前に買ったのあるから、まず外から洗おうか」

ベルトルト「うん」

アニ「ちょっとまって、その石鹸……これじゃダメだよ」

ベルトルト「何で?」

アニ「ぬいぐるみは中性で洗わなきゃ痛むんだよ」

ベルトルト「何で?」

アニ「知るか」

ベルトルト「何で?」

アニ「怒るよ?」

コニー「何で?」

アニ「……」

コニー&ベルトルト「ごめんなさい」

アニ「ほら、ぬいぐるみを浸けて軽く叩いてみな」

じゃぶ

ベルトルト「わぁ真っ黒……」トントン

アニ「そんだけ煤埃が溜まってたって事だよ」

ベルトルト「そうなんだ」トントン

アニ「そういえばアンタたち、明日から壁外遠征じゃなかったっけ?こんなとこでぬいぐるみ洗ってていいわけ?」

コニー「ん?なんでオレたちが明日遠征だった事知ってるんだ?たしか遠征の作戦内容は口外禁止だったよな?」

ベルトルト「……う、うん」トントン

アニ「ある程度兵団の動きを把握してるんだ、でなきゃ雑務とはいえ憲兵団は務まんないよ」

コニー「そういうもんなのか?」

アニ「そういうもんなの」

アニ「で、だったって事は中止にでもなったのかい?」

コニー「把握してるんじゃなかったのかよ」クックッ

ベルトルト「誰にも言わないでくれよ?実は、ミケ分隊長が嗅覚過敏の発作で倒れて、リヴァイ兵長が骨折したんだ」トントン

ベルトルト「2人は調査兵団1,2の実力者で作戦行動の要だからこそ2人が回復してからになるんだって」トントン

コニー「いいのか?そんな大事なこと言って」

ベルトルト「うーん、大丈夫じゃないかな?アニって結構口固い方だと思うし」トントン

アニ「そう?あ、万遍なく叩きなよ斑ができるだろ」

ベルトルト「うん」トントン

アニ「一回水捨てて」

ベルトルト「うん」ザバァ

コニー「へぇ、結構綺麗になるもんだな」

アニ「そりゃね、ハイ○ア入れて」

ベルトルト「ハイ○アってたしか」

アニ「うん、あんた芳香洗剤苦手だろ?おしゃれ着洗剤のほとんどは芳香材入ってるし」

コニー「なぁ、2人ってつき合ってんの?」

ベルトルト「え……ちがうよ、だって僕達まだ正規兵団入ったばっかりだし、そんな余裕ないっていうか…その」ダルマッカ

アニ「やめてくれる?私、そういう冗談は嫌いなんだ」ジンオウガ

コニー「あやしいな、お前らお互いの事知りすぎだし」

ベルトルト「コニー!」

アニ「やめな、もうバカにつきあうだけ時間の無駄だよ」

ベルトルト「バカ…」

コニー「むっ」

アニ「フン、あまり強く擦るんじゃないよ、優しく揉むんだよ」

ベルトルト「揉む……」クニクニ

コニー「やっぱり揉むなら巨乳に限るよな」ワキワキ

アニ「坊やは故郷にでも帰って母ちゃんのおっぱいでも吸ってれば?」

コニー「オレだって帰れるもんなら帰りてぇよ」

ベルトルト「ねぇ……次どうするの?」

アニ「濯ぐに決まってるじゃないか。考えりゃわかるだろ?」

ベルトルト「ごめん」

アニ「注水濯ぎってもったいないと思わない?」

ベルトルト「そうかな?」ジャー

コニー「注水してる方が汚れが落ちる様子が目に見えるから綺麗になってるってことじゃねぇの?」

アニ「ちがうね、注水は表面しか洗えてないの、ちゃんと溜め濯ぎしたほうが中に洗剤や汚れが残りにくいんだ」

ベルトルト「よくわかんないや」ジャー

アニ「残留洗剤だって十分雑菌の餌になるんだよ?そのうさちゃんを菌の苗床にしていいなら好きにしな」

ベルトルト「こわい事いわないでよ」ブルブル

アニ「ちゃんと洗えばいいんだよ。まぁ埃や手垢で汚れるのは仕方ないし…」

