男「大罪の悪魔たち」 (30)
【七つの大罪】
男(憤怒、傲慢、嫉妬、暴食、色欲、怠惰、強欲。これらは七つの大罪と呼ばれている)
男(そしてそれらにはそれぞれの大罪を司る悪魔がいる)
男(憤怒の悪魔、サタン)
男(傲慢の悪魔、ルシファー)
男(嫉妬の悪魔、リヴァイアサン)
男(暴食の悪魔、ベルゼブブ)
男(色欲の悪魔、アスモデウス)
男(怠惰の悪魔、ベルフェゴール)
男(強欲の悪魔、マモン)
男(日本の男児なら誰しも中二病全盛あたりであこがれる存在。そんなやつらが――)
色欲「あっはっはっは!やっべ、おもろっ!」バリボリ
憤怒「色欲!寝転がって煎餅を食べないでください!食べかすがこぼれるでしょうが!」
嫉妬「も~、お掃除大変なんだからー」
傲慢「第一、床に寝ころびながら食べ物を食べるのはお行儀が悪いですわ!」
怠惰「・・・・・それ、おいしい?」
暴食「おいしいよ?」ハムハム
強欲「ちっちゃな両手で一生懸命ポッキーをかじる姿・・・・・同じお菓子を食べてる様子なのにどうしてこうも違うんでしょう」
男(我が家に居座っている)
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【小動物系暴食幼女】
男「おい、エロ女」
色欲「え、なに?ついに手を出したくなった?カモーン!」
男「暴食が真似しそうなことすんな」
暴食「?」ハムハム
色欲「あれー?」
強欲「いいですかー?あれはだめな大人の見本ですからねー。あれを反面教師にしてお行儀よくするんですよー」
暴食「はんめん、きょーし?」
怠惰「・・・・・・人の振り見て我が振り直せ。ああなってはいけないことを覚えてってことだよ」
暴食「だいじょーぶだよ。あたし、ごはんはちゃんとすわってたべるし」
男「よーしよしよし!暴食はえらいなー!いい子だなー!」ナデナデナデナデ
暴食「えへへ」
色欲「ちょっとー、あたしとの扱いが違い過ぎない?」
強欲「鏡で自分の姿見てから言ってもらえます?」
色欲「うわ、こんなところに絶世の美女が!あ、鏡だった」
憤怒「美女?」
怠惰「典型の豚の間違い」
色欲「豚じゃないし!見なさいよこの見事なくびれ!張りのある大きな胸!撫でたくなる尻!どう見ても絶世の美女でしょうが!」
暴食「おねーちゃんのからだはきれいだよね。あたしもおねーちゃんみたいになりたい」
色欲「ほらー!」
男「暴食はあんなのにも優しくてえらいなー!」ナデナデナデナデ
暴食「えへへ」
男(我が家で、いや世界で一番かわいい幼女。暴食。暴食とは言いつつも常に何かを口にしてるだけで家計を圧迫するほど食べてるわけじゃない)
【小姑系憤怒女】
憤怒「男さん。その手をそれ以上下に下げるとセクハラで焼き殺しますよ」
男「ほ、ほっぺをつつくのは?」
憤怒「ダメです」
暴食「・・・?おにいちゃん、あたしのからださわりたいの?いいよ?」
男「本人のお許しが出たけど!」
憤怒「年端も行かない少女から許しを得たことが合意に値するとでも?」
男「お前ら全員俺より年上だろうが」
憤怒「女性の年齢について言及するだなんて・・・・・・セクハラです!」
男「理不尽だ!」
男(我が家で一番口うるさい女、憤怒。貧相な身体の癖に口だけは多い。絶対に小姑になるタイプだ)
憤怒「誰が小姑ですか!」
男「言ってねえよ!思っただけだよ!」
憤怒「顔に出てるんですよ!」
男「知らねぇよ!」
【姉系嫉妬女性】
嫉妬「まあまあ、憤怒ちゃん。別に口に出したわけじゃないんだから。憤怒ちゃんも男くんのこと変態だーとか普段から言ってるんだし。お互い様だよ」
憤怒「変態に変態と言って何が悪いんですか!」
男「変態じゃねーよ!イエスロリータ、ノータッチだ!頭は撫でるがそれ以外の嫌がりそうなことは一切してない!」
憤怒「ほら!変態です!ロリコンです!死刑です!」
嫉妬「て、手は出してないんだからね?」
憤怒「手が出てますが」
嫉妬「そういうことじゃなくて!もう!男くんも!そういうことを大声で言わないの!」
男「誤解を解くためには仕方ないと思う」
憤怒「どこが誤解ですか、どこが」
嫉妬「もう。・・・・・・ち、ちなみに、歳が離れた女の子ってどう思う?」
男「愛があれば年齢にはこだわらないタイプっす!」
嫉妬「そ、そうだよね!愛があれば歳の差なんて!」
傲慢「二人の認識に齟齬が発生してる気がしますわ」
男(我が家で一番大人らしい女性、嫉妬。名前とは裏腹に嫉妬をしてる様子は見れない。胸も大きいし、まさしく大人のお姉さんと言った感じだ)
【意識高い系傲慢嬢】
怠惰「・・・・・・掃除するの大変だから畳の上で粉が散るようなものを食べないで」
色欲「えー、でもこの部屋全面畳だしー」
怠惰「じゃあ粉が散るようなものを一切食べないで」
色欲「嫌よ。モナカとか食べられなくなるじゃない」
傲慢「食べるにしても粉を撒き散らさないよういろいろとありますでしょう?ま、ワタクシほどにもなれば粉など散らしませんが!」
色欲「えー、じゃあその食べ方伝授してー」
