刹那「インフィニット・ストラトス?」(856)

_))  / /   / / ,.<   l   |   ヽ      \ \    /
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ヘ || | |   ,_     ⌒ ∠ノ     , '    /  / /
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 V〉 ヽ |_|   ゝ  ` `ミ _ 、_    / _  ´_  ´ //
  =\ \\\   丶、    `ン`  / / /  .∠/

続きか?

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前→
刹那「IS?」 - SSまとめ速報
(ttp://raicho.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1298877202/237n-)

~乙女座による前回のあらすじ~
・ELSとの対話を終えた少年は量子ワープで地球に帰還しようとするも、到着したのは一夏のいないIS世界であった。
 この状況……青天の霹靂、いや、千載一遇の機会と言うべきか。
・ELSとISを融合させることにより、世界初の男性操縦者として学園に迎えられる少年。女性だらけの学園へ、男子生徒として一人転入することとなる。
 つまりはワンマンアーミー……たった一人の男性なのだよ。どれほどやれるか、刮目させてもらおう、ガンダム。
・ISエクシア(仮称)でセシリアの歪みを断ち切った少年。
 その圧倒的な性能に、私は心奪われた!

・お姫様抱っこ関連で誤字があったようだ。
前スレ>>206
>支点を腰と背中に~
 正しくは背中と膝裏だ。これでは世界の鼻つまみ者だ……!

~乙女座によるこれからの方針~
・少年が異星人である以上、一夏は存在せず、結果的に箒と鈴音はヒロイン入りしないことになる。その上、ラウラの過去に無理が生じている。
 ISの作品だと言うのにメインヒロインに出番がないとは……このSS、存在自体が矛盾している!
・だが、IS学園が初対面の場であった人間……セシリア・シャル・ラウラに関してはそうはいかん。
 矛盾を孕んでも存在し続ける、それが生きることだ!
・セシリアを倒してしまった上、少年は一夏より優秀と来ている。メアリ・スーと言われても仕方がないな、これは。
 だが……メアリを越え、厨二を超越し、SSとなった! ご都合主義に耐性のない者は下がれ、ガンダムは私がやる!
・原作の展開をなぞる以上、ヒロイン達が少年に心を傾ける展開になり得る。
 NTRを嫌う諸君は撤退したまえ。信心深さが暴走すると、あらぬ悲劇を招く。
・少なくとも、ネオドイツのガンダムファイターとガンダムファイトするまでは進めたいものだな。
 男の誓いに、訂正はない。

※このSSに乙女座は出演しません

ロックオンの親戚かと思った


 翌日。
 グラウンドに集合した1年1組は、五列隊形で並んでいた。
 ‘休め’の姿勢で待機している中、男子は刹那一人である。

≪……刹那、昨日の影響は?≫
(ミッションの遂行に支障はない)
≪そうか。……何か困ったことがあればすぐに伝えてくれ≫
(ああ)

 全員女子の中一人だけ男子と言う時点で疎外感は物凄そうなものだが、刹那自身、とんと気にした様子はない。
 これはこれと割り切っているのか、それともそう言う思考がないのか。

「ではこれより、ISの基本的な飛行操縦を実践してもらう」

 隊列の前に出た千冬が、ざっとメンバーを見渡す。

「セイエイ、オルコット。試しに飛んでみろ」
「わかりましたわ」
「了解した」

 それぞれ独特の返答と共に、セシリアの耳につけた青いイヤーカフスが、刹那の場合は体が淡く発光する。
 周囲一帯が光に包まれた瞬間には、もうISの装備を終えていた。
 刹那はIS装着の際に指を鳴らしてガンダムを呼んではどうかと考えていたらしいが、結局却下されたようだ。何よりである。

続いてくれるとは嬉しいぜ
支援

ロックオンのことかと思ったら違ったので帰ります

ごめんなさいロックオンは出ません

「よし。……飛べ!」

 無事成功したことを確認してから、千冬が声を張った。

「はいっ!」
「エクシア、飛翔する」

 両者同時に地面を蹴り、空高くへ舞い上がる。
 先んじたのは、セシリア。
 目標高度に達した時点で、刹那から二メートルほどの距離を開けていた。

『セイエイ、遅いぞ。スペック上の出力はエクシアの方が上のはずだ。
 ……お前は‘特別’なものを持っている。その程度ではないだろう』
「……すまない、俺のミスだ」

 通信機越しに聞こえる千冬の注意に対し、素直に謝罪する刹那。
 いかんせん、ISの操縦は感覚的だ。手馴れているセシリアに対し、刹那はやや不慣れな面が目立っている。
 もっとも、今回のセシリアはスターライトmkⅢを装備していないので、先の戦闘より機動力が向上していると言う点もあるだろうが。

≪MSとは操縦系統が根本からして違う。気負いすぎるな≫
(……すまない、ティエリア)
「自分の前方に角錐を展開するイメージ……教本にはそう書いてありますが、
 イメージは所詮イメージ。自分のやりやすい方法を模索する方が建設的でしてよ?」

 先を行っていたセシリアが、速度を落として刹那に並ぶ。
 その心遣いに、刹那は感謝せざるを得なかった。

凸の乗ってた赤い機体じゃないのか


「セシリア・オルコット……」
「差し出がましいようですけれども……どうやら、あまり慣れていないように見えましたので」
「ああ……否定はできない」
「その……よろしければ、放課後に指導して差し上げますわよ?」
「指導?」
「その時は、二人きりで……」
『セイエイ、オルコット。急降下と完全停止をやってみせろ』

 セシリアの言葉を遮って、千冬から通信が入る。
 表情を引き締めると、セシリアはブルー・ティアーズのスピードを上げた。

「では、お先に」

 そのままの勢いでいくらか進むと、九十度に近しい角度で地面に降下。
 ギリギリまで待ってからスピードを落とし、激突を避け、着地する。

≪……上手いものだな。操縦技術に関しては、あちらが上と見ていい≫
(ああ……例え希少価値があるとしても、パイロットとして実が伴わなければ意味がない。
 帰還の方法だけでなく、ISの操縦にも力を割く必要があるか)

 思考しながら、刹那はセシリアの後を追った。


インフィニットジャスティスにのって完膚なきまでにボコボコにされるのかと思ったらちがった

これは支援


ごめんなさいインフィニットジャスティスも出ません

 日が沈み、放課後。

「セイエイ君、クラス代表決定おめでと~!」

 寮のフロントを貸切り、刹那のクラス代表就任を祝うパーティーが催されていた。
 あくまで学生の身分である以上、質素さの目立つ部分はあるが、こう言った催しものは祝おうとする気持ちが大事なのである。

 しかし、クラス代表になどなってしまえば、色々と仕事を押し付けられるのは目に見えている。
 帰還を第一とする刹那からすれば、喜べない事態であった。

(……失敗したか)
≪そうとは言い切れないぞ≫
(ティエリア?)
≪IS操縦者としても優秀、クラス内でも人望が有る……
 そのような評価が下されれば、学園側もよりこちらを手放したくなくなるはずだ。
 この学園自体、時代に反して技術は格段に進歩している。
 IS自体も、宇宙空間での活動を想定したパワードスーツだ。
 となれば、学園も宇宙開発に関心を向けているだろう。
 学園内での地位が向上すれば、それだけ情報が手に入りやすくなる≫
(自分自身を質にする、と?)
≪そう考えてもらって構わない。
 それに、僕だけでも作業自体は行える。
 能率は落ちるが、クアンタのシステムと学園のネットワーク……二つの面から同時に情報収集を行った方が効率はいい≫

 ティエリアの論を聞いて、刹那は納得した。
 ならば、この地球の座標特定はティエリアに任せ、自身は学園内での地位獲得とIS操縦の技量を高めることになる。


 だとするならば、クラス代表と言う役職はおあつらえ向きであった。
 黙々と思考する刹那は、ふと閃いた光に目を細める。

「はいは~い、新聞部で~す」

 聞くまでもなく名乗った少女に、刹那は大体のあたりをつけた。
 おおかた、唯一の男子がクラス代表になったことを祭り上げようと言うのだろう。
 刹那からすれば、なかなかに都合のいいことであった。

「ああ、セシリアちゃんも一緒に、写真いいかな?」

 刹那の右隣に座っているセシリアへ、眼鏡の新聞部員――部長か何かだろう――が声をかける。
 提案に対し、セシリアは顔に喜色が浮かびそうになるのを堪えつつ問う。

「え……二人で、ですの?」
「注目の専用機持ちだからねえ。
 そうだ、握手とかしてるといいかもねえ」
「そっ、そうですか……
 あの、撮った写真は当然いただけますわよね?」
「そりゃもちろん。ささ、立って立って!」

 ジェスチャーで二人に指示する新聞部員に、刹那は従った。
 下手に抗う理由もない。校内新聞に掲載されれば名も上がろう言うものだ。

続き楽しみにしてた
しえんしえん

「じゃ、握手してもらえるかな~?」

 セシリアへ向け、右手を差し出す刹那。ELSに指示して、感触は人間と同じにしてある。
 おずおずとその手を握り返すと、セシリアは小さく呟いた。

「よろしくお願いしますわね、刹那さん」

 呼び方が変わったことには気づいたが、刹那はきっと見直してくれたのだろうと認識して、特別触れるようなことはしなかった。
 対話は、相手とわかりあう意思をもって初めて可能になる。
 態度が軟化したのは、きっとあの戦いをきっかけに対話を望むようになったからなのだろう、と刹那は推量した。

「あ~ん、もうちょい笑顔で寄って寄ってぇ。
 はぁい、緊張しないでぇ。
 それじゃ、撮るよぉ?」

 指示をこなし、最もよいであろう構図を作った二人を、カメラのレンズが捉え、

「はぁ~い」

 撮影した時には、何故かクラスメンバー殆どが写真に写っていた。

「何故全員入ってますの!」
「まあまあ」
「セシリアだけ抜け駆けはないでしょ~」

 怒気を露にするセシリアと、それをなだめる女子生徒。
 この状況、どう対応したものか、と刹那は再び頭を悩ませた。


今更だけど、あらすじが秀逸すぎる


 自室に戻った直後、ティエリアは刹那に相談をもちかけていた。

≪刹那≫
(どうした?)
≪ダブルオークアンタを回収しに行く≫
(ダブルオークアンタを?)

 何故、今クアンタを引っ張り出す必要があるのか。
 全長十八メートルの巨人を夜に持ち出しては、怪談になるか、見つかって厄介なことになるだけだ。
 そこでティエリアの出した回答は、刹那の予想に反したものだった。

≪ISを取り込んだことで、待機形態を利用することが可能になったはずだ≫

 確かに、ELSは融合した対象の外見・能力・技術をコピー、あるいは独自に発展させることが可能だ。
 自己進化・自己再生・自己増殖の三大理論を兼ね備えている、超科学生命体なのである。
 それがISを飲み込んだのだから、後は推して知るべし、だ。

≪それを用いて、刹那の体内にダブルオークアンタを収納する≫
(……可能なのか?)

 確かに、ISの待機形態は物凄く小さい。全行二メートルはあろうかと言うブルー・ティアーズが、
 イヤーカフスに、つまるところ三センチ程度の大きさに縮められてしまうほどである。
 だが、MSを体に収めるなど、刹那からすればやや躊躇われる行動であった。


 確かに、ISの待機形態は物凄く小さい。全行二メートルはあろうかと言うブルー・ティアーズが、
 イヤーカフスに、つまるところ三センチ程度の大きさに縮められてしまうほどである。
 だが、MSを体に収めるなど、刹那からすればやや躊躇われる行動であった。

≪そもそも、ELSに現代の物理は通用しないと考えていい。
 質量保存の法則を無視できる時点で、人間とはもはや次元が違う≫
(…………)

 こればかりは、刹那も押し黙った。
 そう、ELSはトンデモSFの住人のようなものである。

≪行くぞ、刹那。目的地までは僕が案内しよう≫
(……了解した)

 結局、刹那は首を縦に振るほかなかった。




 翌朝。

「もうすぐクラス対抗戦だね」
「そうだ、二組のクラス代表が変更になったって聞いてる?」
「ああ、何とかって転校生に代わったのよね」
「転校生?」

 会話中に出てきたその単語に、刹那は興味を駆られた。
 自身の境遇は転校生である。
 可能性はごく僅かではあるが、自らと同じようにこの惑星へ飛ばされてきた人間かもしれない。

「うん。中国から来た子だって」

 中国……刹那の時代観からすれば、人革連の連中である。
 元人革連の知り合いは、生憎アレルヤ・ハプティズムと同じ超兵であるソーマ・ピーリス程度だ。
 まあ、もし顔見知りでないにせよ、同じ状況の人間がいることがわかれば、それは大きな収穫ではある。

「うん。中国から来た子だって」
「ふん。私の存在を今更ながらに危ぶんでの転入かしら」

 セシリア一人にそれほどの影響力があるかどうかはともかくとして。

「どんな子だろ。強いのかな……」
「今のところ、専用機を持ってるのって一組と四組だけだから余裕だよ~」
「その情報、古いよ!」

支援age


同じこと二回言わせちゃった……

 聞き慣れない声が、会話に介入してくる。
 音源の方向を見やれば、教室の入口に見えるのは小さな人影。

 長い栗色の髪はリボンで束ねられ、ツインテールの形をとっている。
 ぱっちり開いた目と、低い身長からは、成長を終えていない幼さを感じさせた。

「2組もクラス代表が専用機持ちになったの。そう簡単には優勝できないから!」

 勝気な性格を反映した高い声が、教室に響く。
 彼女の態度に何かを感じ取ったのか、セシリアが口を開いた。

「貴方が、噂の転入生なのかしら?」
「そうよ! 中国代表候補生、凰 鈴音(ファン リンイン)!」

 代表候補生。この時点で、刹那と同じエトランゼである可能性は潰えた。
 まあ、それほど大きな期待を寄せていたわけではない。
 せんなきことだ、と刹那は思考を掃いて捨てた。

「今日は宣戦布告に来たってわけ!」

 大々的な敵対宣言に、教室内がざわつく。
 潔いと言えば、潔い手法であった。

「専用機があるからって、いつまでも舐めてると痛い目――――」


 意気揚々と喋り続ける鈴音の言葉は、しかし、ごんっ、と鈍い音と共に中断された。
 頭頂部をこちらに向けている様はどことなくシュールだが、
 とにかく上方から衝撃を受けたのだろうことを端的に表現している。

「いったぁい、何すんのっ……!」
「もうSHRの時間だぞ」
「ち、千冬さん……」

 颯爽と登場した千冬を目にして、鈴音は見るからに勢いを殺した。
 その表情から推察するに、ただ調子に乗っていたところに先生が来て気まずい思いをしているのではなく、
 千冬に対して何らかの苦手意識を抱いているらしい。

「織斑先生と呼べ。さっさと戻れ、邪魔だ」

 しっしと鈴音をあしらうと、つかつかと教壇に向かっていく。

「すっ、すいません……」

 しおらしくなった鈴音はどもりながら頭を下げると、
 きっと刹那たちの方を見やって、

「あんまり油断してると、すぐ負けちゃうんだから!」

 最後にそう残して、鈴音はぱたぱたと廊下を走り去っていった。


僕ののほほんさんちゃんは出ますか

おお、続きが来たのか
待っていた……待っていたぞ、ガンダム!


のほほんさんは一応喋ってます。でもキャラクターとしては出ないので、モブの一人みたいな扱いです。
名前の無い女子生徒は大体アニメ通りのセリフを言っているので、もしかしたらわかるかもしれません。


 クラス対抗戦当日。
 刹那が所属する一組と相対するのは、鈴音のクラス、二組。

 カタパルトにて準備を終えた刹那は、真耶から敵機の説明を受けていた。

「あちらのISは甲龍(シェンロン)。セイエイ君のエクシアと同じ、近接格闘型です」

 ブルー・ティアーズとは違い、今度は近距離での戦闘がメインになる。
 いかにして相手の裏をかくかは同じだが、今回競われるのは反応速度が主。
 その一点においては、ディスアドバンテージを負っているのは刹那である。
 機械の反応速度は、決して駆動系の性能とイコールではない。
 パイロットの神経と、それを伝達するスピードが要になる。
 となれば、ISにおいてはどの要素でも後塵を拝している刹那の荷が重いのは当然であった。

 だからと言って、むざむざやられるわけにもいかない。
 クラス対抗戦での勝利には、なかなかの名誉が付随する。
 帰還を優先する以上は、いくら気の進まぬ戦いと言えど、全力で挑む他ない。


「私のときとは勝手が違いましてよ。
 油断は禁物ですわ」

 念を押すセシリアに、刹那は頷いて返す。
 この日まで、セシリアからIS操縦の訓練を受けてきたのだ。
 彼女の期待を、一回戦敗退と言う最悪の結果で裏切るわけにはいかない。

「それでは両者、規定の位置まで移動してください」

 アナウンスが流れ、刹那はエクシアを稼動させる。
 カタパルトの上に乗せられたエクシアが、空中へ打ち出された。

 もはや、慣れたものだ。
 セシリアとの特訓でゆうに百をこなした姿勢制御術を用い、刹那は中空で静止する。

「今辞退すれば、痛い思いをしなくてすむわよ?」

 高度を引き上げた鈴音が、刹那と向き合った。

「そうするつもりはない」
「一応言っておくけど、絶対防御も完璧じゃないのよ。
 シールドを突破する攻撃力があれば、殺さない程度にいたぶることが可能なの」
「それを望むと言うのか?」
「……いや、やりたいわけじゃないけどさ」

 ならばいい、と言いたげに刹那が口を閉ざすと、
 タイミングを見計らったかのように女性の声が入る。

「それでは両者、試合を開始してください」


 鈴音が、背負った青龍刀――――双天牙月を右手に携えた。
 機体の全長ほどはあろうかと言う巨大な刃物は、直撃すれば大惨事になりかねない。

 応えるように、刹那はGNソードを展開。
 長大な刀身ならば、エクシアも持ち合わせている。

 二人同時に、互いに向け直進。
 クラス対抗戦の火蓋が、切って落とされた。





 互いに進行方向を同じくした両者は、空中で激突。
 一度の邂逅は、火花と金属音を生み出しただけだった。

≪刹那!≫
(ああ……出力は敵機の方が上だ)

 エクシアの主眼は、高速接近戦闘、即ちヒットアンドアウェイを繰り返す戦法である。
 機動力の代わりに単純な腕力を犠牲にした結果、取っ組み合いにおいては、甲龍が上に来るのだろう。

 張り付かれれば、確実に敗北が訪れる。
 ここは、一撃離脱を繰り返すべきか。


「ふぅん、初撃を防ぐなんてやるじゃない。
 けど」

 そこで口を止めた鈴音は、空手だった左手を空に突き出す。
 一瞬の発光の後、そこには二本目の青龍刀が存在していた。

 内心刹那は舌打ちをこぼすと、自ら攻勢に出る。
 自由に泳がせていては、こちらの不利がより決定的なものになってしまう。

 体重をかけて押し付けられたGNソードを、鈴音は苦もなく、青龍刀の腹で防いでみせた。
 そのまま自らの膂力を頼りに刹那を押し返すと、もう一方の得物で刹那の横腹を狙う。

 それを見抜いていたのか、刹那もまたフリーであった左腕でGNブレイドを抜刀、
 不安定な姿勢ながらもつばぜり合いに持ち込み、即座にバックブースト。

 仕切りなおしとなったことを利用し、腰部のGNダガーを投擲する。
 自然、鈴音は両腕の双天牙月でダガーを弾いた。

 その隙に、刹那は鈴音の背後に回り込む。
 あの長物は、密着状態では活かせまい。

 作り出した好機、刹那はGNソードで一文字に斬撃を加える。
 鈴音のシールドが削れる音を耳にして、
 このまま押し切れれば、と刹那は次撃の準備に入り、


「こん、のっ!」

 鈴音の肘打ちをくらい、吹き飛ばされた。
 GNドライヴを頼りに逆転した天地を正し、意識をはっきりとさせる。

 不意打ちの肘鉄とGNソードでの奇襲攻撃ならば、火力で上回るのは刹那側だ。
 シールドエネルギーの削りあいでは、刹那が優勢であった。

 だが、この時点で、刹那はGNダガーと言う手札を切ったのである。
 鈴音が手の内を明かしているのに対し、この事実は無視できない劣勢と言えるだろう。

 だからこそ、このまま攻めきる必要がある。
 刹那が前方へ加速するのに同じく、鈴音は二本の青龍刀の柄を合わせた。

 その行動を訝しむ刹那だが、ともかく今は攻めの一手である。
 鈴音に向け、GNソードを突き出す。
 敵を調子付かせぬための速攻は、しかし、

 カウンターをもろに見舞われ、自らのシールドゲージを削る結果で終結した。 
 剣に添えていた左腕に、電流に似た感覚が走る。


 ――――何が起きた。
 一度距離を離し、刹那は鈴音を捕捉する。
 鈴音の武器である双頭の青龍刀は、柄同士を連結させることにより、一本の薙刀と化していた。

 GNソードよりもリーチで勝るその武装ならば、敵の攻撃に合わせ反撃、
 後の先を取ることも容易であろう。

 ――――武器の形態変化。
 新兵器を持ち出すならまだしも、MS同士の戦闘では、まず起こりえないことである。

 ISの特性とMSの特性には、やはり大きな隔たりがあるのだ。
 その差異を把握出来ていない刹那がしっぺ返しをくらうのも、当然の帰結である。


 そんな刹那の焦燥など知ったことではないと、
 演舞でもしているかのように、鈴音はくるくると薙刀を手で弄び、

「はあっ!」

 両の手で掴みなおすと、敵手の息の根を止めるべく、意趣返しとばかりに刺突を狙う。

ハムのスサノオも二本の刀合体させて薙刀のように使えるけどな

>>33
見逃して

 その鋭鋒を迎えるだけの胆力を、刹那は持ち合わせていない。
 高度を引き上げ、半円を描くように鈴音の背中側へ退避。
 安全地帯へと抜けようとするも、薙刀を前に押し出した体勢のまま、鈴音は振り返る。
 返す刀で、横薙ぎの一撃。

 しかし、イノベイターである刹那の反射神経は、鈴音の予測を超えた。
 頭を刈り取ろうかと言うその刃にGNソードをかち当て、一瞬の拮抗を作り、再びスラスターを吹かす。
 鈴音の頭上を取った刹那は、そのまま重力の支持を受けて、鈴音へ襲い掛かった。

 単純に力負けするのなら、何らかの力を自力に加えればよい。
 そして、高度、即ち重力は、空中戦において最も重要視される要素である。

 刹那の影を追う鈴音は、しかし太陽光に目を焼かれ、ほんの僅かであれど反応を遅らせた。
 これこそが、刹那の立てた策。
 視界を潰し、更に高度差で有を占めることで、一息に押し切ろうと言うのである。

 刹那の予測は見事的中し、鈴音は破れかぶれで薙刀を振るう。
 自然、GNソードとぶつかり合うが、やはり優位に立っているのは刹那。
 その勢いのまま刹那は鈴音を押し出し、

「落ちろ!」

 GNドライヴから得た推力で、踏みつけるかのごとく鈴音に蹴りを入れる。
 ISの重量、そしてGNドライヴの出力を余すところなく受けた鈴音はあえなく吹き飛ばされ、地面に叩きつけられた。

私は我慢弱く、落ち着きのない男だ


 巻き起こる砂塵。鈴音の姿は確認できないが、しかし、競技終了のアナウンスは響かない。
 ならば、未だ健在なのだ。

 接近戦を前提とする機体には、敵弾幕を突破する機動力と、被弾をものともしない装甲が求められる。
 甲龍のコンセプトから推量するに、あの程度で破壊出来るほどやわではあるまい。
 何にせよ、油断は禁物である。


 その判断は、正解だった。
 閃光が溢れ、刹那の視界を埋め尽くす。

 ――――これは。
 今までの経験から、推測できる。
 これは、危険だ。
 警鐘を鳴らし続ける頭に喝を入れ、刹那は強引に体をひねる。

 目には見えないが。

 目には見えないが、確かに、何かが過ぎ去った。
 刹那が居た空間を引き裂き、進路上の全てを溶かそうとする光の渦が、天を貫いたのだ。
 下方向から放たれたであろう砲撃は、

「今のはジャブだからね」

 やはり、甲龍の――――

スケルトニクスがすごい


 あたりを着ける間もなく、刹那は熱に身を包まれた。
 第二射。
 あれほどの高火力ならば連発できるはずがないと言う刹那の当て推量を裏切り、
 時間を置いての攻撃で、鈴音は刹那の裏をかいたのである。

 鈴音と同じく地面に墜落した刹那は、片手を地に着けてどうにか立ち上がった。
 追撃の手を緩めるつもりはさらさらないのだろう、鈴音の様子を見る限り、どうやら第三射に移るようである。

 しかし、運動性においてはエクシアが勝っているのだ。
 鈴音の視線と自身の移動方向から着弾地点を見切り、不安定ながらも射撃をいなしていく。

(……あれは)
≪……衝撃砲だ。空間自体に圧力をかけて砲弾を撃ち出したのだろう≫

 ティエリアの声は、やや覇気に欠けていた。
 ISへ負担がかかれば、その分パーツの一つであるターミナルユニットにも被害が及ぶ。

≪構造上、砲身も砲弾も視認は不可能だ。
 加えて、射格の制限も無いと見ていい。……文字通り、死角が無い≫

 ティエリアが口を動かす最中にも、透明の砲撃は鳴り止まない。
 無秩序な軌道で、刹那は回避に専念する。
 パターンを作らないよう意識はしているが、ラッキーパンチをもらう可能性がある。
 逃げてばかりでは、どうにもならない。

 何と言う窮地。何と言う逆境。
 だとしても。いや、だからこそ。

≪……だが、逆転の芽はある≫

 ティエリアは諦めていない。勝つつもりなのだ。
 それは、

(……ああ。
 ソレスタルビーイングに失敗は許されない……
 ミッションプランに変更がない以上、目標を駆逐するだけだ)

 刹那も、同様である。
 彼らは、ガンダムマイスターなのだ。
 絶望的な状況にあり、勝算がなくてもなお、希望を持って進まなければならない。
 自らの望む、未来のために。

≪いけるな、刹那? タイミングは譲渡する。
 最も効果的と思われる場面で使用しろ≫
(ああ。同調を頼む)

 ティエリアと言葉を交わしながら、刹那は鈴音の行動を観察する。
 今は衝撃砲を用いて圧倒することで攻勢に出ているが、いくらなんでも無尽蔵に撃てるわけではあるまい。
 高火力・高性能であるほど、取り扱いは難しくなるものだ。
 いずれ、息切れする。
 それを、待つのだ。今は、ただ耐えねばならぬ雌伏の時。

 粒子で軌跡を描き出し、刹那は空を翔ける。
 エクシアは第三代のガンダム。
 事実上の永久機関であるGNドライヴにより、燃費やエネルギーの対効率は特筆すべきものがある。

 それに対し、鈴音の甲龍は専用機とは言えIS。
 限度と言うものは、少なからず存在する。


 刹那は逃げ、鈴音は撃ち。
 そして。
 続いていた砲撃が、止んだ。
 鈴音の表情が、みるみるうちに曇っていく。
 
「ティエリア!」
≪ああ! いけ、刹那!≫

 反撃の狼煙は上がった。
 今こそ、戦況を覆す時。

 赤い閃光が、アリーナを突き抜けた。




 刹那と鈴音を、巻き込んで。


 轟音、爆風、閃耀。
 IS同士の戦闘によるものではない余波が、立て続けに巻き起こる。

 鈴音の策かと思ったが、

「何……!?」

 ただ驚いているその様子を見るに、そうではないようだ。
 モニターで自機のステータスを確認するが、異常は検知されていない。GNドライヴの暴走でもないらしい。


『システム破損! 何かがアリーナの遮断シールドを、貫通してきたみたいです!』

 管制室から聞こえるのは、焦っている真耶の声。
 ならば、これはハプニングなのか。
 誰もが予想せず、そして誰かが定めたわけではない、完全なまでの緊急事態。

『試合中止! セイエイ、凰(ファン)、ただちに退避しろ!』

 千冬の言がきっかけとなってか、会場へ一気に動揺が生まれた。
 そこかしこから悲鳴が上がるものの、生徒を守るために張られたシェルターで、その波が途切れる。

(ティエリア、何が起こっているかわかるか?)
≪いや……僕がわかる範囲では何も。
 だが、先の粒子ビーム……かなりの高出力だ!≫
『聞こえた!? 試合は中止よ、すぐピットに戻って!』

 鈴音が通信が入ると同時、モニター右に赤枠の警告文がポップアップ。

 ――――ステージ中央に熱源
     所属不明のISと断定
     ロックされています

 それに重なるように、黄色い刺激色のウインドウ。

 ――――LOCKED

本当に戦闘描写がうまいな
VIPのSS書きでこんだけ書ける人は少ないんじゃないだろうか


(所属不明のIS……?)
≪可能性はあるが……! 刹那、今は対応を優先しろ!
 その所属不明機にロックされている!≫
(了解……!)

