男「いただきます」

座敷わらし「……」

男「おっと、白粉あげてこないと」

日本人形「」

男「飯終わったら切ってやるから元の場所で待ってろってば」

日本人形「」ｶﾀｶﾀ

座敷わらし「……」ﾑｼｬﾑｼｬ

西洋人形「……ﾊﾔｸｼﾅｻｲﾖ」

男「大人しく飯を食わせてくれ」

西洋人形「ﾊﾔｸｰ」

男「あーはいはい」

西洋人形「ﾌﾌｰﾝ」

日本人形「……」ｻﾞﾜｻﾞﾜ

男「伸びてる伸びてる」

男「ごちそうさま」

座敷わらし「……」ｹﾌｰ

男「あれ、テレビのリモコンが……またアイツの仕業か」

西洋人形「ｺｺﾖｰ」

男「お、サンキュー。にしても……妖怪リモコン隠し、なんてのが実在するとは」

日本人形「」ｶﾀｶﾀ

男「そうだ、髪の毛切らないとな」

日本人形「……」ｽｯ

男「え、この髪型にすんの？」

日本人形「……」ｺｸﾘ

男「人形にパーマなんてかけられねーよ」

日本人形「……」

男「いつも通りパッツンと」

日本人形「……」

西洋人形「ｹﾗｹﾗ」

男「お前らなぁ……それケサランの飯用の白粉なのに」

日本人形「」ﾇﾘﾇﾘ

西洋人形「ﾜﾀｼｷﾚｲｰ?」

男「真っ白できたない」

西洋人形「ｶﾞｰﾝ」

日本人形「……」ｸﾞｼｸﾞｼ

男「ああ擦ったら駄目だから」

座敷わらし(……顔洗ってこよ)

蛇口「ｺﾎﾟｫ」

座敷わらし「……」


男「え？　また髪の毛出てきた？」

男「寝る前に歯磨けよ」

座敷わらし「……ん」

男「お前らは着替えろ」

西洋人形「ｷｶﾞｴｻｾﾃｰ」

日本人形「」ｶﾀｶﾀ

男「着物はともかくお前は簡単だろうに……ったく、ほら」

西洋人形「ｲﾔｰﾝ」

男「よいではないかー」

日本人形「……ｱｰﾚｰ」

男「はい、着替え終わり」

座敷わらし「……」

男「なんで俺のワイシャツ着とるか貴様」

座敷わらし「置いてあった」

男「しかもアイロンかけたばっかのやつだし……」

男「……ん……おもい」

男(また金縛りか……？いい加減慣れてきたな……)

