照「お任せあれ!」玄「もうやだ帰りたい」 (149)
拝啓 宮永咲さま
暑い日が続きますがいかがお過ごしでしょうか
私は今ーーーーーーーー
宥「玄ちゃーん」
照「奈良にいます」
SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1363072445
百合
入れ替わりss
書きためなし
気ままに投下します
前作
照「千里山に転校します」菫「は?」
貴殿か…期待する
支援
照玄好き
これは期待
奈良か
期待
おもち!
宥「今日もあったか〜い」
照「……暑い」
インターハイが終わったばかりだというのに私が奈良にいる理由
話したらきっと咲は笑うかな
それとも
心配してしまうかな
宥「ずっとこうなら良いのにね〜」
照「……」
宥「どうかした?」
照「……別に」
宥「今日はなんだか雰囲気違うね」
宥「 玄ちゃん 」
ねえ咲。私はーーーーーーー
照←→玄
入れ替わってます
以降は
玄「私は宮永照だ」←中身は照
照「私は松実玄です」←中身は玄
で進行しますので混乱しないよう脳内再生頑張って下さい
玄「そんな事ないと思う。普段通り」
宥「んー。話し方も違う気がする」
玄「そう……かな」
宥「今朝も起こしに来てくれなかったし」
玄(毎朝妹に起こされてるのか)
宥「もしかして……」
玄「……」
宥「まだ………怒ってるの?」
玄「 え? 」
宥「昨晩の事……」
玄(喧嘩でもしてたのかな)
玄「怒ってない…よ」
宥「ホント?」
玄「うん。えっと、今日はちょっと暑いから……調子が出ないだけ」
宥「そっか。嫌われたんじゃないんだ。良かったぁ」ホッ
玄(嫌われるような事したの?)
宥「でも……うん。玄ちゃんだって調子が出ない日くらいあるよね」
玄「ある。大いにある。恐らくこれから常時ある」
宥「夏はまだまだ終わらないからね。私は嬉しいんだけどなぁ〜」
玄「夏にマフラーはさすがに二度見した」
宥「 え? 」
玄「なんでもない」
阿知賀女子学院
麻雀部部室ーーーーーーーーーーーー
ガララ
宥「おはよう〜」
灼「おはよう宥さん、玄」
玄「……」コソ
灼「? 玄どうかしたの」
玄「どうもしない」
灼「そう……」
宥「憧ちゃんと穏乃ちゃんはまだ来てないんだね」
灼「そろそろ来ると思う。ハルちゃんは少し遅れるって」
宥「そうなんだぁ」
玄(阿知賀女子麻雀部)キョロキョロ
玄(インターハイが終わったばかりなのに練習するんだ…)
玄(全国2位は伊達じゃないって事か)
きたか
玄(照)咲が見れると聞いて
昨晩…だと…!?
宥姉とクロチャーできてんのかな
照宥期待
照玄期待
玄咲期待
玄(うちも練習始まった頃かな……)
玄(なんとか体の主に連絡を取らないと)
宥「じゃあみんな揃うまでお茶して待ってよっか」
灼「うん。確かお菓子残ってたよね」
玄「お菓子」ガタ
宥「私お茶淹れるね。玄ちゃんなに飲みたい?」
玄「ミルクティーがいい」
灼「えーとお菓子は……と」ガサガサ
玄「手伝う」
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
ガララ
穏乃「すいません遅れましたっ」
憧「しずが朝から山なんて行くから」
穏乃「ご、ごめんて。天気が良くてつい」
玄(大将の鷹鴨穏乃に中堅の新子憧か)モキュモキュ
憧「あ、玄おはよ」
玄「おはよう」
穏乃「おはようございます。玄さん」
玄「おはよう」
憧・穏乃「……」
憧(気のせいか今日の玄)
穏乃(やけに凛々しい)
宥「憧ちゃんと穏乃ちゃんはなに飲む?」
憧「私冷たいお茶〜」
穏乃「ジュース残ってるのありましたっけ」ガパ
ワイワイガヤガヤ
玄(阿知賀女子……いいところだ)モキュモキュ
お菓子豊富だもんね
穏乃「ごくごくごくごく……ぷはあっ」
玄「もぐもぐ」
憧「ちょっとしず一気飲みとかって子供じゃないんだから」
玄「もぐもぐ」
穏乃「朝から運動したから喉乾いてたんだよー」
玄「もぐもぐ」
灼「穏乃は大人になったらビール一気飲みしてそう…」
穏乃「えー? そんな人をオヤジみたく言わないで下さいよぉ」
玄「もぐもぐ」
宥「お茶あったか〜い」ホクホク
玄「もぐもぐ」
憧「あ、カントリーマァムも〜らい」ヒョイ
穏乃「それ最後に残しといたのにー」
玄「もぐもぐ」
憧「なにそれ。なら麻雀で勝った人が食べるってのでどう?」
穏乃「よしっ。乗った!プラスラーメンにしよう!」
玄「もぐもぐ。ごくん」
カチャカチ タン タン
憧(あれ?)
