男「俺と付き合ってください」女「ニキビ顔キモッ」 (171)
俺「え……?」
女「いやないからマジで」
男「あ、あの」
女「あんた自分の顔見たことあんの?
ニキビで汚いしwww」
男「……」
女「二人でいるとこ見られたくないから帰るね。
告ったこと誰にも言わないでよ」
女「あとクラスでも話しかけないでね」
男「はい」
男「ただいま……」
母「おかえりー。男、悪いんだけどお風呂掃除やっといて。
今日入れ替えだから」
男「うん」
ゴシゴシ
男「ふぅ終わった」
妹「あれ? お兄ちゃん。
今日私がお風呂掃除じゃなかったっけ?」
男「そういえばそうだった」
妹「さんきゅー。後でパックンチョあげる」
男「うん」
男「あ、妹」
妹「なに?」
男「パックンチョはいいからかしてほしいものがある」
洗面所
男「これがにきび薬か。どれどれ」
ヌリヌリ
男「鼻の上とおでこと顎と……」
ガチャり
父「おう男。何やってんだ」
男「な、なんでもない」
父「男が肌の手入れなんかすんな。
水で洗えばいいんだよ水で。ハハハ!」
父「それより見ろ。この育毛剤はかなり効くらしいぞ。
今だけ一本5000円だからネットで買ったのだ!」
男「効くといいね」
父「母さんには内緒だぞ」
翌日
バシャバシャ
妹「あれ? お兄ちゃんまだ顔洗ってるの?」
男「うん」
妹「あんまり洗いすぎると肌によくないよー」
男「え? そうなの?」
妹「うん」
男「気をつけなくては」
妹「朝ご飯早く食べよ」
男「わかった。すぐ行くから」
ヌリヌリ
男「早く治るように薬はたくさんつけよう」
男「いってきまーす」
母「あら? 男、顔になんかついてるわよ?」
男「え?」
母「ちゃんと顔洗いなさいっていつも行ってるでしょ。
ほら、タオル」
ごしごし
母「何これ、ヌメヌメしてるわね。
あんた何か顔につけた?」
男「なんでもない。ちょっと忘れ物した」
バタバタ
男「全部薬をふきとられてしまった。
時間ないし、学校で塗るしかないか」
男「いってきます」
バタン
母「何をつけてたのかしら? いやらしいわ…」
学校
男「おはよう」
隣の席「お、おぉ」
シーン
男(なんだかみんなに見られてるなぁ)
DQN1「おい、きたぞwwwみんな注目wwww」
DQN2「おい男wwwwお前女さんに告ったんだって?www」
男「え?」
DQN2「DQN1がお前が告ってるとこ見たんだってwww」
DQN1「女さーんwwwどうなんすかOKしたんすかーww」
女「うるさいなー。関係ないでしょ」
DQN2「うわー、これはOKしたのかなー?www」
DQN1「男くんいつも一人だから可哀想! 付き合ってあげる!なんてwww」
女「そ、そんなわけないでしょ! お断りしたわよ!」
DQN1「フゥー!ww 素直になれよwww」
女友「えー、女どうなのー? 私たちにも教えてよー」
女「だ、だから断ったって」
男「あの」
男「女さんが嫌がってるから、この話題はやめましょう」
DQN1「俺さんかっけーwwww」
DQN2「これは惚れたwww間違いなく付き合ってるわwww」
女「やめてよ! だいたい、男君とはあんまり喋ったことないし!
OKするわけないじゃん!」
女友「だよねー。女はモテるし男君選ぶわけないよねー」
女「そ、そうよ。それにこんなニキビ面の男なんて」
女「気持ち悪い!」
男「……」
女「あ……ご、ごめん」
DQN1「うわー振られたwwwwwひでえwwww」
DQN2「おい男wwww泣くなよwwwww」
男「ニキビ面なのは事実だし、気にしてないです。泣いてないです」
DQN1「そうだよなww高望みして告ったお前が悪いwww」
DQN2「女さんは10人以上に告られてるモテ女だしお前じゃムリだろwww」
ガラガラ
友「遅刻ギリギリだー……って、おい、何やってんだ!」
DQN1「げwww友だwwww」
DQN2「なんでもねーよwww」
友「おい、男。何かあったのか?」
男「なんでもないよ」
友「本当か? おいお前ら、男に何かちょっかい出したんじゃねーだろうな」
ギロリ
友「男の悪口言ったら俺がぶっ殺すぞ。
おい男、本当になんもねーんだな?」
男「うん」
友「そうか。すまん、英語の宿題見せてくれ」
休み時間
友「ノート返すわ。ありがとう。
いやぁ助かったwww宿題出しすぎなんだよなーあの婆さん」
男「昨日も仕事だったの?」
友「ああ。うちの工場、またブラジル人のバイトがやめたから
人手不足でさー」
男「大変だね」
男「あ、ちょっとトイレ」
友「俺も行くわwww」
男「あ、いや、今日は一人でトイレ行きたいんだ」
友「なんだそりゃwwwwまあいいけどwwwww」
男(薬をぬらなければ)
男「別校舎のトイレなら誰もいないはず」
男(一年の時、便所飯してたから知ってるぜ!)