西洋人形「ｽﾔｽﾔｰ」

男「……おい」

西洋人形「……ｽﾔｽﾔｰ」

男「すやすやとか喋ってんじゃねーよ降りろ」

西洋人形「ｲﾔｰ」

男「自分のとこで寝ろっての」

西洋人形「ｻﾑｲｰ」

男「お前一人を許可するとさぁ」

座敷わらし「……」

日本人形「」ｶﾀｶﾀ

男「こいつらも来るんだからさあ」

西洋人形「ﾋﾄﾘｼﾞﾒ!」

男「朝飯何にするかな」ｶﾞﾁｬ

頭「」

男「……見間違いか」ﾊﾞﾀﾝ

座敷わらし「？」

男「いや、冷蔵庫の中に頭が入ってた気がしてさ」ｶﾞﾁｬ

頭「」

男「……」ﾊﾞﾀﾝ

座敷わらし「……私の」

男「マグロの頭なんて入れるなよ……うわくっせえ」

頭「」

男「仕事いってくる」

西洋人形「ｲｯﾃﾗｯｼｬｲ!」



男「バイクでも買おうかなぁ……」

女？「すみません」

男「はい？」

女？「わたしキレイ？」

男「はい」

女？「えっ」

男「はい」

女？「えっ、えっと、あの私口こんなんですけどキレイ？」

男「はい、結婚して下さい」

口裂け女「けっ！？あっ、あう、あのの、す、すみません最初は友達からでー！」

男「……撃退完了」

男「家の外まで怪奇現象まみれなのはどうにかしないと」

女「おはよーございます先生」

男「はい、おはよう」

女「なんだかいっぱい憑かれてますね先生」

男「いつものことだ」

女「それだけ楽しそうに憑いてる幽霊も珍しいですね」

男「楽しいことはいいことじゃないか」

女「そう考えられるのが凄いですよ先生」

男「ただいまー」

西洋人形「ｵｶｴﾘｰ」

日本人形「」ﾓｯｻﾘ

男「どわあ！なんじゃこりゃ！？」

座敷わらし「たすけれ」

西洋人形「ﾀｽｹﾚｰ」

男「本体ー！本体どこだー！」

男「これはまたごみの日が大変だな……」

西洋人形「ﾖｶｯﾀﾈｰ」

日本人形「……」

座敷わらし「……」ﾄﾄﾄ

男「ん？」

座敷わらし「おかえり」

男「た、ただいま？」

座敷わらし「ふむ」ｽﾀｽﾀ

男「な、なんだ？」

日本人形「……」ｻﾞﾜｻﾞﾜ

男「また伸びてる！？」

男「や、やっと元に戻った……」

日本人形「」ｶﾀｶﾀ

男「いつものことだから気にすんな」

西洋人形「ｳﾒｰ」

男「もう一年やってるんだ、上達もするさ」

座敷わらし「……」

男「おっと、もうこんな時間か」

座敷わらし「飯」

男「はいよー」

西洋人形「ﾒｼｰ!」

男「お前は食えないだろうに」

西洋人形「ﾁｪｰ」

男「……ごめん、今日は出前ね」

座敷わらし「！？」

西洋人形「ﾅﾝﾄｰ」

座敷わらし「な、なぜ！？」

男「じゃ、蛇口が……」

座敷わらし「蛇口！？」

蛇口「オエー！」ﾀﾞﾊﾞﾀﾞﾊﾞ

男「赤い水が止まらなくて……」

座敷わらし「はんばーぐ……」

男「す、すまん、出前でハンバーグとってやるから」

座敷わらし「いらん、他のは不味い」

男「そ、そう……ありがとう」

男「さて、出前とらねば」

電話「とぅるるるる」

男「……今度は何の電話だか……もしもし？」

『あたしメリーさん、今貴方の通ってる学校にいるの』

男「……ふむ」

座敷わらし「？」

男「出前はちょっと来るのに時間がかかりそうだわ」

男「……きた」

電話「とぅるるるる」

『あたしメリーさん、今……』

男「ハァハァお嬢さん今何色のパンツ履いてるの？ﾌﾋﾋﾋﾋ」

『……』

男「……切れたか」

『……あたしメリーさん、今……』

男「可愛い声してるね？小学生くらいかな？まだブラジャーつけてないのかな？ねぇ」

男「……よし、切れた」

座敷わらし「……」

男「あれ、水が止まった？んじゃハンバーグ作るからね」

座敷わらし「おお！」

男「準備お願いできるか？」

座敷わらし「ん！」

『も、もしもし？すみませんわたしメリーさんですけれども』

男「……」

『……い、今貴方の家の前にいるの！これで貴方もおしまいね！』

男「あぁいーよぉメリーちゃん！早く入ってきて！可愛い声してるそのお口にごっくんさせてあげるよぉ！！」

『ヒィ！？もういやー！！』

男「……帰ったかな？」

座敷わらし「ん！」

男「よし、それじゃあ作りますか」

座敷わらし「おー！」

西洋人形「ｶﾞﾝﾊﾞﾚｰ」

日本人形「……」ｶﾀｶﾀ

座敷わらし「……？」

メリー「……」

男「ん？どしたの？」

座敷わらし「背中」

男「背中？　んー……よく見えないんだけど」

メリー「……」ｶﾞｯｼﾘ

男「特に何ともないみたいだけど」