傲慢「それよりもあなたはまずマナーから学ぶべきですわね。だらしない服装で寝ころびながら食べ物を食べるなど美しさのかけらもありませんわ」
暴食「あたしもやったほうがいい?」
強欲「いや、暴食さんはまずはお箸とかフォークとかナイフの使い方からやった方がいいと思います。グーで握るのはよろしくないです」
傲慢「確かに、暴食の食べ方も気になるところがございますわね。よろしいでしょう、次の休みにはこのワタクシが直々に食事マナー講習をして差し上げますわ!」
男(我が家で一番意識が高い女、傲慢。ノブレス・オブリージュが信条らしい。口調は生意気だが、言ってること自体は割とまともだ。お嬢と呼ぶべきかおかんと呼ぶべきか)
【文学系怠惰少女】
怠惰「・・・・・・とりあえず掃除するからどいて」
色欲「えー、まだ食べてるんだけどー」
男「自分でやらせればいいじゃねーか」
怠惰「これにいってもやらないし、やっても雑だからカスが残る。虫が湧いたらもっと面倒だから」
男「なるほど」
色欲「よろしく~」
憤怒「なんであなたが怠惰よりも怠惰してるんですか」
男「こいつの色欲要素どこ?」
怠惰「贅肉がある。以上」
色欲「贅肉じゃないわよ!出るとこ出てて引っ込むところ引っ込んでるでしょ!」
怠惰「その胸についているのはまごうことなき贅肉」
憤怒「なるほど、一理ありますね。焼きますか」
強欲「引きちぎります?」
色欲「はんっ、ナイチチ共の羨望の目が眩しいわねー。人気者は辛いわー」
男(我が家で一番物静かな少女、怠惰。基本的に隅っこで本を読んでるか眠っているか。ただ家事はきっちりこなしてくれている。しない方が後にめんどくさいとかなんとか)
【小悪魔系強欲娘】
強欲「私なんかバストアップ体操とか全部やってるのにどうして年がら年中寝て過ごしてるだけのこの人に体型が負けるんですかね」
憤怒「年がら年中寝てるから脂肪がつくんじゃないですか?」
傲慢「あら、そうとは限りませんわよ。現にワタクシは毎日働きに出ていますがこの通り!パーフェクトボディを維持していますもの!」
嫉妬「傲慢ちゃんは美容のために頑張ってるもんね。強欲ちゃんもいろいろしてるのは知ってるけど、どうしてなんだろうね?」
色欲「ま、これが生まれ持った差ってやつよ。ぺたん娘たちは一生ぺたん娘のままってわけ」
暴食「おにいちゃん。あたし、ずっとちっちゃいまんまなの?」
男「暴食はずっとかわいいままでいいと思う」
暴食「おにいちゃんがそういうならちっちゃくてもいいかな?でも、やっぱりおっきくもなりたい」
強欲「ならいっしょにやりましょう!バストアップ体操!あと他にもプロポーションをよくする運動とか!もう一人でやるのは飽きてきたんです!」
憤怒「他人を巻き込まないでください。それに、幼少時の無理な運動は身体の発達を阻害する可能性があります」
嫉妬(暴食ちゃん、年齢だけなら私たちとそう変わらないんだけどなぁ)
強欲「じゃあ憤怒ちゃんやりましょう!」
憤怒「それは私の身体が貧相だと言いたいんですか?」
強欲「私とどっこいどっこいの身体しておいてそんなつもりはないとでも?」
嫉妬「あ、あの?二人とも落ち着いて、ね?ちっちゃくてもそれはそれで魅力が」
憤怒「巨乳は黙っててください!」
男(我が家で一番あざとい娘、強欲。基本的に距離が近い。暴食にいろいろ教え込もうとするから見張りはきっちりしないとな)
【家事手伝い系色欲ニート】
色欲「あーあーあー、貧乳共の遠吠えがうるさいわねー。これだから胸が貧相な女は心も貧相なのよねー。ねー、傲慢?」
傲慢「ワタクシに振らないでくださいまし!ねえ、嫉妬さん!」
嫉妬「こっちにも振らないでよ!私黙ってろって言われたばっかりなんだから!」
憤怒「はんっ、身体がだらしない女は生活もだらしないものですね」
色欲「あーあー、もっと言いなさ~い。まな板たちの喚きは聞いてて気持ちがいいわ~」
憤怒「きぃーーーっ!この女!」
強欲「やっぱり引きちぎった方がいいんじゃないですかね」
怠惰「上下?左右?」
強欲「ここはしばらく意識が残りそうな上下でいきましょう」
色欲「あっはっはっは・・・・・え、む、胸の話よね?」
憤怒「引きちぎるだけだと苦痛が少ないでしょう。ところでファラリスの雄牛って知ってます?」
怠惰「ちょっと汚いけどスカフィズムっていうのもある」
強欲「あ、なんか大量の塩が入ったでっかい壺に顔だけ出させて埋めるっていうのもありますよ。浸透圧で脱水させるとかなんとか」
色欲「なんであんたらそんな酷刑に詳しいのよ!」
男(我が家で一番だらしない女、色欲。仕事をしない、仕事を探すそぶりもない、年がら年中惰眠をむさぼるニート。平気で屁をこくしエロさのカケラもねぇ)
【原因】
男「そもそもなんでこんなことになったんだっけか・・・・・半年前に公園で泣いてた幼女を助けただけなのに」
憤怒「今の時代にそんなことをするから不審者扱いされるんでしょうが。下心を出すからです」
