土魔族「けけけ、どこのどいつだか知らねーが、お前にはその程度がお似合いだぜ」ポンッ
魔族少女「ありがと! 私、魔族少女。君は?」
土魔族「けけけ、土魔族とでも呼んでくれ」
魔族少女「うん、よろしく!」
土魔族「けけけ……」
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魔族少女「私はねー、旅をしてるんだ。君は?」
土魔族「けけけ、気丈なこった。俺はな、魔法の研究をしているのさ」
魔族少女「強い魔法とか?」
土魔族「けけけ、笑うなよ?」
魔族少女「うん、笑わない」
土魔族「人を、魔族を楽しませる魔法さ」ケケケ
魔族少女「……」フルフル
土魔族「お前も、笑うのか?」
魔族少女「すごい! すごい良い考えだと思う!」
土魔族「け……けけ……。お優しいこった」
魔族少女「君ほどじゃないよ」
土魔族「けっ……」ケッ
土魔族「ところで、お前はどこを目指しているんだ?」ケケケ
魔族少女「あ~、うん。ちょっと言えないんだ」
土魔族「ついていってやってもいいぜ?」ケケケ
魔族少女「え?」
土魔族「興味本位でついていってやってもいいって言ってるのさ」ケケケ
魔族少女「それは願ってもないことだよ、ぜひ、よろしく!」
土魔族「まぁ、せいぜい、お互いにくたばらないようにするんだな」ケケケ
魔族少女「うん!」
魔族少女「え~と、西に向かうよ」
土魔族「けけけ……了解だ……」
魔族少女「そういえば、土魔族はどんな魔法を創ったりしてるの?」
土魔族「けけけ……そうだな……水魔法を風魔法でうまいことやって噴水をつくるとかな」
魔族少女「土魔法使わないんだ……」
土魔族「まぁ、土魔法は得意分野だが、他のができないってわけじゃないぜ」ケケケ
魔族少女「今度私にもいくつか教えてよ!」
土魔族「けけけ……ま、教えてやってもいいさ」
まさかお前だったとは。真面目?なのも書くんだな
あらかわいい
期待
>>6当方色々書けるんです。
魔族少女「~♪」フリフリ
土魔族(尻尾?)スッ
魔族少女「はぅぅぅ!?」ビクゥッ!
魔族少女「もう、尻尾さわんないでよ!」サスサス
土魔族「わ、悪かった……。でも、それは隠しといた方がいいと思うぞ?」
魔族少女「うん、そうだね」シュルル
魔族少女「これでよし、と!」パンッ
土魔族(かわいいなぁ……)
土魔族「お前は魔法は、なにが得意なんだ?」ケケケ
魔族少女「よく使うのは火かなぁ……。ま、あんまり得手不得手ないけどね」
土魔族「けけけ、属性魔族だと、一芸特化だから、お前はそうじゃないんだな」
魔族少女「まぁね」
魔族少女「魔法って言えば……」
土魔族「?」
魔族少女「あ、いや、なんでもないよ!」アセッ
土魔族「けけけ……余計なことは聞かねぇよ」
魔族少女「ありがと」
魔族少女「あ、紅天狗だぁ」トコトコ
土魔族「なんだぁ? そのキノコ」ケケ
魔族少女「猛毒なんだけど、魔族なら食べられないこともないキノコだよ」
土魔族「うまいのか?」ケケケ
魔族少女「いや、毒の味が強すぎてよくわかんない」
土魔族「そうかい……」ケ…
魔族少女「いやぁ~、のんびり旅っていうのも、誰かが一緒にいればいいもんだねぇ」
土魔族「けけけ……退屈はしねぇな」
魔族少女「私も~」
火の子1「この娘だ!!」
火の子2「連れてこいって命令受けてる!!」
魔族少女「うん……?」
土魔族「なんだぁ?」ケケケ
魔族少女「こいつらは……あいつの……」
土魔族「あいつ?」
魔族少女「いや、こっちの話」
火の子1「捕えろ~!!」
火の子2「お~!!」
魔族少女「水魔法」バシャァ
火の子1・2「ぎゃぁぁぁぁ!!」シュゥゥゥゥ
土魔族「けけけ……風情もなにもあったもんじゃねぇな」
魔族少女「まぁ、あんまり風情を出しても困ると思うけどね」
魔族少女「……進もうか」
土魔族「けけけ……了解」
けけけ…面白そう
魔族少女「でねー、でさー」ペラペラ
土魔族「けけけ……」
土魔族(魔族少女はわりとおしゃべり好きなんだな……)
魔族少女「ん? 土魔族、どうかした?」
土魔族「いや、なんでもないさ」ケケケ
土魔族(まぁ、こういうのも悪くねぇかな)
魔族少女「お、水の四天王の領地だ」キョロキョロ
土魔族(もしや、こいつは……)