座敷わらし「……なら、いい」

男「？」

メリー「……ぐすっ」

男「ん？」

西洋人形「ｵﾚｦﾐﾛｰ」

男「なにこの紙」

日本人形「っ！っ！」

紙『背中に女の子ついてるよ、後ろ見ないでね』

男「あー、駄目だったか」

メリー「……」ｸﾞｽｸﾞｽ

男「ハンバーグ食べる？」

メリー「…うん」

男「一人分追加でー」

座敷わらし「おー」

メリー「……ありがと」

男「食べたら帰るんだぞー」

メリー「……うん」

男「……」

座敷わらし「？」

ｶﾀｶﾀ　ｶﾀｶﾀ

男「来客だな、ちょっと出てくる」


男「何してるんですか」

隙間女「はぅっ！」

男「郵便受けの隙間から入ってくるの止めてください」

隙間女「す、すみません……」

男「で？　今日は飯貰いにきてもないですからね」

隙間女「へ、部屋の鍵落としちゃって……」

男「ドアの隙間から入ればいいじゃないですか」

隙間女「……最近太ったの」

男「……一晩だけですよ」

隙間女「やたっ」

西洋人形「ﾏﾀｷﾀﾉｶｰ」

隙間女「またお邪魔しますー」

メリー「っ……」

隙間女「おや新顔」

男「この子は今日限りです、これ食べたら帰ってもらいますから」

隙間女「そうなの？　じゃあお姉さんのとこに来る？」

メリー「……や」

隙間女「……」

メリー「ここがいいわ……」

男「え？」

隙間女「小さい子に好かれるわねあなた」

男「いやいや困るって」

メリー「……」ｼﾞﾜｯ

男「なぜ泣く！？」

男「仕方なく暫く居ていいことにはしたが……」

メリー「ん……」

隙間女「すぴー」

西洋人形「ｽﾔｽﾔｰ」

日本人形「……」

男「狭い……」

座敷わらし「……」

男「お？」

座敷わらし「こっちで寝ていいぞ、今回は、許す」

男「ありがと、こいつら俺のベッドで寝やがって」

メリー「起きなさい！　もう朝よー！」ﾄﾞｽｯ

男「うわっ！？」

メリー「ふふん、ビックリしたわね」

男「う、うん」

メリー「あースッキリした！」

男「……なんだったんだ？　昨日はあんなに大人しかったのに」

座敷わらし「……んぅ」

男「朝飯はまだだからもう少し寝てていいぞ」

座敷わらし「うん……」

男「あんたは起きて部屋に戻る」

隙間女「んあー」

男「寝ぼけてないで」

隙間女「はーい……」

男「いってきます」

西洋人形「ｲｯﾃﾗｯｼｬｲ!」

座敷わらし「おー」


男「ん？」

犬「……」

男「あ、こんにちは鈴木さん」

人面犬「おう、久し振りだなあんちゃん」

男「またこっちに戻ってきたんですね」

人面犬「フランスもいいとこだったぜー」

男「今度また飲みましょうね」

人面犬「おーう！」

男「おはよーございます」

女「こんちわっす先生」

男「よっ、伝説のオカルト研究部部長」

女「そのオカルト部部長からのお願いなんですけど」

男「駄目です」

女「まだ言ってないですよ」

男「ならば言ってみよ」

女「先生の家に」

男「はい駄目ですー」

女「いいじゃないですかー、先生の家絶対なんかいますって」

男「卒業したらいいよ」

女「そしたらもう部長じゃないですよ」

男「それは残念」

女「お願いしますよー」

男「うーむ……仕方ないな」

女「おっ！」

男「お前の口の固さを信頼するとしよう、だが俺の家じゃないぞ」

女「えー？」

男「この話は無かったことに」

女「わーすみませんすみません！ すっごい嬉しいなー！」

男「よし、じゃあ放課後の見回りに連れっていってやろう」

女「へ？」

男「だから、見回り」

女「はぁ」

男「すっごい面白いから」

女「せんせー」

男「おお、来たか。だがカメラは無しな」

女「えー！？ これがないと意味ないですよー！」

男「死にたい？」

女「……置いていきます」

男「解ればよろしい」

女「そんなに怖いんですか？」

男「いや、別に？」

女「嘘ですか！」

男「呪われるくらいはあるかもよ」

女「やっぱ置いてきます」

PCに移行

女「音楽室、ですか」

男「いつも三階から下に回っていくんだ」

～～♪

女「おおっ、何か聞こえてきましたよ？」

男「もう始まってんのか、ちょっと遅かったな」


男「こんにちは」

女「失礼しますー」

少女「あっ……」

男「今日も頑張ってる？」

少女「はい……」

男「熱心な指導お疲れ様です」

肖像画「……」

女(うわ、この子手が血まみれだし、バッハがこっち見てるし、黒板に音符浮かんできてる)

