11巻までのネタバレ注意
ジャン(調査兵団に入って良かったぜ)-にやつき独白
子供「調査兵団のお兄ちゃん、巨人ってどんなの?」
ジャン「巨人か?デカいんだ」
子供「そんなの知ってるよ」
ジャン「じゃあ、いいだろ」
子供「そうだ、これに巨人を描いて」
-スケッチブックと鉛筆を渡す
ジャン「なんで俺が・・・」
ミカサ「ジャン・・・子供好きなの?意外ね・・・」
ジャン「え?子供が好きだと、どうなんですか?」
ミカサ「子供が好きな人はいい人」
「子供にはそれがわかるらしい」
「ので、子供に好かれるのもいい人」
ジャン「子供大好きです!」
「お子様達、お兄さんが巨人の絵を描いてあげよう」
子供「わーい!じゃあ、このスケッチブック全部に描いて」
ジャン「そんなに描けるわけ・・」
ミカサ「ジャン、あなたは意外に優しいんだ。」
ジャン「お兄さんに任せておけ」
子供「じゃあ、明日までに描いてきて。ここにいるから」
ジャン「明日からカラネス区にヤボ用なんだ」
子供「遊びに行くの?」
ジャン「いや、一応仕事なんだが・・・」
ミカサ「ジャン、それ以上は言わない。」
ジャン(しかし、どうして俺なんだろう?)
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昨夜
エルヴィン「と、いうわけで、キルシュタン君にお願いする。」
「重要な任務ではあるが、君の命に危険は少ない」
ジャン「どうして俺・・いや、私なのでしょうか?」
ハンジ「そりゃあ、適任だからだよー」
ジャン「でも、私より優秀な者が・・・」
リヴァイ「何度も言うが、今回の任務は他言無用だ。」
ジャン「しかし・・・」
ミカサ「あなたしかいない。信用出来る成績上位者は」
「ので、あなたを推薦した」
ジャン「ミカサが?俺を?」-頬を染める
エレン「だって、お前、バカがつくほど正直だろ!」
ジャン「お前にだけは言われたくない」
エレン「お前が3年もの長い間、内通者なんてのをやってられるわけないだろ」
ジャン「候補者は他にもいるだろ」
アルミン「コニーじゃ小さいし、ライナーやベルトルトは大きすぎるんだ」
ジャン「確かにそうだが」
アルミン「目つきの悪いところとかも似ているし」
エレン&ジャン「似てねえよ。目つきはこいつの方が・・」-揃って
ハンジ「確かに良く似ているねぇ」
ミカサ「いや、エレンの方が・・・ずっと素敵」
ジャン「・・・」-超ショックな表情
アルミン「とにかく、僕らはジャンを信じているんだ」
ミカサ「私もジャンを信じる。ジャンしかいない」
「ので、この任務を受けるべき」
「違わない?」
エレン「問題は、こいつが顔にも出さず、黙っていられるかって事だ」
ジャン「なんだよ。お前に言われたかねぇ」
ミカサ「大丈夫、私が明日、一日中、ジャンと行動をともにする」
「ので、心配は要らない」
「もしも、・・・・なら・・削ぐ」
ジャン「わかったよ。それほどまでに俺を頼ってくれるなら受ける」
(明日、一日中、ミカサと二人?うほほーい)
「エレン、お前はついてくるなよ。ケンカになっちまうと厄介だ」
エルヴィン「アッカーマン君がお目付け役なら大丈夫だな」
「イェーガー君は、まだ自由に行動するというわけにはいかない」
アルミン「ジャンの方がエレンを見張るよりも簡単だよね」
「でも、僕も一緒に行こうか?」
ハンジ「アルミンはさぁ、私と作戦をもうちょっと煮詰めようね」
リヴァイ「さ、わかったら、とっとと寝ろ、ガキども」
エルヴィン「キルシュタイン君、明日は街を歩いてみるといい」
「民が安心して暮らす街を感じてくるんだ」
ジャン「ハっ!」-敬礼
(うは、ミカサとデート。調査兵団に入って良かった)