男「なんだよ、通報されたくなかったら全員の面倒見ろとか。おかしいだろ。ウチに来るの暴食だけだと思ったんだぞ!」
強欲「天使たちもひどいことしますよね。暴食ちゃんを使って脅して押し付けるだなんて」
色欲「ほんっと迷惑よね~。あたしは実家でごろごろしてただけなのにこんなとこに連れ出されてさ~」
傲慢「ワタクシだってエステを受けてる最中に強制拉致されたんですのよ!」
嫉妬「ま、まあそれもこれも主神様のクレジットカードを使いすぎた私たちが悪いんだけど・・・」
憤怒「ほぼ無限に富があるようなものなのに。けち臭いですね、あの女は」
強欲「前の主神様はよかったですよね~。ちょーっとおねだりしたらなんでも買ってくれましたし~」
暴食「おじいちゃんはアメとかくれるからすき。あのおねえちゃんはやさいしかくれないからきらい」
怠惰「気前良かったよね・・・・・ハゲてるけど」
色欲「私も公然とニートさせてもらえてたしねー。ハゲだけど」
傲慢「ワタクシが美しくなるための費用は全て出していただけていましたわ。頭頂部が神々しいだけの事はあります」
嫉妬「皆がそうやってハゲ、ハゲって言うから拗ねて隠居しちゃったんだよ?」
男「お前らそんだけ世話になっててよくそんなひどいことするよな」
暴食「わたし、なんかわるいことしちゃった?」
男「暴食が悪いわけがない!もしいたとしたら俺はそいつをぶん殴る!」
憤怒「前主神様がご隠居なさった直接の原因はその子にハゲてることを言われたからですよ」
強欲「『おじいちゃんのあたま、ちょっとまぶしい』って言われて本気でショック受けてましたね」
男「つまり俺はその前主神ってやつを殴ればいいのか?」
怠惰「違う、そうじゃない」
【狭い】
男(こうして8人、安アパートの一室で共同生活をしていて思うことがある)
男「単純にキャパオーバーだよ!これ!」
憤怒「ですよね!」
男「六畳一間に8人とかマジで頭おかしいだろ!一人一畳ないんだぞ!」
強欲「ほんとですよ!わたしとか暴食ちゃんとか憤怒ちゃんとか怠惰ちゃんが小柄だからよかったものの、狭いものは狭いです!」
嫉妬「ここに来た頃は夏だったから、本当に寝苦しくて困っちゃったよね」
傲慢「ワタクシ、今まで耐えてきた自分を褒めて差し上げたいですわ」
怠惰「・・・・・寝てる時たまに寝相で起こされるし」
憤怒「食事をするときも全員でちゃぶ台使うとスペース足りないから交代で食べてますし」
色欲「家の中で服着てなきゃいけないし」
憤怒「あなたはただのわがままでしょうが!」
暴食「たしかにちょっとせまいけど、あたしおにいちゃんとかおねえちゃんとくっついてねれるからうれしいよ?」
男「俺も嬉しい!」
嫉妬「私も!」
強欲「なんでしょう。この二人の言ってることは同じなのに言いたいことは食い違ってるような気がします」
傲慢「そこは見てみぬふりをするのが立派な淑女ですわ」
【広い部屋を】
男「で、だ。仮に引越しをするにしてもいつ消えるかわからんお前らのために無駄に広くて無駄に高い家賃のとこには行きたくない」
嫉妬「そもそも、私たちの稼ぎをあわせても引っ越しして家具そろえて・・・・・ってしてたら全然お金が足りないもんね」
強欲「8人で余裕を持って過ごせる家なんて中々ありませんしね」
憤怒「ですがせめて一人一畳はほしいところです」
傲慢「いーやーでーすわっ!六畳一間が八畳一間に変わったところで狭苦しいのは変わりませんの!」
怠惰「・・・・・あんまり広いと掃除が大変だし」
強欲「ていうか、どうせなら一人一部屋ほしいです!自分専用の部屋が欲しいです!」
色欲「確かにねー。女としてずっと男と同じ部屋ってのはねー」
強欲「男さんはよく誰も襲いませんでしたね」
嫉妬「が、我慢しすぎはよくないよ?男くんがどうしてもっていうならお姉さんが・・・・・」
男「お前ら相手にそんな気は起きん」
憤怒「なっ!・・・・・ま、まあいいでしょう。別に問題はありません」
傲慢「まあ、美しい私の前では性欲が敬服に変わってしまうのも仕方ありませんわね」
強欲「そういうことじゃないと思うんですけどねー。男さんはー、私を見てホントに何も思わないんですかー?ほらー、電気消した後とかちょーっとぐらいおさわりしても誰も気付きませんよー?」
男「暴食を抱きしめるので忙しいから無理だな」
怠惰「・・・・・毎晩抱き枕で辛くない?代わる?」
暴食「だいじょうぶだよ?」
怠惰「ふーん・・・・・」
嫉妬「えっと、わ、私も抱き心地には自信があるよ!」
男「嫉妬にやったら絵面に年齢制限入るからだめだな」
強欲「成人男性と推定成人女性が一つの布団で抱き合う姿・・・・・R-15ぐらいですかね?」
嫉妬「そ、そっかぁ・・・あはは・・・・・・」
傲慢(哀れですわね、嫉妬・・・・・)
【片付け】
男「で、だ。せめて現状寝苦しいのをなんとかしないといけないだろ?だからそこの押し入れをちょっと片付けようかと」
怠惰「押し入れ・・・・・って、布団入ってるけど」
色欲「ああ、どこぞの青狸みたいに押し入れで眠るってワケね」