男「君がいるってことは誰もいないんだな、次行くか」

女「美術室といえば」

男「何もないよ」

女「えっ」

男「いや、だからそこは何もないよ」

女「いやいや、彫刻が動くとか、絵が動くとかないんですか？」

男「それやってるの他の教室の奴らだしね、そこ自体は何も」

女「……すごくがっかりしました」

男「んじゃ次ね」

女「はーい」

ﾋﾟﾘﾘ ﾋﾟﾘﾘ
男「おっとごめん、電話だ」

男「もしもし？」

メリー『私メリーさん、ちょっといつ帰ってくるの？ 髪の毛凄いことになってるわよ』

男「今何メートルくらい？」

女「？」

メリー『一メートルちょっと』

男「なら大丈夫かな、あと一時間くらいで帰るよ」

メリー『そう、みんなに伝えておくわ』

男「はいはい、じゃあな」

女「彼女ですか？」

男「そんないいものじゃないさ」

女(やっぱり行ってみたい)

男「こんばんわー」

女「理科室にこんばんはって……」

模型「オウ、ヨクキタナ」

女「ヒィッ！？」

模型「オ？ ドシタンダヨコノ嬢チャン」

男「このことを喋らない代わりに挨拶周りを」

女「が、骸骨しゃべってる……どこから声でてんの……」

模型「オレァ別ニ喋ッテネェヨ、口動カシテルダケダ」

男「てか怪奇現象に何言ってるんだ」

女「そ、そういえばそうでした」

男「次行くぞー」

花子「ばいばーい」

女「はー、学校も凄かったですねー」

男「だろ、んじゃ今日はこれで終わり」

女「そうですね、では帰りましょう！」

男「じゃあな」

女「さよなら！」

男「……」

女「……」

男「ついてくんな」

女「せんせーの家の怪奇現象見せてくださいよー！」

男「駄目だ」

女「ケチー！」

男「ケチで結構、じゃあな」ﾀﾞｯ

女「あ！ ちょっと待ってー！」

男「ただいまー」

西洋人形「ｵｶｴﾘｰ」ﾄｺﾄｺ

男「はいただいまっと」ﾋｮｲ

西洋人形「ﾀｶｲﾀｶｲｰ」

日本人形「」ｶﾀｶﾀ

男「あれ、髪の毛どうした？」

メリー「私が切ったわ、上手でしょう？」

男「すごいすごい、俺より上手いんじゃないか？」

メリー「ふふん、もっと私の素晴らしさに驚愕しなさいな」

男「すごいなーあこがれちゃうなー」ﾅﾃﾞﾅﾃﾞ

メリー「あふー……って撫でるなだわ！」

座敷わらし「おかえーり」

男「ただいま、飯はもうちょっと待ってろよ」

男「さて、今日は休みだし、ちょっと出かけてくるな」

座敷わらし「……」

男「お前のおかげで家も安泰だしな」

西洋人形「ﾄﾞｺｲｸ?」

男「ちょっとバイクを買おうかなと」

西洋人形「ｵｵｰ」

男「昼くらいには帰ってくるから」

男「……」

？「……」ﾆｺﾆｺ

男(人通りの多い所通ればよかった……)

