カイジ「一体なんなんだ……」
黒沢「うぅ……本当に借金を返済できるのか……」
零「大丈夫……!俺たちが手を組めば、必ず借金を返済できる……!ギャンブルにおいて数は力……!」
零「俺たちは……力で圧殺する……!」
黒沢「良いんだな……信じて……!」
零「大丈夫……俺を信じてくれ、黒沢さん……!」
黒沢「わ……分かった……!」
カイジ「何だあそこは……親子か……?うわ、あっちには若白髪の男がいるぞ……」
アカギ「ククク……」
黒服「では、今より軍資金の貸付を行います」
黒服「借りた額に四割ほど上乗せして返していただければ結構という、非常にリーズナブルな金利となっております」
ざわ……ざわ……
黒沢「ま、待てっ……!四割アップとは何だ……!なめてるのか……!」
零「落ち着け、黒沢さん……」
黒沢「これが落ち着けるかっ……!どこにいっても金利金利……こんな無茶を言うと、俺は降りるぞ……!」
黒服「どうぞご勝手に……降りて、皆様が抱えてらっしゃる借金を十年二十年かけてかえすのもいいでしょう……どうぞご自由に……」
黒沢「ぐぬぬ……」
黒服「どうなさいますか、黒沢様……」
黒沢「ひゃ、百万……」
零「待て、黒沢さん……」
零「ここは限度いっぱいまで借りよう……!」
黒沢「な……何を言っている……!1千万借りると金利が四百万だぞ……!?」
零「ここは構わない……どんなギャンブルが行われるか分からない今、金は多いにこしたことはない……」
零「例えば、ポーカーならほとんど持ち金で勝負が決まる……二人で限度いっぱいまで借りれば、俺たちの持ち金は二千万になる……!これなら押し潰せる……どんなギャンブルでも……!」
黒沢「そ……そうか……!く、黒沢……一千万……!」
零「宇海零……!限度まで……!」
船井「船井や……限度まで……」
ざわ……ざわ……
カイジ(そ、そうだ……ギャンブルを打つ者にとって金は寿命……)
カイジ「伊藤カイジ……一千万……!」
アカギ「ケチな札束拾う気なし……!一千万……!」
全員プレイルームへ移動……
利根川のルール説明が始まる……
利根川「言うなら……限定ジャンケン……!」
零「……この勝負……運否天賦じゃない……!」
カイジ「勝つのは知略走り……他人を出し抜ける者……!」
アカギ「限定か……ククク……」
黒沢「え……?え……?」
風呂入ってくる
限定ジャンケンスタート
黒沢「おい……!どうするんだ……零……!」
零「まあ落ち着いてください、黒沢さん……」
零「まずは見……!俺たちは見にまわります……!まだ、勝負を仕掛ける状況じゃない……!」
黒沢「そうか……ん……?あそこで何か問題が起きているみたいだぞ……」
アカギ「へえ……どうしても……?」
黒服「はい、ゲームスタートからの返金は認められておりません……」
アカギ「じゃあしょうがない……なあ、そこの人」
カイジ「……お前は、さっき見た若白髪……!何だ……勝負か……?」
アカギ「それもいいけど少し違う……これ、あんたにやるよ……」
カイジ「……!?」
アカギ、あろうことかカイジに一千万を手渡す……!
カイジ「な、何……!?」
アカギ「ククク……」
カイジ「ど、どうして……?」
アカギ「いらないからさ……真剣勝負にこの金は余分……」
カイジ「ど、どういうことだ……!」
アカギ「この金は敗北の保険……足りないカードや星を買い足すための……言わば……逃げの金……!」
カイジ「……!」
アカギ「真剣勝負をするのに……こんな金があったら……心の中でどこか油断が出来る……」
アカギ「負けてもいいという気になってしまう……そんな調子じゃまともなヨミが出来ないんだよ……」
カイジ「ヨミ……!?お前……この限定ジャンケンをヨミで何とかしようとしているのか……!?」
アカギ「まあ……」
カイジ「馬鹿げている……!いいか、勝利ってのはな……確かな積み重ねの上になりたつものなんだよ……!」
カイジ「ヨミなんて不確定なものに頼るものじゃない……!」
アカギ「成る程……凡夫だ……」
カイジ「何……!」
カイジ「何……!」
アカギ「落ちてくるわけだ……この船に……少しだけ期待していたんだけどな……」
カイジ「てめぇ……!」
アカギ「ククク……」
カイジ「今すぐ勝負……いや、駄目だ……」
カイジ(運否天賦は駄目……!今ここで怒っても何にもならない……!)
