天魔の使役者【安価】 (86)

東の国に『天使と契約する男』がいた。その男は、非常に聡明で心優しい人であった。

西の国に『悪魔と契約する女』がいた。その女は、勇猛で気高い人であった。

戦場で出逢った二人はたちまちのうちに恋に落ち、遠く離れた国で仲睦まじく暮らしていた。

愛は形を成し、一人の男が産まれた。父と母、二人にそっくりな子供だった。

父が従える天使も、母が従える悪魔も、その誕生を祝福した。胸中の思惑は違えど、喜ばしいと素直に思っていた。

しかし、世界は彼らに非情な運命を与えた。

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妬みか、恐怖心か。今では何が理由だったのか不明だが、それは起きた。

子供が三歳の誕生日を迎えた時。何者かが家に押し寄せ、両親を殺害したのだ。

天使も悪魔も、その時は家にいなかった。平和だと思っていた両親は、突然振るわれた凶刃に命を奪われた。

だが、何を想ったのか。子供だけは殺さなかった。泣きじゃくる子供を気絶させ、殺人鬼は誘拐した。

殺人鬼は十年以上もの間、子供を洞窟に幽閉した。光の無い洞の中で、子供は時を待っていた。自由を手にするその時を。

そして今、時は満ちた。男は、温めていた計画を実行する。

両親から受け継いでしまった力で、この檻を抜け出す計画を。


下3までが召喚する天使、下4~6までが召喚する悪魔です。
神話に出てくる奴らの名前を使っても良し。オリジナルの名前を付けても良し。自由にどうぞ。
投稿するキャラは名前と特徴とかをセットでお願いします。