ベルトルト「わかった」ジャブジャブ

コニー「ベルトルトってさ、将来尻にしかれそうだよな」

ベルトルト「え…」ジャブジャブ

コニー「おう、でな娘に『お父さんのパンツと一緒に洗わないで』とか言われて自分でパンツを洗う寂しい父親になりそうだ」

ベルトルト「……」ウル

コニー「おい、泣くなよ」

アニ「コニーの言う通りかもね、ベルトルトはもっとハッキリした方がいいよ」

コニー「なんてな、そもそもオレたち結婚できるかどうかすらわかんねぇんだぜ?」

ベルトルト「……そうだね」ぎゅ

アニ「強く絞っちゃダメ、軽くでいいよ」

ベルトルト「うん」きゅ

アニ「後は干して綿を入れて縫うだけだよ、干しといてあげる」

ベルトルト「アニ、ありがとう」

アニ「どうも、そだ。ぬいぐるみで思い出した。また明日来な、面白いもの見せてあげる」

ベルトルト「わかったありがとう」

コニー「じゃぁな」

アニ「あ、コニーは来なくていいから」

コニー「いや…行く」ニヤ

―サウナ―

ライナー「あーあちぃ」

ジャン「いや、暑い日はサウナに限るわマジで」

ライナー「水足すか」ジャッ

ガラ

ハンジ「やぁ、先客がいたんだね」

ジャン「こんにちは」

ハンジ「昼間っからサウナとは。訓練はどうしたの」

ライナー「先ほどまで」

ハンジ「うん?おかしいなさっきは女の子達が私のところに来てね」

ライナー「もしかして柔軟剤ですか?」

ハンジ「そうそう、あんなの臭いだけじゃん」

ジャン「そうですかね?俺はいい匂いだと思いますが」

ハンジ「青臭いガキには汗と言う香水の魅力はわからないだろうね」

ジャン「青臭い…(わかりたくねぇよ)」

ハンジ「ねぇ、君。脇の臭い嗅いでいい?」ハァハァ

ライナー「ええー」ヒクヒク

ジャン「変わり身はえぇ」

『へぇ、そいつはすげぇな』

『でしょ、デトックスも悪臭にならないための一つの手段だよ』

『汗臭さを防ぐために汗をかくってのも不思議な話』

ガラ

ユミル「だよな…あ」

ライナー「あ」

ジャン「げ」

クリスタ「き…」

ライナー「きゃぁぁあああ」

ユミル「おい」

ハンジ「ま、お約束ってヤツだよね」

ユミル「どうせならベルトルさんとかエレンだったらイジリ詮があったのによ」

ハンジ「ほほう、弄るね…それは前かな?後かな?」

ユミル「…オヤジかよ!」

ハンジ「ふむふむ、下かぁ」

ユミル「クリスタ、こんなとこでよう」

クリスタ「でもまだ入ってきたばっかりだし…」

ライナー「俺は構わんが……」チラ

ジャン「……」ドクドク

ハンジ「のぼせちゃったみたいだね。2つの意味で」
ライナー「俺、こいつ連れて出ますんで」

ハンジ「冷や水風呂に浸けちゃだめだよ」

ライナー「わかってますよ」

ガラ

ピシャン

ライナー『うっほぉぉおおお』

ジャバッ

ジャン『ぶはっ!神様ありがとう!いいもん見れたぜ』

ユミル「あいつら……」ギリィ

クリスタ「私だって……」

ハンジ「スッポンポンポコポンポコリン」

クリスタ「でも同期のチンコ見慣れてるんだよね」

ユミル「そのかわいい顔でその……それを言うな!」

ハンジ「いいねいいね性春だね」

ユミル「オヤジは黙ってろ」

クリスタ「ユミルったら初ね」

ハンジ「ねー」

ユミル「てか頭から白い液が滴ってキモいんだけど」

ハンジ「ああ、一週間分の埃とか頭垢だね」

ユミル「汚ねぇ!クリスタこんなとこでよう」

クリスタ「え?」タラ

ユミル「お前もか」

