男「レンタルメイド?」(72)
男「さて、手に職をつけようとこんな裏路地までやってきた訳だが.....」
男「(その....、なんだ?レンタルメイド店っていうのか......)」
男「(裏路地に店構えててこの店の名前....、なんか風俗っぽいような雰囲気がするのだが....俺みたいなガキが入って大丈夫か?)」
男「(だけど未成年のバイトはOK、それに給料だって結構高いし、たまに飯もおごってくれるとかネットにも書いてあった)」
男「(......看板があるな)」
男「(好きな期間を決め、手がつかない家事やそのほかの仕事などをちゃっちゃとやってくれるレンタルメイド)」
男「(ふーん....、レンタルビデオ店みたいなノリでメイドも借りれますよってな感じかな?じゃあ俺に仕事が回ってくるとしたら清掃とかそんなんか?)」
男「(まぁこんだけ待遇良くても逆になんか怪しいけど....とは思うが一応入ってみよう.....)」
男「よし......入るか」ガラッ
男「(おおぅ....こんな店に戸に暖簾って斬新だな.....)」
桃髪メイド「いらっしゃいませぇー、一発1000円、6発5000円となりまーす、コンドームは別料金となりますのでご注意を~」
男「やっぱ風俗店か、失礼しましたー」ガラッ
金髪メイド「ちょーっと待ったー!!何?来店5秒で帰るなんて冷やかし!?」
男「いえ、その.....僕18歳未満なんで.....」
金髪メイド「いやいや関係ありませんから!!ちょっと桃髪!あんたまた余計な事やったんでしょ!」
桃髪メイド「金髪....、男なんて股開いてりゃ札束ポケットにねじこんでくれるのよ.....」
金髪メイド「あんた普段この仕事で何やってんの!!!」
男「あぁー、じゃあ失礼しますねー.....」
男「(今のうちに逃げたほうがよさそうだ......こんな変な店ごめんだっつの)」カララララ.....
男「ん?」
ロリメイド「.....」
男「(....子供?子供も働いてるのか?こんな店で?まさか.....、けど制服っぽいのは着てるし.....店員か)」
ロリメイド「何しに来たんだおっさん!!」
男「」ガーン
金髪メイド「こら!ロリっ子!何帰ってきて早々お客様に毒吐いてるの!!」
ロリメイド「おじ様のほうが聞こえ良かったか?」
金髪メイド「本を正しなさい本を!!失礼でしょ!!」
男「....今日は帰ります....、なんか失礼しました」グスングスン
金髪メイド「こら!ロリっ子!あんたのせいで客が逃げちゃうじゃない!!」
ロリメイド「うるさいなぁ」
ロリメイド「」ポンポン
男「ん?」グスッ
ロリメイド「そのー...なんだ?そういうすぐ拗ねるとことかまだ青臭ぇから大丈夫だよお前!!」
男「うわぁぁぁぁぁぁん!!」
金髪メイド「いい加減にしなさいこのガキンチョ!」ポコッ
ロリメイド「いったーい!!ぶったぁーーーー!!」
メイド「何の騒ぎでしょうか....」
金髪メイド「あぁーメイドさん!いいところに来てくれました!」
メイド「?」
男「(.....?なんだ、あの人...見たところこの店の先輩って感じか)」
メイド「初めまして、レンタルメイド店メイド長のいわば店長のメイドです、」
メイド「それよりあの....、ここで何かあったのでしょうか....?」
メイド「そうでございましたか......」
メイド「大変申し訳ございません!うちの者が失礼な事をしてしまいまして....なんとお詫びしてよいやら」
男「いえ....大丈夫です、それに僕は客じゃないですし....」
メイド「客じゃない....?だとすれば.....」
男「ここでバイトをさせてもらおうと出向いてきたんです」
メイド「あぁ、そうでございましたか!」
男「(まぁ正直、給料が高かろうと別に落ちたってショック受けないけどな....こんな変な店)」
男「(メイド店なんていってっけど、肝心のメイドは品がねぇし)」
男「(お金は欲しいけど....、まぁまた別のところでバイトすればいいさ)」
メイド「でしたら採用です」
男「えぇっ!!!?」
メイド「どうしました?」
男「いや、その....、面接とかは?あっさりしすぎて拍子抜けというか.....」
メイド「いえ、面接など必要はありません....)」
メイド「そうですね、あえて言うならさっきまでのやり取りがもう面接だったと言う事にします」
男「は、はぁ.....」
メイド「迷惑を掛けられたにも関わらずその愚かな店員を許す寛容な優しい心....」
メイド「そういう心広い人材がほしいと思っておりました、はるばる本店までお越しいただきありがとうございます」
メイド「あとは身分証明書を後で見せてもらい、この用紙に必要な事項を書いて印鑑を押してもらえればOkです」
男「.......」
男「(なんか知らんが....受かってしまった、正直嬉しいのか嬉しくないのかわからないけど....)」
男「(だが、どんな店だろうと.....、全身全霊をかけて仕事に取り組むつもりだ.....)」
男「(昨日は面接?が終わってからすぐに帰ったけど.....)」
メイド『では、明日から本店の仕事内容や男さんに与えられる役目などのご説明をしますので』
メイド『今日はゆっくり明日に備えて体をお休めください』
男「まぁ、長期休みで何もすることがねぇし....とてもじゃないがバイトを心待ちにしていた...」
男「(つーか、昨日客いたっけ?この店潰れないよな....?まぁいいや)」
男「よし.....」
男「失礼しまーす」ガラッ
桃髪メイド「あぁんそこぉ.....、もっと揉んでぇ!揉みしだいてぇぇぇぇ!!」