それぞれの範囲内で最高コンマを採用しますが、ゾロ目キャラがいたら別枠で採用となります。

名前:ウリエル
特徴:白髪の短髪、細マッチョ。性格は寡黙にして熾烈。契約者を阻む全てを破壊する。

ダイシエル  賽子と方位磁針を持ち運命をつかさどる天使 人の難事に置いて僅かな幸運を与える

名前:アサエル
特徴:金髪の慈愛溢れる女性。癒やしと豊穣を司る

名前:ハエレ
特徴:黒髪褐色肌の逞しい身体付きの男の姿をしている
新しいもの好きで人間界のファッションをしている
巨大な斧をいとも簡単に振り回す
雷属性

サムソン
特徴:炎を操る、むさくるしい

名前:ラファエル
特徴:金髪長髪でモデル体型。おっとりして面倒見が良い。体や精神を治癒したり癒すことが得意。

>>8天使として書いてしまったのでなしで

男は指を噛み切り、血液を地面に垂らす。血溜まりに手を添えると、勝手に広がって魔法陣が描かれた。

そして、男は祈りを込める。『助けてほしい』と、心の底から叫ぶ。

天使や悪魔を召喚する方法を、両親から教えてもらってはいない。

だが、知っているのが当然、とでもいうように身体が動いた。頭もクリアで、違和感を憶えることも無かった。

自身にどれだけの力があるのかは分からないので、天使と悪魔を一人ずつ呼ぶつもりで二つの魔法陣を用意した。のだが。

「迷える者よ。貴方に細やかな祝福を授けましょう」

「よぉ坊ちゃん。お前さんのことは、あの女から聞いてるぜ。ま、よろしくな」

「フハハハハハ!我はサムソン!万物を焼き尽くす炎王である!」

何故か三人召喚されてしまった。天使が一人と悪魔が二人。完全に予想外である。

「…で。『助けてほしい』って言われて来たわけだが。何があったんだ?」

「ハエレよ。そんなことも分からんというのか!?悪魔にあるまじき失態だ!!!」

「あぁん?はっ倒すぞ」

「状況から推察するに、幽閉されているのでしょう」

「なるほどな」

天使の推論を聞き、ハエレと呼ばれた悪魔は納得する。身の丈を超える斧が、威圧感を放っている。

「…じゃあ、やるか。サムソン」

「応!!!」

そして、悪魔二人が勝手に暴れ始めた。

「そぉらぁ!」

ハエレは巨大な斧を軽々と振り回し、部屋を覆っていた檻を容易く消し飛ばす。

異変に気付いた看守が向かって来たが、サムソンは燃え盛る炎で消し炭と変えた。

その後ろを、天使に隠れながら男は進んでいた。

「…よもや、悪魔と肩を並べる日が来るとは。これもまた、運命というものでしょうか…」

賽子を天使が振る。出目は『1』だった。

「…『天』。貴方の道には光がありましょう」

にこやかに微笑む天使に、男は名前を問う。天使は『ダイシエル』と答えた。

ハエレとサムソンが『勝手に』開いた道。その先には確かに『光』があった。

「ここまで逃げりゃ、どうにかなるだろ」

「雑魚しかいなかったな…。つまらぬ!」

洞窟から数百M離れたところにある滝の傍で、男たちは休養を取っていた。

切り株に腰掛けたダイシエルは、方位磁針を回す。カラカラと音を立てて回っていた針が、ピタリと止まった。

「…『南東』。そこに何かがあります。吉と出るか凶と出るか。それは不明ですが」

「つっかえねぇな」

「『地』。…ハエレ。貴方に災難が降りかかるでしょう」

「何言ってんだこい」

ハエレが言い切るより先に、巨大な塊が後頭部に直撃した。その衝撃にハエレは堪らず、頭を抱え蹲る。

「…おぉぉぉぉぉ…。デッケェイガグリが…」

「フハハハハハ!焼けばさぞかし美味いだろうな!!!」

「サムソン…何笑ってやがる…」

「天使に踊らされるなど滑稽だろう!!」

「…治ったらぶっ殺す…」

ハエレを電撃が包む。それを見たサムソンは、高笑いを中断し構えを取った。

慌てて男が仲裁し、これからのことを話し合った。


下1にこれから何をするか。イベントでもOK。

悲鳴が聞こえる

「…てぇことは、南東に行けば何かあるってことか」

「何があるかまでは不明です。それでも、行動の指標にはなるでしょう」

「ふむ。我が主よ!どうする!?!!」

どうするか男は頭を悩ませる。少なくとも、この場所を離れるべきだということは解っている。

しかし、考えが纏まる前に、エトランゼによって思考は中断されてしまった。

「悲鳴…ですか」

「だな」

「であるな」

ハエレたちが大暴れしてしまったので、幽閉していた組織たちはほぼ壊滅状態になっている。

声量と方角からして、彼らの関与は無いはずだ。悲鳴が聞こえてきた方向は、ダイシエルが言っていた『南東』だった。

助けに向かうべきか、見捨てるべきか。男はそちらに思考を切り替えた。


下1に助けに向かうか、下2にどんな状況かを。おまかせの場合はコンマ判定に変更します。

向かう

山賊に襲われる女の子が

助けに向かう、と男は言った。満足そうにダイシエルは頷くが、悪魔二人は不満そうだった。

「…何というか、そっくりだよ。お前」

「…うむ。一瞬だが、前の主を彷彿させた」

「やめろサムソン。マジであの女はトラウマなんだよ」

何があったのか想像もつかないが、酷く怯えているようなので触れないことにした。

男たちは悲鳴の聞こえた方角、『南東』に向かう。鬱蒼と茂る木々の間を抜け、ただひたすらに走った。

主に、男を抱えたハエレが、だが。

「俺は運び屋かよぉぉぉぉ!!!」

満足に運動もさせてもらえなかったのだから、仕方のないことだ。

「フハハハハハーーー!!!」

目視で人影を確認出来る距離まで進んだので、サムソンを先行させる。また高笑いしながら進んでいったが、癖なのだろう。

鞄を抱きかかえ、縮こまっている女の子を、絵本で見た山賊と全く同じ服装の集団が取り囲んでいた。

舌なめずりしながら近づいていた山賊たちは、乱入者によって水を差されたことに苛立ち、舌打ちをした。

「何ですかー?正義の味方気取りですかー?」

「お坊ちゃんが来ていい場所じゃねえよ。帰った帰った」

「力量の差を理解出来ん愚か者しかいないようだな!!!」

「あぁん!!?!?」