嫉妬「怠惰ちゃんとか体格も小さいし寝相に悩まされなくなるしいいんじゃない?」
怠惰「・・・・・それは盲点だった」
男「じゃあ早速中を――」ガラッ
傲慢「あ、そこは」
暴食「わあ、きれいなおふくがいっぱい!」
傲慢「そうでしょうそうでしょう!なんせこのワタクシのお眼鏡にかなった一級品ばかりなのですから!」
強欲「うわ、このブランドすっごい高いやつですよ。ここの家賃二か月分ぐらいの・・・・・」
男「これ、全部傲慢が?」
傲慢「ええ!ワタクシが日々の生活で稼いだお金を使って集めた物ですの!限られた資金とスペースを使っての苦しい選択を乗り越えてですね」
男「そうか。憤怒、売っぱらえ」
憤怒「サー。ヤフオクでいいですか?」
傲慢「ストオオオオオオップ!!!!!」
【金遣い】
男「うるせぇ!てめぇこんなもん買う金あるならもっと家賃払え!」
傲慢「ちゃんと自分の分は自分で払っているではありませんか!きっちり八分の一お支払いしていますわよ!」
男「働いてないの3人いるのになんでそれで足りると思ってるんだよ!んなこと言うなら俺自分含めて4人分払っとるわ!食費は全員分な!」
嫉妬「つまり生活費の半分以上・・・・・」
強欲「わ、私も自分の分しか払ってない以上ここは口出しできませんね・・・・・」
嫉妬「お、お姉さんは水道光熱費ガス代とか引き受けてるからセーフだよね!?」
男「マジで助かってます。ありがとう」
傲慢「それならそれでもっと早く言えばよかったではありませんか!」
男「お前らがこっちに来たばっかりでちゃんとした職につけてるかもわかんねぇから言いださなかったんだよ!強欲とかメイド喫茶のバイトだぞ!他のやつの分負担させられねぇだろ!」
強欲「い、いやー、確かに私ただのバイトですから実際これ以上払えと言われると厳しいものがありますが・・・・・」
傲慢「ワタクシだってこれ以上払うと服やバッグや装飾品を買うお金が無くなりますわ!」
男「んなもん買う金あるなら家賃もっと払えやぁぁぁぁぁ!!!!!!」
【探索】
男「はぁ・・・・・はぁ・・・・・と、とりあえず一旦置いておくか」
憤怒「そうですね。このままだと終わらなくなりますし」
男「じゃあ下の段だな」
憤怒「えっ」
男「えっと、これは・・・・・あ、アイドルグッズ!?」
暴食「あ、このひとみたことある」
怠惰「・・・・・今話題の男性アイドルユニット『GENJI』のリーダー『ヒカル』のグッズ」
男「え、じゃあこれは」
怠惰「一応言っておくと私のじゃない。私はテレビで見ただけ」
憤怒「い、いやー、そんなかっこいいアイドルのグッズなんて誰だって集めたがりますしー、一体誰の何ですかねー」
色欲「あ、それ憤怒のよ」
憤怒「なっ!?」
男(まあわかってたが)
憤怒「ど、どうして言ってしまうんですか!」
強欲「いや、バレバレですが」
男「そうか。傲慢」
傲慢「メルカリで構いませんの?」
憤怒「ノオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオ!!!!!」
【ドルオタ】
憤怒「このヒカルくんグッズは私が血反吐を履く努力をして集めたんですよ!?二度と手に入らないレア物ばかりなんですよ!?」
男「なるほど。高く売れそうだな」
憤怒「ぜぇったい売らせません!どうしてあなたに売る権利があるんですか!」
男「うっせぇ!てめぇ出張するから出張費分家賃減額してくれとか言ってたのはこれかよ!遠征費じゃねぇか!なんだよせめていいもん食ってこいとか言って俺が渡した金は何に消えたんだよ!」
憤怒「い、いいじゃないですか!出張でも遠征でもその間私は家にいなかったんですから!家にいない分は支払わない権利があるはずです!お、お小遣いは、その、ありがたくグッズに使わせてもらいましたが・・・・・」
男「家にいようがいまいが家賃は毎月一律なんだよ!!!出張で金の建て替えとかあるだろうからって気を遣ってたのにこれかよ!!小遣いには渡した後のことまで文句言わねぇけどな!二度とやらん!」
嫉妬「男くんはさらっとカッコいいことしてくれるよね~」
強欲「こんな聖人みたいな人にお金を使わせてこの二人は」
傲慢「わ、ワタクシを一緒にしないでくださいまし!」
憤怒「そうです!単純な金額で言ったらこっちの方が上です!」
傲慢「嘘をついてまで趣味の費用を捻出してたのはあなただけでしてよ!」
怠惰「五十歩百歩・・・・・」
【次の標的】
憤怒「そ、そうです!そもそも狭いのはこの部屋なのですからこの部屋の邪魔なものをどける方針で行けばいいじゃないですか!」
傲慢「そ、そうでしてよ!」
嫉妬「まあ、それで六畳すらちゃんと使えてないところはあるもんね」
男「つっても、この部屋に邪魔なものなんて・・・・・」
憤怒「ほら!例えばあそこの箱とか!」
男「え、あれは・・・・・」
暴食「!」
怠惰「暴食のおもちゃ箱・・・・・」
暴食「・・・・・」タタッ
暴食「・・・・・」バサッ
暴食「こ、ここにはなにもないよ?」
嫉妬(毛布で隠した!)
強欲(隠れてませんけどね!)