魔族少女「あんまりのんびりもしてられないのは事実だけど、ごはんは食べないとね」
土魔族「けけけ……一理あるな」
魔族少女「じゃ、お店を探そうか」
土魔族「ああ……」ケケケ
面白い
<定食屋>
ワイワイガヤガヤ
土魔族「けけけ……賑わってるな」
魔族少女「そうだね~」
店員「いらっしゃいませ、お客様、ご注文はなにになさいますか?(フード?)」
魔族少女「あー、うん、炒飯で」
土魔族「俺もそれでいい」ケケケ
店員「かしこまりました(不気味だなぁ)」スタスタスタ
――
店員「ご注文の品をお持ちしました」
魔族少女「ありがと~」
土魔族「けけけ……ご苦労さん」
店員(怖いなぁ……)
魔族少女「いただきま~す!」
土魔族「けけけ……いただきます」
土魔族「なぁ……魔族少女」
魔族少女「ん?」モグモグ
土魔族「こういうこと言うのは早いのかもしれないけどよ……」
土魔族「俺、お前のこと好きだ」
魔族少女「うん、私も土魔族のこと好きだよ~」
土魔族(ニュアンスが違うんだがなぁ……)ケケケ…
魔族少女「ふぃ~、くったくったぁ~」
土魔族「けけけ……はしたないなぁ」
魔族少女「あ、ごめん……。あんまり、他の魔族(ひと)と一緒にいることなかったから、つい一人の時みたいに……」
土魔族「けけけ……俺はつきまとってやるぜ?」
魔族少女「うん、ありがと~」
魔族少女「じゃあ、出ようか」
土魔族「けけけ……了解」
魔族少女「いや~、ごはん食べたあとって眠いね~」
土魔族「そうだな」ケケ
魔族少女「お昼寝する?」
土魔族「これから出発だって時にか?」ケケケ
魔族少女「ああ、別に宿をとるとかじゃなくて、しばらく進んだら野宿でもしようってこと」
土魔族「けけけ……たくましいな」
魔族少女「う~ん。目的地まで半分来たってところかな」
土魔族「けけけ……そいつはよかったなぁ」
魔族少女「やっぱりお昼寝はなしにして、もうちょっと進もうかな。土魔族はどうしたい?」
土魔族「けけけ……俺もそれでいいぜ」
魔族少女「うん、わかった!」
魔族少女「進もう!」
土魔族「しかし……なにも起こらねぇな」ケケケ
魔族少女「なにか起こっても、ろくなことにならないよ」
土魔族「けけけ……違いねぇ」
コウモリ「ギィィー!!」
土魔族「しかし……起こったようだが?」ケケ
魔族少女「のんびりしたいんだけどなぁ……。これからそうも言っていられなくなるし」
土魔族「?」
魔族少女「ま、戦おうか」
土魔族「けけけ……なんだかよくわからんが、まぁ待て。こんなザコ、相手にするまでもないだろ?」
魔族少女「やさしいんだね。(ベタなセリフだなぁ)」
土魔族「けけけ……」ポーン
コウモリ「ぎぃ!? ぎぃぃぃぃぃ!!」バタバタバタ
魔族少女「なに投げたの?」
土魔族「おいしいものさ……」けけけ
魔族少女「そう。穏便に済んでよかったよ」
土魔族「けけけ……」
期待
魔族少女「さすがに疲れたし、宿で休んでこうか」
土魔族「けけけ……男と二人で宿とか、いいのか?」
魔族少女「なに言ってるの? 土魔族は女の子でしょ?」
土魔族「……」
魔族少女「……」
土魔族「……お前、いつから、気づいてた?」
魔族少女「ん? 最初からだけど?」
土魔族(誰にもバレたことなかったんだがなぁ……)ケケ
<宿>
受付「二名さまですね?」
魔族少女「うん、よろしく~」
土魔族「けけけ……」
――
魔族少女「んじゃ、早く寝ようか」
土魔族「ああ、睡眠不足は色々危ないからな」ケケケ
魔族少女「おやすみ~」
土魔族「また会うぜ~」ケケケ
魔族少女「……」スピースピー
土魔族「……」ケケーケケー
ケケーってどんな寝息だよwwwwwwww
あさ
魔族少女「う~ん、おはよ~」
土魔族「……」ケケーケケー
魔族少女「気持ちよさそうに寝てるなぁ。もう少し待ってよう」
魔族少女「でも、あれだなぁ。誰かといるのっていいなぁ……。もうちょっとだけ続けばいいのに……」
土魔族「……」ムクリ
魔族少女「あ、おはよう、土魔族。……今の、聞いてた?」
土魔族「けけけ……なんのことだかさっぱりだな」
魔族少女(よかった。聞かれてない……)ホッ
魔族少女「じゃあ、準備ができたら出発しようか」
土魔族「ああ」ケケケ
<街道>