クリスタ「気にしない気にしないデトックスデトックス」

ユミル「上手くねぇんだよ!!」

クリスタ「もう、そういうユミルだって…」

ユミル「…悪かったよ」

ハンジ「ところで、もう柔軟剤の事はあきらめてくれたかな?」

クリスタ「まさか」

ユミル「まぁ、駐屯兵団にもかけあったけど、そんなお金ないってさ」

クリスタ「なんだろ…」

ハンジ「裸のうちは汗の匂いなんて気にならないでしょ」

クリスタ「……」スンスン

クリスタ「確かに……ん?」

ハンジ「中には臭う人もいるけどそれは汗腺の病気なんだ」

クリスタ「そうだったんだ」

ハンジ「一括り悪臭っていうけど、そのうち体臭は体調を知る一つの基準だからね」

ユミル「だけど、それは柔軟剤を使わねぇ理由にはならないんじゃないですか?」

ハンジ「そうだね……私も私服だったら君たちの好きにすればいいと思うよ」

ハンジ「それでもせめて匂いは統一して欲しいのが本音だけど」

クリスタ「みんな同じだと……なんだかミーハーみたい」

ハンジ「あの子なんていってたっけポニーテールの」

ユミル「芋女の事か?」

ハンジ「へぇ面白い名前だね芋女ねよし覚えたよ」

クリスタ「ちょっと……」

ハンジ「芋女が言ってただろ?匂いが混って余計に臭くなるって」

ユミル「それは便所の話だろ」

ハンジ「ちがう。便所に限った話じゃないんだ」

ハンジ「たいてい人が不快に感じるのは混合臭と言ってね…文字通り混ざってできた臭いなんだ」

ハンジ「だから匂いで臭いを消すためにはより強い匂いが必要になり、その強いにおいが逆に悪臭にとって変わることもあるんだよ」

ハンジ「君たちは服に匂いをつけて何がしたいの?」

クリスタ「え?」

ユミル「いやな匂いを消す」

ハンジ「それなら、クエン酸や酢でも事たりるし、服も柔らかくなるからわざわざ匂いつける必要ないよね?」

ユミル「酢の方がくさくね?」

ハンジ「さぁ、私はやらないからね、少なくともリヴァイから酢の臭いはしなかったよ」

ユミル「…ハンジ分隊って洗濯はどうしてるんですか?」

ハンジ「いつも研究室に籠もりぱなしだからね…モブリットがやってくれてる」

ユミル「人任せかよ」

ハンジ「だって巨人だよ、どんな生態なのか考えたら他の事なんて気にならないでしょ?」

ユミル「そりゃあんただけだ」

ハンジ「そう?」

ユミル「そうだよ、ろくに洗濯もできねぇのにえらそうに」ボソ

ハンジ「心外だね、私は洗濯できないんじゃない、やらないんだ!」

ユミル「威張っていう事じゃねぇ……」

ハンジ「だんだん熱くなってまいりましたぁ」ひゃっほぅ

ユミル「ここサウナだしな…」

ハンジ「サウナとかけまして」
ユミル「やらんでいい!」

ハンジ「わかったよ出てくよ」スタスタ

ガラ

ハンジ「このボケ殺し!」べー

ピシャン

ユミル「ガキか!?」

クリスタ「もうやだこの人たち」

ユミル「調査兵団の人ってさなんで人の話聞かないんだろうな」

クリスタ「さ、さぁ…」

―本部―
コニー「長い1日だった」

ライナー「そうか?お前が退屈してただけだろ?」

コニー「まぁ…」チラ

ベルトルト「すくぴー」

コニー「だが、面白いものを見た」ナデナデ

ベルトルト「えへへ」ふにゃぁ

ライナー「面白いもの?」ツンツン

ベルトルト「ううん」ゴロン

コニー「ああ、ベルトルトとアニが逢い引きしてた」プチ

ベルトルト「うー」ゴロン

ライナー「ああ、やっぱりな(バレバレだからな)」プチ

ベルトルト「ん」パシパシ

アルミン「はい、どいてどいて」