 ISに関しては最大級の規模を誇る施設、IS学園。
 その学園が所属不明と判断するということは、もしかすれば、MSかもしれない。

 しかし、こちらを敵対性として認識する以上、可能性は低いだろう、と刹那は判断した。
 他のISよりもMS寄りの外見をしているエクシアへ、問答無用で仕掛けてくるあたりからも明らかである。

『聞こえてるの!? 早くピットへ!』

 その思考よりも、急かしてくる鈴音への返答が先か。

「お前はどうする」
『あたしが時間を稼ぐから、その間に逃げなさいよ!』
「……危険だ」
『って言ったって、ISに触ってからそう時間が経ってないんでしょ!?
 あたしの方が経験があるんだからしょうがないでしょ!』

 鈴音の言っていることは事実だ。
 確かに、IS操縦者として訓練を積んできた時間は、鈴音の方がはるかに長い。
 黙った刹那に、鈴音は続ける。

『別にあたしも最後までやりあうつもりはないわよ。
 こんな異常事態、すぐに学園の先生がやってきて収拾――――』

劇場版見てないんだけど、ELSと一体化した刹那って外見一期の状態にでも戻ってるの?
成長した状態で高校生と言い張るのは厳しくね?

デビチルかと思った

>>1
エスエス=ホッシュ! 君の存在に心奪われた男だ!!


>>44
二期せっさんなので身長は175cm、まあ高校にいないこともない、
そして顔を見たグラハムも少年と言い切っていたので、まあ顔立ちも少年に見えないこともない、
最悪、大人びている・老け顔と言う言い訳で乗り切れないこともない。

ごめんなさい、各自で補正をお願いします


 鈴音が言い切るが速いか、刹那の感覚が明確な敵意を捉えた。 
 脳量子波による探知と、今まで戦士として過ごしてきたが故の勘が、刹那の体を突き動かす。

 GNドライヴを再稼動させ、装甲に覆われた鈴音の腕を引っつかむ。
 被弾面積を少なくするべく、セシリアへそうしたように支点を背中と膝裏へ移した。

「ビーム兵器……!」
≪高出力だな……しかし、純正・擬似共にGN粒子の反応は検出されていない。
 旧世代のMSと言う場合もあるが……≫
「……あ、ちょっ、ちょっとバカ、離しなさいよ!」

 呆気に取られた状態の鈴音が意識を覚醒させ、刹那をひっぺがすべく腕を伸ばす。
 顎を狙ったその一撃を紙一重でかわすと、刹那は要望通り鈴音を開放した。

「動けるか?」
「あ……う、うん」
「立ち止まるな。狙い撃ちにされるぞ」

 それを言い含め、刹那は鈴音のそばから離脱。
 鈴音も承知しているのか、刹那から距離を取り、ターゲットを分散させる。


 刹那らが二発目をやりすごすのに遅れて、敵機は姿を現した。

 巨大な腕と足に反して華奢な胴体と言う歪なフォルム、
 通常のISの二倍はあろうかと言うその体躯、
 無機質さを感じさせる、人の目のような穴。

 奇妙なその外見は、薄ら寒いイメージを抱かせる。
 外面だけならば、ファンタジー小説に出てくるようなゴーレムを彷彿とさせる見た目だ。

(MSではない……)
≪ああ、MSにしては小さすぎる。ISと見るのが妥当だろう≫

 その事実に少なからず落胆したが、今すべきは彼奴への対処。
 刹那はスピーカーを機動させ、音声を所属不明機に届かせる。

「こちらはIS学園所属、刹那・F・セイエイ。
 当方に交戦の意思はない。武器を収めろ」

 警告に、ゴーレムは応えなかった。

「繰り返す。当方に交戦の意思はない。武器を収めろ」

 再度の警告にも、ゴーレムは応えなかった。

面白い
続けてくれ、いやください


 どう動いたものか、刹那が頭をひねると同時、真耶から通信が入る。

『セイエイ君、凰さん! 今すぐアリーナから脱出してください!
 先生達が、ISで制圧に行きます!』
≪そうはいかない。ビームの出力を考えれば、あのシェルターでは危険だ≫

 ティエリアから全く喜べない報告を受けて、刹那は選択した。
 ――――戦わなければならない。
 自身が戦うことで、生徒を守れるのならば、戦う。
 破壊するためではない、守るための戦いだ。

「……ここで逃げては、また不要な犠牲者が出る。
 敵機の狙いはこちらだ。ここで、奴の足を止める必要がある」
『そっ……それは、そうですけど……
 でもいけません! セイエイ君!』
『刹那さん!』
「時間を稼ぐだけだ、問題は無い」

 通信機の向こうには、セシリアもいるのだろう。
 彼女の声が聞こえたが、刹那の決意が揺らぐことはない。
 ……しかし。
 確か、管制室はアリーナに直通の通路があったはずだ。
 ならば。

「……セシリア、頼みがある」



「お前は撤退しろ。後は俺がやる」

 鈴音へ向け、通信回線を開く。
 戦うことは、刹那のような戦士にこそ相応しい。
 年端も行かぬ少女が、自らの命を危険に晒す必要などないのである。

『……誰に言ってんのよ』

 鈴音の声は、ブレなかった。
 はっきりした芯を保ったまま、彼女は刹那に向け言葉を紡ぐ。

『あたしも付き合う』
「支援は無用だ」
『……だったら、あんたの協力はしない! けど、あたしはここに残る!』

 鈴音の目には、恐怖はない。
 それは、争いを軽んじているのではない。
 今ここで自分が退けば、人が死ぬのだと言うことを、端的に理解しているのだ。
 だから、逃げない。
 己の身を犠牲にするつもりは毛頭ないが、他者を贄に、自らは背を向けるつもりは全くない。
 誰かのために、戦うのだ。
 それは、刹那と同じ。守るための戦い。

「……そうか。行くぞ」
『えっ……ええ、任せなさい!』

 鈴音は、もっと刹那が渋るものだと思っていたのだろう、一度小さく声を漏らしたが、すぐに戦闘態勢に入った。


 刹那の周囲には、戦う人間が多く居た。
 世界との戦争を繰り広げたソレスタルビーイングだけではない。
 国の民を救うため、努力を続けたマリナ・イスマイール。
 少女の優しさを取り戻すため、戦場に身を投じた沙慈・クロスロード。
 彼らもまた、刹那とは違った形で戦っていた。
 戦いは、悪意を生み出すばかりではない。自らの意思で、あるいは他者の幸福のために、戦うことも出来るのだ。
 だから、刹那は鈴音が戦うことを止めなかった。

 刹那は左へ、鈴音は右へ。それぞれ、弾かれたように飛び出す。
 回避行動を取りながら、刹那はアリーナの壁に視線を滑らせ、カメラが破壊されていることを確認しつつ、ティエリアとの会話を行っていた。

(クアンタムバーストを使う)
≪ダブルオークアンタを出すのか!?≫
(ああ。ISを形態移行させ、ダブルオークアンタの能力を引き出す)

 前述の通り、今のELSはISの能力を取り込んでいる。即ち、待機形態を利用してのサイズ縮小が可能なのだ。
 刹那のISがエクシアの形を保っているのだから、それを応用すれば、ダブルオークアンタをISにすることも出来るはず。

(いけるか?)

 ――――肯定。
 ELSから返ってきたのは、最高の言葉であった。


(ティエリア、頼む。もし対話を行えれば、あいつが仕掛けてきた意図もわかるはずだ)
≪……了解した。今は戦闘中だ、荒療治になるぞ≫
(覚悟の上だ)

 エクシアが、光に包まれる。淡い緑の粒子をまとい、刹那のISが、形を変えていく。
 右腕のGNソードと左腕のGNシールドは、クアンタ用のGNソードVとGNシールドへ。
 それぞれ二つずつのGNブレイドとGNビームサーベルは、一つとなりGNソードビットへ。
 各部装甲も形状を変え、新たな機体を形作っていく。

 発行が終わり、生れ落ちたのは――――対話のためのガンダム、ダブルオークアンタ。

(形態移行……!?)

 その様を横目にしつつ、鈴音は思わず息を飲んだ。
 まさか、今この状況で実行しようとは。

≪刹那、調子はどうだ?≫
(悪くない……いける)
≪ツインドライヴ、同調……不安定だが、許容範囲内か≫
(出来るのか?)
≪トランザムの準備をしておいたのが功を奏したな。
 いざとなったら、僕がサポートする。いけ、刹那!≫
「……ああ!」

前スレに引き続き俺がっ支援だ!

人呼んで、支援スペシャル!!

未来への保守先案内人は、この武士仮面が引き受けた!

支援なのに保守してどうする俺・・・無駄レスすまん


 二基のGNドライヴが、共鳴を始める。
 ――――QUANTUM SYSTEM
 刹那の瞳が、金色に輝いた。
 能力を発揮する際、イノベイターの虹彩は黄金の色を放つのだ。

「クアンタムシステムを作動させる!」

 刹那の叫びに応え、GNシールドが背中へとスライド。内部に搭載されたソードビットが、クアンタを囲むように展開する。
 クアンタの装甲が、緑の色に染まる。超高濃度のGN粒子が、反応しているのだ。

 GN粒子を開放するため、腕部、脚部、胸部の装甲がパージ。
 GNコンデンサーを露出させ、粒子散布を開始。


「クアンタムバースト!」

 咆哮が、引き金となった。
 刹那の意識は溶け合い、脳量子波と合一化される。

(探せ……奴の意思を!)

 クアンタムバーストは、言語や種族の壁を越え、対話を成すための装置。
 これをもってすれば、皆わかりあうことができるのだ。


「お前は何者だ……!
 何を求めてここへ来た……!」

 だが。

「答えろぉぉぉぉ!」

 返答は、ない。

(何だ……無い!?)
≪意思が見当たらない……あの機体、無人機だとでも言うのか!?≫
(だが、先ほどの敵意は……!)
≪量子空間の範囲内に、奴は入っている! しかし意思が無いとなれば……!≫
(……遠隔操作、あるいは製造者の悪意!)

 自ら結論にたどり着いた刹那は、クアンタムバーストを終了させる。
 ソードビットをGNシールドに帰還させ、各部GNコンデンサーを収容。
 パージした装甲は無理にしろ、出来る限り元の状態を復元する。

「あんた、一体何を……?」
「戦いに集中しろ……来るぞ!」


 刹那が言い切るより早く、敵機はその巨大な足で地面を蹴り上げ、空中へと飛ぶ。
 巨体に似合わぬ俊敏さだが、しかし、代表候補生である鈴音と、クアンタに形態移行した刹那に追いつける道理は無い。
 歪な拳は空を切るも、散開した両者に向け、所属不明機はビームで攻撃。
 先の一撃とは違い、殺傷力を弱めての拡散形式。
 しかし、これも当たらない。エースパイロットである二人からすれば、この程度、造作も無いことである。

 攻撃後の隙を突き、刹那はGNソードVでの射撃を開始。
 クアンタムバーストで貯蔵GN粒子を使い切ったためか、本来のクアンタのそれに比べ、火力は随分と大人しくなっている。
 それを補うべく、装甲の薄くなる間接部を狙うが、敵機の推進力はISと比較して桁外れだ。
 最低限の動きで射撃をいなすと、所属不明機は二人の間に突っ込んでくる。

 ――――速い。
 なかなかの難敵だ。
 刹那たちの行く先を示しているかのように、暗雲も立ち込めてきていた。



≪アリーナがロックされた……!?≫
(ティエリア?)
≪第二アリーナ全体がロックされたようだ。これでは避難も救援もままならない……!≫

 再びティエリアから凶報を受けて、刹那は俄然表情を渋める。

『何、どうしたの?』
「……アリーナがロックされた。避難に必要な時間を改める必要がある」
『嘘でしょ!? どうしてそんなことがわかる――――』
「待て」

 鈴音の言葉に被せ、刹那は手で待ったをかける。
 反射的に鈴音は口を閉ざし、それに合わせ、巨人は掃射を再開した。

『……何、今の……こっちが喋り終わるのを待っててくれたってわけ?』

 敵弾をかわしつつ、呆然と呟く。
 そう、敵機は、こちらが会話を行っているときに限り、攻撃の手を緩めている。
 どのような意図があると言うのか。

(こちらの情報を探っている……?
 ならば、なぜ大々的に仕掛けて来た? 潜入捜査員を送り込んだ方が、効率と安全性は格段に上のはず……)
≪刹那、考えている時間はない≫
(ティエリア?)
≪避難が終わるのを待つより、奴を仕留めた方が早い≫

 確かに、ティエリアの言葉にも一理有った。
 相手は無人機だ、遠慮も何もなく、問答無用で叩き潰せる。


 GNバスターライフルで遮断シールドをブチ抜き、増援を呼び込む方法もあったが、救援に駆けつけた連中を巻き込みかねない。
 であるならば、殲滅戦に移行した方が安全かつ合理的だ。

「……奴を破壊する」
『えっ……殺すの?』
「あれに人は乗っていない」
『はあ? 人が乗らなきゃISは動かな――――』

 途中ではっとして、鈴音は記憶を振り返る。
 アリーナをロックし、
 学園の情報をもってしても所属不明扱い、
 会話をしていれば、何故か攻撃の手が止まり。

 奇妙な点が多すぎるのだ。
 説明がつかない以上は、そこにどのような結果が待ち受けているかはわからない。

『……ううん、でも無人機なんてありえない。
 ISは人が乗らないと絶対に動かない……そういうものだもの』
「だが、間違いではないはずだ」

 クアンタムバーストは、そこに生命がある限り作用する。
 それに反応しないのであれば、それ即ち無人であることに他ならない。


 頑なに自身の意見を譲らない刹那に、鈴音はため息を一つこぼして、

『……じゃあ、そんなことありえないけど。
 あれが無人機だと仮定して攻めましょうか』

 割り切ったのか、双天牙月を構えなおす。
 割り切れなければ死ぬ。そうわかっているのだ。ならば、グダグダ抜かしている暇はない。

「俺が敵の足を止める。その間に撃て」
『またアバウトな……でもいいわ、やってやろうじゃない』

 気合充分と言った様子の鈴音から視線を滑らせて、刹那は巨人を見やる。
 話は終わったか、とでも言いたげな様子で、所属不明機は腕をこちらに向けた。

 腕部にしかけられた銃口から、ビームが放たれる。
 死角へ回りながら、刹那はソードビットを展開。
 ゴーレムの間接部に張り付かせ、駆動系を狙う。

 遠方からの直線的なビームは回避できても、その巨体では、小回りの利くビットからは逃れられない。
 運動系に支障が出たのか、所属不明機は一時的な硬直を晒す。

支援


 このチャンスを、鈴音は見逃さない。
 刹那の指示通り溜めておいた衝撃砲のエネルギーを、開放。
 目には見えなくとも、風の流れでその威力が知れる一撃を、敵手へ撃ち出した。

 巨体が、揺れる。
 激突した重圧に耐えられなくなったか、真正面から直撃した衝撃砲に、巨人はたじろぎ、仰向けに倒れこんだ。
 追い討ちとばかりに、刹那はソードビットを回収、伏した巨人に接近し、GNソードVで右腕を切断する。
 人口の血液が、切断面から噴出した。

 このまま行動不能まで追い込む。
 その意気で右腕へ移行した刹那は、しかし、突然横殴りに吹き飛ばされた。

「がぁっ……!?」
≪刹那!≫
(損傷は軽微……ミッションの続行は可能……!?)

 冷静に機体状況を分析し、刹那はISを起こそうとして、巨人の右腕に、握られていることに気づいた。
 万力にも近しいその豪腕で、所属不明機は刹那をISごと握りつぶさんとしている。

≪クアンタムバーストでGN粒子を使いすぎた……量子化は出来ないぞ!≫

 鈴音も、先の衝撃砲で消耗している。
 そう簡単には救援に来られないだろう。
 だが。

ダブルオーシエンタ

堪忍袋の緒が切れた! 支援するぞ、ガンダム!!

これは期待
前スレいくつあるの?

>>68
まだひとつだ、間に合うぞ少年!


「今だ……狙い撃て、セシリア!」
『ええ……照準は完璧』

 通信機越しに響く、少女の声。
 専用機を駆る、狙撃手の声。

『狙い撃ちます!』

 ビットの援護を受け、スターライトmkⅢが閃光を放つ。
 一直線に進んだ弾丸は、巨人の胸部を寸分違わぬ狙いで射抜いた。

 遅れて、爆発。
 派手に火の粉があがり、刹那を拘束する力が緩む。

≪まだだ! 止めを刺せ、刹那!≫

 開放された刹那は、GNソードVの切っ先を所属不明機に向ける。
 それに続いて、刀身にソードビットが装着。ブルー・ティアーズのそれに劣らぬ巨大な銃――――GNバスターライフルを作り出す。

「この俺が、破壊する!」

 GNソードVの切っ先、ライフルの銃口から、太さ十メートルはあろうかと言うビームが出現した。
 その力は所属不明機を巻き込み、地面に穴を穿つ。

 一際大きく輝いた後には、どうにか原形をとどめている所属不明機と、クレーターが残されているのみだった。

所属不明機って言葉AC大好きだよな


箒ポジションでハム先生(♀)を出そうかどうかすごい迷ったけどやめた


 余談ではあるが、
 本来のGNバスターライフルはこれを大きく上回る破壊力を秘めているものの、
 クアンタムバーストでGN粒子を使い切っていたこと、ISで扱えるようサイズダウンがはかられていたことから、この程度の損害で済んだのである。
 単機でELSを壊滅せしめるMS、ダブルオークアンタ。その力は、未だ未知数であった。


>>つまりシャルポジションにハムが来るという訳だな。

 IS学園、地下施設。
 病院の診療台を思わせるベッドには、確かに、ヒトガタのものが眠っていた。
 それは、中身がからっぽの、ISと呼べるかどうかすらわからない代物だが。

 天井からは機械の溶接などに使うだろう機器が吊るされていて、どうやら、ISの解体作業に従事しているようだった。

「やはり、無人機ですね。登録されていないコアでした」

 分厚い壁を隔てた隣の部屋でキーボードを叩きながら、真耶は千冬に研究成果を告げた。

「そうか……」

 対する千冬は、吐息混じりに返答するばかりである。
 それを気にしているのかいないのか、真耶は報告を再開した。

「ISのコアは、世界に467しかありません。
 でもこのISには、そのどれでもないコアが使用されていました。
 ……一体」
「…………」

 二人は、不可解な疑問を抱えたまま黙り込んだ。
 答えに到達するには、まだまだ時間がかかりそうである。




「刹那・F・セイエイ……苦戦してしまったようだね。
 これでは期待外れだよ」
「…………」
「少しは僕を楽しませてくれなきゃ……それほどの事を、君はしたんだからね」


シャルはちゃんと出してくれると信じてる

まさかのボンズリか


「今日はなんと、転校生を紹介します!」

 二度目になる真耶のセリフを聞きながら、刹那は眉をひそめた。
 昨日あんな事件が起きたと言うのに、すぐに転入生とは、切り替えの早い学校だと関心すべきか。
 あるいは……

(想定の内だったと言うのか……?)

 クラス対抗戦に乱入してきた、あの巨大なIS。
 アリーナを破壊し、更には学園のネットワークにまで進入、データを改ざんした形跡が残っている。
 あれがもし、学園が用意した差し金だとしたら。

 しかし、下手を打てば世界で唯一の男性操縦者と中国の代表候補生を失うかもしれなかったのだ。
 その確率は低いだろうが、まあ、頭の隅にとどめて置いてもいいかもしれない。

 例の所属不明機によりアリーナも半壊、クラス対抗戦も延期の運びとなったのだ。
 あまり気を張り詰めすぎては、疲れてしまうだろう。

 刹那が物思いにふけっていることなど知る由もなく、転校生の紹介はさくさくと進行していく。

>>69
まだ一つかどっかにまとめてないかな

>>75
自分が乙女座であったことをこれほど嬉しく思ったことはない


 扉が開き、着任者を迎え入れる。
 転入生は、揺ぎ無い足取りで教室に足を踏み入れた。

「シャルル・デュノアです、フランスから来ました。
 皆さん、よろしくお願いします」

 束ねられた金髪、西洋人らしい碧眼、そして柔らかい物腰と声。
 まるで少女なのではと錯覚するような少年が、そこに立っていた。

 静まり返る教室。
 何拍かの間を置いて、女子生徒の一人が呆然と質問を投げかける。

「お……男?」
「はい! こちらに、僕と同じ境遇の方がいると聞いて、本国より転入を――――」

 途端、黄色い声の大合唱。

「えっ?」
「男子! 二人目の男子!」
「しかもうちのクラス!」
「美形! 守ってあげたくなる系の!」

 教室中を埋め尽くす大歓声に、刹那も意識を現実へ引き戻す。

>>73
ハム「もう…少年のえっち///」


(転入生……男性か?)
≪ああ、そのようだ……≫

 真面目に話を聞いていたらしいティエリアが、刹那に答える。
 何かが引っかかっているのか、いまいち歯切れの悪い答え方だったが。

 しかし、男性か。これにより、刹那の価値は相対的に減少したと言える。
 喪失したのはよくて半減、最悪七、八割程度か。

 この学園における刹那の存在意義は、世界で唯一の男性IS操縦者と言う一点であった。
 ところが、彼――――シャルルの出現により、刹那は世界に二人いるうちの片割れと言う扱いになってしまうのである。
 加えて、彼は異世界人だ。男性IS操縦者としてのサンプルは、シャルルの方が適任であろう。

(しかし……デュノア。ISメーカーのデュノアか?)

 参考書で目にした、その名前。
 第二世代でありながら第三世代ISにも引けを取らぬ能力を持ち、
 量産型ISの配備数では第三位を記録している名機、ラファール・ディヴァイヴを作り出した一流メーカーの一つである。

ティエリアが入ったら同じ反応だろうか


 そんな大手メーカーの子息が転入してきたと言うのは重大事だが、ティエリアの不審な態度を疑問に思ったらしい刹那は、再び問いかけた。

(ティエリア?)
≪……いや、何でもない≫

 何でもないと言うのなら、触れぬほうがいいだろう。
 いくらイノベイドとは言え彼も人間。悩みの一つや二つはあって当然である。
 そして、刹那もそれを無理に聞き出そうとは思わなかった。
 人と話すことで解決できる類のものならよいが、他人に知られたくない悩みと言う場合もあるのだ。

 刹那がこうしてティエリアと会話している間、常に鳴り響いていた高い声に、千冬が喝を入れた。

「騒ぐな、静かにしろ」

 怒気自体は強くないのだが、千冬と言う人間の言葉には不思議な圧力感がある。
 気圧されたのか、騒いでいた連中は皆一様に口を閉ざし、教室にはしんと静寂が訪れる。


「……今日は二組と合同でIS実習を行う。
 各人はすぐに着替えて第二グラウンドに集合。
 ……それから、セイエイ」

 話の途中で名前を呼ばれて、刹那は千冬に目を向ける。

「デュノアの面倒を見てやれ。同じ男子同士だ。
 ……解散!」

 千冬の声を皮切りに、女子がトレーニングウェアを取り出しに向かう。
 席から動かない連中も、結構な数がいるようだが。

 それを尻目に、シャルルは刹那の席に歩み寄り、

「君がセイエイ君? 始めまして、僕はシャルル・デュノア。よろしくね」
「ああ、よろしく頼む」

 挨拶を交わしながら刹那は立ち上がり、ドアへ歩きながらシャルルへと手招きをした。

「まずは教室から出る」

 女子が着替え始めるからな、と刹那が口にする前に、シャルルは後を追っている。
 なかなかどうして、物分りがいいらしい。


君との支援を所望する



「俺たちは、アリーナの更衣室で着替える。
 実習の度に移動しなければならない、覚えておいたほうがいい」
「うん、わかったよ」

 廊下を歩きながら、刹那とシャルルは言葉を交わす。
 落ち着きがあり、素直な性格のシャルルは、刹那の記憶の中、誰かのことを思い出させた。

(似ている……アレルヤ・ハプティズムと)

 尖ったところがなく、温和で人当たりのいい彼と、シャルルはどこか同じ空気を感じさせる。
 付け加えて言えば、アレルヤ・ハプティズムやマリナ・イスマイールのような柔らかい雰囲気をもった人間は、刹那にとって非常に好ましい部類に入る。
 刹那がそんな回想に浸っていると、

「あ、噂の転校生発見!」
「しかもセイエイ君も一緒!」
「な、何……?」
「聞いた!? こっちよ!」
「者ども出会え出会え~!」
「見てみて、二人仲よさそう!」
「セイエイ君の黒髪もいいけど、金髪もいいわね!」

 一人が声を上げると、それが連なって大所帯となる。
 仲間意識というか連帯感と言うか、そう言ったよくわからない協調性を、二人の前で壁を作っている女生徒たちは発揮していた。

GNソードフルセイバー装備のクアンタならELSを一週間で戦滅できる
ってばぁちゃんがいってた
て言うか、クアンタカッコよすぎ濡れる///

スサノオ出してくらはい

なんという僥倖……生き恥を晒した甲斐があったというものだ!

これは支援

>>89
愛の力でIS適応者になるグラハムさんいいな

支援せざるを得ない

00シエンタ


まずい書き溜めが尽きる……こんなに進むとは思わなかった
あとそう言われるとハム先生がマジで出て来ることになります
それを避けたい諸君は「(設定崩壊など)興が乗らん!」とレスをしたまえ! 乙女座は気分屋だ!

「……後れを取るな。行くぞ」
「えっ?」

 人の波が生まれているのは、後方と正面。前門の虎、後門の狼と言うやつだが、道はそれだけではない。
 刹那が選択した道は、右方。鍛え上げられた健脚と、無尽蔵に等しい体力でもって、刹那は廊下を駆け抜ける。

「あ~逃げた~!」
「追いかけるのよ!」
「待って~! せめて、写真を一枚~!」

 聞き覚えのある声を背にしながら、刹那はただただ道を行く。




「何で、みんな騒いでるの?」

 両足を動かしながら、シャルルが刹那に問う。
 息切れ一つしていないのは、IS操縦者として鍛えている証だろうか。

「今のところ、ISを操縦できる男性は俺たちだけ……そこに珍しさを覚えているのだろう」
「あっ……ああうん、そうだね」

 不自然な間を作りつつも、シャルルは応答した。
 シャルル自身、IS学園転入初日なのだ。慣れていないからこうなっているのだろう。

「進路を変更したことで、タイムリミットが迫っている……
 このままアリーナまで走るぞ。いけるか?」

 シャルルは頷いて、速度を引き上げた。



ハム出して

その旨を良しとする!

私は一向にかまわん


まさか賛成案が出るとは……私は聞いていないぞ!


「……振り切ったようだな」

 到着した更衣室で、二人は小休憩を取っていた。
 シャルルの体力が思った以上に長続きしたことで、刹那の予想を上回るタイムを出せたのだ。

「ごっ、ごめんね……いきなり迷惑かけちゃって」

 息を弾ませながら、シャルルは謝罪の意を述べた。
 刹那からすれば、この程度どうと言うことはないのだが。

 そもそも、刹那の体は完全に金属である。
 それ故、刹那の呼吸器官は、常人のそれとは比べものにならないほど強靭なのだ。
 その上、自己再生能力により、基本的に磨耗することがない。
 そんな事情もあって、刹那はこれと言って迷惑していなかった。

「気にするな。俺は気にしない」
「でも……」
「遅れたが、俺は刹那・F・セイエイ。よろしく頼む」

 でも、だって、でうじうじと始まりそうな罪悪感の吐露を断ち切るべく、刹那は強引に話題を切り替えた。
 昔のアレルヤにも、こう言うナーバスと言うか、過敏なところがあったものだ。
 戦士として成長し、自身の中に眠るもう一つの人格と折り合いをつけた今では、立派な男になったものだが。

やはり私と君は、運命の赤い糸で結ばれていたようだな
そうだ、ハム先生を出す運命にあった!!

果たし合いを所望するっ!!

でもハム出すとしたら女で出すんだよね?
正直俺は男のままで出して欲しいから興が乗らん!


