幼馴染お姉ちゃん(以下、幼姉)「余裕だねえ、少年。このデザートイーグルがお前には見えないのかい?」
男 「…指鉄砲にしか見えませんね」
幼姉「ふっ。ばかね。ポイントはそこじゃないわ」
男 「はい?」
幼姉「銃口だろうと、指先だろうと、あたしが君にロックオンしてる事実には変わりないのよ、ふっふっふ」
男 「殺傷力も重要なポイントだと思いますけど」
幼姉「いや殺しちゃまずいでしょ」
男 「…ここで素に返りますか」
幼姉「いいから金出せー。出さないと、この指が君のおけつをズドンするぞー」
男 「やめてください」
幼姉「するぞ~」
男 「マジやめてください」
幼姉「はーい。――で、マジに今金欠なんだ。だから、お願い。このとーり!」
男 「(調子いいんだから…)で、いくらですか?」
幼姉「はい(人差し指を立てて見せる)」
男 「千円……何に使うんですか?」
幼姉「いやね、さっきテレビ見てたらね、美味しそうなケーキが出ててさ」
男 「食べたくなったと?」
幼姉「そうそう。それで、今から買い物に行くの」
男 「ケーキを?」
幼姉「ううん。材料」
男 「その発想はなかった」
男 「材料って、幼姉先輩って料理できるんですか?」
幼姉「うん、多分できる」
男 「経験は?」
幼姉「イメトレで10分」
男 「…脳内じゃなくて、脳外経験は?」
幼姉「あっと…」
男 「どうなんです?」
幼姉「呆れないでね?」
男 「はいはい」
幼姉「その、ね」
男 「…………」
幼姉「はじめて、なんだ」
男 「………………………………」
幼姉「だから、男があたしに、いつもみたいに優しく教えてくれたら、嬉しいかなー、なんて。…どうかな?」
男 「………………………………………………………………………………………………」
幼姉「? 顔赤いよ、男?」
男 「………夏、ですから」
クソ読みにくい
男 「ミズクサイデスネー。ソンナノOKニキマッテルジャナイデスカー」
幼姉「まじで! よっしゃ、やった、ありがと!」
男 「イエイエ」
幼姉「ところで、何でうつむき加減? 声も変」
男 「オ気ニナサラズ」
幼姉「それじゃあお金の方も」
男 「それは駄目です」「
幼姉「おいおい、このデザートイーグルがおm」
男 「ループ禁止。…というか、料理についてのお願いは結構神妙だったのに、どうしてお金のお願いはそんなぞんざいなんですか」
幼姉「いやだって、金は奪い取れるけど、心は奪い取れないでしょ」
男 「また妙な理屈を…」
男 「材料、何が必要なんです」
幼姉「え、なに買って来てくれるの」
男 「そこまで世話しません。欲しい材料が、俺の家にあるなら買わなくていいでしょ」
幼姉「なるほど。えっとね、まず燕の子安貝、それに火鼠の皮ごろも…」
男 「月に帰ってください」
幼姉「ひどい!求婚者失格だよ!」
男 「強盗犯が何を言いやがりますか」
幼姉「あはは。ノリだよ、ノリ」
男 「というか、それゲットするに必要なのは、金じゃなくて命では」
幼姉「…命が惜しくば、命を差し出せ?」
男 「それなら死ねの一言で済みますね」
男 「……薄力粉、粉砂糖、無塩バター。――大丈夫です。それなら全部揃ってます」
幼姉「冷蔵庫の中身、全部覚えてるの?」
男 「まあ大体は」
幼姉「はー。いいお嫁さんになるよ、男は」
男 「ついでに言えば、幼姉先輩の家の冷蔵庫の中身もわかりますよ」
幼姉「ぶっ」
男 「いくら好きだからって、アイスを5個も一気食いするのは感心しませんね」
幼姉「なんでそんなことまで」
男 「おばさんがいない時、誰が先輩の料理作ってると思ってるんですか」
幼姉「ぷ、プライバシーの侵害!」
男 「侵害されるのが嫌なら、自分で作ってください」
幼姉「ううう。おのれこわっぱ、足元を見おってからに」
男 「どちらかというと、見てあげてる、に近いんですけどね」
幼姉「憎い! 立つことができない自分の足が、この両足が!」
男 「はいはい。手ぇ貸してあげますから、一緒に自立しましょうね」
幼姉「私のが年上なのにぃ」
男 「というか何を今更言っているんですか」
幼姉「…………」
男 「幼姉先輩?」
幼姉「…だよね。確かに、今更なんだよね」
男 「?」
とりあえずここまで書いたんだけど、続きいる?
いらない
割と好きだぜ
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