穏乃(玄さんが卓にいるのに)
灼(ドラが来た)
玄「ツモ。1000、2000」パラ
憧・穏乃・灼「 !? 」エッ
玄(カントリーマァムツモ。なんちゃって)ギュルルル
宥「お茶あったかーい」ホクホク
タン タン
憧(また普通にドラ……)
穏乃「リーチ!」ターン
玄「ロン」パラ
穏乃「え、ええ!?」
憧「と、トビ……」
穏乃「さ、3人同時に飛ばされた」
玄(カントリーマァムおいひい)モキュモキュ
灼「明らかに玄がおかし…。まるで別人」
玄「そんな事ない」モグモグ
憧「いやいや、やっぱり今日の玄変だって」
穏乃「うん。普通にドラ切ってるし、切ってもドラ引いてるし」
玄「カントリーマァムにバニラ味があるって知らなかったから……頑張っただけ」モキュ
灼「玄が急にもぐもぐキャラになった…」
憧「宥姉も変だと思うでしょ?」
宥「え……」
玄「……」モグモグ
宥「く、玄ちゃんにもこういう日はあるんじゃないかな」
憧「こういう日って……どういう日よ……」エー
玄(朝起きて鏡を見た時は心底驚いたけど)モキュモキュ
玄(バレずに切り抜けつつ馴染んでいる)モキュモキュ
玄(人間の順応力って凄い)ゴクン
宥姉…
宥姉……
東京
白糸台高校麻雀部部室ーーーーーーーー
照「ツモです。6000オール」パラ
亦野「うわっ!?」
淡「ドラ6とかってテル格好いいー!!」
菫「おま…照、どうしたんだ」
照「あ、えっと。あはは」
菫「今日ずっと変だな。なんだか別人のようだ」ジー
照「き、気のせいなのです」ハワワ
亦野「そういえば今日はあんまりお菓子食べませんね」
渋谷「お茶も日本茶でした」
照「はうう…」
照(こ、これは隠し通す自信がないのです)ウウ
照(宮永さんに相談してからと思ってたけど……もう正直に)
照「あ、あの」
淡「きっとプロデビューに向けて色々試してるんでしょ!!」
照「 へ? 」
淡「さっすがテルー! 新しい必殺技を模索中なんだね!」
菫「……そうなのか?」
照「う、うん。そうそう」コクコク
亦野「新しい必殺技……す、凄いです宮永先輩っ」
渋谷「己の再開発の為にあえて渋いお茶を飲むだなんて」
渋谷「素敵だと思います」ポ
照「あはは……はは」
淡「ねえねえテルー。今日遊びに行ってもいいでしょ?」
照「え。それは……どうなのかな」
菫「今日もか淡。最近ずっとじゃないか」
照(ずっと? 宮永さんはこの子と仲が良いのですね)
淡「だって……テルもうちょっとで卒業しちゃうもん」シュン
照「あ……」
菫「……はあ。仕方ないな。ただしあまり照に迷惑かけるなよ?」
淡「う、うんっ」パアァ
菫「照も淡を甘やかし過ぎないようにな」
照「分かりましたっ」
菫「なんで敬語なんだ」
照(大星さん。宮永さんが卒業するのが寂しいんですね)
照(私もお姉ちゃんが卒業するの寂しいから……)
照(甘やかしちゃダメって言われちゃったけど優しくしてあげなきゃ)フンス
宮永家
照の部屋ーーーーーー
淡「なんか今日は散らかってるねー」キョロキョロ
照「朝ちょっと非常事態だったから」アハハ
淡「よお〜し。私が片付けてあげるっ」
照「わあ〜ありがとう」
淡「え、えへへ」
淡「よいしょ。よいしょ」セッセッ
照「うん。とっても綺麗になったね」
淡「頑張った!」ドヤァ
照「ありがと。よしよし」スッ
淡「ふえっ!?」
ナデナデ
淡「て、テル? どうしたの? 今日ホント少し変…」アワアワ
照「え? 頑張ってお掃除してくれたから……変かな」ナデナデ
淡「なんだか、や、優しくていつものテルじゃないみたい」カアア
照(あれ? でも毎日遊ぶくらい仲良しなんだよね?)
淡「ねえテル……今日泊まってもいい?」
照「んっと。たぶん大丈夫……かな」
淡「ほ、本当!?」
照(えっ。いつも泊まってるんじゃないの?)
淡「やったやった」ピョンピョン
照(なんかすごく喜んでるし……まあいいか)
淡「やっぱり今日のテルはいつもと違うね!」
照「えへへ、あんまり気にしないで」
淡「もしかして……私の気持ち受け取ってくれる気になったのかな」チラ
照「 ん? 」
奈良
松実館ーーーーーーーー
宥「大広間のお片付け手伝ってくるから、玄ちゃんはお風呂場をお願いね」
玄「わ、分かった」
宥「えっと……お風呂掃除が終わったら」
玄「 ? 」
宥「う、ううん。じゃまた後で」カアア
タタタッ
玄「……お風呂掃除か」ハァ
ゴッシゴッシ
ゴッシゴッシ
玄「はあっはあっ」
玄(部活が終わって帰宅してからずっと旅館の手伝い)
玄(松実玄と連絡を取る隙がない……)ハァハァ
ザパアッ
玄(早いとこ元に戻らないと……というか戻りたい)ハァハァ
仲居『玄ちゃん悪いっ!こっち手貸してー!』
玄「は、はあーーい!」ヒイー
松実玄の部屋ーーーーーーーーーー
フラフラ
ポスン
玄「ん〜…もう動けない」グテ
玄「はっ。とにかく電話だ。連絡を取ってこの状況を
プルルルルルルルルーー
玄「……向こうから来た」
ピ
玄「も、もしもし」
照『もしもしっ! 宮永さんですか!?』
玄「う、うん。あの」
照『大星さんの事どう思ってますか!!』
玄「 は? 」
玄「大星さんて、淡?」
照『好きですか嫌いですか!!』
玄「まぁ、好きだけど」
照『了解しましたっ!!』
ピ
玄「え、なにが了解なの?」
ツー ツー ツー ツー
玄「……」
玄「………なにか物凄く嫌な予感がするんだが」
コンコン
宥『玄ちゃんいる?』
玄「松実姉……?」
宥「……」ソワソワ
玄「……」
宥「……」ソワソワ
玄(向こうの状況が異様に気になる)
玄(松実玄は淡と一緒にいるのか……?)
宥「あの…ね、玄ちゃん」
玄「な、なに?」
宥「今日一日玄ちゃんの様子がおかしいのって、やっぱりお姉ちゃんのせいだよね」
玄「? 違うよ……」
宥「でも、今日一度も笑ってくれない」
玄「う。そ、それは」
宥「昨晩……お姉ちゃんが」
玄(なにしたんだ)
宥「無理やり……///」カアア
玄「無理やり?」
宥「で、でもね! お姉ちゃん本気で玄ちゃんの事」
玄(ああ……なんか分かっちゃった……)oh
宥「く、玄ちゃんっ」ズイッ
玄「っ!? ちょ、ちょっと待って」ズザッ
《数日後》
東京
宮永照の部屋ーーーーーーーーーーーー
玄「……」
照「……」
玄「えっと。なんか……部屋キレイだね」キョロキョロ
照「あ、あはは。お掃除は……得意なので」
玄「そう……さすが家が旅館なだけはある」
照「旅館、どうですか? お手伝いばかりだと思いますけど」
玄「慣れた」
照「そうですか……良かった」
玄「お風呂掃除は10分もあれば終わる」フフ
照「凄いです。もう立派な仲居さんですね」アハ
玄「とりあえず元に戻る方法を考えよう」
照「そもそもどうして急に入れ替わったんでしょう」
玄「見当もつかない。朝起きたら既に入れ替わってた」
照「何をどうして良いか全く分かりませんね」ハァ
玄「よくドラマとかでは強いショックを与えるといいとか」
照「……頭ぶつけてみます?」
玄「痛いのは勘弁だけど……この際そんなこと言ってられないか」
せ〜の
ゴッチン!!
