響「おはよう、電」(15)
電「ん……」
眠りから覚めると、窓から朝日が差し込み、鶏が一日の始まりを告げていた。
だけど一度布団の温もりを感じてしまうと、中々出たくならない物だ。
そんな寝ぼけ眼の私を…
響「おはよう、電。」
響ちゃんが起こしに来た、彼女は私の妹で、第六駆逐隊の末っ子。
その活躍ぶりから、不死鳥の通り名もある響ちゃんは、第六駆逐隊(家族)の皆をとても大事に思っている。
私にとっても、自慢の妹だと自信を持って言える。
電「ふわぁぁぁ……もう少し寝かせてぇ……」
響「もうすぐ朝ご飯の時間だから、急いがないと食べそびれるよ?」
電「う~ん……後五分……」
響「……仕方ない、無理矢理連れて行くか…」
天龍「よお、電の奴はまた寝坊助さんか?」
響「そんな所だよ」
この人は天龍さん、遠征(おつかい)の時にいつも*指導してくれて、
口は悪いけどとっても優しい人。
戦闘の時にも実力を発揮するし、撤退命令が出された時、
私たちを優先して脱出させるなど、正に人望で出来た存在。
妹に龍田さんがいるけど、響ちゃんとの仲はあんまり良くない。どうしてかって言うと…
龍田「あら~、電ちゃんは今日もおねむ~?そんなんじゃ美人にはなれませんよ~?」
響「あぁ?」(低音)
こんな風に、よく私たちをからかうから響ちゃんにはあんまりよく思われてないみたい…
響ちゃんは家族の事となると本当に容赦がないから…
響「…人様の家庭の生活に口出しなんて、随分偉くなったねぇ…?」
天龍「おいおい、喧嘩するなよ!」
電(また始まった…)
龍田「だってぇ~電ちゃんは毎日ミルク飲んでるって聞いてるもの~、それも美人さんになる為に~」
響「…まずは血抜きから、だったかな?」シャキン
電(な、ナイフ!?)
龍田「…あらやだ~冗談に決まってるじゃない~」
響「…だといいけど?」
天龍「ふぅ…朝っぱらからやめろよな~」
響「…ごめん」
天龍「龍田には良~く言っておくからさ、許してやれよ」
電「当の響ちゃんは許してくれそうには無いけど…」
響「そこまで極悪人じゃないさ」
とまあ、こんな感じの日が続いており、なんだかんだで今日も平和なのです。
雷「おっはよーっ!!」
暁「ごきげんようです」
響「おはよう、姉さん達昨日はよく眠れたかい?」
雷「もっちろん!」
暁「早起きはれでぃーのたしなみだもの」
この二人は雷ちゃんと暁ちゃん、一番のお姉ちゃんは暁ちゃんだけど。
雷ちゃんは面倒見の良さが祟って暁ちゃんよりお姉ちゃんに思われちゃう事があるんだって
暁「響、今日は私に料理を教えてくれるんでしょ?」
響「うん、そうだけど?」
龍田「あら~!暁ちゃんってば背伸びさんね~」
響「…」ギロッ
天龍(あ、これは)
響「…」ブゥン!
龍田「お〝ぅっ!?」ボグシャ
暁「ぴぃっ!?」
電「響ちゃん…暁ちゃんをからかわれたからって何もボディブロー当てなくたって…」
龍田「~~っ!!~~~っ!!」ゴロゴロ
響「安心しろ、峰打ちだ」
天龍「お前本物の峰打ち見てこいよ!」
提督「おーい飯!」
雷「あ!やっば!」
暁「早く行かないと!」
響「お先に」ビュン
雷「ちょ、ズルい!」
ーー厨房ーー
提督「お、今日はお前達が作るのか?」
雷「私にまっかせなさい!」
提督「はは、楽しみだ」
暁「うぅ…やっぱり司令官が居る中でやるのはちょっと…」
響「心配しなくて良いよ、姉さんが失敗しても他の人が作るから」
暁「いや、そう言う意味じゃなくて…」
龍田「そう言えば、エプロンは着ないの~?」
電「エプロン?」
龍田「エプロンなら、そこのタンスの引き出しの一番上に」
響「…」ビリッビリッ
龍田「いつも日本に突っかかってくる人たちが作ったエプロンが…って、あ。」
電「…破いちゃったのです」
龍田「せっかくケチな人たちが珍しく作ってくれたのに~」
響「…」ガスッ
暁「コラッ!!れでぃーにあるまじき事をしちゃだめでしょう!」
龍田「むしろ、もう日本に突っかかったりしないから第六駆逐隊全員分の裸エプロン写真下さいって」
響(は…?)
電(え…?)
提督(な、なんだってー!?)
雷(は、裸エプロン!?)
暁(れでぃーの装備かしら?)