ロリメイド「僧帽筋のここか、ここがええのんか~?」
男「(なんだこれ)」
ロリメイド「おお、おやっさんまた来たのか」
男「おやっさ.....」
ロリメイド「なあこれどう思う?メイドがメイドをご奉仕するってなんか斬新じゃね?」
桃髪メイド「ふぅ....、やっぱりロリの肩もみは最高ねー、小さい指がツボに入ってこれがまた....」コキッコキッ
金髪メイド「ほーら、仕事サボらないの」
桃髪メイド「仕事ってまだ開店時間じゃないしー」
金髪メイド「清掃よ清掃、汚い店構えじゃお客様に失礼でしょう?」
桃髪メイド「掃除ならそこの男にやらせれば?あんた今日からバイトなんでしょ?」
男「え....、はいそうですけど.....」
金髪メイド「あぁ....、そういえばメイドさんが昨日そんな事言ってたわね.....」
金髪メイド「じゃあ、掃除やってくれる?」
男「あの....、店長は?」
金髪メイド「午後から来るわ、それより掃除手伝って」
男「.....わかりました」
男「(これって給料に入るんだよな....?バイトなんてしたことねぇからわかんねぇけど)」
金髪メイド「じゃあロッカーに掃除道具取りに行くからついてきて」
男「は、はい」
金髪メイド「そういえば自己紹介がまだだったわね、私は金髪メイドよ、あなたは?」
男「男ですけど....」
金髪メイド「そう....男君ね、じゃあこれからよろしく」
男「よろしくお願いします」
男「(変なのばっかだなと思ったけど....、よくよく考えたらこの子結構まともなんじゃなかろうか)」
男「(昨日の事だってそうだけど、この子仕事に忠実で真面目なんだろうな.....)」
男「(少し好感が持てそうな気がする.....)」
金髪メイド「トイレ掃除か玄関の掃除、どっちがいい?」
男「えっと、じゃあ玄関で.....」
金髪メイド「.....」
男「(なんか不機嫌そうな顔してるんだが....、気に障るようなことしたか?)」
金髪メイド「レディに便所掃除やらせる気!?」
男「えぇーーー!」
金髪メイド「それは男として最低よ、レディへの気配りを怠ってはいけないわ」ツンツン
金髪メイド「ん?」ギロッ
男「では.....、便所掃除やらせていただきます」
男「(メイドなら掃除場所を選ぶなよ....と反論したかったけど)」
男「(この店の中ではまともなほうだけど、やっぱりちょっとめんどくさいな....)」
男「まぁ場所っつっても臭いか臭くないかのどっちかってだけだし、別にいいけどな」シャッシャッ
男「けどさすがにちょっと空気が悪いな.....、窓を開けよう」カラララ
男「ん?」
少女「......」
男「(女の子がこんな所に.....)」
少女「」チラッ
男「(うおっ、目が合った.....)」
少女「!?」ビクッ
男「うおっ!?」
少女「......」ポロポロ
男「(な、泣き始めた....?何故!?)」
少女「帰って.....来たのね」ポロポロ
男「へ?」
少女「」ダッ
男「え!?ちょっ....待って....」
ロリメイド「うわっ!あぶねぇ!」ドンッ
ロリメイド「なんだよあの女の子.....こんな一本道の路地で走ったらぶつかるに決まってるっての」
ロリメイド「もしかしてスリか....?じゃあなんか掏られたんじゃ....」
ロリメイド「うぉーーーー!私のバストがねぇーーーー!」
桃髪メイド「いや元からないって」
ロリメイド「なにおぅ!?」
桃髪メイド「どうしたの?なんか女の子泣いて出てきたけど」
男「いや....、僕にもわかんなくて」
ロリメイド「んだ?お前なんか手出したのか?」
男「いえいえ、そんなことは全然......」
男「ただ窓を開けたらあの子がいて、目が合ってそれで急に泣き出して....」
ロリメイド「じゃあてめぇの顔が悪かったんだな」
男「えぇーーー!」ガーン
桃髪メイド「そうでもないでしょ、あんたどんだけ面食いなのよ、そこらへんのエロ親父よりよっぽどマシな顔だって」
ロリメイド「私は日本人は受け付けない!やっぱり西洋人じゃないと受け付けられない!断固拒否!」
桃髪メイド「はいはい、騒がない騒がない、さっさとゴミ袋置いてお店に入りましょうねー」
桃髪メイド「んじゃあ、引き続き掃除頑張って、新人くん」
男「は、はぁ.....」
男「結局なんだったんだろう....あの女の子は知り合い....じゃないよな?」
男「(帰ってきた....か)」
男「(たしかに小さい頃にこの街にはいたが....すぐに叔父の所に行ったし、俺にこっちの友達なんていたか?)」
男「(こっちにいるときは家にずっと引きこもってたし.....)」
男「....まぁいい、考えても答えなんて出ねえし...」シャッシャッ
男「」シャッシャッ
男「(ていうか俺ってそんなに老けてるのかな.....)」ショボン
メイド「男さん、こんにちは」
男「あ、店長こんにちは」シャッシャッ
メイド「まぁ、まだ指示もしていないのにもうお仕事を.....」
男「あの、金髪メイドさんに指示をもらったので....」
メイド「そうだったんですか」
男「今掃除終わったところですので、次の指示をよろしくお願いします」
メイド「まぁ、仕事熱心なんですね」フフフ
メイド「そんなに焦らなくてもいいですよ....そうですねあえてやってほしい事はと言えば」
男「ティータイム....ですか」
メイド「決してサボってるわけではないのですよ?お仕事の説明も兼ねての、ティータイムです」
男「はぁ....」
メイド「さぁ、どんどん召しあがってください」
男「じゃあ、いただきます」ズズズ....