ライナー「何だその大量の衣類は」

ジャン「まぁ見てろ」

ベルトルト「ううん…」ゴロン

コニー「ベルトルトの周りに並べ始めて」

ライナー「まさかあれか」

ジャン「動くなよ…」

アルミン「ジャン、オレンジはこっち」

ジャン「おう」

ライナー「こ…これは」

ジャン「タイトル…何にすんだ?」

アルミン「『ゾンビボール』だ」

コニー「ゾンビボール?」

ジャン「初歩的な手品だよ」

コニー「あっベルトルトが動いたぞ」

ジャン「次のアートだ」

コニー「俺もやる!」

アルミン「じゃぁ、ピンクをベルトルトの上に捻って置いてくれ」

コニー「おう」

ライナー「俺は?」

アルミン「ライナーは、部屋の隅で腹筋して置いてくれ」

ライナー「ああ…」トボトボ

ジャン「起きるなよ」

コニー「これって」

アルミン「俵屋宗達『風神雷神図』より雷神…」

ジャン「さすが、よくわかんねぇけどアルミンのセンスはすげぇな」

アルミン「それほどでも…あるけど」

コニー「次は?」

アルミン「次はねぇ…」

アルミン「できたっタイトル…『舞姫』」

ライナー「ふんふん」腹筋中

ジャン「うしっタイトル…『波動拳』」

ライナー「ふんふん」腹筋中

コニー「これなんかどうだ、タイトル…『エレクトリックサンダー』」

ライナー「ふんふん」腹筋中

 数時間後、腹筋を終え、ライナーがふと目を向けた先には、大きな寝相アートが出来ていた。

 なぜか全裸のベルトルト、その伸ばす指の先には眠るアルミン。

ライナー「タイトル…『アダムの創造』」

―翌朝―

アルミン「あわわ、寝落ちした」

ライナー「ふんっふんっ」

ジャン「はげど」

ライナー「ふんっふんっ」

コニー「はげどって何だ」

ライナー「ふんっふんっ」

ジャン「お前の事だよ禿同然」

ライナー「ふんっふんっ」

コニー「おおっなるほど!!って、オレはハゲじゃない!」

ライナー「ふんっふんっ」

アルミン「ノリツッコミワロタ」

ライナー「ふんっふんっ」腕立て伏せ中

アルミン「おはようライナー」

ライナー「ふんっふんっ…あぁ…ふんっおはよう…んっ」腕立て伏せ中

アルミン「とりあえずベルトルトが起きる前に片付けないと」

ジャン「そうだな」

コニー「寝てる間にベルトルトで遊んでたってわかったらあいつ怒るだろうな」

ベルトルト「僕が何だって?」

コニー「いや、ベルトルトで寝相アートして…」

アルミン「いや、これはその」

ジャン「芸術な寝相だぞそれを作品にしたいと思って何が悪い」

ベルトルト「ふうん…でこの散らかったのは誰が洗濯するのかな?」

ジャン「ミカサ」
アルミン「エレン」
コニー「クリスタ」

ベルトルト「一度に言わないでくれるかな?と言うか自分で洗濯してくれ」

リヴァイ「やり直しだ」

アルミン「またか…」ゴシゴシ

コニー「何時まで洗やあいんだよ…」ゴシゴシ

ジャン「たかが寝相アートでそんなに汚れるかよ」ゴリゴリ

リヴァイ「テメェ、そんなに強く擦るんじゃねぇよ、傷むだろうが」

ジャン「ヘイヘイ」

ガン

リヴァイ「なめた口聞いてんじゃねぇよ」

ジャン「」ピクピク

リヴァイ「おいエレン、こいつらに見本を見せてやれ、本物の洗濯ってヤツをな」

エレン「…」嫌な顔

リヴァイ「やれ」

エレン「は…はい」

エレン「えっと」ユサユサ

アルミン「エレン、成長したんだな。いつもミカサにやらせてたのに」ホロリ

ジャン「ミカサにやらせてただと?なんだそれうら」ガン

リヴァイ「うるせぇ」