魔族少女「……」スタスタスタ
土魔族「なぁ、魔族少女。歩くの速くなってないか?」ケケ
魔族少女「そう?」
魔族少女「……!」
土魔族「どうした?」ケ…
魔族少女「隠れて!」ガサッ
少年「ん~? 気配がしたんだがなぁ……」
少女僧侶「どうしたの、勇者?」
勇者「いや、なんでもない……」スタスタスタ
魔族少女「……」
土魔族「……」
魔族少女「ふぅ……」
土魔族「けけ……。確かに、隠れる必要があったな」
魔族少女「うん……」
魔族少女「ゆっくり進んだ方がいいね」
土魔族「けけけ……」
魔族少女「食べられるキノコとかないかなぁ……」キョロキョロ
土魔族「けけけ……ゆっくり仕方が、あんまりゆっくりって感じじゃねぇなぁ」
魔族少女「お、あれ見たことないやつだ~」
土魔族「けけけ……聞けよ」
土魔族「けけけ……火の四天王の領地だな」
魔族少女「……」
土魔族「どうかしたか?」ケケ
魔族少女「ああ、いや、なんでもないよ」
土魔族「そうか……」
土魔族(こいつが俺の正体に気づいた理由。それは……)
土魔族(まぁ……いいか)ケケケ
魔族少女「目的地まではもうすぐだ……」
土魔族「そうかい……」ケケ
土魔族(気が立ってるなぁ……)
魔族少女「どうかした?」
土魔族「ん? ああ、穏やかじゃねぇなぁってな」ケケ
魔族少女「……あ、ああ。生理なんだ(精一杯のギャグ)。あはは……」
土魔族「生理?」ケ?
魔族少女(しまった。土魔族はそっちの子だったかぁ……)
魔族少女(気まずい……)ソワソワ
土魔族(歩きがゆっくりになった……。俺、悪いことしちまったのかなぁ……?)ケケ…
魔族少女「……」
土魔族「……」
魔族少女(話しかけづらい……)
土魔族(話しかけていいのか、これ?)ケ…
魔族少女「あ……あの」
土魔族「おい……」ケケ
魔族少女「あ、そっちからどうぞ……」
土魔族「いや、そっちから……」
魔族少女「……」
土魔族「……」
魔族少女「ちょっと、私悪いことしちゃったかなぁって思って、話しかけづらくて……」
土魔族「俺も……」
魔族少女「……」
土魔族「……」
魔族少女「あははははは!」
土魔族「けけけ……」
魔族少女「いや~、どっちも思い違いだったみたいだね」
土魔族「けけけ……そうだな」
魔族少女「ねぇ、土魔族……」
土魔族「け?」
魔族少女「これから先、私の隣にいてくれる?」
土魔族「……」
土魔族「ああ……」
土魔族(だから、ニュアンスが違うだろうけど、まぁいいか)
土魔族「つきまとってやるさ……」ケケ…
魔族少女「ありがと」
魔族少女「目的地までは、本当にもうすぐだ。……いや、もう見えてきた」
土魔族(……やはり)
土魔族「……魔王城」
土魔族「と、なると、お前は……」ケ…
魔族少女「まぁね……」フゥ…
魔族少女「詳しい取次ぎは、向こうで」
土魔族「了解」ケケ
<魔王城>
魔族(?)「お待ちしておりました。おや? そちらの方は?」
魔族少女「ああ、うん。私の大切な、友達さ」
土魔族「けけけ……」
魔族(?)「まぁ、ご友人を招いてはいけないという決まりはありませんが」
魔族(?)「現在、魔王様と勇者は戦闘中ですので、この私、側近が裏門まで案内しましょう」
魔族少女「うん、よろしく!」
<魔王城・内部>
側近「そのお体で長旅は、さぞやお疲れになったでしょう」
魔族少女「土魔族がいたから、退屈はしなかったよ」
土魔族「けけけ……」
側近「そうですか。私からも礼を言わせていただかなくてはなりませんね」
土魔族「けけけ……いいってことよ」
側近「さて、たどり着きました」
土魔族「イス?」ケ…?
側近「魔王様が座るイス……の模造品ということになりますかね」
側近「さぁ、お座りください」
魔族少女「うん」ストン
側近「とてもよくお似合いですよ」
魔族少女「あはは、照れくさいなぁ」
側近「では、今後ともよろしくお願いいたします」
側近「土魔族さま、そして……」
側近「次代の魔王さま」
完
”なにか”が起こると思ってた方には申し訳ないが、なにか起きそうでなにも起こらないがコンセプトだったので、そこんとこは了承してくれ。
乙
乙でした
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