男「(もしかして飯おごるってこれか...、随分洒落た飯なもんだ....)」
男「(つーか、これ開店中なのにいいのか....)」
メイド「レンタルメイドはどのようなものかご存知ですか?」
男「えっと....、メイドを借りれるんですよね?」
メイド「簡単に言ってしまえばそうですね」
メイド「好きな時間帯に手伝ってほしい事などをメイドたちにしてもらうことができます」
メイド「利用する時間に比例して料金をもらい、全力でご奉仕をするのです」
メイド「お気に入りのメイドなどを探したいなど、そのために会話のできる空間を作るためバーを設けました」
メイド「受付で利用したい、借りたいメイドをある用紙に記入し、用紙にあるスケジュール表にしてほしい事と時間帯を書いてもらいます」
メイド「もちろん、卑猥なことはダメですよ?」ウフフ
男「へぇ....」
男「けどもし襲われたりしたら....」
メイド「心配には及びません、ウチの子たちはみんな武道をたしなんでおります」
メイド「けれど、メイドさんでない男さんはそういう力をつけていなくても大丈夫ですよ」ウフフ
男「はぁ.....」
メイド「さて、本題の男さんの仕事は.....」
男「はい」
メイド「さっきしてもらった掃除もそうですが、洗い物やメイドさんのメンタル管理もお願いしたいのです」
男「メンタル管理....?」
メイド「要は相談役です、落ち込んだり、何かに迷っていたりしているときには励ましてあげたりしてほしいのです」
男「そういうのは店長のほうが適任なんでは?」
メイド「いえ、優しいあなたのほうが適任ですよ?」ウフフ
男「....そうですか、わかりました」
メイド「それと、ここの子たちとはもう仲良くなれそうですか?」
男「え....っと」
男「(ここに来てから罵倒されっぱなしなんだが....仲良く...はなってねぇよな)」
メイド「中々気難しい子たちですが、みんないい子達なんですよ?」
男「はぁ」
メイド「桃髪メイドさんはちょっとエッチな子ですけど、なんでもこなしますしいざというとき頼りになります」
メイド「ロリメイドちゃんはちょっと毒舌ですが、本当はすごく優しくていい子なんですよ?」
メイド「金髪メイドさんはしっかり者で仕事熱心ですが、少々正確に難あり...なとこもありますけどとってもいい子ですよ」
男「へぇ....」
メイド「長所を挙げてもいまいちピンとこないですよね、これから是非仲良くなってください」ウフフ
男「努力します」
男「(掃除なんかよりずっと難しそうだ)」
男「(掃除や洗い物はできるとしても、メンタル管理か....)」
男「(こんな心が弱い俺に相談役なんて務まるのだろうか....?)」
男「(けど、あんな愉快な連中の事だ、悩みなんてそうそうできないんじゃないか....)」
男「(とりあえず、お金を溜めなきゃ....今日買う分でほとんど金がなくなるし....)」
メイド「それと....、制服です!男の子の!じゃーん!」
男「執事服.....」
メイド「どう?なんか雰囲気出るでしょう?ウフフー」
男「(うわぁ....、俺にこんなの似合うのかな.....)」
メイド「あれ?もしかしてみんなお揃いがよかったですか?」
男「いえ!そんなことはないです!着させてもらいます!」
男「」ガチャガチャ
男「(今日昼に仕事風景を見ていたが、なるほど電話で手続きもできて、それが多い)」
男「(だから来店する客も少ないわけだ.....)」
金髪メイド「あぁ....疲れた」ガラッ
男「お疲れ様」
金髪メイド「あれ?他の子たちは?」
男「もう帰ったと思いますけど」
メイド「二人とも、今日はお疲れ様ですもうあがってもらっていいですよ」
金髪メイド「じゃあ着替えさせてもらいまーす」
男「乾燥を....えっとタイマー....こんぐらいでいいか」ピッ
男「じゃあ僕も上がらせてもらいます」
メイド「はい、お疲れ様でした」
メイド「明日もよろしくお願いしますね」ウフフ
男「はい」
男「(さてと....じゃあ買いに行くか...)」
金髪メイド「あ~、終わった終わった」
金髪メイド「えっと....、今日は何の料理作ろうかな?...やっぱ作れるものが多いと、それだけ迷っちゃうよねぇ」
金髪メイド「とりあえずデパートにでも寄ろうかな」
金髪メイド「.....」スタスタ
子供「ねぇーー!おもちゃ買ってよ!ママーーー!!」
母「はいはい、また今度ね」
金髪メイド「(ふふ....可愛い、私にもこんな時代があったわね)」
子供「あれほしいー!!合体魔人ほしいーーーー!!」
金髪メイド「(合体魔人....、今そんなの流行ってんだ.....)」
金髪メイド「(ちょっと覗いてみるか...、おもちゃコーナー)」
男「んー、合体魔人か....やっぱこういう合体のほうが展開的に燃えるってたしか言ってたよな.....」ブツブツ
金髪メイド「うわっ!男くん!」
男「へ....?あぁ、金髪メイドさん!?私服だからわかんなかった.....」
金髪メイド「あぁ.....、あんたってそんな趣味持ってたんだ....へぇ~」
男「いや、俺じゃなくて!!!妹が....」