コニー「母ちゃんの洗い方と違う」

エレン「…」パンパン

エレン「兵長、できました」

リヴァイ「…おい」

エレン「はい」

リヴァイ「袖口が解れてるぞ。乾いたら直しておけ」

ジャン「…洗濯できる男になればミカサもきっと俺の事を」

人知れず間違った方向に燃えるジャンだった。

―シーナ地区―

ベルトルト「あの」オズオズ

憲兵α「調査兵団のガキか何のようだ」

ベルトルト「と…友達に用があって…」オロオロ

憲兵β「用?」

ベルトルト「はい、アニが…えっと」キョロキョロ

憲兵β「兄ってのはお前のか?それともその友達のか?」

ベルトルト「違います。友達の名前がアニなんです」キョドキョド

憲兵α「なるほど」ニヤニヤ

ベルトルト「…?」ビクビク

憲兵β「そんなに緊張すんな。お前新兵だな南区の新兵はアイツ一人しかいないからな、呼んで来てやるよ」

ベルトルト「ありがとうございます」ペコ

アニ「ベルトルト…目立つなって言っただろ」

ベルトルト「ご…ごめん」

アニ「ほら、うさちゃん」

ベルトルト「わぁ、フカフカだ。ありがとうアニ」ポンポン

アニ「ふふっ、そういう所は昔から変わらないね」

ベルトルト「そうかな?」

アニ「そうだよ、でも治した方がいい」

ベルトルト「うん」

アニ「アンタすぐ騙されそうだし」

ベルトルト「そ、そんな事ないよ」

アニ「私もアンタの事言えないけどね。私達は―」

ベルトルト「どうしたの?」
アニ「…」後

ベルトルト「…あ」

ライナー「…」ジー

ベルトルト「ライナー…!」アセアセ

ライナー「…」ニタァ

アニ「アンタも大変だねあのバカのお守りしなきゃいけないなんて」

アニ「ちょっと待ってな」スタスタ

ズキュゥンズガガガガウィィイインバキ

ライナー「ぐわわわ」

ベルトルト「聞いてない、聞いてない。僕は何も聞いてない」

アニ「ふう」パンパン

ライナー?「」チーン

ベルトルト「…」

アニ「ほっときな。こいつはもう戦士じゃない」

ベルトルト「…うん」

アニ「ベルトルト見てな」

ベルトルト「すごい汚れてるね、洗わないと」

アニ「まぁね。これを袋に入れて」サッ

ベルトルト「それは?」

アニ「重炭酸ソーダだよ。この粉を入れて」サラ

アニ「振る」ブンブン

ベルトルト「?」

アニ「ヤニが炭酸に吸着してってるのわかるかい」

ベルトルト「うん…粉が黒くなってる…」

アニ「これが簡単なぬいぐるみの手入れだよ。でも、綿の詰め替えしなくていいわけじゃないから…」

ベルトルト「でもすごいよ、手品みたいだ」

アニ「手品じゃないないんだけど」

ベルトルト「ごめん、そうだよね」

アニ「で、これを掃除機で吸わせる」

ベルトルト「掃除機!?」

アニ「掃除機ぐらい普通知ってるだろ」

ベルトルト「そうじゃなくて、えっと…壁の中にはないよね?掃除機…」

アニ「!!」はっ

ベルトルト「アニ?」

アニ「大丈夫だよ、コンセントさえあれば…」

ベルトルト「ないね…コンセント」

アニ「仕方ない。ベルトルト」

ベルトルト「わっ」

アニ「非常用ラジオだよ手回し充電器付きの。これを使おう」

ベルトルト「えーと」

アニ「アンタが回すんだよ」

ベルトルト「だよね…、というかよくこんなもの持ってたね」

アニ「備えあれば憂いなしっていうだろ」

ベルトルト「備えとか以前に壁の中にこんなもの売ってないよね?」

アニ「!!」はっ

ヒッチ「アニってば、急に呼ばれたと思ったら」コソコソ

マルロ「覗きはよくな」