「……うん。よろしくね、刹那。僕のことも、シャルルでいいよ」

 にっこりと笑いかけてくるシャルルに、刹那も小さな笑みで返す。

「了解した。……そろそろ刻限が近い。急いだ方がいい」

 言いながら、刹那は上着を脱ぎ、シャツのボタンを外していく。
 ソレスタルビーイングの制服と違い、IS学園の制服は脱ぎ着に時間がかかるのだ。
 まあ、すぐにパイロットスーツに着替えられるよう意匠されているソレスタルビーイングのそれと比べては、そうなるだろうが。

 ELSに指示し、人間だった頃と同じ外見を獲得している刹那の肌が、外気に晒される。

>>103
ハムさんを女化させるかもしれないだと!?
どういうことだ>>1

続きktkr
あらすじレベル高いなワロタww

女体化ハムなど興が乗らん!

>>103
何だそれは、私は聞いてないぞ!
興が乗らん!!

今書いてるところがハム先生を出す最後のチャンスなのでマジで安価
このレスから下二つめで女ハムor出番カットのどちらをレスしてください
ダメだった場合は下に繰り越しで
この手のスレで何やってんのと思うかもしれませんが今本気で悩んでるのでお願いします

男ハムじゃ駄目なのか…

ミス・ブシドーとして女装で登場

なんとぉぉぉぉぉぉぉおぉぉぉぉ

女ハムはなしで

ありゃー、ハムさん女体化しちゃったのかー……

>>114
女装だぜ…

自分で言っといてなんだけどそれって原作レイプじゃね……



あ、分岐すればいいのか
今回はハム先生なしで、片が付いたらハム先生(♂か♀のどっちか)ありの話を書きます
安価は絶対なのにごめんなさい

ごめん自分で言っといて本当にごめん

>>115
ミトメタクナーイ!!

ま、今回は参考程度でいいんじゃないでしょうか

何故だ、女キャラ(女装だけど)で男のハムが見たいというふたつのニーズに応えたつもりなのに


「う、うわぁっ!?」

 素っ頓狂な声を上げながら、シャルルは両手で顔を覆い、刹那から視線をそらして、後ろへ体を向ける。
 その調子から、まだ金属の部分が残っていたかと刹那が姿見で上半身を確認するも、見た限り、どこも中東人らしい浅黒い肌だ。

「どうした、シャルル。着替えないのか」
「うっ、うん。着替えるよ? 着替える、から、あっち向いてて、ね?」

 動揺の色を隠そうともしないシャルルの声音に、刹那は内心首を傾げた。
 まさか、この年頃になって同性の裸を見たことがないというわけではあるまい。
 しかし一般的にはそうであるが、神経質な人間の場合、多少の気恥ずかしさを覚えることもあるのかもしれなかった。

「……すまない、無神経だった。気になるのなら、外で待っている」
「いっ、いや、気にしないで! 悪いのは僕だから……!」

 シャルルの声を受けながら、刹那はアリーナのドアから出て行く。
 背後でドアが閉まる音を耳にしつつ、刹那は壁に背を預けてシャルルを待った。




「本日から実習を開始する」

 グラウンドに集められた一組・二組は、隊列を組んで千冬の指顧を仰いでいた。

「まずは戦闘を実演してもらおう。
 ……凰、オルコット」
「はい!」
「はいっ!」
「専用機持ちなら、すぐに始められるだろう。
 前に出ろ」
「……めんどいなぁ~……なぁんであたしが」
「……何と言うか、こう言うのは見世物のようで気が進みませんわね……」
「お前ら、少しはやる気を出せ」

 先生の目の前で堂々と怒られそうな発言をしたにも関わらず、千冬の言葉から、咎めようとする意図は感じられない。

「では、対戦相手だが……」
「うひゃああああああああああ! どいてっ、どいてくださあああああああああああい!」

 千冬の言葉を飲み込むような大音響で、空から降ってきたのは―――― 一組の副担任、山田真耶。
 半分涙ぐみながらも、今なお地表へ向け高速で落下している。

刹那にラッキースケベイベントあるの?


 着弾地点は、丁度刹那たち生徒ど真ん中。
 密集隊形だったことかアダとなってか、生徒達は既に皆全力で避難していた。

 これを目にした刹那は、反射的にISを装備。クアンタのままだったため、都合がよかったのもある。
 ソードビットを自身の頭上へ、円を描くように展開、GN粒子で薄い膜を張るよう出力を調整。
 計五基のソードビットは五芒星のように配置され、中心の空間にビームシールドを作り出す。

 そこへ、丁度良く真耶が落ちて来る。

 ビームで形成されたネットに着地したことで、勢いが殺された。
 ISには標準でシールドを作る機能があるのだから、多少ビームに触れたところでエネルギーを消費するだけなのだ。
 リスクは少ない行動だった。

ISについて全然知らないからググってみたんだけど
シャルルって…あれ?


「あれ?」

 襲い来るであろう衝撃に身構えていた真耶は、ぱちぱちとまばたきを繰り返すと、
 自身の状態を把握し、それから刹那に助けられたことを理解して、所在なさげに頭を下げた。

「ごっ……ごめんなさいセイエイ君、ありがとうございます」
「気にするな。俺は気にしない」
「……その言葉、気に入ってるの?」

 シャルルがかけた問いに頷きつつ、ISを装着した真耶が千冬のそばへ移動するのを見届けて、刹那はISを解除した。

「……ハプニングがあったが、山田先生は元代表候補だ。
 ……さて小娘共、さっさと始めるぞ」
「え……あ、あの、二対一で?」
「いや、さすがにそれは……」

 千冬は淡々と話を進めていくが、いくら生徒と先生と言えど、数の不利を覆すのは難しいものだ。
 そんなことなどとうに把握しているらしい二人は、千冬へ抗議するが、

「安心しろ。今のお前達ならすぐ負ける」
「……」
「……」

 自信に満ちた返答を受けて、教習に入る他なかった。



 諸君、夜の挨拶、即ちこんばんはと言う言葉を、謹んで贈らせてもらおう。
 おっと、名乗るのが遅れたな。グラハム・エーカーだ。

 さて、私が何故このような舞台にひっばりだされたのか、しっかり説明しておこう。
 次のシーンは、セシリア・鈴音VS真耶の模擬戦闘だ。
 この試合に、一夏少年は介入していない。空気状態というやつだな。
 それ即ち、少年の出番は皆無であると言うことだ。
 加えて、アニメのワンシーンをただ文章に起こすと言うのも気が遠くなる作業……
 それ故、丸々カットしたために生じた障害を取り除くべく私が駆り出されたというわけさ。
 つまりは幕間、たった一人の道化なのだよ……

 そう言えば、3月23日発売「IS」のBlue-ray&DVDはもう予約したかね?
 なんとっ、未だ果たしていないと言うのか!?
 初回特典の豪華設定資料集はISのあらゆる設定が網羅されている重要資料だ。
 残念ながらガンダムやフラッグのデータは掲載されていないが、
 各種ISのカタログスペックはきっちり調査済みらしい。
 未だ予約していないフラッグファイターの諸君、私と共に予約に行くぞ!

この文体は某氏を思い出させるな

グラハムはもうあらすじ、裏方担当で良いんじゃないかな
いっそ作者代理で

いい販促ですね上級大尉

この抜目ない宣伝…まさかあのハム介……?

ちょうど流してたプレイリストがクオリアになった

高坂さんは今製速いるから違うだろ

>>126
勿論予約済みです、隊長!

すげー細かいけど、ソードビットは全部で6基ですよ
あえて5基展開したならごめんなさい

>>134
劇場版でELSの攻撃を防いだ時は五基だったので五基にしました


 上空から叩き落され、二機のISが轟音と砂嵐を巻き起こした。
 負けたのは、セシリアと鈴音のペア。
 代表候補生二人がかりだと言うのに、真耶のISには傷一つついていない。

 ――――完全試合である。

 いくらカスタムしてあるとは言え、旧式機で専用機二機を相手取り大勝を上げるなど、並みの腕ではない。
 それに対し、敗者の側は、

「まさか、この私が……」
「あんたねぇ……! 何面白いように回避先読まれてんのよ!」
「鈴さんこそ……! 無駄にバカスカと撃つからいけないのですわ!」

 地面に墜落し、互いにISの装甲が複雑に絡み合った格好のまま、二人で言い合いをする始末である。
 昔のティエリアと自分を見ているようで、刹那は思わずわずかな笑みを飛ばした。

「これで諸君にも、教員の実力が理解できただろう」 

 腕を組んだまま、千冬は二人の前まで歩み出ると、

「以後は敬意を持って接するように」

 言い含めて、千冬は視線を隊列に戻した。

「次に、グループになって実習を行う。リーダーは、専用機持ちがやること。
 では分かれろ!」




「デュノア君の操縦技術を見たいな~」
「ねえねえ、私もいいよね!」





「セイエイ君、一緒に頑張ろう!」
「わかんないところ、教えて!」

 いくらか予想はしていたが、刹那にとっては歓迎できない誘いであった。
 刹那は形式上IS操縦者ではあるが、ティエリアとELSのサポートを受けて初めて動かすことができるのだ。

(……ティエリア)
≪……あ、ああ、すまない刹那。どうした?≫
(……ティエリア?)


 ティエリアの本体は、今やヴェーダのターミナルユニットである。
 体調不良とは考えがたい。


(他の生徒に操縦の指導を行うことになった。力を借りたい)
≪了解した。ELSとのチャンネルを開く≫

 ティエリアのアドバイスを得ながら、刹那は生徒に稽古をつけていく。
 口と手を動かしながら、合間を縫い刹那は脳量子波でティエリアとのコミュニケーションを取っていた。

(……何を考えている?)
≪刹那?≫
(一日中、注意が散漫だ。……俺でよければ、話相手にはなれる)
≪そうか……ありがとう、刹那≫
(気にするな。俺は気にしない)
≪……本格的に気に入ったのか。
 まあいい、君には話してもいいかもしれないな……≫


前回ピザハットに電凸した奴が再び電凸してるぞwwwwww
http://www.youtube.com/watch?v=gZqVpG94l90

最初の電凸動画もよろしくwww
http://www.youtube.com/watch?v=RAzRR5vDTxI

 合同演習も終わり。

「ねえ刹那、今日のお昼、空いてる?」
「ああ」

 シャルルの質疑に、刹那は肯定の意を示した。
 先ほど大人気だったシャルルだが、見たところそれほど疲労していない。先ほどの全力疾走を含めて考えるに、体力はある方なのだろう。

「よかったら、お昼ごはん、一緒に食べない?」

 持ちかけられた誘いに、刹那は首を縦に振る。
 本来、ELSと同化した刹那に食事と言う行為は必要ないが、一応周囲には人間として通してあるのだ。
 昼食時に何も食べずにいると言うのも不自然極まりないため、形式上の食事を取ってはいる。

「それじゃあ、屋上でいいかな」
「あの……私も混ぜてもらって、よろしいでしょうか?」

 場所の検討を始めるシャルルへ、声をかけたのは、

「セシリアか」
「その、迷惑でしたら……」
「ううん、そんなことないよ。一緒に食べよう」

 おずおずと申し出るセシリアに、シャルルは柔らかい笑顔を見せた。
 さて、セシリアと刹那との距離は、あのクラス代表を決める戦い以来、確実に近づいていると言ってもいい。
 加えて、対話を第一に望む刹那からすれば、自身の立場はともかくとして、シャルルとも親しくしたいところである。
 この機会を逃すわけにはいかなかった。




「いい天気だね。晴れててよかった」
「ええ。私、雨はあまり好きではありませんもの。湿度は低すぎてもいけませんが、高すぎると、髪も痛んでしまいますし」
「ああ、そうだよね。僕も……いや、女の人は大変だろうね、そういうの」
(……やはり)
≪ああ。怪しくはある≫

 シャルルの言動に注目しつつ、一行は食事を取っていた。
 それはあくまでティエリアの疑念を明らかにするためであり、そこに他意はないことをここに記しておく。

 刹那の視線がシャルルに向いていることに気づいたのか、
 セシリアは小さく咳払いをしてから、

「刹那さん、その、私今朝偶然早く目が覚めまして、こういうものを用意してみましたの」

 背に隠していたバスケットを両手に持ち、そっと刹那に差し出す。

「イギリスは、料理が評価されていない傾向がありますから……
 せっかくですし、本当はどうなのか、刹那さんにも確かめてもらおうと思いまして」

 中に詰まっていたのは、イギリスが生み出した世界的に有名な料理、サンドイッチだった。
 見た目にも鮮やかであり、色合いやバランスは充分及第点、あるいはそれ以上だろう。


「デュノアさんもどうぞ」
「わぁ、ありがとう」

 刹那とシャルルが、それぞれ一つずつサンドイッチを手に取る。

「頂きます」
「いただきます」

 そのままごく自然な流れで、口に運び。

 シャルルの顔が、青くなった。
 刹那は自身の傍に置いておいたペットボトルのお茶を、キャップを外してシャルルに手渡す。

 シャルルは咄嗟にそれを受け取って、口内に水を流し込んだ。
 傍目にもわかるほどの喉の動きが数回繰り返され、何度か咳き込みつつも、シャルルはペットボトルから口を離す。

「デュノアさん、大丈夫ですか?」
「うっ、うん、喉に詰まっちゃったみたい。あ、あは、ははは……」

 笑いを振りまいて、シャルルはこの場を誤魔化そうとする。
 ともあれ、セシリアの本命は刹那。
 当の本人は、未だ食べている途中。咀嚼を繰り返し、よく噛んでから、飲み込む。

セシリアの料理を問題なく食べられるのはせっさんだけやでぇ……


「……いかが?」
「……美味い」

 刹那は微笑んで、セシリアに返した。
 シャルルが驚愕の目を向け、セシリアは喜びの視線を贈る。


 さて、こう言ってはなんだが、セシリアの料理はお世辞にも上手くない。
 むしろ、一般的な味覚からすれば不味いと言っても差し支えないレベルであった。

 しかし、刹那は元少年兵。泥を食み、雨水を啜って生きてきた男である。
 一般人と比べ、‘下限’が突き抜けているのだ。


 その上、刹那はELS。舌まで金属と化している。
 さて、味覚や痛覚と言った五感、中でも痛みや不味いなどの感覚は、‘生命の危機’に密接に関連している。
 痛覚と言うのは、言わば命を保持するための危険信号なのだ。
 痛覚の一種でもある味覚。
 その中の不味い――――言うなれば臭い、苦い、気持ち悪い、などは、基本的に人間にとって悪影響を及ぼすものから発せられる味である
 (それを逆手に取り、甘い匂いを漂わせることで他の生物を引き寄せ寄生する虫や、
  苦み成分を実に含ませることで食べられるのを避けようとする植物などもあるが)。

 ELSとなったことで死から遠ざかった刹那は、味覚と言う瑣末な衝撃程度で命の危険を感じるほどヤワではないのだ。
 故に、セシリアの料理に対し、何ら脅威を検出しなかったのである。

ああコレだから職業軍人は…



 そんな事情もあって、刹那はセシリアの作ったサンドイッチを堪能していた。

「どんどん召し上がってくださって、かまいませんのよ」

 心底嬉しそうな表情を浮かべながら、セシリアは再びバスケットを差し出す。
 期待に応える意図があったのかはわからないが、刹那は手に持ったサンドイッチを食べきってから、バスケットへ手を伸ばした。

 刹那にとっては久々の、楽しいランチタイムであった。
 隣で、シャルルは笑みを保ち続けていたが。
 ……そこに苦笑いが混じっていたことは、記さずともわかることだろうが。


≪……刹那、僕の言葉を忘れていないか?≫
(……次の機会はすぐに来る)
≪…………≫
(…………すまない)


これだから好物が公式でジャンクフードな人間は

 午後の授業を消化し、HRを終え、刹那はISの操縦訓練を行うべく、いつもの場所へ向かおうとしていた。

「刹那」

 呼び止められて、刹那は振り返る。
 視線を下げて、己より頭一つは低いだろう身長の持ち主、シャルル・デュノアを見つけ、刹那は何の用かと問い返した。

「どこかに行くの?」
「ああ。ISの操縦訓練にな」
「そう言えば、いつも放課後に特訓してるって聞いたけど」
「俺の腕は、他のパイロットに比べて劣っている。
 その差を、少しでも埋めなければならない」

 無論、それは自己顕示欲や個人の欲求から来るものではなく、あくまで元の地球へ帰還する上での手段だが。
 それを知る由もないであろうシャルルは、

「僕も、加わっていいかな? 専用機もあるから、役に立てると思うんだ」

 キラキラと少年のように――事実少年だが――目を輝かせ、刹那に問いかけた。
 好意的に接してくれるのならば、それに越したことはない。むしろ願ってもないことである。
 刹那は、シャルルに向け首肯した。

「ああ。頼む」
「うん。任せて」

 シャルルは、柔和な笑みを見せる。

≪…………≫

 その笑顔に、やはりティエリアはどこか引っかかるものを感じていた。




「えっとぉ……きょ、今日も、嬉しいお知らせがあります」

 やや困惑した様子で、真耶は教壇に立っていた。

「また一人、クラスにお友達が増えました」

 ――――転入生が、いやに多い。何故この時期に? 刹那は、訝しまずにいられなかった。
 自分が転入生であるから、と言う事情もあるが、いかんせん、刹那を第一号として、続々と着任者が増えている。
 そして、その全てが、代表候補生、一流ISメーカーの息子など、大きなポストについている人間だ。

 刹那の思案を後に、真耶は続ける。

「ドイツから来た転校生の、ラウラ・ボーデヴィッヒさんです」

 背中まである長い銀髪に、左目につけられた黒いアイパッチ。
 肌は健康的でないまでの白さを保っているが、その儚げな容貌と違い、どこか近寄りがたい雰囲気をかもし出している。


「どういうこと?」
「二日連続で転校生だなんて……」
「いくらなんでも変じゃない?」

 流石に、生徒達も違和感を覚えているらしい。
 ざわめき出した教室に、真耶は焦りつつも、話をまとめにかかる。

「皆さん、お静かに! まだ自己紹介が終わってませんから……!」
「挨拶をしろ、ラウラ」
「はい、教官」

 千冬の指示に、転入生の少女――――ラウラは返答した。

 ……教官。軍との戦争を経験した刹那はともかく、ISを動かせるだけの一般人しかいないこの学園では、なかなか耳にしない単語であった。
 それを突っ込む暇もなく、ラウラはぱっと教室の中心へ向き直り、

「ラウラ・ボーデヴィッヒだ」

 それだけ、言った。
 皆、黙る。何か続けるのだろうと思って、黙る。
 その牽制合戦が、数秒間続いた。

追い付いた


「あの……以上、ですか?」

 沈黙に耐え切れなくなったのか、真耶がラウラに質問をなげかける。

「以上だ」

 きっぱりと言い切って、ラウラは視線を滑らせた。
 捉えたのは、刹那・F・セイエイ。
 敵意をむき出しにしたその目に、刹那は自然と警戒体勢に入る。

「貴様が……」

 彼女にしか聞こえない程度の音量で呟き、ラウラは歩を進める。
 そのまま、刹那の席までたどり着くと、



 思いっきり、右の手の甲でビンタした。


 刹那の頬へ、殴られた感覚が走る。

>>147
それ刹那?
避けたり受け止めたりしないとかやさしいな刹那

 だが、それだけだ。痛くはない。腫れもしない。

 繰り返し言うが、刹那はELSである。
 即ち、肌も、骨も、血液も金属なのである。
 それも、MSの装甲すら再現できるような、硬質の。

 そして、刹那は普段、肉体の硬度を一般的な人間と同じぐらいに調整してある。
 肩を叩かれたり、頬を突っつかれたりする際に、やたら硬かったら訝しまれてしまい、困るためだ。

 しかし、刹那は警戒態勢に入っていた。
 戦闘状態とほぼイコールであるその状態は、即ち、肉体の硬度を引き上げている状態である。

 そのため、結果的に、ラウラは金属塊へビンタを見舞った形になった。
 直立不動、立っていないが、ビンタをくらったところでピクリともしない刹那は、自分から立ち上がり、

「……すまない、手は大丈夫か?」

 いきなり攻撃してきた相手の心配までやってのけた。

「……いや刹那さん、まずはいきなりの態度の説明から求めるべきではありませんの?」

 セシリアが突っ込みに入るものの、ラウラは動かない。

おいついた
支援を開始する

メタル女子高生は人間味あるのにメタルせっさんはどうしてこうなった

悶々

 刹那を睨みつけながら、左腕で自ら右の手首を支え、

「……私は認めない。貴様があの人の‘特別'であるなど……」

 敵対の意思の表れとして、目を細める。

「認めるものか!」


追いついた。支援支援

千冬姉と何かフラグ立ってただろうか

今日はここまで。にしたい。
ラウラがまだ登場したばっかりだけど

一日で書き溜めの半分が消えた事実に、恐怖を感じられずにはいられない……

戦え、お前の信じるSSのために

あえて言おう!乙であると!

右手抑えて悔しそうに負け惜しみ言うラウラちゃんかわいい

良いスレだ


ついに我ら保守・ブレイヴス隊の出番が来たか・・・

>>161
よくやった、ガンダム
後はこの私、ハム仮面に任せておくがいい!

この私、ブシ仮面もいるぞ!

ラウラ(痛っ!)


無双するかと思ったら結構苦戦してんな
まあ確かにせっさんはあんまり天才肌じゃないからしょうがないが

しかしイノベと互角にやりあう女どもは一体何なんだ

そら黄金の鉄の塊に思いっきりビンタ食らわしたら痛い罠
むしろ良く耐えたラウラ

操縦者の意志をISに伝達するスピードが劣っているから苦戦してるんだろうな
いうなれば、刹那だけラグありで格ゲーやってるようなもの

あんまりやりすぎると作品のヘイトみたいになってしまうのと、
刹那が無敵すぎるとクロスオーバーとしてどうなのよって言う一面もあります

作品の扱いはあくまで平等でないといけないので

ラグというか、中段見えてるけどガード出来ないみたいな感じじゃない?

あと一時間ほどで今日が終わるわけだが

>>1
乙続きはいつかな?

>>173
クロス物はそのへんのさじ加減が本当に難しいよね
楽しみにしてますので頑張ってくださいな

今だに出てこないダブルオーライザー

あのスレの続きが早くも書かれてて嬉しい、乙
IS見てないけど面白そう

金属におもっきしビンタして痛いながらも敵意を晒すラウラさんマジ可愛いです

このスレを見て食わず嫌いはやめようと思いました

OO面白そうだ

超乙

さすが刹那・F(フルメタル)・セイエイだ。
なんともないぜ。

今見つけた

筆者さん今後も書いて欲しい

次はいつごろくるの

カミーユとローラならIS動かせそうだよな
性別的に

保守

純粋種だし伝達のラグさえ克服できれば指数関数的に強くなりそうな予感

まあ無双ばっかじゃつまんないし最初はこれくらいハンデあってもいいだろう

よむほ

あえて言おう、保守であると!

>>186
あとでブリッジに来いよ・・・・
久しぶりにキレちまったぜ・・・・

>>191
俺がティターンズと知ってちょっかいを出してるのか?

奪われた……奪われてしまった

せっさんのために頑張るELS可愛い

>>186
女じゃ無い!

アレルヤもオッドアイの強化兵よね

久しぶりに面白いSSだー

暴走したラウラと対話するのかな?

俺が!

俺たちが! ガンダムだ!

保守ありがとうございます

今日の夕方(4時、5時)以降には投下できると思います
ただラウラ戦までいけるかどうかは正直わかりません

>>210
待っている……待っているぞ、ガンダム!!

>>210
今日は三月三日だ。おとめ座の私の日とも言えるこの日に投下…うれしいぞ!少年!!

スクイズかと思って開いたんだがこれは

ロックオン兄弟の誕生日だな。ほっしゅ

面白いSS書きがいれば俺だって保守しますよ、>>1さん!

(こんな素晴らしいSSスレに保守する価値はあるのか……?)

>>1の視線を釘付けにする

ホーシュ

保守だ……死ぬなよ!

つくづく思うけど刹那はハーレム主人公には向かないなw
どっちかっていうと寡黙だけど頼れる先輩的な印象

刹那はハーレム系だよ

ただガンダムを好きなだけで

>>225
ガンダム一筋だからな
刹那は授業中ノートの端にエクシアとか書いてそう

ほっしゅ


ハムで書いてたらこれだもの、案外誰でも思いつくのな

アーチャーで書いてるところだったんだが
俺もコーラで書き直すか

>>230
いつ頃のコーラかによるが一期序盤のコーラなら女食いまくりだろw

>>230
アーチャーってFate?
コーラには大佐がいるからな・・・

理想郷でやれ

コーラは大佐一筋だから女性陣があたふたして面白いかなと思った

Fateのアーチャー繋がりだとアホみたいに実体剣積んでるISとか恰好いいなと思って今構想中

>>234
実体剣ならゼンガーだな

>>235
親分もいいなあ
打鉄ならちょっといじるだけでダイゼンガーになりそう

斬艦刀ぶん回すISとか胸熱

>>225
ネーナ・マリナ・フェルト・グラハム
こいつらに言い寄られてるのに華麗にスルーしてたぜ

>>238
・・・違和感を感じたと思ったけどそんなこと無かったぜ

アニメでもキャラが弱い篠ノ乃箒ちゃんをハブにしないで!
中身グラハムでいいから

むしろグラハムを出すべき
一夏より刹那のほうがいいな

養豚場ってなんぞ

こことか主な養豚場

>>243
萌え豚かトンクス

>>238
ラッセェ・・・・

刹那!ドッキングだ!

保守

ブリキの兵隊達は殺戮を

はーじーめーるー

00のガンプラってティエレンが一番出来いいよな

勝手に盛り上がって勝手に落ち込んで勝手に怒ってめんどくさい
シノノノさんはどうでもいいからオルコットちゃんを幸せにしてください

このスレに運命を感じずにはいられない

>>250
ダブルオーもなかなか
よく動くを通り越して気持ち悪い

ほしゅ

この支援と保守……これが人の心の光……
感謝の念を抱かずにはいられない

なんだっていい! 続きを投下するチャンスだうおおおおおおおおお!


 そんなわけで、一日中親の仇を見るような目で見られながら、刹那は授業をやりすごした。
 刹那がそうされるだけのことをしてきたのは、事実であるが。

 ソレスタルビーイングのガンダムマイスターとして、戦場に武力介入し。
 殺した。

 アロウズの悪逆を正すため、邪魔をする者を切り伏せ。
 殺した。

 イノベイドを相手取り、世界の歪みを断ち切るために。
 殺した。

 悪鬼の所業である。
 それから逃げるつもりは毛頭ない。憎まれて当然だ。その憎しみを、刹那は受けるべきなのだ。

 だが。

『……私は認めない。貴様があの人の‘特別'であるなど……』
『認めるものか!』

投下きた!


 ラウラ・ボーデヴィッヒの、あの物言い。
 刹那自身が原因であることは確かなようだが、
 しかし、その憎しみは刹那を特別と称した人間と言う外的要因があって始めて成立するもの。

 刹那自身を特別と言ってくれた者は、確かにいる。
 刹那に変革の意思を託した、ニール・ディランディ。
 家族として、男性として刹那を求めた、フェルト・グレイス。
 対話の末にわかえりあえた、運命の人、マリナ・イスマイール。

 思いつくのはこのあたりであるが、しかし、上に挙げたメンバーの中で、
 ラウラと関わりを持っている人間はいないと言っていい。

 故人であり、例え肉親であろうともガンダムマイスターであることを隠し通さなければならないニール・ディランディは言わずもがな、
 もしフェルトやマリナの知り合いだとしても、
 彼女らの友人――あるいは、それに順ずる関係の人物――が説明もなしに初対面の人間をひっ叩くことをするだろうか?