金髪メイド「へぇ~妹さんいるんだ?」
男「うん....まぁね」
金髪メイド「けど妹にそんなの買ってあげるなんて、結構優しいんだね」
男「うん....、兄として何もしてやれなかったから」
金髪メイド「そうなの、妹思いの優しいお兄ちゃんなんだね、見直した」
男「へ?」
金髪メイド「便所掃除を女子に押し付ける無神経な男と思ってたけど、結構いい男だね」
男「な、なんですかいきなり....」
男「(ていうか別に押し付けてないし)」
金髪メイド「この際もう敬語はやめにしない?そういうかたっ苦しいの嫌だし」
男「え....んなこといわれても......」
金髪メイド「」ジーッ
男「....わかったよ」
金髪メイド「んーそうだな、じゃあさ」
金髪メイド「今日の献立、何がいいか決めてくれる?」
男「え?そんなのいきなり言われても....」
金髪メイド「なんでもいいから、何にしようか決まらなくて困ってるの」
男「じゃあ....ハンバーグ」
金髪メイド「えぇー!めんどくさっ!こんな夜遅くに肉料理!?太るじゃない、しかもすごく手間かかるし!」
男「何でもいいって言ったじゃん!!」
金髪メイド「あんたねー、何も言わなくてもそっと女の子に気づかいできるのがいい男ってものよ?やっぱりあんた全然だわ」ツン
男「めんどくせぇ....」
金髪メイド「なんて!?」
男「いえなんでもありません!」
こうして俺は金髪メイドの料理相談という残業に小一時間ほど付き合わされた.....
きたい
支援
期待
支援
『お兄ちゃん、またゲームしてるの?お外で遊ぼう?』
『うるせぇな.....、うっとぉしいんだよ』
『け、けどお兄ちゃん朝からずっとゲームしてるし....目に悪いからって...私、心配だし....』
『都合のいい言い訳作ってんじゃねえ!お前の声耳障りなんだよ.....消えてくれ』
『じゃ、じゃあ私だってゲームするから.....、お兄ちゃんの好きな事を私も好きに.....』
『うっせぇ、気が散る出ていけ!』
『ひぐっ.....、そんな....ひどいよぉ.....うわぁぁぁぁぁぁぁん!!ママーーー!!』ポロポロ
『こらぁーー!!また泣かして!お兄ちゃんなんだからもっと妹に優しくしてあげなさい!!』
『(....ほら、また怒られた....お前のせいだ)』
『ううん...ごめんなさい、私が悪かったの....おとなしく一人で遊ぶから.....』
.................
................................
................................................
男「.....おはようございます」ガラッ
桃髪メイド「あー、新人くんおはようー、どうしたの?なんか元気ないねぇ?朝から自慰して脱力?」
ロリメイド「マジかよ!朝からイカくせぇな!お前そんな暗い顔してっと店の雰囲気悪くなるからもう帰れ!」
男「失礼しました.....」ガラッ
金髪メイド「いや来て3秒で帰るとか意味わかんないから!!帰っちゃだめだっての!」
男「あぁ....そうか」
金髪メイド「ん?本当になんか具合悪そうだね.....、どうしたの風邪?」
男「いや、なんでもない....大丈夫だから」
金髪メイド「....そう?なら、いいけどね....?じゃあ今日も掃除よろしくね、場所はトイレで」
男「うん.....」
金髪メイド「ほーら、元気出せっ!」トンッ
男「お、おう.....」
桃髪メイド「何?もうあんた達打ち解けてるの?」
ロリメイド「え?もう付き合ってんのか?」
金髪メイド「い、いやいや!そんな日も経ってないのに付き合ってるとかあるわけないでしょ!」
桃髪メイド「あぁ、その言い方は発展途上ってとこ?あは~、なんか甘酸っぱいわ~お姉さん応援しちゃう~」キャー
金髪メイド「違うってのーーーーー!!」ムキーーッ
ロリメイド「えー、こんなパッとしない木偶の棒のどこがいいの趣味悪ぅ~......、って2人ともお似合いだからいいか」
金髪メイド「ちょっと待って、それどういう意味か聞かせてもらえる?」ピキピキ
男「....掃除してきます」
男「ふぅ......」
男「(まったく、朝から愉快だなここは.....まぁ元気なおかげでその分俺の仕事が一つが減って助かるが....)」
男「さぁて、窓開けよう.....」
男「」カラララララ
男「ん?」
少女「!?」ビクッ
男「(またあの子だ.....、昨日もそうだったがこんな所に何をしに来ているんだ....)」
少女「......」
男「(....今日は逃げないのか)」
少女「」ジーッ
男「(小学生ぐらいの子かな.....、夏休みで暇だからどこか探検でもしてるんだろうか)」
少女「ぐすっ....ひぐっ」ポロポロ
『うわーん!おにいちゃーん!』ポロポロ
男「!!!?」
男「(くそっ......、無視だ....無視だ)」
男「(なんで....また泣くんだよ、俺が何かしたってのか....あの時だって、俺は何もしてないのにいつも泣きやがって....)」
男「(....けど俺が悪かったんだ、俺が悪くなきゃあんな.....そうだ...俺が!)」
男「」ハッ!