玄「よし、長期戦でいこう」ジンジン
照「そうですね。とりあえずお互いの生活を平穏に過ごしましょう」ジンジン
玄「では約束していた虎の巻を」スッ
照「はい。私もしっかり書いておきました」スッ
照「やっぱり周りに相談は無しですか」
玄「言っても信じてもらえないだろうし……変に大事にもしたくない」
玄「心配もかけたくないしね」
照「……了解です。では対応に困った時はこの虎の巻で乗り切りましょう」
玄「ところで……」
照「はい?」
玄「……いや、なんでもない」
照「はあ……」
玄(世の中いろんな姉妹がいるんだな)
玄(咲に会いたい……)グスン
入れ替わりが無ければ宥玄、淡照になってたのか可能性あったんか
そう考えると宥姉と淡が気の毒やね…
外見的にはそうなったってことでいいのかな? >宥玄、淡照
さてどう展開するか。
支援や
肝心なシーンを省略かい!
拝啓 宮永咲さま
立秋とは申せ、まだまだ猛暑が続いております。
お元気でお過ごしでしょうか。
私は未だ奈良にて
玄「奈良にて……」
玄「はあ〜〜」ズーン
コンコン
宥『玄ちゃん今いい…かな』
玄「……うん」
宥「あの……お茶飲まないかと…思って」
玄「ん、うん。じゃあ頂こうかな」
宥「玄ちゃんの好きなハーブティー。お姉ちゃん頑張って淹れるね?」
玄(ハーブティーか)
玄(そういえば虎の巻の好物の欄に書いてあったな)
玄「ありがとう。私ハーブティー大好き」ニコッ
宥「えへへ…」
玄(妹スマイルも完璧。まさに松実玄そのもの)フッ
宥「そうそう。今日憧ちゃんがね」
玄「うん」
宥「最近、玄ちゃんに麻雀負けっぱなしで悔しいって言ってたよ」
玄「へー」
宥「スゴいもんね。最近の玄ちゃん」
玄「それほどでもないのだ」
宥「でも意外だったな……ドラを手離すなんて」
玄(そればっかりはどうにもならないからね)
宥「あ、今の玄ちゃんの打ち方も好きだよ?そういう意味じゃなくて」アセ
玄「うん……」
玄(確かドラには亡くなったお母さんとの思い出があるんだっけ)
玄「あの、うまく言えないけど……」
玄「きっとお母さんは全部見ててくれて……ちゃんと分かってくれてるはずだから」
玄(絶対元に戻ってみせる……)グ
宥「玄ちゃん……」
宥「な、なんだか本当に雰囲気変わったよね」
玄「そんな事ないのだ」
宥「みんなも言ってるけど……ちょっとカッコ良くなった……よ?」チラ
玄「そ、そんな事、ないのだ」
のだww
のだww
宥「玄ちゃん……あの…」
玄「な、なに?」
宥「あの時のお返事は……その……まだかかる…?」
玄「も、もう少し」
宥「そっか。もしかして……もしかしてね?」
玄「うん…」
宥「他に好きな人がいたり」
玄「それはない! ないから!」
宥「で、でも最近本当に別人みたく変わって」
宥「憧ちゃんとか穏乃ちゃん以外も、クラスの子とかも玄ちゃんがカッコ良いって」
玄「ええっ。な、なんで」
宥「以前のゆるゆるとのギャップ……?」
玄(どんだけだ! 松実玄っ)
玄「い、今も十分ゆるゆるだよ?」エヘッ
宥「私は前の玄ちゃんも、今の玄ちゃんも……どっちの玄ちゃんも、す、好き//」カァ
玄「あ、ありがとう」
宥「もし、もしもだけど、憧ちゃんとかに好きって言われたら」
玄「断ります!」
宥「本当に?」チラ
玄(ダメだ。埒があかない)
コンコン
仲居『ごっめーん。ちょっと助っ人お願〜い』
玄「!? わたし行くっ」バッ
ダカダカダカ!
宥「玄ちゃん……」シュン
玄「はあ……はあ……」
玄(松実姉には悪いけど、本人の承諾もなしに返事は出来ない)
玄(というか、私の貞操が危うい)
玄(あれ? そういえば入れ替わる前夜の無理やりって、結局何をしたのかな)
玄(やっぱりちゃんと聞いておけば良かった)
キンッ!
玄「ッ!? な、なに? 頭が」グラ
玄「き、急に……あ……れ……??」クラ
キュイイイイイーーーン
ーーーーーーン
照「 はっ!? 」バッ
照「も、戻った!」
淡「どうしたのテル」
照「え!? うわあっ!」
ドンガラガッシャーン
淡「て、テルー!?」
照「い、いたたたた」
淡「大丈夫!? 急に大声上げてベッドから落ちるなんて」
照「あ、淡?」
淡「頭打ったの!? 私だよ、淡だよっ!」
照「いや、目開けたら後輩のどアップは驚く………って」
照「………なんで裸なの?」
淡「 え? 」
照「 え? 」
玄「 あれ? 」ハテ
おいアホチャー
玄はちゃんと電話で照に確認とったからね、仕方ないね
玄ちゃんは照にTSUGUNAIしないとダメだよね(´・ω・`)
玄「ここ……松実館? あれ? 私さっきまで」ウーン?
仲居「玄ちゃんっ。こっちこっち! 早く手貸してー!」
玄「ふえ? あ、はーい」
タッタッタッ
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
淡「テル、本当に大丈夫? 派手にすっ飛んだもんね。ここどこか分かる?」
照「だ、大丈夫……じゃない……」
淡「ええっ。痛い? 気持ち悪い? どうしたらいい?」アワアワ
照「どうもしなくていい。す、少しそっとしといて……」
淡「う、うん。分かった」
照「………とりあえず服着ようか淡」ミエテル
照(目を開けたら裸の淡が私のベッドに寝ていた)
照(これってやっぱりそういう事?)