ヒッチ「アンタは黙っててよ」

マルロ「」

ヒッチ「それにしてもあのアニが男とねぇ…」

マルロ「…!?」

ライナー「」

マルロ「おい、大丈夫か?」

ライナー「…ああ?お前誰だ」

マルロ「それはこっちのセリフだ」

ヒッチ「アンタたち何やってんの?」ハァ

アニ「軽く重曹を落として…ベルトルト、回して」

ベルトルト「うん」

手回し発電機「うーうー」

掃除機「うぃぃぃぃ」

シューシュー

アニ「こうやってぬいぐるみに残った重曹をすったら…」

アニ「ほら、きれいになった」

ベルトルト「腕痛い…」

アニ「しっかりしな!アンタ男だろ?」

ベルトルト「うう」プラプラ

アニ「そんなんじゃ使命も果たせそうにないね」

ベルトルト「そ、そんなぁ」

アニ「誰か来た。ベルトルト」トン

ベルトルト「あ…『またね』アニ」フル

アニ「…ふん」チラ

ベルトルト「結局面白いものってなんだったんだろ」ギュムギュム

ライナー「何の話だ?」

ベルトルト「うん。ぬいぐるみをきれいにする…」

ライナー「…」

ベルトルト「…」

ライナー「…」

ベルトルト「誰?」

ライナー「いやいや、俺だ、わかるだろ?そんな冗談やめろよ」フゥ

ベルトルト「君は僕が知ってるライナーなの?」

ライナー「?」

一方アニ

アニ「そこで隠れて何やってんだい?」

ヒッチ「げっ」

マルロ「なかなか戻って来ないから気になっただけだ」

アニ「ふうん…マルロ、アンタすごい汗だね…」

マルロ「ぎく」

ヒッチ「それで誰だったの?アンタの彼氏」

アニ「それは絶対にない。あいつは弟みたいなもんさ」

ヒッチ「どうだか」

アニ「…」ギロ

マルロ「いやいや顔付き違うから弟じゃないだろ」

ヒッチ「バカ発見」

アニ「アンタ人の話聞いてる?」

マルロ「?」

ヒッチ「じゃあ、あの子私が」

アニ「手、出したら殺すから」

ヒッチ「はいはい、冗談だってば面倒臭いなアニは」

アニ「あんたの冗談は冗談に聞こえないんだよ」

ヒッチ「ひどーい」

マルロ「…あの」

アニ「あんたは黙ってな」

――一ヶ月後

クリスタ「あれ?サシャ、洗剤変えた?」

サシャ「はい。実はナナバさんにフレグランスもらったんです。それがいい匂いで」

ユミル「ああ、ダウニーと混ざって嫌な臭いになったんだな」

サシャ「お恥ずかしながら、その通りです」

クリスタ「そんな事ないよ。匂いだってお洒落でしょう。違う匂いを楽しんだっていいじゃない」

サシャ「そうですね」

ヒヒィイン パカッ パカッ

コニー「あれ?ベルトルトは」

ライナー「最後かもしれないからって他の同期の様子見てくるってさ」

コニー「ふうん」ニヤニヤ

ジャン「なんだその気持ち悪い笑みは」

アルミン「まさかベルトルト…」

コニー「さーなー」はっ

ミカサ「…エレン」

ジャン「ちっ」

ヒヒィイン パカッ パカッ

エルヴィン「洗剤を変えて一ヶ月、長いようで短かった」

ミケ「そうか。半径5メートル以内に入るな」

エルヴィン「…いいだろう」

リヴァイ「臭ぇ奴だとは思っていたが…」

バタン

ハンジ「もう聞い…何この臭い。いつもの加齢臭の方がましだよ」

エルヴィン「泣いてもかまわないだろうか…」ツー

リヴァイ「泣け、喚け、そして死ね」

エルヴィン「それはひどい言いぐさだな…これならブラウス君も…」

――翌朝

調査兵「付近の巨人はあらかた遠ざけた!!」

「ねぇ、臭くない?」

調査兵「開門30秒前!!」

「これ、ダ○ニーだよな、いくら何でもきつすぎ…」