男「……こんにちは」

？「……」ﾆｺﾆｺ

男「電柱に隠れてないで出てきてくださいよお姉さん」

？「……」ｽﾞﾙｯ

？「……け、くけけけけけけけ」

男「……下半身どうしたんですか？」

？「けけけけけけけけけけけけけ！！」ﾀﾞﾀﾞﾀﾞｯ

男「その走り方肘痛そうだね！ じゃなかった逃げろ！」

？「けけけけけ！」

男「随分と早いなぁオイ！ けっこう本気で走ってるんだけど！」

男「あーもうどうすっかな！」

？「けけけけけけ！」

男「…………よし」

男「昔偉い人は言った、男にも穴はあるんだよな……と」ｶﾁｬｶﾁｬ

男「さぁ来い！」ﾊﾞｯ

？「っ！？！？」

男「どうした！？ 俺がフルチンだからって襲わないのか！？」

？「く……けけー！」

男「うおおおおお！！」

？「うぅ……穢されたわ……」

男「ふぅ……穢される下半身ないだろお前」

？「うるさい！ 変態！ この変態！」ﾀﾞﾀﾞﾀﾞｯ

男「もう来ないでくれよー」

男「さてと、バイク買うのになんでここまで苦労せないかんのか」

男「うだうだ言ってても仕方ない、行くとするか」

男「ふむ、バイクと言ってもよく分からんかったから店員に一番速いのを頼んだんだが」

男「なかなかにカッコいいな、車体黒くて」

男「久しぶりだしちょっと乗って帰ろう」



メリー「ふぁぁぁ……あら、あの男は？」

西洋人形「ﾔｯﾄｵｷﾀﾉﾈ」

座敷わらし「夜までツーリング」

西洋人形「ﾋﾙﾏﾃﾞｼﾞｬﾅｶｯﾀ?」

座敷わらし「……実は、男は乗り物大好き」

座敷わらし「何でも乗れる、凄い」

男「おー、サラマンダーよりはやーい」

？「……」ｽﾞﾀﾞﾀﾞﾀﾞﾀﾞﾀﾞ

男「おー、お婆さん速いねー」

婆「ふっ」

男「その先カーブだから気をつけてなー」

婆「あいよー」ﾄﾞﾄﾞﾄﾞﾄﾞﾄﾞﾄﾞ

男「……ふぅ、普通のお婆さんのほうだったか」

？「……」ﾜｻﾜｻﾜｻﾜｻ

男「うわっ何あの女キモッ、エクソシストかよ」

？「……」ｷﾞﾛｯ

男「あ、やべっ」

＞男「その先カーブだから気をつけてなー」
＞婆「あいよー」ﾄﾞﾄﾞﾄﾞﾄﾞﾄﾞﾄﾞ
なんか和んだ

落としてもいいのよ

男「怪奇現象の女はどうして皆素早いのか」

男「さて、そろそろ撒いたか？」

男「丁度家に帰ってこれたし、まぁいっかね」


男「ただいまー」

西洋人形「ｵｶｴﾘ!」ﾄｺﾄｺ

男「ただいま、出迎えありがとう」ﾋｮｲ

西洋「ﾀﾞｯｺﾀﾞﾜｰ」

日本「……」ｶﾀｶﾀ

男「ただいま」ｽｯ

日本「……」ｻﾞﾜｻﾞﾜ

男「ぬおお！？ 抱っこしただけで何故伸びる！？」

西洋「ﾃﾚﾁｬｯﾃｰ」

日本「……」ﾄﾞﾊﾞｯ

男「ぬわー！！」

日本「……」ｻｯﾊﾟﾘ

男「またゴミが増えてしまった……」

座敷「……」ｽｯ

男「ん？ 窓がどうしたって……あちゃー」

窓←手形いっぱい

座敷「頑張って他の窓、全部拭いた」

メリー「あそこの窓だけ落ちないのよ……疲れたわぁ」

男「ふーむ、じゃああそこはあのままでいいや、二人ともありがとうな」

座敷「……いいの？」

男「ああ、後で色紙でも買ってきて手形つけさせてやるよ」

男「なんか手形つけたいだけみたいだし」

窓「」ﾊﾞﾝﾊﾞﾝﾊﾞﾝﾊﾞﾝ

男「おお増えた増えた」

男「さてと、風呂でも入るかな」

座敷「りょうかい」


男「そろそろ髭剃るかなー、生えてるの嫌いなんだよな」

鏡「」

男「……またですか」

鏡「　　　お前は誰　　だ　　　　？」

男「聞くほうが逆だろうに、俺から聞くだろう普通」

鏡「オマエ　ハ　誰　　ダ？」

男「俺はオレ、オマエはお前だろう、鏡に映った俺とお前は違う」

鏡「ソウ　カ」

男「あーストップストップ、剃り残し見たいから上向いてて」

鏡「……」