照(そういえば前に気になること聞いて来たな。好きとか嫌いとか)
照(いや、でも私は裸じゃないし……)
照「ねえ淡。私と淡って、今なにしようと…してた…のかな?」
淡「て、テル……忘れちゃったの? 私のこと、好きだって言ってくれたよね…」ジワ
照「 !? 」
淡「あれは、うっ…嘘、だった、の?」ブワッ
照「ご、ごめん! 覚えてる! 覚えてるからっ」ウワァ
淡「ふえ〜〜ん。テルが〜、テルが〜〜」ビエーン
照「す、すす好きっ! だ、大好き! 愛してるっ!!」
淡「え〜〜ん、え〜〜ん」ビエェーン
照( あ の や ろ う )ゴゴゴゴゴ
照「とにかく淡、頼むから泣きやんで…」
キンッ!
照「 ッ!? 」
淡「……テル?」グスン
照「ま……まさ…か……また…?」フラ
キイイイイイイーーーーーーーン
ーーーーーーーーーン
玄「 はっ!? 」バッ
仲居「玄ちゃん危ないっ! 倒れるー」
玄「えっ!? うわあっ」グラ
ドンガラガッシャーン!!
仲居「あらら、お膳が。大丈夫?」
玄「…………」
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
照「 ふえ? 」
淡「テルっテルーー!」
照「淡ちゃん。あれ? また戻っちゃったんだ」ハテ
淡「急に目のハイライト消えるんだもん。心配したよぉ〜」グスン
照「あ、ごめんごめん。よしよし」
ナデナデ
淡「ふわあ…//」
注意
今後何度か入れ替わりますので、脳内再生よろしくお願いします。
分かりにくくて申し訳ないです。
プルルルルルルルルルルルルルルーーーーー
照「宮永さんだ」
ピ
照「もしもし。びっくりしましたね〜、戻っ」
玄『その前に聞きたい事がある』
照「なんでしょう」
玄『淡とはどこまでやった』
照「? ああ、あれは」
淡「テルぅ。誰と電話してるの?」グスン
照「淡ちゃん、よしよし。ちょっと宮永さん」
玄『な、なに?』
照「どうして淡ちゃんが泣いているのです!」
玄『えっ。あの、ごめん』
照「私がせっかくキューピットになって二人の仲を取り持ってあげているというのに!」
玄『 は? 』
照「心配せずとも私にお任せ下さいっ! では!」
ピ
ツー ツー ツー ツー
玄「…………」ゴゴゴゴゴゴ
これはギュルギュルにギギギまで叩き込みやろなぁ
なんだこのntrは。たまげたなぁ…
クロチャー…
奈良
阿知賀女子麻雀部部室ーーーーーーーーー
玄(あれから数日。結局元に戻る事はなく私は奈良)
玄(そしてあれ以来、松実玄が電話に出ない)イラ
玄(メールを送っても『お任せあれ』の一言)イライラ
玄「淡……」
玄「はあ……大人しくまた入れ替わるのを待つしかないのかな……」
憧「入れ替わる?」
玄「 わあっ! 」ビクーン
玄「ど、どうしたの憧。今日はテスト期間中で部活は休みなはず」
憧「玄こそ」
玄「私はちょっと考え事がしたくて……」
憧「ふうん……ねえ」
玄「なに?」
憧「玄がイメチェンしたのって宥姉が理由?」
玄「……イメチェンしたつもりはないんだけど」
憧「自分で気付いてないんだ。最近全然違うよ?」
玄「 え 」
玄(虎の巻チェックしながら完璧になりすませていると思ってたのに)ズーン
憧「とりあえず、私のこと憧って呼び捨てにするようになった理由を知りたいな」
玄(……私の馬鹿)ハァ
憧「勘違いしないでね? 呼び捨てされるのが嫌な訳ではないから」
玄「うん…」
憧「むしろ親しみがあって嬉しかったりする」
玄「そう……それは良かった、のです」
憧「それで、その…宥姉との事なんだけど」
玄「ああ、うん」
憧「付き合って…るの?」
玄「つ、付き合ってないよ」
憧「そうなんだ」ジー
玄「……なにかな」タジ
憧「なら……さ」
玄「うん?」
キンッ!
キュイイイイイイーーーーーーーーーーーン
玄(あ………ま…た……か……)
ーーーーーーーーン
照「……ん」パチ
菫「ーーーー照。聞いてるのか?」
照「あ、菫。久しぶり」
菫「 は? 」
照(部室か。白糸台も今はテスト期間中のはず)キョロキョロ
照「えっと、それで何の話してたっけ?」
菫「お前な。お前がこのままだと留年です〜って泣きついて来たんだろ」
照「あぁなるほど。菫に勉強を教えてもらってたのか」ポン
ふむふむ
そろそろクロチャーにも痛い目見せようか
菫「しかし本気でこのままだとマズいぞ」
照「だろうね」
菫「だろうねじゃない。どうしたんだ、成績は良い方だったのに」
照(解らないのではなく知らないんだから……こればっかりは責められないな)
照「まあ、今回のテストが悪くても卒業出来ない訳ではない。プロ行きも決まってるし」
照「私は諦める」キリッ
菫「 えっ!? 」
照「それより菫、聞きたい事があるんだけど」
菫「な、なんだ」
照「最近の私はどうだろう。特に淡とはどんな感じ?」
菫「はあ!?」
照「最近こう……別人のようになったとか」
菫「別人…。そうだな、全体的にゆるくなったなお前」
照「ゆるく? それだけ?」
菫「雰囲気がやわらかくなったかな。話しやすくなったと1、2年生は喜んでいるらしい」
照「そうなんだ……」
照(あれ?思ってたより上手くやってるのか)
照「淡とはどう? 変な空気出してない?」
菫「変な空気がどんな空気なのか分からないが…」
菫「微笑ましいな。仲の良い姉妹みたいで」
照「えっ!? ほ、本当に?」
菫「なんだ、淡と喧嘩でもしたのか?」
照(周りに気付かれないように巧みに隠しているのか……それとも裸の淡は何かの間違いなのか)
プルルルルルルルルルルルルルルーーーー
照「ちょっとごめん」
ピ
照「もしもし」
玄『宮永さんっ! どういう事か説明して下さいっ!』
玄『憧ちゃんがっ! 憧ちゃんがあっ!』
照「……………ああ(察し)」
玄『あんな憧ちゃん見た事ないのです……女の子でした、女の子でしたっ……』ヨヨヨ
玄『いったい憧ちゃんに何をしたんですかあっ』
照「何もしてない。ただ麻雀でひたすら打ちのめして呼び捨てで呼んじゃってただけ」
玄『なんですかそれぇ』
照「それより何で電話出なかったの? 淡とはどうなってるの?」
玄『だから何度もお任せ下さいって言ってるじゃないですかあ……』
玄『とにかく今は憧ちゃんとの事を対処しないと…』ヨヨヨ
照「憧はちょっと置いといて、松実宥とはどうしたいの? これ以上引き伸ばすのはかわいそう」
玄『へ? お姉ちゃん? お姉ちゃんがなんですか?』
照「あのさ、初めて入れ替わった前夜に強引に何されたの?」
玄『そっそれは///』
キンッ!