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子供「うん。約束だよ!きっと帰ってきてね。僕、待ってる」
ジャン「じゃあな。帰った日に、またここに来るよ」
子供「スケッチブック、全部、使ってね」
ミカサ「私も描こう」
子供「二人は恋人同士?」
ジャン「いや、そういうわけでは・・・そう見えるか?」
ミカサ「ただの訓練兵団の同期生で、ただの調査兵団の同僚」
「ので、絶対に恋人ではない」
ジャン「ああ、同僚なんだ」
(全否定かよ。しかも、即座)
ミカサ「他の仲間にも頼んでみよう」
子供「わーい。スケッチブック、いっぱいになる!」
ジャン「ああ、いっぱいだ。楽しみに待ってろよ」
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ジャン「食事中だが、みんなに頼みがある」
「かくかくしかじか・・・・・」
「と、言うわけで、みんなにも描いて欲しい」
ミカサ「私からもお願いする」
「ので、是非、描いてもらいたい」
「私はエレンの巨人を描く」
エレン「お、頼むよ。自分の巨人姿って見た事ねぇからな」
「言わずもがなだが、かっこよく描けよ」
ミカサ「私の網膜にしっかりと焼きつかせてある」-やる気まんまん
「ので、楽しみにして欲しい」
アルミン「僕は女型。描くことによって正体に近づけるかもしれない」
ライナー「んぐむく」-パんを喉に詰まらせながら
「お、お、お、俺も協力するぜ」
「俺は(昔から見慣れている)超大型でも描くか」
ベルトルト「じゃあ、僕は(ライナーが僕を描いてくれるなら)鎧の巨人にするよ」
サシャ「んーん、大きいのは怖いから・・・2m級にします。」
コニー「く、アイデアが浮かばないのは俺がバカだからか?」
「そうだ・・・母ちゃんが巨人だっら・・とか?・・・ははは」
クリスタ「あ、それって面白そう。『もしも巨人』だね」
「私は・・・『ユミルが巨人だったら』にしようかな・・ふふふ」
ユミル「ぶっ」-お茶を噴出す
クリスタ「あ、ユミルごめん。ユミルは『私が巨人だったら』を描こうよ」
ユミル (ふぅ、一瞬びっくりしたぜ)
「クリスタが巨人なら天使の翼とか生えていそうだな?」
アルミン「あ、それわかる」-ニコりとスマイル
エレン「じゃあ、俺は『アルミンが巨人だったら』を描こう」
「金髪は外せないな。あとはどんな特徴があるかな?」
(そう言えば、母ちゃんを食べた巨人も金髪だったな)
ジャン「静粛に!今から預かった紙を配る。よろしく頼む」
-紙を配り、描き始める。
全員-無心に、真剣に描く
ジャン「ミカサが巨人化できたら無敵なんだけどなぁ」
「ち、けっこう難しいもんだな。」
全員-そろそろ描き終える
ジャン「みんな出来たようだし、集めるぞ」-回収する
サシャ「せっかくだから、黒板に貼ってください。私、自信あります」
コニー「俺は絵も天才だぜ」
ジャン「そうだな。じゃあ貼るぜ」-貼りだす
「これは、エレン巨人だからミカサだな?」
(なんか実物より良くねぇ?)-ショックな表情
「うらやましい」-小声で
エレン「お。俺ってこんな感じなんだ。けっこう逞しいんだな」
アルミン「実物を越えているかも。ミカサらしいね。」
サシャ「はい、凄いです。プロの絵描きさんみたい」
ミカサ「私は肉体を支配している。網膜も指先も」
「ので、焼きついたエレン巨人の姿を忠実に再現した」
「エレン巨人が一番強いしかっこいい」
「違わない?」
コニー「まあ、女型に負けたとはいえ、経験不足もある。」
「何しろ人類の希望の星だ。子供も喜ぶだろう」
ジャン「そうだぜ、希望の星よ。期待を裏切るなよ」
エレン「そういうお前はどんな巨人を描いたんだ?」
コニー「なんだよ、ただのミカサのヌードじゃねぇか?」
ユミル「これは確かに引くな。」
ジャン「いや、これは巨人だって」