男「よし、さっそく塗ろう」
ぬめ…
男 ハッ!
男「朝、あれだけ顔洗ったのに鼻の上が油っぽくなってる」
男「もういっかい、洗ってから薬を塗ろう」
バシャバシャ
ヌリヌリ
男「これだけつけておけば、すぐ治るだろう」
男「あっ」
男「顎の下に新しく一個できてる。しかも痛い」
男「なんとかならないかな」
くりくり ぶしゅ
男「おや? 黄色いウミみたいのが出てしぼんだぞ」
男(そういえば、足に豆が出来た時はつぶして中の水を出してたな)
男「治療法ktkr!!」
男「きっと、こうやってバイキンを摘出するんだな」
男「あ、よく見たらおでこのニキビも黄色い。よし摘出だ」
ぶしゅぶしゅ
男「ウミがなくなったところにさらに薬をぬれば完璧だな」
ぬちゃあべしょ
世界史「えー、であるからしてゲルマン人は~」
ガラッ
男「すみません、遅刻しました」
世界史「何をやっていたのかね、男君。真面目な君らしくない」
男「トイレ行ってました」
友「おいwww珍しいな、腹痛か?w」
男「まぁそんなとこ」
友(あれ? なんか顎に血が…)
休み時間
友「よしトイレ行ってくるwww」
男「行ってらっしゃい」
バタン
男「やることないし、スマホをタッチして時間をつぶそう」
DQN1「あれ?wwwなあ男wwwずっと気になってたんだけどwww」
男「なんですか?」
DQN1「顔に何ぬってんの?wwww」
男「え?」
男「なにも塗ってないですよ」
DQN2「いや何かテカってるんですけどwwwwヌメってるんですけどwww」
DQN1「油っすかwwwやべーwwww」
男「塗ってないし油じゃないし」
男「今日顔洗ったし」
DQN1「朝顔洗ってねえだろwwwきたねーwww」
男「洗ったし、何言ってんのマジ洗ったし。油っぽくないし」
DQN2「ちょwwwwDQN1、こいつの首見てみてwww」
DQN1「え? あwww首にもニキビあるじゃんwww」
男「え? うそ?」
DQN1「ほらこれwwwニキビだwww」
男(あ……痛っ)
男(嘘だろ。首にまでできるの?)
男「ニキビじゃないよ。たぶん蚊に刺された」
DQN2「いやニキビだろwwwwニキビマン乙wwww」
男「ニキビだって証明できる?」
DQN2「え?www」
男「それニキビだって証明できますかー。蚊にさされただけですー」
DQN1「ちょwwなんか今日反論してくるwwww」
DQN2「ニキビ気にしすぎwwwwどんだけwww」
男「ニキビとか気にしてないですー。ちょっと肌荒れてるけど」
男「顔整ってるって近所のおばさんによく言われるからいいんですー」
女「ちょっと、やめなよ! また友君に怒られるよ?」
DQN1「だってこいつ何か反論してくんだもんw」
DQN2「男涙目w 認めろよw」
男「いや涙目とか意味わかんないし。君たちのほうが意味わかんないし。
なんか俺ニキビないのにさー、首のとこなんかニキビとかいってきて」
男「別にニキビとか人間性に関係ないし。
10代のうちは出来るのが普通だし」
DQN1「わかったから落ち着けよニキビマンwww」
DQN2(あ、なんかやばくね? 黙っとこ)
男「俺クラスで成績10番目だし。数学とか結構いいし」
男「運動神経もそこまで悪くないし。ニキビとかどうでもいいし」
男「え、俺ニキビで何か迷惑かけた? かけてないですよね?
てか俺そこまでニキビひどくないって気がしてきた」
DQN1「な、なんだよ。怒るなよ。からかっただけじゃん」
男「え? 俺おこってないよ? 怒る要因がない。
俺怒るキャラじゃないし。意味わかりません」
DQN2(やべ、さりげなく席に戻っとこ)
DQN1「なんだよーwww泣くなよニキビマン!」
男「さわんなよ」
ばしっ
DQN1「おい何だよ。何してんのお前」
男「なにがですか」
DQN1「何がじゃねーだろ。今俺の手叩いたろ」
男「すみませんでしたはい満足ですか」
DQN1「てめぇ!」
がたっ!