キュイイイイイイイイーーーーーーーン
照「ああ……いやだ……このタイミング……」
玄『憧ちゃんとの事……責任……取って…下さい…ね…』
ーーーーーーーーーン
玄「 っと 」パチ
玄「えーと、どこだろここ。部室じゃないって事は憧から逃げたのか」キョロキョロ
玄「良かっ…
憧「見つけた! ちょっと玄っ」
玄「」
アコチャー…
《その日の夜》
奈良
松実玄の部屋ーーーーーーーーーーー
照『憧ちゃんとはどうなりましたか』
玄「なんとか傷つけないようにお断りしておいた」
照『さすが宮永さん。そういうの得意そうです』
玄「……それは誉めてるの?」
照『もちろんなのです』
玄「そう…」
照『はい…』
玄「……」
照『……』
玄・照「はあ〜……」
照『何度か入れ替わって、そのたびに元に戻ったとぬか喜びしましたよね』
玄「うん。でも結局はこの状態」
照『私、なんだかずっとこのままのような気がして来ました』
玄「私も。だから……もはや受け入れるしかないのかもしれない」
照『それは、諦めてお互い好きに生きるって事ですか?』
玄「諦めたくはない。でも……受け入れる必要はある、と思う」
照『………淡ちゃんの事はいいんですか?』
玄「淡? また淡か」
照『好きなんですよね?』
玄「………さあ」
照『素直じゃないんだから』ハァ
玄「そっちこそ松実宥の事はいいの?」
照『そ、それは』
玄「お姉さんの私を見る目……私を通して玄のこと見てるよ」
照『え……』
玄「ちゃんと玄のこと見てる。外見じゃなくてさ」
照『宮永さん……』
玄「でもこのままはぐらかしてると、たぶん拒否されたと誤解するだろうな」
照『そんなの嫌ですっ。私……お姉ちゃんと一緒にいたい……』
玄「そうだよね……」
照『タイミングよく入れ替わらないものですかね…』
玄「うん…」
玄「返事だけでもしようか」
照『……本当はちゃんと自分の口でお返事したかったんですが……仕方ありませんよね』
玄「きっと喜んでくれると思うよ」
照『じゃあ淡ちゃんにも!』
玄「淡は……いいよ」
照『またまたそんなこと言って』
玄「というか、すでにそういう関係になってるんじゃないの?」
照『確かに好きという言葉は伝えましたけど』
玄「……裸で私のベッドにいたよね」
照『ま、その事はいつか本人に聞いて下さい』
玄「む……。なんか釈然としない」
照『淡ちゃんといると、どんなに宮永さんの事が好きなのか伝わって来るんです』
玄「……」
照『そして宮永さんとして生活していると、どんどん宮永さんの事が分かって来るんです』
玄「私ってどんななの?」
照『そうですね……友達や仲間をとても大切にしている人です』
照『ちょっぴり不器用で鈍いところもあるみたいですけど、みんなが宮永さんを好きになる気持ち、分かります』
玄「照れる」
照『虎の巻も、自分の事より周りの人達の事ばかりですもんね』
照『おかげであまり役に立ちませんでした』
玄「ごめん」
照『……宮永さん』
玄「なに?」
照『明日、お姉ちゃんにお返事してくれませんか』
玄「…………分かった。任せて」
照『はい………よろしく…お願い…します』
宥姉と淡を応援したくなるな
アコチャー大敗北…
おうち走ってくる
拝啓 宮永咲さま
暦の上では既に秋ですが、猛暑厳しい今日この頃いかがお過ごしですか。
会いに行くと言っておいてなかなか帰省出来ずにいた事、大変申し訳なく思っております。
でも
やっと決心がつきました。
こちらでの事、私なりにーーーーーーーーー
パタン
玄「……よし」
奈良
松実宥の部屋ーーーーーーーーーーー
宥「あの……な、なにか飲む?」
玄「ううん。大丈夫」
宥「そっか……」
玄「……ゆ…。お姉ちゃん」
宥「う、うん」
玄「待たせてごめん」
宥「ッ! く、玄ちゃん…」
玄「私……」
宥「……」
玄(玄の気持ちを。ありのままの気持ちを伝えるんだ)
玄(大丈夫。伊達になりきってた訳じゃない……ちゃんと伝える!)
玄「すーー…はーー…」
玄「私は、お姉ちゃんの事が大好きです」
宥「く、玄ちゃ」
玄「大好き……です」
宥「玄ちゃんっ」ポロポロ
宥「玄ちゃん……玄ちゃん……」
キュ
玄(良かったね玄。これで晴れて両想いだよ)
宥「お姉ちゃん幸せだよ? 今ね、すっごくあったかいの」
玄「うん……」
ギュウ
宥「ずっと好きだった。小さい頃からずっと」
玄「……」
宥「やっと玄ちゃんを抱きしめられる……玄ちゃんの心を」
ギュウ
宥「抱きしめられるんだね」
玄「……うん」
宥「えっと……ね。その…」
玄「 ? 」
宥「き、キス……しても、いい…かな」カアッ
玄「………いいよ」
宥「じ、じゃあ…」スッ
玄(いいんだよね……これで)
玄(私は……)
お姉ちゃんっ
テルー!