>>253
股割りできるんだっけ?
肘があらぬ方向に曲がってる画像なら見たことあるな


 どうにも考えがたいが、しかし、今ここで悩んでいても答えは出ない。
 本人に直接問いただす方が早いか。
 そう考えた刹那は、最後の時間割終了と同時に動き出すものの、

「…………」

 ラウラは刹那を一瞥すると、鼻を鳴らし、足音を立てることにすら何ら頓着していない様子で、つかつかと退室していった。
 呼び止める選択肢もあったが、あの敵意に満ちた瞳から推察するに、どうせ口をきいてはくれないだろう。
 無意識に気落ちしてしまった刹那に声をかけたのは、

「ねえ、刹那」
「シャルル?」
「放課後、ちょっと相手してくれる? エクシアと戦ってみたいんだ」



「じゃあ行くよ、刹那」
「ああ」

 アリーナで向かい合う、刹那とシャルル。
 青と白の二色で彩られた刹那のエクシアと、
 オレンジのカラーリングが施されたシャルルのラファール・リヴァイヴ・カスタムIIは、暖色・寒色の差により丁度良く対比になっている。

 先手を打ったのは、刹那のエクシア。
 GNドライヴの出力を頼りに、GNソードを前方へ突き出す体勢で突撃。
 それに応えるように、シャルルも刹那に吶喊。

 自然、激突。
 体を傾けることでGNソードの刺突を防いだシャルル。

 しかし、刹那の攻勢は途切れない。
 そのまま、GNソードを半回転させ、垂直に振り下ろす。
 剣の進行方向上にあるのは、シャルルの首に他ならない。

 シャルルとて、そう簡単にさせてはやらぬ。
 左腕に装着された盾を、GNソードに覆われていない刹那の腕にかち当て、上方へと押し上げる。

 GNソードごと、刹那の右腕が天を指す形になる。
 これは好機と、シャルルは右腕に握り締めた手甲で、ガラ空きの腹へ拳を叩き込む。

一期刹那と一夏って同い年か?
随分刹那幼く見えるな

>>262
刹那は栄養失調
中東の少年兵だぞ?


 だが、攻撃を凌がれることは覚悟の上。
 左腕でGNロングブレイドを抜刀し、カウンターの形で反撃を狙う。

 刹那が対策を練っていたことを悟ると、シャルルは攻撃を中止。
 スラスターを吹かし、上空へと退避。

 この機を逃すまい、GNロングブレイドを納刀し、刹那が後を追う。
 自機の後方へ刹那が食いついていることを確認すると、シャルルはシールドと手甲を収納し、五五口径アサルトライフル――――ヴェントを呼び出す。

 これこそ、シャルル・デュノアの真骨頂。
 大容量の拡張領域を活用し、リアルタイムで武器を持ち替えつつ自身の有利を保つ独自の戦法、高速切替(ラピッド・スイッチ)。
 純粋なスペックで第三世代ISに劣る、と言う短所を丸々潰せるほどの高等技術である。

 自らへ突撃してくる刹那へ銃口を向け、シャルルはアサルトライフルの引き金を絞った。
 実体弾が、まっすぐに刹那へ迫る。

 しかし、迎撃を受けることなど百も承知だ。
 刹那は敵の射角から外れるべく、GNショートブレイドを抜刀、空中で円を描くように進路を取り、シャルルの後方へ回り込む。

 そうはさせない。
 刹那を近づかせないよう、シャルルは振り返り、



 背中から、斬撃を受けた。

 何事か、と損害状況を確認すると、背中に敵機の武器が突き刺さっている。
 その正体は、先ほど刹那が抜刀したGNショートブレイド。

 GNショートブレイドを投擲してから、相手の視線を釘付けにするために大仰な軌道を描き、不意打ちを確実に成功させるための策。
 シャルルが状況把握に気を取られている隙に、刹那はシャルルに接近。

 離されていた距離を詰め、二丁のGNビームソードを手に持ち、交差させシャルルの機体へ×の字を掘り込む。

「くぅっ……!」

 攻撃を受けながら、シャルルはヴェントを刹那の胸部に密着させ、発砲。
 刹那がのけぞっている間に、バックブーストで仕切りなおしに持ち込む。


 取り出したのは、ISに適応する程度に大きさを違えたライフル。
 後方へ移動しながら、敵機進路を予測し弾幕を張る。

 刹那としても、これをくらってやるわけにはいかない。
 無規則な機動で空を駆け、確実にシャルルへ接近していく。

 目測で、十メートル。ここは、刹那の距離だ。もはや、シャルルに勝ち目はない……しかし、彼の表情に、諦めの色はない。
 むしろ、余裕の笑みでもって、刹那を迎え入れていた。
 ここまで近づけば無用の長物とばかりに、シャルルはアサルトライフルからシールドへ装備を変更。

 刹那のGNソードが、シャルルへ向かい。
 シャルルのシールドが、刹那を捉え。



 どちらも、寸止めの状態を保っていた。




「やっぱり、近距離の読み合いじゃ刹那には勝てないね。もっと練習しなきゃ」
「だが、武器の取り回しではシャルルが勝っている。今の勝負、続けていたらわからなかった」

 模擬戦を終えて、刹那とシャルルは品評会を行っていた。
 互いに感想を言い合って、悪所を発見し、正す。長所を見つけ、伸ばす。
 一人でただ基礎訓練を続けるより、ずっと効率的な方法だった。

「じゃあ、次は――――」
「ねえ、ちょっとあれ……!」
「もしかして……」

 シャルの言葉を上塗りする形で、アリーナの女生徒が好奇の声をあげた。
 それに釣られて、二人が視線を上方へ向ける。

 そこには、ISがあった。
 黒一色で固められた外部装甲、
 随所が尖った頑強なフォルム、
 巨大な後翅のごときブースター。

 操縦者は、そのISのイメージといやにマッチしていた。

 ――――ラウラ・ボーデヴィッヒ。

 その明確な敵意は未だ衰えることなく、冷たい眼光を刹那へ浴びせている。

支援

支援


「嘘、ドイツの第三世代じゃない……!」
「まだ本国でもトライアル段階だって聞いていたけど……」
「刹那・F・セイエイ……」

 野次馬をものともせず、ラウラは刹那の名を呼んだ。
 不思議と、よく通る声だった。そこに、好意的な感情は一切見受けられなかったが。

「……ラウラ・ボーデヴィッヒ」
「貴様も専用機持ちだそうだな……ならば話は早い。私と戦え」
「断る」

 高圧的なラウラの命令に、刹那は背いた。

「俺たちは、対話によってわかりあえるはずだ。
 ラウラ・ボーデヴィッヒ、お前が何故俺を厭うのかは知らない。
 だからこそ、俺たちはわかりあわなければならない。戦いではなく、対話によって」
「貴様がどう思っていようが、私には関係ない。
 ……戦え」
「……何が望みだ。
 お前はその戦いの先に、何を見出している。その果てで、何を得ようとしている」
「答えてやる義理はない」
「ならば、戦えない。戦いには理由が伴わなければならない。
 破壊するだけの戦いは、世界を歪めるだけだ」

 互いに、一歩も引かない。
 各々が、自らの意思に矜持を持っているのだ。曲げられるわけがない。


「……ならば」

 不意に、ラウラが肩のレールカノンを始動させる。
 ISには不釣合いなほどの大口径を誇る兵装の矛先が向いているのは――――怨敵、刹那・F・セイエイ。

「刹那!」

 シールドを展開し、シャルルが刹那の眼前に飛び出した。
 堅牢な城壁に阻まれ、弾丸は明後日の方向へ突き抜ける。

 拳銃の十倍はあるだろうか、まるでドラム缶のような薬きょうが、無造作に地面に転がった。

「シャルル!」
「いきなり戦いを仕掛けるなんて……ドイツの人は随分沸点が低いんだね!」

 言葉の端に怒りを滲ませながら、シャルルは引っ張り出した六一口径アサルトカノン、ガルムの銃口をラウラに突きつけた。

あれ?攻略完了したらラウラはせっさんにキスすんの?

>>272どうしよう

「フランスの第二世代型ごときで、私の前に立ち塞がるとはな」
「未だに量産化の目処が立たない、ドイツの第三世代型よりは動けるだろうからね……!」
「……」

 今度はシャルルを睨みつけ、ラウラは感情を昂らせる。
 シャルルの言はまさしく事実なのだろうが、
 敵対者に味方する者の言葉に「はいそうですか」と納得するような性格をしていないだろうことは、付き合いの短い刹那にもわかることだ。

『そこの生徒! 何をやっている!』
「……ふん。今日のところは退いてやろう」

 拡声器越しに伝えられた教員の声に、ラウラは害意を隠さないままISを解除。
 最後に刹那へ鋭い眼光を飛ばしてから、きびすを返した。


ちょっと待て
せっさんじゃシャルルの萌えイベントが見られねーじゃねーか
この朴念仁、女付き合いまじ下手だ炉


 アリーナ、更衣室。
 腑に落ちないと言った顔でベンチに腰を下ろし、刹那は深く考え込んでいた。
 その内容はもちろん、ラウラ・ボーデヴィッヒに関することである。

 個人的な怨恨があるとは言え、ラウラは刹那に向け引き金を引いた。
 ――――殺すつもりだったのである。
 あの悪感情を詰め込んだような目の中には、殺意すら混じっていたのだ。

(……あのような子供が、殺意を……)

 ソレスタルビーイングは、世界の憎まれ者だった組織。
 当然、蔑視され、石を投げられ、避難されるのが相応しい対応である。
 だがしかし、未だ十五、十六の子供が、刹那に復讐を誓っている事実は、決して認可できない話だった。

(彼女もまた、俺たちに……俺によって歪められたというのか……?)

 されど、彼女はこの‘IS世界’の人間。
 刹那が行ってきた非道を、そして救いを、彼女が知り得ているとは思えない。
 加えて、刹那の過去の行いを把握しているのは、千冬と真耶、それから学園の上層部程度である。
 生徒の一人が、そう易々と手を出せる領域ではあるまい。

せっさんは一度ネーナに不覚をとってるからわからんね

ラウラのキスってネーナのあれみたいになるの?
でも劇場版刹那か……

シャルルのイベントはグラハムが代わりにやってくれます

では、ラウラのキスはありかなしか、多数決で決めるとしよう
これから7レス内で
・別にいいよ→勝手に学び、勝手に生き、勝手に死ぬがいい
・絶対に駄目→堪忍袋の緒が切れた!絶対に許さんぞガンダム!
のどちからをレスしたまえ。私は我慢弱い。



(だとするなら、原因はこの学園に訪れてからの俺の行動……)
「刹那……大丈夫?」

 終わらない思考の連鎖を断ち切るように、同じように着替えに来たシャルルが声をかける。

「ああ……先ほどは助けられた。礼を言う」
「…………」

 刹那の言葉に、何か得心のいかない点でもあったのか、シャルルはIS用のアンダーウェアの上から上着を羽織り、

「じゃあ……僕は、先に部屋に戻るね」
「わかった」

 ぱたぱたと走り去って、廊下へと出て行く。
 何やら妙な格好だが、他人のセンスに口出しするほど、刹那は無遠慮な男ではない。

ありにきまってんだろ

勝手に学び、勝手に生き、勝手に死ぬがいい

俺がガンダムだ

あり

俺達がガンダムだ

>>1におまかせします

アリでお願いします

勝手に学び、勝手に生き、勝手に死ぬがいい

勝手に学び、勝手に生き、勝手に死ぬがいい!

まあ大して気にしないのわかりきってるしな……

結果が出たようだな。協力に感謝するぞ、フラッグファイターの諸君、そして少年!


 時分は放課後。
 寮へ戻る道を歩きながら、刹那はラウラの言動を思い返していた。

『……私は認めない。貴様があの人の‘特別'であるなど……』
『認めるものか!』

 叩かれた頬が、痛む気がする。
 彼女が抱えたあの悪意は、一体。

「答えてください教官! 何故こんなところで……!」
「何度も言わせるな。
 私には私の役目がある……それだけだ」

 聞き覚えのある声に、刹那ははっと音源を探る。
 イノベイターの空間把握能力は、常人を簡単に上回るのだ。

 秒と経たず、見つける。
 後姿でわかる、あれは千冬とラウラだろう。

 盗み聞きをすることに若干の後ろめたさを覚えないでもないが、もしこれで今の状況が改善されるなら。
 二人から死角になるような場所へ移動し、刹那は耳をそばだてた。

話に支障が出ないならあり


「こんな極東の地で、何の役目があると言うのですか!
 お願いです、教官! 我がドイツで、再びご指導を!」

 熱くなっているのか、ラウラはいつになく饒舌だ。

「ここでは貴方の能力は、半分も活かされません!」
「……ほう」
「だいたい、この学園の生徒など、教官が教えるに足る人間ではありません!
 危機感に疎く、ISをファッションか何かと勘違いしている!
 そのような者たちに、教官が時間を割かれるなど……!」
「……そこまでにしておけよ、この小娘が」
「あ…………」
「少し見ない間に、偉くなったな。
 十五歳でもう選ばれた人間気取りとは、恐れ入る」

 ヒートアップしているラウラに対して、冷めた様子で返答する千冬。
 どうやら、ラウラは千冬に対して執着があるらしい。

「わ、私は……!」
「寮に戻れ。私は忙しい」
「……くっ……!」

 ドライな千冬の言葉に、ラウラは歯を食いしばって、走り出した。 
 去っていくラウラを見ようともせず、千冬は黙ったまま正面を見つめている。
 それからやや経って、千冬は声を上げた。


「……そこの男子。盗み聞きか? 異常性癖は感心しないぞ」

 プロフェッショナルとして教育を受けた刹那の潜伏を見抜くとは、中々侮れない女傑だ。
 気づかれていたのなら仕方が無いと、刹那は素直に姿を見せる。

「……すまない」
「下らんことをしている暇があったら、自主訓練でもしろ。
 このままでは、月末のトーナメントで、初戦敗退だぞ」
「……ああ、わかっている」
「そうか。ならいい」

 刹那に一瞥をくれて、千冬は背を見せた。
 ――――いつもの覇気がない。
 きっと、ラウラとは浅からぬ縁があるのだろう。
 ならば、赤の他人である刹那が踏込むべきではない。

 千冬を見送って、刹那はもう一度寮へと足を向けた。



 ――――IS学園、寮の一棟。
 シャルルも、刹那と同じく一人一部屋である。
 男性独自の措置と取れなくもないが、シャルルと同時に生活していては、監視がやりづらくなることが要因だろう。
 いざ隠密に事を運ぶ際、同居人が居ては面倒なことになるためだ。

 扉をスライドさせ、刹那はシャルルの部屋に足を踏み入れる。

「シャルル」

 名前を呼んでも、返事はない。
 奥から聞こえてくる水音から、おそらくアリーナですませなかったシャワーを浴びているのだろう、と刹那はあたりをつけた。

 ならば、部屋で待たせてもらおう。
 肌身離さず身に着けていたぐらいなのだから、きっと大切なものなのだ。
 ならば、明日でいいや、などと適当な結論には至れなかった。

 刹那が部屋に到着してから一分と経たず、水が止む。
 きっと、シャワーを終えたのだろう。
 いくらか布擦れの音がしてから、ドアが開いた。
 ポケットから目的のものを取り出して、刹那はシャルルが出てくるのを待ち。



「……え?」
「…………」
≪……やはりか≫

 体にバスタオルを巻いただけの格好の女の子が洗面所から出てきて、しばらくの間言葉を失った。





 長い髪は束ねられておらずストレートに、白い肌に華奢な手足、
 そして女性特有の腰のくびれと、その上に位置する豊満な双丘。

 予想はしていたとは言え、まさかその通りだったとは、刹那も思わなかった。
 じろじろ見ているわけにもいかず、刹那は手近な机にオレンジ色のロケットを置くと、さかさかと退室していく。

フッ、好意を抱くよ。興味以上の対象と言う事だ

支援

紫煙

支援


「あっ、まっ、待って!」

 シャルルが、刹那を呼び止めた。
 その声は、同じ。しかし、体は違う。

 まさか、ここであなたはシャルルの妹さんですか、と問いかけるほど、刹那は間が抜けていなかった。
 何より、的を射ていたティエリアの予測のおかげで、心の準備が出来ていたのも大きい。

 さて、ティエリアは過去に女装したことがある。
 連邦主催のパーティに、赤いドレスを着用して、単身アウェーへと飛び込んだのだ。

 その時の経験が活きたのか、ティエリアはシャルルにとある疑念を抱いていた。
 彼は、性別を偽っているのではないか、と。
 違う性別の真似をするのは、なかなか難しいものである。不慣れであれば、すぐにボロが出るものだ。
 そして、ティエリアはその破綻を見逃さなかった。シャルルが撒いた種を、ティエリアは一つ残さず拾っていたのである。

 だが、性別を隠すのには相応の理由が伴うものだ。
 プライバシーに関わる問題だとしたら、刹那も強引に暴くようなことはできなかった。

やはりラブコメ的には擬似人格タイプR-35の方が良かったか…


「……すまない」
「謝らなくていいよ……隠していたのは、僕なんだから……」
「……ああ。それよりシャルル、服を……」
「えっ? あっ、わわっ!」
「……外に出ている。終わったら呼んでくれ」

 刹那は部屋の外へ出て行った。



それだと刹那でやる必要がないな

タクト君がR-35に似てる気がする

つづいてたのか

「うっはwwww女wのw子wwwマジ?wwwwマジっすか? うはwwwwパネェwwww
 って言うかぁ? 胸はぁ、どうしてたぁのぉ? どぉゆー? どぉーゆーわけぇ?
 あー、やっちゃたぁwwやっちったぁ俺ぇwwwコレデスティニー……
 マジ俺そう言うの慣れてないって言うかぁwwww俺は俺のままでいたいって言うかぁ……」
↑R-35だとこうなる


 着替え終わったらしいシャルルに呼ばれて、刹那は二つあるベッドの一つに腰かけていた。
 対面のベッドには、同じようにちょこんとシャルルが座っている。

「……答えにくかったら、黙っていて構わない。
 理由を、聞かせてもらえるか」
「……実家から、そうしろって言われて」
「実家……デュノア社か?」
「そう。僕の父はそこの社長……その人から直接の命令でね」
「…………」
「……僕はね、刹那。父の本妻の子じゃないんだよ」

 自身の罪を白状するように、シャルルはぽつりぽつりと言葉を紡いでいく。

「父とは、ずっと別々に暮らしてたんだけど……二年前に引き取られたんだ。
 そう……お母さんが亡くなった時、デュノアの家の人が迎えに来てね」
「…………」

 母。その言葉に、刹那の胸がずきりと痛んだ。

R-35って宮野さんの素らしいけどあそこまでチャラかったのか…


「それで、色々検査を受ける過程でね。
 IS適正が高いことがわかって……で、非公式ではあったけれど、テストパイロットをやることになってね。
 ……でも、父に合ったのはたったの二回だけ。話をした時間は、一時間にも満たないかな」
「…………」
「その後のことだよ……経営危機に陥ったんだ」
「デュノア社が?」

 デュノア社には、量産型ISのシェア第三位を誇る実績がある。
 そのような有名企業が、倒産の危機に晒されるなど考え難い話であった。
 それに補足するように、シャルルは続けた。

「結局、リヴァイヴは第二世代型なんだよ。
 現在ISの研究は、第三世代型の開発が主流になってるんだ。
 セシリアさんやラウラさんが転入してきたのも、そのためのデータを取る必要からだと思う。
 デュノア社(あそこ)も、第三世代型の開発に直視はしてるんだけど……なかなか形にならなくて。
 このままだと、開発許可が剥奪されてしまうんだ」
「そのための性別詐称……つまりはプロパガンダか」

 やはり、男性IS操縦者のネームバリューには多大なものがある。
 身元すら定かでない異星人を招き入れるほどなのだ、そこに純粋な人間の男性IS操縦者が現れれば、興味を引かれるのは当然であろう。

あ、そういや刹那は両親を…



「それに、同じ男子なら、日本に出現した特異ケースと接触しやすい……
 その使用機体と本人のデータも取れるかも、って」

 特異ケース。なるほど、ELSを介してISを動かす仕組みは、おそらく世界的に二つとない操縦系統である。
 加えて、GNドライヴや自由な形態移行など、他のISとは一線を画す技術がこれでもかと積み込まれているのだ。
 そう呼称されるのも、当然と言えた。

「そう、君のデータを盗んで来い、って言われてるんだよ。
 ……僕は、あの人にね」
「…………」

 この空気に耐え切れなくなったのか、シャルルは吐息をこぼして、

「……自分勝手だけど、本当のこと話したら、楽になったよ。
 ……聞いてくれてありがとう。今まで嘘をついていて、ごめん」
「気にするな、俺は気にしない。
 ……お前は、これからどうする気だ」
「どう、って……」

 シャルルは、視線を組んだ手元に落とし、

ワッフルワッフル

>気にするな、俺は気にしない。
やっぱ気に入ってんのねwww


「女だってことがばれたから、きっと、本国に呼び戻されるだろうね。
 ……後の事はわからない……良くて牢屋行きかな」
「お前は、そうしたいのか」
「…………そうしなきゃ、いけないよ」
「もう一度言う。お前は、そうしたいのか」
「…………」

 シャルルは、黙り込んだ。その沈黙は、即ち否――――否定である。

「ならば、お前はここに居ろ」
「えっ……」
「俺が黙っていればすむことだ」
「でも……」
「安心しろ。
 真実が露見しても、この学園に居る限りは、お前をどうこうすることは出来ない」
「……どうして?」
「IS学園特記事項……『本学園における生徒は、その在学中において、ありとあらゆる国家、組織、団体に帰属しない』」

 生徒手帳の内容を暗記している刹那は、文章をそらんじた。
 要約すると、IS学園に在学している間、シャルルに手を出すことは出来ないのだ。
 もっとも、その三年間に限られるが。

せっちゃんはええこやでほんまに

「期限はある……だが、その間は自由だ。三年間の中で、方法を模索すればいい」
「…………」
「……ないのなら見つける。なくても見つけ出す」

 刹那の言に、シャルロットは小さく笑った。

「それ、無茶だよ……でも、よく覚えてたね。特記事項なんて五十五個もあるのに」
「ああ……友人のおかげだ」
(ありがとう……ティエリア)
≪礼を言われることじゃない≫

 その友人とは、ティエリア・アーデのことである。
 シャルルの男装をいち早く見抜いたティエリアは、そのことに関する条項を見つけ出し、完璧に把握していたのだ。
 当のティエリア本人は、感謝されることではないとばかりのポーカーフェイスだが。

「……刹那。かばってくれて、ありがとう」
「気にするな」
「俺は気にしない……って?」
「ああ」

 刹那が微笑むのに応えるように、シャルルは、笑った。




 そこへ、

 コンコン、と、ノックの音。

「敵襲……! シャルル、ベッドへ」
「わ、わかった!」
≪……少なくとも、敵ではないと思うが≫

 体を隠すべく、流れるような動きでシャルルはベッドにもぐりこみ、布団をひっかぶる。

「デュノアさん? いらっしゃいますか?」

 ドア越しのくぐもった声の主は、セシリア・オルコットだろう。

「夕食をまだ取られていないようですけれど、お加減でも悪いのですか?
 もしお忘れでしたら、私もまだですので、一緒にどうかと思いまして……
 ……デュノアさん? 入りますわよ?」

 ゆっくりと、部屋の扉が開いた。
 それに遅れて、セシリアが部屋に入ってくる。

「あら……刹那さん? 部屋を空けていると思ったら……何をしていますの?」
「シャルルが体調を崩したようだ……アリーナの時からおかしいと思ってはいたが、どうやら風邪を引いたらしい」
「ごほっ、ごほごほっ」

 あくまでいつも通りの冷静な刹那に対し、シャルルのそれは演技過剰だ。
 内心冷や汗をたらす刹那だが、セシリアは違和感を覚えてはいない様子で、

「それはお気の毒ですわね……何かお持ちしましょうか?」
「それは俺が受け持とう。同じ男性同士だ」
「そうですか?」
「うっ、うん、僕はいいから、二人で行ってきてよ。うつしちゃったら悪いし」
「刹那さんも?」
「ああ、まだすませていない」
「では、ご一緒に……」
「了解した」

 ほぅ、とセシリアは息を漏らすと、無理にシャルルを連れて行っても悪いと言う結論に行き着いたのか、

「では、刹那さんをお連れしてもよろしいですか?」
「どっ、どうぞ、ごゆっくり」
「では、参りましょう」

 刹那の手を引いて、部屋から出て行った。



「すまない、シャルル。遅れてしまった」
「ううん、気にしないで」

 トレーを手に、刹那は再びシャルルの部屋に足を踏み入れる。
 机に置くと、シャルルは着席しながら献立を確認し、

「うっ……」

 小さくうめき声を漏らした。

「何か食べられないものでもあったか?」
「いっ、いや、大丈夫……」

 明らかに大丈夫でない震えた声で返答すると、シャルルは割り箸を手に取り、左右に割る。
 明らかに大丈夫でない割れ方をした割り箸を震えた手で持ちながら、
 明らかに大丈夫でない動きでおかずをつっつこうとして、

「……箸が苦手なのか」
「練習しては、いるんだけどね……」
「気遣いが足りなかったな。フォークをもらってくる」
「うぇっ? いや、いいよ、そんな」
「……シャルル。お前はもう少し、他人に甘えることを覚えたほうがいい。
 人を頼ることは、信頼関係の表れだ」
「…………」

 刹那の言葉に、シャルルはもじもじと体を揺らしながら口をつぐんだ。
 それから、口にしづらいのか、何度かどもりながらも、遠慮がちに、

「じゃっ、じゃあね……」
「?」
「刹那が、食べさせて」
「了解した」
「えっ? い、いいの?」
「問題は無い」

 即答した刹那は、シャルルから箸を受け取って、焼き魚をほぐしていく。
 ELSには、日本人のパイロットも取り込まれていたのだ。
 ELSは一個体にして複数個体。知識の共有も、簡単に行える。

 差し出された箸に、シャルルはゆっくりと顔を近づけた。
 そのまま口を開いて、銜えるように口に含む。
 よく噛んでから、飲み下す。

「どうだ?」
「うん、美味しいよ」
「次は何がいい?」
「ごはんがいい、かな」

 シャルルの答えに、刹那は器用に箸を操る。
 何の苦もなく白米を挟むと、シャルルに向け運んでやる。
 シャルルが口の中へ食物を迎え入れる時、唇の横に米粒がついたようだ。

「シャルル、ご飯粒が付いていている」
「えっと……取って?」
「わかった」

 手で、そっとシャルルの頬に触れる。
 そのまま、逡巡する様子もなしに、刹那は指を銜え、米粒を自身の口内へ招き入れる。

日本に潜伏してたんだから箸普通につかえるんじゃね?

>>318
あっ


「あ……」
「どうした?」
「うっ、ううん、なんでもない……」

 何やら顔を赤らめるシャルルに、刹那は、ああそういうことかと納得しつつも、作業を続けた。

(……餌付けのようだな)
≪…………≫

 全くデリカシーのない思考に、ティエリアは思わず閉口する。
 この男、実年齢は七十三歳。思春期を戦場で過ごしたことで、その翼は存分に殺されていたのであった。



♪~思春期を殺した少年の翼

思春期を殺したわけだな少年は

がしかし刹那は少年兵だ
女の二三人は…


 日が沈み、月が顔を出す頃。
 アリーナの二階に上り、ラウラは一人空を眺めていた。

「教官……貴方の完全無比な強さこそ、私の目標であり、存在理由……」

 その言葉は、彼女の教官――――即ち千冬へと宛てたものである。
 だがしかし、この場に千冬の姿は見えない。

「刹那・F・セイエイ……いや、ガンダム……!」 

 呟く、憎むべき男の名前。
 歯噛みしながら、ラウラは後頭部へ手を回し、アイパッチを外す。

「……教官に汚点を与えた張本人……排除する」

 外気に晒される、瞳。
 闇夜を拒む、金の虹彩。
 イノベイターと、同じ色の。

「どのような手段を使ってでも……!」

 ラウラは、月夜に咆えた。



なんとォ!?

ラウラは元からそんな色だったよーな

汚点あたえてないよね?