友「おい、何やってんだ!」
男「……」
DQN1「ちっ。なんでもねーよ」
友「おい男大丈夫か?」
男「なんでもないよ」
友「そうか? それならいいんだけどよ」
ガラッ
先生「おーい授業はじめるぞー」
シーン……
DQN1「チッ。なんなんだよ」
DQN2(うわクラスの雰囲気気まずwwwww)
放課後
男「今日はクラスで怒ってしまった。友と帰るのは気まずいから一人で帰ろう」
トコトコ
JC「でさーwww」
JC2「ね、あれ……」
男「ん?」
JC「やばwwwwきたなwwww」
JC2「あんなニキビあったらマジあたし死ぬかもwww」
男「……」
男「ただいまー」
母「おかえり。あとで洗濯物たたんどいてー」
男「はいはい」
ガチャッ
男「ふぅー」
男「そんなにニキビひどいかな。鏡で見てみよう」
男「薬ぬったから、だいぶ治ってるはず」
男「あれ?」
男「なんかシミみたいになってるような…」
男「これはマズイ。インターネットで調べよう」
かちゃかちゃ
男「……なるほど」
男「野菜を食べればいいのか。これは盲点だった」
男「よし、野菜を食べて顔洗って薬を塗ろう!」
男「その前に治療をしておこう」
ぶちぶち、ぶちゅ
男「いてて、血が出てきた」
男「しかし血が出るということは、治るということだ」
男「フフフ」
男 もぐもぐ
母「あんた野菜よく食べるね」
男「好きになった」
妹「えー、ずっと野菜ギライだったのに?」
父「いいことだ」
男 もぐもぐ
妹「変なのー」
部屋
男「なるほど、睡眠時間もいっぱい取らないとダメなんだな。
ふむふむ」
妹「お兄ちゃん、漫画かして」
男「うおっ、急に入ってくるなよ」
妹「あ、ごめんエロサイト見てた?」
男「違うけどそういうこと聞くなよ」
妹「とにかく漫画かして」
男「勝手にもってけ。あ、それと妹。あの薬もうちょいかして」
妹「いいよ。でも、あれ市販薬だからあんまり効かないかも」
男「そうなの?」
妹「皮膚科の薬が一番効くって友達がいってた」
男「そこまで重病じゃないだろ、ニキビなんて」
妹「でもお兄ちゃん治したいんでしょ?」
男「別に、ただ痛くてダルイから薬ぬっとこうかなって思っただけ」
妹「まぁ確かに痛いしダルいよね」
男「妹」
妹「なに?」
男「やっぱ、男でもニキビあったら嫌?」
妹「別に気にしない。ニキビあろうが無かろうが、人柄に関係なくない?」
男「そうかなぁ」
妹「中学生くらいの年頃だったら、まだ男を見た目でしか判断できないから
こだわるかもしれないけどね」
男「お前もJCだろ」
妹「私ほかの子より大人だし」
男「何言ってんだ」
妹「まぁニキビがあれば、逆にそういう見た目だけで判断する人を
排除出来るからいいんじゃない?」
男「いやー、でもやっぱり嫌でしょ」
妹「一番気にしてんのはお兄ちゃん自身じゃん」
男「……」
妹「治るといいね」
男「うむ」
朝
バシャバシャバシャバシャ!
父「顔洗いすぎだろ。水道代がもったいないぞ」
男「油肌だからこれくらいやらないとダメなんだよ」
父「男が肌なんか気にするなバカタレ」
父「それより見ろ。髪が少し生えてきたと思わんか?」
父「やはり安い育毛剤はダメだな。買ってよかった高い育毛剤」
男「……」
誰か妹の画像
男「やはり市販の薬ではダメなんだな」
男「やはり高い薬を買おう」
男「しかしお金が無い……どうすれば」
男「……」
ガチャ
母「あんたまだいたの?早く行かないと遅刻するわよ」
男「……母さん。頼みがあるんだけど、参考書を買いたいからお金をくれないかな」
母「あら、それくらいいいわよ。それでいくら?」
男「……」
---------------------------------------------------
父「それより見ろ。この育毛剤はかなり効くらしいぞ。
今だけ一本5000円だからネットで買ったのだ!」
---------------------------------------------------
男「……5000円」
母「参考書って高いのね……、はい5000円」
男「ありがとう母さん……ごめん」
男「母さんに嘘をついてしまった」
男「だけど参考書を買わない分いい成績を取れば問題ないはずだ」
男「後でネットで良い薬を探そう」
男「さて届くまではは今まで通りの治療をしておこう」
ぶちぶち、ぶちゅぶちゅ
男「段々この痛みにも慣れてきたな」
男「きっとこれは良い傾向に違いない」
男「フフフ」
カリカリ…
男「あれ?このニキビ潰せないぞ」
男「あ、カサブタになってる……」
ニキビ「大人になれない僕らの…強がりを一つ聞いてくれ!」
男「!!」
このSSまとめへのコメント
面白くて最後まで読んだわ笑
オチは告った女の子に告られるオチ期待してた!
つwwぶwwしwwすwwぎww