ダリウス「いよいよだ!!これより人類はまた一歩前進する!!」

「お前言われてんぞ芋女」

ダリウス「お前たちの訓練の成果を見せてくれ!!」

「私じゃありません」

調査兵「開門始め!!」

「多分団長の臭いだ」

エルヴィン「第57回壁外調査を開始する!」

「早くも散開しないかな息苦しい…」

エルヴィン「前進せよ!!」
オオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオ


終わり

 女型の巨人の襲撃を受け、調査兵団は壊滅的な打撃を受けた。

 巨人の正体は言わずもがな、正体を明かした鎧の巨人とベルトルトを取り逃がすことと相成った。ユミルの行方不明も今もわからずじまい。

コニー「考えてみたらあいつら臭かったよな」

アルミン「そうだね。エレンも最初にベルトルトと話た時おかしいと思ったよね?」

エレン「あー悪いライナーのと話した事しか覚えてない」

アルミン「だよね…」

ミカサ「私もアニの事は最初かり怪しいと」
クリスタ「ユミルも…なんで黙って行っちゃったのかな…」

サシャ「クリスタ…」

クリスタ「私はクリスタじゃないよ。ヒストリアって呼んで」(以下、ヒストリア)

エレン「ライナーもよく訳わかんねぇ事言ってたな」

アルミン「ベルトに細工したのもあの二人かもしれないね。教官は壊れるはずがないって言ってたし」

エレン「待てよ、なんで細工したなら、俺にあんなアドバイスするんだ」

アルミン「人間は嘘をつけない、良心をもっている人間なら尚更だ」

アルミン「何かの弾みで言うこともある。ほらライナーは戦士と兵士を混同させてる事もあったじゃないか」

エレン「あ…」

アルミン「だから本人も無意識に言ったんだと思うよ」

コニー「ベルトルトは何か普段無口なクセにたまに人が変わったようにベラベラ喋る時があったよな…あっちが本当のベルトルトなのかな」

ヒストリア「ユミルも、自分のためなんていいながら自分の事を話そうとはしなかった」

エレン「言うか言わないかは本人が決める事だろ」

ジャン「バカかお前は、自分が巨人だなんて言えるかよ。そんな事言ってみろ。殺されるか実験材料にされんだろうが」

エレン「でもオレは」

ジャン「お前は特別だ。分かれよ」

ヒストリア「エレンには味方がいた。でもユミルはちがう」

エレン「なんだよ…」

ヒストリア「この壁の中では巨人は敵。故郷って所に行ってもライナー達に殺されるんだ」

ヒストリア「味方なんてどこにいるの?」

ジャン「…」ゾクッ

コニー「……」

サシャ「どうかしましたか」

コニー「母ちゃんが巨人にされたこと、ユミルやライナーは知っててはぐらかしたってわかった時はぶっ殺してやろうと思ってたけど」

コニー「なんかもう、どうでもいいや」

アルミン「こればかりは一兵士の僕達に決定権はないし探しに行こうにもどこにいるか…」

ミカサ「サシャ、あなたの鼻でユミルの場所はわからないの?」

アルミン「ミカサ…」

サシャ「ミカサ。いくら何でも何キロ先の臭いはわかるはずがありませんよ…」

ハンジ「あ、いたいた。クリスタとエレンちょっといいかな」

ヒストリア「クリスタじゃなくてヒストリアですよ」

ハンジ「あーそうだったゴメンゴメン」

―了―

きな臭い
ライナー→汗臭い
ベルトルト→日向臭い
アニ→面倒臭い
ユミル→男臭い
コニー→乳臭い
ジャン→青臭い
アルミン→洒落臭い
サシャ→泥臭い
クリスタ→水臭い
エレン→小便臭い
ミカサ→生臭い