勘違いしちゃうボーデビッヒちゃん^ω^ペロペロ

あれ、おっぱいイベントはなしでつか

刹那・F・セイエイ×
ガンダム〇

盛り上がってまいりました

ダメだこの男…早くなんとかしないと…


 一日が経っての放課後、肩を並べて刹那とシャルルは廊下を歩いていた。

「刹那、今日も特訓、するよね?」
「ああ。努力を怠れば、いずれ結果に現れてくる」
「第三アリーナで、代表候補生三人が模擬戦やってるって!」

 そこに、突然飛び込んでくる報せ。
 耳を疑うようなその話の真偽を、確かめる必要があった。 

「刹那」
「ああ、急ぐぞ」




 第三アリーナの観覧席に到着した二名は、目に飛び込んできた光景に、目を疑った。
 ISを装着したセシリアと鈴音が、一機のISの前で倒れ伏しているのだ。
 その黒い装甲は――――

「シュヴァルツェア・レーゲン……! ラウラ・ボーデヴィッヒか……!」

 状況証拠は、これでもかと言わんばかりに揃っていた。
 もはや、疑う余地も無い。

 満身創痍の状態ながら、連結させた双天牙月を杖に鈴音が立ち上がる。
 直後、甲龍の肩に設置された穴から、目に見えぬ衝撃が発射された。

「無駄だ。このシュヴァルツェア・レーゲンの、停止結界の前ではな!」

 口端を吊り上げ、ラウラは嘲笑と共に宣言。
 そのまま、ISの装甲に覆われた右腕を掲げる。
 虹色の膜がラウラの腕を中心に広がって行き、そこに接触した砲弾が爆ぜる。
 ラウラの眼前、三十センチ程前で、甲龍の取っておきは玉砕したのだ。

(GNフィールドではない……! あれは……!)
「AICだ……!」
「AIC?」

 聞きなれぬ単語を、刹那は聞き返す。
 一度頷いてから、シャルルは口を開いた。

「シュヴァルツェア・レーゲンの第三世代兵器、アクティブ・イナーシャル・キャンセラー……慣性停止能力だよ」


 ――――慣性停止能力。
 刹那には馴染みのない機能であるが、その名前から、大体の程度は知れた。
 おそらくは、シールドエネルギーを利用して力場を作成、その空間に接した物体の慣性を停止させてしまう能力。
 ビームであろうと実弾であろうと無効化できる、無敵の盾であろう。

 その城壁を貫く、あるいは迂回しない限り、勝ち目は無い。
 ならば、直線的な攻撃しか行えぬ甲龍では、相性の悪い相手と言えた。

 直接剣を交えた鈴音は、とっくにそのからくりに気づいているのだろう。
 打開策を練るべく、衝撃砲を低出力で連射。牽制しつつ、距離を取る。

 だが、それもラウラの予想の上。
 肩部装甲から分離したのは、小さな矢じりのような鋼鉄――――ペンデュラム。
 ワイヤー代わりに形を持ったエネルギーで肩と繋がったそれは、四つ共空中の鈴音を追う。

 鈴音も必死にかわしているが、ISの巨体で人間の手のひら大のそれを避け続けるのに無理が来た。
 右足へ、ヘビのごとくしなったワイヤーが巻きつけられる。

「ふん。この程度の仕上がりで第三世代兵器とは、笑わせる」

 戦闘ではなく、狩猟でもしているかのように力を抜いているラウラは、嘲りを含んだ笑いを投げかけた。

>>1は(今さらだけど)どこまで書きますか?
シャルルとお風呂のあたり?

>>334
このスレでどこまで進むか、と言う意味合いならラウラの嫁宣言(放送済みの話)まで、
今日中にどこまで進むか、と言う意味合いなら予定は未定です。



 しかし、一方もやられてばかりではない。

 その慢心を突くように、ビット、ブルー・ティアーズがシュヴァルツェア・レーゲンを囲う。
 一基一基に仕掛けられた銃口から、青白い閃光が放たれる。

 その攻撃すら見抜いていたのか、ラウラは地面を滑るように疾走。
 勢いを保ったまま、慣性を殺さずに上空へと移動する。

 ビームで追いきれぬのなら、誘導する兵器を使えばいい。
 そう考えたセシリアは、ブルー・ティアーズの腰に備え付けられた二基のミサイルを撃つ。

 自身を追跡するミサイルから逃れるべく、ラウラは大仰な軌道を描く。
 それこそ、セシリアの狙いであった。

 ラウラの移動先へ、ビットを待機させておいたのである。
 その事実を把握したラウラは、AICを起動。
 ビットの動きを止め、直撃を避ける。

「動きが止まりましたわね!」

 ライフルを構えながら、セシリアは告げた。
 そう、AICは多大な消耗をもたらす。高速で移動しながら使用できるものではないのだ。

 だが、ラウラがその弱点を補えないはずもなし。

「ふん。貴様もな」

 余裕の笑みを顔に貼り付けながら、ラウラはISに指示を下す。
 シュヴァルツェア・レーゲンの肩部装甲が、今度は横へスライド。
 刹那へ向け撃った、大型のレールカノンをセシリアへ放つ。

 スターライトmkⅢの光弾と、レールカノンの電磁弾がぶつかり合う。
 爆音と閃光に感覚を奪われつつ、ラウラはワイヤーを操作。
 その先にくくりつけられた甲龍が、釣られて動き。

 セシリアのブルー・ティアーズと激突、両者共々地面へ叩きつけられる。

 無様に転がる二機へ、ラウラは余裕の笑いを浮かべたまま接近。
 三メートルほどに距離を詰める。
 上空から見下ろしつつ、再びレールカノンを突きつけた。

 諦めるものか。
 鈴音が、衝撃砲へエネルギーを集め始める。

「甘いな。この状況でウェイトのある空間圧兵器を使うとは……」

 淡々と言葉を紡ぎながらも、ラウラはレールカノンの射撃準備を整えた。
 後はトリガーを引けば、二人まとめて始末できるだろう。

支援

ラウラは何かの勘違いで刹那を恨んでいるのか



 だが、そうはいかない。
 その油断を活かし、セシリアが再びミサイルの発射口をラウラに向けた。

 ラウラの顔が、驚愕に染まる。
 しかし、逃げられぬ。

 この間合いで外すものか、セシリアはミサイルを撃ち出した。





 爆炎の中から、二人が姿を現す。
 手ひどい損傷を受けてはいるが、動けないほどではないようだ。

「この至近距離でミサイルだなんて……無茶するわねあんた」
「苦情は後で。でも、これなら確実にダメージは……」

 セシリアの言葉が、途切れた。
 吹いた風で、砂埃が掻き消える。
 その中から悠然と出現したシュヴァルツェア・レーゲンには、傷一つついていなかったのだ。

「……終わりか?」

 涼しい顔で、ラウラは手を組みながら問いかけた。

「ならば、私の番だ」

 肩部装甲が、パージ。
 ペンデュラムが、四つ、一斉に行動を開始する。

 そのうちの半数は、牽制。
 セシリアと鈴音の行動範囲を狭め、


 本命が、それぞれの首に巻きついた。

 ISのシールドを削るそれではなく、物理的な攻撃。
 呼吸をすることすらままならず、二人の動きが鈍る。

 それを、ラウラは見逃さない。
 急速で接近すると、両者に向け拳と蹴りの乱打を叩き込む。

 鈴音へ、加減の一切無い右ストレート。
 セシリアへ、サッカーボールを飛ばすような蹴り。

 軽量な機体故か、その一撃で転倒したセシリアを一度捨て置き、
 未だ倒れぬ鈴音へと左右のジャブ、右のアッパー、とどめとばかりにハイキック。


 苦悶の表情を見せる二人の機体の装甲が崩れ、それに合わせて赤枠の警告文がポップする。

 ――――警告
 ――――生命維持警告域通過

「ひどい……! あれじゃ、二人が……!」

 凄惨なその光景を目の当たりにして、シャルルが悲痛な声を上げる。
 確かに、客観的に見れば、あれはまさしく虐殺であった。
 圧倒的な暴力で、一方的に弱者をいたぶっている。

(同じだ……あの時と……)

 刹那の記憶が、よみがえった。
 彼が少年兵だった頃は、まさしく弱肉強食の世であったのだ。
 他人を謀り、裏切り、殺し、奪った。
 何かを得るために、何かを犠牲にして、生きてきた。

 その時と、同じだ。
 複数人で徒党を組み、殺す。
 弱者を狙い、なぶる。
 命乞いなど聞かず、悲鳴は無視して、罪悪感を飲み込み、奪いつくす。


 ならば、刹那・F・セイエイは何だ?
 何のために生きている? 刹那・F・セイエイが、成さなければならないことは?
 ――――世界の歪みを、断つことだ。

支援

せっ△


「エクシアを出す」
「刹那!?」
「シャルル、お前はここで待っていろ」

 シャルルに言い含め、刹那はISを展開。
 瞬きの間に、装着を終えた。

 観覧席とアリーナの間には、シールドが張ってある。
 エクシアの出力をもってすれば突破は可能だが、そうしては後々自らの首を絞めかねない。

(ティエリア、ここからアリーナへの最短経路は?)
≪今表示する。……これだ≫

 ティエリアの言葉に遅れて、モニターに地図が表示される。
 元々同じ施設内だ、出入り口の間隔はそう長くない。
 マップを頼りに非常用の避難口を渡れば、時間の短縮が図れるはずだ。

 GNドライヴから、粒子が噴出する。
 異常なまでの加速力で、刹那はアリーナ内を駆け抜けた。


支援させて頂こう!


 愉悦の笑みのまま、ラウラは右腕を振り上げる。
 その進路上にあるのは、鈴音の頭だ。
 この手を振り下ろせば、どうなるだろうか。
 そんなこと、ラウラはとうに承知している。


 だから、やる。
 渾身の力で、ラウラは拳を振るい――――



 かけて、横殴りに吹き飛ばされた。

「目標地点に到着。
 ……エクシア、武力介入を開始する」

 登場したのは、白と青の機体、ガンダムエクシア。
 武力で紛争を根絶するべく、この戦場に立ち入ったのだ。

支援


「ラウラ・ボーデヴィッヒ……何故、このような真似をした」
「二度も言わせるな。答えてやる義理などない」
「何故俺を憎む? その理由は何だ」
「貴様の脳は腐っているのか?」
「…………」
≪刹那、時間を稼ぐんだ。しばらくすれば教員が来る≫
(了解)
「……対話をする意思はないのか」
「くどい」
「俺たちは同じ人間……わかりあえるはずだ」
「貴様とわかりあう気は毛頭ない」

 答えながら、ラウラはレールカノンの銃口を刹那に向けた。
 一寸の間を作り、電磁砲弾が刹那に迫る。

 いかに弾速に優れようと、所詮は単発の直線。
 刹那が、それに当たる道理はない。
 足を後ろに引き、体をひねる。
 その最低限の動作で、刹那は敵弾を回避した。

 やはり、戦うほか無い。時間を稼ぐだけの消極的な戦いだが、やる以外に道は無いのだ。
 刹那はGNソードでラウラを狙い、ライフルモードでビームをばら撒く。

 ラウラとて、代表候補生。
 当てる気のない射撃に当たってやるほど、お人よしでもなければ、判断力が欠如してもいない。

>>1
なんという僥倖!生き恥を晒した甲斐があったというものだ!!

それでこそガンダムマイスターだ!

いくら代表候補生とはいえ人殺したら豚箱行きだろ


 全弾をいなすと、ラウラはペンデュラムを刹那に伸ばす。
 先ほど目にした以上、刹那からすれば初見の武器ではない。

 下手に退避しようともせず、刹那は前進。
 四本のペンデュラムを避け、ラウラへ高速で接近する。

「直線的な行動だな……愚か者が」

 ラウラは鼻で笑うと、自身の正面へAICで力場を張った。
 そこへ、刹那が突っ込んでくる。GNソードの切っ先が、慣性停止空間へ刺し込まれる。

 途端、止まった。
 ラウラを両断するはずだったGNソードは、作り物の石膏のように固まってしまう。

「やはり敵ではないな……! この私とシュヴァルツェア・レーゲンの前では、有象無象の一つでしかない……!」

 憎しみを露にしながら、ラウラは咆える。

「消えろ!」

 硬直した刹那に、レールカノンから弾丸が放たれる――――

トランザム!!

「刹那、離れて!」

 直前、ラウラに降り注ぐ、実弾の雨。
 空中から降下してきているのは、両手にアサルトライフルを携えた山吹色のIS――――シャルル・デュノアのラファール・リヴァイヴ・カスタムⅡ。

 鳴り止まぬ銃声に、ラウラは刹那への攻撃を中断、上空を見上げ、対処を迫られる。

「雑魚が……!」

 苛立たしげに吐き捨てて、ラウラはレールカノンの照準を設定し直した。

「シャルル!」
『刹那! 二人を!』
「……了解!」

 口から出ようとする静止の言葉を飲み込み、刹那はセシリアと鈴音を回収に向かう。
 接近戦以外では選択肢の潰れるエクシアより、手数や手札で勝るラファール・リヴァイヴ・カスタムⅡの方が適任だ。

 ならば、優秀な加速力を持つエクシアは負傷者の救助に回るべきである。
 ISが強制解除されたらしい二人を脇に抱え、刹那はアリーナの出口へ急ぐ。

 逃がすものか、とラウラが刹那を狙うが、シャルルの妨害を受け、サイトが定められない。
 その間に刹那は出口へ抜け、保健室へと駆ける。

 保険医に二人を預け、刹那は全速力で来た道を引き返す。


今見返したらなんか日本語おかしい


 その機動性により、ISの戦闘は非常に高速だ。
 数分の攻防で決着がつくことも、珍しくはない。

「面白い……世代差と言うものを見せ付けてやろう」

 シャルルの左腕に巻き付けたペンデュラムを引き寄せながら、ラウラは嗜虐性を含んだ笑みを見せる。
 いかに限界までカスタムが施されていても、シャルルのISは旧式。
 旧世代機と最新鋭機では、有利不利の差が生まれて当然であった。

 最後の抵抗として、シャルルは右腕のアサルトライフルを乱射する。
 事も無げに、ラウラは同じ右腕をかざし、AICを使用。
 弾丸の慣性を奪うことで、自らへ襲い来る脅威を払いのけた。

 奮戦もむなしく、シャルルは少しずつラウラに引っ張られる。
 シュヴァルツェア・レーゲンの左腕に仕込まれたビームブレードが、その刀身を一際輝かせた。

「行くぞ!」

 凶刃が、シャルルに迫る。
 丁度その場に立ち会った刹那は、GNショートブレイドを抜刀し、

 視界の端に、黒い影を捉えた。


だれか前スレdatくれよ



すいません、卑しい私めに下さいお願いします

>>357
刹那「IS?」 - SSまとめ速報
(http://raicho.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1298877202/)

ISの性能の差が、勝敗を分かつ絶対条件ではないさ !

>>357
datじゃないけど…
ttp://blog.livedoor.jp/minnanohimatubushi/archives/1619201.html

>>358
スレ落ちしてるんよ

>>360
ありがえてぇ・・・ありがてぇ・・・

 甲高い金属音が、アリーナに反響する。
 その音の主は、シュヴァルツェア・レーゲンのビームブレードと――――


 織斑千冬の持つ、IS用の巨大な実体剣であった。

「教官……!?」
「やれやれ、これからガキの相手は疲れる」

 生身で、ISと打ち合ったと言うのか。
 ISを装備した人間とそうでない人間の能力には、雲泥の差が生まれる。
 その道理を、千冬はこじ開けていた。
 ――――規格外すぎる、豪腕である。

「模擬戦をやるのは構わん。だが、生徒の命が危険に晒されるような事態になられては、教師として黙認しかねる。
 ……この戦いの決着は、学年別トーナメントでつけてもらおうか」
「教官がそうおっしゃるなら」

 千冬の言葉に、ラウラは素直に従った。
 ISを解除し、これ以上危害を加えないと言うことをアピールする。

「セイエイ、デュノア。お前達もそれでいいな」
「……問題は無い」
「……僕も、それで構いません」
「では、学年別トーナメントまで、私闘の一切を禁止する! 解散!」

 この場で最も強い人間の命令に、他の者はただ従うしかなかった。


しのののさんいないけどラウラのペア誰になるんだ?

星5つのSSは任せますよ、Mr.ホシュドー

>>363
彼女に名前などない……そういう運命なのだ!!

>>363
ネタバレになるけどただのモブ
残念ながらブシドーは出ません。念のため。個人的には出したいけどね。


「別に、助けてくれなくてよかったのに……」
「……あのまま続けていれば、勝ってましたわ」

 医務室に放り込まれ、包帯を身につけた状態でベッドに寝ている二人のビッグマウスに、刹那は思わず閉口した。
 先の勝負の結果は、誰の目にも明らかだ。二体一であるにも関わらず、ラウラはノーダメージで多勢を圧倒している。

「二人とも無理しちゃってぇ」

 かと言って、ここで事実を突きつけるのも酷だと思ったのだろう、シャルルは冗談半分に笑顔を飛ばしつつ、
 二人にカップを渡していく。

「……何故、ラウラ・ボーデヴィッヒと戦闘を行っていた」

 いつも通りの低いトーンのまま、刹那が二人に問いかける。
 鈴音は未だ納得がいっていない様子でふくれっ面を晒し、
 セシリアはバツが悪そうに、シーツで手慰みをした。

「あいつが挑発してきたからよ」
「ま、まあ、何と言いますか、女のプライドを侮辱されたから……ですわね」

 やはり、あのトゲトゲしい物言いが原因か。
 刹那だけでなく、周囲の人間全てに、あの敵対心を向けているのだろうか。
 その中でも、刹那が飛びぬけているのだろうが。

 しかし、刹那からすれば戦闘など望ましくないが、その要因の一つにラウラが入っている以上、大きな声では言えないことだった。
 取り付く島もないのだから、対話の場にすら持ち込めない。

 ならばどうするか、頭を悩ませる刹那の意識を浮上させたのは、地震の様な振動だった。
 がだん、と乱暴に扉が開かれ、数え切れないほどの数の女子生徒が、保健室に乱入してくる。

 彼女らの手には、一様にA4サイズの用紙が握られていた。
 押し付けられたうちの一枚を手に取り、刹那とシャルルはそれぞれ文章に目を通す。

『今月開催する学年別トーナメントでは、より実践的な模擬戦闘を行うため、二人組みでの参加を必須とする。
 なお、ペアが出来なかった者は、抽選により選ばれた生徒同士で組むものとする
 締め切りは――――』
「とにかく! あたしと組もう、セイエイ君!」
「あたしと組んで、デュノア君~!」

 何やら嵐の様にやって来て嵐のように要求をする女子生徒に、シャルルはほとほと辟易した様子だ。
 その彼――――彼女からアイコンタクトを受け取り、刹那は頷いた。

「ごっ、ごめん、僕刹那と組むから……」

 シャルルの鶴の一声が響き、女子生徒はぞろぞろと撤収していく。

「まあ、そう言うことなら……」
「まあ、他の女子と組まれるよりはいいしね~」
「男同士って言うのも絵になるし……」

 聞き逃せぬに聞き逃せぬ発言を耳にしたが、刹那はそれを流すことにした。

私を差し置いて逢瀬とは……水臭いぞ、少年!!


「ごめんね、刹那……」
「問題は無い。……戦果を期待する」

 しょぼくれた様子で謝ってくるシャルルに、刹那は気にするなと返答する。
 その様を呆然と見つめていた二人は、怪我をしているにも関わらず、声を張り上げた。

「ええっ!? ちょっと、この調子で組まれたんじゃ強い奴がいなくなっちゃうじゃない!」
「刹那さん、クラスメイトとしてここは私が――――」
「ダメですよ」

 保健室に足を踏み入れながら二人を制したのは、真耶だった。

 カルテを片手に、

「お二人のIS、ダメージレベルがCを越えています。
 トーナメント参加は許可できません」
「そんな……! あたし、充分戦えます!」
「私も納得できませんわ!」
「ダメと言ったらダメです。当分は修復に専念しないと、後々、重大な欠陥が生じますよ」

 珍しく語気を強めた真耶に、二人して口をつぐむ。
 自分の状態を把握できるのは自分自身だ。その事実は、自ら理解しているのだろう。

「…………」
「…………」

 ショックも大きいはずだ。
 下手に声はかけられない。

 刹那は真耶の横を通り、保健室を後にする。
 シャルルもそれに気づいて、小走りで後についた。


00シエンタ

シャルルが喋り始めるとティエリアの立つ瀬がない


 寮への道を、とぼとぼと歩く。
 ラウラ・ボーデヴィッヒの、暴虐。あの行動を引き起こした一因として、刹那の名が並ぶのは避けられないだろう。
 ……また、刹那は誰かを傷つけてしまった。間接的であれど、そこに罪悪感を覚えずにはいられない。
 心なしか影をまとった刹那に、シャルルは上ずった声をかけた。

「あ、あのね、刹那」
「シャルル?」

 歩調を速めて、刹那の隣に並ぶ。
 一度目が合って、シャルルは足元へ視線を落とした。

「遅くなっちゃったけど……助けてくれて、ありがとう」

 保健室での、トーナメントペアのことか。
 口元を緩めているシャルルに、刹那は自然な態度で告げる。

「誰かとペアを組むことで、女性であることが発覚する恐れもあった。
 ……加えて、俺はシャルルを信頼している。
 パートナーとしては、申し分ない」
「うえぇっ!? あっ、ありがとう、刹那……」
「ああ」

 こくりと頷いて、刹那は再びシャルルを見やる。

会場でバーストしたら裸だらけになっちゃう?

出したいなら出しちゃえば良いじゃない

生身でISで渡り合う教官がいるなら(ry

「やれやれ、これからガキの相手は疲れる」←「だ」抜けてね?
気になっただけで揚げ足取るつもりは無いんだが

君の圧倒的な性能に私は心を奪われた。この行動、まさしく支援だ!!
だが支援を超越すれば、それは憎しみとなる!

>>375
あっ
俺の……俺のミスだああああああああああああ


「……二人の時は、自分を偽らなくてもいい」
「えっ?」
「性別のことだ。強要するつもりはないが」

 己の気持ちを抑えねばならないつらさを、刹那は知っている。
 不自由ながらにもがいた少年兵時代、刹那は窮屈な世界で過ごしていたのだ。

 そのことをつつかれても特別不快な念を抱いたりはしないのか、シャルルは自然な態度で言った。

「でも、ここに来る前に、正体がばれないように、って徹底的に男子の仕草や言葉づかいを覚えさせられたから……
 すぐには、直らないと思う」
「……そうか」
「でも、刹那が気になるなら……二人きりの時だけでも、女の子っぽく話せるように、頑張るけど」

 頬を紅潮させつつ、シャルルの視線が再び足元へ向かう。

「いや、無理をする必要はない。自分が楽な方でいい」
「そう……かな」
「信じられないもののための戦いは、己を歪ませるだけだ。……仮面は、いずれ壊れる」

 やや抽象的な刹那の言葉を、よくよく考えながら、シャルルは飲み込んでいく。
 要するに、自分のしたいようにしろ、と、刹那はそう言っているのだ。
 そうしなければ、自分の中の何かを見失ってしまう、とも。

なんでせっさんはこんなに詩人なの


「気負いすぎる必要はない。
 ……お前は人とわかりあえるはずだ。お前を必要とする人間は、この世界にも必ずいる。
 ……少なくとも、俺がそうであるように」
「…………」
「シャルル?」
「……ありがとう、刹那。すごく、嬉しいよ」

 ――――今の、台詞。
 シャルルは、はじめて、自分が誰かに必要とされた気がした。
 彼女は、妾の子供である。どのような扱いを受けてきたかは、想像に難くない。
 ……率直に言えば、シャルルは望まれていない子供だった。

 IS学園に編入してからは、まあちやほやされていたものの、それは‘男性IS操縦者'と言う希少価値から来るものに過ぎない。
 そもそも、シャルルは男性ではない。性別を隠しての入学は、父の命令によるものである。
 そうして父がシャルルを動かしたのも、不要であったシャルルを実験台として利用し、たまたまIS適正があると発覚したからである。
 結局、シャルルの存在意義は、彼女と言う容器に張られたラベルとイコールなのだ。
 自身を認め、その存在を受け止めてくる人間を、シャルルは母以外に知らなかった。

 だが、刹那は違ったのだ。
 少し無骨なところもあるけれど、彼はとても優しい人だった。
 シャルルが女性であると知ってもなお、刹那は変わらずに、ただシャルルと言う一人の人間を見つめていた。

>>377
ドンマイ

ハム仮面の仮面は最初から壊れてたね

この環境で刹那さんも成長してラブコメの主人公みたいになっていくのか
胸熱

仮面は破られるってガラハムのことか?

>>378
乙女座の私に影響を受けたとみた!

どんどんメアリ臭が強くなっている……
しかし多少強引でなければ、SSは作れません

 生まれや性別、人種や肌の色で、刹那は他人を差別しない。
 対話の上では、そんなレッテルに意味などないからだ。
 わかり合い、分かち合い、未来へ進んでいく。手を取り合う理由は、銃を向ける理由よりも大きい。

 だから、刹那はシャルルを拒まなかった。
 その心根にある優しさに気づき、ただ人間同士として接していた。
 だから、刹那はシャルルを求める。彼女とならば、分かり合えるはずだから。
 他人を気遣える優しさが、いずれ世界の平和を成すとわかっているから。


ト裸ンザム!!
※画像はイメージです※



 学年別トーナメント、当日。
 会場であるアリーナの観覧席に、これでもかと言うほどに人が詰め掛けている。
 その上、二階には前回にはなかった新しい席が用意されていた。
 つくりはシンプルながらも、各部が凝ってあるそれは、素人目にもなかなかの品であることが見て取れる。

 その様子を更衣室のモニターで眺めながら、刹那はシャルルの準備を待っていた。

「……来賓席か」
「うん。三年にはスカウト、二年には一年間の成果の確認に、それぞれ人が来ているからね」

 着替えを終えたらしいシャルルが、部屋の奥から出てくる。

≪ここで優勝すれば、実質学年最強に等しい名誉が与えられる。
 油断はするなよ、刹那≫
(了解した)

 ティエリアからの念押しを受け、刹那は決意を固めた。
 戦いを好まない刹那だが、帰還のためだ。仕方が無い。
 それに、何より。


(ラウラ・ボーデヴィッヒは必ず勝ち上がってくる……)

 ドイツの代表候補生、ラウラ・ボーデヴィッヒ。
 彼女の真意は、未だ汲み取れていない。
 この戦いで、何かわかることがあれば。刹那はそう願った。

「組み合わせが、決まったみたいだね」

 シャルルの声に、刹那は思考を切り上げ、電光掲示板に目をやる。
 一回戦、刹那たちの隣に並んだ相手、飛び込んできた名前は――――




「ラウラ・ボーデヴィッヒ……!」


メアリも何も元からメタルせっさんのスペックは高すぎるからな

今日中にはまず終わらない……

ごめんなさい明日に持ち越しになるかもしれません

その旨を良しとする

宣誓しよう、私はもしもしを駆ってこのスレを支援すると。

あの男……このスレを保守してくれると言うのか……?

助かります、本当にありがとうございます



と思ったら今日はISの放送日ではないか
これは、おまけ代わりに買出し話をやる他ないと言うことか……!

テコ入れ回らしいね

上げるで

シャルとのお風呂イベントwktk

私は我慢弱く、落ち着きのない男だ
だが、生き恥を晒してでも保守するのはやぶさかではない

保守と言ったはずだっ!!

人類の命運をかけた、保守の始まり!!

>>1は結局今日は続きを投下しないということか?

追いついた、追いついたぞガンダムゥウウウウウウウウウウ!!!

>>1

全機、保守ブラスト!!

パトリック・コーラサワーさんまだ?

時系列的にはパトリック・マネキンさんか

>>1

今日の話も書いてくれるかな?

ニコニコだったかな?
グラハムがISに介入する奴があったな

ISの戦闘って行儀良いよね
ハレルヤの戦闘見たいな荒々しいの見てみたい

実況するつもりはないけどISハジマタ

ギンガナムのスレがこの時間なのに50分持たんかった

保守時間目安は当てにならんかも知らん

ラウラがギャグやっててびっくりしたわwwwキャラちがうwww

イベントの再現しやすさでも考えるか……

頼む、できれば今日の話も書いてくれ!

>>411
貴様!これ以上少年に負担をかけようというなら、堪忍袋の緒が切れるぞ!

>>412
私たちは我慢弱く、落ち着きがないんでね!
あのような話をみてしまったら、こちらでの展開も期待してしまうのだよ!

楽しみにしていた部分がカットされていた時の悲しみといったら

だがアニメに追いついたら続いても週一更新という可能性も……我慢弱い我々には辛すぎるぞ!!

>>1の圧倒的な文章に私は心を奪われた…この気持ち、まさしく愛だ!!

このスレハム公いすぎw

保守したいな!ガンダム!

刹那がラウラの機体に触ったらELSの能力でAICを使えるようになったりするの?

今日は30分感覚ぽいな

保守したいな!ガンダム!

↑ここまでグラハム
↓ここからグラハム

俺がグラ公だ

このスレは歪んでいる・・・

そうしたのは君だ!

俺が

俺達が

ガンダムだ!

ho

あえて言おう。保守だ!

ほう

メアリって?

ここは保守する!
梃子でも動かん!

>>434
ggr


作者の贔屓によって特定のキャラクターが過剰に持ち上げられ優遇されること

ガンダム00は観た事あってISは未見だけど面白い
バトル物が好きなんだがIS本編も楽しめるかな?