開口一番で挑発するサムソン。山賊もやっていたことだから別に問題は無いのだろうが、少し口が悪すぎないか、と思う。

それが『悪魔』だというのなら、何も言えないが。

「あー疲れた。…コイツら全員殺していいのか?」

「…運命は彼らの味方をしていなかったようですね。哀悼の意を捧げましょう」

「おっしゃ。楽しませてくれよ人間共」

悪辣な笑みを浮かべた悪魔は、雷鳴と獄炎のワルツを繰り広げた。

「だから愚か者と言ったのだ!我らに喧嘩を売ろうなど!愚か者でしかないであろう!!!」

「はぁ…。本当に弱っちい野郎だな。一発は耐えてくれよ」

「え…?え…!?」

女の子を護るように円陣を組んでいた悪魔たち。周囲一帯は、炎と雷でしっちゃかめっちゃかになっていた。

「無事か?ガキンチョ。お前が生きてないと、あいつが煩くてな」

「主の願望を満たすのも、我らの責務よ!」

「は、はい…。大丈夫…です」

どこからどう見ても、子供をいびっているようにしか見えない。一応、彼らなりに配慮しているらしい。

怯えながら女の子は頷く。ダイシエルが近寄り、悪魔たちを追い払った。

「怪我はありませんね。どうして、このような場所にいるのですか?」

「あ、その…。おばあちゃんにお薬を届けて、その帰りに…」

「山賊に目を付けられ、襲われた、と。災難でしたね」

「はい…」

「ですが、運命は貴方の味方をしてくれました。日頃の行いが良かったからでしょう」

「けっ、働いたのは俺たちなのによ」

「フハハハハハ!こういう時は口を噤んでやるものよ!」

「お黙りなさい」

ダイシエルの賽子が、悪魔たちの顔面にめり込んだ。

「………」

「………」

「これで良し」

頭から腰まで地面に埋め込まれた悪魔たち。それを笑顔で見届けたダイシエルは、女の子に質問をする。

「家はどこですか?」

「えっと…。すぐ近くの街…です」

「すぐ近く?まだ数KM以上あるではないですか」

「近くですよ?」

「…ああ。貴方にすれば、ですね」

ダイシエルは視線で『彼女をどうするか』と男に問う。男は逡巡するが、考えが纏まらない。

自分のことですら、手一杯の状況だ。数十分前に自由になったばかりの身なのだから。

『早く決めてください』と催促されながら、男は必死に考えた。


下1に女の子をどうするか。

家まで送ってく

男にとっての最善は、女の子を無視して街に向かうことだ。一度干渉してしまった以上、頭の中にそんな選択肢は存在しないが。

男の顔を見て、全てを悟ったのかダイシエルは微笑む。直感が囁いたのか、悪魔は小刻みに身体を震わせる。

「ありがとうございます…」

「あらあら」

遠慮がちに感謝を述べた女の子は、ダイシエルの傍にぴったりとくっ付く。本人も満更ではないようだ。

「…また、良いことしてやがる」

「悪魔には似合わんからな。しかし、それをハエレが言うか」

「…どういうことだ?」

「いや、契約に則ってこちらに赴いた我とダイシエルは兎も角、自主的に来たハエ」

「…坊ちゃん。今の話は無かったことにしてくれ」

サムソンの頭部を握りつぶしたハエレは、冷や汗を垂らしながら懇願する。

訳も分からず頷いた男だが、サムソンの安否に意識が向いて、それどころではなかった。

頭部を失ったサムソンは、特に気にする様子もなく腕を組んでいたので、問題無いようだ。

「…ああクソ。ネタばらしされちゃ恥ずかしいぜ…」

男を抱えたハエレは、頬を掻きながらそう呟いた。


下1に向かう途中で何をしたか。イベントもOK。

送り届けた後で最寄りの街を聞く

女の子が同行して数時間、一行は街に向かって移動を続けた。

道中で何者かに襲われるようなことは無かったが、筋骨隆々な斧使いと頭の無い人間がいたら、誰でも関わろうとはしないだろう。

『しかし…幼子よ。祖母に薬を届けている、とは言ったが、どれ程の頻度なのだ?』

「えぇっ…。顔が無いのに…喋ってる…!?」

『テレパシーである。悪魔には容易いことよ!!』

「そ…そうなんですね…。お薬は…週に二回です。場合によっては、毎日届けたりします」

「ほぉ。ご苦労なこった」

数KM離れていると言ったが、それは助けた地点からの話。実際には、どれだけ離れているのか分からない。

それでも、そんな長い道のりを泣き言一つ言わずに進む彼女に、男は素直に感服した。

「あ、あの街です」

女の子が指差した先には、空想の中でしか見たことのない立派な建築物が鎮座していた。

「ここまで来たら大丈夫です。ありがとうございましたっ」

街門を抜け、大通りの片隅で頭を下げた女の子。居心地が悪いからなのか、悪魔たちはどこかに逃げた。

「少し質問をさせていただきます。最寄りの街がどこに在るか、知っておられますか?」

ダイシエルの質問に、女の子はむむむと頭を悩ませた。

「えーっと…。山を二つか三つほど行くか、船に乗らないと行けなかったと思います…」

「小さな町とか村はいっぱいあるんですけど」

「ありがとうございます。では、お気を付けて」

「はいっ」

花のような笑顔を浮かべ、女の子は去っていった。


下1に次の行動かイベントを。

サムソンの頭は(物理的な意味で)大丈夫なのか聞いてみる

そういえば、サムソンはデュラハン(首無し騎士)状態になっても平然としている。

先程会話?をしていたのだから大丈夫なはずだが、本当に問題が無いのか気になる。

その件について問おうと思った男だが、先手を打たれた。

『悪魔も天使も、余程の怪我で無ければ死にはせん!!!』

頭部損失は普通に致命傷だと思うのだが、と苦言を呈す。だが、サムソンはそんなことなどどこ吹く風とスルーを決め込んだ。

『そもそも、怪我をしようと帰還すれば完治するし、簡単に傷は治せる。今だって、意識を治癒に向ければ秒で治るのだよ!!』

何故そうしないのか。男は問うが、威風堂々とサムソンは言い切る。

『楽しそうだと思ったからだ!!!!!』

最早何も言うまい、と男は口を紡ぎ、サンドイッチを食べた。


下1に次の行動かイベントを。

さっきの女の子に瓜二つの子が話しかけてくる

これって別の天使と悪魔を召喚することはあるの?