男(あれで隠したつもりなのかわいい)
色欲「いや、毛布で覆っただけじゃん」
憤怒「そ、そうです!ちょっと心苦しいですけど置き場所がないのなら・・・・・」
暴食「う・・・・・そ、そうだよね。みんなにめいわくかかっちゃうもんね。あたし、がんばってだんしゃりする・・・・・。ごめんね、ベルベルミンちゃん、ラガトームちゃん、パフュームちゃん・・・・・」
男「大丈夫だ、暴食!お前は全部大事にしてるからいいんだ!もっと邪魔ないらないものが他にあるはずだから、な?な?」
暴食「ほんと?バイバイしなくていい?」
男「ほんとだ。俺は嘘はつかない」
暴食「ほっ・・・・・」
傲慢「・・・・・なんでしょう。ワタクシ、自分の行いが愚かなように思えてきましたわ」
憤怒「奇遇ですね。私も自分自身を叱るべきだと思ってきました」
【カモフラージュ】
傲慢「それだったら、あそこに積まれている本とかはどうなのですか?」
怠惰「う、今度は矛先が私に・・・・・でも、これは使ってるものだから・・・・・」
憤怒「本なんて図書館に行けばいくらでも読めるでしょう。そもそも、いったい何の本を・・・・・」
『主婦の節約術!基本編』
『家庭の節約応用術』
『今日から始める安くておいしい家庭料理』
強欲「こ、これは・・・・・」
嫉妬「普段の家事を任せている以上、これには文句言えないね」
憤怒「さ、さーて次ですが」
強欲(無かったことにするつもりだ)
色欲「ふーん。最近の主婦の節約術は転生勇者が魔王をハーレムに入れる話なんだー」パラパラ
怠惰「あ、えっと、それは、その」
傲慢「おやぁ?いったいどういうことか説明していただけますわね?」
怠惰「・・・・・ちょ、ちょっとえっちなやつだから興味持たれたくなくて、ちゃ、ちゃんとそのカバーの中身はこっちにあるから」
色欲「・・・・・あ、がっつり描写入ってるわね。うわ、これもう官能小説じゃない?」パラパラ
怠惰「わ、も、もう!見ないで!読まないで!」
男「まあこれは普段家のことを全部やってもらっている以上あんまり責められないな」
憤怒「こ、こんな破廉恥な本・・・・・焚書です!焼いて捨てますよ!」
嫉妬「わぁ、こ、こんなとこまでしっかり・・・・・」
男「そこ!読みふけるな!」
暴食「ねー、なんでおみみふさぐのー?」
傲慢「教育のためですわ」
【女の子の必需品】
男「あとは、この化粧台は・・・・・普通にみんな使ってるしなぁ」
強欲「私も本当はもうちょっといっぱい物置きたいんですけどね。お化粧にしても最低限しか置けてないですし」
男「お前強欲の癖に物欲めちゃくちゃ我慢してるよな」
強欲「だってこの部屋であれもこれもってしてたら普通に邪魔じゃないですか。欲しくてもある程度は我慢!じゃないと共同生活なんてできませんよ」
男「だってさ」
憤怒「さ、さあ?なんのことでしょうかね?」
傲慢「ワタクシだって本当はもっといいものを揃えたいですわ!むしろこの程度で抑えていることを褒めてもいいくらいですの!」
男「そうか。怠惰」
怠惰「出品完了」
憤怒「取り消し!取り消しィィィィィィィィィィィィィィイィィィィ!!!」
傲慢「キャンセル!キャンセルですのォォォォォォォォォ!!!」
男「嫉妬にいたっては私物が見当たらないしな」
嫉妬「私は、仕事先のロッカーに大体置いてるから。こっちには最低限しか置いてないよ」
男「なんだ、俺と同じか」
嫉妬(男くんは家主なのにどうしてこんなに悪い扱いなんだろう)
強欲(男さんには欲がないんですかね。そんなことはないとは思いますが)
憤怒(さ、流石に押し入れの四分の一を占領するのはやりすぎたでしょうか)
傲慢(これは、もしかしてワタクシが原因なのでは?)
怠惰(男の私物・・・・・・歯ブラシと服ぐらいしかない・・・・・・)
色欲(いったいどこで発散してるのやら)
【ごく潰し】
憤怒「・・・・・そ、そうです!物を減らすよりももっと単純な解決方法があるでしょう!」
男「え?」
憤怒「単純な話ですよ。この一部屋に八人も住むのは部屋が狭いんじゃなく、人数が多すぎるというだけです」
傲慢「ああ、いましたわね、ごく潰しが」
強欲「働きもしない家事もしない部屋を汚すだけの汚物製造機がいますね」
男「つまり、追い出せと」
色欲「言われてるわよ、暴食」
暴食「ふぇっ?そ、そうだよね。あたしいえであそんでごはんたべてるだけだし、じゃま、だよね・・・・・・ひっぐ」
男「てめぇだよエロ女ァ!!!!なに暴食泣かしてんだぁぁぁぁ!!!!!」
嫉妬「うわ、今のはないわぁ・・・・・・」
暴食「・・・・・ひぐっ、ぐすっ、い、いままで、おせわになりました。めいわくかけてごめんなさい」
強欲「わーわーわー!大丈夫、大丈夫です!あなたのことが邪魔だなんてだーれも思ってませんからねー!」
暴食「で、でも、あたし」
男「暴食!俺にはお前が必要だ!俺が一生かけて幸せにするから!一生一緒にいてくれ!」
嫉妬「・・・・・・!?」
憤怒「・・・・・・これは、プロ、ポーズ?」
色欲「あっはっはっはっは!ロリコン極まりすぎー!」
男「てんめぇぇぇぇぇぇ!うるせぇぇぇぇぇぇ!!!!!」
【色欲】
色欲「あーはいはい、しかたないわねー。男、ちょっとこっちきて」
男「ん?なんだよ。この期に及んで・・・・・・」
色欲「はい、しゃがんで」クルッ
男「え?お、おう」
ブゥゥゥーーーーーッ
男「!?!?!?!?!?」
傲慢「な、な、な、な」
男「く、くっせーーーーーーーぇぇぇぇぇぇぇ!!!!!!」
色欲「どうよ!」ドヤッ
強欲「は?え?は?」
憤怒「ってくさっ!換気!換気を!」
嫉妬「・・・・・・」ブチッ