>>437
ISは頭空っぽにして見れるハーレムアニメだよ
バトルシーンはよく動くよ

>>434
メアリー・スーでググれ

ISはまじめに見るアニメじゃないよ、バトルはそれなりだけど細かい設定考証とか皆無に等しいから
俺はセシリアを愛でるアニメと認識してる。一夏がもうちょいしっかりしてくれりゃな……

とりあえずオープニングだけ観たがISが意外とダサいなw
エイリアン2とかのパワードアーマーがもっとスマートにかっこ良くなったのを想像してた

視聴するか迷うな

颯爽登場! 銀河>>1

保守ありがとうございます
とりあえず今日は嫁宣言まで進めたいと思います
投下は前回と同じく夕方以降になりそうです

昨日(今日)放送した分は録画したまままだ見ていないので、視聴してからやるかどうか決めます

あとラッキースケベイベントは大体回避することになります ご了承ください

>>443
綺羅保守☆

保守

ところがギッチョン

ギッチョンチョン

保守とカキコの融合だぜぇぇえ!

夕方までの水先案内人は、このグラハム・エーカーが引き受けた!

その保守を良しとするッ!!

保守ブレイヴス隊、スタンドマニューバと同時に散開!

これは死ではない!
人類が保守るための…!

夕方っていつですか

16~

ガデラーザ、デカルトシャーマン、保守をする!

これは保守ではない!すでに彼らは・・・

保守ありがとうございます

投下します

ktkr

待っていたぞ少年!

まちかねたぞおおおおおおおおおおおおおお


気持ちせっさんを強くしました


 試合開始前、選手はアリーナの中心で待機することになる。
 そこに、刹那たちはいた。
 当然、向かい合う敵手は――――ラウラ・ボーデヴィッヒ。

「一戦目で当たるとはな……待つ手間が省けたと言うものだ」
「…………」

 確かに、一回戦で当たれたのは幸運ではあった。
 先の模擬戦闘を見るに、ラウラの実力は本物である。
 加えて、あの攻撃性だ。大会と言う空気も相まって、生徒達も危機感が薄れている。死人が出かねない。
 それを阻止できたのは、不幸中の幸いであった。

 ラウラと刹那、シャルルの視線が交差する。
 そして、一人尋常でない疎外感と場違い感に苛まれている女子生徒は、涙目になりながらも敵意に耐えていた。

箒さんの代わりカワイソス


 そんな連中をよそに、カウントダウンが開始される。
 ――――3。

「……ラウラ・ボーデヴィッヒの相手は俺がする」
「えっ、でも……」

 ――――2。

「勝算は有る。もう一人を頼む」

 ――――1。

「……わかった。でも、無理はしないでね」

 ――――0。


 電子音の音階が高くなり、それに合わせ、刹那とラウラはお互いに向け突撃。

待ちわびたぞ!ガンダム!


「叩きのめす!」
「駆逐する!」

 エクシアのGNソードが、太陽光を反射してきらめいた。
 その鋭い刃が、ラウラの喉仏へ迫る。
 急所へ直撃すれば、たちまちシールドゲージは空になるだろう。

 だが、そんなことはラウラとて百も承知だ。
 予定調和とばかりに右腕をかざし、AICを起動。

 進路上に展開されたそれへ、GNソードが突き刺さる。
 慣性を失い、エクシアの動きが止まった。

「開幕直後の先制攻撃か……分かりやすいな」

 ラウラが、口端を吊り上げる。
 ――――馬鹿が。
 口に出さずそう告げると、シュヴァルツェア・レーゲンのレールカノンが稼動。
 フレキシブルに動かせるためか、その巨大な砲身を自在に操り、刹那へ銃口を押し付ける。

 エネルギーが充填され、レールカノンが放たれた。


何と言う僥倖! 生き恥を晒した甲斐があったというもの!

待っていたぞぉ!ガンダム!!



 刹那とて、AICの特性は把握している。
 右腕のGNソードを、刹那は躊躇なく‘取り外した’。

 そのまま地面を蹴り、空中へと舞い上がる。
 AIC力場に進入していたのは、GNソードの先端。
 その部位を外すことで、AIC力場から抜け出したのである。
 前回の戦闘で、有効範囲を見切っていたのが有効に働いた。

 ラウラの頭上を取った刹那は、GNロングブレイドを抜刀。
 GNロングブレイドは、GNソード以上の重量と刃渡りを誇る。
 切れ味では劣るが、斬馬刀の要領で叩き斬ることを目的とした兵装なため、デメリットとしては薄い。

 そのGNロングブレイドを、刹那は重力の加護を受けつつラウラに押し付ける。
 AICは、同時に二つ展開することが出来ない。多方向からの攻撃には、対処しきれないはずだ。

 ラウラは舌打ちをこぼすと、GNソードを捉えたAIC力場を解除。
 上空から襲い来る刹那へ、右腕のビームブレードを構え、迎撃。

 迎え撃たれることなど、刹那は予測できている。
 GNロングブレイドとビームブレードがぶつかり合うその寸前、刹那はGNビームサーベルを引き抜く。
 自らの得物を持ち替え、ラウラの虚を突き、GNビームサーベルを両肩に突き刺した。

キタ━━━━━━(゚∀゚)━━━━━━ !!!!!

さすが1級MA解体士


 しかし、ラウラとて一流の兵士。揺さぶりにも動じることなく、
 ビームブレイドでロングブレイドを弾き、右肩を狙うビームサーベルとのつばぜり合いに持ち込む。
 結果、シュヴァルツェア・レーゲンの左肩に、エクシアのビームサーベルが差し込まれた。

 眉をひそめると、ラウラは刹那に向けAIC力場を発動しようとする。
 動きからそれを読み取った刹那は、ラウラの肩をえぐったままのビームサーベルを踏み抜き、中空へと退避した。
 AICの間合いを、大体ではあるが把握しているのだ。

 更に肩部装甲をえぐったビームサーベルを無造作に引っこ抜くと、
 ラウラは苛立ちを隠そうともせず、足元のGNソードとGNロングブレイドをまとめて蹴り飛ばす。
 勢いよく地面を転がったそれは、アリーナの壁にぶつかった。
 回収は難しいだろう。背を向けていては、レールカノンの餌食だ。



「ねえ、あれ……」
「ええ、動きがよくなっていますわ……」

 観客席から試合を観戦している鈴音とセシリアの二人は、思わず刹那の動きに目を奪われていた。
 刹那の挙動が、前とは違うのだ。反応が早く、対応が正確になっている。

 そう、刹那はこれまでこなしたISでの戦闘は、模擬戦を含めれば相当な数に達するのだ。
 それほどの時間をかけたことで、刹那はようやくISに慣れた。
 セシリアの指導の下での特訓と、シャルルとの訓練が、実を結び始めたのである。

 そうなれば、刹那はガンダムマイスター。いくつもの戦場を渡り歩いた、戦いのプロフェッショナルだ。
 たかが十五年の歳月しか重ねていない小娘に、引けを取る要素がない。

 刹那の本領が、発揮されようとしていた。


刹那「ロックオン・ストラトスのDVDが発売されるんだ・・・もしよかったら一緒に見ないか・・・?いいのか!もちろんガンダムもティエリアも一緒だ」
ISのDVDのCM風にやってみたが難しいなtk適当にやりすぎた


 今度はラウラから、刹那に吶喊してくる。
 直線を引くような、単純な軌道。しかし、それは恐ろしく早く、それでいて隙がない。
 高速で接近しながら、ビームブレードを横に振るう。

 しかし、ここは刹那の距離だ。
 エクシアの武器は、残り少ない。セブンソードのうち、四つを失っている。
 それ故、ラウラは攻め込んだのか。

 ならば、それは見当違いだ。


 ラウラのビームブレードと、刹那の‘GNソード’がぶつかり合う。
 突如として出現したGNソード。その事実に、ラウラの目が見開かれる。先ほど、ラウラは刹那の武器を移動させたはずなのに。

 その前提からして、間違っているのだ。遠くにやるだけでは、刹那の武器を奪えない。
 今やISを構成しているのは、ELSなのである。ELSはMSと同等の速度での単独行動が可能なのだ。
 刹那が手ずから拾わなくとも、武器の方からエクシアに戻ってくるのである。


 その事実を、ラウラは知らなかった。知りえなかった。
 故に、動揺する。太刀筋が、わずかに鈍る。
 刹那が、それを見逃すはずもない。

 ビームブレードと打ち合ったGNソードをそのままに、刹那は空いた左手でGNショートブレイドを抜く。
 そのまま、無防備なラウラの鳩尾へ、ショートブレイドを突き立てる。

 それに気づいたラウラは、地面を蹴り後方へ撤退。
 体勢を立て直すべく、刹那から離れようとする。

 それを、刹那は許さない。
 GNショートブレイドを投擲し、自身も直進。二つの弾丸が、ラウラに迫る。

 咄嗟に、ラウラは正面へAIC力場を展開。
 GNショートブレイドが、慣性を失って落下する。


 GNショートブレイド、だけが。


 後方から、気配。
 気づいても、振り返れない。
 ラウラは、たった今AICを使用したばかりである。

 だから、刹那は容赦しない。
 今が好機とばかりに、袈裟斬り、横薙ぎ、縦斬りの三連撃を、ラウラの背に刻み込む。

 ラウラは苦悶の表情を浮かべつつ、しかしされるがままではいてやらぬ、と、シュヴァルツェア・レーゲンの装甲の一部をパージ。
 四本のペンデュラムが、刹那に向かう。

 刹那は一時攻勢を緩め、空中へと上昇。
 円を描くように動き回り、ペンデュラムから逃れようとする。

 そこを、ラウラは狙う。
 レールカノンのサイトを定め、刹那の進路を予測。
 直撃するようにタイミングを計り、トリガーを引く――――

しぇ


 それが、出来ない。
 背中に、実弾の乱射。
 舌打ちをこぼしながらラウラが振り向けば、アサルトライフルを二丁構えたシャルルが、射撃体勢に入っていた。
 彼女の相手をしていた生徒は、既に戦闘続行は不能。
 刹那がラウラとやりあっている間に、シャルルは片をつけたのだ。
 
 銃に気を引かれたラウラは、ひとまずうっとうしいシャルルを仕留めようとターゲットを切り替え、

「お前の相手は、この俺だっ!」

 背後から、GNダガーの奇襲を受ける。
 シールドゲージが削れる音がするが、構わずラウラはシャルルに接近。
 シャルルもバックブーストで逃げ回るが、しかし、世代差が出る。
 スピードにおいては、シュヴァルツェア・レーゲンの方が上だ。
 AIC力場の中へ、シャルルが取り込まれ――――

携帯からでごめんなさい

さるった

なん…だと…

とりあえず支援だ少年

嘘…だろ…

迂闊だった……

五分間隔だし大丈夫だろとたかをくくっていた

本当にごめんなさい
時間を置いてまた再開します

ミスターブシドーってもしかしてグラハム?
いやまさかな…。

もう投稿できるよ
毎時00分でリセットだ


「刹那!」

 シャルルが、声を張り上げた。
 それは、助けを求める弱気なそれではない。
 ならば、これは、仕組まれた状況なのだ。

「オーバーブーストモードを使う! ティエリア!」
≪了解! GNドライヴの安全装置を解除する!≫

 ティエリアの手によって、太陽炉を抑えるパーツが外される。
 一時的ながらも最大出力を誇る、ガンダムエクシアの奥の手、オーバーブーストモード。

 GNソードを真っ直ぐに突きつけると、エクシアの背中が‘爆ぜた’。
 いや、違う。爆発したように見えたのだ。あれは、GN粒子の光。

 桁外れの加速力を得たエクシアが、ラウラを襲う。
 あの勢いでGNソードが突き刺されば、大破は免れまい。
 ラウラはシャルルのAIC力場を解き、刹那に対して自ら攻める。

 ラウラと刹那との間に、直線が結ばれた。
 当然、ラウラはAICを使用し――――

00シエンタ

本名ソラン・イブラヒムだっけ?

うん

ならば、>>1に宣誓しよう
私グラハム・エーカーは、フラッグを駆ってガンダムを支援すると



 背後から、GNソードによる一撃を受けた。
 何故? ラウラが思考するが、しかし答えは出ない。
 糸の切れた人形のように、シュヴァルツェア・レーゲンが落下する。
 地面に墜落したそれは、アリーナを揺るがす轟音と、視界を覆う砂埃を立てた。


 何故、刹那はAICの影響を受けなかったのか。
 簡単な話である。
 後ろ側に、回り込んだだけなのだ。
 オーバーブーストモードであれば、エクシアの機動力は第四世代ガンダム――――ツインドライヴ搭載型に匹敵する。
 それに、MSで養われた刹那の操縦技術が加われば、敵機のシールドを避け、弱点に攻撃をねじ込むことなど容易い。


 ――――だが。途中で強引に進路変更した以上、破壊力は大きく削がれた。
 試合終了のアナウンスがないことからも、未だ敵機は健在であることが知れる。

(ティエリア、太陽炉は?)
≪……エクシアのGNドライヴはしばらく使えないだろう≫
(了解した。準備を頼む)
≪わかった。最中は無防備だ、警戒を≫


十分だと長いなあ 七、八分なら大丈夫かな


 ――――私は、負けられない。負けるわけにはいかない!

「遺伝子強化試験体、C-0037。
 君の新たな識別記号は、『ラウラ・ボーデヴィッヒ』だよ。
 ……『ラウラ・ボーデヴィッヒ』」

 頭の中に、男の声が反響する。
 高くもない。低くもない。くせもない。感情もない。
 およそ個性と言うものを没した声が、頭の中で、ぼんやりと響く。

尊敬させて頂きますよ、>>1

>>1は文章が上手いな


 ――――私はただ、戦いのために作られ、生まれ、育てられ、鍛えられた。
 ラウラ・ボーデヴィッヒは、兵器であった。

 ――――私は優秀だった。最高レベルを維持し続けた。
 ラウラ・ボーデヴィッヒは、機械であった。

 ――――しかしそれは、世界最強の兵器、ISの出現までだった。
 ラウラ・ボーデヴィッヒは、軍人であった。

 ――――ただちに私にも、適合性向上のため、肉眼へのナノマシン移植手術が施された。
 ラウラ・ボーデヴィッヒは、機材であった。

 ――――しかし私の体は適応しきれず、その結果……出来損ないの烙印を押された。
 ラウラ・ボーデヴィッヒは、無用であった。

 ――――そんな時、あの人に出会った。
 ラウラ・ボーデヴィッヒは、


 人間に、なった。

支援

紫煙


 ――――彼女は極めて有能な教官だった。
 織斑千冬は、希望であった。

 ――――私はIS専門となった部隊の中で、再び最強の座に君臨した。
 織斑千冬は、戦士であった。


「どうして、そこまで強いのですか? ……どうすれば、強くなれますか」
「……私は強くない。私では、敵わなかった者がいる」
(……違う。
 ……どうして、そんな弱気な顔をするのですか。
 私が憧れる貴方は、強く、凛々しく、堂々としているのに……)
「……ガンダムと言う言葉を、知っているか?」
「…………いえ」
「そいつさ。私では、勝てなかった。……それで、このザマだ」

 ――――ガンダム。

(……許せない。
 教官にそんな運命を強要した者を……
 ガンダムを、私は認めない……!)

 ――――刹那・F・セイエイ。
 ――――ガンダムエクシアの、パイロット!

支援

馬鹿な、ガンダムだと!?

どういうことなんだ…一体!?

なんか設定が変になってるけど支援


(力が欲しい……!)

「君は、より強い力が欲しいんだね?」

 頭の中に、男の声が反響する。
 高くもない。低くもない。くせもない。
 ――――感情は、あった。
 ほくそ笑んでいる。その嘲り、不愉快だ。しかし、構わない。例え無様であっても、力を手に入れる。

(……寄越せ、力を)

「……そうかい。素直なのは、嫌いじゃないよ」

(比類なき、最強を!)


>>505 設定が変なんじゃない、これもすべてアムロのせいだ。

ボンズリか?

どう考えてもアイツにしか思えない

>>507
ISの世界とは別世界の産物だし最初ガンダムをでかいISって言ってたから変になったって書いただけ
千冬姉は宇宙に行ってアムロと戦ったってことか!?

あーなるほどそういやボンちゃんいたね

アムロってリボンズか
うわ恥ずかしい


 ラウラの叫びが、会場に木霊する。
 雷の様な放電現象が、シュヴァルツェア・レーゲンの着地点を中心に広がりだした。

 その衝撃で、砂塵が晴れる。
 姿を現したラウラは、しかし、予想と風貌を違えていた。

 ISが、溶けているのだ。
 粘土をこねているかのように、ぐねぐねと奇怪な動きを繰り返し、ラウラ・ボーデヴィッヒを取り込もうとしている。

「何……!?」

 その光景の異常性に、シャルルが声を漏らした。

(……ティエリア)
≪ああ、急ごう。……あれは、危険だ≫

 刹那も、シャルルと同じく、何かを感じていた。
 しかし、それは感覚的なものではない。
 形を持った、いやな予感。不安。
 ――――この世界に来てから一度として感知しなかった強い脳量子波を、ラウラが放っているのだ。


 ラウラの顔は、恐怖に引きつっているように見えた。
 初めて見せる、弱い表情。では、あれはラウラの意思とは無関係だとでも言うのだろうか。

 その様を見守るしかない二人をよそに、ISだった黒い固形が、ラウラの全てを包み込んだ。
 彼女の白い肌も、銀色の髪も、黒どろどろとしたそれに覆われている。

 そのうち、ISだったそれは、ヒトガタを作り始めた。
 未だバランスの狂った異形だが、しかし周囲の人間に嫌悪感を抱かせるには充分にグロテスクだ。

 学園側も予想外の出来事だったのか、サイレンが鳴り始め、焦った様子のアナウンスが入る。

『非常事態発令! トーナメントの全試合は中止!
 状況はレベルDと認定、鎮圧のため、統治部隊を送り込む。
 来賓、生徒はすぐに避難してください』

 観覧席のシェルターが閉まり、来賓席の人間が慌てて逃げ去っていく。
 それをものともせず、黒い粘着質のそれは、ついに成形を終えた。

 黒い、甲冑。
 シュヴァルツェア・レーゲンの剛健さは見る影もなく、ぬらりと光る体表が、言い知れぬおぞましさを感じさせた。
 その体長は、ISの二倍……先の襲撃者を彷彿とさせる外見だ。
 しかし、その造形は、どこか人間を――――それも、女性をイメージさせる。

さるよけ

>>506
一瞬QBかと思った

人呼んで、グラハム支援スペシャル!


 あれは、本当にラウラ・ボーデヴィッヒなのか?
 刹那は、そう疑わずにはいられなかった。

 事態を収拾すべく、教員がISを装備してやって来る。
 ……黒いISは、動かない。

 警戒のためか、教員がライフルを構えた。


 そして、吹き飛ばされる。
 アリーナの壁へ、緑色のISが叩きつけられた。


 突然の攻撃に、教員らは反射的に武器を構える。
 黒いISが装備しているのは、一振りの日本刀だけだ。
 距離を取れば、一方的になぶれるはず。
 そこへ、

『待て、銃を捨てろ!』

 通信機越しに、千冬の指示が下される。
 教員らは、素直にそれに従った。敵の前で警戒態勢を解くなど自殺行為だが、
 千冬がそんなことをさせるわけがないと、信頼しているのだ。

 皆が銃を地面に置いた途端、黒い巨人の動きが止まる。

支援すると言った!


(あの動き……敵対者にのみ反応しているのか?)

 刹那のそれはあくまで当て推量だが、そう推理することも出来た。
 しかし、真相は分からない。あの黒いISが、人語に対して応答するかどうかもわからないのだ。

(……ダブルオーライザーを出す)
≪了解……形態移行に移るぞ≫

 そこで刹那が取った選択肢は、トランザムバーストによる意思の伝達だった。
 あの中にラウラが残っているのなら、GN粒子を介して対話が行えるはずだ。

 刹那のISが発光、エクシアの装甲が、変形していく。
 白を中心としたカラーリングが、青を基調とした色彩へ。
 二つのGNドライヴが、肩へと配置される。
 セブンソードは、GNソードⅡとⅢへ形を変えた。

 光が収まり、刹那は早速トランザムのために操作を開始する。


「刹那、そのIS……」
「説明は後だ。今は、あの機体と対話を試みる」
「対話……?」

 事情を知らないシャルルや教員は面食らっているようだが、構っている暇は無い。
 二つのGNドライヴが、共鳴を開始した。

≪ツインドライヴ、同調……やれ、刹那!≫
「トランザム、バースト!」

 GN粒子と、ダブルオーライザーの機体が、赤く染まる。
 刹那を中心に、高濃度の粒子空間が形成された。



さるよけ

クアンタじゃないんだな

未来への水先案内人はこのグラハム・エーカーが引き受けた!

支援

作者はどこまで書くんだい?


>>523
ダブルオーライザーを出したかったので
>>524
少なくとも放送分(9話)まではやります


(私……私は……)

 ラウラの意識は、曖昧だった。
 それに合わせ、体もぼけっとしている。
 宇宙空間を漂っているような心地だった。

 何故、こんなことになっているのだろう。
 そう思ったが、ラウラはその疑問を放り投げてしまいそうになる。

 何だか、ものが考えられない。思考より、眠気が勝っているような状態だ。
 けれど、彼女は思う。何故? 何故だろう。

 やがて、ラウラは結論にたどり着いた。
 ――――感情だ。嫌だったから。

 ……感情。どんな感情だろうか。
 いや、感情?
 彼女の中の感情は、全て外に出て行ってしまったような気もするし、全部奥にしまいこんだような気もする。

ISの詰まらない戦闘シーンも刹那がいるだけでかなり面白くなるな

支援

 それはいい。とにかく嫌だったのだ。
 嫌。嫌だった。何が嫌だった?

 教官が、あんな顔をするのが嫌だった。嫌だ。それは嫌だろう。
 何故、そうなる? 教官を沈ませて、心に傷跡を残したのは誰だ?

 段々と筋道が立ってきたラウラの思考。
 そして浮かんだのは、一人の男の顔。

「刹那・F・セイエイ……!」
「……ラウラ・ボーデヴィッヒ」

 忽然と、この不思議な空間に出現した刹那へ向け、ラウラは敵意を露にする。
 教官に嫌な思いをさせるこいつが嫌いだったし、何より、ラウラは負けた。だから、余計に腹が立つ。

「……やはり、このISの中にいたのか」
「貴様、何を……!」
「ラウラ・ボーデヴィッヒ。お前と対話するために、俺はここへ来た」
「対話だと……!」
「ああ」
「私と教官の敵である貴様に、話すことなど……!」
「教官……織斑千冬か」

 何故、と言いかけて、ラウラは口をつぐむ。
 この場所は、どこか変だ。そんなつもりはないのに、自分の気持ちを、打ち明けてしまう。

支援

支援

これって例の裸空間だよな?

>>531
IS基準(ラウラだけ裸)か00基準(みんな全裸)かはご想像にお任せします


「教えてくれ、ラウラ・ボーデヴィッヒ。
 織斑千冬と俺の間に、一体何があった」
「貴様……! 白を切るつもりか!
 大会の前日、教官を襲ったお前が……!」
「大会……?」
「第二回IS世界大会だ……!
 教官は決勝まで勝ち残ったが、試合前日に何者かの襲撃を受けて重症を負い、不戦敗に終わった……!」
「…………」

 そんな事情があったのか。刹那は、今始めて千冬の過去を知った。
 千冬は、あまり自分のことを話したがらない。
 ましてや、汚点になりかねないそんな話、語りたくはないだろう。

「その襲撃者の名を、私は知っている……!
 ガンダム……! 貴様と同じISを装着した男が、教官の不意を打った!」
「ガンダム……!?」

 刹那がこの地球を訪れたのは、つい先日のことである。
 時間跳躍の技術は、西暦2364年現在、未だ開発されていない。

支援

「そのガンダムは、俺ではない」
「何を……!」
「ガンダムは、紛争を根絶するためにある。
 そのような世界を歪める行為を、ソレスタルビーイングは良しとしない」
「知ったことか!」
「お前は知らなければいけない。
 その怒りは、矛先を違えている。
 そのままでは憎しみが歪みとなり、やがて争いを生む……!」
「そうさせたのはお前だ! ガンダムと言う存在だ!」
「違う。俺たちは、未来を切り開くために戦っている」
「…………」

 刹那の低い声に、ラウラは押し黙った。 
 彼が嘘をついているわけではないと、直感的にわかったからだ。
 誰に説明されたわけではないが、ラウラはそう思った。この場所は、きっと、己の思いを伝えるためにある。

「……お前は戦いに執着しすぎている。悪意による戦いは、世界を歪めるだけでしかない……何が、お前をそうさせた」
「……私は」

 ラウラは、それだけ言って、黙った。
 しかし、刹那にはわかる。高濃度のGN粒子が散布されていれば、自然とわかるのだ。

「お前は……超兵なのか」
「……似ている。貴様の考えている、それとな」

 超兵と言う言葉の意味を、ラウラは知らない。
 だが、刹那の意思を通して、理解できる。
 それと同じ原理で、刹那もラウラの生まれを把握したのだ。

「戦うだけの人生……俺もそうだ」
「…………」
「だが今は、そうでない自分がいる」

 刹那の目は、まっすぐだ。
 その瞳を、ラウラはじっと見つめた。自分と同じ、金色の虹彩。

「お前は変われ。
 お前なら、破壊するだけではなく、分かり合うことが出来るはずだ」
「……私には」
「出来る。お前は変わるんだ。
 未来と向き合うために、自分自身を変革させろ」
「……私は、強くない。
 教官を失い、矜持すら砕かれて……何を頼りに生きればいいんだ」
「ならば、生きるために戦え。
 自分自身のために、未来を切り開け。その先に、必ず何かがある。
 お前はまだ生きている。……生きているんだ。命がある限り、人は変わっていける」

 刹那自身が、そうしたように。
 ラウラも、きっと変われるはずなのだ。

ここ1stのハムとの戦いを彷彿させられるな、胸熱支援

1st-2ndでした

箒いなくても問題なく話が進む件


「……お前は、何故強くあろうとする。どうして、強い」
「俺は、託された……仲間の希望を、変革の意思を。だから、歩みは止めない。
 そのために俺は戦う。破壊するためではない、守るための戦いを成す」
「……守るための、戦い」

 ――――それはまるで、あの人のようだ。

「……オーバーロード……!?
 トランザムの限界時間か……」
「そうか……もう、終わるのだな」
「ああ。だが忘れるな、ラウラ・ボーデヴィッヒ。
 お前は変われる……未来のために、変わるんだ」


いいねいいね!!!!

