ちひろ「あるテレビ局から、ドッキリ番組を作るから撮影に協力してくれとの依頼がありました」

ちひろ「内容は、『CGプロに一人しかいないプロデューサーが亡くなったら……』という死亡系のドッキリです」

ちひろ「はぁ……」

ちひろ「簡単に言ってくれますねぇ」

ちひろ「うちのアイドルとプロデューサーとの仲がいいというのは、業界や一般にも知られてますから、りあむちゃんですら炎上しない話題です」

ちひろ「でも……」

ケース1

芳乃「あの方が亡くなったのですかー？」

小梅「あ、あれ……魂、見つからない……よ？」

クラリス「おかしいですね。本当に亡くなったというなら、目を開いたら見ることができるはずですが」

こずえ「ちひろー……うそなのー……？」

茄子「ふふっ、嘘吐きさんは」



ほたる「……滅せよ」

ちひろ「」ﾌﾞﾙﾙｯ

ちひろ「うん、ダメですね。この人達に嘘はつけません」

ちひろ「もしドッキリを撮るなら、番組の趣旨を最初から説明しないといけませんね」

ちひろ「そうなった場合の費用は……」ｶﾀｶﾀｶﾀ



ちひろ「……まだ予算内と」

ケース2

智絵里「……そんな」

美優「ぷ、プロデューサー……さ……ん」

響子「なんで……亡くなったなんて」

瞳子「あ……あぁ……」ﾊｲﾗｲﾄｵﾌ

ゆかり「私たち……何で生きているんでしょうか……」ﾊｲﾗｲﾄｵﾌ

留美「そうね。もう生きている意味なんかないわ……」ﾊｲﾗｲﾄｵﾌ



まゆ「……まゆも今からそっちに逝きますねぇ……」ﾊｲﾗｲﾄｵﾌ

ちひろ「……」

ちひろ「まぁ、想定内ですけど」

ちひろ「あと、凛ちゃんや美嘉ちゃんに紗枝ちゃん。千枝ちゃんに雪美ちゃん辺りも怪しいですね……」

ちひろ「考えられる人数に、自決の演技という理由で血糊と小道具の用意を加味して……」

ちひろ「ギリギリ黒か……アイドルの宣伝と考えてまだいけるはず」

ケース3

マキノ「おかしいわね……そんな情報なんか出てこないわ」

泉「晶葉、ハッキングの機材はどう？」

晶葉「うむ、病院警察に自衛隊に米軍。さらに考えられる限りの公的機関や裏稼業も当たってみたが何も出てこないぞ」

亜季「それは変でありますな」

桃華「櫻井の情報網にも引っかからないなんて……」

琴歌「……まずあり得ませんわね」

巴「……誰かが嘘をついているじゃと？」

拓海「……」ｽｸｯ

里奈「たくみん。決めつけるのは早いぽよ」

文香「もしかすると……」

都「身内の……ちひろさんですか？」

ちひろ「……」

ちひろ「他のドッキリならともかく、人の生死が関わるとマズいわね」

ちひろ「とはいえ、局に変更のお願いなんてできないし……」

ちひろ「ん？あやめちゃんがいないって？」

ちひろ「あのw忍者のヒストリカルコスプレ娘ですかwww」

ちひろ「例えバレても大丈夫ですってw」





？「……」

ちひろ「後は……ショックでぽっくり逝きそうな加蓮ちゃんにちとせちゃんかな？」

ちひろ「千夜ちゃんも万が一枠に入れて……と」

ちひろ「確実に赤いけど、まぁ宣伝広告費とすれば上も簡単に許可も降りるかしら？」

ちひろ「さて、お金お金♪」





？「……」

ｼｭﾀｯ

ﾌﾋ､ｲｲｺﾄｷｲﾀｿﾞ

ﾑｰﾘｨ

モバP(以下P)「え？その後どうなったかって？」

P「撮影は順調。視聴率も10%超えでみんなほくほくさ」

P「なんせ、事務所のアイドルが【全員】出演したもんだから、ファンの間では伝説扱い」

P「番組の円盤も追加増産で、上の連中も笑いが止まらんらしい」

P「一人を除いて……な」





P「え？その損した一人って？」

P「……わかってて逝ってるよな」

ちひろ「」

P「……まったく。ドッキリなんだから、箝口令を掛けないと」

P「妙なとこで爪が甘いんだから……」

P「ほら、おごってあげますから飲みに行きますよ」

ちひろ「」



おしまい