色欲「これでちょっとは・・・・・・」
嫉妬「色欲ちゃん?」ガシッ
色欲「あ、あれ?あの、嫉妬?なんで私の両肩掴んでるの?ちょ、痛いから離し」
ポイッ
バタンッ
色欲「ちょ、ちょっと!ちょっとーーーー!!!寒いから中に入れてよーーー!!!なんで追い出すのよーーーー!!!!!」
【弁解】
嫉妬「一応聞いてあげるわ。なんであんなことした」
色欲「え、だって私の体臭よ?この色欲の匂いを嗅げば男どもはもうメロメロよ?」
嫉妬(落ち着きなさい、私。怒りに任せて殺すのはよくない。ちゃんと計画性を持たないと。処理をしないと後が大変だし)
色欲「私のフェロモン嗅いで発情させたらもう後は全員でパーティーモードになるでしょ?狭いとか寝苦しいとか考えなくてよくなる」
嫉妬(やっぱ山に捨てるのが一番かな。でもこれでもこの子魔王だしな。普通に生き残りそう)
色欲「なによー、あのままだと暴食大勝利パターン入るとこだったじゃないの。嫉妬もそれじゃ納得いかないでしょ?」
嫉妬「え、な、なんのこと?」
色欲「この色欲の悪魔の目をごまかせるわけないでしょ。あんたらが男に惚れてることぐらい見りゃわかるっての」
嫉妬「べ、べつに、そんなことは・・・・・・ない、わけじゃ、ない、けど」
色欲「だからとりあえず発情させて手あたり次第襲わせて既成事実で迫ればいいんじゃないかなと」
嫉妬「・・・・・・んもぅ、それにしてもあれはひどいよ。女の子としてやっちゃダメだよ」
色欲「んー、おっかしいわねー。並みの男ならあれで一発で発情するんだけどな・・・・・・」
嫉妬「その人たちが特殊性癖だっただけじゃないの?」
色欲「んなわけないでしょ!私の呼気、汗、香りまで全て男も女も発情させる強力な媚薬なのよ?それを間近で浴びせられてあの態度とかありえないし!」
嫉妬「そう言われると、そういえばそんな感じだったなって・・・・・・気になるから一回男くんに話聞いてくるね」バタン
色欲「・・・・・・あれ?私この寒空の下放置?今外気温氷点下よ?おーい」
【加護】
嫉妬「―――ってことらしいんだけど。色欲ちゃんのあれで発情しないの?」
男「すぅ・・・・・・暴食は甘くてバニラみたいないい香りがするな・・・・・・」
暴食「そうかな?よくわかんない」
男「怠惰は本の匂いと、それに混ざって洗剤の匂いだ・・・・・・まるで母親みたいな・・・・・・」
怠惰「・・・・・・さっき洗濯回したから」
嫉妬「男くん?」
傲慢「今は少し待ってあげてくださいな」
憤怒「誰しも生ゴミを口で味わってしまったらすぐさまおいしい料理で上書きするでしょう。これは仕方のないことです。ところで私の匂いはどんな感じですか?」
強欲「ちょっと汗ばんでますね。まあまだ帰ってきてお風呂も入ってませんし」
憤怒「わかりました。私は少し離れますね」
男「すぅ・・・・・・で?えっと、なんだって?」
嫉妬「男くんがどうして色欲ちゃんで発情しないのかなって」
男「はっはっは、あたりまえだろう。人間が生ごみに性的興奮を覚えるか?答えはノーだ」
嫉妬「もはや生き物扱いされてない・・・・・・って、そうじゃなくて!」
傲慢「もしかして、天使の加護的なものとかもらいましたの?」
男「え?加護?いや、しらんが・・・・・・」
暴食「おにいちゃん、あたしがくるときにウリちゃんにほっぺちゅーしてもらってたよ」
強欲「それだー!ウリエルー!あの堅物ちびっ子ー!」
嫉妬「またちっちゃい子・・・・・・男くんはほんとにちっちゃい子たちばっかり構って・・・・・・」
【翌週】
色欲「はぁ、男に私のフェロモンが通じないのもわかったけど、なんだかなぁ」
怠惰「・・・・・・そもそも半年も一緒にいて気付かなかったのがおかしい」
色欲「よく考えればそうよねー。いや、私としては珍しくいきなり襲い掛かってこない男ー!って感じだったんだけど」
怠惰「・・・・・・お気に入りなの?」
色欲「割とねー。ほら、甲斐性あるじゃん?私知っての通り天界から封印指定受けるレベルの災厄だし」
怠惰「もっと抑えるトレーニングをすればいいと思う。私もまだだからこうやって家の事しかできないけど」
色欲「強欲ぐらいよねー、上手に付き合ってんのは。ありゃ客商売が天職だわ」
怠惰「・・・・・・そもそも私たちはこの大罪を周りに広げないようにコントロールしろって言われてここに放り込まれたのに」
色欲「やってらんないわよ、そんなの。大体、ここのやつらに帰る気あると思う?」
怠惰「しばらくは・・・・・・多分ない」
色欲「あいつら今まで男っ気なさすぎて必死過ぎて笑えるわ。プークスクス、クスクスプー」
怠惰「うるさい・・・・・・処女・・・・・・」
色欲「あんたもでしょうが!私は私を色欲を通して見ない王子様に捧げるって決めてんの!」
怠惰「私は・・・・・・私を怠惰にさせない人が・・・・・」
色欲「はぁーあ、よく考えたらふつーの人間が私らの影響受けずに済むとかありえないしねー」
怠惰「暴食が最初にここに連れてこられたのは・・・・・・主神の体重が増えてきたから」
色欲「あの女も暴食にやられて食べ過ぎたってことよね。笑えるわー」
怠惰「本人に自覚がないのが・・・・・・ずるい」
色欲「あれは天然よね。・・・・・・そういえば、暴食は?」
怠惰「・・・・・・そういえば、ちょっと今朝からみてない」
【帰ってこない】
男「ただいまー・・・・・俺が最後か?」
憤怒「いえ、暴食がまだです」
男「はぁー、なるほど・・・・・え?は?え?ど、どういうことだ!?」
嫉妬「それがね、暴食ちゃん朝出て行ったっきり帰ってきてないのよ」
男「ま、まさか先週のことを真に受けて・・・・・エロ女ぁぁぁぁぁぁぁ!」