>>29、安価時にそういう行動を選べば召喚出来ます。人数制限がありますが、それは追々。


僅かな路銀を握り締め、男は街中を屯する。道行く人々の好奇の目が、傍を歩く天使や悪魔に注がれる。

サムソンは漸く自身の異常性を認識したらしく、騒ぎにならないように、とどこかに隠れた。

辿り着いた噴水広場には、幾つかのベンチが設置されていた。疲れも溜まっていたので、男は腰を下ろして休憩を取る。

そんな男の元を、一人の子供が訪れた。

「…んん?お前、さっきのガキンチョじゃねぇか」

ハエレの言う通り、そこにいたのは少し前に別れた女の子だった。そのはずだが。

何と言えばいいのか。どこかが違うのだ。服装も顔も、何もかもが同じはずなのに。

「暇があったら、ついて来てくれる?」

女の子は、蠱惑的な笑みを浮かべてそう問いかけてきた。


下1にどうするか。

会話で正体を探る

『どこに連れて行くのか』と男は問う。女の子は『私の家』とだけ答えた。

だが、自分を招待する理由が分からない。感謝の気持ちを表すのなら、手頃な店で何かを奢れば済む話だ。

態々家に招いて、何かが起きたらどうするつもりなのだろうか。

「お茶でも振る舞いたいのよぉ。助けてもらった恩返しに、ね」

表情を崩さない女の子だが、やはり、何かが違う。男は注意深く様子を見る。

そして、気付いてしまった。周囲の人の視線の異常に。

自分たちに向けられているものこそは数あれど、目の前の女の子に向けられているものは一つもない。

もっと言えば、誰も彼女の存在を認識していない。

気付いてしまったら、恐怖が芽生えてきた。目の前にいる女の子は、男の知っている女の子に似た『何か』だ。

彼女はいったい、何者なのだろう。


下1にどうするか。イベントもOK。

警戒しながらもついていく

「ねぇ。行くの?行かないの?」

解答を迫る女の子だが、態度からしてついて行くまでずっと同じ質問をするだろう。

溜め息を吐いた男は、小さく頷いた。

「やったぁ♪じゃ、こっちに来て」

子供らしくパタパタと手を振りながら走って行く女の子。思ったよりも足が速く、男たちも慌てて後を追った。

「サムソンは役に立ちません。ハエレ、護衛は任せます」

「わーってるよ。天使が一々指図すんな」

怪訝な表情のまま、二人も追走する。向かう先には、既に廃墟になった教会が聳え立っていた。

「ここを開けたら、地面の扉を開いて」

指示に従い、入口の扉を開く。案の定と言うべきか、中は荒廃しきっていた。

女神像はボロボロに劣化し、パイプオルガンも錆び付いて不協和音を鳴らすだけ。

机の上の一対のティーカップも、皹が入って使い物にならなくなっている。

周囲を見渡す男だが、女の子の咳払いを聞いて意識を戻し、人一人がやっと入れそうな地面の扉を開く。

鈍い音を立てて開いた扉の先には、朽ち果てた木製の階段と闇が広がっていた。

「こっちよ」

軽快な動きで階段を降りていく女の子。今にも壊れそうな階段を進んでも一切の音が出ない。

その様子を見て首を傾げながらも、男は先に進んだ。

「こりゃあすげぇ…」

「ここは…」

男たちが進んだ先には、廃れた外観に相応しくない広大な空間が広がっていた。

左を見れば骸骨。右を見れば骸骨。辺り一面に、所狭しと骸骨が敷き詰められていた。

「…カタコンベ。聞いたことないかしら?別の呼び方だと…『地下墓地』かな」

前を歩いていた女の子は不意に口を開き、動きを止めた。女の子のすぐ後ろには、ガラスのケースが安置されていた。

「………!?貴女と同じ…顔…!?」

「ふふふ。びっくりした?」

ダイシエルの視線の先。ケースの中には、女の子と瓜二つの姿をした亡骸が入っていた。

死体のはずなのに今にも動き出しそうな、ただ眠っているだけのように思えるほど綺麗だった。

しかし、よく見ると右半身が欠損している。腕も、脚も。伸びているはずのものが無い。

「妹を助けてくれてありがと。本当に、お礼を言いたかっただけなのよ?私」

また、出会った時のような蠱惑的な笑みを浮かべた。


下1にどうするか。イベントもOK。

欠損した部分だけ天使のものだったと悪魔達が勘付く

いつの間にか、頭部を修復したサムソンがハエレと共に遺体を注視していた。

その視線は、少しの怯えを孕んでいた。

「これ…ってよぉ…」

「う、うむ…。これは…」

「何変な勘違いしてるのよ。私の身体は元からこうだったわ」

「別に盗まれたわけじゃない。生まれつき、腕と脚が無かっただけよ」

「…分かってない、のだな」

「だな」

「…えっ?」

悪魔たちの眼には、はっきりと映っていた。だから、多少の悪寒を感じたのだ。

この遺体の右腕と右脚の付け根に、赤い印が刻まれている。知る人が見れば、その正体は一瞬で理解出来る。

『聖痕(スティグマ)』。聖者の証にして、天使たちの供物。その証拠であることを、悪魔たちは解ってしまった。

いったい誰が捧げたのか。いったい誰に捧げたのか。興味と恐怖がごちゃ混ぜになった感情が、悪魔の中で渦巻いた。


下1にイベントか行動を。

突然多くのアンデット種のモンスターが襲いかかってきた

お礼の言葉を受け取ったのでもうここにいる必要は無い、と考えた男は踵を返す。

だが、そんな男を他の全員が制止した。何事かと思って周囲を見渡す。

辺り一面を埋め尽くしていた骸骨は、闇に覆われ見えなくなっていた。

「あら…。…ごめんなさい。彼らを楽にしてあげて」

言葉に同調するように、無数のグロテスクな生物が姿を現す。骸骨がそのまま動き出したものもいれば、腐乱した死体もいる。

他には、表面が不気味に光っている肉塊から異常に肥大した腕が生えている化け物もいた。顔らしきものが肉塊の中心に見える。

「生きている貴方たちを羨ましいと思ったんでしょうね。それが妬みに変わり、形を持った」

