マミ「そうよ、免許をとりに行くの」(176)
まどか「どうしたのマミさん?いきなり免許なんて」
マミ「実はね、行きたい就職先が免許必須みたいなのよ」
さやか「え? マミさんは進学しないの?」
マミ「ええ、大学となると高校と違って距離があるから私には無理だと思うから」
杏子「もう魔女狩りなんてやめればいいじゃん、それか頻度落とせよ」パクパクムシャムシャ
マミ「それは言わないお約束よ」ニコッ
ほむら「……巴さんがそう言うのだから仕方ないわね」
ほむら「自動車ですよね? オートマチックですか?」
マミ「うん、AT限定にしようと思うの」
さやか「ええ、どうせならマニュアルにしようよ~」
杏子「そうそう、AT限定じゃ乗れない車とかあるんだろ? どうせならMTの方がいいんじゃないか」
マミ「別に車が好きな訳じゃないから、簡単で楽な方がいいわ」
マミ「ほら、それに今はATが主流じゃない」
まどか「そうですね、でもマニュアル運転できる人ってなんだか格好いいかなって」
マミ「うふふ、そうね」
ほむら「……」
さやか「マミさん、すぐに通うの?」
マミ「ええ、早い方がいいわ」
さやか「ならあたしも一緒に行っていい? 実は行こうと思ってたんですけど一人じゃって、あはは」
マミ「そうなの? なら何時にしましょうか」
杏子「お! なんだか楽しそうだな! アタシも暇だからついてくよ」
さやか「あたしは暇だから行くわけじゃないよ」
まどか「あ、な、なら私も行く! みんなが免許とりに行くなら一緒にとりたい!」
ほむら「フフ、確かに面白そうね」
ほむら「私もご一緒します」
マミ「あらあら」
教習所だよ
杏子「さやかはマニュアルか」
さやか「まあね♪ カチャカチャやるの楽しそうじゃん」
マミ「あら、鹿目さんはATなの? 格好いいなんて言ってたのに」クスッ
まどか「格好いいな~って思ってただけだよ、難しそうだからわたしはマミさんと一緒でいいです」
ほむら「私はマニュアルにしてみるわ」
まどか「わ~、ほむらちゃんはすごいね、さやかちゃん達と一緒なんだね」ニコニコ
ほむら「ええ」ムフッ
―いろいろ省略―
教官A「美樹さん、よろしくね」
さやか「よろしくお願いしま~す」
教官A「う~ん、美樹さんは学科が遅れてるからなるべく早めに終わらせるようにしてね」
さやか「はいはいわかりました!」
教官A「……うん、じゃあ先ずは助手席に乗ってね」
さやか「ええ……」
教官A「……お手本を見てからの方がいいから」
教官A「とまぁこんな感じだね、半クラッチで止めるって先ずは覚えてね」
さやか「大丈夫っすよ! 運転教本熟読しましたから!」
教官A「そう……じゃあ運転席に座ってね」
さやか「はい!」
教官A「何かあったら補助ブレーキで止めるから安心してやってみて」
さやか「はい! アクセル踏めばいいんですね?」
教官A「そう、クラッチを奥まだまま二千~四千回転ぐらいまで回してみようか」
さやか「はい」
ブォ-ーーーーーーーーーーーーーン!!!