色欲「ちょっ、わ、私知らないって!」
男「てめぇのせいで、暴食が、暴食が・・・・・あの子に何かあったらどうする気だぁぁぁぁぁぁ!!!!」
傲慢「お、落ち着いてくださいまし!」
強欲「そうですよ!男さんが手を汚す必要はありませんって!」
嫉妬「そうだよ!男くんがやるぐらいなら私が!」
憤怒「私の憤怒の炎なら骨のカスすら残さず焼き尽くせます」
嫉妬「私の嫉妬の水なら窒息させても遠くの海まで運べるよ」
傲慢「ワタクシの氷ならば春まで見つかることなく粉々にしておけますわ!」
怠惰「私の茨なら人が立ち入れない場所を作れるから見つからないよ」
色欲「あれ、また私を殺す議論でてない?大丈夫?」
暴食「ただいまー・・・・・あれ、みんなどうしたの?なんかおこってる?」
強欲「あ、暴食ちゃん!聞いてください!暴食ちゃんが帰ってこないので暴食ちゃんを責めた色欲さんを始末しようと・・・・・あれ?暴食ちゃん?」
暴食「ただいま」
男「ぼ、暴食ーーーー!!!!!」
【邪魔じゃない】
憤怒「もう、どこに行っていたんですか!行先も告げないで!」
暴食「・・・・・いったよ?おねーちゃんに」
怠惰「・・・・・私?言われた?」
暴食「あ、ねぼけてたかも。うんうんっていいながらふとんかぶっちゃったし」
怠惰「・・・・・記憶にない」
色欲「ほらー!私じゃないー!私何も悪くないー!」
男「ぐ、疑って悪かった。すまん。・・・・・それはそうと暴食はどこで何をしてたんだ?」
暴食「んーとね、おうちがせまいっていってたでしょ?だからおじいちゃんにおねがいしてひろいとこにすみたいっていってきたの」
傲慢「・・・・・前主神のとこまでわざわざ!?」
暴食「おじいちゃんにかたとんとんしてあげて、そしたらね、おじいちゃんがいいよーっていってなんかこぎって?ってのもらった」
強欲「こ、これは、ひぃ、ふぅ、みぃ・・・・・あわわわわわわ、0がいっぱいです」
嫉妬「これだけのお金があれば確かに引っ越しもできるし、家具もそろえられるし・・・・・」
憤怒「お、驚きました。大したことしますね、あなたは」
暴食「えへへ、やっぱりみんながんばってるのにあたしだけなにもしないのわるいなっておもって。でもあたし、おねがいぐらいしかできないから」
男「いいんだよ!暴食はいつも通りで!でも助かった!ありがとう!愛してる!」
暴食「あたしもおにいちゃんのことだいすきだよ?」
嫉妬「わ、私も!」
憤怒「うぇへへへ、これだけあれば引っ越してもなお余るから余ったお金で買い損ねたあのグッズを・・・・・」
傲慢「ああ、あのブランドの新作がそろそろ出るはずですわぁ・・・・・」
嫉妬「・・・・・この子たちにお金は渡しちゃいけないような気がしてきた」
強欲「あはは!でも暴食ちゃん、ある意味最強ですね。だってこれで我が家で一番稼いだ女になったわけですし」
怠惰「稼いだって言うかなんて言うか・・・・・」
色欲「ねーねー、とりあえず引っ越す家探しましょうよー。私自分の部屋ほしーい」
怠惰「・・・・・そういえば、これで役立たずのごく潰しが明確に一人になった」
男「お、そうだな」
色欲「なによー、まるで私がニートみたいじゃないのよー」
男「わかってんじゃねぇか」
【体質】
色欲「仕方ないでしょー。私外で働こうとすると周りが発情しまくりでこの国の出生率と性病率が上がっちゃうんだから」
男「前半はともかく後半はよろしくない・・・・・って言われてもその感じは全くないんだけどな」
色欲「あら、これでも?」フワァッ
憤怒「ば、ばかっ!」
男「!?!?!?!?!?」ドキッ
男(な、なんだ!?今一瞬、たしかにこいつがメチャクチャエロく見えて・・・・・)
色欲「ちぇー、今のはウリエルの加護に負けないようにわざとめちゃくちゃ強くしたんだけど・・・・・一ドキで終わりかー」
憤怒「この馬鹿がぁぁぁぁぁ!!!!」
色欲「えっ!?」
憤怒「こんな人が集まる集合住宅でそんなことやったら」
暴食「おねーちゃん、あたしなんでみみふさがれてるの?」
嫉妬「多分ねー、一晩ぐらい教育上よろしくない音が響き渡るからかなー」
暴食「?」
傲慢「はぁ・・・・・今夜はうるさくて眠れそうにないですわね」
怠惰「・・・・・それは困る、から」フシュー
男「おおう?あー、そうだなー・・・・・なんかだるくなってきた・・・・・」
嫉妬「色欲を怠惰で打ち消した・・・・・?」
強欲「これって積み重なってるだけだから発情しながら倦怠感すごい状態になってるだけなのでは」
傲慢「ではワタクシが打ち消して見せましょう!!」
嫉妬「あ、傲慢ちゃんがやったらめんどくさいことになるからだめだよ!お姉さんが傲慢ちゃんの分を消す!」
憤怒「こら!あなたたち!無秩序にとりあえず力を放出するんじゃありません!」
強欲「憤怒さんもまき散らしてますよ。これはいっそのこと私もやるべきなのでは?」
男「そうだ・・・・・俺がこの家で一番偉いんだ・・・・・・なのになんでみんな扱いがぞんざいなんだ・・・・・・ちくしょう・・・・・・もっと尊敬されてぇよぉ・・・・・・」
暴食「おにいちゃん」
男「暴食ぅ・・・・・・おまえはかわいいなぁ・・・・・・食べちゃいたいぐらいだ・・・・・・」
暴食「ちょっとそれ、たべるね」
男「え、まさかの肉食系女子?むしろウェルカム」
暴食「いただきます――」
【オチ】
ゴオオオオオォォォォ
男「おい、なんで・・・・・・俺の家が燃えている・・・・・・」
色欲「えっと、全員で『大罪』をまき散らした結果、かしら?」
強欲「要は人の理性のブレーキを一時的に使えなくしたわけですからね。普段やってはいけないってわかってることをやってしまったのでしょう」