クリスタ「お風呂で見たけど、ミカサってこんな感じだね」
「腹筋とか凄くって」
ミカサ「まさか・・・覗いたの?」
ジャン「んなわけないだろ。想像だ、想像」
ミカサ「ずっと想像してたの?それはそれで気持ち悪い」
ジャン「今だよ。今・・・」
ライナー「ジャンはムッツリだからなぁ」
ジャン「おい、それって巨人じゃなくて女神像だろ」-話題を逸らすように
ユミル「もしもクリスタが巨人だったらって、私の絵だ」
ライナー「ユミル、クリスタならもっと美しく描かないといかんだろ」
クリスタ「私はもっと巨人っぽく怖く描いて欲しかったなー」
アルミン「いや、クリスタが巨人なら女神って同感」
サシャ「それよりも、この超大型巨人、上手いですねー」
「なんか、子供の頃から見ていたような・・身近な存在ってくらい」
「超大型も有名だから子供さんも喜びますね。」
ライナー「そう、深い意味は全く無いが、誰もが知ってる巨人って事だ」
ジャン「鎧も凄いぞ、実物よりも風格あるんじゃね?」
「憧れとか、親愛とか・・そういうのさえ感じるぞ」
ベルトルト「確かに、敵じゃなければ、正直、あの強さには憧れているから」
コニー「これも、凄ぇ怖いぞ。頭でっかちだけど、耳と歯が尖ってる」
クリスタ「ごめんなさい。ユミル巨人なんですが、私、絵が苦手で・・」
アルミン「いや、けっこう、リアルな感じだよ」
ライナー「こういう巨人って珍しいけど、わりと居そうだな。さすがクリスタ」
ベルトルト「確かに居そう、これ、僕のトラウマに近いかも」
コニー「ところで、この女型、絵で見ると誰かに似てると思わないか?」
アルミン「女型は僕を殺さなかったんだ。だから、ちょっと情が移って」
「もしかしたら、タイプの女性になっちゃったのかも・・なんてね」
「ライナーは女型に握られて、真近に見たけど、どう?」
「ベルトルトの意見も聞かせてほしい」
ライナー「金髪ではあったが・・・そんなに鷲鼻ではなかったような」
(くそ、アルミン、上手すぎるぞ)
ベルトルト「ちょっと美人に描きすぎかな。一応、敵なんだし」
アルミン「そうかなぁ」-ニヤリとゲスな微笑み
ライナー「それはそうとして・・・これってアルミン巨人か?」
ベルトルト「金髪だからアルミン巨人だよね」
エレン「そうだ、アルミン巨人を描いたつもりなんだけど、上手く描けない」
ジャン「ぶぁっはっは!お前は全くの画伯だな。」
「金髪ってだけで、アルミンの面影が皆無だぞ」
「これ、笑顔なのか?困っているのか?」
ミカサ「ジャン、それは言い過ぎ。エレンが困っている」
「この巨人も実在する。どこでかは忘れたが見た記憶がある」
ベルトルト「ちょ、ちょ、これ、きもかわいい・・ツボ」-急いで話題を変えるように
一同「ぶぁっふぁっふぁ」-大爆笑
ジャン「なんだよ、これ、頭と体に対して手足が華奢すぎるだろ」
ユミル「確かにこれでは、歩くことすら難しい」
コニー「うっせい、ブス」
サシャ「でも、どことなく可愛らしいですよ、笑っちゃ失礼です」
コニー「可愛くねぇって。母ちゃんの怖さを全力で表現したのだが・・」
「この良さは天才の俺にしか理解できないのか?」
クリスタ「コニーは優しいから、どんなに怖く描いても可愛くなっちゃうんだよ」
ライナー「きっと、母ちゃんを思い出して恋しくなっちまったんだろ?」
コニー「くそライナー、てめぇが巨人に食われそうになっても絶対助けねぇ」
ベルトルト「まあ、そう怒らないで。」
「次の休暇で帰省したら『お帰り』って喜んでくれるよ」
コニー「そうだな、そろそろ帰りたいなぁ。妹や弟も心配だし」
全員「・・・・・・」-しんみりしてしまう
ゲルガー「どうした新兵、賑やかだと思ったら急にしんみりして」
-片手には酒瓶
ジャン「かくかくしかじか」