男「(ダメだ、余計な事考えちまって.....仕事に集中しないと....)」
男「」チラッ
男「(もう....いなくなったのか....あの子)」
男「.....」
男「ふんっ.....」シャッシャッシャッ
男「大体終わったし....さっさとこの汚いモップを片付けて....」
メイド「あら男さん、おはようございます」
男「おはようございます....」
メイド「あぁ、掃除をしてくれていたんですね?ありがとうございます....」
男「いえ....、仕事ですし」
メイド「ちょっと休憩しませんか?あちらのバーで」
男「バーって前に言ってた.....」
メイド「そうですよ、さぁこちらへどうぞ」
男「けど...開店中ですし...そんな」
メイド「店長の相手も仕事ですよ?」ウフフ
男「(この店長....、真面目そうに見えて実は一番怠け者なのではなかろうか.....)」
メイド「さぁ、冷たいミルクティーをどうぞ」コトッ
男「あ、ありがとうございます.....」
メイド「おいしいですか?」
男「はい....、それであの.....」
メイド「はい?どうしました?」
男「ここって....他のメイドさん達はいないんですか?」
メイド「やっぱり聞かれてしまいましたか.....そうなんですよ本来メイドさんとコミニュケーションを取る場なのですが」
メイド「他のメイドさん達は仕事を果たしに出かけていて....、ここにいる暇がほとんどないんです」
男「そうなんですか.....」
男「(色々な手伝いをしに行く仕事だ、さすがに店にいる時間も少ないのだろう)」
男「(あっちこっち行かないでいい分、俺の仕事は楽なほうなのかもしれないな)」
おっさん「おーい!メイドのねぇちゃん!酒くれや!!今日は休みで金も有り余ってる!朝からのむぞー!」
爺「お姉さんや.....、昆布茶を一杯くれんかね.....」ヨボヨボ
メイド「はいはい、すぐお持ちいたしますねー」
メイド「お客さん達だけで賑わってしまう形になってしまったんですよねー、これではただの喫茶店です」
メイド「だから私はレンタルメイド店の店長メイドというより、居酒屋のママさん的な存在になってしまいました」
メイド「一応これでお客様も満足していただいていてお仕事にはなっているし、結果オーライって感じですよね」ニコニコ
男「あはは....、よかったですね」
おっさん「おら坊主!お前も一緒に飲むか!?」
男「いえ....、俺仕事ありますし.....それにまだ未成年ですし」
メイド「それで私、受付の方が今日はお休みで人員不足なので少し代わりをしなければいけないんですね」
男「....あの」
メイド「店番、よろしくお願いしますね」
男「(えぇ......まさかこのために)」
メイド「ミルクティーの分、しっかり頼みますね♪」
男「は、はぁ....」
メイド「では、失礼しますね」
おっさん「っしゃ!酒付き合えや坊主!!!」
爺「昆布茶はまだかのぉ.....」ヨボヨボ
男「勘弁してくれよ.....」コポポポ....
こんな怪しい店でもいいから働きたい
男「あーあ....、俺の仕事も相当めんどくせぇ.....」
男「(やっと昼休憩をもらえた.....)」
男「(まさかこんな時間から酒臭いおっさんとの付き合いをしなければいけないとは....)」
男「(これだったらあっちこっち回ったほうがまだマシ....、いや憶測だけで自分勝手なことを言うのは失礼か....他の人もがんばってるんだ)」
男「(それに楽な仕事なんてあるはずがない、金さえ手に入れば問題ないんだ....)」
金髪メイド「あ、男君」
男「あぁ....金髪メイド、もう帰ってきたの?」
金髪メイド「この時間空きがあってね、久しぶりに店内でご飯食べようかなって」
男「そうなんだ....」
金髪メイド「あー....よかったら一緒に食べる?」
男「(う....飯の時ぐらいは一人でいたいもんだけど....断るほどの勇気は俺にはない)」
男「(....これも仕事だと思えば、それにこいつならそれほどに面倒くさくないだろうし害は少ないはず)」
男「じゃあ.....」
ロリメイド「お、なんだお前ら二人でー、昼間から乳繰り合ってんのか?」
金髪メイド「乳繰り合ってないわよ!!!」
桃髪メイド「あら、みんなこの時間仕事ないわけ?珍しいわね」
桃髪メイド「せっかくだし、一緒に食べちゃう?」
男「!!」
ロリメイド「いやいや、カップルとの間にちゃちゃを入れるってのはいささか野暮ですぜ姉貴」
桃髪メイド「それもそうね....無神経だったわごめんなさい」
金髪メイド「いやいや!ありもしない関係に神妙な顔で気を使われても反応に困るっての!」
桃髪メイド「なら一緒にご飯食べようか、新人君とも仲良くしたいしねー」
ロリメイド「宴じゃーーーー!カシオレ持って来い!」
男「(うわぁ....すげぇめんどくさそうなランチタイムになりそうだぜ)」
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
桃髪メイド「どう?新人君仕事には慣れた?清掃業が主だっけ」
男「はい、だいぶ慣れました....」
男「(人間関係に若干の抵抗を感じているけど....)」