玄(咲……………淡っ)
キンッ!
玄「 ッ!? 」
キュイイイイーーーーーーーーーーン
ーーーーーーーーーン
照「……」パチ
淡「テル?」
照「あわい……?」
淡「そ、それで、あの、は、話って」
照「……」
淡「……やっぱりそうだよね」
照「 ? 」
淡「うん、薄々感じてたから大丈夫っ」
淡「あの時も……テル優しいから」
照「え……」
淡「へへっ。好きって言ってくれて舞い上がっちゃったな」
淡「ありがとうテル。……優しくしてくれて」ニコ
淡「……じゃ…ね……。明日からも……仲良くしてね?」スッ
照「……」
淡「ばいばい。テル」トボトボ
照(ああ……馬鹿だな私)
照(ここまで追い詰められないと自分の気持ちに気が付かないなんて)
照(とんだ大馬鹿者だ)
ガシッ
淡「!? テル?」
照「お膳立てありがとう玄」ボソ
淡「 え? 」
照「待たせてごめんね淡」
淡「テル……?」
チュッ
キマシタワー
拝啓 宮永照さま
萩の花が風に揺れる頃となりました。
皆様ご清栄の事とお喜び申し上げます。
こちらは相も変わらずーーーーーーーーー
照「……ふふっ」
淡「なに読んでるの? ……手紙?」
照「うん。大切な人からのね」
淡「た、大切な人?」
照「そう。なかなか会いにいく勇気が出なくて手紙に逃げてばっかりいたけど」
照「やっと会える」
淡「そ、そうなんだ…」
淡「……」シュン
照「楽しみだな。早く会いたい」
淡「そ、そっか……」
照「? どうかしたの?」
淡「別にっ。……ちゃんと会えるといいね」プイッ
照「なんだかご機嫌ななめ?」
淡「そんな事ないもん……じゃ、気を付けて行ってね」グス
照「なに言ってるの? 淡も一緒に行くんだよ」
淡「 ふえ? 」
照(咲……)
照(咲にはいつか話すから)
照(話したらやっぱり笑われるかな? それとも心配されるかな?)
照(でもね、これがお姉ちゃんと)
淡「あの、テルぅ……」
照(好きな子との馴れ初めだから)
奈良
松実館ーーーーーーーーーーーーー
宥「く〜〜ろちゃん」
玄「おね〜〜えちゃん」
宥「く〜〜ろちゃん」
玄「おね〜〜えちゃん」
宥「く〜〜
仲居『早くヘルプ来てーーー! おばちゃん倒れそうやわー!!』
宥・玄「 あ 」
宥「えへへ。またやっちゃったねぇ」
玄「また後でゆっくりもふもふしようね」
宥「うんっ」
玄(いつかちゃんとお話するからね。お姉ちゃん)
玄(話したら笑われるかな? それとも心配しちゃうかな?)
玄(でもこれが私とお姉ちゃんとの馴れ初めなんだよ)
玄(勇気の出なかった私に起きた、最高のオカルト)
宥「玄ちゃん、行こっ」
玄「お任せあれ!」
終わり
終わりです。
エロ入れようか少し考えましたがやめました。
読んでくれた方いたらありがとう。
おつ
もっと続いてほしかった
次なんか書く時も頑張れ
乙!
面白かったよ、もっと続けて欲しいぐらい
次回作も楽しみにしています
すばらでした乙乙
面白いからもっと続けてほしかったけどww
次回作も期待してますで!
乙〜
裸の淡は何してたのか気になる…
そういえば。そこの補完は欲しいね<裸淡
これは綺麗に纏める事優先でイマイチかな
ネタはゴロゴロ転げてたのに最短距離を行っちゃって勿体無いな
レスありがとうございます。
確かに脳内補完に頼りきった終わり方でしたね。
裸淡も、各々なんとなく想像して下さいといった感じで逃げてしまいました。
ちょっと悔しいので、続けます。
きたか
期待
おお、ありがとうございます!
やったぁ!
期待してます!
《 9月 》
奈良
松実館ーーーーーーーーーーーーーー
玄「お姉ちゃーん。そっち大丈夫〜?」
宥「大丈夫だよ〜」
仲居「玄ちゃんヘループ! ヘルーープッ!」
玄「いま行きまーす」
タタタッ
玄(あの日、お姉ちゃんと両想いになれた日以降)
玄(入れ替わり現象は起きていない)
玄「あれっていったいなんだったのかなぁ」ポツ
穏乃「あれってなんですか?」
玄「 ひゃっ 」ビクッ
玄「し、穏乃ちゃん。ビックリしたよぉーもお」
穏乃「えへへっ。こっち一段落したら一旦休憩だそうです」
玄「ん。分かったー、終わったら行くね」
玄(松実館は繁忙期に突入していて、今日は麻雀部のみんながお手伝いに来てくれています)
玄(穏乃ちゃんに灼ちゃん。そして)
穏乃「憧〜、そっちもっとちゃんと持ってよー」
憧「わ、分かってるわよっ」
玄(憧ちゃん……)
穏乃「憧ー、早く早く。遅いよー」
憧「もうっ。しずの体力バカ」
玄(元気そうに見えるけど……憧ちゃんやっぱり…)
玄「でも私には何もしてあげられないし」ハァ
宥「玄ちゃん」
玄「お姉ちゃん……」
宥「憧ちゃんの事が心配?」
玄「え…と、その。知ってる…の?」
宥「うん。穏乃ちゃんに聞いちゃった」
玄「そっか……」
玄「あっ。でもね、ちゃんとお断りしたからっ」アセ
宥「大丈夫だよ」フフッ
玄「ねぇお姉ちゃん。憧ちゃんて、私とお姉ちゃんがお付き合いしてること知ってるのかなあ」
宥「たぶん知ってると思うよ」
玄「そ、そうなんだ」
宥「……」
玄「……」ハァ
宥「あのね、玄ちゃん」
玄「…ん?」
宥「きっと、ね、憧ちゃんは大丈夫だと思うよ?」
玄「? でも…」
宥「穏乃ちゃんがいるから……きっと大丈夫」
玄「穏乃ちゃん?」
穏乃「憧ー、ほらほらほらー!」
憧「きゃー! 重ねすぎだからっ」
ギャー ギャー
玄「……」
宥「しばらくは空元気かもしれないけど」
宥「穏乃ちゃんにお任せしてみよう?」ニコ
玄「……うん……」
長野
清澄ーーーーーーーーーーーーーーー
淡「ねーねーテルぅ。まだ歩くの〜?」
照「ん。がんばれ」