「ガキンチョ。お前は違うのか?」

「私はただ、妹を見ていたいだけよ。それ以外の願望は無いわ」

「尤も、物理的な干渉は出来ないから、見守ることしか出来ないんだけど…」

「だから、皆を鎮めるのも誰かを頼るしかないの。実体を持った彼らを斃せるのは、貴方たちだけ」

愁いを帯びた瞳が見つめる。何を言おうと、ここを出るにはこの化け物たちを殲滅するしかない。

『分かった』と男は答え、ハエレは斧を構えた。サムソンは拳を合わせ、ダイシエルは賽子と方位磁針の針を持つ。

「GYAAAAAAAAA!!!!!」

死者の咆哮を合図に、死の濁流が押し寄せた。


下1コンマが30以下でピンチに。31以上だと殲滅完了。

はい

「密室だと扱いにくい…!」

柄の付け根を持ち、化け物の群れに肉薄するハエレ。全身を電撃が駆け巡っており、触れるだけで灰燼に帰しそうなほどだ。

「フハハハハハ!」

一方サムソンは、徒手空拳で戦っていた。拳が触れた瞬間。インパクトと同時に、化け物は発火して燃え尽きる。

ダイシエルは賽子を投げつけ、近寄るゾンビを方位磁針で滅多刺しにする。肉が潰れるような、厭な音が耳に残る。

「あ…あの…斃していいとは言ったけど、もう少し手心を…」

「嫌だね」

「断る!」

「無理です」

「…じゃあせめて、神に祈らせてもらおうかな…」

女の子が礼拝している間、悪魔は楽しそうに、天使は無言で、化け物たちを殺し続けていた。

「あー…。やっぱ弱い!」

「元は一般人や幼子と考えれば、仕方ないだろう」

「安らかに眠りなさい…」

肉片や白骨が散乱するカタコンベ。ダイシエルが言うには、アンデッド、所謂死霊の類の魔物が死ぬと、しばらくしたら死体は消滅するらしい。

掃除する必要が無いことに、男は安堵した。

「…何かごめんね。お礼だけで終わらせたかったのに、鎮魂のお手伝いまでさせちゃって」

「何か寄越せよオラオラ」

「これだから悪魔は…」

女の子を強請るハエレの頭頂部に、ダイシエルが方位磁針を突き刺した。

噴水のように、血液が吹き出る。しかし、ハエレは全く意に介していなかった。

「フハハハハハ!脳天に針を突き刺される気分はどうだ?」

「マッサージみたいでいいな、これ」

「…ふんっ!」

「流石に脳をかき混ぜるのはやめろ」

ぐりぐりとダイシエルが針を動かしたら、ハエレは顔を顰めながら針を引き抜く。流石に堪えたようだ。

悪魔と天使の喧嘩に関わるだけ無駄と悟った男は、どうするか思案していた。


下1に行動かイベントを。

ここに居た亡者たちはどうして生者に恨みを持っていたのか尋ねる

女の子の言っていたことが正しいとすれば、先程の死者たちは恨みを持っていた。

実際に攻撃してきたのだから、事実以外の何物ではないのだが。念のために質問してみることにした。

「え?何で…って言われても…ねぇ」

「このカタコンベ、全員同じ病気で死んでるのよ。数年前に流行った疫病で」

「あ、私はピンピンしてたわよ?病気になんてなったこと無いわ」

『ならば、君は何故死んだ?』。男の問いに、女の子はあっけらかんと答える。

「そりゃ、私が死なないと妹が死んでたし。内臓を全部プレゼントしたのよ」

『それでは本末転倒だ』と男は言う。女の子は、その言葉を否定しなかった。

「まあ、ね。どっちかが死んだら意味が無いのは解っていたわ」

「で・も。妹のために何でもするのが。命を懸けるのが、お姉ちゃんってものでしょ?」

「欠陥品の私よりも、健康体だった妹の方が、余程良い未来があったはずだから」

何の後悔も見せず、女の子は笑う。こんな清々しい笑顔を見たのは初めてだ。

「…話が逸れたわね。要は、自分たちは苦しい思いをして死んだのに、呑気に生きている人たちが恨めしく思ったのよ」

「ここ、納骨された人の半分以上が子供だから。純粋な分、堕ちた時のエネルギーはデカいものよ」

話を聞いて、男は納得した。だが、釈然としなかった。

そんな惨事を何故、食い止めることが出来なかったのか。そんな疑念だけが残っていた。


下1に行動かイベントを。

野良天使が女の子の妹を探しに来る

下1に天使の名前と特徴をお願いします。

名前:ハラリエル
特長:警告をつかさどる女性の天使
涙もろくポンコツ

女の子に別れを告げ、教会を出る。既に日は沈み、夜となっていた。

宿泊費も無いので、今夜は野宿しかないか、と考えながら足を進める男。何も言わずに、悪魔も天使もその後をついて行く。

そんな時、前方には異様な人だかりが出来ていた。その中心には、天使の羽と輪っかを持った女性が。

「………」

後ろを見ると、ダイシエルが気まずい表情をしていた。知り合いなのだろうか。

「あぁっ!」

ダイシエルを見て、女性はぱぁっとした笑顔になる。そして、小走りで近寄ってくるのだが。

「あうっ!?」

1CM程度の段差に躓き、盛大にこけてしまった。真っ赤になった額を押さえ、女性は蹲る。

「ハラリエルは相変わらずですね…」

「ダイシエルさぁん…」

女性ことハラリエルは、照れを誤魔化すように笑った。そして、男たちに問う。

「ダイシエルさんたちは、この女の子を知っていますか?」

見せてきたのは、一枚の写真。映っていたのは、山賊に襲われていたあの女の子だ。

「面識はありますが…」

「本当ですか!?…ってえ゛っ!?悪魔がどうしてここにぃっ!?」

「そりゃこっちのセリフだ。天使が普通にいるのもおかしいだろ」

「いや、その…。私、依代がありますから…」

「…もしや、少女の右腕と右脚ではあるまいな?」

「何で知ってるんですか???」

男を置いて勝手に話が進んでいるので、男は説明を要求した。


下1に行動かイベントを。

妹は堕天使を惹きつける体質なので守る使命を帯びているハラリエル(今まで1度も堕天使が来たことはないが)