ナバナ「紙はまだあるのか?」
リーネ「面白そうね。私達も協力しようか?ね、ミケ隊長」
ジャン「すみません、あと一枚しか無いのですが」
ミケ「よし、俺が手本をみせてやろう」-紙の匂いを嗅ぐ
-サラサラ
ナバナ「なんですか?これ。」
リーネ「巨人ってより獣?」
ゲルガー「原型は既に人間じゃない」
ミケ「これは俺の想像の巨人だ。17m級」
ナバナ「設定を考えましょう」
ゲルガー「大岩を投げて攻撃する」
ミケ「それは嫌な攻撃だ」
ナバナ「言葉遣いがなんか子供っぽい」
ミケ「喋るのか?それは新しい発想だな」
リーネ「馬を襲うとか投げる」
ミケ「おいおい、それは困る。勘弁してくれよ」
ナバナ「まあ、どんな恐ろしい巨人でも」
ゲルガー「俺達の敵じゃないな」
リーネ「私達のコンビネーション」
ミケ「負けない心で、絶対に勝つ」
コニー「なんか先輩達、盛り上がってるぞ」
サシャ「ガッツポーズなんかしてますね。」
ジャン「ミケ隊長、出来たみたいですね」
ミケ「ほれ。設定の説明も書いておいたぞ」
104期一同-ミケの絵に集まる
アルミン「ところで・・これって、巨人?動物?」
ユミル「なんか、さ(るみたいだなって言うところだった、あぶない、あぶない)・・凄い」
ミカサ「毛が生えている?こんな巨人は見たことがない。『もしも系巨人?』」
コニー「ぶははっ。手長すぎ、足短すぎ、俺の事、言えねぇでやんの」
サシャ「なんだか、美味しそうですね。獣みたいです。」
ベルトルト「でも、この設定はかなりヤバイ」
ライナー「女型並に知性があるってことだろ?」
ユミル「本当に居たら脅威だな」-遠い目で
ミケ「大丈夫、いたとしても俺達が倒すって」
リーネ「そ、安心して。新兵は私達が絶対に守る」
ゲルガー「守ってやったらお酌しろよ」
クリスタ「はい、私がお酌しますよ」
ミケ「さ、そろそろ行くぞ。新兵も夜更かしすんなよ」
104期一同「ありがとうございました!」
ジャン「これだけあれば、あのガキとの約束が果たせそうだ」
「みんな、ありがとう」
ミカサ「私からも礼を言う」
「ので、104期訓練生の信頼をより深めよう」
「違わない?」
ライナー「ああ、ミカサの言うとおりだ。生き抜こうぜ。」
「全員、死ぬなよ!」
ベルトルト「こうやって絆を深められたのもジャンのおかげだね。ありがとう」
ジャン「それじゃあ、俺が〆るぞ。」
「明日からの待機休暇、有事に備えて、しっかり体を休めろよ!」
コニー「なんで、お前が〆るんだよ」
エレン「しかも、偉そうに」
ユミル「死亡フラグってやつじゃないのか?」
ライナー「まあ、ジャンは殺しても死ぬような奴じゃないから大丈夫だ」
ベルトルト「そうだね作者にも好かれているみたいだからね」
(僕なんか・・・僕なんか・・・)
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こうして、それぞれの運命が描かれたかのような絵を残し・・・・
エレン、ミカサ、アルミン、ジャンはアニの捕獲作戦に。
他の者は、疑われているとも知らず、丸腰で待機休暇に。
ミケ達は不測の事態に備えるのであった。
Fin
乙面白かった
実際、誰が生きて帰って来るのかな
待ってる人がいるって、完全に死亡フラグ・・・
このSSまとめへのコメント
ふざけているようだが、決戦前夜におけるキャラの運命とか悲しみが感じられる。
104期で、幼馴染3人以外、ただ一人だけ、ジャンがアニ捕獲作戦に加わった理由もこんな感じではないだろうか?
子供との約束とか、ジャンの死亡フラグ?
まあ、原作でもアニメでも、ミカサとのコンビネーションが叶ったんだから、ジャンも思いを遂げているかな?
ゲルガー可哀想。
必死で守ったのに、クリスタにお酌してもらうどころか、末期の酒を使われていた。