桃髪メイド「でさー、どこ住んでるの?連絡先は?何型?好きな食べ物は?何フェチ?童貞?あと....」
金髪メイド「そんなに聞いたら男君困っちゃうでしょ、ていうか最後らへん自重しなさい」
桃髪メイド「ごめんごめん、なんか癖でさー男にいろいろな質問して情報を絞り出すっていうねー」
ロリメイド「さすが姉貴、クソビッチの貫録は伊達じゃねぇな!よっ、この淫乱メイド!」
金髪メイド「あんたも言葉選びなさいロリッ子!まだ開店中なんだから!」
男「(うわー女って結構下ネタとか普通に言うんだな.....それで傷ついてる俺の心はだいぶ純粋だったんだな....)」
桃髪メイド「んじゃー、順番にゆっくり質問していこうかなー.....そうだねぇ」
桃髪メイド「んー、じゃあ新人君はさぁこの3人の中でどの子がタイプ?」
男「えぇ!!そんないきなり.....」
金髪メイド「ちょっと!だからやめなさいって.....」
桃髪メイド「いいじゃない?せっかく仲を深めるチャンスなんだもん....、そりゃ知りたい事をよく知りたいわ」
桃髪メイド「それでどうなの?」
男「(なんだ....いきなり上司の悪ノリみたいなものが始まってしまった.....)」
男「(正直女で好きって言ったらあいつなのか....?いやいや恋愛感情なんてものはないのだけど、いやそんなことは今はいいんだ)」
男「(これは返答に困った.....、なんだ?これはボケればいいのか?それとも真面目に答えるべきなのか?)」
男「(正直、自分に素直になってくそ真面目に好みなどを選ぶんではなく、一番後々楽な展開になるように選択をしたい.....)」
男「(もしかしたら今後の俺の仕事場の居心地の良さにも関わるかもしれないんだ....、慎重に答えないと....)」ゴクリ
男「(そうだな....、一つ一つの選択肢を吟味してみるか.....)」
男「(金髪メイドを選ぶとなると....、茶化され方がレベルアップしてしまう気がするしそれで多分こいつからも恨みを買うかもしれない)」
男「(ロリメイド.....こんな子供みたいな奴を選んでみろ、歪んだ性癖の持ち主として噂はたちまち店内に広がり周りに一歩ひかれ、憐みの視線をもらう事に...)」
男「(この桃髪メイドを選ぶとなると....、いやもしかして期待してるんじゃないのか?自分が選ばれるのを)」
男「(勝手な憶測だがかなり異性との交際経験が豊富に見えるし...、自信を保ちたいがためにこういう質問をしたのかもしれない)」
男「(だとしたら一番ベストに見えるのはこの男ったらしの桃髪メイドを選ぶか.....)」
男「(ふむ.....いや逃げという選択肢をとることも....だとしたら)」
桃髪メイド「あらら.....そんな悩んじゃって」
桃髪メイド「(もしかしてこの店で好きな娘がいるんじゃ......)」
金髪メイド「だ、だからやめなさいって言ったのに.....」
金髪メイド「(で、でも誰が好みと思ってるんだろ......もしかして私じゃないよね?)」ドキドキ
ロリメイド「(もしも私が選ばれたら.....、よし通報できる準備をしとこう!!)」
男「僕、まだそういうのわからないですし、見た目より中身で選びたいですからもうちょっと中を深めないとですね」キリッ
男「(都合のいい美辞麗句だが、正直ベストな答えなんて俺なんかに導き出せるはずがないんだ....仕方ない)」
桃髪メイド「へぇ.....」
金髪メイド「あぁ、そう.....」
ロリメイド「.....」ホッ
桃髪メイド「(まぁ、来て間もないのにいきなりそんなことないか)」
桃髪メイド「まぁ...キレイ事っぽいけどねぇ、たしかにたいして仲もよくなってないのにこういうのは図々しすぎたかな」
男「...すいません」
受付嬢「桃髪メイドさーーーん!!」
桃髪メイド「はい!!なんですか?」
受付嬢「先ほどお向かいになられたA様のお宅から忘れ物がと連絡が....」
桃髪メイド「忘れ物.....あぁーーー!」
桃髪メイド「さっきからスースーすると思ったら下着忘れてたのか!道理で....」
金髪メイド「あんたなんてもの忘れてるのよ!ていうか下着忘れるって何してたの!!?」
桃髪メイド「え、言って大丈夫?じゃあ....」
金髪メイド「いえ、遠慮しときます」
ロリメイド「じゃあノーパンで仕事先まで来てたのか......、恐ろしい痴女だぜ」
桃髪メイド「私行ってくるから、ごめんねせっかくみんなで集まったのに」
金髪メイド「ううん、いいわ....じゃあ気を付けていってらっしゃい次からはちゃんと注意するのよ」
ロリメイド「避妊はするのよ~~~」
男「(同僚を見送る言葉がそれってどうなんだ.....)」
男「(ていうかあの人もなんで下着なんか...、やっぱロクな奴じゃないのか)」
男「じゃあ俺もこれで行くから....昼休憩ももう終わるし」
金髪メイド「そ、そうだねじゃあまた」
ロリメイド「お?もしかして期待してたのか?」
金髪メイド「そんなわけないじゃない!!」カアアア
ロリメイド「まぁまぁそう照れるな照れるな、今までのように変わらず応援してやるから?な?」
金髪メイド「あんた今までおちょくってしかなかったでしょうが」ピキピキ
金髪メイド「....」
男「ふぅ....、終わり終わりっと」