「…堕天使からガキンチョを守るため、か。ご苦労なこった」

「それを悪魔にも伝えるなど、愚かにもほどがあるがな!!!」

「あっ…。あぁーっ!?」

「…ハラリエル。後で反省文を提出してください」

ある程度説明を受けたのだが、本来伝えるべきではないことまで、彼女は伝えてきた。

情報漏洩とかは大丈夫なのだろうか。

「主に説明しておくと、堕天使は悪魔に与した天使のことだ」

「召喚も出来るだろうが、分類上は天使として喚ばれるだろうな」

『なるほど』と相槌を打ち、頷く男。満足気に、サムソンは高笑いをした。

「彼女はこの街に住んでいますが、場所は知りません。ハラリエルが自力で見つけてください」

「えぇ~!?」

オーバーリアクションをして落ち込むハラリエルだった。


下1に行動かイベントを。

盗人に荷物をスられる

「きゃうんっ」

「ごめんよ!」

ハラリエルに男性がぶつかり、軽い謝罪をしながら走り去っていく。ハラリエルは衝撃でへたれ込んだ。

暫くして、ハラリエルは焦った様子で身体をペタペタと触った。

「か、鞄が無い~っ!?!!」

「スリだな」

「鈍感過ぎだ!!!」

「まったく…。何やってるんですか」

「あわわ…。あの鞄には写真とか命令書とか色々入ってるのに…」

何故彼女を狙ったのか考えてみたが、男の持つ鞄はペラッペラであり、ハラリエルの鞄はかなり分厚かった。

そちらの方が良いものが入っていると思い、盗んだのだろう。

ドジっ子というか、抜けているというか。彼女の面倒を見ているであろうダイシエルに、心底同情した悪魔と男であった。


下1に行動かイベントを。

鞄を取り戻しに行く

「と、取り返さないと…!」

「…ですが、天使と縁を結んでいない人間が中身を見ても、ただの落書きにしか見えないでしょう」

「だろうな。坊ちゃんは俺らと契約する術を持っているから、それが何かを理解することは出来るが」

「あの心根の腐った男…っていうか、普通の人間には分からねぇだろ」

となると、早急に見つけなければどこかに廃棄される可能性が高い。

それが何か分からない以上、質屋で売ることも出来ないのだ。その手の者以外には利用価値は皆無だろう。

犯人の顔は割れている。見つけることは容易なはずだ。

男の指示に従い、街中の捜索を開始した。


下1コンマが31以上で荷物発見。

ドジ不発

「うあぁ…またどやされるぅ…」

「注意不足だ。完全に自業自得だろ」

「流石悪魔…。辛辣ですね…」

「本来なら敵なのに、優しくするわきゃねぇだろ」

「たしかに…」

ベンチで項垂れるハラリエル。残念ながら、鞄を見つけることは叶わなかった。

もう深夜だから、これ以上の捜索は非常に効率が悪い。これでは、断念せざるを得ない。

俯いたままのハラリエルを、ダイシエルが宥める。ハラリエルは、胸に顔を押し当てて泣き始めた。

ハラリエルにとって災難な結果で、スリ騒動は幕を下ろした。


下1に行動かイベントを。ハラリエルは一度姿を消します。

寝るところを探す

ハラリエルは謹慎処分を受けに戻ったらしく、静寂が広がる。

所持金を確認するが、宿に泊まることも出来ないほど、残金は少なかった。

洞窟から逃げ出したばかりなので、金があるだけマシというものなのだが。

「野宿しかないでしょうか」

「噴水広場のベンチで寝るか?」

「憲兵にしょっ引かれる可能性を考慮すれば、得策ではないと思いますが」

「先程のカタコンベで眠れば良かろう!もう、あの幼子以外はいないのだからな!!!」

三人の意見を纏めると、宿泊場所は『噴水広場』と『野宿』、『カタコンベ』の三つに絞られた。

マトモな場所で寝られない、その選択肢が無い現実が、非情にも男たちに突き刺さった。


下1にどこで眠るか。

噴水広場

さっきよりかは雰囲気明るくなったカタコンベ

ありゃ、まだ慣れない

噴水いいよね

だから下げ忘れぇ・・・

すまぬ・・・すまぬ・・・

今回は、ハエレの提案に乗ることにした。憲兵に捕まる可能性もあるが、一番安全な場所のはずだ。

周りを見渡してみるが、他のベンチは浮浪者が占拠しており、今座っているベンチしか使えない。

「…俺は街を見回ってくるわ。何か面白い物があるかもしれねぇ」

「我も共に行こう!!!」

そそくさと悪魔たちは、逃げるように街中に消えていった。まるで『邪魔者は退散します』とでも言っているようだった。

「…あの馬鹿二人は…」

はぁ、と溜め息を吐いたダイシエルは、ベンチに腰掛けて太腿を叩く。