続ききた!
俺が支援だ


「私は……」

 覚醒したラウラ・ボーデヴィッヒは、ベッドに体を横たえていた。
 節々が、痛む。鍛えられているこの体が、こうまで疲労するとは。

「……何が、起きたのですか」

 ベッドのそばで椅子に腰掛ける千冬に、ラウラは問いかけた。
 表情を崩さないまま、千冬は答える。

「……一応重要案件である上に、機密事項なのだが……VTシステムを知っているな?」
「ヴァルキリー・トレース・システム……」
「そう。IS条約で、その研究はおろか、開発、使用、全てが禁止されている。
 ……それが、お前のISに積まれていた。
 精神状態、蓄積ダメージ、そして何より、操縦者の意思。
 ……いや、願望か。それらが揃うと、発動するようになっていたらしい」
「……私が……望んだからですね……」

 ラウラは、ぎゅっとシーツを握った。

支援が足りないのか…

>>436
ありがとう


 弱ったその心を再び持ち直させるように、千冬は声を張る。

「ラウラ・ボーデヴィッヒ」
「はっ……はいっ」
「お前は誰だ」
「私は……」

 質問の意図を探りかねて、ラウラは口をつぐんだ。
 それが狙いだったのだろう、千冬は構わず続ける。

「誰でもないなら丁度いい。
 お前はこれから、ラウラ・ボーデヴィッヒだ」
「えっ……」
「それから……お前は、私になれないぞ」

 そう言い残して、千冬は保健室から出て行く。
 扉が閉まる音がして、ラウラは力なく天井を見つめ。

 それから、笑った。腹の底から、笑っていた。


>>544
ttp://iwatam-server.sakura.ne.jp/column/marysue/test.html

支援

支援


 騒動が収拾して、しばらく。
 シャルルと食卓を囲みながら、刹那は学園側からの通知に目を通していた。

「結局、トーナメントは中止だって。でも個人データを取りたいから、一回戦は全部やるそうだよ」
「中止……」
「ちょっと残念?」

 シャルルの問いに、首を横へ振る。
 進んで戦いたくはないが、一応学園側への売り込みは必要だ。
 複雑な事情が絡み合っていたが、ここは一応否定の意を示しておいた。

 そこへ、明るい声が介入してくる。

「セイエイ君、デュノア君、朗報ですよ!」

 姿を現したのは、クラス副担任の真耶だった。

「今日は大変でしたね~。でも、二人の労をねぎらう素晴らしい場所が、今日から解禁になったのです!」
「場所……?」

 シャルルが聞き返すと、真耶は待ってましたとばかりに大げさな動きをとり、言った。

「男子の、大浴場なんです!」


大欲情か……

刹那さん童貞こじらせて最早仙人だから…

>>550
シャルが刹那にか


≪刹那、錆びる心配はない。ゆっくりとつかっておけ≫
(……ああ)

 浴槽の中で、刹那はリラックスした体勢のまま風呂に入っていた。
 やろうと思えば人間と同じ体・感覚を復元できる以上、堪能しない手はない。

 しかし、こうも大きな風呂場に一人だと、どうにも寂しいものを感じる。
 せめてティエリアが体を持っていれば、いつも手間をかけてばかりな以上、よりくつろげただろうに。

≪僕のことは気にするな、感覚共有は行っている≫

 ティエリアの言に、そうか、と刹那は納得した。
 同一個体である以上、ティエリアと刹那の五感はリンクしている。
 やろうと思えば、ターミナルユニット内でも擬似的な入浴は可能なのだろう。

≪せっかくだ、もう少し――――≫
「お、お邪魔します……」
(敵襲……!?)
≪……何度も言うが、敵ではないぞ≫

 いきなり浴場へ介入してきた、第三者。今の声は、

刹那は敵襲以外言えないのかwwww


「シャルル……!? 何故ここに!」
「僕が一緒だと……嫌?」
「そうではない。理由を――――」
「やっぱ、その……お風呂に入ってみようかな、って。迷惑なら、あがるよ?」
「……なら、俺は上がる」
「ああっ、待って! 話が、あるんだ……大事なことだから、刹那にも聞いてほしい」

 呼び止められて、刹那は動きを止めた。
 ゆっくりと、再びお湯に体を沈めると、シャルルへ背中を向けるよう方向を変える。

 シャルルはぎこちない足取りで浴槽に足を入れると、そっと刹那の近くで腰を下ろす。
 丁度、背中合わせの形になった。

「その……前に言ってたことなんだけど」
「……学園に残ると言う話か?」
「そう、それ。……僕ね、ここにいようと思う。刹那がいるから、僕はここにいたいと思えるんだよ?
 ……それに、ね? もう一つ、決めたんだ。僕の、在り方を」

 背中合わせのまま、シャルルは言葉を紡いでいく。


「在り方?」
「僕の事を、これから『シャルロット』って呼んでくれる?
 ……二人きりの時だけでいいから」
「シャルロット……本名か?」
「そう。僕の名前……お父さんがくれた、本当の名前」

 刹那は、本名を明かしていない。
 カマル・マジリフ――――その名は、ガンダムマイスターとなった時に捨てたのだ。
 だから、刹那は刹那のままだ。そのことを、刹那は今更口にするまいと決めた。

「……了解した。これからもよろしく頼む、シャルロット」
「……うん」

 シャルルは――――シャルロットは、小さな声で、けれどしっかりと返事をした。


お父さん……だと……?

ソランどこ行った

カマルはマリナと初めて会ったときに名乗った偽名で本名はソラン・イブラヒムってにぃにぃが言ってた

本名ってソラン・イブラヒムじゃなかったっけ?

あああああああああああああああああああああああああ

やっちまったああああああああああああああああ

カマル・マジリス
ソラン・イブラヒム
刹那・F・セイエイ
ガンダム
少年

刹那さんはいっぱい名前持ってんな

>>561
気にするな。俺は気にしない

      )、._人_人__,.イ.、._人_人_人人_人
/////<´ クアンタアアアアァァァ───ッ!!! > //////
///// ⌒ v'⌒ヽr -、_  ,r v'⌒ヽr ' ⌒ ⌒ヽr ' ⌒ / //// ///
// //////:::::::::::::::::::::::::::::::::l:::::::::::、:.:.:.`丶、:::::::ヽ:\:.:.:.:`ー一ッ'/ ///
// / / //:::::::::::::::::/::.:./:l:.:.:.l:.::.:::::.:::.:.:‐-:.:.:_\:.:.:.ヽ:.ヽ―… ´ // ///
///////::::::::::::/::/:.:/:l:.:l|:.:::.、:.:::.::::.::::::l:.:.l:.::::ト:\:.:.:、:.:ヽ // /////
、___/::.:}.:.:::./:.::l:./!:.ハ:.lヽ:.:.ヽ:.:.:.::.:.:.:ハ:.:ト、.:|:.:::`ヽ:::l;.::::', // /////
\:.:.:.:.:.:.:/.:.:.:.{:.:.::レ l:l ヘl  、:.:::l:.:.:.:.::../ |/ ヽ:!:.::.:.l:.}.::|l:::.:::| // /////
//>一'.:.:.:.:.:.}:.:.::l <__,ノ`ヽ!:.:./ヽ、_ ノ レ.'.:.::ハ:.::l // // /
//` ー┬:.;.:.:.ヘ:.:.ゝ、 (y○')`)ノイ (´(y○')ノ::./:/:/ /}:///////
//////{:/{:.:.;.ヾ、:.`=‐( (        ) )+ ‐彡::/::///// // //
/ // / `/{、:{.:..:.:≧=+ ) )(_____人__丿( (  「:/l:.:l' / ///// ////

/// ://////ヽl:.::::.ゝ  ( (.||||! i: |||! !| | ) )  /::.:l.,ノ'^`// /// ////
////////////iハ:.l、:l + U | |||| !! !!||| : U   /八!// // ///////
// // ////////ゝ:::::::   | |||| !! !!|||l     ///// // ///////

>>561
どじっこ乙
まぁ大丈夫な範囲でしょ

>>563
《本当に気に入ったのか……》

ごめん、レイ……俺は、俺は……

しかもシャルの名前ってお父さんじゃなくてお母さん……



俺は……ガンダムに、なれない……

>>562
クルジスのガキもだな

どれほどのミスであろうと!今日のお前は阿修羅すら凌駕する存在だ!!

>>567
気にするな
脳内保管でOKだ

刹那は最後までグラハムを名前で呼ばなかったな

一瞬誰かと思ったぞ、少年


 翌日。

「…………今日は、皆さんに、転校生を紹介します」

 加減を悟ったのか、真耶は言いづらくも教師の職務を果たしていた。
 しかし、当の着任者はまったく意に介さず。

 つかつかと教壇の隣に歩み寄り、にっこりと笑みを浮かべて名乗った。

「シャルロット・デュノアです。みなさん、改めてよろしくお願いします!」

 束ねられた金髪、西洋人らしい碧眼、そして柔らかい物腰と声。
 一人の少女が、そこに立っていた。

 当然、皆から困惑の声が上がる。

「ええっとぉ……デュノア君は、デュノアさん、と言うことでした……」

 事態を収めようと思ったらしい真耶は、しかし全く収められていない。

「……は? つまりデュノア君って女?」
「おかしいと思った。美少年じゃなくて、美少女だったってわけね」
「セイエイ君、あんなに仲良かったのに知らないってことは……ちょっと待って、昨日は確か、男子が大浴場使ったわよね!」

 クラスの女子からしっちゃかめっちゃかに言葉を投げつけられて、刹那は対応に困った。
 シャルロットから入って来たわけだが、まさか、それを口にするわけにもいくまい。
 仕方が無いと、刹那は口をつぐんだまま耐えた。

>>568
「クルジスのにいちゃん」も追加しよう

お、刹那キスされるか?

今度は手じゃなく口を抑える羽目になるな

 すると、遠くから、教室の後ろの方に飾ってあった花瓶が刹那に迫る。
 誰かが投げたのか、あるいは騒ぎで飛んできたのか。

 ともあれ、キャッチするべく刹那は身構えて――――

 窓から飛び込んできたラウラが、その花瓶を停止させた。
 見れば、ラウラはISをまとっている。
 それによるAIC、慣性停止能力。即ち絶対防御。

「ラウラ・ボーデヴィッヒ……!」

 予想外のエトランゼの出現に、刹那が小さく息を漏らす。
 ラウラの怪我は軽くないと言われて、例の事件以降、刹那は顔を合わせていないのだ。
 どう出る、と警戒する刹那の胸倉へ、ラウラは手を伸ばした。

 それを、刹那は避ける。
 足を後方へ移動させ、軸をずらして回避。

 またも、ラウラが右手を刹那に伸ばす。
 刹那は地面を蹴り、間合いを保って回避。

 再び、ラウラが右手を刹那に伸ばす。
 刹那はしゃがみ、高度を違えさせることで回避。

 そのまま、両者にらみ合う。
 それが数秒続いて、ラウラは告げた。

「……悪いようにはしない。じっとしていろ」

正直ラウラが取り込まれた前後のくだりは原作のそれより面白いと思った

せっさんwww

気にするな、おれは気にしないって元ネタなんだっけ?
どこかで見た気はするんだが

レイがシンに言った台詞じゃなかった?

>>580
多分種死のレイ

>>577
無限ループって怖くね?

>>580
ラウルサンの息子

レイがクローンだとか言った時だったような気がする


 そう言われて、刹那は立ち上がり、身動きをやめた。
 対話は、信じあうことから始まる。
 この前のトランザムバーストから、ラウラはどこか雰囲気を変えた。ならば、賭ける価値はある。

 ゆっくりと、ラウラの右手が刹那の襟元を掴む。
 そのまま、手元へと引き寄せると、

 ラウラは、刹那にそっと口付けた。


(何……!?)
≪刹那!?≫

 予想の斜め上の行動に、刹那はただただ驚愕するばかりである。
 ネーナ・トリニティにも同じようなことをやられたが、まさか、こんな、いきなり。

 一呼吸の間、じっと唇を寄せていたラウラは勢いよく顔を離し、頬を赤く染め、

「こっ、この間の謝罪だ。
 それと、お前は私の嫁にする。隣で、私が変わっていくのを見届けてもらう! ……決定事項だ! 異論は認めん!」

ああなるほど、レイか サンクス
そして④

机が並び生徒もいる教室で華麗な回避を決めるせっさんまじ魔法使い

お前ら優しいな、GN粒子の影響か

シンがステラ逃がして独房ぶちこまれたときだっけ

>>589
このスレは常にクアンタムバースト

せっさんだと憎たらしくない!不思議!

昨日の回やるなら刹那とラウラが・・・・

ガンダムのレイって以外といい奴だっのか

せっさんは愛も憎しみも乗り越えて大賢者となったのだ

 その堂々極まりないブライダル宣言に、教室へ動揺が走り、


「ええええええええええーーーーーーーっ!?」
「嘘おおおおおおおおおーーーーーーーっ!?」
「はあああああああああーーーーーーーっ!?」
「なんとぉーーーーーーーーーーーーーっ!?」
「オ・ノーレェェェェェーーーーーーーッ!!」

 学園中が、震撼した。



~次回予告~

 諸君、ついに訪れたぞ、熱く燃える夏……太陽の季節が!
 夏と言えば当然海……臨海学校だ!
 しかし、水中行動すら可能とは。汎用性が高すぎるぞ、ガンダム!

 明日は日曜日! 買出しに行く必要があると見た!
 フラッグファイターの諸君、急ぐぞ!
 ビーチバレーで、ガンダムとの決着をつける!

 盟友と編み出した我が奥義『グラハムスペシャル・アンドサーブ』、とくと見るがいい!
 次回、‘海は即ち乙女座の地’。体の端からにじみ出た欲望を、断ち切れ、ガンダム!

せっさんならだれとくっついてもいい
マジイケメン

>>593
目にも留まらぬグラウンド勝負が行われるわけか

御大将はこっちに来ているようだな
女装か?

相変わらず>>1のグラハム節が秀逸過ぎる

教室に変な人が2名混じってるんだけど


ギンガナムがおるぞwwww

シーブックと御大将が

>>546
23てんだった

シン「そういえば、俺も乙女座だったな…。」

ここからは9話になります正直おまけみたいなものなのでおふざけ半分です
致命的な誤字をやらかした時点でもうアレですが、
設定の崩壊など認めるものか! と言うゲルマン忍者の皆さんはただちに撤退してください


 満月が、空の頂を制するころ。
 夜の帳が下りたこともあって、刹那は睡眠をとるべくベッドで横になっていた。

 実際、金属体である刹那に‘眠る'と言う行為は必要ないが、
 常に不眠不休で完全徹夜となると、精神的な負担が大きくなってしまう。

 ELSと融合しながらも人間の心を保ったままの刹那には、このような休息の時間が必要なのだ。
 それはティエリアも同じらしく、ターミナルユニットは現在省電力――――スリープモードに入っている。

ELSと同化してるならティエリアさんも普通に肉体とか持てそうだよな

刹那ならシャルを任せられるわ

>>607
アメーバみたいだな それ

フハハハハ!私はここだ!



 そこへ、誰かがやって来る。
 眠ったままの刹那へ、そろり、そろりと近づく者が一人。

 足音と気配を殺しながら、その人物は、ゆっくりとベッドのそばに到達し、布団に手をかけて、



 眉間に、拳銃を押し付けられた。


「何者だ」

 ギラつく警戒の目を向けながら、刹那は銃口を向けられてひるんだ相手をベッドの中に放り込み、
 ソレスタルビーイングで鍛えさせられた拘束術を用いて捕縛する。

 人間が押し付けられ、スプリングがきしむ音がした。

支援



「何を求めてここに――――」
「……ご、強引だな」

 聞き覚えのある声に、刹那が疑念を抱く。
 何をしに来たと言うのか。
 掴んだ敵手の両腕はそのままに、刹那は自身がとっ捕まえた不審者の顔を確認する。

 その人物は、

「……ラウラ・ボーデヴィッヒ?」
「……ま、まあ……私も、やぶさかではないが」

 妙に恥ずかしがっている様子を見せる、‘全裸の’代表候補生であった。


破廉恥だな!

破廉恥だぞ少年!

破廉恥だなっ!ガンダム!

貴様は歪んでいる!!



「……質問は後だ。まずは服を着ろ」

 ラウラを開放してやりながら、刹那は口を開く。
 その言葉を受けて、ベッドの上に座りなおしたラウラは小首をかしげた。

「夫婦とは、互いに包み隠さぬものだと聞いたぞ」
「夫婦?」
「お前は私の嫁だ」

 要領を得ないラウラの言動に、刹那は思わず困惑する。
 こいつは、一体何を言っている?

「俺はお前と婚約した覚えが無い」
「婚約などしなくてもいい。……それに、日本では、気に入った相手を‘俺の嫁'とか‘自分の嫁'とか言うそうだが」
(……沙慈・クロスロードは、ルイス・ハレヴィのことを‘僕の嫁’と呼んではいなかったが)
≪当然だ。婚姻を結んでいないのだから≫

 睡眠を阻害されたからか、どことなく冷めた様子のティエリアが返答した。
 それを受けて、自身の知識が間違っていないことを確認すると、刹那は単語を吟味しながら続ける。

僕と婚約してIS適合者になってよ!

>>619
(腹パン)

せっかくだから、最新刊まで書いて欲しいな・・・

「私は純粋に続きを望む!」
「そして原作超える!それが>>1の…」
「生きる証だ!!」

>>621
まあなんだ、あまり急かすのもやめようぜ


「だが、俺は男だ。嫁と言う呼称は相応しくない」
「問題は無い。私がそう呼びたいからそう呼んでいる」
「…………」

 きっぱりと言い切ったラウラに、刹那は言葉を失った。
 こう言った相手の説得は、スメラギ・李・ノリエガやロックオン・ストラトスが得意とすることだ。
 刹那自身、弁舌に秀でているわけでもない。

「…………私は、同じベッドで寝たいのだ。ダメか?」
「駄目だ」

 ラウラの懇願を、刹那は一刀両断する。
 ええっそんなぁと口にせずとも顔に書いてあるような悲しみを背負ったらしいラウラは、しょぼくれて下を向いた。

 しかし、刹那とて分別はある。
 男女七歳にして席を同じうせず、年頃の女性が男性と同衾するなど、大問題だ。
 そもそも、そう言った行為は両者の合意の上で行われるものである。

 ラウラが部屋へと帰るのを待つ刹那は、

銃を突きつける→ベッドに押し倒す→ラウラ裸

事実だけを見ると犯罪だな

そもそもせっさんは異性に欲情とかするの?

てか年齢差が凄過ぎる

60歳ぐらい違うぞ

フェルト「あの人の〇〇は大きすぎるから」

>>571
つアナスタシア
回想でだけど

思春期を殺しちゃったからな

しかし、私は原作を持っていない。ご期待にはお応えしかねる。
これからどうするかも未定だ。現状では何とも言えんな。


「…………」

 しかししょんぼりとした様子で打ちひしがれながらもベッドから降りないのを見て、
 この娘は意外と強情なのだな、と色々なものを諦めた。


「……ベッドならもう一つある。俺はそちらで寝る、それは自由に使っていい」

 譲歩として、刹那は今まで自身が使っていたベッドを明け渡し、そそくさともう一つの寝床へもぐりこむ。
 ラウラの気配が動かなくなったのを見て、まあベッドが別ならばいいかと適当に結論づけた刹那は、

 しかし、ラウラが再びこちらのベッドに入り込もうとしているのに気づいて、跳ね起きた。


「あっ…………」
「…………」

 無言で抗議の視線を送ると、ラウラは重い足取りでベッドに戻る。
 それを見届けて、刹那は身を横たえると、目を閉じた。


ガノタを卒業し
厨二病も卒業し
人間すら卒業しても
童貞だけは卒業出来なかった刹那さんの童貞力の高さは流石やでぇ

これは支援ではない。このスレを読む為の…

相変わらずこのスレにはグラハムが潜んでいるな

>>629
でででーでででーでででーででででっでっでっ


 二分後。

 ベッドに人が近づくのを感じ取り、刹那は上体を起こした。

「…………」
「…………」

 すごすごと、ラウラは退散していく。




 三分後。

「…………」
「…………」





 四分後。

「…………」
「…………」


小動物みたいだなラウラwwww

もう一緒に寝てやろうぜ!

ラウラ「抱きしめたいな…ガンダム!」

刹那さん流石っすね

なんかこのスレのラウラはかわいいな

せっさんは少年兵だった時点で童貞じゃない可能性が…

やだ、こういう展開のラウラさん可愛い

抱きしめたいなっ、ラウラ!

>>641
ケツはやばそうだよな

硬派主人公やっぱり良い

なんかもうせっさんはト裸ンザム状態の何もついてない状態が一番しっくりくる

 五分後。
 間隔を開けながらも全くこりる様子の無いラウラに、刹那はいい加減諦観の念を抱いた。
 ベッドの半分を開けてやり、自身は奥側に移動する。

 刹那が自らそうしたことに気づいたラウラは、ぱっと笑顔の花を開かせると、
 意気揚々とベッドに介入してきた。

 刹那の背中へくっつくと、ラウラは満足したのか、数分の後に寝息を立て始める。


 まるで子供だ、と刹那は思った。
 刹那と閨を同じにして一歩抜きん出ようとしているのではなく、誰かが傍にいることに安堵を覚えているように見える。
 それは、親がいなければ不安で眠ることもままならない、幼い子供に似ていた。

(……そうか)

 ラウラ・ボーデヴィッヒは、軍事施設の出身である。
 トランザムバーストで意思疎通を行った際の記憶から推察するに、きっと、彼女に親は無いのだろう。
 遺伝子提供者はいるが、きっと、彼女を理解し、支え、面倒を見る者は、いなかったと見ていい。
 だからこそ、彼女は狭い自らの世界に訪れた新風、千冬に憧れを抱いたのだろうが。

 ――――親が、無い。
 その事実に、刹那は己の中で重いものがこみ上げるのを感じた。

>>644
サーシェスと・・・ゴクリ

やっと追いついたぞ、少年!

せっさん歪みねえ

とりあえず刹那さんはメタルのまんまなの?

……敵襲っ!

>>644
非童貞であるよりも非処女である可能性が遥かに高いからな

せっさんの過去を考えると、童貞じゃないどころか後ろの処女も失ってる可能性があるんじゃ…

この少年兵云々への食らいつきマジパネェ

さすが見た目は子供、頭脳はじいさん
親御心が芽生えてらっしゃる

 自らの手を、血で汚したあの日。
 拳銃を手に、人を殺したあの日。
 悲鳴と助けを踏みにじり、悪意で自分を歪めたあの日。

 払拭しがたい、傷であった。


 自らの手で親の存在を断った刹那と、生まれたその日から親をなくしたラウラ。
 二人はどこか似ているように見えて、全く違う。
 けれど、同じような何かを抱えていた。

 振動で起きないようにラウラの手を優しく離してやって、刹那は起き上がる。
 彼女の寝顔は、穏やかだった。いい夢を、見ていればよいが。
 そっと、髪を撫でてやる。さらさらとした銀髪が、窓から差し込む月光を弾いていた。

 ――――今日ぐらいは、一緒でもいいだろう。
 ラウラの寝顔にどこか安心を感じた刹那は、そう決めた。


 一応言っておくが、刹那のそれは恋愛感情ではなく父性である。
 実年齢七十三歳のおじいさんである刹那は、未だ女性の心理をいまいちわかっていなかった。


シャルの時といいラウラの時といいせっさんの安定感がパネェ

とりあえず慣れれば最強だよな

一夏とはなんだったのだろうか

流石ELSと対話しきった人は一味違うで

鈍いな
イノベイターのくせに

「少年、朝だ。日光が清清しいぞ、そろそろ起きたまえ」
「刹那さん? 朝ごはん、食べないんですか?」

 ノックの音とくぐもった声で、刹那は目を覚ました。
 いつの間にか、眠りに落ちてしまったようだ。
 隣を見やると、ラウラは未だ夢の中である。

 ベッドから出ようとして、刹那はふとひっかかりを感じた。
 ラウラが、腕にひっしとしがみついているのである。
 眠っているにも関わらず、その力は強い。流石は超兵――厳密には違うが――だ。
 刹那の腕力なら外せないことはないだろうが、女性が相手となっては、強引に引っぺがすのも気が引けた。

 そんな事情は知りもしない生徒の面々は、ドアをもう一度ノック。

「少年? 返事をしろ、少年。まだ眠っているのか?」
「そろそろ起きないと、遅刻しちゃいますよ」
「……もしや、体調不良でベッドから起き上がれないのかもしれん。
 これは強硬手段もやむなしだ、ドアを開けるぞ」
「いいんですか、そんなことしちゃって?」
「男の誓いに、訂正は無い。……失礼」

 ドアを解除したらしい(あくまで)『女子生徒の集団』が、部屋に入ってくる。
 彼女らの目に入ったのは、寝巻き姿の刹那と、その刹那と同じベッドで眠る‘全裸の’ラウラ。

刹那さんは恋心に関しては一夏並みに鈍感だからな…

鈍感というか興味なさそうだよな

いや女子ってwwww

ブシドーさん?

誰だこの女版ハムw

刹那が一夏役になるとハーレムに見えないな!
グラハムかティエリアだとどうなっていたか・・・

ハム子さんに期待

男…?

グラハムきたか?

>>669
ハムもハーレムエンド見えんな…
アレルヤならアレルヤがたてたフラグをハレルヤが回収していきそうだ

「なっ……破廉恥だぞ、少年!」
「そんな……おかしいよ、おかしいですよ、こんな!」
「何なんだよこれは、男女がベッドでギシギシやってさ!
 父さん……僕どうすればいいんだ!」
「信じるんだ……自分が成すべきと思ったことを!
 ここは男子の部屋……女子は、ここから出て行けぇーっ!」

 いや、お前も女子だろ。刹那は少年のような茶髪の少女を見てそう思った。 
 その騒ぎで意識を半覚醒させたらしいラウラは緩慢な動作で起き上がり、寝ぼけ眼をこすると、

「むぅ……無作法なやつだな。夫婦の寝室に」
「夫婦……!?」
「なんとぉーっ!」
「十五で結婚なんか、出来るものかよ!」
「嘘なんじゃないか! 自分で自分を騙して、分かったようなこと言って! あなたは、何も見えていないんだ!」
「正しさが人を救うとは限らないぞ……刹那は私の嫁だ」
「君は女の子だ! 嫁なんか作れない! そうやって自分の見たいものだけ見て、すべてを否定して!」
「あんたは一体、何なんだぁーっ!」

 何の論争をしてるんだこいつらは、と呆れつつも、刹那はこの状況をどう突破したものか頭をひねった。



仮面系女子

ナントイウガノタ学園
そのうち妙に悟りきったやつとかでてくるんだろうか

おいガンダムキャラがいるぞwwwおいww

こんなクラスメイト嫌だwww

なんかいるwwww
刹那はガンダム一筋だな

>>674
カオスww
一夏の中の人でてる

でもシーブックって女装してもいけそうじゃね?

バナージさんがいるな…

半分くらいしか分かんねえw

せっさんとフェルトの関係がもう少し進んでいたら、女性の機微にも敏くなったんだろうか

もうIS学園じゃないガンダム学園だ!!

通常のISより3倍早い紅椿か…

 モノレール、車内。
 時代的には進んだ技術のためか、内部のデザインもなかなか洗練されている。
 ただ、それはあくまで一般的な観点からの話であって、刹那からすれば、やや前時代的ではあったが。

 そんな中、刹那とシャルロットは二人掛の椅子に、並び合って座っていた。
 目的は、買い物。それも、衣類を、である。

「でも刹那、どうして僕だけ誘ってくれたの?」
「臨海学校が近い。俺も水着を購入する必要があった」
「それで、僕も?」
「ああ。女子用のそれを持っていない、と前に言っていただろう?」
「そう言えば、そうだったような」

 顎に手を添えて、シャルロットは過去の思い出を振り返っているらしい。
 ふむふむと声を漏らすシャルロットに、刹那が続ける。

「見立てを頼みたかったのもある。俺はこう言った事柄に疎い。……シャルロットならば信頼できる」
「あ、今……」

 シャルロット。
 刹那にそう呼ばれて、シャルロットは何だか気恥ずかしくなった。
 少しくすぐったいけれど、嬉しい。

「どうした?」
「うっ、ううん。任せてよ」

 誤魔化しの笑みを浮かべながら、シャルロットは頷いた。


好意もたれてるのわかってて黙殺できるのがすごい

>>688
分かってないんだろ

せっさん流石としか言いようがない

刹那は競泳用のV字型だろ

>>688
せっさんは好意を「信頼されてる、理解し合える」として捉えてるんだよ

>>691
無表情の金眼で着てる姿想像して吹いた

せっさん一期で中東服のまま素潜りしてたような…

イノベイターのくせにニブイんだよ

 駅に到着して、二人はモノレールから降りると、目的地に向かって歩き出す。


 その姿を、遠方から隠れて見守る影があった。

(あれ……もしかして、デートじゃありませんの?)

 自販機を盾にするようにしつつ、刹那とシャルロットを目で追っているのは、イギリスの代表候補生――――セシリア・オルコットその人だ。
 何やら刹那が外に出かけると言う話を耳にして、ばれないよう尾行してきたはいいものの……

(くうう……まさか、デュノアさんが女の子だったなんて……
 しかも刹那さんといやに親しげですし、まさか、既にただならぬ関係なのでは……!?)
「楽しそうだな」

 嫉妬心と興味で心をたぎらせるセシリアの背に、声がかかる。
 どこかで聞いた声、振り返れば、そこにいたのはドイツの代表候補生、自称刹那を嫁にした女、ラウラ・ボーデヴィッヒ。

「ラウラさん!」
「そう警戒するな……今のところ、お前に危害を加えるつもりはない」
「信じられるものですか!」
「……すまなかった」

 突然頭を下げるラウラに、セシリアは間の抜けた声を上げそうになった。
 意図を探りかねて呆然とするセシリアへ、説明するべく、ラウラは口を働かせる。

せっさんは恋愛的な好意を友好的な行為に変換してしまうのだ…

>>692
理解しあえてねぇ……

>>698
それは言っちゃダメ!!

まあ刹那さんは無意識に自分の幸せを殺してしまうから仕方ない

これは毎週やってくれるのか?