男「いや、それでなんで火が点くんだよ」
強欲「大家さん夫婦がSMプレイでろうそくを使ったみたいで」
色欲「低温ろうそくを買うのが面倒だから仏壇に供えるろうそくをつかったらしくて」
強欲「ただ溶けた蝋のあまりの熱さに怒り狂ったらしく」
怠惰「・・・・・そこから口論に発展しちゃったみたいで。若さがいいのかとかなんとか」
嫉妬「売り言葉に買い言葉で自分は大家だから許されるだとかなんとか」
色欲「そこからさらにプレイがヒートアップしたみたいで。ろうそくの始末を忘れてですね」
男「わけわかんねぇよ!どうすんだよこれ!」
傲慢「わ、私の、服が、バッグが、アクセサリーが」
憤怒「ひ、ヒカル君グッズが・・・・・・す、全て・・・・・・」
怠惰(本は持ちだせる分だけ持ち出してきた)
暴食「・・・・・・あっ。こぎって?とかいうのおいたまんまだ」
嫉妬「えっ」
暴食「まあいっか。またもらいにいけば」
嫉妬「暴食ちゃん・・・・・メンタル強いね・・・・・」
傲慢「もっと、もっと燃え上がるのですわ!ワタクシに相応しい炎を見せるのです!」
憤怒「私の怒りを、ヒカルくんグッズの尊き魂を天に送る炎へと変えましょう!さあ、天を焦がすほど熱く大きく燃え上がれ!」
色欲「こいつらはもう駄目ね」
男「そもそもの発端はおまえだけどな」
暴食「あ、おねえちゃんからメールだ」
色欲「え、なになに?」
嫉妬「『体質抑える訓練しろと言って送り出したのに抑えるどころか全解放したあげく家を燃やすとはなにごとだ。当分は帰ってこさせない』・・・・・だってさ」
色欲「えっ」
男「・・・・・やっぱりおまえら罪深いやつらだわ」
強欲「とりあえず新しい家を確保するまで近くのホテルに泊まってくれ、だそうです。男さん、メール転送しておきますね」
男「あ、ああ」
暴食「おにいちゃん、よしよし」
男「ありがとなぁ・・・・・暴食はいい子だなぁ・・・・・お前と怠惰だけは何があっても守ってやるからなぁ・・・・・」
怠惰(主婦で・・・・・娘で・・・・・ありかも)
嫉妬「男くんはお姉さんが守るからね!えっと、とりあえずホテルに!ほら、2人とも!行くよ!」
傲慢「うへへへへへへへ、燃えてます、燃えてますわー」
憤怒「素晴らしい炎です。サタンの復活祭の証としましょう」
男「はぁ・・・・・これから、どうなるんだ・・・・・」
【おまけ】
男「で、俺はなんで無事だったんだ?加護を貫通させるほどやばいやつだったんだろ?」
暴食「あたしがぜんぶたべたよ。だからいまむねやけしてて・・・・・おえっ」
強欲「はーい、吐くならトイレいきましょうねー」
男「えっと?」
嫉妬「暴食ちゃんがね、男くんについてた邪念を文字通り食べてくれたの。あとアパートの人たちのも」
傲慢「火事程度で済んだのも彼女のおかげですわ。ワタクシたちは周りに伝播させることはできども取り除くことはできませんので」
男「じゃあ最初から暴食に食ってもらってれば・・・・・ってのは結果論か」
怠惰「・・・・・大罪はとてもひどい味らしいから、食べたくないんだって」
色欲「憤怒は、鷹の爪のサラダのデスソース和えだったかしらね?」
嫉妬「傲慢は渋柿漬けこみセンブリ茶って言ってたわね」
傲慢「怠惰はサボテンステーキを魚の肝のソースで食べる感じだとかなんとか」
憤怒「色欲はシロップ漬けのバナナにキャラメルと黒糖ソースをだくだくとかけた味らしいです」
怠惰「強欲は・・・・・・醤油と味噌を煮詰めて作った納豆スープって言ってた」
強欲「嫉妬があれでしたね、カレーとハヤシライスを混ぜ込んだショートケーキ」
男「・・・・・・食わせて悪かった、暴食」
暴食「だ、だいじょうぶ・・・・・・おにいちゃんのためだし・・・・・・おえっ」
男「なんでこの子はこんなに健気なんだ!憤怒!背中をさする許可を!」
憤怒「え、どうして私に」
男「首から下に行くなって言ったのお前だろ」
憤怒「え、ああ、そうでしたね。というか、やってあげてください。今回の原因は私たちにありますので」
男「よしっ!俺が上司(おっさん)相手に鍛えた背中さすりテクニックを見せてやるぜ!」
暴食「あ、もうむり」
男「えっ」
Q.こいつら地獄にいるんじゃないの?
A.地獄に封印してたら地獄がもっと地獄になったから。
Q.男くんEDなの?
A.ロリコンだけど性欲よりも庇護欲が前に出てるだけ。
Q.怠惰ちゃんが怠惰じゃないんですが。
A.自分がやらない方が後々面倒になるから仕方なくやっているだけ。やってくれる人がいたら甘える。
Q.ベルゼブブとか蝿だし暴食ちゃんにも触覚とか羽とかあるんじゃないの?
A.魔法で隠してます。
あけましておめでとうございます。今年もこんな調子ですがよろしくお願いします。
ベルゼブブは無垢幼女であるべき。異論は認めない。
六畳一間未満に八人が寝れるかどうかとか検証してないけど一部小さいのばかりだからたぶん行ける。
多分この子たちは万単位の年数を生きてるから全員合法。一番ゴールに近いのは多分怠惰ちゃん。
寒いですね。寒すぎますね。友達の家の給湯器が凍り付いてお湯が出ないと聞いてかわいそうだと思いました。こんな日は暖かいお風呂でじっくり身体を温めるのが一番なのに。
新型コロナが流行してるから銭湯とかそういうのにも行きにくいし、寒い地域はマジで大変だと思います。
ダウナー系幼女は世界の宝。異論は認めない。
面白くないとか、つまらないとか、気色悪いとか、気持ち悪いとかを通り越して
もはや怖い
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