「頭を乗せてください。主を労わるのも、従者の務めですから。お気になさらず」

遠慮しようとする男だったが、促すような視線に負け、頭を預けた。

柔らかい感覚が後頭部を包む。相当な疲れが溜まっていたのか、瞬く間に意識が途絶えた。

雀の囀りが耳に入り、男はゆっくりと瞼を開ける。視線の先には、微笑んでいるダイシエルがいた。

「おはようございます。本日の貴方に、加護が在らんことを」

右手には、二つの賽子が握られている。魔力を帯びているのか、仄かに光っていた。

身体を起こし、男も『おはよう』と返す。もう一度微笑んだダイシエルは、席を立った。

「そこの馬鹿悪魔二人も、おはようございます」

「おーっす」

「酔っ払いの相手も…堪えるもの…だな…」

蒼ざめた表情のサムソンを抱えて、手を挙げて応対するハエレ。腰には、前日には無かった麻袋が括り付けられていた。

「あ?これか…。…まぁ、ちょっとした謝礼…か?」

「うぷ…。ハエレよ…。お、下ろして…くれ…」

「ほい」

「ごふっ」

轢かれたカエルのように、投げ捨てられたサムソンは地面にへばり付いた。


下1に行動かイベントを。

これからどうするか、目標について相談する

「目標か。まぁ、決めた方が良いのかもしれないな」

相談する相手として適当なのかは分からないが、信用出来る相手は彼らしかいない。

何もせずに乞食に勤しむわけにもいかないので、何らかの目標が欲しいと思い、相談することにした。

「坊ちゃんの力がありゃあ、国一つ墜とすことは出来るだろうな」

「今の魔力じゃ六人の天使と悪魔が呼べれば上々…ってとこか。あ、俺は例外だから」

「主は今、自身の魔力を消費して、計二人の天使と悪魔を使役している」

「何をするにしても、人手は多い方が良いであろうな!!!」

「今回だけは彼らに同意します。ですが、正直なところ…。やるべきことは皆無に思います」

「依頼をこなして備蓄して、普通に生きていくのも良いと思います」

「それを他の人が良しとするかは、分かりませんが」

「まぁ、十中八九殺しに来るか、手籠めにしようとするだろ」

「その時は、我らの出番だ!!!」

「…頼もしいものですね」

契約や願望に従い行動するからなのか、具体的な意見を貰うことは出来なかった。

だが、参考になる話を聞くことは出来た。それなりの収穫になったはずだ。


下1に行動かイベントを。目標を決めるのもOK。

二度と弱者が虐げられない世界にするため
悪人を滅ぼし世直しをする

男は、嘗て受けた仕打ちを思い出す。囚われ、蹂躙された、苦々しい記憶に想いを馳せる。

自分だけがそうだとは思えない。同じように、いや、もっと凄惨な目に遭っている人も、世界にはいるはずだ。

そんな目に遭わせる、悪しき人もいるはずだ。彼らが、両親の命を奪ったのだ。『いるはず』ではなく、確かに『いる』。

赦せなかった。弱き者が虐げられ、愚かな者が益に嗤う。そんな巫山戯た世界を。

両親の力があれば、変えられるはずだ。そんな世界を壊して、弱き者も笑っていける世界を創られるはずだ。

自分には戦う力は無い。そんな自分が、このような荒唐無稽な夢、目標を語るなど烏滸がましいのかもしれないが。

それでも、そうしたいと思ってしまった。ならばもう、突き進むしかない。

それが、人間というものだと。そう書物に書かれてあった。

「…良いのですか?貴方はこれから、想像もつかないような罪を背負うかも、咎めを受けるかもしれないのですよ?」

「平和に暮らす権利があるというのに、それを棄てるというのですか?その覚悟があるのですか?」

『覚悟はある。だから選んだ』。そう、男ははっきりと告げる。

ダイシエルは目を閉じ、ゆっくりと頷いた。

「…であれば、私たちも主の望みを叶えるため、行動させていただきましょう」

「勝手に仕切んなよ。まぁ、付き合ってはやるが」

「…って。それって俺たちもヤバいんじゃないか…?」

「悪魔は、欲望のままに動く存在だからな!主の望みが果たされた時、我らも滅びるであろう!!!」

ハエレは苦笑いをしながら『もう一度考え直せ』と提案をしてきた。

勿論、その提案は却下されるわけで。ハエレは、どこからか入手した酒瓶を呷った。


下1に行動かイベントを。

今お金が少ないのでアルバイトやクエストなどお金を稼ぐ所はないか探してみる

所持金が殆ど無いのは由々しき事態で、放っておいたら満足に休養も取れず、食事も出来ない。