教官A「七千も回さなくていいよ、もっと弱く踏んでm」
さやか(っで半クラッチで……)スッ
教官B「初めてにしてうまいな~、カーブも安定してる」
マミ「そうですか? ありがとうございます」
教官B「うんうん、ブレーキを踏むタイミングもいいね」
マミ「ふふ♪」
教官B「車を左寄せするキープレフトもバッチリだ」
マミ「運転教本をよく読んできて良かったです」ニコニコ
教官B「でも、10キロ制限じゃないからもっとスピードだして大丈夫だよ?」
マミ「他の車にぶつかったらどうするんですか!? いい加減な指導はやめてください!」
マミ「常に徐行しなきゃ不測の自体に対処できませんよ!」
教官B「すいません……」
教官C「アクセル踏みすぎてるよ」
杏子「なあ? ドリフトっでどうやるんだい?」
教官C「前見て」
杏子「テレビでみたんだよ、こうキキーッて曲がるやつ」
教官C「運転は上手いけど調子にのらない」
杏子「ただ回るだけなんてつまらないよ」
教官C「いいからゆっくり慎重にやって」
教官C「片手運転しない」
杏子「こっちの方が曲がり易いけどな」
杏子「ずっと両手塞がってたらギア変え憎いし」
教官C「最初なんだからセカンドのままでいい、止まったらローに戻す」
杏子「サードはいけないのか?」
教官C「まだいい」
杏子(なんだよこのおっさん……試すぐらいいいじゃねぇか)
ガッコンガッコン
さやか「ありゃ?エンストしちゃった?」
さやか「半クラッチできてなかったかな?」
教官A「いや…上手く繋がってたよ」バクバク
教官A「僕が補助ブレーキを使って止めたからエンストしたんだよ」バクバク
さやか「なんで止めるんですか?」
教官A「ちょっ、ちょっと待ってね」バクバク
教官A「アクセルをね? 今みたいに踏むのはいいんだ」
教官A「で、でもね? 奥まで踏み込むのは踏みすぎて急発進になっちゃうから危ないんだ」
さやか「あ、四千回転ぐらいでしたっけ?」
教官A「そうだね、先ずはそのくらいを目安にやってみてね」
さやか「わかりました!」
さやか(よし、4000回転4000回転…)
マミ「♪」
マミ(運転って案外楽しいのね、トラウマだったのが嘘みたい)
教官B(遅い)
教官B(まいったな…後ろがつっかえてるな)チラッ
教官B「巴さん、もう少しだけスピードだしてみようか?」
マミ「……」
教官B「5キロ! 直線でもう5キロだけだしてみよう!」
マミ「……」
教官B「4」
マミ「……」
教官B「……2」
マミ「わかりました 」グッ
マミ(もうちょっとだけ踏めばいいのね)
ぶぉーーーーーーーーーん!
マミ「わーーー!?」キキーッ
教官B「あの車はちゃんと止まるから落ち着いて!急ハンドルはダメだよ!」
杏子「うお!? 対向車がはみ出ててきやがった!」
杏子「華麗に回避余裕!」
教官C「急ハンドルするな!」
まどか「わわわ!?」アワアワ
教官D「鹿目ちゃん!走行中にいきなりバックギアに入れちゃダメ!」
ほむら「わわわわわわ」
教官E「大丈夫大丈夫♪ 教官が止めるk」
ほむら(回避しなきゃ!)
ほむら(前方の車がバック、ならこちらも)ガチャガチャ
教官E「ちょっ!? まだ教えてない事しない!」
「うわー!?」
「避けて避けて!!」
「危ない!!」キキーッ
「きゃー!!?」
さやか「ビックリした……セカンドでも結構スピードでますね~」
教官A「」
帰り道
さやか「でさ~、試しにどんぐらい加速すりかなって試した訳よ」
杏子「セカンドでもスピードでるよな」
さやか「うん、一瞬心臓止まったよ~」
マミ「……」
まどか「……」
ほむら「……」
マミ「やっぱり免許はいらないかな……」
まどか「そ、そうですよね……二十歳になってからでいいですよね……」
ほむら「私も軽くトラウマ……」
マミ「他の職を探そうと思うの」
まどか「うん、車なんて運転しないのがいいよマミさん」
杏子「おいおい何を言ってんだマミ? 入学金一括で払っちまったんだぞ?」
杏子「今更やめたらもったいねぇよ」
マミ「でも……」
杏子「でもじゃない! 金を粗末にするな!」