メイド「お疲れ様です、今日はもうあがっていいですよ」
男「あぁ....もうこんな時間」
男「お疲れ様でした」
男「(今日は....、誰もまだ帰ってきてないのか、遅くまでご苦労なこった....)」
男「(ならば今日は一人で退散を決め込もう、ずっと平和でいい)」
男「お疲れ様でした」
男「(もう金があまりない....、使い切るかそれとも次の給料まで待って一気にどんと買うか....)」
桃髪メイド「」スタスタ
男「うわ、桃髪メイドさん.....」
男「(私服ってことは着替えて店を出たってことなのか.....)」
男「会うと面倒だ、ひとまずこっちの路地にひとまず逃げ込んで.....」
桃髪メイド「」スタスタ
男「お、横断歩道を渡ってこっち側の歩道に....、たしかこっち側はデパートがあるそこへ行くのか.....)」
桃髪メイド「」スタスタ
男「ってこっちに近づいてくる!?何故」
桃髪メイド「おお、やっぱ新人君じゃないか」
男「....何故こんな路地裏なんかに....」
桃髪メイド「いやなんか童貞の匂いがしたから嗅ぎつけたらこんなところまでね」
男「(どんな匂いだよ!....いや童貞だけど....)」
桃髪メイド「そうかそうか君童貞か!」アッハッハッハ
男「くっ.....」
桃髪メイド「あれ?違う?」
男「いえ、そうです....けど」カァァァァァ
桃髪メイド「素直だねーーー!面白いね君!」アッハッハッハ
男「(はっ!くそ真面目に答えてしまった、こんなクソビッチに性経験がない事で高らかに笑われるなんて....しかも屋外で)」
男「(惨めだーーー!くそっ.....くそっ)」
金髪メイド「....あっ」
桃髪メイド「仕方ない、お姉さんが初デートしてやろう」
男「はぁっ!?」
桃髪メイド「え?憧れの美女とのデートだよ?もっとがっついてきなさいよ」
男「(自分が美女だとぉ....?何をふざけたことを.....いや悪くは...ないが)」
桃髪メイド「(ふーん、そっかそっか奥手なんだね.....)」
桃髪メイド「ほらほら、こんな薄暗いとこにいないで、ね?」ムニュン
男「(な....、こいつ俺の腕を勝手に....しかも胸まで押し付けてきやがって.....)」
桃髪メイド「さ、行こう?」
男「(さっきまで馬鹿にしてたくせに....素直に行くわけないだろうが馬鹿なのか?エロいことしか頭にないメス猿なのか?この単細胞が...)」
金髪メイド「.....」
桃髪メイド「おおーーー、ここの蕎麦やっぱり美味しいね!おっちゃん!」
蕎麦屋店主「おう!伊達に23年店構えてねぇーってよぉ!!」ハッハッハッハ
桃髪メイド「新人君どうだい?おいしいだろこの店の蕎麦!つゆどっぷりつけてズルズル食いな!」アハハハ
男「はい.....」ズルズル
男「(なんて惨めなんだ....、つまらなくとも意地をはったくせに......)」
男「(あぁ、そうだ.....おっぱいには勝てなかったよ、所詮俺も一介の童貞男というわけか....)」トホホ...
蕎麦屋店主「それで、そっちの坊主はなんだい?彼氏かい?」
桃髪メイド「そうなのー、ちょっと前に同僚になってバイトすることになったのよ、ねぇーダーリン」
男「誰がダーリンですか!やめてください!」
蕎麦屋店主「はっはっは!それでもう結ばれちまったのかい?最近の若者は勢いがないと思ってたけど、捨てたもんじゃないねー!」
男「いや、ちが....」
蕎麦屋店主「よし!じゃあ記念に蕎麦もういっちょ付けたる!!」
桃髪メイド「あはー、ありがとうおっちゃーん!」
男「(けっ....、調子いいなこいつ)」ギロッ
桃髪メイド「ん?どうした新人君....」
男「いえ、別に.....」ズルズル
桃髪メイド「私に惚れた?」ポッ
男「ぶっ!!!!!!」
蕎麦屋店主「おぉ!?どうした喉につまったか!水でも飲め!」
桃髪メイド「すいません....、図星を指したみたいで少し驚いたようなんです」
男「全然違います!!!」
男「まったく....勝手な事を言わないでください」ケホッケホッ
桃髪メイド「ふふっ.....」
蕎麦屋娘「おとうさーん!あ、お姉ちゃんこんばんはー!」
桃髪メイド「こんばんはー」
蕎麦屋店主「お、なんだ腹減ったのか?待ってろ今晩飯作ってやっからよ、空いてるとこ座りな!」
蕎麦屋娘「うん!そこのお兄ちゃん!隣いい?」
男「え.....」
蕎麦屋娘「よっと、おとうさん!このカウンターの椅子座れるようになったよ!」
桃髪メイド「おおーーやったねー!」
蕎麦屋店主「おおよかったな!とーちゃんの蕎麦食ってでかくなったおかげだな!!」
蕎麦屋娘「うん!おとうさんの蕎麦大好き!けどそれよりにおとうさんのほうがすきーーー!」
『お兄ちゃん大好きーーーー!』
男「!!?」
蕎麦屋店主「ったく調子のいいこといいやがってよぉ~、よっしゃ生卵つけたろ!」
男「......」
蕎麦屋店主「....どうした坊主、汗でびしょびしょだぞ?」
男「いえ....なんでも」
蕎麦屋娘「どうしたのお兄ちゃん....おとうさんきゅーきゅーしゃ呼ばなきゃ.....」
男「(駄目だ....はやく普通でいなきゃ、不自然と思われる....ダメだダメだダメだ)」
男「(ダメだ、あいつの言葉がフラッシュバックして....くそっ....)」