餓死まっしぐらなこの状況を打破するためにも、何かしらの仕事に携わって、資金を増やす必要がある。

尤も、存在しないことになっている自分が店員として働くのは、困難極まりないだろうが。

十年以上前に誘拐されて、消息不明の状態が続いていたのだ。間違いなく、死亡扱いにされている。

そんな自分でも金を稼げる場所といったら、一つしかない。男は、噴水広場の掲示板に向けて歩き始めた。


下1にどんな依頼を受けるか。余程のものじゃなければ、なんでもあります。

刺身の上にタンポポを乗せる

この街の薬売りからの依頼で
近くの森から薬草を10個以上採ってきて欲しい

「刺身の上にタンポポを乗せる仕事…だぁ?」

「何故にタンポポなのだ?食えたものじゃないだろう」

「…極東では、食用菊を乗せる風習があるのですが。タンポポは初めて聞きましたね」

手に取ったチラシを皆で見る。書いてあることは単純なのに、意味が分からなかった。

「…まぁ、この程度の仕事で収入があるのでしたら、やる意味はあるはずです」

「悪魔にこんな手作業は無理でしょうし、私がやってきましょう」

『何かあったら連絡します』と言い残し、ダイシエルは集合場所に向かっていった。


下1に行動かイベントを。

他の仕事を探す

「他にいい仕事はねぇのか?」

「殺し合いを所望する!!!」

サムソンの言葉を無視し、チラシに目を通していく。無難なものから、意味不明なものまで。本当に色々なものがある。

建築現場に二人を派遣するのも良いかと思ったが、更地にして帰って来そうなので見送った。

もう少し、彼らに相応しい仕事は無いものか。

そう思いながら、黙々と依頼探しを続ける男だった。


下1にどんな依頼を受けるか。

近くの森の薬草取り

「薬草…集め…」

「む、むう…。魔物や賊が出るだけ、良しとするか…」

男としては丁度いい依頼を選んだつもりなのだが、二人は不満気だった。そんなに戦いたいのか。

だが、今までの言動を考えると、強者と鎬を削れていないので退屈しているのかもしれない。

だからと言って、おいそれと戦わせるわけにもいかないが。

「近くの森だろ?ダンジョンとかも無いだろうし、つまんねぇな」

「すぐに出発するのか?我らはそれでも構わないが」

「坊ちゃんの負担になるだろうが、人手を増やすのも良いかもな」

「そうすりゃ、金を稼ぐのも楽になる…かもだ」

ハエレの言葉をそのまま鵜呑みにするなら、最低でもあと四人召喚することが可能だ。

尤も、契約破棄をすれば、また別の天使や悪魔を召喚することも出来るのだが。

ふむ、と男は黙考を始めた。


下1に直行するか召喚してから行くか。

1体召喚

下1コンマが奇数だと天使、偶数だと悪魔が召喚されます。

下2~4までが召喚される天使/悪魔の募集範囲で、最高コンマのキャラが採用されます。ゾロ目は別枠強制召喚となります。

ほい

名前:シザエル
特徴:銀髪で長い髪。背が高くスタイルが良い。剣を持っていて素早い剣さばきが得意(剣はすごく重くシザエルしか持てない)。無表情でクールな所だが主人公のことが大好きで今すぐにでも結婚したい位。主人公以外は特に普通。

名前:ロヒモ・トートカ
特徴:こちらの言う事を聞かず片っ端から気違いの如くメッタ刺しにする

名前 アザン

特徴 白髪と白い肌と対照的な黒い翼をもつ女性
華奢な外見に似合わない強力な身体能力を持っているが本人は大人しく気弱な性格

男はハエレの斧で指に傷を付け、床に血溜まりが出来るまで垂らす。

補足しておくと、彼らが今いるのは先日の教会だ。他人にこの瞬間を見られるのは、些か問題がある。

今度は手を添えるまでもなく、意識するだけで血溜まりは魔法陣へと形を変えた。

線が光を放ち、外周部は時計回りに、内周部は反時計回りに回転する。

眩い閃光が辺り一面を包む。それが収まった時には、魔法陣の中心に女性がいた。

「わ、私はアザンと申します…。よろしくお願いします、マスター」

「天使かよ」

「堕天使…ではなさそうだな」

「は、はい。こんな羽をしてますけど…普通の天使です…」

呼び出されたのは天使。これで、天使と悪魔の比率は同じになった。

三人寄れば何とやら。これなら、事も上手く運ぶだろう。

そんな根拠のない確信を持ち、男たちは森へと向かった。


下1に森でのイベントとか。

森で火事が発生。消火活動をすることになった。

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