さやか「杏子、明日の実技予約取ってあんの?」
杏子「もちろん、運転楽しいもんな! 学科なんて後回しでいいや」
さやか「学科もある程度やれって」
まどか「……どうするのマミさん?」
マミ「ちょっと考えさせて」
ほむら「無理はしない方がいいですよ……巴さんは仕方ないですから」
マミ「うん、ありがとう暁美さん」
マミ家
QB「なるほどね、トラウマが蘇ったと」
マミ「どうしよう…せっかく入校したんだし最後までやるべきかしら」
QB「無理はダメだよマミ、僕としては車の免許なんて取らなくていいと思うよ」
QB「正直やめといた方がいいよ」キュップイ
マミ「ありがとうキュゥべえ、キュゥべえはいつも優しいね」
QB「いや、気遣ったんじゃなくて本当に心配なんだよ」
マミ「キュゥべえを心配させるなんて、マミはダメな子だね……」
翌々日の教習所
杏子「こいつも一緒に乗るのか?」
マミ「ええ」ニコッ
QB「教官よりも親切丁寧に指導してあげるよマミ」
ほむら「と、巴さん……そいつは信用しない方が」
まどか「マミさんズルい! わたしも一人じゃ不安だよ」
マミ「ごめんなさい鹿目さん、私の次の時間だったら大丈夫なんだけど」
マミ「一緒の時間じゃちょっとね」
―THE教官―
A「美樹さんは要注意ですね」
B「ああ、飛ばした子ね」
A「いきなりアクセル全回にするんですよ? 怖くてたまりませんよ」
C「それはお前がちゃんとみていないからだ、初心者は要注意、忘れたのか?」
D「C先輩~、Aはまだまだ未熟なんですから勘弁してあげてくださいよ~」
C「今日のお前の担当の佐倉杏子、あれも要注意だから用心しろよ」
D「わかってますよ~」
E「いや、本当に注意しろよ? 他の生徒さん達を不安にさせないように」
教官A「えっと巴さんですね?よろしくお願いします」
マミ「よろしくお願いします」ニコッ
教官A(この子美樹さんの友達だよな?要注意だ)
教官A「はい、カーブ前では減速してね」
マミ「はい」
教官A(あれ? とても筋がいいじゃないか、アクセルも踏み込まないし)ジー
QB「マミ、この男、君の事をジロジロ見てるから注意するんだよ」
マミ「寄せすぎ注意ね」コクッ
まどか「こ、このぐらいですか……?」ビクビク
教官C「……」
まどか「あの……」
教官C「駄目だったら注意するから前見て」
まどか「は、はい……」
教官C「直線、アクセル踏んで」
まどか「は、はい!」
まどか(うぅ、このおじさんなんでこんなに睨んでくるの)ビクビク
教官C(こいつはあのガキの友達、油断できん)
教官C「カーブ! ブレーキ踏んで!」
まどか「すいません!」
D「イニD?あれ面白いよね」ニコニコ
杏子「ドリフトとか格好いいよな!」
D「あははは、確かにね」
D「でも教習所内ではダメだぞ杏子ちゃん」
杏子「わかってるよ、なあ、やり方だけ教えてくれない?」
D「ダメダメ、まだ最初の段階なんだから回るだけだよ」
杏子「頼むよ~、一度生でみてみたいんだよ」
杏子「なぁ~」
D「前見て……」
D(ちょっと可愛いな……)
B「そうそう、今のいいよ」
ほむら「……」
B「車間距離近すぎかな、もうちょっと開けようか」
ほむら「……」
B「そう、そんな感じ」
ほむら「……」
B「……」
B(随分おとなしい子だな)
ほむら(車間距離はこれぐらいこれぐらいこれぐらいこれぐらい)ブツブツ
教官E「ちょっと待ってね」ギュッ
教官E「はい、アクセル踏んで半クラね」
さやか「ブレーキなら自分で踏んでますよ」
教官E「念の為念の為、だから失敗しても大丈夫だから感覚をつかんでみようか」
さやか「だいたいわかってるんだけどな」
教官E「だいたいから確実にしていきましょう美樹さん」ニコッ
さやか「ん」
まどか「…ま、曲がります」ドキドキ
教官C「……」
まどか「直線だから加速し、しますね?」ドキドキドキドキ
教官C「んっ」
まどか「アクセルを」グッ
キキーッピタッ
教官C「ぐえっ!?」
まどか「痛い……」
まどか(間違えてブレーキ踏み込んじゃった……)
さやか「うお!?」
さやか(おっとブレーキ)ググッ
ギュオォォォン!