ハンジ→オヤジ臭い
なんか無理があるな。

くさいスレでごめん(あらゆる意味で)

残り勿体ないな。

エレン「調査捕鯨団に入ってとにかく鯨をぶっ殺したいです」

リヴァイ「ほう…悪くない。やる気だけはな」

リヴァイ「認めねぇよお前なんか」

エレン「…どうしてですか」

リヴァイ「俺達の目的は鯨を殺す事じゃない」

リヴァイ「作戦行動を乱すやつはうちにはいらん、他を当たるんだな」

エレン「調査捕鯨団は今まで何千頭という鯨を殺してきたんでしょう」

リヴァイ「主に魚の漁獲量を守る為の結果だ」

リヴァイ「むやみやたらに狩れば今まで獲れていた魚も消える」

エレン「鯨がいなきゃいっぱい魚がとれて」

リヴァイ「お前の言うことも一理ある。だがな、鯨を絶滅させないのは政府の定めた禁止行為、種の保存法に反するからだ」

エレン「しかし狩らないと奴らは増え続ける一方じゃないですか」

リヴァイ「いや、魚が減れば弱い鯨から死んでいく。これは自然界の掟だ」

リヴァイ「増え過ぎれば食べもの奪い合いがおきる、敗北者に待っているのはただの死だ」

エレン「ならなおさらオレを調査捕鯨団に」

リヴァイ「鯨を絶滅させるとほざくガキを入れるわけねえだろう、頭が悪ぃな」

エレン「ぐぬ」

リヴァイ「人間が手を下さなくても何千の鯨は死ぬ。増えて迷惑する連中もいるが、捕鯨に騒いでいるのもあいつらだ」

リヴァイ「むやみやたらに殺し、海の底に沈んだ鯨を誰が処理するんだ?増えすぎたバクテリアが他の生き物を殺さないといいきれるのか?」

エレン「質問の意味がわかりません。オレはただ鯨が殺したくてここに来ました」

リヴァイ「ならSSにでも行くんだな」

エレン「…話聞けよ」

リヴァイ「てめぇは上司に自分の意見を通せばそれで満足か?理由、技量、容姿が整ってなけりゃ誰も納得できん」

エレン「はあ…」

リヴァイ「お前に俺を納得させるだけの理由があるのか?」

エレン「あります。オレは鯨が殺したい、あいつらは害獣、人類の敵」

リヴァイ「そうか、帰れ」

エレン「オレの話を聞いてくださいよ」

リヴァイ「聞く必要はない。帰れ」

エルヴィン「落ち着けリヴァイ、エレンと言ったね。少し付き合って貰おう」

エレン「何でですか?」

エルヴィン「君にはまず鯨の事を知って貰わねばならん」

エレン「鯨なんてただの害獣、人類の敵でしょう」

エルヴィン「ああ、そうだ。だが、その鯨にも役目というものがある」

エレン「役目?」

エルヴィン「まずは水族館にでも行こう」

エレン「……」

―水族館―

エルヴィン「鯨は人間より脳が大きい。それ故に頭がいいとされているが科学的根拠はない」

エレン「ふうん」ホジホジ

エルヴィン「人間が賢い生物だというのも驕りに過ぎないがね」

エレン「へぇ」フッ

エルヴィン「少なくとも、複雑な言語によるコミュニケーションを得ているということに関しては人間も鯨も同じだ」

エレン「ほう」ホジホジ

エルヴィン「見たまえ、あれは鯨の一種の鯱だ」

エルヴィン「鯱は頭がいい。だが、経験によって培われたものに過ぎない」

エレン「ふうん」

エルヴィン「捕鯨の反対派は鯨の知性を盾にしているが脳の大きさだけでは語れん」

エルヴィン「エレン、君は人間も習性に突き動かされてるとは思わないか?」

エレン「なにがいいたい」

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