淡「えええー…」ゲンナリ
照「ここら辺は田舎だから、乗りたい時に来るバスはない」
淡「もうやだー、歩けな〜い」
照「うーん。困ったな」
淡「あ。どっか寄り道して休んで行こうよ!」
照「寄り道って言ってもなぁ……」
照「……あ」
淡「え? なんか楽しい所でもあるの?」ワクワク
照「楽しい所ではないけど…」
淡「なんでもいいからとにかくお休みしたーい」
清澄
とある高原ーーーーーーーーーーーー
ヒュオオオォォォーーー………
淡「ふわ……すごい…」
照「楽しい所ではないけど悪くはないでしょ?」
淡「うん……ここでテルは育ったんだね」
ヒュオオオーーー…
きたか
照「……」チラ
淡「風……気持ちいい…」
照(なんだか不思議だな。淡とこの場所にいるの)
照(数ヶ月前は可愛い後輩としか思ってなかったのに)
照(今は全く違う目線で淡の事を見ている)
照(色々大変だったけど……必然とさえ感じる)
淡「……ん? どうかした?」
照「いや。淡の横顔に見とれてただけ」
淡「ふえっ!?///」
照「なんてね」フフッ
淡「て、テルったら//」
照「あ……そういえばさ」
淡「な、なに?」
どきどき
照「聞くか迷ったんだけど……すっきりさせたいから聞くね」
照「私さ、前に淡を泣かせちゃった事あったよね」
淡「? ……………ああ」ポン
照「あの時……えっと……実は私、幽体離脱ぎみでさ。記憶が曖昧なんだ」
淡「ええっ! そ、そうだったの!? どうりで様子がおかしいと思った」
照「それでさ……あの時なにしようとしてたんだっけ…? 私達」
淡「あの時……」
照「うん……」
淡「前もチラッと言ったけど、テルに好きって言ってもらえて舞い上がっちゃってたんだよね私」
淡「それであの日ーーーーーー
ブルル ブルル
照「……ごめん」
パカッ
照「 あっ 」
淡「どうしたの?」
照「ゆっくりし過ぎた。心配させちゃってるから急いで行こうっ淡」
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
淡「ここが……」
照「うん。私の実家」
照(久しぶりだな……やっぱり少し緊張するかも)
淡「……」
キュッ
照「 ? 」
淡「…」ニコ
照「淡……」
ガチャ
照「あっ…」
頑張ってくれ
咲「お、お帰りなさい! お姉ちゃん」
照「たっただいま!」
咲「えへへ……」テレ
照「さ、咲……」ジーン
淡(良かったね。テル)
淡「久しぶりー。サキ」
咲「久しぶり、大星さん」ニコ
奈良
松実館ーーーーーーーーーーーーーーー
ガララ
玄「わあ、空が高くて良い天気っ」
玄(宮永さん……今頃はもう着いた頃ですかね)
玄(照さんきっとガチガチに緊張してるんだろうな〜)フフ
玄(普段すごくしっかりしてるのに、咲ちゃんに関してだけはダメダメなんだもんね)
玄(照さん。妹っていうのはね?)
玄(いつだっていつまでだって、どんな時でも……お姉ちゃんの事が大好きなんですよ?)
玄(咲ちゃんの手紙にはいつも…)
玄「いつも……」
玄「………………はっ」ハッ
玄「わ、忘れていたのです」
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
照「……」ソワソワ
咲「……」
照「……」ウロウロ
咲「……」
照「……ごほん…」
咲「か、風邪? 大丈夫?」
照「う、うん。元気元気」アハハ
咲「そっか……」
照「うん……」
淡(ふーむ)
淡「ねーテル〜。私テルの部屋見てみたい」
照「私の部屋? うーん、今は何もないと思うけど」
淡「そうなんだ。じゃあサキの部屋見たい」
咲「わ、私の部屋?」
淡「いいじゃんいいじゃん。ね、どこ?」
咲「たいして面白くないと思うけど…」
咲の部屋ーーーーーーーーーーーーー
淡「へえー。なんかシンプルな部屋だね」キョロキョロ
咲「遊ぶ物もないし、つまらないでしょ?」
淡「良い部屋だと思うよー。なんとなくサキらしくて」
照(咲の部屋……入るのは何年ぶりだろう)
照(変わってないな)フッ
照「……あ、この本咲も読んでるんだ」
咲「お姉ちゃんも読んでるの? ドラゴンと人間の関係とかおもしろいよね」
照「うん。この世界と別の世界で自分と同じ姿の自分が活動って、ありそうでなかった話だよ」
咲「私のお気に入りだったドラゴンが死んじゃって悲しいけど……きっとハッピーエンドになるって信じる」
照「新刊が待ち遠しいね」
咲「早く春にならないかなぁ」
照「春になにかあるの?」
咲「え? だから新刊でしょ?」
照「春に出るんだ。知らなかったよ」
咲「? 手紙に書いたと思ったけど…」
照「手紙? 先日届いた手紙には書いてなかったはずだけど」
咲「たしかもっと前だよ。んっと……8月中旬あたり」
照「8月中旬……」
照(……そっか……)
咲「どうかした?」
照「ううん。なんでもないよ」
照(お任せあれって……淡との事だけじゃなかったんだな)
>>124
>咲「お姉ちゃんも読んでるの? ドラゴンと人間の関係とかおもしろいよね」
>照「うん。この世界と別の世界で自分と同じ姿の自分が活動って、ありそうでなかった話だよ」
>咲「私のお気に入りだったドラゴンが死んじゃって悲しいけど……きっとハッピーエンドになるって信じる」
どこかでみたことあるなぁ(棒)
《 夜 》
照「寒くない?」
淡「丁度いいよー。暑いくらい」
照「最近は朝方冷えるようになって来たから、暑いくらいが良いよ」
淡「えへへっ」
照「? どうかした?」
淡「テルってやっぱりお姉ちゃんなんだなって」
照「そう……かな」
淡「テルさ、私のこと妹みたく思ってたでしょ」