さやか「わ!?」
教官E「アクセル踏むな!!」グッ
キーッピタッ
教官A「巴さん、10ぐらいは出してくれないかな?」
QB「いいよマミ、そのぐらいのスピードがベストだよ」
マミ「OK」
ぶぉーん………ぶぉーん………
教官A「あ、あれ? OKなら15ぐらい出して欲しいかな」
QB「マイペースで行こうねマミ」
マミ「うん!」ニコッ
教官A「ほっ?」キュン
さやか「怖…」
教官E「落ち着いた? 不測の事態でも慌てないのはドライバーに必要な事だよ」
さやか「はい…」
教官E「原簿をみると美樹さんは学科の方が遅れてるから、知識が足りなくてわからないのかな?
実技だけじゃなくて学科もよく反芻してイメトレとかしてみるといいよ」
さやか「……はい」
教官E「走る凶器だって事を忘れないでください」
教習所終了
―THE教官―
C「あいつら車をオモチャだと思ってるんじゃないか!?」
C「あんな奴らに免許与えるなんて社会に悪影響しかない!」
B「まあまあ」
D「そんなに悪い子達じゃないですよ、佐倉さんも素直ないい子でしたよ~」
D「Cさんが睨むからが怖がらせてたんじゃないですか~、それで緊張しちゃって」
C「あ?」
A「ええ、D先輩の言う通り悪い子ではないですね」
A「ってか可愛いっすね」
D「わかるわかる、杏子ちゃん可愛いよな」
B「真面目にやれ、Cさんも落ち着いてください」
E「美樹さんもセンスはありますから、学科でしっかり認識叩き込めば」
C「むむむ」
帰り道
マミ「今日は上手くできたわ、キュゥべえありがとう」ニコッ
QB「きゅっぷいさマミ」
杏子「調子でてきたなマミ!」
まどか「もう辞めようかな……教官のおじさんは怖いし車も怖いし」
ほむら「まどか、車が怖い物とわかってるなら大丈夫よ」
ほむら「私はマニュアルだけど一緒に頑張りましょう」
さやか「あたしもゆっくりやる事にしたよまどか、地道に行こう?」
まどか「……うん」
詢子「免許? へ~やるなまどか」
まどか「最初はやる気あったんだけどねママ、怒らたり失敗したりばっかで」
詢子「っでヘコんでる訳か、車の運転なんてチョロイチョロイ」
詢子「要は慣れだから失敗して当たり前だと思っておきな」
まどか「そうなのかな……」
詢子「そうだよまどか、あたしなんか教官と喧嘩したけど免許取れたんだからさ」
詢子「まどかはいい子だから安心して行きな」ナデナデ
まどか「ママ……ありがとう」
ほむほむペロペロ(^ω^)
マミさんペロペロ(^ω^)
メガほむペロペロ(^ω^)
一回目「うん、それじゃ発進しないよ。 アクセル踏む前にローギアを入れないとね」
二回目「あー、またやっちゃったね。 そんな緊張しなくてもいいから。 さあローギアを入れようか」
三回目「おっかしいなぁ。 三度目の正直だと思ったんだけどなぁ。 なんでかなぁ」
四回目「……発進しないよね? 何も言わないから自分で直しな」
五回目「……ふー。 分かるよね?」
六回目「……ちょっと一度降りて、運転するまでの動作確認をしようか?」
七回目「はっはっは。 わざとやってるでしょ? なぁ、怒らんから正直に言ってみ?」
八回目「……こんの低レベルがッ!!」
間に合わないかな
ほむほむペロペロ(^ω^)
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