カイジ(この若白髪が中二病を発病させようと知ったことじゃない……一千万に更に一千万……!二千万、未曾有の大金……!これさえあれば……)
カイジ「じゃ……ありがたくもらっておくぜ……この一千万……!」
アカギ「勝手にすればいい……俺には邪魔な金だ……」
カイジ「とは言っても……これからどうするか……」
カイジ(二千万あったところで……ジャンケンに勝てなければ無意味……)
カイジ(これを上手く使うにはどうすれば……!)
船井「カイジさん……」
カイジ「……!誰だ、何で俺のことを……」
船井「あんたさっき貸し付けのとき、俺の後に限度いっぱいまで借りとったやないの……印象深かったんや、あんたのことは……」
カイジ「何だ、勝負か……?」
船井「ちゃうちゃう……カイジさん、俺と組もうやんか、俺とあんた……」
カイジ「え……?」
零(……)
×船井「ちゃうちゃう……カイジさん、俺と組もうやんか、俺とあんた……」
○船井「ちゃうちゃう……カイジさん、組もうやんか、俺とあんた……」
零(……)
カイジ「組む……?」
船井「そうや……このギャンブル生き残るためにはパートナーが必要なんよ……きちんとしたパートナーさえ見つかれば百パーセント生き残れる……」
カイジ「百パーセント……?」
船井「12回連続であいこにすればええんや……」
零「あの関西弁の男……髪の長い男をはめようとしているな……」
黒沢「どうして……?」
零「少し考えれば分かりますよ……あんなことを教えても……関西弁の男に見入りは少ない……」
零「恐らくすり替えか何かで……髪の長い男から星を一つ……いや、二つは取り上げる気でいる……」
夜食食ってくる
黒沢「そ……そんな酷いことを……!卑怯……だまし討ち……許されるのか……そんなことが……!」
零「少なくとも、この限定ジャンケンでは許されていますよ……ですが、これはチャンスでもあります……」
黒沢「チャンス……?」
零「ま……とりあえず、様子見をしておきましょう……」
カイジ「9回連続あいこ……これで助かる……!」
カイジ(全部あいこにすれば一千万の浮き……!金持ち……!)
船井(くくく……かかったなこのアホ)
零「……そろそろ動きますね」
船井「セット……オープン……!」
カイジ「……え?」
船井「あぁ~!なんちゅうミスを……!勘違いしてもうた……」
船井「次で帳尻を合わせましょ……次、俺はグーで勝負をするさかい」
カイジ「あ、ああ……」
船井(これだからリピーターは止められんわ……こんなアホがわんさかいる……)
カイジ「チェ……」
零「その勝負、少し待った……!」
カイジ「……え?」
船井「な、何や……!人の勝負を邪魔しくさって……!」
零「カイジさん……いいのかい……このまま勝負をして……」
カイジ「……は?」
船井「な、何をいうとんのやこのガキ……!」
零「ふふふ……さっきから見させてもらっていたけど……見ておけなくなってね……まず……カードを間違えたというのが怪しい……!」
零「あってはならない……!このギャンブルにおいて星は寿命……!そのやり取りを発生させてしまう……」
船井「人のやることに間違いがあって当然やろ……!」
零「確かに間違えるかもしれない……その間違いが二度続くことも……ありえないことじゃない……!」
カイジ(うぅ……)
零「それに……お前、リピーターだろ……!」
船井「な、何を言うとんのや!」
零「とぼけるなよ……!お前……袋から星を取り出したとき……指示をされる前に胸につけただろ……まるで何をするのか分かっていたように……」
船井「見たら分かるやろ!分からんやつがバカなんや……!」
零「そして……他にも指示をされる前に胸に星をつけているやつがいた……つまり、リピーターは多数いる……!」
零「初めから平等じゃない……例えば、初めから示し合わせてあいこで抜けられる可能性がある……それなのに、船はリピーターを許している……」
船井「ぐっ……」
零「つまり、リピーターは特別な条件をかされている可能性が高いんだよ……星四つで抜けるか、何百万か払わないといけないか……そのどちらか……このままだと、あんた赤なんだよ……!」
船井「全部空想やんか……!確証なんかどこにもない……!」
零「なあ、俺の話を聞いてくれカイジさん……」
零……!カイジの肩を掴む……!
カイジ「うるせえぞ……!てめえ……!」
しかし……カイジは振り払う……!
カイジ「船井さん……速いところすませましょう……」
船井「お、おう……」
船井(何やあのガキ……さえ過ぎやろ……見覚えないからリピーターやないし……でも、この男がアホで助かったわ……)
もう読んでる人いないっぽいしもう寝るわ
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