龍田「あ、あと普通のエプロン写真でも良いって」
響「なんだそりゃ…」
提督(さしもの響もこの発言)
龍田「撮る?」
響「嫌だ」
龍田「そう?残念ね~…でもエプロンを破くのはいけませんよ?」
響「それは……まぁ…」
龍田「いい?エプロンは大切なの、服は汚れないしゴミも入らない」
龍田「響ちゃんだって、お料理に変なものが入っていたら嫌でしょ?」
響「うん」
提督(即答かい!)
龍田「だからほら、直したよ?」
電(えぇ!?あんなにビリビリに破かれてたのに!?)
響「…はぁ、龍田さん。わざわざ直しちゃったのか…」
響「…本当に*仕方ない奴だな」ゴゴゴゴゴ
電(ひぃぃぃぃ!?)
暁(ハサミしまって!お願いだから!)
天龍(な、なんか安心して食えるのか不安になって来た…)
提督(奇遇だな、俺もだよ)
言うのが遅くなりましたが、響のキャラクターが崩壊しています、
響ファンの方、申し訳ありませんでした。
龍田「ダメよ~?もったいないからぁ~」
響「…そんなに言うなら、龍田さんが着れば良いじゃないか」
龍田「……」ニッコリ
響「…なんだその間、まさか…着た事があるの!?ねえ!!」
龍田「~♪」
電「本当に直ってるのです」
雷「すんごぉい…」
電「これ、龍田さんが縫ったの?」
響「らしい、変な所で器用だよね」
龍田「電ちゃ~ん」
電「ふぇ?」
私は龍田さんの呼びかけに答えると同時に、とっさにエプロンを下に下げてしまった。
それを龍田さんは見逃さず激写していたらしく、私が気がついたときは響ちゃんが龍田さんの胸ぐらを掴んでいた。
響「貴様ぁぁ!!」
龍田さんの胸ぐらを掴んでいる響ちゃんの目は、明らかに大切なものを奪われた者の目でした。
その眼光に睨まれても、龍田さんは怯まなかった
龍田「響ちゃん…大人になって、写真1つぐらいで大袈裟よ?」
響「…」
龍田「大丈夫、この写真は説得する時以外には*使わないk…」
響「…」ジャコッ
天龍「…」ガタガタブルブル
響「だいたいさ、龍田さんは電達の写真撮るのに執着し過ぎなんですよ」
龍田「じゃあ、大人しく響ちゃんが被写体になれば良いじゃない」
ーー30秒後
響「…」ミクダシ
龍田「……」
エプロンを纏い、被写体となった響ちゃんはもの凄い威圧感を醸し出していた。
響「どうした?撮るんだろう?」
龍田(なんだろ~な~…この敗北感)
響「まあそんな冗談はさておき、さっさと料理を作ろうか」
龍田「はぁ…なんでいつもこうなるのかな~…」
電「取り敢えず、エプロンを付けてみたのです」
雷「エプロンを付けた私の魅力はどう?」
暁「ほ、ホントにこれ、れでぃーの装備なの?」E裸エプロン
龍田(うわぁ)
響「何が言いたい?」ガッ
龍田「痛っ!?」
暁「ああもう、喧嘩しないで!!」
ここまでのあらすじ
とある海軍に属している第六駆逐隊は、天龍型巡洋艦の龍田と共にお料理する事となった
電「…いや、他にもあったよね?」
響「?」
龍田「は~い、お料理の始まりだからね~?」
暁「わー」
雷「わー」
龍田「まず、お野菜を丁寧に……洗いすぎよ、暁ちゃん」
暁「っ!っ!」バチャチャチャチャ
龍田「次に、お野菜をまな板に乗せて、切ったりせずに」
暁「え?」トン
龍田「…」
暁「……紛らわしい言い方しないでよ…」
響「そう言えば何を作る予定なんだい?」
龍田「人参のソテーと、さk………煮物よ~」
響「今魚って言いかけたよね?」
龍田「気のせいよ~」
響「言い訳にはもっと説得力を持たせて欲しいな」ギュムムムムムム
龍田「分かった分かった、魚は止めるから~」
龍田「代わりにこれ捌いて?」つ人参(魚)
響「…」ブン
龍田「」ベチャ
響「大体さ……駆逐艦に魚はダメだろ」
暁(確かに…一理あるわね)
龍田「だったらボーキサイトしか食べないでね?」
響「…」
暁「…早く調理するわよ?」
響「姉さんには分からないだろうね……」
あの時の絶望感、魚が…魚が…
響「帽子の中に居たときの…」
電「何したら入るの?」
暁「はぁ…もういいわ、雷と龍田さんと一緒に料理するから」
雷「響と電は、そこで待っててね?」
電「…響ちゃん、お魚嫌いなの?」
響「…恥ずかしながら」
電「ちゃんと好き嫌い無くそうね?」
響「…」
ここまで書き込んどいてなんですが、ss速報vipに移動します、
このssの事は忘れてください
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