「……刹那から、対話は友好と和平によって成されると教えられた。
 私のしたことは、今更消しようが無い。
 ……許してくれなくともいい。ただ、謝りたかった」
「…………」

 本当に、その罪悪感を晴らす言葉が思いつかないのだろう。
 優れないその表情から、セシリアはラウラが本気であることを悟った。

「……別に、構いませんわ。気にしてはおりませんもの」
「…………」
「それより、貴方と刹那さんはどのような関係ですの? この前は、キ、キスもしてらっしゃいましたし」
「刹那は……私の、嫁だ」
「はっ?」

 呆気に取られるセシリアをさておき、ラウラは一歩前に進み出ると、

「話は後だ。……すまないが、私は急ぎの用がある」
「急ぎの用?」
「あの二人に混ざる」

 平然とそう答えたラウラを、セシリアは慌てた様子で引き止めた。

「おっ、お待ちください! 未知数の敵と戦うのなら、情報収集を行ってからにするべきですわ!
 ここは追跡の後、二人がどのような状態にあるのかを見極めるべきです!」
「……なるほど。一理あるな」

 納得したらしいラウラは、セシリアと一時的に共同戦線を結んだ。


本編みてても思ったんだが混ざるってどういう事だ

>>703
一緒に行こうぜ!ってことだろ

>>689>>692
そういやそうでした
気づいたとして>>697的な感じかな

>>705
流石魔法使いを超えたせっさんやでぇ…

>>704
そんなもんとは分かるんだがなんかこう無表情のラウラがふたりの間にいるのがものすごく違和感を・・・

>>701
どうすべか
>>703
「こんなところで会うとは、何と言う偶然。
 そう言えば私も水着がないんだ、一緒に見てくれないか」と武力介入

あとせっさんが人をあだ名で呼ぶのは原作から乖離していると自覚していますが
ISのストーリーを基準にしているのでご了承ください


 大型のショッピングモールに到達した二人は、会話を交わしつつ歩を進めていく。

「シャルロット」
「うん? なあに、刹那」
「既に、女性であることは周知の事実のはずだ。
 周囲の人間からからシャルロットの名前で呼ばれても――――」
「えっ……」
「シャルロット?」
「う、ううん、何でもない。続けて?」

 話の途中で見るからに落胆したシャルロットに、刹那は自身の言動が理由なのだと理解して、原因を探り始める。
 名称の変更。これか。シャルロットの名を、学園の人間には呼ばれたくないのか?
 いや、まさか。自己紹介でそう名乗っているし、何よりシャルロットは彼女の本名。拒む理由は薄い。

あだ名どころかフルネームで連呼しそうだからな

幼馴染空気だなー

刹那ってハーレム向かないと思ってたけど
ニブチンだし、モテルし、誰にでも優しいしと一応主人公の条件はクリアしてるんだなw
でもなんだこの普通じゃない感

>>709
一期ではフルネーム連呼だったけど二期では割とファーストネームだったような?

一夏いらないな


 ならば、刹那自身に何か要因があるのか。
 今のところ、刹那は彼女をシャルロットと呼んでいるが、

 ――――まさか。

(……ティエリア、一つ確認したい)

 自身の思考を確たるものとすべく、相棒へ相談をもちかける。
 意見を述べた刹那に、ティエリアは肯定の意を示した。
 それを受けて、刹那は話を再開する。

「周囲の人間も、お前のことをシャルロットと呼ぶようになるだろう。
 だから、何か別の呼び名を考えたい」
「えっ?」
「デュノア社の人間を除けば、打ち明けてくれたのは俺が始めてだったな。
 それの、記念だ」
「いっ、いいの?」
「ああ。構わない」

 こう言った気遣いは、ロックオンかミレイナの仕事だとは思うのだが。
 七十三歳になって一応の心配りを習得した刹那は、どうにかシャルロットの機微を掴むことに成功していた。

>>712
刹那は信頼した相手はファーストネームで呼ぶ
二期のサジとの絡みを見る感じでは

50年間ずっと一人だったんじゃ…

すーぱーおじいちゃんと呼ばれてる東方不敗ですら60ちょいなのに

>>717
何言ってんだ
まだ49だぞ




確かに年齢設定おかしいと思うけど

>>711
あの人の愛は大きすぎるから……

 さて、あだ名か。
 命名という行為自体、刹那にはあまり経験がないが、有る程度のルールがあることぐらいは承知している。
 原型を留めつつ、あくまで呼びやすく親しみやすく、あまり別の意味を持たないようにすること。
 なかなかハードルは高いが、

≪あくまで人名だ。名前の発音から考えて、短縮するのが最善だろう≫

 ティエリアのアドバイスを参考に、刹那は数秒逡巡した。イノベイターとなった彼の脳内演算力は、高い。

「……シャル、はどうだ」
「……シャル。うん、いいよ、すごくいいよ!」

 確かめるように呟いて、シャルロット――――シャルは喜びを込めた声を上げた。

(シャル……シャルかぁ……これって、ちょっとは特別な存在、ってことだよね?)

 舞い上がっている彼女だが、名前の大切さは、刹那にもわかるところである。

ウモンじいさんと同じくらいの年齢だな
まだまだ現役で大丈夫だ

私にはあだ名どころか名前すら呼んでくれなかったな、少年!

>>722
あの男があだ名だろ

そういえば、メタルせっさんって不死なの?少なくとも寿命では死にそうにないよな

>>722
おまえはむしろ最後の最後まで名前を呼び合わないことに意味のあるキャラだろ

そういや刹那とかロックオンとかのコードネームって誰が決めたんだ?スメラギさん?

>>726
少なくとも刹那はスメラギだったはず

>>724
不老。でもチリ一つ残さず消滅させられたら死ぬ。
しかし別個体のELSがいればデータを元に復元できる。でもこの世界にはELSがいないので消滅=死

にしてもさっきの失敗が未だに響いている……ソランでいいんだよね、うん


 前述の通り、彼の本名は刹那・F・セイエイではない。
 ソラン・イブラヒム――――その名を、親から授かっていた。
 ……その親を、刹那は躊躇いなく殺したが。

 だから、今の彼はガンダムマイスターの刹那・F・セイエイなのだ。
 その名前に、刹那は愛着があったし、何より、既に逝ってしまった者たちは、きっと彼のことを刹那・F・セイエイと記憶しているだろう。
 だから、刹那は刹那だ。背負ってきたもののために、彼は刹那・F・セイエイであり続ける。
 きっと、これからも。


>>722
ミスター・ブシドーとしか名乗ってなかったんじゃ……

>>724
溶けた鉄の中にぶち込まれない限りは死なないんじゃね?

>>726
ヴェーダじゃないの?
たしか黒田曰く刹那・F・セイエイって永遠よりも長い時間から切り取られた一瞬よりも短い時間って意味だったな

弾の妹は…設定に無理があるか

このままのハーレム3人でいくのかな

>>730
それなんてターミネーター

一応イノベイターってだけでも寿命延びる設定あったからな

 ショッピングモールの内装は、なかなかに小洒落れていた。
 西洋の雰囲気と評するべきだろうか、建造物のデザインや質感、そして店の様相も、日本のそれとは一味違っている。

 だが。それよりも、刹那は気になることがあった。

(……つけられている?)

 後方から、刹那を追う気配があるのだ。
 しかし、その姿は見えない。気のせいだろうと見過ごしてしまいかねないほどに、存在感が希薄である。

 ソレスタルビーイングの一員として様々な訓練を受けた刹那の目で、捉えられぬほどの潜伏技術。
 人が多すぎて、脳量子波での探知も活かせない。

「刹那?」

 前を行くシャルが、刹那に振り返る。
 歩調を速め、シャルと並ぶと、刹那はボリュームを絞った声でシャルに告げた。

(「……何者かに尾行されている」)
(「尾行……?」)
(「ああ。正体まではわからないが、確かだ」)

 釣られて、シャルルが後ろを向く。
 いけない、そんな行動をしては、感づいたことを気取られてしまう。

(「シャル、止め――――」)
(「……わかったよ、その、尾行してる人たちの正体」)
(「何?」)
(「こっちへ」)

ISの主人公さえまともなら見ていたかった俺に取って、このスレはとても嬉しく思います

>>736
せっさんも色んな意味でマトモではないと思うがwww

>>736
でもせっちゃんは見ていて不快じゃなかったからな
むしろ清々しいまでのガンダムだった

 刹那の手を取り、シャルは早歩きで右手の店に入る。
 季節柄もあってか、そこは丁度水着の専門店だった。きっと、秋が来れば撤退し、違う店が顔を出すのだろう。

 つかつかと歩き、シャルルは水着を一枚手にすると、店員の目をかいくぐって刹那を試着室に押し込み、自身もそこに入る。
 脱いだ靴を回収しながら、周囲に聞こえないよう音量を下げたまま、刹那はシャルに問いかけた。

(「シャル?」)
(「向こうもこっちを見失ったはず……ここでやりすごそう」)
(「……了解。お前を信じる」)

 いつになく真剣なシャルの瞳に、冗談でないことを認識すると、刹那は息を潜めて壁にもたれかかる。
 シャルも、動きを止めて外の状況を探っているようだ。

 そこへ、

「お客様? どうかなさいましたか?」

 店員の、声がかかった。

(「うそっ!? ど、どうしよう、刹那!」)
(「俺はカーテンの影に身を隠す。恥ずかしいから半開きと言うことにすれば、多少はフォローが利くはずだ」)
(「わっ、わかった。……ってことはここで着替えなきゃいけないんじゃ……!」)
(「……危険だが、俺が外に出る」)
(「だっ、駄目だよそれじゃあ! 見つかっちゃう!」)
(「他に方法がない」)
(「でっ、でも……ああもう、わかった! 着替える!」)
(「しかしそれでは……!」)
(「もう迷ってられない!」)

 上着に手をかけ、一息に脱いだシャルから、刹那は目をそらした。

ISの世界に刹那が入り込むとまんま相良軍曹だな 今更だけど

ISみたことないけどこのシャルロットって娘かわいいな

 音を立てないよう後ろを振り向き、刹那は意識を外にやるべくティエリアとのコミュニケーションを開始する。

(ティエリア、今日の天気は?)
≪晴れ時々曇り、降水確率二十パーセント。気温・湿度共に高くもなく低くもない。過ごしやすい一日と言えるだろう≫
(すまない、助かる。……明日の天気は?)
≪晴れ、降水確率十パーセント。気温と湿度は今日より高くなる≫
(そうか)

 ティエリアの天気予報に集中しつつ、刹那はシャルの着替えを待つ。
 刹那が四日後の天気を聞くと同時、シャルは水着に着替え終わったようだ。

(「お、終わったよ。どう、かな……?」)

 上下共に黄色のビキニだが、下にはパレオが巻かれている。
 髪の色と合わせたのだろう。統一感があり、すっきりとした印象だ。

(「よく似合っている」)
(「えへへ……」)
(「だが、急がなければ怪しまれる。悪いが……」)
(「あっ、ご、ごめん!」)

 カーテンを半分ほど開き、刹那が身を置くスペースを作りながら、シャルルは店員の前に姿を晒した。
 シャルよりも前に入った者がずっとそこを利用していたと思っていたのだろう、店員は自身の勘違いを詫びて、そそくさと退散していった。

(「……シャル、タイミングは任せる」)
(「うん……オッケー、今!」)
(「了解!」)

 シャルの声にあわせ、刹那が試着室から飛び出し、男性用水着のコーナーへ移動する。
 それを見届けてから、シャルは制服を着用しなおした。

流石刹那さんだ
もう性欲とかかれてんじゃね

なんという僧職系男子

ティエリアやっぱ便利だな

せっさんマジ紳士




 水着店を後にして、セシリアとラウラはとぼとぼとショッピングモール内を歩いていた。

「……結局刹那さんは見失ってしまいましたし……これからどうしましょう」
「……私は水着を買う必要がある。失礼する」

 短くまとめて、ラウラは目当ての店に足を向ける。

「なら、私も一緒に――――」

 それに気づいたセシリアが誘いをもちかけるものの、
 ラウラは首を横に振った。

「いや、すまない。一人で決めたいのだ」
「そうですか……なら、私は寮に戻っていますわ」

 最後にため息をこぼして、セシリアはモノレールの乗り場へときびすを返す。
 その背を見送り、ラウラは先ほどの――――水着専門店に入店する。
 女性用のそれらが並ぶ地点まで向かうと、ラウラはポケットから長方形のデバイスを取り出した。
 指先でちょいちょいと操作すると、電話と同じように耳に当てる。
 数回のコールの後、繋がった音を耳にして、ラウラは通話を開始した。

「クラリッサ、私だ。緊急事態発生」
『ラウラ・ボーデヴィッヒ隊長。何か問題が起きたのですか?』

 相手は、ラウラの率いる隊、『黒ウサギ部隊(シュヴァルツェ・ハーゼ)』の副隊長、クラリッサ・ハルフォーフ。

やっぱドイツ語は一般的な言葉でもかっこいいな

せっさんはレーベンスミッテルフェアギフトゥングはするのかな?

「う、うむ。例の、刹那・F・セイエイのことなのだが」
『ああ、隊長が好意を寄せていると言う、彼ですか』
「そうだ。お前が教えてくれたところの、いわゆる私の嫁だ。
 ……実は今度、臨海学校と言うものに行くことになったのだが」

 前置きをそこそこに、ラウラは本題を切り出す。

「どのような水着を選べばよいか、選択基準がわからん。そちらの指示を仰ぎたいのだが」
『了解しました。この黒ウサギ部隊は、常に隊長と共にあります。
 ……ちなみに、現在隊長が所有しておられる装備は?』
「学校指定の水着が、一着のみだ」
『ぐぅっ……! 何をバカなことを!
 確か、IS学園は旧型スクール水着でしたね。それも、悪くはないでしょう。
 だがっ……しかしそれでは……!』
「それでは?」
『イロモノの域を出ない!』

 ちなみにこのクラリッサ大尉、日本のアニメや漫画を愛好しているためか、しばしば間違った知識をラウラに植えつけることがある。
 そこに一切の悪意はないのだが。

「ならば、どうする……?」

 何故か焦った様子のラウラへ、クラリッサは余裕の笑いで返すと、

『私に秘策があります』

 そう、返答したのだった。

…一夏ならともかく刹那にはなりやっても無駄なんじゃ…

こう考えればいい
こういうことを積み重め刹那の恋愛観を目覚めさせるのだと

>>751
いや、待て
ガンダム柄の水着ならあるいは…




 臨海学校当日。

「今十一時で~す!
 夕方までは自由行動、夕食に遅れないように旅館に戻ること。いいですね~!?」
「「「「は~い!」」」」
「任務了解」

 真耶の指示に、生徒全員が元気よく了承の返事をして、それぞれ思い思いの行動に移る。

「少年、少しいいか」

 声に振り向くと、そこに立っていたのは金髪の……少、女?
 ともかく、乙女座が一人立っていた。
 手にしているのは、バレー用のボールだ。

「私は、君との果し合いを所望する!」
「果し合い……?」
「そうだ、青い海、白い雲、そして快晴の天気!
 あえて言おう、絶好のビーチバレー日和であると!」
「ビーチバレー……!」
「嫌とは言わせんよ。私にも意地がある」
「……わかった。その挑戦を受けよう」
「ちょっと、刹那さん!?」

 何やら愛を越え憎しみを超越し宿命となった勝負に臨もうとする刹那は、ふと名前を呼ばれた。
 声の主は、青いビキニとパレオ姿の――奇しくも色以外がシャルと同じの水着を着用した――セシリア・オルコット。
 小脇にビーチパラソルとシートを抱えつつ、ふくれっ面で刹那を見やっている。

ついに来やがった乙女座www

ハム来たwwww

ハムきたーーー!!!

落ち着きがなく我慢弱い女か

「バスの中で私と約束したのを忘れましたの?」

 約束。確か、サンオイルを塗ると約束をしていた。
 先ほどから姿が見えなかった――荷物を取りにいっていたのだろう――ため、遅れるのだろうと踏んでいたのだ。

「水入り……いや、先約か。
 男の誓いに訂正は無い。彼女を優先したまえ」
「……すまない」
「どうと言うことはないさ。しかし私は我慢弱い。急げよ、少年」
「……了解」

 刹那と乙女座の会話の最中に、セシリアはシートを敷き、パラソルを広げると、その上に寝そべって、
 サンオイルの瓶を横に置いた。

「さあ刹那さん、お願いしますわ」
「わかった」

 瓶の蓋を取り、オイルを手に空ける。両手で暖めてから、ゆっくりと丁寧に、セシリアの肌に手を滑らせた。

「んっ……」

 セシリアから、悩ましげな声が上がる。
 構わず、刹那は続けた。

とうとう出たwwwwww

流石乙女座
どんな世界にいても違和感ゼロだぜ!

>両手で暖めてから
こういう気遣いは出来るのにせっさんて奴は…

>>744
ワロタ

問題はこの乙女座どんな格好をしてるかだな

一夏ェ……


「あっ……」

 繰り返すたびに、セシリアは乱れていく。ような気がする。
 その様を見守る他の女子生徒は、小さく息を吐き出しながらも目を離さない。

「うわぁ~、気持ちよさそ~」
「こっ、こっちまで、ドキドキしちゃう……」
「セシリア、後であたしにもサンオイル貸してよね!」

 ギャラリーのあおりを受けてか、セシリアの息が荒くなる。
 腑に落ちない何かを感じながらも、刹那はただ手を動かし、背中へとサンオイルを塗り終えた。

「ミッションの八十パーセントを達成……これで終了か」
「いえ、せっかくですし、手の届かないところは、全部お願いしますぅ……」
「……ミッションプランを変更……フェイズ2へ移行する。俺はどこまでやればいい?」
「足と、その……お尻も……」
「くぅっ……堪忍袋の緒が切れた! 許さんぞ代表候補生!」

 そこで、乙女座が咆えた!

鈴のかわりに乙女座がwwww

任務みたく扱うなwwwww

乙女座の違和感のなさは異常

乙女座wwww

脳内再生率高杉ww

「破廉恥であるぞ! その上約束を違えるか!」
「いえ、そんな……これも約束のうち……」
「増援を!」
「はっ?」
「女ァ!」

 乙女座の要請に答え、おでこを出した少年が介入する。
 後ろで結われた辮髪(べんぱつ)から見るに中国人なのだろうが、現地の人間だろうか。

「弱いものが海に来るな! ……サリィ!」
「はいはい」

 呼ばれて、少年の後ろから女性が姿を現した。
 ロールした金髪から見るに、セシリアと同郷かもしれない。

「ごめんなさいね、あの人たち、我慢弱いから。ここは抑えてあげて」
「はっ、はあ……」

 登場してきて場を収めようとする大人の女性に、セシリアはただ頷くほかない。

「私が代わりをやるから。ダメ?」
「いっ、いえいえ、大変光栄ですわ!」
「よし、行くぞ少年! 今から我々が進むのは勝負の世界……修羅の道だ!」

 刹那の手を引き、乙女座は砂浜を行く。


そういやせっさんとティエリアって50年近くずっと一緒だったんだよね・・・
二人っきりで

が、ガンダム学院……

もう自分で男って言ってるし。おとめ座だけど

ごひwww

さすが平和を守るプリベンダーだ

五飛とサリィwwwwwww

加藤機関五番隊隊長さん何してるんですかwwwwww


 バレーボール会場。

「さて、もしよろしければ、皆様方にこのビーチバレーをご説明させて頂きましょう」

 いつの間にやら音頭を取る審判――――赤いスーツの男の席が置かれ、刹那はバレーボールに臨んでいた。

「ルールは簡単、二体二、二十一点選手の三セットマッチ。
 戦って、戦って、戦って抜いて、スポーツマンシップに溢れた試合にして頂きたいものです」
「干渉、手助け、一切不要……と言いたいところだがな。相方を頼むぞ」
「任務、了解」
「それでは、ビーチレバレーファイトォ、レディーッ」
「お前が俺のパートナーか……よろしく頼む」
「ああ。……流派東方不敗は王者の風。例えビーチバレーであろうと、全力で行くぞ」
「ゴォーッ!」


爆発くらってもなんともない生徒とかもいるんだろうか
死ぬほどいたいとか言って

ストーカーwww

ストーカーwwwwwww
ガンダム関係者しかいねーな

http://up3.viploader.net/pic2d/src/viploader2d682231.jpg
ミスキシドーのさんぷる

ガンダムオールスターズwww

>>784
ガタイが良すぎだろwwwwwwww

なんだこのガンダム学園は……!

ハムの相方は自爆しそうだなwwww

こいつらは男なのか女なのか
それが問題だ

>>789
通りすがりとかIS学園の生徒とか海の家のアルバイトとか
あとまじこいは個人的にすごい面白かった


 あっちも人間、チャンスはあるはずだ……その希望の言葉は、しかし圧倒的な実力の前でかき消された。

「武士道とは……!」
「俺の……俺のミスだ……!」
「いいファイトだった。またやろう」
「これが……ビーチバレーだと言うのか……!?」

 刹那は、戦慄した。
 あの超人的な高速戦闘が、ビーチバレー……?

「少年、君の勝ちだ」
「ああ……」

 乙女座の視線を受けて、刹那は思わず目をそらした。
 まあ、トスなりレシーブなりを担当したものの、刹那側が大勝を収めた理由は、やはりあの赤い外套の男に他ならない。
 
「……今度は、純粋な手合わせを望みたいところだ」
「……了解した。お前が納得するまで、俺は戦い続けよう」
「その旨をよしとする。……感謝するぞ、少年」

 爽やかにそう言い残し、乙女座は会場を後にした。



なんか初期のSDガンダム思い出して懐かしくなった

刹那の相方ドモンか?やばくね?

な、なんだこれなんだこれ

なんというオールスター

>>793
悪ふざけ てへっ

「刹那、ここにいたんだ!」

 遠方から、シャルが歩いてくる。
 刹那を探していたのだろうか。

 手を振って返そうとして、刹那は、
 彼女の隣に全身にバスタオルを巻いた奇怪かつ面妖な生物がいることに気づいて、思わず動きを止めた。

 先日と同じ水着を着用しているシャルに比べてやけに重装備なそれは、
 傍から見れば妖怪か何かに写るだろう。

「……ラウラ、何をしている?」
「あ、わかるんだ」

 なんとなく、息遣いのようなものでわかる。そう言っても納得されないだろうと自ら結論に至ったので、刹那は頷くに留めておいた。
 そんな刹那を横目に、シャルはラウラの肩へそっと手を置いて、

「ほら、刹那に見せたら? 大丈夫だよ」
「だっ、大丈夫かどうかは私が決める」

 震えた声のラウラに、シャルは耳元へ口を寄せつつささやいた。

(「せっかく水着に着替えたんだから、刹那に見てもらわないと」)
(「まっ、待て。私にも、心の準備と言うものがあって……」)
(「ふぅ~ん。だったら、僕だけ刹那と海で遊んじゃうけど……いいのかなぁ~?」)
(「そっ、それはダメだ! ……ええい!」)

結局刹那にはなんとも想ってもらえないラウラカワイソス

Gガン勢と生身でやりあっちゃあそうなるわな……

いやヒイロが相手に居るぞ
奴ならきっとGガン勢にも対抗できるはず

何と言うテコ入れ回

 踏ん切りがついたのか、ラウラは自らバスタオルを外す。
 空中へ白い布が舞い、中から姿を現した。

 黒の、フリルがついたビキニタイプの水着。やや面積が小さい。
 それに加えて、ラウラ自身、髪型も変えていた。左右で縛ってあるのだ。ツインテールというやつか。

「わっ、笑いたければ、笑うがいい……」

 そっぽを見ながら、ラウラは縮こまった。
 自信がないのだろう、もじもじと、落ち着きなく人差し指同士を合わせている。

「おかしなところなんてないよね、刹那?」
「ああ……いいと思う」
「そっ、そうか。悪くないか。……嬉しいぞ」

 照れて、ラウラが下を向く。
 それと同時、クラスの女子が声を張り上げていた。

「セイエイ君、ビーチバレーやろうよ!」

 もう一度か、と思わないでもないが、先ほどの試合、刹那は何もしていない。
 せっかくだ、と、刹那は二人に目をやり、

「人数は同じだ。……いけるか?」

 二人が首肯したのを確認して、刹那は駆け出した。
 この臨海学校、いい思い出になりそうだ。


水着でバレーボールやってる刹那とかかなりシュールだな

なにこのせっさんの青春白書

と言うわけで「俺たちの満足は、これからだ!」END。

あと>>780あたりでビーチバレーがちょいちょいバレーボールになってるけど見逃して

いやあ、長かった
付き合ってくれた人たちに、感謝を。ありがとうございます。

孤児にならなかったせっさんの未来みたいな?
まあ孤児にならなかったとしても中東だからな…

>>803
お疲れ様だな少年!

なにはともあれ>>1

>>803
乙女座

原作では箒さんは電池扱い
ガンダムではアレルヤは電池扱い
空気なのは決まっていた事だったんだな…

こんなんじゃ・・・満足・・・・できないぜ・・・


何はともあれ乙でした

>>803
おつかれー
やはり私が見込んだ通りだったな、ガンダム!

>>803
乙女座の私も乙

乙!

最高の書き溜めスピードと、最強のSSを所望する

>>803

>>803
乙、続きを書く気はあるのかな?

乙ガンダム

ずっと気になってたんだが、一夏がいないから箒がいないってなんでなんだ?
一夏が入学するから箒も入学したんだっけ?

>>1
乙続き書いてくれるかな?

乙乙

>>803

こうなったら最終話まで書くのを追って満足するしかねぇ!

乙。素晴らしかった

>>818
幼馴染属性が成立しないからモブ扱いになるんじゃないか?
鈴は転校生で代表候補生だから出せたのでは

>>1
なんという僥倖!スレに張り付いていた甲斐が、あったというもの!

続きはどうするか
ISもあと3話だし

ただこれからは箒がメインになりそうなので、この設定だとどうなるか

>>818
鈴音も箒も
幼馴染じゃない=登場時点でデレない≒デレさせる理由が必要(オリ展開でのNTR)

ならいなくていいんじゃね? こうなった
失敗したかも だが箒はレアだぜ

>>1
SSを書いていた時のお前はもっと輝いていた!

というか途中から鈴音がでなくなったのはなんで?
二組だからいらないの?

――だが、認めよう。宣誓も矜持も、支援する源であるが、しょせんは建前でしかなかった。
この感情はごまかしようもない。
私は、この期待をもって>>1の書くSSよ読めることに、これ以上もなく――悦びを感じているっ……!

もしよければ、毎週(ry

ここで終わらせようとは…これが君の戦いなのだな、少年

りボンズは結局なんだったの?

>>827
・前述の通り幼馴染ではない
・2組である
・刹那に執着がない=クラスの垣根を越えてくる必要が無い
・中華枠には五飛とサイ・サイシーがいる

 ただ箒も含めて無理やりでもハーレム作っとけばよかったかなあとは今になって思う

 個人的には鈴も結構好き この世の中に不要な人間などいない

>>830
ラストの展開まで見越してのバレバレな伏線
口調でバレるだろうとは思ってたけど

鈴音はソスだから出なくても問題はない様な。

放棄メイン回だとSSはきつくなっちゃうのか。
だったら、オリジナル展開とか?

ボンズリを出すことで無意識に続編フラグを立てたのか!?

いや面白かったわ~
IS途中で見なくなったけど見直す気になった
ガンダムSSにハズレ無しだな

>>1のやりたいようにやるといい
お疲れ様だ、少年!

長いのにご苦労様です。

とりあえず放送分に追いついちゃったので、スレを立てるとしたら最終回後になります

スレタイは
刹那「IS学園?」
になるかと

ここまで読んでくれてありがとうございました

>>823
一夏いないと束に頼らないから紅椿も出てこないのかもなwww

これからもちょくちょく小ネタ書いてもいいのよ?

乙!
リボンズって性別どっちでも可だしIS適性ありそうだな

俺の中でしのののさんはちゃんと存在してるぞ

教室の端で常時ボッチ状態でだが

お前ら朝までスレ残しといてくれよ
PCに保存したい

よく言った、>>837!!


最終回前後か……

私は我慢弱い

一夏いないとただの「束の妹」なわけだからな。束がらみでなんかおきないと出番ないのはしょうがない

私は>>1の性能に魅了された!まさしく乙だ!!

オリジナルより面白いです
頑張って

乙乙クアンタ

いちもつ

ISのアニメも人気的に二期ありそうだよな・・・つまり・・・

この気持ち正しく愛だ!

どうしよう、とりあえず保守するか

ビーチバレーの件クソワロタwww

このスレ、グラハム大杉

くそっ10時に見つけて前スレ読んでやっと追いついたら2時じゃねーかw
面白かったよ乙

やはりこのスレと私は、運命の赤い糸で結ばれていたようだ!

よむほ

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