男「(今日は何か変だ....、あんな夢見たからか....?記憶が鮮明に....イヤだ、気分が悪い!)」
男「(早く帰らないと....勘定、勘定.....)」アセアセ
桃髪メイド「」ダキッ
男「!!?」ギュムッ
蕎麦屋娘「わー!おとうさん!ねーちゃんがお兄ちゃんをだっこしてる!」
男「(い、息ができねーーーーーー!!)」
男「ぷはーーーーっ!!何するんですか!?」
桃髪メイド「ん、また元気のない顔してたからさ.....」
男「え.....」
桃髪メイド「何か悩みでもあるのかなーって....それで君ぐらいの歳だったら恋煩いなのかなって思ったんだけど違うみたいで」
男「(それであんな質問を....?)」
桃髪メイド「それで先輩だから元気出してやろうと思ったんだけどね、やっぱり私アホだからよくわかんないし....」
桃髪メイド「そのつもりで今日誘ったんだけど、おせっかいだったね....ごめん」
男「......」
男「.......」ポロポロ
桃髪メイド「新人君......」
男「俺、妹がいたんですよ....、まだ小さい頃実家であるこっちにいて今は叔父のところで住んでて....」
男「人と接するのが苦手で俺友達もあんまりいなくて....、それで妹だけやたらに俺に突っかかってきて...うっとおしいと思ってたんです」
男「けど妹は事故で死んでしまって....、勝手なんですが俺大泣きしてもう精神おかしくなって人とも話せない状態になって学校で暴れたりして....」
男「妹の死を....認めたくなかったんです」
男「本当は妹の事が好きだったんです、それを失ってから気づいて.....」
男「それでこっちに住むのは難しいからって....、叔父の所に引き取られて」
男「それでだいぶ落ち着いてきたんですけど、やっぱり妹の事に踏ん切りがつかなくって.....」
男「ちゃんと妹の死に向き合わなきゃって....それでこっちに帰ってきたんです」
桃髪メイド「それで....行ってあげたの?」
男「....行ってないです、まだ....行けないんです」
男「それでおもちゃをいっぱい買ってあげて行こうって思ってるんですが....、まだ足りないもっと買ってあげなきゃって」
男「そうやって言い訳して逃げてるんです....」
男「......すいません、臆病なんです俺...何もできていない」
桃髪メイド「大丈夫だよ」ギュッ
男「....!」
桃髪メイド「新人君は妹ちゃんと向き合ってここまで進んできたじゃない?」
桃髪メイド「進んだ距離が問題なんじゃない、進んだかどうかが大事なの......」
桃髪メイド「どれだけ前に進むのが遅くても....、時間をゆっくりかければきっと....ね?」
桃髪メイド「おもちゃを買ってあげてそれで安心して会えると思うのならそれを続ければいいよ」
桃髪メイド「そのためのバイトなんでしょ?君が困ってるならいつでも力貸すからさ」
桃髪メイド「本当よく頑張ってるよ、よくここまで来たね、男君」
男「桃髪メイドさん.....!!」
男「もう少し、胸の中で泣かせてもらってもいいですか.....」
桃髪メイド「ふふっ、結構おませさんなんだね.....いいよ」
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
桃髪メイド「どう?落ち着いた?」
男「ありがとうございました....」
蕎麦屋店主「くぅ~!坊主偉いぞ!感動した!」
蕎麦屋娘「うぅ~ん、よくわかんないけどかんどーした!!」
蕎麦屋店主「ほらよ、おごりだ食え」
男「あ、ありがとうございます.....」
蕎麦屋店主「また食いに来い坊主、悩みなんて吹き飛んじまうような蕎麦作ってやっからよ」
男「ありがとう...ございます!」
蕎麦屋店主「桃髪メイドちゃんもよ、こいつの事よろしく頼むぜ?なんか俺も放っておけなくなっちまった」
桃髪メイド「まかせてください、頼れるエッチなお姉ちゃんが私の肩書きですしね!」
蕎麦屋店主「ははっ!そんな姉ちゃんの胸で泣けるなんて羨ましいね!!」
男「いえ....それはあの」テレテレ
蕎麦屋娘「おかーさんにやってもらえばいいじゃんおとうさん!」
蕎麦屋店主「あぁ?無理無理ウチのはもう乳が垂れちまって弾力がねぇだろ!!やっぱ若い娘の乳がなぁ....」
蕎麦屋娘「あっ!おかーさん!いっしょにご飯たべよーー!」
蕎麦屋女将「ちょっと待っててね、お父さんとちょっと軽い運動してくるから」
蕎麦屋店主「....ちょっと行ってくらぁ」
桃髪メイド「次来るまでにちゃんと生きててねーおっちゃん!」
蕎麦屋娘「いきててねー!」
男「ははは」
男「(変で下品な人だなって思っていたけど....本当はとても優しいんだな.....)」
男「(少し人に話せたおかげか、スッキリした気がする.....)」
男「(多分俺は一人で悩みを抱え込んで、誰かに甘えたかったのかもしれない.....)」
男「(このバイトに就けてよかった、そう思える気がする.....)」
男「(ちゃんと一歩踏み出せたんだと、実感する)」
イイヨイイヨー
イイ話になってるー
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