照「え……」
>>126
愛読中です
淡「私が飽きるほど好き好き言っても全く相手にしてくれないんだもん」プクー
照「……今はちゃんと見てるよ。ひとりの女の子として」
淡「分かってる」
トサッ
照「淡………ちゅっ」
淡「ん……ん…ちゅぷ」
照「あの…いい、かな」
淡「え? ふふっ変なの」
照「へ、変?」エッ
淡「私からどんなに迫っても、めってしてたのテルじゃん」
淡「あの時だって」
照「あの時………ああ、そうか……」
照(松実玄……にくい事してくれる)フッ
淡「テル? えっと、その」
照「淡。私、淡が好き」
淡「っ!? へ、あ、の///」ドキ
照「好きだよ」
淡「は、はい////」カアア
奈良
松実館ーーーーーーーーーーーーーー
玄「ではこれを」スッ
照「うん。ありがとう」
玄「ごめんなさい。もっと早くお渡しするはずが…」
照「いや、いいんだ。おかげで咲に会いに行くきっかけが出来たから」
玄「そうなのですか?」
照(私が受け取った咲からの手紙。あれを読んで決心がついたんだ)
照「それと淡の事なんだけど」プイッ
玄「おっ。そのお顔、ぷくく」
照「このまま入れ替わりが収まればいいけど」
玄「そうですね。あ、でも私たまになら入れ替わってもいいかもです」
照「え、なんで?」
玄「照さんの体、肩こりしなくて快適でした!」
照「あー…。そういえば肩こって辛い時があった気が」
照「まあ確かに私もたまになら」ボソ
玄「 はい? 」
照「いや(言えない。巨乳である優越感が忘れられないだなんて言えない)」
玄「それに……麻雀部のみんなとも会いたいなって…」
照「……遊びに来ればいい」
玄「じゃあ合同練習とか企画しちゃいますか?」
照「それ採用」フフ
《 冬 》
東京
白糸台高校麻雀部部室ーーーーーーーー
灼「今日はよろしくお願いします」
亦野「部長の亦野です。こちらこそよろしくお願いします」
淡「堅苦しい挨拶はいいから早く打とうよ〜」ウズウズ
玄「相変わらずだね淡ちゃん」
淡「へ? んっと」
玄「さ、私と打とうっ」
淡「う、うん!」
照(玄と淡、なんだか嬉しそう。……少し妬けるな)
照「さて、私も」
照「一緒に打ちませんか?」
宥「え? あ、でも私は引退してて今日は…」
照「それを言うなら私もです。まあ今日は麻雀を楽しむという事でひとつ」
宥「……そうですね」ニコ
玄「ツモです! 6000オールっ」パララ
淡「っ!? ドラ6?」
玄「ふふふっ」
淡(なんだろ。なんか懐かしい)
玄「どうかした?」ニコ
淡「な、なんでもないっ。よお〜し、負けないんだから!」
照「ツモ。1000」パラ
憧(うわ……さっそく始まったかー)
照「……」ジッ
憧「……はい?」
照「いえ…」フイ
憧「 ? 」
宥「……」チラ
照「……」
宥(気のせいだよね……だけど…)チラチラ
照「寒くはないですか? 大丈夫ですか?」
宥「ふえ!? だ、大丈夫ですっ」ドキッ
照「そうですか」
宥(なんだか……すごくあったかい…)ドキドキ
玄(最初は本当にビックリした)
照(朝起きたらいつもの平凡な日常ではなくなっていた。そして手探りの日常が始まった)
玄(インハイチャンプの宮永照さん。まともにお話した事なんかなかった)
照(まさか仲居をやる事になるとは思わなかった)
玄(お姉ちゃんに会えないのが寂しくて悲しかった)
照(咲がなかなか手紙をくれなくて落ち込んでいた)
玄(淡ちゃんが可愛くて妹が出来たみたいで嬉しかった)
照(松実宥が優しくてあたたかくて、姉がいたらこんな感じなのかと思った)
照(大変だったけど)
玄(大切な思い出が沢山出来た)
照(ありがとう。入れ替わる相手が玄で良かった)
玄(照さんと仲良くなれて良かったです)
照(忘れないよ。楽しかった阿知賀での生活)
玄(また来ます。白糸台の皆さんに会いたいから)
照・玄(でも…………さよなら)
キンっ!
照・玄「 はれ? 」
終わり
終わりです
咲照玄の手紙のやり取りに関して
実は咲は玄と手紙をやり取りしていた訳で、照が怒りそうなものですが
後半の待ちに待った咲からの手紙が長野に帰るきっかけとなったので、結果的に玄には感謝しています。
裸淡事件は、たいしたひねりもなく、淡に迫られた玄が
「こういう事はまだ早いのです」
とでもたしなめたという事で。
作者さんお疲れ様です!
綺麗に終わったと思ったら最後・・・
この後、淡宥の両者に入れ替わりの事を話したんですかね?
乙!
乙!
次スレ建てたらurl張って
乙
なかなかいいオチ
乙
ちゃんとみんな落ち着いて良かった
>>124て某SS?もしかして同じ作者?
>>143
某ssです。作者ではありません。
恐らくみんな読んでるだろうなと思って、遊び心で使わせてもらっただけです。
作者さんごめんなさい。
続き待ってます。
すばらでした乙乙!
すっごく面白かったよ!
また書いてね!
お疲れさま!
次回作も楽しみに待ってます
>144
最後のオチの続きは読者の想像に任せるみたいな終わり方だけど、宥が照を見てドキドキするシーンを見ると嫌な展開しか想像出来ない(寝取りとか)。この辺の所はどうなんですか?
>>147
宥がドキドキした理由としては、恋愛感情から来るものではありません。
もしこの後宥自身勘違いしてしまったとしても、照は寝取ったりしませんし、ちゃんとドキドキの原因を理解させてくれるくらい仲良くなれるんでは…と。
>148
返答ありがとうです。スッキリしました
このSSまとめへのコメント
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